説明

レジストインキ及びレジストパターン形成方法

【課題】 各種電子部品として所望される最適な微細画像を、エッチングで得るために用いる、レジスト適性はもとより、印刷適性に優れるレジストインキ、及び、該インキを用いたレジストパターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであることを特徴とするレジストインキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターンを必要とする各種電子部品の製造において、エッチング工程を用いて微細パターンを形成する際に、レジスト材料として好適に使用できるレジストインキに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで各種電気部品の製造には、高精細なパターニングが可能なフォトリソグラフィ法(フォトリソ法)が用いられてきた。例えばITO(インジウム錫酸化物)などの導体を用いてタッチパネル用の電極パターンを形成する際には、導体膜を形成した上にレジストを全面に塗布し、マスクを用いて露光し、未硬化部のレジストを除去した後、エッチングで不要な導体膜を除去し、さらに使用済みのレジストを除去する。しかしながら、フォトリソ法では、生産工程が長くなること、マスクの使用や露光、レジストを全面塗工することのために、ランニングコストが増大することなど、多くの問題がある。生産工程を短縮するため、印刷法による各種電子部品の製造が望まれている。
【0003】
フォトリソ法に関連する技術として、配線板の回路パターンをエッチング法で形成するためのレジスト用インキ(光硬化型印刷インキ)が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。このレジスト用インキは、スクリーン印刷や通常のグラビア印刷等でパターン印刷した後、紫外線硬化させることでレジストパターンが得られるものであり、マスクが不要である。しかしながら、スクリーン印刷やグラビア印刷等ではフォトリソ法に匹敵するファインパターンが形成できない。
【0004】
プレート中にパターンをエッチングで形成した平板状のグラビアプレートを用いたレジストパターン形成方法も知られている(例えば特許文献5参照)。しかしながら、溶剤のブランケットへの吸収が十分に考慮されず、基材への転写が必ずしも十分ではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−172176号公報
【特許文献2】特開平11−172177号公報
【特許文献3】特開平11−172178号公報
【特許文献4】特開平11−172179号公報
【特許文献5】特表2006−523750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第一の課題は、各種電子部品として所望される最適(微細)な画像を、エッチングで得るために用いる、レジスト適性はもとより、印刷適性に優れるレジストインキを提供することにある。第二の課題は、細線再現性、連続印刷性、機上安定性に優れるレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、本発明は第一に、酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであることを特徴とするレジストインキを提供する。
【0008】
更に、本発明は第二に、少なくとも、レジストパターンを有する凹版印刷版にレジストインキを供給する工程、シリコーンブランケットを押圧し、レジストインキを該ブランケット上に転移する工程、該ブランケット上のレジストインキを、予め基板上に形成されたエッチング可能な層上に転写する工程を有するレジストパターン形成方法であって、該レジストインキが、酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであるレジストインキであることを特徴とするレジストパターン形成方法を提供する。
【0009】
本発明に於いて、有機溶剤のシリコーンブランケット膨潤率とは、2cm角のシリコーンブランケット(金陽社製シリコーンブランケット T−60 C/C)を、該溶剤に、25℃環境下、10時間浸漬した後のブランケットの質量増加率を言う。
【0010】
本明細書において、レジストインキの粘度は、ラレー粘度計により測定した値で定義する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各種電子部品として所望される最適(微細)な画像を、エッチングで得るために用いる、レジスト適性はもとより、印刷適性に優れるレジストインキを提供することができる。又、細線再現性、連続印刷性、機上安定性に優れるレジストパターンの形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、最良の形態に基づいて本発明を説明する。
【0013】
(レジストインキ)
本発明のレジストインキは、酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであることを特徴とする。
【0014】
(レジストパターン形成方法)
本発明のレジストパターン形成方法は、前記した本発明のレジストインキを用い、少なくとも、レジストパターンを有する凹版印刷版にレジストインキを供給する工程、シリコーンブランケットを押圧し、レジストインキを該ブランケット上に転移する工程、該ブランケット上のレジストインキを、予め基板上に形成されたエッチング可能な層上に転写する工程を有することを特徴とする。
【0015】
本発明のレジストインキは、凹版印刷版を用い、シリコーンブランケットを介するオフセット法によりエッチングレジストパターンを形成するために用いることができる。本発明のレジストインキに用いる各成分は、エッチング液に対して化学的に耐え得る成分を適宜選択して用いることが望ましいが、組成物全体として、形成したパターンが所望の耐エッチング性を有すれば使用可能である。
【0016】
本発明のレジストインキに用いるアルカリ可溶性樹脂は、酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂である。酸価は、200以上であることが好ましい。酸価が150(gKOH/g)未満であると、アルカリ洗浄時に残渣が残る。重量平均分子量が500未満では、印刷に必要な粘度を十分に得ることが難しく、5,000を超えると、インキの弾性が強くなりレジストパターンを有する凹版印刷版にレジストインキを供給する工程に不具合が生じる。
【0017】
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、ロジンエステル樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。特に好ましくは、ロジンエステル樹脂、アクリル樹脂である。
【0018】
本発明のレジストインキに用いる有機溶剤は、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤である。20℃に於ける蒸気圧が0.02kPaを超えると、印刷機上でインキの増粘が起こり安定的な連続印刷適性を出すことが出来ない。
【0019】
本発明のレジストパターン形成方法において、シリコーンブランケットには、凹版からの転写性、及び、基材への転写性が求められる。特に、基材への十分な転写性を得るためには、ブランケット表面で、レジストインキ中の有機溶剤を一定割合で吸収することが必要である。吸収が不十分であると基材への転写時にレジストインキ層が層間剥離を起こし易く、逆に、一定割合を超えて吸収するとブランケット表面でレジストインキが乾燥し、基材への転写不良を起こし易い。本明細書では、シリコーンブランケットへの有機溶剤の吸収度合いを前述の「膨潤率」で定義するものである。
【0020】
すなわち、シリコーンブランケット膨潤率が5%未満の有機溶剤を用いると、シリコーンブランケットから基材への転写工程で、レジストインキ層が層間剥離を起こし易くなり、シリコーンブランケット膨潤率が20%を超える有機溶剤を用いると、ブランケット表面でレジストインキが乾燥し過ぎ、転写不良を起し易くなる。斯様な状況の下、シリコーンブランケットを用いたレジストパターン形成方法に、最も適するレジストインキを提供することが本発明の主要な目的とするところある。
【0021】
このような有機溶剤としては、2cm角のシリコーンブランケット(金陽社製シリコーンブランケット T−60 C/C)を、該溶剤に、25℃環境下、10時間浸漬した後のブランケットの質量増加率が5〜20%である有機溶剤を選択することができる。
【0022】
特に好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート又はジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートであるが、数種の溶剤を組合せた結果、シリコーンブランケットの膨潤率は5〜20%が好ましい。
【0023】
本発明のレジストインキは、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであることを特徴としている。粘度が5Pa・s未満であると、画線のコーナー部分やマトリックスの交差点にピンホール欠陥を起こし易く、粘度が20Pa・sを上回ると、凹版へのインキング性に劣り、画線の直線性が劣る。
【0024】
本発明のレジストインキには、更に、重量平均分子量が500〜5,000のポリエーテルを含有してもよい。重量平均分子量が500〜5,000、且つ、30℃において液状又は半固形状のポリエーテルの添加により、10μm以下の線幅の細線再現性の効果を奏する。レジストインキ中の樹脂固形部に対するポリエーテルの含有比率は、0.1〜3%が好ましい。
【0025】
このようなポリエーテルとしては、保土ヶ谷化学社製PTG-L1000、PTG-L2000、PTG-L3000、PTG850、PTG1000、PTG1400、PTG1800、PTG2000、PTG3000、ダイアケミカル社製PTMG650、PTMG850、PTMG1000、PTMG1300、PTMG1500、PTMG1800、PTMG2000、PTMG3000等が挙げられる。特に好ましくは、PTG-L1000、PTG-L2000、PTMG650、PTMG850、PTMG1000である。
【0026】
(レジストインキの組成)
本発明のレジストインキの、アルカリ可溶性樹脂と有機溶剤の比率は、75:25〜55:45の範囲が好ましく、更に好ましくは、70:30〜60:40である。レジストインキ中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、75〜55質量%が好ましく、より好ましくは70〜60質量%である。任意成分としてのレジストインキ中のポリエーテルの含有量は、対象とする線幅に応じて0.1〜3%で使用できる。より好ましくは0.5%〜1.5%である。
【0027】
本発明のレジストインキでは、上述の成分以外にも、染料や顔料等の着色成分、顔料分散剤、消泡剤、可塑剤などの各種添加剤を適宜適量配合することができる。
【0028】
本発明のレジストインキは、上述の原料を混練し、均一化することで製造することができる。
【0029】
本発明のレジストパターン形成方法は、凹版印刷版の溝部にレジストインキ供給する工程、シリコーンブランケットを凹版印刷版表面に押圧し、凹版印刷版溝部のレジストインキをブランケット表面に転写する工程、ブランケット表面のレジストインキを基材に転写する工程を有する。
【0030】
本発明のレジストパターン形成方法に用いる凹版印刷版としては、通常のグラビア版、ガラス板上の感光性樹脂を露光、現像、洗浄により形成した凹版、ガラス板をケミカルエッチングおよびレーザーエッチングにより形成した凹版が使用できる。
【0031】
本発明のレジストパターン形成方法に用いるシリコーンブランケットは、シリコーンゴム層、PET層、スポンジ層の様な層構造を有するシートである。通常、ブランケット胴と称される剛性のある円筒に巻きつけた状態で使用する。
【0032】
(基材)
このレジストインキを用いてレジストパターンを形成する基材は、特に限定はなく、例えばプラスチック、紙、ガラス、セラミックス、金属などが挙げられる。具体的には、ITOを蒸着したガラスやPETフィルム、アルミニウムやモリブデンを蒸着もしくは均一塗工されたガラスやPETフィルムが挙げられる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。ここで「%」は、特に断らない限り「質量%」である。
【0034】
(有機溶剤の選択)
2cm角に切り出したシリコーンブランケット(金陽社製シリコーンブランケット T−60 C/C)の質量を測定した後に、25℃環境下で、各溶剤50gに10時間浸漬させ、表面に付着した溶剤を拭き取りブランケットの質量を測定した。溶剤浸漬前後のブランケットの質量変化をブランケット膨潤率として算出した。
【0035】
【表1】

【0036】
(実施例1インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)65g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.01kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)35gを加え、80℃で加熱攪拌して実施例1インキを得た(インキ粘度10Pa・s程度)。
【0037】
(実施例2インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)65g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.01kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)34g、PTG-L1000(保土ヶ谷化学社製)を1g加え、80℃で加熱攪拌して実施例2インキを得た(インキ粘度10Pa・s程度)。
【0038】
(比較例1インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)62g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.01kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)38gを加え、80℃で加熱攪拌して比較例1インキを得た。(インキ粘度4Pa・s程度)
【0039】
(比較例2インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)68g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.01kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)32gを加え、80℃で加熱攪拌して比較例2インキを得た。(インキ粘度30Pa・s程度)
【0040】
(比較例3インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)68.2g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.003kPa、シリコーンブランケット膨潤率、3%)31.8gを加え、80℃で加熱攪拌して比較例3インキを得た。(インキ粘度10Pa・s程度)
【0041】
(比較例4インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、アクトフローCBB−3098(綜研化学社製:酸価100(gKOH/g、25℃において液状樹脂)、重量平均分子量2000)65g、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.01kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)35gを加え、攪拌して比較例4インキを得た(インキ粘度2Pa・s程度)。
【0042】
(比較例5インキの調製)
アルカリ可溶性樹脂として、ベッカサイトJ896(DIC社製:酸価200(gKOH/g)、重量平均分子量900)65g、有機溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテル(ダイセル化学工業社製:20℃に於ける蒸気圧、0.70kPa、シリコーンブランケット膨潤率、11%)35gを加え、80℃で加熱攪拌して比較例5インキを得た(インキ粘度8Pa・s程度)。
【0043】
(レジストパターンの形成)
ガラス板上に感光性樹脂をスピンコータで均一塗工し、マスクを通して露光を行い、その後、現像、洗浄を行うことで実験用の凹版を形成した。尚、細線パターンは、100μm幅再現性評価部分、20μm幅再現性評価部分、10μm幅再現性評価部分の3通りのパターンを形成した。
【0044】
シリコーンブランケットは、シリコーンゴム層、PET層、スポンジ層の層構造を有する金陽社製T−60 C/Cブランケットを用いた。
【0045】
上記で形成した凹版に実施例1インキを、ドクターブレードを用いてインキングした後、ブランケットを巻き付けたブランケット胴をニップ幅10cm程度で押圧し、パターン化された実施例1インキを該ブランケット上に転移させた。その後、ITOの厚さ10nmのITOガラス基板に該ブランケット上の実施例1インキを転写し、転写パターンを形成した。
【0046】
実施例2インキ、比較例1〜5インキで同様の操作を行い、以下の評価方法で評価した。評価結果を表2に示す。
【0047】
(インキ粘度)
25℃にて、ラレー粘度計で測定した。
【0048】
(インキング可否)
凹版上でインキをブレーディングしたのち、凹版を光学顕微鏡(×1000)で観察した。
【0049】
(細線再現性)
前記した、100μm幅再現性評価部分、20μm幅再現性評価部分、10μm幅再現性評価部分に対応した転写パターンを光学顕微鏡(×1000)下で目視評価した。
【0050】
(コーナリング)
直角クランクを有する100μm幅の特定転写パターンや100μm幅の直線の終わりの部分を光学顕微鏡(×1000)下で観察し、印刷方向に対して垂直となる部分に発生するピンホール欠陥の有無を目視評価した。
【0051】
(連続印刷性)
転写パターンを10回連続で形成したときの、前記した、100μm幅再現性評価部分、20μm幅再現性評価部分、10μm幅再現性評価部分に対応した転写パターンを光学顕微鏡(×1000)下で目視評価した。
【0052】
(機上安定性)
インキを厚さ10μm程度に引き伸ばした状態で10時間放置し、その前後でインキの粘度を測定し10%以上の増粘がないかを確認した。
【0053】
(ブランケット残渣)
基材への転写工程時に起こる粘着力不足による転写不良、レジストインキの内部凝集力不足による転写不良をブランケット表面に残るレジストインキ残渣として、目視評価を行った。
【0054】
比較例3−5インキは、前述したブランケット残渣1の評価で、転写不良や内部凝集力破壊の現象を呈したため、以降の評価を実施しなかった。
【0055】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、各種の電気部品・電子部品の製造にエッチング用のレジストインキとして利用することができる。最終製品としては、例えばタッチパネル用の電極やディスプレイの画素電極等が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであることを特徴とするレジストインキ。
【請求項2】
前記したアルカリ可溶性樹脂が、ロジンエステル樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる1種以上である請求項1に記載のレジストインキ。
【請求項3】
前記した有機溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート又はジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを含有する請求項1又は2に記載のレジストインキ。
【請求項4】
更に、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、30℃において液状又は半固形状であるポリエーテルを含有する請求項1〜3の何れかに記載のレジストインキ。
【請求項5】
少なくとも、レジストパターンを有する凹版印刷版にレジストインキを供給する工程、シリコーンブランケットを押圧し、レジストインキを該ブランケット上に転移する工程、該ブランケット上のレジストインキを、予め基板上に形成されたエッチング可能な層上に転写する工程を有するレジストパターン形成方法であって、該レジストインキが、酸価が150(gKOH/g)以上、重量平均分子量が500〜5,000、且つ、25℃において固体であるアルカリ可溶性樹脂、及び、20℃に於ける蒸気圧が0.02kPa以下、シリコーンブランケット膨潤率が5〜20%である有機溶剤を含有し、25℃に於ける粘度が5〜20Pa・sであるレジストインキであることを特徴とするレジストパターン形成方法。

【公開番号】特開2011−32401(P2011−32401A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181451(P2009−181451)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】