説明

レトロウイルス産生用ベクター

【課題】目的の表現型に関与する遺伝子を効率よく同定するためのベクターを提供する。
【解決手段】一対のloxP配列、並びに
該loxP配列にはさまれた、プロモーターを有さず、3’側にポリA付加シグナルが付加されたピューロマイシン耐性遺伝子、および、前記ピューロマイシン耐性遺伝子の下流に位置する、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子、
を有するレトロウイルス産生用ベクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的の表現型に関与する遺伝子を効率よく同定するための方法およびそれに使用するレトロウイルス産生用ベクターに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで培養細胞に変異を生じさせた後、その原因遺伝子を同定するという研究は行われてきたが、その手法としてゲノムDNAに化学物質を用いて点突然変異を入れた後に異常な形質をもつ細胞を同定し、その細胞にcDNAライブラリー中の多種のcDNAを導入して形質を復帰させることで、原因遺伝子を同定するというのが主なものであった。しかし、この手法だと原因遺伝子を得るまでに、多大な労力と時間が必要であった。
染色体上に遺伝子を導入し、細胞の表現型と遺伝子の挿入位置の関連から目的遺伝子を同定するという遺伝子トラップ法が開発され、その目的で使用されるレトロウイルスベクターがいくつか報告されている(特許文献1および非特許文献1)。しかしながら、これらのレトロウイルスベクターでも遺伝子同定の効率において改善の余地があった。
【特許文献1】特表2002-539764
【非特許文献1】Nucleic Acids Res. 1999 Dec 15;27(24):e35
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、化学物質を用いて細胞の形質を変化させた後、その原因遺伝子を同定するのは多大な労力と時間を要した。本発明ではレトロウイルスベクターをゲノムDNAに挿入することで遺伝子の機能を不活性化すると共に、そのベクターの性質を利用してベクターが挿入された遺伝子を簡便に同定しようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
その結果、一対のloxP配列、並びに該loxP配列にはさまれた、プロモーターを有さず、3’側にポリA付加シグナルが付加されたピューロマイシン耐性遺伝子、および、前記ピューロマイシン耐性遺伝子の下流に位置する、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子を有するレトロウイルス産生用ベクターを用いることにより、目的の表現型に関与する遺伝子を効率よく同定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)一対のloxP配列、並びに
該loxP配列にはさまれた、
プロモーターを有さず、3’側にポリA付加シグナルが付加されたピューロマイシン耐性遺伝子、および、前記ピューロマイシン耐性遺伝子の下流に位置する、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子
を有するレトロウイルス産生用ベクター。
(2)前記ピューロマイシン耐性遺伝子の前にスプライスアクセプター部位−IRESが付加された、(1)のベクター。
(3)(1)または(2)のベクターを細胞に導入するステップ、
ベクターが導入された細胞から表現型が変化した細胞を選択するステップ、および
該表現型が変化した細胞において染色体上のベクターの挿入位置に存在する遺伝子を同定するステップ、を含む、表現型に関与する遺伝子の同定方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明のベクターでは、ピューロマイシン耐性遺伝子はプロモーターを有していないため、目的細胞内で発現している遺伝子のみを解析することができる。そして、レトロウイルスベクターを用いることにより、挿入部位の遺伝子がその変異形質の原因であるか、迅速簡便に確認することが可能である。更にベクター内部の配列を用いることにより、容易に挿入部位を同定できる。
本発明のベクターはレトロウイルスベクターであるため、培養細胞のゲノムに効率よく挿入される。更に両端にloxP配列を持つため、変異細胞にCre recombinaseを一過性に発現させることで、このベクターをゲノムから切り出して排除することが可能であり、その結果、変異細胞の形質を復帰させることが非常に容易に行える。更に、ベクター内部の配列を利用してRT-PCRやinverse PCRを行うことにより、挿入された部位の同定を容易に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のベクターは、
一対のloxP配列、並びに
該loxP配列にはさまれた、プロモーターを有さず、3’側にポリA付加シグナルが付加されたピューロマイシン耐性遺伝子、および、前記ピューロマイシン耐性遺伝子の下流に位置する、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子を有する、
レトロウイルス産生用ベクターである。
【0008】
loxP配列としてはP1ファージのloxP配列が挙げられ、具体的には、配列番号7の塩基配列を有する配列が挙げられる。
ピューロマイシン耐性遺伝子の種類は特に制限されないが、例えば、枯草菌のPuromycin耐性遺伝子が挙げられ、具体的には配列番号1の塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
ポリA付加シグナルは特に制限されず、公知の配列を使用することができる。例えば、マウスPGK(phosphoglycerokinase)遺伝子のpolyA付加シグナルが例示される。
ピューロマイシン耐性遺伝子の前にはSA(スプライス受容配列)−IRES(Internal ribosomal entry site:リボゾーム内部侵入配列)が付加されていることが好ましい。
SA配列としては、例えば、ヒトbcl-2遺伝子(GeneBank Accession NO. AY220759)のSA配列が挙げられる。
IRES配列としては、EMCV(Encephalomyocarditis virus)由来のIRES配列が挙げられる。
【0009】
ピューロマイシン耐性遺伝子の下流には、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子が配置されている。
β−ガラクトシダーゼ(lacZ)とネオマイシン耐性タンパク質(neo)との融合タンパク質をコードする遺伝子(β-geo)は、両タンパク質の機能が発揮されるように融合されたタンパク質をコードする遺伝子であればよく、例えば、Gene. 1997 Sep 1;196(1-2):187-9に開示されたような遺伝子を使用することができる。なお、大腸菌由来のlacZ遺伝子の配列としてGeneBank Accession NO. V00296(配列番号4)が例示され、大腸菌由来の
ネオマイシン耐性遺伝子の配列としてGeneBank Accession NO. E16475(配列番号6)が例示される。例えば、これらの遺伝子をORFの読み枠が一致するように連結させてβ-geo遺伝子を得ることもできる。
β-geo遺伝子を発現させるためのプロモーターは特に制限されないが、構成的に発現するプロモーターが好ましく、例えば、PGK promoter: GeneBank Accession NO. CR847878(配列番号3)が例示される。
本発明のベクターは、通常の遺伝子組換え手法によって各遺伝子を連結して得ることができる。
【0010】
本発明のベクターは、目的の表現型に関連する遺伝子を同定するために使用することができる。
すなわち、本発明の遺伝子同定方法は、上記本発明のベクターを細胞に導入するステップ、
ベクターが導入された細胞から表現型が変化した細胞を選択するステップ、および
該表現型が変化した細胞において染色体上のベクターの挿入位置に存在する遺伝子を同定するステップ、を含む、表現型に関与する遺伝子の同定方法である。
【0011】
本発明のベクターを導入する細胞はレトロウイルスが感染可能な細胞であればその由来する動物種や組織は特に制限されず、一般的な培養細胞を使用することができる。ベクターの導入は公知の方法に従って行うことができる。
以下、一般的な方法を例示する。
まず、ウイルス産生細胞(パッケージング細胞)に本発明のベクターを導入する。導入方法は公知のトランスフェクション法によればよく、リポフェクション法などが好ましい。ベクターが導入されたウイルス産生細胞を培養し、その培養上清をウイルス上清として得る。
次に、目的の細胞にウイルス液を適当に希釈して加える。すなわち、コンフルエントに近い状態に培養した細胞から培地を除き、ウイルス上清を添加する。一定時間インキュベートした後、ウイルス上清を除いて新鮮な培地に交換して培養をする。
本発明のベクターが導入された細胞のうち、本発明のベクターに含まれるピューロマイシン耐性遺伝子が内因性遺伝子のプロモーター領域に挿入された場合にのみ、内因性遺伝子のプロモーターからピューロマイシン耐性遺伝子が発現する。したがって、ピューロマイシンでベクター導入細胞を選択することにより、内因性遺伝子のプロモーター領域に挿入された細胞を得ることができる。ピューロマイシンの濃度は、例えば、0.5−10μg/mlである。
さらに、ネオマイシンによる選択を組合わせてもよい。
さらに、本発明のベクターはβ-geo遺伝子を持つため、lacZ染色によってもベクターの導入を確認できるという利点を有している。
【0012】
本発明のベクター(loxPに挟まれた部分)が内因性遺伝子のプロモーターに挿入されると、内因性遺伝子は発現せず、それによって細胞の表現型が変化する。したがって、目的の表現型を示したピューロマイシン耐性細胞において、挿入位置の遺伝子配列を解析することにより、表現型を生じる原因となった遺伝子を同定することができる。
遺伝子配列の解析は、ベクター内部の配列に基づいて作成したプライマーを使用したRT-PCRやinverse PCRなどによって行うことができる。
なお、当該遺伝子が発現していないことを確認するために、遺伝子を同定した後に、その遺伝子の発現量をRT−PCRやノザンブロット、ウエスタンブロットなどで確認することが好ましい。
【0013】
なお、表現型が変化したとは、ベクター導入前と比較して表現型が変化したことを言い、この表現型は目的に応じて任意に設定することができる。例えば、細胞の形状の変化、
細胞内構成物の変化、アポトーシスの有無、細胞の増殖率、目的タンパク質の発現やサイトカインの産生などが例示される。
表現型の変化は、顕微鏡による観察、細胞染色、サイトカインアッセイなどによって確認することができる。
【0014】
本発明のベクターにおいては一対のloxP配列に上記ピューロマイシン耐性遺伝子とβ-geo遺伝子がはさまれている。したがって、ベクター導入細胞をCre組換え酵素(Cre Recombinase:例えば、GenBankに Accession No. X03453)で処理することで、染色体上に挿入された遺伝子を除去することができる。
このことから、表現型の変化がベクターの挿入によることを確認するために、選択されたベクター導入細胞をCre組換え酵素で処理し、その表現型が元に戻ることを確認することが好ましい。この際に、β−ガラクトシダーゼ染色を行えば挿入遺伝子の除去が目視で確認できる。
【0015】
図1に本発明のベクターとそれが導入される前後の染色体上の遺伝子の模式図を示す。
まず、上段はベクター導入前の培養細胞中の野生型遺伝子Xである。これによって通常の表現型が示されている。
次に、ベクターがexon1とexon2の間(↓の箇所)に挿入されると(中段)、exon1からの転写がすぐ下流で止まると同時にexon2, 3の転写が生じず、挿入された遺伝子座に存在する遺伝子の転写、発現が著しく低下することとなる。その代わりに、ピューロマイシン耐性遺伝子とβ−geo遺伝子が発現する。これによって表現型に変化が生じる。
そして、このベクターの両端には矢頭で示される2つのloxP部位が存在し、この間がCre recombinaseの存在下で切り出される。切り出された後は1個のloxP部位しか存在しないため、この遺伝子座にある遺伝子の転写、発現が回復し、表現型も元に戻ることになる。
【実施例】
【0016】
1.レトロウイルスベクターの構築
pBluescript(Stratagene)にクローニングされている、SA-IRES (奈良先端大学院大学 石田靖雅助教授から分与:Nucleic Acids Res. 1999 Dec 15;27(24):e35)から1.25kb のSA-IRESをNot I-EcoRI で切り出し、別のpBluescript に入ったPuromycin耐性遺伝子(Puror polyA) のmultiple cloning siteにSA-IRES-Puror polyAとなるように挿入した。次にさらに別のpBluescript にクローニングされている、PGKβgeo polyA(東京大学広川研究室からの分与)から4.7kbのPGKβgeo polyAをSal IとXho Iで切り出し、前記pBluescript にクローニングされた、SA-IRES-Puror polyAのpolyAの後ろに挿入し、SA-IRES-Puror polyA-PGKβgeo polyAを作成した。ここから7.15kbのSA-IRES-Puror polyA-PGKβgeo polyAをNot IとXho Iで切り出し、loxPを両端にもつretrovirusを作成するためのベクターである、pGenloxP(奈良先端大学院大学 石田靖雅助教授から分与:Nucleic Acids Res. 1999 Dec 15;27(24):e35)のcloning siteに挿入した。
なお、PGKβgeo polyAとは、PGKプロモーター、βガラクトシダーゼ(lacZ)、ネオマイシン耐性遺伝子(neo)、ポリA付加シグナルが並んだ配列である。
レトロウイルスベクターの構造を図1中に示す。
【0017】
2.ウイルス産生
PlatE (293細胞由来のretrovirus産生細胞): 10% FCS,1μg/ml puromycin, 10μg/ml blasticidine, 10μg/ml penicillin-streptomycin添加culture medium(DMEM)で培養した。
約2.5×106個のPlatE細胞を6cm dishに蒔き直した。
翌日6cm dish1枚に対して、FCSを含まないDMEM 200μlとFugene(ROCHE) 9μlを混和しretrovirus DNAを3μg加えた溶液をdishに滴下した.48時間後にvirus溶液として培養上清を回収した。
【0018】
3.Virus感染
PC12細胞(ラット副腎髄質褐色細胞腫由来培養細胞)は、10% FCS添加culture medium(DMEM)で培養した。
PC12細胞のculture mediumに、上記で調製したvirus溶液を1/10量加えdishに入れた。3時間培養後にculture mediumを追加し、48時間後から選別用の薬剤を添加した。
【0019】
4.Selection
・Puromycin
ウイルス感染の48 時間後にG418 700μg/ml, Puromycin 0.3μg/mlを含む培地に換え、1-2回/wごとに液がえをしながら3-4週間培養した。コロニーが形成されたら顕微鏡下でpick upし、96 well plateに移してG418 700μg/mlを含む培地で培養した。
【0020】
・Aerolysin
細胞表面のGPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカー型蛋白質を欠損した株を得るために、Aerolysinという毒物に対して耐性となった細胞を選択した。上記で得られたG418・Puromycin耐性株について、 0.8nMとなるようにAerolysin(Protox Therapeutics社(カナダ)から購入)を添加し、目的とする変異株の細胞のみが残存するようにAerolysinの濃度を徐々に増加しながら3-4週間培養した。 colonyが形成されたらこれを96 well plateに移して培養を継続した。
なお、GPIアンカーは糖脂質であり細胞表面に発現される蛋白質の修飾に用いられる。Aerolysinは細胞表面にGPIアンカー型蛋白質を持つ細胞を殺す働きのある毒素であり、Aerolysin 存在下ではGPIアンカーの合成に異常を来した細胞株のみ生き残る。
【0021】
得られた変異株の中から神経伝達物質を含む小胞に異常を生じた細胞を選択した。
選択された細胞(D1株、D4株)について神経伝達物質を含む小胞に存在する蛋白(クロモグラニンA (CgA), シナプトフィシン(SYPH))の抗体(CgA抗体は矢内原研究所、SYPH抗体はchemicon社のものを購入)で染色した。
図2に示されるように、ウイルス導入前の細胞ではCgA, SYPHは細胞の突起などに豊富に存在するが、ウイルスを導入した細胞ではCgA, SYPHの量の低下と分布の異常が認められた。
【0022】
Cre
Cre recombinaseを発現するアデノウイルスベクター(タカラバイオより購入)で細胞を処理することによって、細胞から挿入されたDNAを除去した。
その結果、挿入されたDNAをCre recombinaseによって除去すると(右列)、神経伝達物質を含む小胞はベクターを挿入する前の分布に戻ることが分かる。このことからCgA, SYPHの分布異常がベクターのゲノムへの挿入によって生じることが判明した。
【0023】
染色体上のベクターが挿入された位置について同様に選別した他の細胞株について遺伝子配列解析を行った。
IRESsense primer: GCAAGGTCTGTTGAATGTCG(配列番号8), antisense primer: GGTCAGGAACAGATGGAACA(配列番号9)を用い、RT-PCRを行った。
その結果、ベクターが挿入された位置はGAP43遺伝子(M16228)のプロモーター領域であることがわかった。
次に、GAP43の抗体(Sigmaより購入)を用いてウイルス感染前の細胞と感染後の細胞中のGAP43の蛋白量を定量した。図3に示されるように、予想通りベクター導入後では導入前に比べてGAP43の蛋白量が著しく低下している(10%以下)ことが判明した。
したがって、レトロウイルスベクターが染色体上のGAP43遺伝子のプロモーター領域に挿入されることによって同遺伝子の発現量が低下し、それによって小胞異常という表現型
が生じることがわかった。
以上の結果から、細胞にレトロウイルスベクターを導入して表現型を調べることにより、その表現型に関係する遺伝子がスクリーニングできることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0024】
培養細胞を用いて医学生物学的に有用な遺伝子を同定する本発明は、ほぼ全ての種類の培養細胞に用いることが可能で、非常に汎用性が高いものである。本明細書ではPC12細胞を用いて神経伝達物質を含む小胞の形成に関わる遺伝子の同定を行ったが、他にもインスリン感受性細胞を用いたインスリン作用に関与する遺伝子の同定などにも用いることが可能である。そのような遺伝子が同定できれば、生活習慣病の病態や治療にも役立つと考えられるため、基礎医学のみならず、臨床医学や製薬分野などでも役立つと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のベクターとそれが導入される前後およびCre組換え酵素処理後の染色体上の遺伝子の模式図。
【図2】ベクター導入前の細胞(左)、導入して選択された細胞(中)、およびCre処理細胞(右)の、CgA抗体またはSYPH抗体による免疫染色の結果を示す図(写真)。
【図3】ベクター導入前の細胞(右)とベクターが導入された細胞(中)におけるGAP43タンパク質の発現を示す図(写真)。左のレーンは分子量マーカーである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のloxP配列、並びに
該loxP配列にはさまれた、
プロモーターを有さず、3’側にポリA付加シグナルが付加されたピューロマイシン耐性遺伝子、および、前記ピューロマイシン耐性遺伝子の下流に位置する、プロモーターを有し、3’側にポリA付加シグナルが付加された、β−ガラクトシダーゼとネオマイシン耐性タンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子、
を有するレトロウイルス産生用ベクター。
【請求項2】
前記ピューロマイシン耐性遺伝子の前にスプライスアクセプター部位−IRESが付加された、請求項1に記載のベクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のベクターを細胞に導入するステップ、
ベクターが導入された細胞から表現型が変化した細胞を選択するステップ、および
該表現型が変化した細胞において染色体上のベクターの挿入位置に存在する遺伝子を同定するステップ、を含む、表現型に関与する遺伝子の同定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−228685(P2008−228685A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75377(P2007−75377)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】