説明

レベルセンサ

【課題】 装置構成を従来に比較して小型化、単純化、低コスト化することが可能なレベルセンサを提供する。
【解決手段】 モータ4の駆動軸4aと同軸に配設され、駆動軸4aとは独立して回転可能に軸支された回転軸6と、回転軸6に設けられた羽根8と、駆動軸4aに、軸線方向には移動可能、かつ周方向には回転不能に取り付けられた移動部材10と、移動部材10を、回転軸6の対向端部に向かって付勢し、対向端部と移動部材10との対向面同士を圧接させる付勢部材12と、前記両対向面に形成された面カム13と、移動部材10、面カム13、および回転軸6を介してモータ4により回転される羽根8が、所定レベルに達した流動体に接触した際に抵抗を受けることにより生じる駆動軸4aと回転軸6との相対回転差により、移動部材10が面カム13に押されて付勢部材12の付勢力に抗して所定距離移動したことを検出可能な検出部14,15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の流動体(粉や粒等の流動性の固体や、液体等)が所定レベルに達しているか否かを検出するレベルセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器内の所定レベルに対応する位置で羽根を回転させ、その羽根が容器内の流動体に接した際の抵抗による羽根の回転の抑止を検出することで、容器内の流動体が所定レベルに達しているか否かを検出するレベルセンサが知られている。
【0003】
従来の代表的なレベルセンサの構成が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されたレベルセンサは、流動体が収容される容器に取り付け可能な装置ケースと、装置ケース内に設けられたモータと、装置ケースに回動可能に軸支され、モータにより回転駆動される、一端側が装置ケースから外方に突出した回転軸と、回転軸の前記一端側に放射状に取り付けられた羽根とを備える。モータのハウジングは、回転軸を中心に装置ケースに対して回動可能に設けられ、羽根が回転軸を介してモータにより回転されている際に、羽根に流動体が接触した際の抵抗で羽根および回転軸の回転が抑止されたときには、モータの駆動力の反作用によりモータのハウジングが回転軸に対して回動し、当該ハウジングに固定された操作子が装置ケースに支持されたリミットスイッチを作動させることで、容器内の流動体が所定レベルに達したことを検出する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−247880号公報(段落0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のレベルセンサには、以下のような課題がある。
すなわち、構成要素の中で重要でかつ重量のあるモータを、装置ケースに対して回動可能に設ける必要があるから、その回動機構は、高い動作信頼性と強度とを有する必要があり、機構の大型化および高コスト化が避けられない。また、モータは電気的要素でもあるから、その回動に影響を与えないように配線を行う必要があり、配線コードの物理的強度(硬さ等)に制限があったり、配線経路に制限があったりするという不都合がある。さらに、装置ケースに対して回動可能に設けたモータのハウジングの外面近傍に、装置ケースに対して固定されたリミットスイッチ等の検出部を設ける必要があるため、装置ケース内にフレーム(特許文献1における第1および第2フレーム等)を設ける必要があるなど、装置構成が複雑化および高コスト化してしまう。
このように、従来のレベルセンサには、配線等の装置構成に制限があるとともに、装置構成が大型、複雑、かつ高コストであるという課題がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、装置構成を従来に比較して小型化、単純化、低コスト化することが可能なレベルセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るレベルセンサは、上記課題を解決するために、以下の構成を備える。すなわち、容器内の流動体が所定レベルに達しているか否かを検出するレベルセンサにおいて、容器に取り付け可能な筐体と、該筐体内に設けられたモータと、該モータの駆動軸と同軸に配設されるとともに、駆動軸とは独立して回転可能に前記筐体に軸支され、一端側が筐体から外方に突出した回転軸と、該回転軸の前記一端側に設けられた羽根と、前記駆動軸および前記回転軸のうちの一方に、当該一方に対して軸線方向には移動可能、かつ周方向には回転不能に取り付けられた移動部材と、該移動部材を、前記駆動軸および前記回転軸のうちの他方の対向端部に向かって付勢し、該対向端部と移動部材との対向面同士を圧接させる付勢部材と、前記両対向面に形成された面カムと、前記モータにより、前記移動部材、前記面カム、および前記回転軸を介して前記羽根が回転され、容器内に搬入される流動体が所定レベルに達した際、羽根が流動体に接触して抵抗を受けることにより生じる前記駆動軸と回転軸との相対回転差により、移動部材が面カムに押されて前記付勢部材の付勢力に抗して所定距離移動したことを検出可能な検出部とを備えることを特徴とする。
これによれば、駆動軸と回転軸とを同軸に配設して、両者を移動部材および面カムを介して圧接させることで回転軸を駆動軸に伴わせて回転させ、羽根に掛かった抵抗負荷を移動部材の軸線方向の移動で検出する構成であるから、モータのハウジングを回動可能に設ける従来の構成に比較して、機構を小型化、単純化、低コスト化することができる。
【0008】
さらに、前記面カムには、前記対向面同士を前記駆動軸および前記回転軸の周方向に係合する凹凸部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、駆動軸と回転軸とを好適に係合させて、駆動軸の回転を回転軸へ伝達できる。
【0009】
また、前記筐体は、接合可能な複数の筐体部材から成り、前記駆動軸と前記回転軸とは、それぞれ別々の前記筐体部材に設けられ、各前記筐体部材が接合された際に、前記両対向面同士が係合するよう設けられていることを特徴とする。
これによれば、もともと別体に設けられた駆動軸と回転軸との間で筐体を分解することができ、また、このことから、装置の組み立てや分解が容易となり、製造やメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0010】
さらに、前記移動部材は、前記駆動軸に取り付けられ、前記検出部は、前記モータおよび前記駆動軸が設けられた前記筐体部材に設けられていることを特徴とする。
これによれば、モータや検出部といった電気的要素を一つの筐体部材に組み付けることができ、装置の構成を簡単にすることができる。
【0011】
また、前記移動部材の外周面には、放射方向に突出する突周部が形成され、前記検出部は、前記軸線方向から前記突周部に接触して前記移動部材の移動を検出する接触式センサであることを特徴とする。
これによれば、小型化、単純化、低コスト化が可能な機構で、移動部材の軸線方向の移動の検出をすることができる。
【0012】
また、前記検出部として、第一検出部と第二検出部との二つを備え、前記第一検出部は、前記第二検出部よりも、前記移動部材の前記付勢力に抗した移動の量が少ない時点で、当該移動を検出するよう設けられ、前記第一検出部による前記検出を、外部機器に対して出力可能に設けられ、前記第二検出部による前記検出がなされた際には、前記モータの駆動を停止することを特徴とする。
これによれば、流動体のレベルの検出を外部機器へ出力した後に、モータの駆動を停止するから、当該出力を確実に行うことができる。
【0013】
また、前記付勢部材による前記付勢力を調節することで、前記両対向面における前記移動部材と前記対向端部との圧接力を調節可能な検出感度調節手段を備えることを特徴とする。
これによれば、流動体の種類等に応じて、検出感度を調節することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るレベルセンサによれば、装置構成を従来に比較して小型化、単純化、低コスト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本願発明に係るレベルセンサを実施するための最良の形態を説明する。
本実施の形態に係るレベルセンサAの説明図を図1,図2に示す。図1は、レベルセンサAの筐体2の一部を切断してその内部構成を示した斜視説明図であり、図2は、レベルセンサAの組み立て分解図である。
【0016】
筐体2は、互いに接合されて一つの筐体を成す、別体の二つの筐体部材2aおよび2bから成る。
図1および図2に示すように、レベルセンサAは、筐体2と、モータ4と、回転軸6と、複数(二つ)の羽根8,8と、移動部材10と、付勢部材としてのスプリング12と、面カム13と、二つの検出部としての、第一接触式センサ14(第一検出部)および第二接触式センサ15(第二検出部)とを備える。
【0017】
筐体2(筐体部材2b)内には、駆動軸4aを有するモータ4が設けられる。
回転軸6は、支持部22およびベアリング20を介して筐体2(筐体部材2a)に、駆動軸4aとは独立して回転可能、かつ軸線方向には移動不能に軸支され、一端側が筐体2から外方に突出して設けられる。回転軸6は、モータ4の駆動軸4aの軸線方向に並んで、かつ駆動軸4aと同軸に配設される。
二つの羽根8,8は、回転軸6の前記一端側に、放射状に設けられる。
【0018】
本願発明に係るレベルセンサAにおいては、流動体の抵抗負荷を検出する羽根8,8が固定された回転軸6は、モータ4の駆動軸4aとは別体に設けられている。以下、本レベルセンサAにおいて、モータ4の駆動軸4aの回転を回転軸6に伝達するとともに、羽根8,8に掛かった流動体の抵抗負荷を検出するための構成について説明する。
【0019】
モータ4の駆動軸4aには、移動部材10が取り付けられている。移動部材10は、筒状に形成され、その外面には、軸線方向に延びる長孔10aが形成されている。筒状の移動部材10には、円柱状の駆動軸4aが挿入され、移動部材10は、長孔10aを挿通するピンによって、駆動軸4aに取り付けられている。移動部材10は、当該駆動軸4aに対して相対的に軸線方向には移動可能、かつ、前記ピンによって周方向には回転不能に係止されている。
移動部材10の一部の外周面には、放射方向に突出する突周部10bが形成されている。突周部10bには、前記軸線方向から二つの接触式センサ14,15が接触し、移動部材10の軸線方向の移動を検出可能に設けられている。
【0020】
図3(a),(b)に、回転軸6、アタッチメント6a、移動部材10、およびスプリング12の組み立て分解図を示す。
回転軸6の、駆動軸4aおよび移動部材10と対向する端部には、アタッチメント6aが固定される。アタッチメント6aは、その開口部6cに回転軸6が挿入されて回転軸6に固定される。
回転軸6のアタッチメント6aの、移動部材10と対向する対向端部には、円柱形部6bが形成される。他方、移動部材10には、アタッチメント6aが移動部材10に対して相対回転可能に、アタッチメント6aの円柱形部6bが遊嵌する、開口部10cが形成される。さらに、移動部材10には、アタッチメント6aの外周より若干大径に形成されてアタッチメント6aが遊嵌する、筒状部10dが形成される。円柱形部6b、開口部10c、および筒状部10dにより、移動部材10とアタッチメント6aとは、互いに遊嵌するとともに同軸に相対回転可能となっている。
【0021】
さらに、図3(a),(b)に示すように、アタッチメント6aと移動部材10との両対向面には、面カム13が形成されている。面カム13は、アタッチメント6aと移動部材10とが互いに圧接された状態で両者が相対的に回転した際には、両者が接離動するよう形成されている。
より具体的には、面カム13には、アタッチメント6aと移動部材10との前記対向面同士を、駆動軸4aおよび回転軸6の周方向に係合する、前記軸線方向の凹凸部が形成されている。図3(a),(b)に示すように、この凹凸部は、円柱形部6bおよび開口部10cのそれぞれの周りに、互いに逆方向の螺旋形が1/4周ごとに連続した形状に形成されている(なお、図3(a)において、この凹凸部の形状が分かり易いよう、移動部材10の下方に、その筒状部10dを取り除いた移動部材10を二つ図示している。これらの二つの図は、移動部材10が互いに1/4周回転した状態を示している)。
【0022】
図2に示すように、スプリング12は、移動部材10の外周部を覆い、一端部が突周部10bに当接し、他端部がアタッチメント18を介して板ばね16の一端部に当接するよう配設される。スプリング12は、移動部材10を、回転軸6のアタッチメント6aの前記対向端部に向かって付勢し、その対向端部と移動部材10との対向面同士を圧接させる。
板ばね16は、他端部が筐体部材2bの取り付け部2cに取り付けられ、一端部に駆動軸4aが挿通される孔部が形成され、スプリング12を、前記軸線方向に、前記対向端部に向かって付勢する。なお、板ばね16も、スプリング12とともに、移動部材10を回転軸6のアタッチメント6aの前記対向端部に向かって付勢する、本願請求の範囲でいうところの付勢部材の機能を果たしている。
【0023】
面カム13が形成された、アタッチメント6aと移動部材10との対向面同士は、スプリング12の付勢力により圧接されているから、流動体の抵抗が羽根8,8を介して回転軸6およびアタッチメント6aに掛かっていないときには、前記凹凸部が互いに係合する。これにより、モータ4によりその駆動軸4aおよび移動部材10が回転された際には、凹凸部で移動部材10と周方向に係合されたアタッチメント6aも、それに伴って回転される。
また、羽根8,8に掛かる流動体の抵抗負荷が、前記対向面同士の周方向の係合力に勝った場合には、対向面同士が空回りして、アタッチメント6aと移動部材10との間に相対的な回転差が生じ、面カム13の作用によって、移動部材10がスプリング12の付勢力に抗して軸線方向に移動する。
【0024】
二つの接触式センサ14,15は、前述の通り、この移動部材10の軸線方向の移動を検出する。接触式センサ14,15は、回路基板32に取り付けられる。
第一接触式センサ14は、第二接触式センサ15よりも、移動部材10の前記付勢力に抗した移動の量が少ない時点で、当該移動を検出するよう設けられる。これは、例えば、突周部10bの内周部と外周部とに前記軸線方向の段差を形成して、第一接触式センサ14と第二接触式センサ15とが当接する突周部10b上の位置をそれぞれ内周側と外周側とにずらしたり、または、第一接触式センサ14と第二接触式センサ15との取り付け位置を前記軸線方向にずらしたりして、突周部10bが第一接触式センサ14と第二接触式センサ15とに接触するのに時間差が生じるように設けることで実現できる。
【0025】
レベルセンサAは、第一接触式センサ14による移動部材10の移動の検出を、回路基板32、および、回路基板32に接続され、パッキン24を通って外部機器に接続可能な図示しない信号線コードを介して、外部機器(例えばコンピュータ等の制御装置)に対して電気的な信号として出力可能に設けられる。なお、パッキン24を介して筐体内に導かれるコードとしては、前記信号線コードの他、モータ4の電源線コード、および接地線コード等がある。
また、レベルセンサAは、第一接触式センサ14の検出よりも遅れてなされる、第二接触式センサ15による移動部材10の移動の検出がなされた際には、モータ4への電源供給を切って、モータ4の駆動を停止するよう設けられる。
【0026】
なお、本実施の形態においては、駆動軸4aに移動部材10を取り付ける構成を採用したが、本発明はこれに限定されず、回転軸6側に移動部材を取り付け、移動部材と駆動軸4aとの両対向面に面カムを構成としてもよい。すなわち、移動部材は、駆動軸および回転軸のうちの一方に取り付け、スプリング12に該当する付勢部材は、駆動軸および回転軸のうちの他方の対向端部に向かって付勢して、対向端部と移動部材との対向面同士を圧接させるよう設ければよい。
【0027】
また、レベルセンサAは、スプリング12による付勢力を調節することで、前記両対向面における移動部材10と前記対向端部との圧接力を調節可能な検出感度調節手段を備える。
検出感度調節手段は、前述の板ばね16と、筐体部材2aに、軸部28を支軸としてユーザーにより回動操作可能に設けられた操作レバー26と、操作レバー26の筐体部材2aとの対向面に形成された爪部26aと、筐体部材2aの外周面に形成された、爪部26aと係合して操作レバー26の前記回動を係止する係合部30と、一端が板ばね16の一面に当接して板ばね16を押圧するとともに、筐体部材2a内に設けられた図示しないねじ部に螺合し、操作レバー26による軸部28の回動によって前記軸線方向に移動可能に設けられた図示しない当接部材とから成る。
【0028】
ユーザーが操作レバー26を回動操作することにより、軸部28が回動し、前記ねじ部に螺合する前記当接部材が前記軸線方向に移動して、当接部材の板ばね16に対する前記軸線方向の押圧力が調節される。これにより、板ばね16がスプリング12を付勢する不勢力が調節されて、スプリング12による、前記両対向面における移動部材10と前記対向端部との圧接力が調節される。
【0029】
レベルセンサAにおいて、各部材は、筐体部材2aと筐体部材2bとのいずれかに予め組み付けられる。図2に示す点線部X−Xより左に記載した部材は筐体部材2aに、点線部X−Xより右に記載した部材は筐体部材2bに、それぞれ組み付けられる。すなわち、点線部X−Xより左に記載した、回転軸6およびアタッチメント6a、ベアリング20、支持部22、羽根8,8、操作レバー26および軸部28、ならびに、図示しない前記当接部材は、筐体部材2aに組み付けられる。他方、点線部X−Xより右に記載した、移動部材10、スプリング12、アタッチメント18、接触式センサ14,15、板ばね16、および、モータ4は、筐体部材2bに組み付けられる。そして、各筐体部材2a,2bが接合された際に、前記両対向面同士(面カム13)が係合する。また、各筐体部材2a,2bが接合された際に、前記当接部材が板ばね16に当接する。
なお、筐体部材2aと筐体部材2bとは、ビスにより接合可能に設けられる。
【0030】
次に、レベルセンサAの、容器への設置形態、および使用時の動作について説明する。
筐体部材2aの一部には、外周面にねじが形成された筒状部2dが設けられる。レベルセンサAを、流動体が搬入される図示しない容器に設置する際には、回転軸6から羽根8,8を取り外した状態で、容器の所定高さ(検出すべき所定レベルに対応する位置)の位置に筒状部2dとほぼ同径かやや大径に形成された開口部に、筐体2が容器の外側になるよう筒状部2dを挿入し、容器の内側から筒状部2d外周のねじにナットを螺合させて、筐体2を容器に締結する。続いて、回転軸6の容器内の端部に羽根8,8を取り付ける。
【0031】
また、レベルセンサAの、前記電源線コード、前記接地線コード、および前記信号線コードを、それぞれ、電源回路、設置回路、および前記外部機器の制御信号入力ポート等に接続する。前記外部機器は、前記制御信号入力ポートの入力状態に応じて、容器への流動体の搬入を行う搬入装置の駆動をON/OFFする制御を行うよう構成される。
【0032】
なお、ユーザーは、レベルセンサAの使用にあたって、前記検出感度調節手段の操作レバー26を回動操作して、容器内に搬入される流動体の種類等に応じて、検出感度を調節することができる。
【0033】
次に、レベルセンサAの使用時の動作について説明する。
容器内の流動体のレベルが、レベルセンサAが設置された容器の所定高さに対応する前記所定レベルに達していないときに、前記電源線コードを介してレベルセンサAに電源が供給されると、モータ4が駆動して駆動軸4aが回転する。この回転に伴って、移動部材10、移動部材10に係合するアタッチメント6a、および、アタッチメント6aに対し固定された回転軸6を介して、回転軸6に取り付けられた羽根8,8が回転する。
【0034】
そして、前記搬入装置により容器内に流動体が搬入され、容器内の流動体が前記所定レベルに達した際、回転する羽根8,8が流動体に接触して抵抗を受ける。そして、羽根8,8に対する流動体の抵抗負荷が、アタッチメント6aと移動部材10との対向面同士の周方向の係合力に勝ったときに、当該対向面同士が空回りして、アタッチメント6aと移動部材10との間に相対的な回転差が生じ、面カム13の作用によって、移動部材10がスプリング12の付勢力に抗して軸線方向に移動する。
【0035】
移動部材10が移動すると、まず第一接触式センサ14がこの移動を検出して、前記信号線コードを介して信号を出力する。この信号は前記制御信号入力ポートを介して前記外部機器に入力され、外部機器は、容器への流動体の搬入を行う搬入装置の駆動をOFFし、容器への流動体の搬入が停止される。続いて、さらに移動部材10が移動し、第二接触式センサ15がこの移動を検出すると、モータ4への電源供給が切られ、モータ4が停止する。
【0036】
その後、容器内の流動体が何らかの使用に供されるなどしてそのレベルが減じると、羽根8,8に掛かる流動体の抵抗負荷が減じて回転軸6(アタッチメント6a)が軽い力で回転自在となるから、スプリング12の付勢力によって、面カム13が係合し、移動部材10は軸線方向に復帰移動して、第一および第二接触式センサ14,15の検出が解除される。これにより、モータ4の電源が入ってその回転駆動が再開されるとともに、前記信号線コードを介して出力されていた第一接触式センサ14の信号が解除(反転)されて、前記外部機器は前記搬入装置の駆動をONにして流動体の容器への搬入を再開する。
【0037】
本実施の形態に係るレベルセンサAによれば、駆動軸4aと回転軸6とを同軸に配設して、両者を移動部材10および面カム13を介して圧接させることで回転軸6を駆動軸4aに伴わせて回転させ、羽根8,8に掛かった抵抗負荷を移動部材10の軸線方向の移動で検出する構成であるから、従来の、モータのハウジングを回動可能に設ける構成のように機構が大掛かりとする必要がなく、機構を小型化、単純化、低コスト化することができる。
【0038】
また、筐体2は、接合可能な複数の筐体部材2aおよび2bから成り、駆動軸4aと回転軸6とは、それぞれ別々の筐体部材に設けられ、各筐体部材2aおよび2bが接合された際に、前記両対向面同士が係合するよう設けられているから、駆動軸4aと回転軸6との間で筐体2を分解することができ、このことから、装置の組み立てや分解が容易となり、製造やメンテナンスを簡単に行うことができる。
さらに、移動部材10は、駆動軸4aに取り付けられ、接触式センサ14,15は、モータ4(駆動軸4a)が設けられた筐体部材2bに設けられているから、モータ4や接触式センサ14,15といった電気的要素を一つの筐体部材2bに組み付けることができ、装置の構成が簡単となっている。
【0039】
また、第一接触式センサ14は、第二接触式センサ15よりも、移動部材10の前記付勢力に抗した移動の量が少ない時点で、当該移動を検出するよう設けられているため、流動体のレベルの検出を外部機器へ出力した後に、モータ4の駆動を停止するから、当該出力を確実に行うことができる。
また、前記検出感度調節手段を備えることにより、流動体の種類等に応じて、検出感度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るレベルセンサの筐体の一部を切断してその内部構成を示した斜視説明図である。
【図2】本発明に係るレベルセンサの組み立て分解図である。
【図3】回転軸、アタッチメント、移動部材、およびスプリング(付勢部材)の組み立て分解図である。
【符号の説明】
【0041】
A レベルセンサ
2 筐体
2a,2b 筐体部材
4 モータ
4a 駆動軸
6 回転軸
6a アタッチメント
6b 円柱形部
8 羽根
10 移動部材
10a 長孔
10b 突周部
10c 開口部
10d 筒状部
12 スプリング(付勢部材)
13 面カム
14 第一接触式センサ(第一検出部)
15 第二接触式センサ(第二検出部)
16 板ばね
26 操作レバー
26a 爪部
28 軸部
30 係合部
32 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の流動体が所定レベルに達しているか否かを検出するレベルセンサにおいて、
容器に取り付け可能な筐体と、
該筐体内に設けられたモータと、
該モータの駆動軸と同軸に配設されるとともに、駆動軸とは独立して回転可能に前記筐体に軸支され、一端側が筐体から外方に突出した回転軸と、
該回転軸の前記一端側に設けられた羽根と、
前記駆動軸および前記回転軸のうちの一方に、当該一方に対して軸線方向には移動可能、かつ周方向には回転不能に取り付けられた移動部材と、
該移動部材を、前記駆動軸および前記回転軸のうちの他方の対向端部に向かって付勢し、該対向端部と移動部材との対向面同士を圧接させる付勢部材と、
前記両対向面に形成された面カムと、
前記モータにより、前記移動部材、前記面カム、および前記回転軸を介して前記羽根が回転され、容器内に搬入される流動体が所定レベルに達した際、羽根が流動体に接触して抵抗を受けることにより生じる前記駆動軸と回転軸との相対回転差により、移動部材が面カムに押されて前記付勢部材の付勢力に抗して所定距離移動したことを検出可能な検出部とを備えることを特徴とするレベルセンサ。
【請求項2】
前記面カムには、前記対向面同士を前記駆動軸および前記回転軸の周方向に係合する凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレベルセンサ。
【請求項3】
前記筐体は、接合可能な複数の筐体部材から成り、
前記駆動軸と前記回転軸とは、それぞれ別々の前記筐体部材に設けられ、
各前記筐体部材が接合された際に、前記両対向面同士が係合するよう設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のレベルセンサ。
【請求項4】
前記移動部材は、前記駆動軸に取り付けられ、
前記検出部は、前記モータおよび前記駆動軸が設けられた前記筐体部材に設けられていることを特徴とする請求項3記載のレベルセンサ。
【請求項5】
前記移動部材の外周面には、放射方向に突出する突周部が形成され、
前記検出部は、前記軸線方向から前記突周部に接触して前記移動部材の移動を検出する接触式センサであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のレベルセンサ。
【請求項6】
前記検出部として、第一検出部と第二検出部との二つを備え、
前記第一検出部は、前記第二検出部よりも、前記移動部材の前記付勢力に抗した移動の量が少ない時点で、当該移動を検出するよう設けられ、
前記第一検出部による前記検出を、外部機器に対して出力可能に設けられ、
前記第二検出部による前記検出がなされた際には、前記モータの駆動を停止することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項記載のレベルセンサ。
【請求項7】
前記付勢部材による前記付勢力を調節することで、前記両対向面における前記移動部材と前記対向端部との圧接力を調節可能な検出感度調節手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項記載のレベルセンサ。
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−147455(P2007−147455A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342556(P2005−342556)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(302012822)有限会社浜インターナショナル (12)
【Fターム(参考)】