説明

レンズ用フードとその製造方法

【課題】軽量で操作性が良く、十分な強度を有し、耐衝撃性に優れ、衝撃が加わった際にフードの縦割れが起こらないため、フードに設けられたリングの脱落が防止され、超望遠レンズの落下がなく、安全性に優れるレンズ用フードを提供する。
【解決手段】レンズの鏡筒3を固定するリング部4bと、このリング部4bを固定したフード本体4aとを含むレンズ用フード4である。フード本体4aが、一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを、鏡筒の軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化してある。最終の周方向の一方向性プリプレグシートが、軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ用フードとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にカメラまたはビデオ用に使用されるレンズのフードの材料は、合成樹脂またはアルミ合金が用いられている。合成樹脂製のフードは主に短焦点のレンズに使用され、アルミ合金製のフードは焦点距離が300mm以上の超望遠レンズに使用されている。
【0003】
従来、合成樹脂製のフードは、主に、射出成形で作られており、材料費は安いが、高価な射出成形機と高価な金型が必要である。そのため大量に生産するような場合にはコスト的にメリットが高いことは知られている。また、重量のある大口径レンズ、例えば、内径50mm以上300mm以下の大口径レンズ、あるいは焦点距離が300mm以上の超望遠レンズのような重くて大口径のレンズ等に対して、フードの材料は、アルミ合金製のフードしか使用されていないのが実情である。
【0004】
しかしながら、このアルミ合金製のフードは、合成樹脂製のコマをフードにネジ締めしただけのものである。そのため、重いレンズを固定する場合、円筒本体部の強度は強いものの、重いレンズを固定する肝心のコマの強度は弱いものとなっていた。また、合成樹脂製フードを多種少量生産の超望遠レンズ用フードに対して適用しようとするとコスト高となってしまい、さらに、大口径で重量があるため強度的に問題となる。
【0005】
また、レンズフードを付けた状態で望遠レンズを落としたときに、その衝撃でコマが破損し高価なレンズ、或いはカメラを損傷してしまうという望遠レンズ特有の問題がある。また、アルミ合金製フードの製造工程では、次のような問題がある。第一に、市場で入手可能なアルミの円筒管素材、特に大口径用の円管を用いてフードを加工しようとすると大口径フード形状の外径・内径とは肉厚差が大きいため、非常に長い加工時間を要する上、コマはフードの内周の決まった位置に配置しなければならず、コマ取りつけ穴加工は、高価な装置を使用して精度良く仕上げる必要が生じ、製造が簡便でない。第二に、合成樹脂製のコマは小さい部品ながら射出成形で作られており、金型が必要となる。
【0006】
さらに、超望遠レンズという長いレンズの先端にアルミ合金製のフードをつけるため、先端が非常に重くなって写真撮影の操作性を妨げているという問題もある。望遠レンズを装着して、動きの早い被写体を撮影しているとき、誤って、近くの障害物にぶつけてしまうような場合がある。このような場合には、コマにその衝撃がかかるため、コマの強度あるいはレンズフードの円筒とコマとの連結強度(ねじ止め強度)が弱いと、そのレンズフードは使用不能になってしまう。
【0007】
そこで、これらの問題を解決するために、炭素繊維強化樹脂を使用したレンズ用フードが提案されている(特許文献1、2参照)。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1、2に記載のレンズ用フードにおいても、パイプ部にクロスだけを用いた場合、クロスの縦繊維(フードの軸方向の繊維)を支えるものがなくフード軸方向の強度が低く耐衝撃性に劣り、鏡筒落下時(特に、フードに縦割れが発生する場合があり、該縦割れに起因して鏡筒の軸方向に落下時)にフードに取り付けた鏡筒を支えるリングが脱落し、超望遠レンズが落下し、該レンズが損傷する恐れがあり、レンズが落下しないように、更なる改善が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−269526号公報
【特許文献2】特開平10−39371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記した望遠レンズ特有の問題に鑑みてなされたものであり、軽量で操作性が良く、十分な強度を有し、耐衝撃性に優れ、衝撃が加わった際に、フードに縦割れが起こらず、フードに設けたリングの脱落が防止されるため、超望遠レンズの落下がなく、安全性に優れたレンズ用フードおよび前記レンズ用フードを簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、レンズの鏡筒を固定するリング部と、このリング部を固定したフード本体とを含むレンズ用フードにおいて、炭素繊維等の高強度繊維からなる連続繊維で形成された一方向に引き揃えた樹脂含浸シート(UDプリプレグシート:UNIDIRECTIONAL-FIBER PREPREG SHEET)を鏡筒の軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化する際、最終周方向のUDプリプレグシートが軸方向のUDプリプレグシートの外側になるように巻き付けて用いることにより、軽量であり、耐衝撃性および安全性に優れたレンズ用フードが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の発明を含むものである。
[1]レンズの鏡筒を固定するリング部と、このリング部を固定したフード本体とを含むレンズ用フードにおいて、フード本体が、一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを鏡筒の軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化してなり、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられていることを特徴とする、レンズ用フード。
[2]上記の周方向の一方向性プリプレグシートの積層数が、軸方向の一方向性プリプレグシートの積層数よりも多い、[1]に記載のレンズ用フード。
[3]フード本体の厚さが、0.5〜1.2mmである前記[1]または[2]に記載のレンズ用フード。
[4]周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを巻き付ける積層数が、1〜5層である前記[1]から[3]のいずれかに記載のレンズ用フード。
[5]上記のプリプレグに用いる高強度繊維が炭素繊維である、[1]から[4]のいずれかに記載のレンズ用フード。
[6]リングを備えたリング部と、このリング部が固定されたフード本体とを備え、上記のリング部が、高強度繊維の連続繊維もしくは短繊維を充填した繊維強化樹脂からなることを特徴とするレンズ用フード。
[7]上記のリングに用いる高強度繊維が、炭素繊維とガラス繊維とアラミド繊維とのいずれか又はこれらの複合繊維からなる、[6]に記載のレンズ用フード。
[8]上記のリング部に用いる樹脂が熱硬化性樹脂からなる、前記[6]または[7]に記載のレンズ用フード。
[9]上記のリング部に用いる樹脂が熱可塑性樹脂からなる、前記[6]または[7]に記載のレンズ用フード。
[10]上記のフード本体の、少なくともいずれかのプリプレグシートに用いる樹脂が熱可塑性樹脂を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載のレンズ用フード。
[11]上記のフード本体の、少なくともいずれかのプリプレグシートに用いる樹脂が熱硬化性樹脂を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載のレンズ用フード。
[12]上記のフード本体のプリプレグシートに用いる熱硬化性樹脂が、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂から選ばれる1以上である前記[11]に記載のレンズ用フード。
[13](1)フードの軸方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートと、周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートとの、単層もしくは複数層を巻き付けて積層し一体化するフード本体の製造工程、(2)繊維強化樹脂からなるリング部を成形するリング部の成形工程、および(3)上記のフード本体とリング部を接合させる接合工程を有することを特徴とする、前記[1]〜[12]のいずれかに記載のレンズ用フードの製造方法。
[14]上記のリング部の成形工程が、SMC、連続繊維織物で強化した樹脂からなるプリプレグシートまたは一方向性の繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを用いてリング部をプレス成形加工する工程であり、上記の接合工程が接着剤によりフード本体とリング部を接合させる工程である、[13]に記載のレンズ用フードの製造方法。
[15]一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化してなり、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられていることを特徴とする、筒体。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軽量で操作性が良く、十分な強度を有し、耐衝撃性に優れ、(特に、鏡筒の軸方向に落下時)衝撃が加わった際に、フードの縦割れが起こらないため、フードに設けられたリングの脱落が防止され、超望遠レンズの落下がなく、安全性に優れたレンズ用フードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のレンズ用フードをカメラのレンズ鏡筒に取り付けた状態の概略斜視図である。
【図2】本発明のレンズ用フードの、フード本体の概略斜視図である。
【図3】本発明のレンズ用フードの、材料構成の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のレンズ用フードの他の実施形態の一例を示す、フード本体の一部を破断した概略斜視図である。
【図5】本発明のレンズ用フードのさらに別の実施形態の一例を示す、概略断面図である。
【図6】本発明のレンズ用フード全体の概略断面図である。
【図7】図6のS−S線断面図である。
【図8】レンズ鏡筒と分離した状態のレンズ用フード全体の概略斜視図である。
【図9】レンズ鏡筒とレンズ用フードを接合させた状態の概略斜視図である。
【図10】レンズ鏡筒にレンズ用フードを取り付けた際のコマの位置関係を示す概略断面図である。
【図11】従来品のレンズ用フードの耐衝撃性試験の結果を示す写真である。
【図12】本発明のレンズ用フードの耐衝撃性試験の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について具体的に説明する。本発明は、レンズの鏡筒(以下、単にレンズという場合がある。)を固定するリング部と、このリング部を固定したフード本体とを含むレンズ用フードにおいて、フード本体が一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを鏡筒の軸方向と周方向に積層して一体化してなり、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられていることを特徴とするレンズ用フードである。
前記特許文献1(特開平9−269526号公報)には、「マンドレルに連続繊維の炭素繊維で形成されたクロスまたは一方向引き揃えシート充填樹脂、プリレグシートを1周以上巻回し、前記分割マンドレルと外型及び前記プリレグシートを予熱後、前記分割外型により前記プリレグシートを押圧し、加熱炉に入れ加熱徐冷して形成されることを特徴とするレンズ用フードの製造法」とあるが、文献1のリング用フードでは、フードの軸方向には、クロスの縦繊維しか使用されていなく、フード軸方向に衝撃を受けるには不十分である。これに対し、本発明では軸方向に軸方向性を有する一方向性のプリプレグシートを用い、その外側に周方向の一方向性プリプレグシートを用いる。図1に、カメラ(1)の結合部(2)にレンズ(3)を固定し、このレンズ(3)の先端に本発明のレンズ用フード(4)を取り付けた状態の概略構成を示す。また図2に、フード本体(4a)において、一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートの積層する方向、即ち周方向(5)と軸方向(6)とを示す。
なお上記のフード本体(4a)は、さまざまな用途の筒体としても有用であるが、軽量で十分な強度を有し、耐衝撃性に優れるので、鏡体やレンズカバーなど、カメラ部品や付属品として、特に有用である。
【0016】
本発明のフード本体(4a)に用いる高強度繊維としては、強度の高い連続繊維であれば特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維などの無機繊維のほか、有機繊維であってもよく、これらを併用してもよい。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維等が挙げられ、強度と弾性率のバランスに優れ、縦割れを効果的に防止できる点で、ポリアクリロニトリル系炭素繊維が好ましい。前記ガラス繊維としては、含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、低誘電ガラス繊維が挙げられる。
【0017】
また、上記の高強度有機繊維としては、例えば、超高分子量ポリエチレン繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環高性能繊維、ポリアセタール繊維等が挙げられる。これらの繊維は単独で、または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0018】
前記超高分子量ポリエチレン繊維とは、超高分子量ポリエチレンからなる繊維をいう。ここで、超高分子量ポリエチレンとは、分子量が20万程度以上、好ましくは60万程度以上であり、ホモポリマーの他、炭素原子数3〜10程度の低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン等との共重合体も含むものが好適である。エチレンとα−オレフィンとの共重合体の場合、後者の割合は炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度が好ましく、平均0.5〜10個程度である共重合体が、さらに好ましい。超高分子量ポリエチレン繊維の製造方法は、例えば、特開昭55−5228号公報、特開昭55−107506号公報等に開示されており、これら自体公知の方法を用いてよい。また超高分子量ポリエチレン繊維としてダイニーマ(商品名、東洋紡績株式会社製)、スペクトラ(商品名、ハネウエル社製)、テクミロン(商品名、三井石油化学製)等の市販品を用いてもよい。
【0019】
前記全芳香族ポリアミド繊維としては、特に限定されないが、例えばアラミド繊維等が挙げられる。アラミド繊維としては、パラ系アラミド繊維が好ましい。前記パラ系アラミド繊維としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名:ケブラー29、49、149等)又はコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名:テクノーラ)等が挙げられ、中でも、上記のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が特に好ましい。かかる全芳香族ポリアミド繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また上記のような市販品を用いてもよい。
【0020】
前記全芳香族ポリエステル繊維としては、特に限定されないが、例えば、パラヒドロキシ安息香酸の自己縮合ポリエステル、テレフタル酸とハイドロキノンからなるポリエステル、又はパラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなるポリエステルからなる繊維等が挙げられる。全芳香族ポリエステル繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばベクトラン(商品名、株式会社クラレ製)等の市販品を用いることもできる。
【0021】
前記ヘテロ環高性能繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)繊維、又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維等が挙げられる。ヘテロ環高性能繊維は、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばザイロン(商品名、東洋紡績株式会社製)等のPBO繊維等を用いることもできる。
【0022】
前記ポリアセタール繊維は、特に限定されないが、公知又はそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばテナック(商品名、旭化成株式会社製)、デルリン(商品名、デュポン社製)等の市販品を用いることもできる。
【0023】
本発明のレンズ用フード(4)は、フード本体(4a)に、炭素繊維等の、高強度繊維の連続繊維で形成されたUDプリプレグシートを使用する。これらは、比重が1.5〜2.0程度であり、フードの縦割れを防止できる強度を有し、かつ軽量である点から1.6〜1.8が特に好ましい。また強度は、例えば炭素繊維の短繊維だけを使用した場合に比べ、非常に強い。アルミ合金製のフードの肉厚と同程度にした場合でも、フードとしての実用強度を充分満たすため、アルミ合金の約半分の重量に仕上げることが可能である。フード本体の長さ、径は、必要に応じて適宜設定できるが、通常、フード本体の長さが6〜35cm程度であり、フード本体の直径(外径)は、5〜30cm程度である。
【0024】
炭素繊維、ガラス繊維、又はパラ系アラミド繊維など、高強度繊維で強化する樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で、または2以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、樹脂中にカーボンブラック等の顔料をいれると遮光性が向上するため、より好ましい。なお、上記のフード本体(4a)には、全て同じ材質のUDプリプレグシートを用いることも可能であるが、例えば最内層と最外層に熱硬化性樹脂を用いたUDプリプレグシートを使用し、中間層に熱可塑性樹脂を用いたUDプリプレグシートを使用するなど、互いに異なる樹脂や高強度繊維を用いたプリプレグシートを組み合わせて使用してもよい。
【0025】
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ビスフェノールAD、ビスフェノールFもしくはビスフェノールSのジグリシジルエーテル化合物またはその高分子量同族体、フェノールノボラック型ポリグリシジルエーテルまたはクレゾールノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。さらにこれらのハロゲン化誘導体も使用できる。さらに合成過程で、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のフェノール類をこれらのグリシジルエーテルと反応させて得られた芳香族系エポキシ樹脂等、また脂肪族系エポキシ樹脂を使用してもよい。これらのエポキシ樹脂のうち、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が好ましい。エポキシ樹脂は、公知の製造方法により得ることができ、市販品を用いてもよい。これらの樹脂は単独で、または2以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0026】
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の方法により製造されるものを用いることができ、市販品を用いてもよい。例えば、多価アルコールからなるアルコール成分と、α、β−不飽和多価カルボン酸類と、飽和多価カルボン酸類および芳香族多価カルボン酸類からなる酸成分とを用いて公知の製造方法により得ることができる。ビニルエステル樹脂も本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の方法により製造されるものを用いることができ、市販品を用いてもよい。前記の熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、スチレン系熱可塑性樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリイミド系熱可塑性樹脂等の熱可塑性樹脂を用いてもよいが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエン共重合系合成ゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の合成樹脂も使用できる。
【0027】
本発明のレンズ用フードの断面形状は、特に限定されず、真円断面状であってもよいし、楕円状であってもよいが、真円断面状が好ましい。
【0028】
本発明の一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートは、前記炭素繊維などの高強度繊維と樹脂を用いて、公知の方法を用いて製造することができる。
【0029】
本発明のレンズ用フード(4)は、一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを鏡筒の軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化し、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられているフード本体(4a)と、リング部(4b)とからなる。ここで、上記の軸方向へ積層するプリプレグシートや周方向へ積層するプレプリグシートは、それぞれが1層ずつであってもよく、2層以上の複数層であってもよいが、複数層を積層する場合は、周方向と軸方向とへ1層ずつ交互に積層してもよく、或いは、一方へ複数層をまとめて積層したのち他方へ積層してもよい。また上記の最終周方向の一方向性プレプリグシートとは、周方向の一方向性プレプリグシートのうちの最後に積層される一方向性プリプレグシート、即ち周方向の一方向性プリプレグシートのうちの最も外側の一方向性プリプレグシートをいう。
【0030】
例えば、図3に示す本発明のレンズ用フード(4)では、1層ずつ積層してある。一方、図4に示す他の実施形態では、1層の軸方向の一方向性プリプレグシート(8)と2層の周方向のプリプレグシート(7)をそれぞれ交互に積層してある。なお、この他の実施形態では、最終周方向のプリプレグシートの外側に、炭素繊維等の高強度繊維のクロスで強化した樹脂からなるプリプレグシート(10)がさらに配置してあるが、本発明ではこのクロス状のプリプレグシートは省略してもよい。
本発明では、上記のフード本体(4a)の厚さは、リング(14)の脱落を防止する優れた強度を示すために、0.5〜1.2mm程度が好ましく、0.65〜1.0mm程度がより好ましい。またフード本体(4a)に用いる周方向のプリプレグシートの厚さは、縦割れを効果的に防止する点から、1〜5層程度が好ましい。
【0031】
図3に示すように、本発明のフード本体(4a)はリング部(4b)と接合してあり、このリング部(4b)はレンズ(3)を支える環状突起部のリング(14)を備える。上記のフード本体(4a)は、リング部(4b)の外周面に外嵌して接着剤で固定すると、強固に接着でき、衝撃を受けた際もこの接着面でリング部(4b)を確りと保持できて好ましい。しかし本発明では、例えば図5に示すさらに別の実施形態のように、フード本体(4a)の端部とリング部(4b)の端部を互いに付き合わせ状に接続してもよく、或いは他の任意の構造により互いに接続してもよい。例えば射出成型等により、フード本体(4a)の一端に繊維強化樹脂等でリング部(4b)を一体に成形することも可能である。
前記リング部(4b)を構成する材料は、特定の材料に限定されず、前記した炭素繊維、ガラス繊維、パラ系アラミド繊維等の高強度繊維及びこれらの複合繊維を使用できるが、炭素繊維とガラス繊維とアラミド繊維とのいずれか又はこれらの複合繊維からなる、連続繊維もしくは短繊維を充填した繊維強化樹脂(9)からなるものが、強度確保の点から好ましい。リング部(4b)に用いる樹脂は、前記したエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、又はポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で、または2以上を任意の割合で混合して使用することができる。
【0032】
リング部(4b)に使用する補強繊維として、長さ1〜30mm程度の炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等、高強度繊維の短繊維を併用することは、レンズ用のリング(14)にとって有用である。リング部(4b)は、ただの円形ではなく、レンズ(3)に装着するためのコマ等、様々な肉厚部や突起部等が外側又は内側に存在する場合がある。そのため、成形する際には樹脂含有量の多い短繊維が充填されている樹脂を使用すると、繊維、樹脂の流動性が高くなり、金型の形状が上手く転写され、ボイドを少なく仕上げることができる。さらに、肉厚部や突起部等の強度も高くなるので非常に有用である。リング部(4b)に使用する樹脂の含有量としては、50〜90重量%程度が適当である。SMC(Sheet Molding Compound)、BMC(Bulk Molding Compound)等を使用することが好ましい。また、連続繊維の炭素繊維、ガラス繊維、もしくはパラ系アラミド繊維等の、高強度繊維を補強繊維として使用することもできる。
【0033】
本発明のレンズ用フード(4)は、フード本体(4a)の軸方向に衝撃を受けた場合に、縦割れが起こらず、フード本体(4a)の軸方向の力に対する耐衝撃性で100J以上の衝撃吸収エネルギーのものが好ましく、軸方向の衝撃に対して、完全に縦割れを防止できる点から235J以上のものがより好ましい。フード本体(4a)の軸方向の力に対する耐衝撃性は、インストロン社の落錘型衝撃試験機(製品名:落錘型衝撃試験機 Dynatup(登録商標) 9200シリーズ)を用いて測定することができる。具体的条件および測定方法については、下記実施例に記載するとおりである。
【0034】
本発明のレンズ用フード(4)は、例えばリング部(4b)をSMC、連続繊維織物で強化した樹脂からなるプリプレグシートまたは一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートにてプレス成形加工し、接着剤によりフード本体(4a)と接合させて得られる。或いは、フード本体(4a)の一端に、射出成型等でリング部(4b)を一体に成型してもよい。これらによって得られた本発明のレンズ用フード(4)は、従来のアルミニウム合金等の金属製品のリングとの組み合わせよりも、全部品を複合材とさせて軽量となる。
【0035】
本発明のレンズ用フード(4)の製造方法は、(1)フードの軸方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートと、周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートとの、単層もしくは複数層を巻き付けて積層し一体化するフード本体の製造工程、(2)繊維強化樹脂からなるリング部(4b)を成形するリング部の成形工程、および(3)上記のフード本体(4a)とリング部(4b)とを接合させる接合工程を有することを特徴とする。
【0036】
(1)上記のフード本体の製造工程では、フード本体(4a)の軸方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートと、周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートとを、金型へ交互に単層もしくは複数層を巻き付けて積層し、一体化することでフード本体(4a)を製造する。周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを巻き付ける最終積層数は、フード本体(4a)の縦割れ防止の効果を十分に奏する点から、1〜5層程度が好ましい。フード本体(4a)の外側に、周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを十分に巻きつけることが、フード本体(4a)の縦割れ防止に重要である。
【0037】
軸方向及び周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを巻き付けた後、加熱硬化させ、成形する。加熱処理は、特に限定されず、通常、120〜140℃程度で行う。加熱時間は、特に限定されず、通常3〜6時間程度で行う。さらに、必要に応じて室温で風乾させてもよい。
【0038】
その後、フード本体(4a)を任意の長さに切断し、このフード本体(4a)に貫通穴(13)を設ける。図10に示すように、貫通穴(13)はコマ部品(15)が上下動するための穴である。このコマ部品(15)は支持部品(17)に支持され、調節部品(16)を回動することで上下動する。従って固定コマ(12)でレンズ(3)との位置を決めたあと、調節部品(16)を回し締めすることでコマ部品(15)がレンズ側に下りて、レンズ(3)にフード(4)を固定する。
【0039】
(2)上記のリング部の成形工程では、例えばSMC、連続繊維織物で強化した樹脂からなるプリプレグシートまたは一方向性繊維強化樹脂からなるプリプレグシートをプレス成形加工して、リング部を製造する。或いは、短繊維等を混入した樹脂で射出成型等によりリング部を成形してもよい。上記の連続繊維織物としては、前記した炭素繊維、ガラス繊維等の連続繊維からなる織物等が挙げられる。一方向性繊維強化樹脂からなるプリプレグシートとしては、前記した炭素繊維等を用いたプリプレグシート等が挙げられる。SMCとしては、公知のものを使用でき、特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル等の前記熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂に、繊維質、無機充填材等を加え、シート状に延伸し、熱プレスで成形されたものが挙げられる。
【0040】
(3)上記の接合工程では、例えば接着剤によりフード本体とリング部を接合させる。接着剤は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、公知の接着剤を使用することができる。接着剤を塗布する際の条件(温度、圧力等)は特に限定されないが、通常、室温で塗布する。また本発明では、フード本体の一端にリング部を射出成型することにより、この接合工程と上記のリング部の成形工程とを同時に行うことも可能である。
【0041】
本発明のレンズ用フード(4)は、フード本体(4a)とリング部(4b)を別々に製造し、接着剤で接着することによって製造することができ、この場合はそれぞれの製造に用いる金型を小形にすることができる。図6にレンズ用フード(4)の周方向の概略断面図を示し、図7にレンズ用フード(4)の軸方向の概略断面図を示す。
【0042】
フード本体の外周には外観を綺麗にするための塗装を施し、内周には内面反射を防ぐため、通常使用されている静電植毛を施してあり、図10に示した金属製のコマ部品(15)等を組み立てて図8の様にレンズ用フードが完成する。図10には、本発明の金属製のコマ部品等の構成態様を例示的に示すが、本発明のフードをレンズに固定する構成は、これに限定されない。図8にレンズ用フード(4)をレンズ(3)に取り付ける前の状態の概略図を示し、図9にレンズ用フード(4)をレンズ(3)に取り付けた状態の概略図を示す。
【実施例】
【0043】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における耐衝撃性の測定方法は次の通りである。
【0044】
〔耐衝撃性〕
各実施例および比較例のレンズ用フード(フード本体長:160mm)をサンプルとし、落錘型衝撃試験機(商品名:Dynatup(登録商標) 9210、インストロン社製)を用いて、落錐型衝撃試験機の水平な床面にサンプルのリング部が上向きになるように設置し、直径165mm、厚さ12mm、重さ2kgの鉄板をサンプルのリング部に乗せた状態で、ロードセルに取り付けられた直径160mm、厚さ12mmの圧子をリング部に乗せた鉄板の中心部に落下させ、97J、235Jの衝撃エネルギーを与えてサンプルの縦割れを評価した。
【0045】
[実施例1]
ポリアクリロニトリル系炭素繊維のトレカ T−700(商品名、東レ株式会社製)を用いて、樹脂含有比率が33:67となるように水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含浸させた一方向性プリプレグシート(東レ株式会社製)を使用し、これを軸方向と周方向とに1層ずつ積層し一体化させて、レンズ用フードを製造した。
【0046】
[比較例1]
織物であるプリプレグシートを巻き付ける以外は、実施例1と同様にしてレンズ用フードを製造した。
【0047】
[試験例1]
実施例および比較例のレンズ用フードについて、耐衝撃性を評価した。評価結果を下記表1に示す。また、試験結果の写真を図11および図12に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
表1から明らかなように、従来のレンズ用フードでは、縦割れが生じ、リングが脱落した。このため、レンズもリングの落下に伴い、脱落するおそれがある(比較例1)。一方、本発明では、周方向に破損が見られ、腰砕け状態にはなるものの、縦割れが生じないため、リングの脱落がなく、リングの上に配置されているレンズが脱落するおそれはないことが確認された。
【0050】
以上の結果から、本発明により、軽量であり、フードに縦割れが起こらず、フードに設けられたリングの脱落が防止されるため、超望遠レンズの落下がなく、安全性に優れたレンズ用フードが得られることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のレンズ用フードは、望遠レンズ用、特に内径50mm以上300mm以下の大口径レンズ用、あるいは焦点距離が300mm以上の超望遠レンズ用のフードとして有用である。
【符号の説明】
【0052】
1…カメラ
2…カメラの結合部
3…レンズ鏡筒(レンズ)
4…レンズ用フード
4a…フード本体
4b…リング部
5…周方向
6…軸方向
7…周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシート
8…軸方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシート
9…高強度繊維強化樹脂
10…高強度繊維のクロスで強化した樹脂からなるプリプレグシート
12…レンズ取り付け用の固定コマ
13…貫通穴
14…リング
15…上下動可能なコマ部品
16…調節部品
17…支持部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの鏡筒を固定するリング部と、このリング部を固定したフード本体とを含むレンズ用フードにおいて、フード本体が、一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを鏡筒の軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化してなり、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられていることを特徴とする、レンズ用フード。
【請求項2】
上記の周方向の一方向性プリプレグシートの積層数が、軸方向の一方向性プリプレグシートの積層数よりも多い、請求項1に記載のレンズ用フード。
【請求項3】
フード本体の厚さが、0.5〜1.2mmである請求項1または請求項2に記載のレンズ用フード。
【請求項4】
周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを巻き付ける積層数が、1〜5層である請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ用フード。
【請求項5】
上記のプリプレグシートに用いる高強度繊維が炭素繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載のレンズ用フード。
【請求項6】
リングを備えたリング部と、このリング部が固定されたフード本体とを備え、
上記のリング部が、高強度繊維の連続繊維もしくは短繊維を充填した繊維強化樹脂からなることを特徴とするレンズ用フード。
【請求項7】
上記のリング部に用いる高強度繊維が、炭素繊維とガラス繊維とアラミド繊維とのいずれか又はこれらの複合繊維からなる、請求項6に記載のレンズ用フード。
【請求項8】
上記のリング部に用いる樹脂が熱硬化性樹脂からなる、請求項6または請求項7に記載のレンズ用フード。
【請求項9】
上記のリング部に用いる樹脂が熱可塑性樹脂からなる、請求項6または請求項7に記載のレンズ用フード。
【請求項10】
上記のフード本体の、少なくともいずれかのプリプレグシートに用いる樹脂が熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のレンズ用フード。
【請求項11】
上記のフード本体の、少なくともいずれかのプリプレグシートに用いる樹脂が熱硬化性樹脂を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のレンズ用フード。
【請求項12】
上記のフード本体のプリプレグシートに用いる熱硬化性樹脂が、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂から選ばれる1以上である、請求項11に記載のレンズ用フード。
【請求項13】
(1)フードの軸方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートと、周方向に一方向性の高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートとの、単層もしくは複数層を巻き付けて積層し一体化するフード本体の製造工程、(2)繊維強化樹脂からなるリング部を成形するリング部の成形工程、および(3)上記のフード本体とリング部を接合させる接合工程を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のレンズ用フードの製造方法。
【請求項14】
上記のリング部の成形工程が、SMC、連続繊維織物で強化した樹脂からなるプリプレグシートまたは一方向性の繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを用いてリング部をプレス成形加工する工程であり、上記の接合工程が接着剤によりフード本体とリング部を接合させる工程である、請求項13に記載のレンズ用フードの製造方法。
【請求項15】
一方向性高強度繊維強化樹脂からなるプリプレグシートを軸方向と周方向とへ、それぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化してなり、最終周方向の一方向性プリプレグシートが軸方向の一方向性プリプレグシートの外側になるように巻き付けられていることを特徴とする、筒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−32745(P2012−32745A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202276(P2010−202276)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【特許番号】特許第4813619号(P4813619)
【特許公報発行日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(509325260)株式会社KOSUGE (7)
【出願人】(300042694)株式会社 ホーペック (3)
【Fターム(参考)】