説明

レンズ装置

【課題】防振機能のための振動センサによって、パン・チルト操作の開始及び停止を判断すると、実際のパン・チルト操作開始及び停止の判断に遅延があり、像ぶれ補正の開始・停止の迅速な対応ができない。
【解決手段】支持体にて支持されるレンズ装置であって、該支持体が出力するパン及びチルトの操作情報に基づいて、該支持体のパン操作及びチルト操作の有無を判断するパン・チルト検出部と、像ぶれを補正する像ぶれ補正レンズと、該レンズ装置の振動を検出し、像ぶれ量を演算する振動検出部および、該像ぶれ量に基づいて、該補正レンズを駆動させる防振部、を有し、該パン・チルト検出部は、パン操作またはチルト操作が有ると判断する場合、該振動検出部をリセットし、パン操作またはチルト操作が無いと判断する場合、該振動検出部のリセットを解除することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像ぶれ補正機能を有するレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の例えば特許文献1による防振装置は、レンズ装置に搭載され、振動センサにより振動を検出し、検出した振動に応じて光軸を偏心させる補正レンズを制御している。振動センサには、主にアナログ信号を出力する角速度センサが用いられ、振動が加わると角速度センサは振動に応じた角速度を検出し出力する。出力された角速度は積分することで振動角度に変換され、この振動角度から補正レンズの制御量が演算される。この制御データを用いて、モータなどの駆動デバイスを制御し像ぶれ補正を行っている。
【0003】
また、振動センサから得られた振れ信号に基づいて、レンズ装置がパン・チルト操作しているか否かを自動で判断し、パン・チルト操作していると判断した場合には、像ぶれ補正を適した様態に切り替えることが提案されている。例えば、パン・チルト操作していると判断した場合に、像ぶれ補正を停止することによって、パン・チルト操作時に像ぶれ補正が行われることによる画面の不自然さや、パン・チルト操作に対する操作性の悪さを解消するものが提案されている。レンズ装置がパン・チルト操作しているか否かの判断は、例えば、振動センサからの振れ信号の大きさが所定のしきい値を一定時間以上継続して超えたか否か等の検出によって行われている。
【0004】
そして、レンズ装置がパン・チルト操作していると判断して像ぶれ補正を停止させた場合、パン・チルト操作が終了したと判断したときに像ぶれ補正を自動で再開させるようにする。そうすれば、手動操作によって像ぶれ補正を再開させる手間が不要になるため好適である。例えば特許文献1では、振動センサからの振れ信号の大きさが所定のしきい値よりも一定時間以上継続して小さくなったことを検出すると、パン・チルト操作が終了したと判断し、像ぶれ補正を再開させるようにしている。
【0005】
また特許文献2では、パン・チルト操作が行われると、振動センサからの出力が非常に大きくなり、積分演算の出力が飽和してしまい、その後の振れ検出が行えなくなる。そのため、振れセンサの出力が所定以上になると(パン・チルト開始判断)、演算をリセットして信号を抑え、振れが小さくなる(パン・チルト停止判断)まで待機した後に再度振れ信号の演算を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−229089号公報
【特許文献2】特開2003−5243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、振動センサはパン・チルト操作のように大きな振れを検出すると、振れが停止しても不要な信号が出力され、すぐには基準値に戻らない。基準値とは振動のない場合に出力される基準信号である。よって、特許文献1および特許文献2のように、パン・チルト操作の停止を振動センサで判断すると、どうしても実際のパン・チルト操作の停止と、振動センサの出力から停止と判断できるまでに遅延が生じてしまう。したがって、操作者がパン・チルト操作を終えた後に、数秒間像ぶれ補正が行われないという問題があった。パン・チルト操作は、意図した構図を得るために行われ、目的の構図となった瞬間に像ぶれを補正できないことは大きな欠点となる。また、パン・チルト操作開始が検出されるまでの間は、パン・チルト操作による映像変化まで補正してしまうことにより、映像が追従しないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明の例示的な目的は、振動センサとは別に、支持体が出力するパン・チルトの操作情報に基づいて、パン・チルト操作を検出するようにしたレンズ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ装置は、支持体にて支持されるレンズ装置であって、該支持体が出力するパン及びチルトの操作情報に基づいて、該支持体のパン操作及びチルト操作の有無を判断するパン・チルト検出部と、像ぶれを補正する像ぶれ補正レンズと、該レンズ装置の振動を検出し、像ぶれ量を演算する振動検出部および、該像ぶれ量に基づいて、該補正レンズを駆動させる防振部を有し、該パン・チルト検出部は、パン操作またはチルト操作が有ると判断する場合、該振動検出部をリセットし、パン操作またはチルト操作が無いと判断する場合、該振動検出部のリセットを解除することを特徴とする。
【0010】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施例等によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パン・チルト操作の検出を、振動センサではなく、レンズを支持する三脚等の支持体より出力される操作情報により行うことによって、パン・チルト操作中に振動検出部をリセットすることができ、パン・チルト操作停止後、即座に像ぶれ補正を再開することが可能となる。また、パン・チルト操作と振動の切り分けが可能となるので、パン・チルト操作の検出が早くなり、パン・チルト操作開始時の映像追従性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態である像ぶれ補正機能付レンズ装置の概略構成図。
【図2】実施例における振動検出回路の概略構成図。
【図3】実施例におけるパン操作検出のフローチャート。
【図4】実施例における像ぶれ補正制御のフローチャート。
【図5】従来技術のパン検知における振動センサの成分信号波形。
【図6】実施例のパン検知における振動センサの成分信号波形。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1に、本発明の実施例のレンズ装置の構成図を示す。レンズ装置20は、像ぶれ補正機能付きのレンズ装置であり、レンズ装置のパンおよびチルトの操作角を出力する出力部を備えた雲台(支持体)30に装着され支持されている。レンズ装置20は、レンズ装置20の振動を検出する振動検出回路(振動検出部)1、振動検出回路1の出力信号をCPU6に取り込むためのA/D変換器2、光軸に垂直な方向に偏心させて結像面上の像ぶれを補正するための像ぶれ補正レンズ3、像ぶれ補正レンズ3を駆動するアクチュエータ(補正レンズ駆動部)4、像ぶれ補正レンズ3の位置を検出する位置検出器5、A/D変換器2の出力に基づいた像ぶれ補正レンズ3の制御信号演算と振動検出回路1のリセット制御とパン・チルト操作角出力部9の出力に基づいたパン・チルト検出とを行うCPU6、CPU6が演算した像ぶれ補正レンズ3の制御信号をアナログ信号に変換するためのD/A変換器7、アクチュエータ4を駆動するための駆動回路8、雲台30のパン・チルト操作角度を検出し、パン・チルト操作量に比例した値をデジタル信号(パン・チルトの操作情報)で出力するパン・チルト操作角出力部9(パン・チルト検出部)を有する。本実施例では、電源投入時にパン・チルト操作角出力部9は基準位置データを出力し、その後は電源投入時のパン・チルト位置を基準として、この基準位置からの相対位置に比例したデータを出力する。このパン・チルト操作角出力部9はたとえばインクリメントロータリーエンコーダとカウンタにより実現することが可能である。
【0015】
図2のブロック図は、振動検出回路1の構成例である。以下に図2のブロック図に沿って、振動検出とリセット処理についての動作を説明する。
【0016】
雲台30の操作には水平方向のパン操作(撮影領域を左右方向に移動させる操作)と垂直(鉛直)方向のチルト操作(撮影領域を上下方向に移動させる操作)の2方向の操作がある。ここで、パン操作とは、レンズ装置が向いている方向に対して左右方向に回転させる操作(レンズ装置の光軸が水平になるように設置した場合、水平面内における回転操作)のことである。また、チルト操作は、パン操作と垂直な方向への回転操作であり、すなわちレンズが向いている方向に対して上下方向に回転させる操作(レンズ装置の光軸が水平になるように設置した場合、水平面内における回転操作)のことである。また、像ぶれ補正レンズ3の駆動方向にも、同様に水平方向(左右方向)と垂直方向(上下方向)の2方向がある。ここでは説明を簡単にするため、以後は雲台30の操作をパン操作のみ、像ぶれ補正レンズ3の駆動方向は水平方向のみに限定して説明を行う。図1において、実際には、振動検出回路1、A/D変換器2、アクチュエータ4、位置検出器5、D/A変換器7、駆動回路8は、パン方向とチルト方向の2方向の補正に各ユニット必要だが、パン方向、チルト方向とも同じ制御のため、パン方向のみを図示し説明する。
【0017】
振動検出回路1は、振動を検出する振動センサ11と、その出力信号に含まれるDC成分と低周波ノイズ成分を除去し、高周波成分のみを通過させるためのハイパスフィルタ(HPF)12と、その出力を増幅し角速度に相当する振動センサ11の信号を積分処理して角度相当の信号に変換する積分回路(積分部)13から構成される。振動センサ11は振動の角速度を検知し、角速度量に応じた電圧を出力するものである。また、積分回路はオペアンプと抵抗、コンデンサとCPU制御とにより構成され、抵抗とコンデンサによる積分定数に基づく積分回路を構成している。積分回路13から出力された角度信号は、A/D変換器2によってデジタル信号に変換され、CPU6に読み込まれる。
【0018】
パン操作中は、振動検出回路1のリセット処理を行う。ここでのリセット処理とは、積分回路13とHPF12のリセットを指し、積分回路13のコンデンサをディスチャージし、積分値を初期化することと、HPF12のカットオフ周波数を高周波領域にセットすることを行う。例えば、HPF12のカットオフ周波数を1kHzにセットし、1kHz以下の周波数成分をカットするフィルタ特性にする。これは、通常の像ぶれ補正の対象となる振動の周波数帯域(約0.5〜30Hz)から見ると実質的には全ての検出された像ぶれの原因となる振動信号をカットし、初期化したことに他ならない。これらリセット処理は、HPF12と積分回路13内に搭載された図示しないアナログスイッチをCPU6で制御し、時定数を変化させることによって行う。ここでのリセット処理は、パン・チルト検出部がパン操作またはチルト操作の操作中であると判断した場合、アクチュエータによる像ぶれ補正レンズ3の駆動(振動検出回路の検出結果に基づく補正レンズの駆動)を禁止する(行わない)処理であれば良い。上記の振動検出回路のリセット処理(振動検出回路内での検出信号のリセット処理)はその一つの例である。リセット処理の他の例としては、CPU6が振動検出回路1からの信号を無視、或いは軽視する(信号の振幅を大幅に縮小する)処理や、CPU6からの指令を受けてA/D変換器2が信号をA/D変換すると共に大幅に軽視する処理であっても良い。また、逆の場合、すなわちパン・チルト検出部がパン操作またはチルト操作の操作が行われていないと判断した場合は、このCPU(制御部)6はリセット処理を実行しない。つまり、この場合には、振動検出回路で検出された振動(検出結果)に基づいて、アクチュエータ4(駆動回路8)による像ぶれ補正レンズ3の駆動を許可(実行)する。
【0019】
また、振動検出回路1のリセット処理は、HPF12と積分回路13のどちらか一方でも構わない。
【0020】
図3のフローチャートは、雲台30に搭載されたパン・チルト操作角出力部9による出力を用いたパン検出の一連の動作を示している。以下に図3のフローチャートに沿って、パン検出動作を説明する。
【0021】
パンフラグがOFFの時は、パン操作がない状態でレンズ装置は雲台に対して停止している状態と判断し、パンフラグがONの時は、パン操作されている状態と判断する。また、図示しないカメラを介してレンズ装置20に電源が投入される。電源投入時にパンフラグはOFFとする。ステップS1では、パン・チルト操作角出力部9からの雲台位置をCPU6に取り込み、ステップS2で前回サンプリング時の値との差分によってパン速度を算出する。ステップS3で、パン速度が0の場合は、ステップS4に進む。ステップS4では、停止カウントをカウントアップし、ステップS5で停止カウント値がしきい値A以上となると、ステップS6でパンフラグをOFFする。停止カウント値がしきい値A未満ならば、パンフラグは変更しない。しきい値Aは、パン操作が行われていないと判断できる最小の時間に相当する値とする。
【0022】
次に、ステップS3で、パン速度が0以外ならば、ステップS7で停止カウントをクリアし、ステップS8でパン操作の方向が前回サンプリング時と同じが否かを判定する。パン操作の方向が違えば、ステップS9で、パン操作移動量をクリアし、ステップS10で、パンフラグはOFFする。
【0023】
そして、ステップS8で、パン方向が同じならば、ステップS11に進み、パン速度を積分し、パン操作移動量を算出する。ステップS12で、パン操作移動量がしきい値B以上だと、パン操作と判断し、ステップS14でパンフラグをONし、パン操作移動量がしきい値B未満だと、ステップS13でパンフラグをOFFする。しきい値Bはパン操作を行ったと判断できる最小のパン操作角変化量に設定する。なお実施例では、パン操作の操作角変化量の振幅のみで、パン操作を行ったか否か判断しているが、操作角変化量の周波数や、操作角変化量の振幅と周波数の双方で判断しても良い。
【0024】
図4のフローチャートは、像ぶれ補正制御の一連の動作を示している。以下に図4のフローチャートに沿って、像ぶれ補正の動作を説明する。
【0025】
ステップS21で、振動検出回路1から出力される振動角度信号をCPU6に取り込み、ステップS22で、振動角度信号から補正レンズ制御信号を生成する。ステップS23で、図3において説明したフローにしたがい、パン操作の有無を判断します。パン操作されていない場合は、ステップS29に進み、補正レンズ制御信号をD/A変換器7により、駆動回路8へ出力し、像ぶれ補正を行う。
【0026】
次に、ステップS23で、パン操作されていると判断されると、ステップS24で像ぶれ補正を停止させ、ステップS25で、図2において説明したように、振動検出回路1のリセットを行う。ステップS26では、補正レンズをセンター位置に徐々に移動させるセンタリング処理を行う。センター位置に戻るまでセンタリング処理を行う。図3で説明したフローによって、ステップS27ではパン操作の停止を判断し、パン操作が停止ならばステップS28に進み、パン操作中であれば、パン操作が停止するまで振動検出回路1のリセット状態が続く。ステップS28では、振動検出回路1のリセット処理を解除し、HPF12、積分回路13の時定数を通常に戻す。そして再びステップS21に戻り、像ぶれ補正を再開させる。パン操作中にリセットを行うことにより、パン操作の信号を検出しないため、パン操作停止後すぐに像ぶれ補正を再開できる。
【0027】
図5に従来制御における振動センサの積分信号波形を示す。図6に本実施例における振動センサの積分信号波形を示す。以下に、図5、図6を用いて、本実施例における効果を説明する。
【0028】
図5は、従来技術で述べたような、像ぶれ補正に用いる振動センサの出力によってパン動作を判断する例を示す。この例は、振動センサの積分信号の大きさ(基準値に対する差異)が、しきい値Xを時間Y以上継続して超えた場合にパン動作と判断し、しきい値Xを時間Y以上継続して小さくなった場合にパン動作終了と判断するパン検知制御である。パン動作により振動角度に相当する積分信号が飽和し、その後、パンが終了しても、パン動作中に角速度信号を積分し続けたことによる不要信号成分が出力され続けるため、パン終了を検知するのが遅れてしまう。図6は、本実施例におけるパン検知制御であり、雲台30の操作角信号によりパン動作を検知する。パン動作を検知している間はリセット処理を行うため、不要信号は出力されず、パン終了からの遅延がほとんどなく像ぶれ補正を再開できる。さらに、パン開始検知においても、積分信号により判断するよりも早く検知できるため、パン動作による映像の補正量も少なくなり、追従性も改善される。
【0029】
また、本実施例において振動センサ11の角速度信号をハードウエアで構成したHPF12、積分回路13を用いて角度相当の信号に変換する場合を示したが、この角速度から角度への変換演算をソフトウエアで実現しても同様の効果を得ることができる。さらに、本実施例の振動センサには角速度センサのほか、角加速度センサ、線加速度センサ等の加速度センサを用いてもよい。また、振動検出回路のリセットはパン操作中にON/OFFを繰り返しても同様の効果を得ることができる。また、センタリング処理において、補正レンズの移動速度を、パン・チルト操作角出力部9より求めた、パン速度に応じて可変させても良い。
【0030】
本実施例のレンズ装置について詳細に記載して来たが、本発明はレンズ装置(撮像装置に着脱可能なレンズ装置や、望遠鏡や双眼鏡等の観察光学系など)に限られる発明ではない。例えば、撮像素子と、上述したレンズ装置を備え、このレンズ装置によって被写体からの撮像光束を撮像素子に導く撮像装置(カメラ)等に
【0031】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 振動検出回路
3 像ぶれ補正レンズ
4 アクチュエータ
5 位置検出器
6 CPU
8 駆動回路
9 パン・チルト操作角出力部
11 振動センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体にて支持されるレンズ装置であって、
該レンズ装置は、
該支持体が出力するパン・チルトの操作情報に基づいて、該支持体のパン操作及びチルト操作の有無を判断するパン・チルト検出部と、
像ぶれを補正する像ぶれ補正レンズと、
該レンズ装置の振動を検出し、像ぶれ量を演算する振動検出部と、
像ぶれ量に基づいて、該補正レンズを駆動する補正レンズ駆動部、
を有し、
該パン・チルト検出部は、パン操作またはチルト操作が有ると判断する場合、該振動検出部をリセットし、パン操作またはチルト操作が無いと判断する場合、該振動検出部のリセットを解除する、
ことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記振動検出部のリセットは、検出した振動を初期化すること、及び、像ぶれ量を初期化することの、少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記振動検出部は、振動を検出する振動センサと、前記振動センサの出力信号の高周波成分を通過させるハイパスフィルタと、該ハイパスフィルタを通過した信号を積分処理する積分部と、を有し、
検出した振動の初期化は、該ハイパスフィルタのカットオフ周波数を高周波領域に設定することにより行われ、
像ぶれ量の初期化は、前記積分部の積分値を初期化することにより行われる、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
検出した振動の初期化は、前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数を1kHzに設定することにより行われることを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記振動センサの出力する信号は、前記レンズ装置に加わる振動の角速度または角加速度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記パン・チルトの操作情報は、前記支持体の操作角度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記レンズ装置は、前記パン・チルト検出部がパン操作またはチルト操作が有ると判断する場合は、前記補正レンズを基準位置に戻す、センタリング処理をすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレンズ装置。
【請求項8】
前記レンズ装置は、前記支持体が出力するパン・チルトの操作情報に基づいて、パン操作及びチルト操作の速度を演算し、
該パン操作及びチルト操作の速度により、前記センタリング処理の移動速度を変更する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレンズ装置。
【請求項9】
支持体にて支持されるレンズ装置であって、
該支持体が出力するパン・チルトの操作情報に基づいて、該支持体のパン操作及びチルト操作の操作中か否かを判断するパン・チルト検出部と、
像ぶれを補正する像ぶれ補正レンズと、
該レンズ装置の振動を検出する振動検出部と、
該振動検出部で検出された振動に基づいて、前記像ぶれ補正レンズを駆動する補正レンズ駆動部と、
前記パン・チルト検出部がパン操作またはチルト操作の操作中であると判断した場合、前記補正レンズ駆動部による前記像ぶれ補正レンズの駆動を禁止し、前記パン・チルト検出部がパン操作またはチルト操作の操作が行われていないと判断した場合、前記補正レンズ駆動部による前記像ぶれ補正レンズの駆動を許可する制御部と、
を備えることを特徴とするレンズ装置。
【請求項10】
撮像素子と、
被写体からの光を前記撮像素子に導く、請求項1乃至9いずれか一項に記載のレンズ装置と、
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−138028(P2011−138028A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298406(P2009−298406)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】