説明

レーダシステム、送受信装置および信号処理装置

【課題】回路規模を小さくし、送信回路と受信回路を合わせて利得補正する。
【解決手段】送受信装置2は、送信信号を生成する送信回路4と、生成された送信信号から補正信号を生成する補正信号生成部9と、受信した受信信号または生成された補正信号のいずれか一方の信号を出力する出力切替部12と、出力切替部12により出力された信号を処理する受信回路5とを備え、信号処理装置3は、受信回路5により処理された補正信号のレベルと基準レベルとの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部172と、算出された補正データを元に、受信回路5により処理された受信信号の利得補正を行う利得補正部173と、出力切替部12に補正信号を出力させる切替制御部19と、送信信号を生成する期間を送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を切替制御部19に指示するタイミング信号発生部18とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送受信装置内の送信回路と受信回路を合わせて利得補正するレーダシステム、送受信装置および信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーダシステムは、電波(送信信号、送信信号に対する受信信号)を送受信するアンテナと、アンテナに送信させる送信信号を生成する送信回路、およびアンテナからの受信信号を処理する受信回路を有する送受信装置と、送受信装置の受信回路により処理された受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置とを備えている。このようなレーダシステムの中には、送信回路と受信回路を合わせて利得補正する必要があるものがある。例えば、2重偏波レーダ雨量計は、雨の形状を算出するために2系統(H、V偏波系)の利得を補正する必要がある。
【0003】
従来、送信回路と受信回路を合わせて利得補正する場合には、送信信号の一部を周波数変換し、受信信号と周波数で分離させた補正信号を生成して受信回路に挿入し、利得補正データを取得している(例えば特許文献1参照)。また、送信期間を利用して送信回路の送信パラメータの取得を行い、レーダ方程式の補正を行うものもある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭64−610105号公報
【特許文献2】特許第45210670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、受信回路とは別に補正信号用の周波数変換器、局部発振器やバンドパスフィルタが必要となるため回路規模が大きくなるという課題があった。また、特許文献2に開示される技術では、送信パラメータの取得のみ行っているため、受信回路の利得補正はできないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回路規模を小さくした場合であっても送信回路と受信回路を合わせて利得補正することができるレーダシステム、送受信装置および信号処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るレーダシステムは、送信信号を生成・送信し、当該送信信号に対する受信信号を受信・処理する送受信装置と、送受信装置により処理された受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置とを備え、送受信装置は、送信信号を生成する送信回路と、送信回路により生成された送信信号から補正信号を生成する補正信号生成部と、受信した受信信号または補正信号生成部により生成された補正信号のいずれか一方の信号を出力する出力切替部と、出力切替部により出力された信号を処理する受信回路とを備え、信号処理装置は、受信回路により処理された補正信号のレベルと基準レベルとの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部と、補正データ算出部により算出された補正データを元に、受信回路により処理された受信信号の利得補正を行う利得補正部と、出力切替部に補正信号を出力させる切替制御部と、送信信号を生成する期間を送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を切替制御部に指示するタイミング信号発生部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、上記のように構成したので、受信信号と補正信号の分離を時間軸上で行うことで、周波数で分離していた従来技術に比べて、周波数変換器、局部発振器やバンドパスフィルタが不要となり、回路規模を小さくすることができる。また、補正データの取得は送受信装置の運用中の送信期間に行うため、運用の妨げにならず、補正データ取得による受信期間のデットタイムをなくすことができる。また、運用中の温度変化などにリアルタイムに対応することができる。さらに、補正信号は送信回路と受信回路を通るため、送信回路と受信回路を合わせて利得補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るレーダシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるプロセッサの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るレーダシステムの補正データ取得のタイミングを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るレーダシステムの利得補正動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係るレーダシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーダシステムの構成を示すブロック図である。
レーダシステムは、図1に示すように、電波(送信信号、送信信号に対する受信信号)を送受信する空中線(アンテナ)1と、空中線1への送信信号を生成する送信回路4、および空中線1からの受信信号を処理する受信回路5を有する送受信装置2と、送受信装置2の受信回路5により処理された受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置3とから構成されている。
【0011】
送受信装置2は、パルス変調部6、周波数変換部7、SSPA(Solid State Power Amplifier:固体増幅器)8、カップラ(補正信号生成部)9、サーキュレータ10、TRリミッタ11、スイッチ(SW、出力切替部)12、LNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器)13、周波数変換部14およびA/D変換部15から構成されている。
なお、パルス変調部6、周波数変換部7およびSSPA8から送信回路4が構成され、LNA13、周波数変換部14およびA/D変換部15から受信回路5が構成されている。
【0012】
パルス変調部6は、信号処理装置3の後述するタイミング信号発生部18からのタイミング信号に応じて、送信信号を生成するものである。このパルス変調部6により生成された送信信号は周波数変換部7に出力される。
【0013】
周波数変換部7は、パルス変調部6からの送信信号を無線周波数帯(RF帯)に変換するものである。この周波数変換部7により変換された送信信号はSSPA8に出力される。
SSPA8は、周波数変換部7からの送信信号を増幅するものである。このSSPA8により増幅された送信信号はカップラ9に出力される。
【0014】
カップラ9は、SSPA8からの送信信号を分岐して補正信号を生成するものである。このカップラ9により分岐された一方の信号(送信信号)はサーキュレータ10に出力され、他方の信号(補正信号)はスイッチ12に出力される。
【0015】
サーキュレータ10は、信号の出力方向を制御するものである。このサーキュレータ10は、カップラ9からの送信信号を空中線1に出力し、空中線1からの受信信号をTRリミッタ11に出力する。
TRリミッタ11は、サーキュレータ10からの受信信号に対してレベル制限を行い、受信回路5に大電力が入力されることを防ぐものである。このTRリミッタ11によりレベル制限が行われた受信信号はスイッチ12に出力される。
【0016】
スイッチ12は、信号処理装置3の後述するスイッチ制御部19からの切替信号に応じて、カップラ9とLNA13間の信号線またはTRリミッタ11とLNA13間の信号線の接続を切替えるものである。このスイッチ12によりTRリミッタ11からの受信信号またはカップラ9からの補正信号のいずれか一方の信号が受信回路5(LNA13)に出力される。
【0017】
LNA13は、スイッチ12を介して出力された信号(受信信号または補正信号)を増幅させるものである。このLNA13により増幅された信号は周波数変換部14に出力される。
周波数変換部14は、LNA13からの信号をベースバンド信号に変換するものである。この周波数変換部14により変換された信号はA/D変換部15に出力される。
A/D変換部15は、周波数変換部14からの信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものである。このA/D変換部15により変換された信号は信号処理装置3に出力される。
【0018】
信号処理装置3は、メモリ16、プロセッサ17、タイミング信号発生部18およびスイッチ制御部(SW制御部、切替制御部)19から構成されている。
【0019】
メモリ16は、各種データを格納するものである。このメモリ16は、受信回路5からの補正信号のレベルを格納する。また、メモリ16は、予め、常温時などの所定条件において受信回路5で処理された信号のレベル(基準レベル)を格納している。さらに、メモリ16は、送受信装置2での送受信期間タイミングおよび補正データ取得タイミング(スイッチ12を介して補正信号を受信回路5に挿入するタイミング)を格納する。
【0020】
プロセッサ17は、タイミング信号発生部18の制御、送受信装置2の受信信号に対する補正データの算出・利得補正を行うものである。このプロセッサ17は、図2に示すように、タイミング指示部171、補正データ算出部172および利得補正部173から構成される。
【0021】
タイミング指示部171は、メモリ16に格納されている送受信期間タイミングに従い、タイミング信号発生部18に対して、送信回路4に信号を出力するタイミングを指示するものである。また、タイミング指示部171は、メモリ16に格納されている補正データ取得タイミングに従い、タイミング信号発生部18に対して、スイッチ制御部19に信号を出力するタイミングを指示する。
【0022】
補正データ算出部172は、メモリ16に格納されている補正信号のレベルと基準レベルとを比較して差分を取り、補正データを算出するものである。
利得補正部173は、補正データ算出部172により算出された補正データを元に、受信回路5により処理された受信信号に対して利得補正を行うものである。
【0023】
タイミング信号発生部18は、タイミング指示部171により指示されたタイミングで、送信期間の開始・終了を示すタイミング信号をパルス変調部6に出力するものである。また、タイミング信号発生部18は、タイミング指示部171により指示されたタイミングで、補正データの取得(補正信号の受信回路5への挿入)を示すタイミング信号をスイッチ制御部19に出力する。
【0024】
スイッチ制御部19は、タイミング信号発生部18からのタイミング信号に応じて、スイッチ12に対して、カップラ9とLNA13間の信号線の接続に切替える(補正信号を出力させる)ことを指示する切替信号を出力するものである。
【0025】
次に、上記のように構成されたレーダシステムにおいて、補正データを取得するタイミングについて説明する。
図3はこの発明の実施の形態1に係るレーダシステムの補正データ取得タイミングを示す図である。
送受信装置2では、図3(a),(c)に示すようなタイミング(送信期間、受信期間)で送信信号の送信・受信信号の受信を行っている。そして、タイミング信号発生部18は、図3(d)に示すように、送信期間中の任意のタイミングで、スイッチ制御部19を介してスイッチ12の接続を切替え、補正信号を受信回路5に挿入させている。このように、補正信号は送信期間中に受信回路5に挿入させ、受信信号は受信期間中に受信回路5に挿入させることで、補正信号と受信信号を時間軸で分離させることができる。
なお、この補正信号を用いて算出された補正データは、図3(e)に示すように、次の受信期間での受信信号に対して反映される。
【0026】
次に、上記のように構成されたレーダシステムの利得補正動作について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1に係るレーダシステムの利得補正動作を示すフローチャートである。なお、送受信装置2が受信期間の場合には、スイッチ12は、TRリミッタ11とLNA13間の信号線の接続を行い、TRリミッタ11からの受信信号が受信回路5に挿入されている。
レーダシステムの利得補正動作では、図4に示すように、まず、タイミング指示部171は、メモリ16内の送受信期間タイミングに従い、タイミング信号発生部18に信号出力タイミングを指示し、タイミング信号発生部18は、このタイミングで、送信期間の開始・終了を示すタイミング信号を送信回路4(パルス変調部6)に出力する(ステップST41)。
【0027】
次いで、パルス変調部6は、タイミング信号発生部18からのタイミング信号に応じて、送信信号を生成する(ステップST42)。その後、送信信号は、周波数変換部7およびSSPA8を介してカップラ9に出力される。
【0028】
次いで、カップラ9は、SSPA8からの送信信号を分岐して補正信号を生成する(ステップST43)。このカップラ9により分岐された一方の信号は送信信号としてサーキュレータ10に出力され、他方の信号は補正信号としてスイッチ12に出力される。その後、サーキュレータ10に出力された送信信号は空中線1により外部に送信される。これによって、送信期間に送信信号の生成・送信を行うことができる。
【0029】
一方、タイミング指示部171は、メモリ16内の補正データ取得タイミングに従い、タイミング信号発生部18に信号出力タイミングを指示し、タイミング信号発生部18は、このタイミングで、補正データの取得開始を示すタイミング信号をスイッチ制御部19に出力する(ステップST44)。
【0030】
次いで、スイッチ制御部19は、タイミング信号発生部18からのタイミング信号に応じて、スイッチ12にカップラ9とLNA13間の信号線の接続に切替えさせる切替信号を出力する(ステップST45)。
【0031】
次いで、スイッチ12は、スイッチ制御部19からの切替信号に応じて接続を切替えて、カップラ9からの補正信号を受信回路5(LNA13)に出力する(ステップST46)。その後、補正信号は、LNA13、周波数変換部14およびA/D変換部15を介して処理され、メモリ16に格納される。なお、受信回路5から出力された補正信号には、温度特性などの本来の測定対象物に起因しない送信回路4と受信回路5のレベル変動が含まれている。
【0032】
次いで、補正データ算出部172は、メモリ16内の補正信号のレベルと基準レベルとを比較して差分を取り、補正データを算出する(ステップST47)。
一方、スイッチ12は、補正信号の受信回路5への出力が終了した後、TRリミッタ11とLNA13間の信号線の接続に再び切替わる。その後、送信期間から受信期間に変わると、空中線1により外部から受信信号が受信され、サーキュレータ10およびスイッチ12を介して受信回路5に挿入・処理される。そして、受信回路5で処理された受信信号は信号処理装置3に出力される。
【0033】
次いで、利得補正部173は、補正データ算出部172により算出された補正データを元に、受信回路5により処理された受信信号に対して利得補正を行う(ステップST48)。このように、補正データを元にプロセッサ17で受信信号の利得補正を行うことによって、送信回路4と受信回路5の温度特性などの測定対象物に起因しないレベル変動を取り除くことができ、測定対象物のレベルを正確に測定することができる。
【0034】
なお、補正データは、送信回路4と受信回路5の温度特性などにより送信毎に変化する。そのため、送信期間ごとに補正データの算出を行い、この補正データを次の受信信号に反映することで、送信毎に利得補正を行うことができる。
【0035】
以上のように、この実施の形態1によれば、スイッチ12を切替えて、受信信号は受信期間に受信回路5に挿入し、補正信号は送信期間に受信回路5に挿入するように構成したので、受信信号と補正信号の分離を時間軸上で行うことができ、周波数で分離していた従来技術に比べて、周波数変換器、局部発振器やバンドパスフィルタが不要となり、回路規模を小さくすることができる。また、補正データ取得は運用中の送信期間に行うため、運用の妨げにならず、補正データ取得による受信期間のデットタイムをなくすことができる。また、運用中の温度変化などにリアルタイムに対応することができる。さらに、補正信号はカップラ9によって送信信号を分岐させて生成するように構成したので、補正信号は送信回路4と受信回路5を通ることになり、送信回路4と受信回路5を合わせて利得補正することができる。
【0036】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係るレーダシステム(2重偏波レーダシステム)の構成を示すブロック図である。
図5に示す実施の形態2に係るレーダシステムは、図1に示す実施の形態1に係るレーダシステムに、SSPA8b、カップラ9b、サーキュレータ10b、TRリミッタ11b、スイッチ12b、LNA13b、周波数変換部14bおよびA/D変換部15bを追加し、2系統の送受信装置2に構成したものである。追加された各機能部の動作は図1に示す実施の形態1に係るレーダシステムの各機能部の動作と同様であり、その説明を省略する。
【0037】
なお、補正データ算出部172は、2系統の受信回路5により処理された補正信号(A/D変換部15,15bからそれぞれ出力された補正信号)のレベルの差分を取り、補正データを算出する。
また、利得補正部173は、補正データ算出部172により算出された補正データを元に、2系統の受信回路5により処理された受信信号(A/D変換部15,15bからそれぞれ出力された受信信号)の利得補正を行う。
【0038】
例えば2重偏波レーダ雨量計などのような2重偏波レーダシステムを用いる場合、2系統間の送受信回路の利得差をなくすことが重要となる。
そこで、実施の形態1に示した方法を用いて2系統の補正信号のレベルをメモリ16に格納し、プロセッサ17で2系統間の補正信号のレベル差から補正データを算出する。そして、2系統の受信信号に対して算出した補正データを反映する。これにより、2系統間の利得差をなくし、本来の測定対象物の2系統のレベル差を測定することができる。なお、補正データ取得・反映タイミングは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0039】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 空中線(アンテナ)、2 送受信装置、3 信号処理装置、4 送信回路、5 受信回路、6 パルス変調部、7 周波数変換部、8,8b SSPA、9,9b カップラ(補正信号生成部)、10,10b サーキュレータ、11,11b TRリミッタ、12,12b スイッチ(出力切替部)、13,13b LNA、14,14b 周波数変換部、15,15b A/D変換部、16 メモリ、17 プロセッサ、110 タイミング信号発生部、111 スイッチ制御部(切替制御部)、171 タイミング指示部、172 補正データ算出部、173 利得補正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を生成・送信し、当該送信信号に対する受信信号を受信・処理する送受信装置と、前記送受信装置により処理された受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置とを備えたレーダシステムにおいて、
前記送受信装置は、
前記送信信号を生成する送信回路と、
前記送信回路により生成された送信信号から補正信号を生成する補正信号生成部と、
前記受信した受信信号または前記補正信号生成部により生成された補正信号のいずれか一方の信号を出力する出力切替部と、
前記出力切替部により出力された信号を処理する受信回路とを備え、
前記信号処理装置は、
前記受信回路により処理された補正信号のレベルと基準レベルとの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部と、
前記補正データ算出部により算出された補正データを元に、前記受信回路により処理された受信信号の利得補正を行う利得補正部と、
前記出力切替部に補正信号を出力させる切替制御部と、
前記送信信号を生成する期間を前記送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を前記切替制御部に指示するタイミング信号発生部とを備えた
ことを特徴とするレーダシステム。
【請求項2】
2系統の送信信号を生成・送信し、当該各送信信号に対する各受信信号を受信・処理する送受信装置と、前記送受信装置により処理された各受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置とを備えたレーダシステムにおいて、
前記送受信装置は、
前記2系統の送信信号を生成する送信回路と、
前記送信回路により生成された各送信信号から各補正信号を生成する補正信号生成部と、
前記受信した各受信信号または前記補正信号生成部により生成された各補正信号のいずれか一方の信号を出力する出力切替部と、
前記出力切替部により出力された各信号を処理する受信回路とを備え、
前記信号処理装置は、
前記受信回路により処理された各補正信号のレベルの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部と、
前記補正データ算出部により算出された補正データを元に、前記受信回路により処理された各受信信号の利得補正を行う利得補正部と、
前記出力切替部に各補正信号を出力させる切替制御部と、
前記2系統の送信信号を生成する期間を前記送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を前記切替制御部に指示するタイミング信号発生部とを備えた
ことを特徴とするレーダシステム。
【請求項3】
送信信号を生成・送信し、当該送信信号に対する受信信号を受信・処理する送受信装置において、
前記送信信号を生成する期間を指示する外部信号に従い、前記送信信号を生成する送信回路と、
前記送信回路により生成された送信信号から補正信号を生成する補正信号生成部と、
前記受信した受信信号または前記補正信号生成部により生成された補正信号のいずれか一方の信号を出力する出力切替部と、
前記出力切替部により出力された信号を処理する受信回路とを備え、
前記出力切替部は、前記送信信号を生成する期間内の所定のタイミングで送信された外部信号に従い、補正信号を出力する
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項4】
送信信号を生成・送信し、当該送信信号に対する受信信号を受信・処理する送受信装置により処理された受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置において、
前記送受信装置の送信回路により生成された送信信号から生成され、当該送受信装置の受信回路により処理された補正信号のレベルと、基準レベルとの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部と、
前記補正データ算出部により算出された補正データを元に、前記受信回路により処理された受信信号の利得補正を行う利得補正部と、
前記送受信装置に補正信号を受信回路に出力させる切替制御部と、
前記送信信号を生成する期間を前記送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を前記切替制御部に指示するタイミング信号発生部とを備えた
ことを特徴とする信号処理装置。
【請求項5】
2系統の送信信号を生成・送信し、当該各送信信号に対する各受信信号を受信・処理する送受信装置により処理された各受信信号に対する補正データを算出し、利得補正を行う信号処理装置において、
前記送受信装置の送信回路により生成された各送信信号から生成され、当該送受信装置の受信回路により処理された各補正信号のレベルの差分を取り、補正データを算出する補正データ算出部と、
前記補正データ算出部により算出された補正データを元に、前記受信回路により処理された各受信信号の利得補正を行う利得補正部と、
前記送受信装置に各補正信号を受信回路に出力させる切替制御部と、
前記送信信号を生成する期間を前記送信回路に指示し、当該期間内の所定のタイミングでの動作を前記切替制御部に指示するタイミング信号発生部とを備えた
ことを特徴とする信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−172979(P2012−172979A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31879(P2011−31879)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】