説明

レールおよびレール交換方法

【課題】溶接時間を短縮し、レール交換を容易とするとともに、通過する列車の左右動揺の抑制を可能とするレールおよびレール交換方法を提供する。
【解決手段】一方の端部を60kgレールの形状を有する60kgレール部5とし、他方の端部を、頭部側面の少なくとも一方が50kgNレールの頭部側面と同等の形状を有するとともに、60kgレール部5と同等の高さを有する50kgNレール形状部3とし、その間に、一端の断面形状を60kgレール部5の断面形状とし、他端の断面形状を50kgNレール形状部3の断面形状とし、その間の断面形状が、長手方向に等価踏面勾配が連続的に変化するように形成された形状変化レール部7を設けたレール1を、既存の60kgレールのロングレールの交換に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレール、およびレールの交換方法に関する。より詳しくは、既存の60kgレールと交換されて用いられるレールおよびそのレール交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道レールは、レール上を走行する列車等の通過により摩耗する。そのため、レールの摩耗や、レールの通過トン数が許容限度を超える前に、計画的にレールの交換が行われる。
【0003】
ロングレールの交換を行う際には、旧レールと新レールを溶接し、レールの頭頂面および頭部側面の凹凸仕上げ基準内に収めるようにグラインダで研磨して形状を整え、浸透探傷や超音波探傷で溶接部の傷の有無を確認している。特許文献1には、既設レールを交換するレールの交換方法の一例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−232676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のレール交換においては、施工開始から施工終了までの時間は、多大な時間が必要である。レール交換は列車の非走行時に行う必要があることを考えると、作業時間の更なる低減が望まれる。例えば、特許文献1の方法では、交換が必要になった既設レールを取り外した後、残った既設レールの摩耗量を測定し、これに基づき予め工場で切削加工した中継レールを交換に用いるが、摩耗量の測定やこれに基づく切削加工に時間がかかる。
【0006】
また、レールの溶接箇所が、凹凸仕上げ基準内に収まっているにも係わらず、レールを交換した区間を走行する列車に左右動揺が発生する場合がある。図8は、レール交換区間で発生する列車の左右の揺れを示すもので、縦軸が左右振動加速度の振幅(m/s)、横軸が距離(km)である。図8(a)は、レール交換直後のグラフ、図8(b)はレール交換後約30日経過後のグラフである。図8(a)より、レール交換直後に、グラフに示すレール交換区間の列車進入部分(図中丸囲み部)で左右振動加速度が大きく変化し、左右動揺が発生していることが分かる。この動揺は、図8(b)のグラフのように、時間の経過とともに列車の通行により収束するが、レール交換区間で発生する左右動揺の振幅が大きい場合には、改めてレールの研磨等を実施する必要が生じる。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたもので、溶接時間を短縮し、レール交換を容易とするとともに、通過する列車の左右動揺の抑制を可能とするレールおよびレール交換方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達するための第1の発明は、既存の60kgレールの交換に用いられるレールであって、一方の端部を60kgレールの形状を有する所定の長さの60kgレール部とし、他方の端部を、頭部の少なくとも一方の側部が50kgNレールの頭部の側部と同等の形状を有するとともに、前記60kgレール部と同等の高さを有する所定の長さの50kgNレール形状部とし、その間に、断面形状が、前記60kgレール部側の前記60kgレール部の断面形状から、前記50kgNレール形状部側の前記50kgNレール形状部の断面形状へと、長手方向に連続的に変化するように形成された形状変化レール部を設けたことを特徴とするレールである。
【0009】
上記の構成による交換用のレールを用いることにより、レールの交換の際、レール交換区間の列車進入側で、交換用のレールの端面の形状と、交換時に当該レールに接続されるレールの端面の形状とを略同様とできるので、溶接が容易になり精度が向上し、溶接後のレール研磨量なども小さく短時間で行うことができ、溶接箇所の形状変化も抑えることができる。これにより、通過する列車の左右動揺も抑えることができる。また、交換用のレールは予め製造し保管等しておいたものを用いることができ、レール交換箇所に合わせて摩耗量を測定したり新たに交換用のレールを製作する必要もなく、短時間で交換が可能でありコストもかからない。また、交換用のレールの品質管理等も容易になる。さらに、交換用のレールの端部である60kgレール部と50kgNレール形状部は、それぞれ所定の長さを有するので、レール交換区間の長さに合わせて、レールの端部を切断し微調整して用いることができ、レールの交換も容易である。
【0010】
前記形状変化レール部の断面形状が、長手方向に、前記50kgNレール形状部の断面形状から前記60kgレール部の断面形状へと等価踏面勾配が連続的に変化するように形成されることが望ましい。これにより、形状変化レール部において、列車の左右動揺に影響する等価踏面勾配の急峻な変化がなくなるので、レール交換区間を通過する列車の左右動揺を確実に抑えることができる。
【0011】
前述した目的を達するための第2の発明は、既存の60kgレールのレール交換方法であって、既存の60kgレールをレール交換区間において撤去し、一方の端部を60kgレールの形状を有する所定の長さの60kgレール部とし、他方の端部を、頭部の少なくとも一方の側部が50kgNレールの頭部の側部と同等の形状を有するとともに、前記60kgレール部と同等の高さを有する所定の長さの50kgNレール形状部とし、その間に、断面形状が、前記60kgレール部側の前記60kgレール部の断面形状から、前記50kgNレール形状部側の前記50kgNレール形状部の断面形状へと、長手方向に連続的に変化するように形成された形状変化レール部を設けたレールを用いて、前記レール交換区間にて、前記レールの50kgNレール形状部側の端部を残った一方の既存のレールの端部に接続するとともに、前記レールの60kgレール部側の端部を、レール交換区間に別に配置されるレールの、60kgレールと略同様の断面を有する端部、または残った他方の既存のレールの端部に接続することを特徴とするレール交換方法である。
【0012】
上記構成により、レールの交換の際、レール交換区間の列車進入側で、交換用のレールの端面の形状と、交換時に当該レールに接続されるレールの端面の形状とを略同様とできるので、溶接が容易になり精度が向上し、溶接後のレール研磨量なども小さく短時間で行うことができ、溶接箇所の形状変化も抑えることができる。これにより、通過する列車の左右動揺も抑えることができる。また、交換用のレールは予め製造し保管等しておいたものを用いることができ、レール交換箇所に合わせて摩耗量を測定したり新たに交換用のレールを製作する必要もなく、短時間で交換が可能でありコストもかからない。また、交換用のレールの品質管理等も容易になる。
【0013】
また、前記形状変化レール部の断面形状が、長手方向に、前記50kgNレール形状部の断面形状から前記60kgレール部の断面形状へと等価踏面勾配が連続的に変化するように形成されることが望ましい。これにより、形状変化レール部において、列車の左右動揺に影響する等価踏面勾配の急峻な変化がなくなるので、レール交換区間を通過する列車の左右動揺を確実に抑えることができる。
さらに、前記レールの接続の際、前記レールの端部、または前記既存のレールの端部、、あるいはレール交換区間に別に配置されるレールの端部を切断することなどが可能である。これにより、様々な長さのレール交換区間に対して、交換用のレールの端部等を切断するなどして長さを微調整し、レールの交換を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、溶接時間を短縮し、レール交換を容易とするとともに、通過する列車の左右動揺の抑制を可能とするレールおよびレール交換方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】等価踏面勾配と列車の左右動揺との関係について示す図
【図2】60kgレールの交換前形状について示す図
【図3】レール1の例を示す図
【図4】レール1の断面について示す図
【図5】形状変化レール部7の断面形状の変化について示す図
【図6】レール1を用いたレール交換方法について示す図
【図7】レール1の配置の例について示す図
【図8】左右動揺の発生状況について示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面を参照しながら、本発明のレール等の実施形態について説明する。本実施形態のレールは、既存の60kgレールのロングレール交換時に使用されるものである。
【0017】
本発明者らは、本発明のレールを考え出すにあたって、まず、60kgレールのロングレールによる軌道でレールを交換した区間における動揺の発生状況に関する検討を行い、図8(a)に示す、列車進入部分でのレール交換直後の左右動揺の発生は、レール交換区間でのレールの等価踏面勾配の変化状況が一つの要因であるという知見を得た。
図1はこれを示す図であり、横軸は溶接中心から見た、列車進行方向を正とするレール長手方向の距離(m)であり、縦軸は等価踏面勾配の値(rad)を示す。図1に示すように、左右動揺が発生する場合では、−0.5m〜0.5mの間で、等価踏面勾配が急峻に変化しており、逆に等価踏面勾配が連続的に滑らかに変化する場合では左右動揺の発生がない。
【0018】
さらに、本発明者らの検討によれば、60kgレールにおいて、経年レールの形状は、頭部の車輪接触側(ゲージコーナー側)の側部において、50kgNレールの形状に近いものとなる。図2はこれを示す図で、横軸がレールの左右方向の位置(mm)、縦軸が曲率半径(mm)であり、60kgレールの設計形状、経年レールの交換前形状、50kgNレールの設計形状について、頭部の断面形状を示したものである。図2では右側がゲージコーナー側である。図2より、60kgレールの頭部の経年変化による形状は、特にゲージコーナー側の側部で50kgNレールの形状に近づくことが分かる。
【0019】
以下説明する、本発明のレールの実施形態は、以上のような知見に基づくもので、溶接時間を短縮し、レール交換を容易とするとともに、通過する列車の左右動揺の抑制を可能とするものである。
【0020】
図3は本実施形態のレール1を示す図であり、図3(a)はレール1を上から見た図、図3(b)はレール1を側方から見た図、図3(c)はレール1がレール交換区間に配置された状態を上から見た図である。なお、図3(c)において、列車進行方向は左から右へと向かう方向である。
また、図4はレール1の鉛直方向の断面を示す図であり、図4(a)は図3(a)の線a−aにおける断面、図4(b)は図3(a)の線b−bにおける断面、図4(c)は図3(a)の線c−cにおける断面を示す。
【0021】
図3(a)、(b)に示すように、レール1は、長手方向の一端に所定の長さを有する50kgNレール形状部3を、他端に所定の長さを有する60kgレール部5を有し、50kgNレール形状部3と60kgレール部5の間に形状変化レール部7が設けられる。各部の長さについては、例えば、50kgNレール形状部3は2m程度、形状変化レール部7は5m程度、60kgレール部5は3mよりやや長い程度とできるが、これに限ることはない。また、レール1は、圧延した鋼材の切削加工などにより一体として製作できるが、製造方法についても、これに限られることはない。
【0022】
図3(c)に示すように、レール1は、60kgレールのロングレールにおいて交換が必要になった既存レールを含む区間を撤去したレール交換区間15において、新レール17とあわせて交換に用いることができる。
ここで、レール交換区間15の両側の、残った一方の既存レール11と他方の既存レール13はそれ程摩耗しておらず、頭部のゲージコーナー側は50kgNレール断面形状に近い形状を有するものとする。また、新レール17は60kgレールである。
レール1は、既存レール11と、既存レール13に接続する新レール17との間に配置される。レール1の50kgNレール形状部3側の端部は既存レール11に接続され、60kgレール部5側の端部は新レール17に接続される。レールの接続は溶接により行われる。
【0023】
50kgNレール形状部3の高さは60kgレール部5と同等とする。加えて、図4(a)に示す50kgNレール形状部3の頭部3aは、ゲージコーナーに相当する側を含めた両側部において、50kgNレールの頭部の側部と同等の形状を有する。50kgNレールの形状については、JISにより規定されている。
なお、50kgNレール形状部3の頭部3aは、少なくとも一方の側部で、50kgNレールと同等の形状を有していればよいが、本実施形態のように両側部で50kgNレールと同等の形状を有していれば、軌道において2本平行して配置されるレールのどちらとしても、レール1を用いることができ、配置間違いなどに影響されることがない。
【0024】
60kgレール部5について、図4(c)に示す、頭部5aを含むその断面は、高さ、形状ともに60kgレールと同等である。60kgレールの形状については、JISにより規定されている。
【0025】
形状変化レール部7は、一端が50kgNレール形状部3の断面形状に等しく、他端が60kgレール部5の断面形状に等しい。形状変化レール部7は、50kgNレール形状部3と60kgレール部5を、断面形状が連続的に滑らかに変化するようにつなぐ部分である。
【0026】
形状変化レール部7における、50kgNレール形状部3の断面形状から60kgレール部5への断面形状の変化を示すグラフが図5である。図5(a)は、形状変化レール部7の左右方向の位置(mm)を横軸、頭頂部を基準とする上下方向の位置(mm)を縦軸として、形状変化レール部7の長手方向の各位置における頭部の断面形状を示すものである。図5(b)は、横軸を形状変化レール部7の長手方向の位置、縦軸を等価踏面勾配(rad)として、形状変化レール部7の長手方向の各位置における等価踏面勾配を示すものである。図5(a)、(b)において、長手方向の位置は、形状変化レール部7の50kgNレール形状部3側の端部を0%とし、60kgレール部5側の端部を100%として、その間の位置を100分率で表したものである。また、図5(b)では、新規車輪および、5、10、30、45、60万キロ走行した車輪に対する等価踏面勾配をそれぞれ算出している。
【0027】
図5(a)および図5(b)に示すように、形状変化レール部7の断面形状は、50kgNレール形状部3側から60kgレール部5側に向かうにつれ、50kgNレール形状部3の断面形状から60kgレール部5の断面形状へと、等価踏面勾配が連続的に滑らかに変化する形状を有する。形状変化レール部7の長手方向の中央部の断面形状を示したものが、図4(b)である。
【0028】
次に、図6を参照しながら、本実施形態のレール1を用いたレール交換方法により、図3(c)に示すようにレール交換区間にレール1を配置する手順について説明する。
【0029】
交換が必要になったレールは、図6(a)に示すように、既存レール11、13の間の区間(レール交換区間15)を切断して撤去する。
【0030】
次に、図6(b)に示すように、交換用のレール1と新レール17を予め溶接し接続する。
続いて、図6(c)に示すように、既存レール11と既存レール13の間の距離と、予め接続した交換用のレール1と新レール17の長さとの差に応じて、新レール17の端部を切断して長さを微調整し、既存レール11と既存レール13の間に予め接続した交換用のレール1と新レール17を配置する。なお、この際、上記差に応じて、レール1の50kgNレール形状部3側の端部を切断してもよい。あるいは、既存レール11もしくは既存レール13の端部を切断してもよい。
【0031】
次いで、交換用のレール1の50kgNレール形状部3の端部と既存レール11、新レール17の端部と既存レール13の端部をそれぞれ溶接により接続し、図6(d)に示すように、レールの交換が完了する。なお、レールの接続順はこれに限らず、現地の状況や作業工程などに応じて接続してもよい。また、溶接箇所はグラインダにより滑らかに研磨する。
【0032】
図6はレール1と新レール17を交換に用いた例であるが、例えば既存レール11と既存レール13の間のレール交換区間15が短ければ、図7(a)に示すように、レール1の両端部を既存レール11、13の端部と直接接続することもできる。
あるいは、図7(b)に示すように、例えば60kgレール部5をより長くすれば、レール交換区間15が長い場合であっても、前述の新レール17の接続を省略して、レール1の両端部を直接既存レール11、13に接続することができる。
さらに、図7(c)に示すように、2本のレール1を用いてレールの交換を行うこともできる。この場合は、既存レール11の端部に一方のレール1の50kgNレール形状部3側の端部を接続するとともに、既存レール13の端部に他方のレール1の50kgNレール形状部3側の端部を接続し、2本のレール1同士は60kgレール部5側の端部同士で接続すればよい。この際、レール交換区間15の長さに応じて、レール1同士の接続は、60kgレールの新レール17を介して行ってもよい。即ち、図7(d)に示すように、2本のレール1の間に配置した新レール17の両端部に、2本のレール1の60kgレール部5側の端部をそれぞれ接続する。レールの接続順は適宜定めることができる。
これらの場合も、上記と同様、交換用のレール1を配置すべき長さに応じて、レール1の50kgNレール形状部3側や60kgレール部5側の端部、または既存レール11、13の端部などを切断することができる。なお、図7の各図において、列車進行方向は左から右へと向かう方向である。
【0033】
本実施形態のレール1では、以上のような手順にてレール1を用いた交換を行うことにより、レール交換区間における列車進入側で、レール1の端部と、当該端部に接続されるレールの形状が(特にゲージコーナー側において)略同様になる。例えば、図3(c)の例では60kgレールと略同様の形状を有するレールの端部(新レール17)と60kgレール部5側の端部とが接続され、経年して頭部のゲージコーナー側の側部が50kgNレールと同様の形状となったレールの端部(既存レール11)と、50kgNレール形状部3側の端部が接続される。従って、溶接が容易になり精度が向上し、溶接後のレール研磨量なども小さく短時間で行うことができ、溶接箇所の形状変化も抑えることができる。これにより、通過する列車の左右動揺も抑えることができる。また、交換用のレールは予め製造し保管等しておいたものを用いることができ、レール交換箇所に合わせて摩耗量を測定したり新たに交換用のレールを製作する必要もなく、短時間で交換が可能でありコストもかからない。また、交換用のレールの品質管理等も容易になる。さらに、交換用のレールの端部である60kgレール部5と50kgNレール形状部3は、それぞれ所定の長さを有するので、レール交換区間の長さに合わせて、レールの端部を切断して長さを微調整して用いることができ、レールの交換も容易である。
【0034】
また、形状変化レール部7の断面形状は、長手方向に、50kgNレール形状部3の断面形状から60kgレール部5の断面形状へと等価踏面勾配が連続的に滑らかに変化するように形成されるので、形状変化レール部7において、列車の左右動揺に影響する等価踏面勾配の急峻な変化がなくなり、レール交換区間を通過する列車の左右動揺を確実に抑えることができる。
【0035】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るレール等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0036】
1………レール
3………50kgNレール形状部
5………60kgレール部
7………形状変化レール部
11、13………既存レール
15………レール交換区間
17………新レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の60kgレールの交換に用いられるレールであって、一方の端部を60kgレールの形状を有する所定の長さの60kgレール部とし、他方の端部を、頭部の少なくとも一方の側部が50kgNレールの頭部の側部と同等の形状を有するとともに、前記60kgレール部と同等の高さを有する所定の長さの50kgNレール形状部とし、その間に、断面形状が、前記60kgレール部側の前記60kgレール部の断面形状から、前記50kgNレール形状部側の前記50kgNレール形状部の断面形状へと、長手方向に連続的に変化するように形成された形状変化レール部を設けたことを特徴とするレール。
【請求項2】
前記形状変化レール部の断面形状が、長手方向に、前記50kgNレール形状部の断面形状から前記60kgレール部の断面形状へと等価踏面勾配が連続的に変化するように形成されることを特徴とする請求項1記載のレール。
【請求項3】
既存の60kgレールのレール交換方法であって、
既存の60kgレールをレール交換区間において撤去し、
一方の端部を60kgレールの形状を有する所定の長さの60kgレール部とし、他方の端部を、頭部の少なくとも一方の側部が50kgNレールの頭部の側部と同等の形状を有するとともに、前記60kgレール部と同等の高さを有する所定の長さの50kgNレール形状部とし、その間に、断面形状が、前記60kgレール部側の前記60kgレール部の断面形状から、前記50kgNレール形状部側の前記50kgNレール形状部の断面形状へと、長手方向に連続的に変化するように形成された形状変化レール部を設けたレールを用いて、前記レール交換区間にて、前記レールの50kgNレール形状部側の端部を残った一方の既存のレールの端部に接続するとともに、前記レールの60kgレール部側の端部を、レール交換区間に別に配置されるレールの、60kgレールと略同様の断面を有する端部、または残った他方の既存のレールの端部に接続することを特徴とするレール交換方法。
【請求項4】
前記形状変化レール部の断面形状が、長手方向に、前記50kgNレール形状部の断面形状から前記60kgレール部の断面形状へと等価踏面勾配が連続的に変化するように形成されることを特徴とする請求項3記載のレール交換方法。
【請求項5】
前記レールの接続の際、前記レールの端部、または前記既存のレールの端部、あるいはレール交換区間に別に配置されるレールの端部を切断することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレール交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−251298(P2012−251298A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122266(P2011−122266)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【Fターム(参考)】