説明

レール底部把持式部材支持構造、軌道舗装構造、列車逸脱防止型軌道構造、レール底部を利用する部材支持方法、軌道近傍の舗装方法、及び列車逸脱防止方法

【課題】レール締結装置を利用して支持用金具を固定する方式ではない新規な方式により支持されるゴムシュートを有する軌道舗装構造等を提供する。
【解決手段】床板部材2と、レール底部押さえ部材3と、床板吊り上げ金具4と、T型ボルト5と、T型ボルト用ナット6と、竹の子状バネ7を備えて構成されるレール底部把持式部材支持構造1を具備するようにしたものである。このため、軌道のレール底部303に取り付けられてレール底部303を把持(グリップ)し、他の部材(被支持部材296等)を支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール底部を利用して他の部材を取付可能な支持構造となり得るレール底部把持式部材支持構造、軌道の近傍に舗装部材が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造と軌道近傍の舗装方法、及び列車逸脱防止型軌道構造と列車逸脱防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道線路と道路が平面交差する踏切道においては、歩行者や自動車等の交通の用に供するため、舗装を行っていた。例としては、図示はしていないが、木材又は石材等からなる敷材を2本のレール(軌条)の内側及び外側に敷設する踏切道が挙げられる。この敷材舗装の場合には、2本のレールの内側と敷材との間にガードレールが敷設されており、このガードレールにより、鉄道車両の車輪のフランジが支障無く通過できるために確保すべき空間である「フランジウェイ」が形成されていた。
【0003】
また、近年、道路幅員が大きく道路交通量の多い踏切道等においては、踏切箇所のまくらぎを取り外し、そのかわりとして鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等からなる板状の連接軌道板を用い、この連接軌道板の上面に設けられた2つのレール収容凹部の内部に、それぞれ左右のレールを収容し、取付ボルトやナット等によって締結・支持する「連接軌道」と呼ばれる踏切舗装構造が用いられている。
【0004】
また、道路幅員が大きく道路交通量の多い踏切道等においては、図10(A)及び図10(B)に示すように、踏切箇所のまくらぎを取り外さずに、鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等からなる板状の踏切舗装板(内軌側踏切舗装板201、外軌側踏切舗装板202及び203)を用い、この踏切舗装板201、202、及び203を、踏切箇所の軌道の内側及び外側のまくらぎTの上面に取り付けることにより、踏切箇所の舗装を行う踏切舗装構造(以下、「総研形舗装板式踏切舗装構造」という。)も知られている。
【0005】
この総研形舗装板式踏切舗装構造においては、図10(B)に示すように、レール(例えば300)を下方から支持する連結板207と取付ボルト291及び292により、各踏切舗装板(例えば、内軌側踏切舗装板201と外軌側踏切舗装板202)が軌道に固定される。図10(A)において、符号F11及びF12は、鉄道車両の車輪WのフランジW1が通過する空間であるフランジウェイを示している。
【0006】
上記した従来の総研形舗装板式踏切舗装構造においては、レールの頭部又は腹部の付近に、レールの長手方向と平行になるように、ゴムシュート284が設置されている。このゴムシュート284は、断面が略「K」状で梁状の部材であり、その長手方向がレールの長手方向と平行となるように配置される。
【0007】
これらのゴムシュート284がレール300の近傍に配置される従来の理由の一つは、降雪地帯において、フランジウェイF11内に雪が溜まってしまい列車等が「乗り上がり脱線」を起こすことを防止するためであった。また、近年、幼児が、踏切内のレールの周辺のレール収容凹部などに足を挟まれ列車に接触して死亡する事故が発生し、このような人身事故を防止するため、レールの周囲には、フランジウェイ以外の凹部や間隙を残さないようにするべく、これらの間詰め用ゴムシュート類が踏切箇所に全面的に使用されるようになってきた。これらのゴムシュートは、天然ゴム、人造ゴムを含むゴム材料により作製されている。
【0008】
レール300の側方の間隙を充填するための部材の材料としては、ゴム材料のほかにも、金属材料、合成樹脂材料、あるいは木材等も考えられる。しかし、レールと接触することから電気絶縁性が要求されること、狭い間隙へはめ込む際に弾性変形が利用できること、雪や氷が付着し難いこと、付着した雪氷等を打撃やそれに伴う弾性変形等により容易に割砕することができること、等の理由から、ゴム材料が用いられている。
【0009】
しかしながら、上記した従来のゴムシュート284においては、剛性が低く容易に変形するため、土砂等がゴムシュートと連接軌道板や踏切舗装板との間から下方に流入し溜まりやすい、という問題があった。また、特に、総研形舗装板式踏切舗装構造においては、降り積もった雪が車輪のフランジで圧縮されて氷状となった場合、上方のフランジからの押圧力により、ゴムシュート284が転倒してしまう、という問題もあった。(特許文献1を参照)。
【0010】
上記の総研形舗装板式踏切舗装構造におけるゴムシュートの問題点に対する対策としては、例えば、総研形舗装板式踏切舗装構造におけるレール締結装置の締結ボルト・ナット機構を利用して、この締結ボルト・ナットに何らかの金具(以下、「締結装置利用型金具」という。)を挟み込んで固定し、この金具を、梁における支点のように利用して、レールに沿って配設される梁状のゴム部材、又は梁状のゴム部材を支持する鋼棒などを、この締結装置利用型金具により支持させる、という方式のものが考えられる。しかしながら、このような方式では、踏切舗装構造、あるいは踏切舗装板が変われば、そのたびに、それに応じた金具を考案する必要があり、煩雑である、という問題がある。
【特許文献1】特開2000−265409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、レール締結装置を利用して支持用金具を固定する方式ではない新規な方式により支持されるゴムシュートを有する軌道舗装構造等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るレール底部把持式部材支持構造は、
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを備え、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持すること
を特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る軌道舗装構造は、
軌道のまくらぎ上に舗装板が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造であって、
ゴム系材料からなり略梁状体に形成されるとともに第1嵌合凹部又は第1挿通孔を有し、前記略梁状体の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるようにして前記レールの頭部又は腹部の付近に配置されるレール側方間隙充填部材と、
前記レール側方間隙充填部材の第1嵌合凹部又は第1挿通孔に挿通され前記レール側方間隙充填部材を保持する棒状保持部材と、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるとともに前記棒状保持部材を支持する棒状保持部材支持金具を
備えること
を特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る軌道舗装構造は、
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材支持金具の直近には、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる略E字断面形状の第1規制部材が前記棒状保持部材に装着され、前記棒状保持部材の長手方向への移動を阻止すること
を特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る軌道舗装構造は、
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材をその長手方向の端部で他の棒状保持部材に継ぐため、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるブロック状の部材であって前記棒状保持部材の端部を両方の開口から挿入可能な貫通孔を有する保持部材接合手段をさらに備えること
を特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る軌道舗装構造は、
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材の中間部は、前記舗装板の側面から突出するように予め埋設された埋設ボルトと、中間支持手段取付ナットにより、前記舗装板の側面に取り付けられるとともにゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる中間支持手段によって支持されること
を特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に係る軌道舗装構造は、
請求項5記載の軌道舗装構造において、
前記中間支持手段の直近には、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる略E字断面形状の第2規制部材が前記棒状保持部材に装着され、前記棒状保持部材の長手方向への移動を阻止すること
を特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に係る軌道舗装構造は、
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記レール側方間隙充填部材の中間部は、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるとともに前記軌道のレールを前記まくらぎに締結するレール締結装置の上に装着された被覆部材の上部によって支持されること
を特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項8に係る軌道舗装構造は、
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記レール側方間隙充填部材は、鉄道車両の車輪のフランジが支障無く通過し得る空間であるフランジウェイを上方に確保するように取り付けられること
を特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項9に係る列車逸脱防止型軌道構造は、
軌道を走行中の列車が軌道から完全に脱線することを防止する列車逸脱防止型軌道構造であって、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるガード部材を
備えること
を特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項10に係るレール底部を利用する部材支持方法は、
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを用い、前記軌道のレール底部に他の部材を支持させること
を特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項11に係る軌道近傍の舗装方法は、
軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍の舗装方法であって、
ゴム系材料からなり略梁状体に形成されるとともに第1嵌合凹部又は挿通第1挿通孔を有し、前記略梁状体の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるようにして前記レールの頭部又は腹部の付近に配置されるレール側方間隙充填部材を用い、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有するレール底部把持式部材支持手段を前記軌道のレール底部に取り付け、
棒状保持部材支持金具を前記レール底部把持式部材支持手段に取り付け、
棒状保持部材を前記レール側方間隙充填部材の第1嵌合凹部又は第1挿通孔に挿通して前記レール側方間隙充填部材を保持させ、かつ前記棒状保持部材を、前記棒状保持部材支持手段によって支持させること
を特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項12に係る列車逸脱防止方法は、
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるガード部材を用い、
前記軌道を走行中の列車が軌道から完全に脱線することを防止すること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るレール底部把持式部材支持構造、軌道舗装構造、列車逸脱防止型軌道構造、レール底部を利用する部材支持方法、軌道近傍の舗装方法、及び列車逸脱防止方法は、いずれも、床板部材と、レール底部押さえ部材と、床板吊り上げ金具と、T型ボルトと、T型ボルト用ナットと、竹の子状バネを備えて構成されるレール底部把持式部材支持構造を利用したものである。このレール底部把持式部材支持構造によれば、軌道のレール底部に取り付けられてレール底部を把持(グリップ)し、他の部材(被支持部材等)を支持することができる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に説明する実施例は、いずれも、床板部材2と、レール底部押さえ部材3と、床板吊り上げ金具4と、T型ボルト5と、T型ボルト用ナット6と、竹の子状バネ7を備えて構成されるレール底部把持式部材支持構造1を具備するようにしたものである。このため、軌道のレール底部303に取り付けられてレール底部303を把持(グリップ)し、他の部材(被支持部材296等)を支持することができ、本発明を実現するための構成として最良の形態である。
【実施例1】
【0026】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例であるレール底部把持式部材支持構造の構成を示す横断面図である。また、図2は、本発明の第1実施例であるレール底部把持式部材支持構造を構成する各部品の構成を示す図である。
【0027】
この図1に示すレール底部把持式部材支持構造1は、床板部材2と、レール底部押さえ部材3と、床板吊り上げ金具4と、T型ボルト5と、T型ボルト用ナット6と、竹の子状バネ7を備えて構成されている。
【0028】
ここで、床板部材2は、略扁平な「U」字形状の横断面を有する部材であり、軌道のレール底部303の一端(図1の右端)に嵌合するレール底部嵌合部2bを有しており、レール底部303に下方から当接可能となっている。また、床板部材2の他端付近(図1の左端付近)には、レール底部押さえ部材3の第1垂下部3bの底部が乗るようになっている。
【0029】
また、レール底部押さえ部材3は、略「コ」字状の断面を有する部材であり、中央の中央板部3aにはT型ボルト5の丸棒状軸部5bが挿通可能なボルト軸部挿通孔3dが開設され、レール底部303の他端(図1における左端)を上方から押さえることができる底突端3fと斜底面3c2を具備する第2垂下部3cを有して構成されている(図2(A)及び図2(B)参照)。
【0030】
また、床板吊り上げ金具4は、略「U」字状の断面を有する部材であり、その凹部の底面である床板抱き込み面4a1によって床板部材2を抱き込むようにして吊り上げることができるように構成されている(図2(C)及び図2(D)参照)。
【0031】
また、T型ボルト5は、床板吊り上げ金具4のTボルト係合内壁斜面4b1及び4c1に、その下部のT型部5cの金具係合肩斜面5c1及び5c2が係合するとともに、その上部にT型ボルト用ナット6が螺合可能な雄ネジ軸部5aを有しており、T型ボルト用ナット6を螺合させることにより床板吊り上げ金具4が床板部材2を吊り上げた状態で固定することができるように構成されている(図2(E)参照)。
【0032】
また、竹の子状バネ7は、T型ボルト用ナット6とレール底部押さえ部材3の間に介接されている。
【0033】
このような構成により、このレール底部把持式部材支持構造1は、軌道のレール底部303に取り付けられてレール底部303を把持(グリップ)し、他の部材(被支持部材296)を支持することができるようになっている。この被支持部材296として、溝形鋼等を使用すれば、軌道を走行中の列車が軌道から完全に脱線することを防止する列車逸脱防止型軌道構造として利用することが可能である。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の第2実施例である踏切舗装構造について説明する。図3は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造に用いる詰めゴム部材とその支持金具の配置状態を示す図である。また、図4は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の詰めゴム部材の支持に用いる中間支持金具の構成を示す図である。
【0035】
この軌道舗装構造は、軌道のまくらぎ上に舗装板201等が設置され道路の路面を構成するものである。図3に示すように、この軌道舗装構造は、レール側方間隙充填部材である詰めゴム部材40Aと、棒状保持部材であるPC鋼棒41及び42と、レール底部把持式部材支持手段であるレール底部把持式部材支持構造1と、棒状保持部材支持金具であるPC鋼棒中間支持金具45Aを備えて構成されている。
【0036】
ここに、詰めゴム部材40Aは、図3にその横断面を示しているが、ゴム系材料からなり、略梁状体に形成され、第1嵌合凹部又は第1挿通孔を有し、略梁状体の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるようにしてレール300の頭部又は腹部の付近に配置される。詰めゴム部材40Aは、鉄道車両の車輪WのフランジW1(図10参照)が支障無く通過し得る空間であるフランジウェイを上方に確保するように取り付けられる。上記したゴム系材料は、天然ゴムと人造ゴムを含むほか、天然ゴム又は人造ゴムを母材(マトリクス)とし、その中に補強部材を混入させ分散配置させて成型した複合材料等をも含む概念の材料である。
【0037】
また、PC鋼棒41及び42は、詰めゴム部材40Aの第1嵌合凹部又は第1挿通孔に挿通され、詰めゴム部材40Aを保持している。
【0038】
また、レール底部把持式部材支持構造1は、上記した第1実施例と全く同様の構造である。
【0039】
また、PC鋼棒中間支持金具45Aは、図4に示すように、鋼板等からなる略「U」型の部材であり、その中央の底板部45A1に開設されたボルト穴45A5に、上記したレール底部把持式部材支持構造1のT型ボルト5の軸部を挿通し、竹の子状バネ7とT型ボルト用ナット6で締め付けることにより、レール底部303に固定されたレール底部把持式部材支持構造1に取り付けられて支持されるようになっている。また、PC鋼棒中間支持金具45Aは、その直立板部45A2及び直立板部45A3に形成されたPC鋼棒嵌合凹部45A6及び45A7や、PC鋼棒挿通孔45A8及び45A9により、PC鋼棒41及び42を支持するようになっている。
【0040】
なお、図示はしていないが、PC鋼棒41等を、その長手方向の端部で他のPC鋼棒に継ぐため、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるブロック状の部材をもちいることができる。このブロック状部材には、PC鋼棒の端部を両方の開口から挿入可能な貫通孔を有しており、この貫通孔の内部で、PC鋼棒どうしが接触するまで押し込むことにより、両者を繋ぐことができる。このブロック状部材は、特許請求の範囲における保持部材接合手段に相当している。
【0041】
図5(A)及び図5(B)は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の端部に用いるPC鋼棒端部支持金具44Aの構成を示す図である。このPC鋼棒端部支持金具44Aは、図5(A)及び図5(B)に示すように、鋼板等からなる略「L」型の部材であり、その底板部44A1に開設されたボルト穴44A5に、上記したレール底部把持式部材支持構造1のT型ボルト5の軸部を挿通し、竹の子状バネ7とT型ボルト用ナット6で締め付けることにより、レール底部303に固定されたレール底部把持式部材支持構造1に取り付けられて支持されるようになっている。また、PC鋼棒端部支持金具44Aは、その直立板部44A2に形成されたキャップボルト螺合孔44A6及び44A7により、PC鋼棒キャップボルト43Aを螺合させて支持するようになっている。
【0042】
図5(C)は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の端部に用いるPC鋼棒キャップボルト43Aの構成を示す図である。このPC鋼棒キャップボルト43Aは、キャップボルト螺合孔44A6及び44A7に螺合可能な雄ネジ軸部43A2と、雄ネジの形成されていないPC鋼棒押さえ軸部43A3を有しており、PC鋼棒押さえ軸部43A3の内部に、PC鋼棒端部収容凹部43A4を有しており、この凹部にPC鋼棒41等の端部が収容されるようになっている。また、図5(D)及び図5(E)は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の端部に用いる平座金46Aの構成を示し、図5(F)及び図5(G)は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の端部に用いるバネ座金47Aの構成を示している。
【0043】
図6は、本発明の第2実施例である踏切舗装構造の内軌側踏切舗装板201に予め埋込設置しておく内軌板埋込金具48Aの構成を示す図であり、図6(A)はレール側方から見た側面図を、また図6(B)はレール長手方向から見た横断面図を、それぞれ示している。
【0044】
この内軌板埋込金具48Aは、内軌側踏切舗装板201のコンクリートに埋め込まれた埋込板49Aと、この埋込板49Aにあらかじめ溶接又は螺合により取り付けられた埋込ボルト50A及び51Aを有している。
【0045】
図7及び図8は、図6に示した内軌板埋込金具48Aに接合するPC鋼棒中間支持函体55Aの構成を示した図である。
【0046】
PC鋼棒中間支持函体55Aは、上記した埋込ボルト50A及び51Aに、接合ナット56及び57によって接合され、内軌側踏切舗装板201に取り付けられる。そして、内軌側踏切舗装板201に取り付けられた状態のPC鋼棒中間支持函体55AのPC鋼棒挿通孔55A7及び55A8や、PC鋼棒嵌合凹部55A7及び55A8により、PC鋼棒41及び42の中間部は、支持される。
【0047】
なお、上記したPC鋼棒中間支持金具45Aなどの支持金具の直近には、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる略E字断面形状の第1規制部材であるPC鋼棒移動防止用ゴム部材60A(図9参照)がPC鋼棒挿入部60A2及びPC鋼棒嵌合部60A3によって、PC鋼棒41等に装着され、PC鋼棒41等の長手方向への移動を阻止するようになっている。
【0048】
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0049】
例えば、レール側方間隙充填部材(例えば、詰めゴム部材40A)の中間部は、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるとともに軌道のレール(例えば300)をまくらぎに締結するレール締結装置の上に装着された被覆部材の上部によって支持されるように構成してもよい。
【0050】
また、上記実施例においては、鉄道線路と道路との平面交差部である踏切付近の路面を構成する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、軌道は、鉄道線路以外の軌道、例えば路面電車の軌道等であってもよい。また、舗装を行う箇所についても、踏切以外の箇所、例えば路面電車の停留所付近、路面電車の道路交差点付近等であってもよい。
【0051】
また、レール側方間隙充填部材(例えば、詰めゴム部材40A)の断面形状は、上記実施例のものに限定されず、他の断面形状であってもよい。
【0052】
また、棒状保持部材は、PC鋼棒には限定されず、PC鋼線、PCケーブル(PC鋼線をよったもの)であってもよい。また、棒状保持部材(例えばPC鋼棒41及び42)の個数は、2個には限定されず、3個以上であってもよい。また、レール側方間隙充填部材の棒状保持部材軸まわりの回転を防止する手段を設ける場合には、棒状保持部材の個数は、1個であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る軌道舗装構造、及び軌道近傍の舗装方法は、鉄道を運営する鉄道事業者で実施可能であり、鉄道線路の保守を行う企業でも実施可能であり、これらの産業で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施例であるレール底部把持式部材支持構造の構成を示す横断面図である。
【図2】本発明の第1実施例であるレール底部把持式部材支持構造を構成する各部品の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例である踏切舗装構造に用いる詰めゴム部材とその支持金具の配置状態を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例である踏切舗装構造の詰めゴム部材の支持に用いる中間支持金具の構成を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例である踏切舗装構造の端部に用いる端部支持金具とPC鋼棒キャップボルトの構成を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例である踏切舗装構造の内軌側踏切舗装板に予め埋込設置しておく内軌板埋込金具の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例である踏切舗装構造の内軌板埋込金具に接合するPC鋼棒中間支持函体の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例である踏切舗装構造における内軌板埋込金具とPC鋼棒中間支持函体の接合状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例である踏切舗装構造におけるPC鋼棒の移動防止用ゴム部材の構成を示す斜視図である。
【図10】従来の踏切舗装構造の一例である踏切舗装板の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 レール底部把持式部材支持構造
2 床板部材
2a 略平板部
2a1 上面中央部
2a2 上面第1端部
2a3 上面第2端部
2a4 下面
2b レール底部嵌合部
2b1 上部内底面
2c 押さえ部材支持部
3 レール底部押さえ部材
3a 中央板部
3a1 上面
3b 第1垂下部
3b1 上面
3b2 底面
3b3 底端曲面
3c 第2垂下部
3c1 上面
3c2 斜底面
3d ボルト軸部挿通孔
3e 金具収容凹部
3f 底突端
3f3 底突端外側面
4 床板吊り上げ金具
4a 中央板部
4a1 床板抱き込み面
4b 第1直立部
4b1 Tボルト係合内壁斜面
4b3 Tボルト係合内直壁面
4c 第2直立部
4c1 Tボルト係合内壁斜面
4c3 Tボルト係合内壁斜面
4d Tボルト下部収容凹部
5 T型ボルト
5a 雄ネジ軸部
5b 丸棒状軸部
5c T型部
5c1、5c2 金具係合肩斜面
5c3、5c4 金具係合直壁面
6 T型ボルト用ナット
7 竹の子状バネ
7a ナット当接面
7b 被支持部材当接面
40A 詰めゴム部材
40A1 上板部
40A2 腹部
40A3 下板部
40B〜40F 詰めゴム部材
41、42 PC鋼棒
43A PC鋼棒キャップボルト
43A1 頭部
43A2 雄ネジ軸部
43A3 PC鋼棒押さえ軸部
43A4 PC鋼棒端部収容凹部
44A PC鋼棒端部支持金具
44A1 底板部
44A2 直立部
44A5 ボルト穴
44A6、44A7 キャップボルト螺合孔
45A PC鋼棒中間支持金具
45A1 底板部
45A2 直立板部
45A3 直立板部
45A5 ボルト穴
45A6、45A7 PC鋼棒嵌合凹部
45A8、45A9 PC鋼棒挿通孔
46A 平座金
46A1 ボルト挿通孔
47A バネ座金
47A1 ボルト挿通孔
48A 内軌板埋込金具
49A 埋込板
50A、51A 埋込ボルト
55A PC鋼棒中間支持函体
55A1 底板部
55A2 内軌板方壁部
55A3 PC鋼棒挿通壁部
55A4 PC鋼棒嵌合壁部
55A5、55A6 ボルト挿通孔
55A7、55A8 PC鋼棒挿通孔
55A9、55A10 PC鋼棒嵌合凹部
55A13 PC鋼棒挿入用切欠
56、57 接合ナット
58、59 座金
60A PC鋼棒移動防止用ゴム部材
60A1 板状部
60A2 PC鋼棒挿入部
60A3 PC鋼棒嵌合部
60A4 取出用穴
60A5 中央部
201 内軌側踏切舗装板
202、203 外軌側踏切舗装板
204〜206 ゴム受台
207 連結金具
215a 内軌板保護部材
215a1 水平部
215a2 鉛直部
215b 外軌板保護部材
216 取付部材
216a 平板部
216b 斜面部
216c ストッパー
225 ボルト孔
271 外軌板受部
271a ボルト孔
272 レール受部
273 内軌板受部
273a ボルト孔
273b 斜面部
273c 平面部
281 パッド
282、283 絶縁材
284 ゴムシュート
291、292 取付ボルト
293 ナット
294 竹の子状バネ
295 座金
296 被支持部材
300 レール
303 底部
303a 下面
303b 側面
303c 外方上面
F11〜F12 フランジウェイ
T10 まくらぎ
W 車輪
W1 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを備え、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持すること
を特徴とするレール底部把持式部材支持構造。
【請求項2】
軌道のまくらぎ上に舗装板が設置され道路の路面を構成する軌道舗装構造であって、
ゴム系材料からなり略梁状体に形成されるとともに第1嵌合凹部又は第1挿通孔を有し、前記略梁状体の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるようにして前記レールの頭部又は腹部の付近に配置されるレール側方間隙充填部材と、
前記レール側方間隙充填部材の第1嵌合凹部又は第1挿通孔に挿通され前記レール側方間隙充填部材を保持する棒状保持部材と、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるとともに前記棒状保持部材を支持する棒状保持部材支持金具を
備えること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項3】
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材支持金具の直近には、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる略E字断面形状の第1規制部材が前記棒状保持部材に装着され、前記棒状保持部材の長手方向への移動を阻止すること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項4】
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材をその長手方向の端部で他の棒状保持部材に継ぐため、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるブロック状の部材であって前記棒状保持部材の端部を両方の開口から挿入可能な貫通孔を有する保持部材接合手段をさらに備えること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項5】
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記棒状保持部材の中間部は、前記舗装板の側面から突出するように予め埋設された埋設ボルトと、中間支持手段取付ナットにより、前記舗装板の側面に取り付けられるとともにゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる中間支持手段によって支持されること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項6】
請求項5記載の軌道舗装構造において、
前記中間支持手段の直近には、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなる略E字断面形状の第2規制部材が前記棒状保持部材に装着され、前記棒状保持部材の長手方向への移動を阻止すること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項7】
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記レール側方間隙充填部材の中間部は、ゴム系材料又は合成樹脂系材料からなるとともに前記軌道のレールを前記まくらぎに締結するレール締結装置の上に装着された被覆部材の上部によって支持されること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項8】
請求項2記載の軌道舗装構造において、
前記レール側方間隙充填部材は、鉄道車両の車輪のフランジが支障無く通過し得る空間であるフランジウェイを上方に確保するように取り付けられること
を特徴とする軌道舗装構造。
【請求項9】
軌道を走行中の列車が軌道から完全に脱線することを防止する列車逸脱防止型軌道構造であって、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるガード部材を
備えること
を特徴とする列車逸脱防止型軌道構造。
【請求項10】
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを用い、前記軌道のレール底部に他の部材を支持させること
を特徴とするレール底部を利用する部材支持方法。
【請求項11】
軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍の舗装方法であって、
ゴム系材料からなり略梁状体に形成されるとともに第1嵌合凹部又は挿通第1挿通孔を有し、前記略梁状体の長手方向軸がレールの長手方向と平行になるようにして前記レールの頭部又は腹部の付近に配置されるレール側方間隙充填部材を用い、
前記軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有するレール底部把持式部材支持手段を前記軌道のレール底部に取り付け、
棒状保持部材支持金具を前記レール底部把持式部材支持手段に取り付け、
棒状保持部材を前記レール側方間隙充填部材の第1嵌合凹部又は第1挿通孔に挿通して前記レール側方間隙充填部材を保持させ、かつ前記棒状保持部材を、前記棒状保持部材支持手段によって支持させること
を特徴とする軌道近傍の舗装方法。
【請求項12】
軌道のレール底部の一端に嵌合するとともに前記レール底部に下方から当接可能な床板部材と、前記レール底部の他端を上方から押さえるレール底部押さえ部材と、前記床板部材を抱き込むように吊り上げる床板吊り上げ金具と、前記床板吊り上げ金具に下部が係合するとともに上部にT型ボルト用ナットを螺合させることにより前記床板吊り上げ金具が前記床板部材を吊り上げた状態で固定可能なT型ボルトと、前記T型ボルト用ナットと前記レール底部押さえ部材の間に介接される竹の子状バネを有し、前記軌道のレール底部に取り付けられて他の部材を支持するレール底部把持式部材支持手段と、
前記レール底部把持式部材支持手段に取り付けられるガード部材を用い、
前記軌道を走行中の列車が軌道から完全に脱線することを防止すること
を特徴とする列車逸脱防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−113293(P2007−113293A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306428(P2005−306428)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000230825)日本軌道工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】