説明

レール用剥離装置

【課題】 レールの表面上の付着物を簡単な作業で効率よく剥離することができるレール用剥離装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本体10と当該本体10に設けられた取付部11との間にレール2の底部2Bを挟み込むようにして、レール用剥離装置1をレール2に取り付ける。この状態で本体10をレール2に平行な移動方向に沿って移動させることにより、本体10の前端部に形成された摺接部をレール2の底部2Bの下面2Dに摺接させて、当該下面2D上に付着している軌道パッドを剥離する。これにより、レール2に取り付けた本体10を移動させるといった簡単な作業で、レール2の表面上の付着物を効率よく剥離することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール用剥離装置に係り、さらに詳しくは、車両用のレールに取り付けて、当該レールの表面上の付着物を剥離するためのレール用剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、車両用のレール2の設置態様を示した正面図である。また、図9は、図8に示したレール2近傍の正面図である。このレール2は、車両の一例である新幹線用のレールであり、地面に設置された枕木4上に取り付けられる。枕木4は、600mm程度の間隔で互いに平行になるように複数設置され、各枕木4に対して直交方向に延びるようにレール2が取り付けられる。レール2は、互いに一定間隔を隔てて平行となるように2列に配置され、各列に複数のレール2を連ねて配置することにより、長距離にわたって2列のレール2を延設することができる。
【0003】
各レール2は、車輪が当接する頭部2Aと、枕木4に対向する底部2Bと、頭部2A及び底部2Bを連結する腹部2Cとからなり、腹部2Cが上下方向に細長い断面形状とされることにより、左右対称なI字形状に形成されている。各レール2は、その底部2Bが二重ばね5及びボルト7を介して枕木4に取り付けられることにより固定される。
【0004】
レール2を枕木4に固定する際には、各レール2の底部2Bにおける枕木4と対向する部分に、緩衝材としての軌道パッド3が挟み込まれる(例えば、特許文献1)。そして、各レール2の底部2Bにおける枕木4と対向する部分の左右両端部に対して、それぞれ二重ばね5の一端部が上方から被さるように配置されるとともに、各二重ばね5のレール2と反対側の端部が枕木4上に設けられたばね受台8で受けられた状態とされる。この状態で、各二重ばね5にボルト7を上方から挿通して枕木4に締め付けることにより、各二重ばね5の押圧力によって、レール2の底部2Bの左右両端部が枕木4側に押え付けられ、レール2が軌道パッド3を介して枕木4上に強固に固定される。この軌道パッド3は、使用により劣化するため、定期的に交換する必要がある。
【0005】
図10は、軌道パッド3を交換する際の作業態様の一例を示した概略図である。この図10に示すように、レール2と枕木4との間に介在する軌道パッド3を交換する際には、各ボルト7が枕木4から取り外されることにより、レール2を固定している二重ばね5が取り外された後、門型クレーン6と呼ばれる装置を用いてレール2が吊り上げられる。
【0006】
軌道パッド3は、レール2と枕木4の間に挟まれた状態で、しかも二重ばね5によってレール2が枕木4側に強力に押え付けられた状態で使用されるため、通常、レール2を枕木4から取り外したときには、レール2の底部2Bの下面に付着した状態となる。そのため、軌道パッド3を交換する際には、まず図10に示すように、シャベルのようなヘラ状の器具を用いて、作業員がレール2の底部2Bの下面から軌道パッド3を剥離する作業を行っていた。
【特許文献1】特開2006−299740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなレール2の表面から軌道パッド3を剥離する作業は、通常、腰を大きく曲げた状態で行わなければならず、重労働であった。また、各レール2には、複数の枕木4にそれぞれ対向する600mm程度の間隔で複数の軌道パッド3が付着しているため、各軌道パッド3をレール2から剥離する作業は煩雑であり、作業の効率が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、レールの表面上の付着物を簡単な作業で効率よく剥離することができるレール用剥離装置を提供することを目的とする。また、本発明は、使い勝手がより向上されたレール用剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明によるレール用剥離装置は、車両用のレールに対して着脱可能に取り付けられ、上記レールに平行な移動方向に沿って移動可能な本体と、上記本体に形成され、上記移動方向に上記本体が移動することにより上記レールの表面に摺接し、当該表面上の付着物を剥離する摺接部とを備えて構成される。
【0010】
このような構成によれば、本体を車両用のレールに取り付けて移動させることにより、摺接部をレールの表面に摺接させて、当該表面上の付着物を剥離することができる。したがって、レールに取り付けた本体を移動させるといった簡単な作業でレールの表面上の付着物を剥離することができる。また、レールの表面に複数の付着物が付着している場合であっても、レールに取り付けた本体を移動させるだけで、それらの複数の付着物を連続で剥離することができるので、各付着物を個別に剥離する場合と比べて効率よく剥離することができる。
【0011】
第2の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記本体との間に上記レールの底部を挟み込むことにより上記本体を上記レールに取り付ける取付部を備え、上記摺接部が、上記底部の下面に摺接するように構成される。
【0012】
このような構成によれば、取付部と本体との間にレールの底部を挟み込むだけで簡単に本体をレールに取り付けることができる。この状態でレールに対して本体を移動させることにより、摺接部をレールの底部の下面に安定して摺接させることができるので、当該下面上の付着物を良好に剥離することができる。
【0013】
第3の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記取付部には、上記本体から上記レール側に突出する取付軸と、上記取付軸に対して回転可能に取り付けられ、上記レールに対向して上記本体との間に上記レールの底部を挟み込む第1の位置及び上記レールに対向しない第2の位置に回転可能な回転部とが備えられて構成される。
【0014】
このような構成によれば、取付軸に対して回転部を回転させるだけで簡単に本体をレールの底部に取り付けることができる。すなわち、回転部を第2の位置とした状態で本体をレールの底部の下面に対向させ、この状態で回転部を第1の位置まで回転させることにより、回転部と本体との間にレールの底部を簡単に挟み込むことができるので、使い勝手をより向上することができる。
【0015】
第4の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記取付軸又は上記回転部には、上記移動方向に直交する回転軸を中心に回転可能であり、上記本体の移動に伴って、上記レールの底部上を転動するベアリングが取り付けられて構成される。
【0016】
このような構成によれば、レールに対して本体を移動させたときに、取付軸又は回転部に取り付けられたベアリングがレールの底部上を転動するので、よりスムーズに本体を移動させることができる。これにより、レールの底部の下面上に付着している付着物を剥離する作業をより効率よく行うことができる。
【0017】
第5の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記本体における中央部よりも上記摺接部側に取り付けられた第1把持部を備えて構成される。
【0018】
このような構成によれば、第1把持部を把持して本体を移動させることにより、レールの表面上の付着物を容易に剥離することができる。特に、第1把持部が本体における中央部よりも摺接部側に取り付けられているので、第1把持部を把持し、本体をレール側に押し付けるように力を加えつつレールに対して移動させることにより、摺接部をレールの表面に良好に摺接させ、レールの表面上の付着物を良好に剥離することができる。
【0019】
第6の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記本体における上記移動方向に対して交差方向の一端部に形成された第2把持部と、上記本体における上記交差方向の他端部に形成され、上記本体との間に上記レールの底部を挟み込むことにより上記本体を上記レールに係止させる係止部とを備えて構成される。
【0020】
このような構成によれば、本体をレールの底部に対向させて当該底部に係止部を係止させた状態で、第2把持部を把持して本体がレールの底部に対向した状態を維持しつつ、回転部を第2の位置から第1の位置へ回転させることにより、本体をレールに対してより簡単に取り付けることができる。
【0021】
第7の本発明によるレール用剥離装置は、上記構成に加えて、上記本体における上記移動方向に対して交差方向の両端部に設けられ、上記レールの底部の両端部を上記本体との間に挟み込む1対の上記取付部が、上記移動方向に並べて2対設けられ、上記2対の取付部のうち上記本体における上記交差方向の一端部に設けられた2つの取付部の各回転部を上記第1の位置で連結する連結部材を備えて構成される。
【0022】
このような構成によれば、2対の取付部のうち本体における交差方向の一端部に設けられた2つの取付部の各回転部を連結部材で連結することにより、それらの回転部が第1の位置から回転するのを防止することができる。これにより、本体がレールの底部から外れるのを防止して、当該底部の下面上の付着物を良好に剥離することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、本体を車両用のレールに取り付けて移動させることにより、摺接部をレールの表面に摺接させて、当該表面上の付着物を剥離することができるので、レールの表面上の付着物を簡単な作業で効率よく剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の形態によるレール用剥離装置1の一例を示した正面図である。図2は、図1のレール用剥離装置1の平面図である。図3は、図1のレール用剥離装置1の側面図である。これらの図1〜図3では、レール剥離用装置1をレール2に取り付けた状態が示されている。以下の説明では、図2における左右方向を前後方向、上下方向を左右方向として説明することとする。このレール用剥離装置1は、車両用のレール2に取り付けて、当該レール2の表面上の付着物の一例である軌道パッド3を剥離するためのものであり、例えば新幹線用のレールなどに適用できる。ただし、このレール用剥離装置1は、新幹線用のレールに限らず、各種車両用のレールに適用可能である。
【0025】
図1に示すように、通常の車両用のレール2は、車輪が当接する頭部2Aと、枕木に対向する底部2Bと、頭部2A及び底部2Bを連結する腹部2Cとからなり、腹部2Cが上下方向に細長い断面形状とされることにより、左右対称なI字形状に形成されている。なお、図2及び図3では、レール2の底部2Bのみを示している。レール2の底部2Bの下面2Dは平面からなり、当該下面2Dに対向する上面2Eは、腹部2Cに近づくほど下面2Dから遠ざかるように、下面2Dに対して所定の角度θ1で傾斜している。
【0026】
このレール用剥離装置1には、平板状の本体10と、当該本体10に取り付けられ、当該本体10との間にレール2の底部2Bを挟み込む4つの取付部11とが備えられている。本体10は、前後方向の長さが320mm程度、左右方向の長さが180mm程度の長方形状の鉄板により形成されている。このレール用剥離装置1は、レール2の底部2Bに取り付けられることにより、本体10が底部2Bの下面2Dに対向した状態でレール2に平行な前後方向に移動可能となる。
【0027】
図3に示すように、本体10の前端部には、前方に向かって先細りした刃部からなる摺接部12が形成されている。この摺接部12は、平面からなる本体10の上面に対して下面の前端部が所定の角度、例えば45°程度で傾斜した形状に形成されることにより構成されている。したがって、本体10をレール2の底部2Bの下面2Dに対向させた状態で、本体10に対して前方となる移動方向Aに本体10を移動させることにより、当該下面2Dに摺接部12の先端を摺接させ、当該下面2D上の軌道パッド3を剥離することができる。
【0028】
各取付部11には、本体10からレール2側に突出する取付軸13と、当該取付軸13に対して回転可能に取り付けられた回転部14とが備えられている。各取付軸13は、本体10に対して上下方向に挿通されたボルトからなり、当該ボルトの頭部13Aが本体10の上方に位置するように、本体10に対して上方から下方に向かって挿通されている。そして、本体10に挿通された取付軸13における本体10の上方及び下方にそれぞれ取り付けられた2つのナット15,16を用いて、これらのナット15,16間に本体10を挟み込むようにして取付軸13が本体10に固定されている。これにより、各取付軸13に対する2つのナット15,16の位置を調整することにより、各取付軸13の頭部13Aと本体10の上方に位置するナット15との距離dを調整することができる。
【0029】
各回転部14は、互いに結合されることにより一体的に形成されたボルト部17及びナット部18を備えている。各回転部14のナット部18は、取付軸13に対して回転可能に取り付けられており、取付軸13の頭部13Aと当該取付軸13に取り付けられたナット15の間に取り付けられることにより、これらの頭部13Aとナット15との距離dの範囲内で取付軸13に対して回転可能となっている。すなわち、各回転部14は、そのナット部18が取付軸13に対して回転することにより、当該ナット部18が取付軸13に取り付けられたナット15に当接する第1の位置と、取付軸13の頭部13Aに当接する第2の位置との間で回転可能となっている。
【0030】
このように、各取付軸13に取り付けられたナット15は、各回転部14が第1の位置よりも第2の位置と反対側に回転しないように規制する第1ストッパを構成しており、各取付軸13の頭部13Aは、各回転部14が第2の位置よりも第1の位置と反対側に回転しないように規制する第2ストッパを構成している。したがって、取付軸13に対する2つのナット15,16の位置を調整して上記距離dを適当な値とすることにより、各回転部14を第1の位置及び第2の位置の間でのみ回転するように規制することができる。
【0031】
各回転部14のボルト部17は、取付軸13に直交する方向に対して所定の角度θ2で傾斜するようにナット部18に連結されることにより、本体10に対向配置されている。この回転部14のボルト部17の傾斜角度θ2は、レール2の底部2Bにおける下面2Dに対する上面2Eの傾斜角度θ1と一致している。各回転部14は、図2に実線で示すように、そのボルト部17が本体10の移動方向Aに対して直交方向に延びる上記第1の位置において、レール2の底部2Bの上面2Eに対向し、本体10との間にレール2の底部2Bを挟み込んだ状態で本体10をレール2に取り付けることができる。一方、各回転部14が、図2に破線で示した第2の位置まで回転されたときには、各回転部14がレール2の底部2Bの上面2Eに対向しない状態となり、レール2に対して本体10が着脱可能となる。
【0032】
本実施の形態では、本体10の左右両端部、すなわち本体10における移動方向Aに対して交差方向の両端部に、それぞれ2つの取付部11が設けられている。より具体的には、本体10の左右両端部における前側にそれぞれ設けられた取付部11は、互いに対をなしており、これらの1対の取付部11と本体10の前側との間に、レール2の底部2Bの左右両端部を挟み込むことができる。同様に、本体10の左右両端部における後側にそれぞれ設けられた取付部11は、互いに対をなしており、これらの1対の取付部11と本体10の後側との間に、レール2の底部2Bの左右両端部を挟み込むことができる。これにより、移動方向Aに並べて2対の取付部11が設けられ、本体10をレール2の底部2Bに対して4箇所で安定して取り付けることができる。なお、2対の取付部11の前後方向の間隔は、170mm程度である。
【0033】
本体10の右端部に設けられた2つの取付部11の各取付軸13は、平面視で時計回りに回転させたときに本体に対して下方に移動するように、いわゆる正ねじのねじ山が形成されている。したがって、これらの取付部11の各回転部14を平面視で時計回りに回転させたときに、取付軸13に対して回転部14が下方に移動し、当該回転部14のナット部18が取付軸13に取り付けられたナット15に当接した状態で上記第1の位置となる。一方、上記2つの取付部11の各回転部14を平面視で反時計回りに回転させたときに、取付軸13に対して回転部14が上方に移動し、当該回転部14のナット部18が取付軸13の頭部13Aに当接した状態で上記第2の位置となる。
【0034】
これに対して、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11の各取付軸13は、平面視で反時計回りに回転させたときに本体10に対して下方に移動するように、いわゆる逆ねじのねじ山が形成されている。したがって、これらの取付部11の各回転部14を平面視で反時計回りに回転させたときに、取付軸13に対して回転部14が下方に移動し、当該回転部14のナット部18が取付軸13に取り付けられたナット15に当接した状態で上記第1の位置となる。一方、上記2つの取付部11の各回転部14を平面視で時計回りに回転させたときに、取付軸13に対して回転部14が上方に移動し、当該回転部14のナット部18が取付軸13の頭部13Aに当接した状態で上記第2の位置となる。
【0035】
このように、4つの取付部11の各回転部14は、第2の位置から第1の位置への回転に伴って本体10側に移動し、第1の位置から第2の位置への回転に伴って本体10と反対側に移動するようになっている。この例では、各取付部11における回転部14の第2の位置から第1の位置への回転方向が、本体10の移動方向Aに対して後方側に統一されているので、各回転部14を回転させて本体10をレール2に取り付ける際に、各回転部14の回転方向が分かりやすく、使い勝手がよい。
【0036】
なお、前側の1対の取付部11の各回転部14は、第1の位置において、本体10の移動方向Aに対して直交方向に一直線上に位置するように配置されている。同様に、後側の1対の取付部11の各回転部14は、第1の位置において、本体10の移動方向Aに対して直交方向に一直線上に位置するように配置されている。
【0037】
各回転部14のボルト部17には、ナット部18と反対側の端部に頭部17Aが形成されている。各ボルト部17にはナット19が取り付けられており、このナット19と各ボルト部17の頭部17Aとの間には、レール2の底部2Bの上面2E上を転動可能な第1ベアリング21が取り付けられている。すなわち、第1ベアリング21は、ボルト部17に挿通されるとともに、当該ボルト部17の頭部17A及び当該ボルト部17に取り付けられたナット19の間に挟み込まれることにより、各回転部14が第1の位置にあるときに、本体10の移動方向Aに直交する第1回転軸としてのボルト部17を中心に回転可能となっている。
【0038】
なお、本体10がレール2に取り付けられた状態では、各第1ベアリング21の外周面がレール2の底部2Bの上面2Eに当接し、本体10が移動方向Aに移動されて各第1ベアリング21が上記上面2E上を転動したときには、当該上面2Eから各回転部14に後方へ向かって力が作用することとなる。このような力が各回転部14に作用する場合であっても、第1の位置では各回転部14のナット部18が取付軸13に取り付けられたナット15に当接し、それ以上後方に回転しないように規制されるので、各回転部14は第1の位置で保持され、各第1ベアリング21が移動方向Aに直交するボルト部17を中心に安定して回転するようになっている。
【0039】
また、図1において矢印で示すように、各取付部11の回転部14が第2の位置から第1の位置への回転に伴って本体10側に移動するようになっているので、当該回転に伴って各第1ベアリング21の外周面をレール2の底部2Bの上面2Eに押し当てるようにして取り付けることができる。これにより、第1の位置における各第1ベアリング21の外周面と本体10の上面との距離をより短くして、レール2の底部2Bと当該底部2Bに取り付けられた本体10との間に生じるがたつきを減少させることができる。
【0040】
各取付軸13には、本体10と当該本体10の上方に取り付けられたナット15との間に、レール2の底部2Bにおける移動方向Aに平行な左右各端面2F上を転動可能な第2ベアリング22が取り付けられている。すなわち、第2ベアリング22は、取付軸13に挿通されるとともに、当該取付軸13に取り付けられたナット15及び本体10の間に挟み込まれることにより、本体10の移動方向Aに直交する第2回転軸としての取付軸13を中心に回転可能となっている。
【0041】
各対の取付部11において左右方向に並ぶ第2ベアリング22間の間隔は、レール2の底部2Bの左右幅と一致しており、左右の第2ベアリング22間にレール2の底部2Bが挟み込まれるようになっている。したがって、本体10がレール2に取り付けられた状態では、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11の第2ベアリング22の外周面がそれぞれレール2の底部2Bの左端面2Fに当接し、本体10の右端部に設けられた2つの取付部11の第2ベアリング22の外周面がそれぞれレール2の底部2Bの右端面2Fに当接する。この状態で本体10が移動方向Aに移動することにより、レール2の底部2Bの左右各端面2Fから各第2ベアリング22に力が作用し、各第2ベアリング22が各端面2F上を転動する。
【0042】
本実施の形態では、各取付部11と本体10との間にレール2の底部2Bを挟み込むだけで簡単に本体10をレール2に取り付けることができる。この状態でレール2に対して本体10を移動させることにより、摺接部12をレール2の底部2Bの下面2Dに安定して摺接させることができるので、当該下面2D上の軌道パッド3を良好に剥離することができる。
【0043】
特に、各取付部11の取付軸13に対して回転部14を回転させるだけで簡単に本体10をレール2の底部2Bに取り付けることができる。すなわち、各回転部14を第2の位置とした状態で本体10をレール2の底部2Bの下面2Dに対向させ、この状態で各回転部14を第1の位置まで回転させることにより、各回転部14と本体10との間にレール2の底部2Bを簡単に挟み込むことができるので、使い勝手をより向上することができる。
【0044】
また、レール2に対して本体10を移動させたときに、各取付部11の回転部14に取り付けられた第1ベアリング21がレール2の底部2Bの上面2E上を転動するとともに、取付軸13に取り付けられた第2ベアリング22がレール2の底部2Bの左右各端面2F上を転動するので、よりスムーズに本体10を移動させることができる。これにより、レール2の底部2Bの下面2D上に付着している軌道パッド3を剥離する作業をより効率よく行うことができる。
【0045】
レール2の底部2Bの上面2Eには、IJ(接着絶縁継目)付近などにおいてボンド線が半田付けされる。レール2から軌道パッド3を剥離させる作業を行う際には、このようなボンド線は取り外されるが、レールの底部2Bの上面2Eに残った半田が当該上面2E上を第1ベアリング21が転動する際の障害となる場合がある。このような場合には、本体10をレール2から一旦取り外して、障害の前方で再びレール2に取り付ける作業を行う場合がある。このように、レール2から軌道パッド3を剥離する作業を行う際には、本体10をレール2に対して着脱しなければならない場合があるが、各取付部11の取付軸13に対して回転部14を回転させるだけで本体10をレール2に対して簡単に着脱できるような構成を採用することにより、作業をより効率よく行うことができる。
【0046】
本体10の前端部における左右両端部には、レール2に取り付けられた本体10を移動方向Aに移動させる際に作業者が把持する第1把持部23(図6及び図7を参照)をそれぞれ取り付けるための取付穴24が形成されている。これらの2つの取付穴24には、それぞれ別の第1把持部23を着脱することができる。ただし、第1把持部23は、本体10における中央部よりも摺接部12側に取り付けられるような構成であれば、本体10の前端部に限らず、本体10の中央部寄りに取り付けられてもよい。また、2つの第1把持部23が本体10に着脱可能な構成に限らず、第1把持部23が1つだけ設けられた構成や、第1把持部23が本体10に固定された構成を採用することも可能である。
【0047】
本体10の左端部の前後方向中央部には、本体10をレール2に取り付ける際に作業者が把持する第2把持部25が固定されている。また、本体10の右端部の前後方向中央部には、本体10をレール2に取り付ける際にレール2の底部2Bを係止させるための係止部26が形成されている。これらの第2把持部25及び係止部26は、鉄製の棒材が屈曲されることにより形成され、各端部が本体10に対して溶接されることにより固定されている。ただし、第2把持部25が本体10の右端部に設けられ、係止部26が本体10の左端部に設けられた構成であってもよい。また、第2把持部25及び係止部26は、本体10に固定された構成に限らず、本体10に対して着脱可能な構成であってもよい。
【0048】
第2把持部25はU字状に形成され、その両端部が本体10の左端面2Fに取り付けられている。一方、係止部26はL字状に形成され、その一端部が本体10の上面における右端部に取り付けられることにより、本体10の上面から上方に突出するように形成されている。ここで、係止部26は、本体10の上面から上方に突出する垂直部26Aと、垂直部26Aの上端から所定の角度θ3で傾斜した方向に延びる傾斜部26Bとが一体的に形成されることにより構成されている。上記θ3は105°程度であり、レール2の底部2Bにおける左右各端面2Fと上面2Eとがなす角とほぼ一致している。傾斜部26Bは、本体10の中央部側に向かって、本体10の移動方向Aに対して直交方向に延びており、傾斜部26Bの先端部は本体10が取り付けられるレール2の底部2Bの上方に対向する。
【0049】
このような構成により、本体10をレール2の底部2Bに取り付ける際には、係止部26の傾斜部26Bと本体10との間にレール2の底部2Bの右端部を挟み込むことにより、本体10をレール2の底部2Bに係止させることができる。この状態で、第2把持部25を把持して本体10がレール2の底部2Bに対向した状態を維持しつつ、各取付部11の回転部14を第2の位置から第1の位置へ回転させることにより、本体10をレール2に対してより簡単に取り付けることができる。なお、各取付部11の回転部14を第2の位置から第1の位置へ回転させた状態では、各第1ベアリング21の外周面がレール2の底部2Bの上面2Eに当接し、この状態では係止部26が当該上面2Eから離間するようになっている。
【0050】
図4は、取付部11に取り付けられる連結部材30の構成を示した図であり、(a)は側面図、(b)は底面図を示している。図5は、連結部材30が取り付けられた状態のレール用剥離装置1の平面図である。図4に示した連結部材30は、2つの取付部11の各回転部14を連結するためのものであり、図5に示すように、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11間、及び、本体10の右端部に設けられた2つの取付部11間にそれぞれ取り付けられる。
【0051】
連結部材30は、鉄板が屈曲されることによりL字状に形成され、取付部11に取り付けられた状態で本体10の上面に対して平行になる平行部31と、平行部31の左右一端辺から下方に突出する垂直部32とを有している。平行部31及び垂直部32は、それぞれ前後方向に長い長方形状に形成されている。垂直部32の下辺における前後両端部には、それぞれ同一形状からなる第1凹部33が形成されており、これらの第1凹部33に取付部11の回転部14を構成するボルト部17を係止させることができるようになっている。
【0052】
この連結部材30は、前後方向に対称な形状に形成されており、図5に示すように、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11間、及び、本体10の右端部に設けられた2つの取付部11間をそれぞれ共通の連結部材30を用いて連結することができるようになっている。すなわち、本体10の左側に取り付けられる連結部材30は、垂直部32が平行部31に対して左側に位置する状態で、当該垂直部32に形成された2つの第1凹部33が、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11の各回転部14を構成するボルト部17に係止される。一方、本体10の右側に取り付けられる連結部材30は、垂直部32が平行部31に対して右側に位置する状態で、当該垂直部32に形成された2つの第1凹部33が、本体10の右端部に設けられた2つの取付部11の各回転部14を構成するボルト部17に係止される。
【0053】
各連結部材30の2つの第1凹部33間の距離は、前後2つの取付部11の各回転部14が第1の位置にある状態における各ボルト部17間の距離と一致している。したがって、各連結部材30を用いて、前後2つの取付部11の各回転部14を第1の位置で連結することにより、それらの回転部14が第1の位置から回転するのを防止することができる。これにより、本体10がレール2の底部2Bから外れるのを防止して、当該底部2Bの下面2D上の軌道パッド3を良好に剥離することができる。
【0054】
連結部材30の垂直部32における平行部31が突出する側と反対側の面には、各第1凹部33を前後に挟む1対の係止部材34が、2つの第1凹部33にそれぞれ対応付けて2対設けられている。各係止部材34は、連結部材30の垂直部32に当接して結合される結合部34Aと、結合部34Aの一端辺から上記垂直部32と反対側に突出する突出部34Bとを有するL字状の部材からなる。各対の係止部材34は、その突出部34Bが垂直部32の第1凹部33を挟んで前後方向に所定の間隔で対向するように垂直部32に結合されている。互いに対向する突出部34Bの間隔は、取付軸13の頭部13Aの形状に対応しており、各連結部材30を前後2つの取付部11の各回転部14に取り付けた状態では、各対の係止部材34の突出部34B間に、それらの回転部14が取り付けられた取付軸13の頭部13Aが係止されるようになっている。これにより、連結部材30により連結された前後2つの取付部11の各回転部14をさらに回転しにくくすることができる。
【0055】
なお、各連結部材30の垂直部32の下辺における前後方向の中央部には、本体10に形成されている係止部26に干渉するのを防止するための第2凹部35が形成されている。また、各連結部材30の垂直部32の前後両端部には貫通穴36が形成されており、一方の貫通穴36にワイヤなどの接続部材(図示せず)の一端部を取り付け、その他端部を本体10の後端部における左右各端部に形成された貫通穴27に取り付けることにより、各連結部材30を本体10に接続することができるようになっている。
【0056】
この例では、製造コストを低減させるために、本体10の左端部に設けられた2つの取付部11間、及び、本体10の右端部に設けられた2つの取付部11間にそれぞれ取り付けられる連結部材30が、同一形状で形成された場合について説明した。しかし、このような構成に限らず、各連結部材30が異なる形状からなるような構成であってもよい。この場合、上記第2凹部35は、係止部26が形成されている本体10の右端部に取り付けられる連結部材30にのみ形成されていてもよい。また、接続部材を取り付けるための貫通穴36は、各連結部材30の一方の端部にのみ形成された構成であってもよい。
【0057】
図6及び図7は、軌道パッド3を交換する際の作業態様の一例を示した概略図であり、図6は枕木4から取り外したレール2にレール用剥離装置1を取り付けた状態を示す正面図、図7はレール2に取り付けたレール用剥離装置1を移動させる際の態様を示す側面図である。レール2と枕木4との間には、緩衝材としての軌道パッド3が挟み込まれており、レール2の底部2Bの左右両端部を枕木4に固定している二重ばね5を枕木4から取り外し、門型クレーン6を用いてレール2を吊り上げたときには、図6及び図7に示すようにレール2の底部2Bの下面2Dに軌道パッド3が付着した状態となる。
【0058】
レール用剥離装置1の本体10の前端部における左右両端部には、それぞれ鎖などの接続部材28を介して円環状の第1把持部23が取り付けられている。各接続部材28は、それぞれに接続されている第1把持部23を接触させることができる程度の長さを有しており、図7に示すように、2つの第1把持部23をレール2の上方で接触又は近接させた状態で同時に把持して本体10を移動させることができる。このようにして本体10を移動させることにより、摺接部12をレール2の底部2Bの下面2Dに摺接させて、当該下面2D上の軌道パッド3を剥離することができる。したがって、レール2に取り付けた本体10を移動させるといった簡単な作業でレール2の底部2Bの下面2D上に付着している軌道パッド3を剥離することができる。
【0059】
特に、接続部材28により本体10に接続された第1把持部23を把持して本体10を移動させることにより、図7に示すように腰を大きく曲げることなく作業を行うことができる。また、レール2には、複数の枕木4にそれぞれ対向する位置に軌道パッド3が取り付けられているため、比較的短い間隔、例えば600mm程度の間隔で複数の軌道パッド3が付着した状態となっているが、図7に示すように、レール2に取り付けた本体10を移動させるだけで、それらの複数の軌道パッド3を連続で剥離することができる。したがって、各軌道パッド3を個別に剥離する場合と比べて効率よく剥離することができる。
【0060】
第1把持部23は、本体10の前端部に取り付けられているため、図7に示すように、第1把持部23を把持し、本体10をレール2側に押し付けるように上方に力を加えつつ本体10を前方に移動させることにより、摺接部12をレール2の底部2Bの下面2Dに良好に摺接させ、当該下面2D上の軌道パッド3を良好に剥離することができる。特に、本体10の左右両端部に取り付けられた2つの第1把持部23を同時に把持して本体10を移動させることにより、摺接部12全体をレール2の底部2Bの下面2Dに対してより均一に摺接させることができる。
【0061】
なお、本体10に取り付けられた前後2対の取付部11のうち、後側の1対の取付部11における各取付軸13にワッシャーを挿通するなどして、レール2の底部2Bの下面2Dに対して本体10の後端部よりも前端部の方が近接するような構成としてもよい。このような構成によっても、摺接部12をレール2の底部2Bの下面2Dに良好に摺接させることができる。
【0062】
図7に示すように、レール2に取り付けた本体10を移動させて複数の軌道パッド3を連続で剥離する過程で、門型クレーン6を通過する際には、2つの第1把持部23をレール2の上方で接触又は近接させた状態のままでは通過することができない。このような場合には、図6に示すように、2つの第1把持部23を一旦離間させ、門型クレーン6よりも前方で2つの第1把持部23を再び接触又は近接させた後、これらの2つの第1把持部23を把持して本体10の移動を再開することにより、門型クレーン6を容易に通過することができる。
【0063】
上記実施の形態では、各取付部11が、ボルトからなる取付軸13に回転部14のナット部18が取り付けられるような構成について説明したが、このような構成に限らず、回転部に形成されたボルト部がナットからなる取付軸に取り付けられるような構成であってもよい。また、各取付部11には、第1ベアリング21及び第2ベアリング22の両方が設けられた構成に限らず、第1ベアリング21又は第2ベアリング22の一方のみが設けられた構成であってもよい。さらに、取付部11が本体10の前側及び後側に1対ずつ、計2対設けられた構成に限らず、取付部11が1対だけ設けられた構成であってもよいし、3対以上も受けられた構成であってもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、レール用剥離装置1の本体10に形成された摺接部12が、レール2の底部2Bの下面2Dに摺接するような構成について説明したが、このような構成に限らず、レール2の他の表面に摺接して、当該表面上の付着物を剥離するような構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態によるレール用剥離装置の一例を示した正面図である。
【図2】図1のレール用剥離装置の平面図である。
【図3】図1のレール用剥離装置の側面図である。
【図4】取付部に取り付けられる連結部材の構成を示した図であり、(a)は側面図、(b)は底面図を示している。
【図5】連結部材が取り付けられた状態のレール用剥離装置の平面図である。
【図6】軌道パッドを交換する際の作業態様の一例を示した概略図であり、枕木から取り外したレールにレール用剥離装置を取り付けた状態を示す正面図である。
【図7】軌道パッドを交換する際の作業態様の一例を示した概略図であり、レールに取り付けたレール用剥離装置を移動させる際の態様を示す側面図である。
【図8】車両用のレールの設置態様を示した正面図である。
【図9】図8に示したレール近傍の正面図である。
【図10】軌道パッドを交換する際の作業態様の一例を示した概略図である。
【符号の説明】
【0066】
1 レール用剥離装置
2 レール
2B 底部
3 軌道パッド
10 本体
11 取付部
12 摺接部
13 取付軸
14 回転部
17 ボルト部
18 ナット部
21 第1ベアリング
22 第2ベアリング
23 第1把持部
25 第2把持部
26 係止部
30 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のレールに対して着脱可能に取り付けられ、上記レールに平行な移動方向に沿って移動可能な本体と、
上記本体に形成され、上記移動方向に上記本体が移動することにより上記レールの表面に摺接し、当該表面上の付着物を剥離する摺接部とを備えたことを特徴とするレール用剥離装置。
【請求項2】
上記本体との間に上記レールの底部を挟み込むことにより上記本体を上記レールに取り付ける取付部を備え、
上記摺接部は、上記底部の下面に摺接することを特徴とする請求項1に記載のレール用剥離装置。
【請求項3】
上記取付部には、上記本体から上記レール側に突出する取付軸と、上記取付軸に対して回転可能に取り付けられ、上記レールに対向して上記本体との間に上記レールの底部を挟み込む第1の位置及び上記レールに対向しない第2の位置に回転可能な回転部とが備えられていることを特徴とする請求項2に記載のレール用剥離装置。
【請求項4】
上記取付軸又は上記回転部には、上記移動方向に直交する回転軸を中心に回転可能であり、上記本体の移動に伴って、上記レールの底部上を転動するベアリングが取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のレール用剥離装置。
【請求項5】
上記本体における中央部よりも上記摺接部側に取り付けられた第1把持部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレール用剥離装置。
【請求項6】
上記本体における上記移動方向に対して交差方向の一端部に形成された第2把持部と、
上記本体における上記交差方向の他端部に形成され、上記本体との間に上記レールの底部を挟み込むことにより上記本体を上記レールに係止させる係止部とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のレール用剥離装置。
【請求項7】
上記本体における上記移動方向に対して交差方向の両端部に設けられ、上記レールの底部の両端部を上記本体との間に挟み込む1対の上記取付部が、上記移動方向に並べて2対設けられ、
上記2対の取付部のうち上記本体における上記交差方向の一端部に設けられた2つの取付部の各回転部を上記第1の位置で連結する連結部材を備えたことを特徴とする請求項3に記載のレール用剥離装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−231748(P2008−231748A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71701(P2007−71701)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(591065848)名工建設株式会社 (15)
【Fターム(参考)】