説明

ロック式エアロゾルディスペンサ

【課題】ロック式エアロゾルディスペンサを提供することである。
【解決手段】下側部分に対して回転可能な上側部分を具備するエアロゾルバルブアクチュエータ。回転可能な位置で、上側部分全体が、バルブを駆動させるために垂直に押し下げ可能である。クリックポストとクリックリブとが、回転の各方向で只1つのクリック音を与える。上側部分及び下側部分のフランジは、各クリック音が生じるとすぐに回転を止めるように相互作用する。プラスチックばねが、上側部分が動作位置にあるときのみばね付勢部材と相互作用し、短いステムのバルブでさえも、駆動後、回転のための上向きの位置となるように、上側部分が戻るのを確実にする。下向きに延びた可撓性の接続フランジが、上側部分と下側部分とを接続する。上側部分は、駆動位置で、下側部分の側部のリブに重なるように、上向きに延びた複数の窪みを備えた下側周縁部を有する。上側部分と下側部分とは、上側部分を安定させ、かつ垂直に維持するための内部係合シリンダを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレードームディスペンサ、即ちアクチュエータとしばしば称されるタイプのプラスチックのエアロゾルディスペンサに関する。特に、本発明は、下側部分に装着され、エアロゾルバルブの駆動のための第1の動作位置と、エアロゾルバルブが駆動されることができない第2の非動作位置との間で、下側部分に対して回転可能な上側部分を有するこのようなディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロック式エアロゾルディスペンサは、以前から存在し、互いに複数の部分に関して多くの異なる構造のデザインを有する。これらデザインのいくつかは、モールド成形するにはかなり複雑であり、また、他のデザインは、非動作位置と動作位置との間で動作するために、使用者にとって好ましいよりも大きな力を必要とする。
【0003】
さらに、ロックが解除された位置において、他のデザインは、ステムの高さの通常の変化等により比較的短いステムの高さを有するエアロゾルバルブに対して使用されたとき、アクチュエータの上側部分を回転可能な位置へと上向きに適切に戻せない可能性がある。また、このようなデザインは、比較的短いステムの高さに対して使用されたとき、アクチュエータの上側部分と下側部分との間でがたがた動き、消費者に粗末さを感じさせる可能性がある。
【0004】
さらなるデザインは、作りが十分にしっかりしておらず、これらの部品の損傷や、誤用、操作、出荷等による過度の最大負荷による動作を受け易い。
【0005】
また、ロック式アクチュエータは、アクチュエータがロックされた位置又はロックが解除された位置へと回転されたかどうかを消費者に知らせるように、様々な形態のクリック音を出す機構(clicking mechanism)をしばしば組み込んでいる。しかし、このような機構は、しばしばかなり複雑であり、このような位置間で回転されたとき、複数のクリックに複数のクリック音を出す機構を与える可能性があり、この結果、消費者は、アクチュエータの状態及び動作に関して混乱する可能性がある。また、このような機構は、アクチュエータの複数の部品のかなりの角度の回転を含み、消費者をさらに混乱させる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上側部分と下側部分とを具備し、前記上側部分は、エアロゾルバルブを駆動させるための第1の位置と、エアロゾルバルブが駆動されることができない第2の位置との間で、前記下側部分に対して回転可能であるエアロゾルバルブアクチュエータを提供することを意図している。エアロゾルバルブは、下側部分に関する垂直方向のユニットとして、上側部分全体を押し下げることによって駆動される。クリックポストと可撓性のクリックリブとは、回転の各方向で複数のクリック音により消費者を困惑させ得るような混乱を与えないようにして、アクチュエータの回転位置を知らせるように、上側部分の回転の各方向で只1つのクリック音を与える。前記クリックポストは、前記クリックリブが回転の反対方向に向かってクリックポストの反対側を通過して、著しいクリック音を与える形態及びアライメントを有する。
【0007】
さらに、アクチュエータの下側部分の複数の停止フランジと、アクチュエータの上側部分の複数の接続フランジのための複数の支持フランジとが、回転の方向で只1つのクリック音が生じるとすぐに、この回転の方向の各々でアクチュエータの上側部分の回転を止めるように相互作用する。これは、消費者の混乱を避けるのを助け、分散させるための上側部分と下側部分とのアライメントを確実にする。
【0008】
さらに、アクチュエータの下側部分は、上側部分が第1の位置へと回転したときのみ、アクチュエータの上側部分から延びた複数のばね付勢部材と相互作用する複数のプラスチックばね部材を有する。この位置では、アクチュエータの上側部分と下側部分との間でがたがた動くのを防ぎ、短いステムの高さを有するエアロゾルバルブであっても、アクチュエータの上側部分が生成物を分散させる完全に上向きの位置に戻り、さらに、上側部分が非分散位置に回転されることができることを確実にするような非駆動の方法で、これらばね付勢部材が、前記複数のプラスチックばね部材に重なり、接触し、これらプラスチックばね部材をわずかに押し下げる。
【0009】
アクチュエータの上側部分は、アクチュエータの下側部分の構造の下で音を立てる(snap)ように、下向きに延びた複数の可撓性の接続フランジを有する。これら接続フランジは、複数の支持フランジによって、アクチュエータの上側部分に取着されており、各接続フランジの支持フランジは、上側部分の回転を終わらせるのを助けるように、上述の停止部材として機能する。また、アクチュエータの上側部分は、この上側部分に上向きに延びた複数の窪みに対する下側周縁部を有する。これら窪みは、アクチュエータの上側部分が分散させる前に駆動位置にあるときのみ、アクチュエータの下側部分で側部の複数のリブに重なる。そして、アクチュエータの上側部分の押し下げは、分散のためにアクチュエータの上側部分と下側部分とを位置調整する(align)ように、前記複数の窪みを複数のリブにそれぞれ配置する。また、アクチュエータの上側部分及び下側部分は、上側部分を安定させ、かつ垂直に維持するための複数の内部係合シリンダを有する。
【0010】
本発明の他の特徴部分並びに効果は、以下の説明、図面並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のロック式エアロゾルディスペンサの概略図である。
【図2】図2は、図1のディスペンサの上側部分及び下側部分に分離された側面図である。
【図3A】図3Aは、図1のディスペンサの上側部分及び下側部分に分離された状態を示す図であり、下側部分を上から見た上面図である。
【図3B】図3Bは、図1のディスペンサの上側部分及び下側部分に分離された状態を示す図であり、上側部分の下から見た底面図である。
【図4】図4は、図1の組立てられたディスペンサの断面図であり、ディスペンサの垂直な中央の軸を通る垂直な平面に沿って戻るように前方に受け、ロックが解除された駆動位置にあるアクチュエータを示す図である。
【図5】図5は、互いに組立てられたディスペンサの上側部分及び下側部分を図3Aの5−5線に沿って、図1の組立てられたディスペンサの断面図であり、ロックが解除された駆動位置にあるアクチュエータを示す図である。
【図6】図6は、ディスペンサがロックが解除された駆動位置にあるときの、図1の組立てられたディスペンサの底面図である。
【図7】図7は、ディスペンサがロックが解除された非駆動位置にあるときの、図1の組立てられたディスペンサの底面図である。
【図8】図8は、図4の8−8線に沿って、図1のディスペンサのクリック音を出す機構を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明のエアロゾルディスペンサ10が、組立てられ、ロックが解除された駆動位置で示されている。アクチュエータ10は、下側部分12に装着され、下側部分12に対して回転可能な上側部分11を有する。下側部分12は、直立したエアロゾルバルブステムを有するエアロゾル生成物(product)容器(図示されない)の上側に装着可能である。アクチュエータの上側部分11は、ディスペンサ10がロックが解除された駆動位置にあるとき、生成物のノズル14とアライメントされた前方開口部13を有する。上側部分11全体は、ディスペンサ10のロックが解除された駆動位置で、垂直なエアロゾルバルブステムとバルブとを駆動させるように、下側部分12に関するユニットとして垂直に押し下げられることができる。上側部分11が駆動位置から離れたわずかな回転距離だけ下側部分12に対して回転されたとき、上側部分11は、垂直に押し下げられることができず、かくして、エアロゾルバルブステムとバルブとは、駆動されることができない。
【0013】
図2、図3A並びに図3Bは、アクチュエータの上側部分11と下側部分12とが分離された状態で、図1のアクチュエータ10を示している。図3Bは、下側部分12から回転なく分離され、単に裏返しにされた上側部分11を示している。従って、図3Bの前方開口部13と図3Aのノズル14とは、同じ方向に面するように連続している。アクチュエータの上側部分11は、この上側部分の下側周縁部に、離間されかつ湾曲した複数の窪み20を有し、これら窪み20は、窪みの間に複数の周縁セグメント21を規定している(図2並びに図3B参照)。代わって、アクチュエータの下側部分12(図3A参照)は、下側周縁部26の周りに、離間され、内側に延びた複数のリブ25を有する。一例に過ぎないが、図3A並びに図3Bは、このような6つの湾曲した窪み20と、このような6つの周縁セグメント21と、このような6つのリブ25とを示している。分散させるとき、アクチュエータ10は、組立てられ、駆動位置にあり、上側部分11は、この上側を消費者の指によって垂直に押し下げられることができ、かくして、複数の湾曲した窪み20が、前記複数のリブ25に対して上から下へと下向きに動き、前記複数の周縁セグメント21が、これらリブ25の間にくる。これら窪み20の湾曲した部分は、分散位置を与えるために、互いに完全にアライメントされるように、これらリブ25と窪み20とを案内して、上側部分11と下側部分12とを完全に押し下げられた位置で安定させる。この位置では、エアロゾルバルブステムは、生成物を分散するように駆動される。組立てられたとき、分散アクチュエータ10は、非駆動位置にあり、前記複数の周縁セグメント21は、前記複数のリブ25の上側に位置しており、上側部分11は、エアロゾルバルブを駆動させるために垂直に押し下げられることができない。
【0014】
図2並びに図3Aを参照すると、アクチュエータの下側部分12は、内側の部分的なリング部材30と、直立した曲線のフェイスプレート31とを有し、ノズル14がこのフェイスプレート31から前方に開く。垂直かつ径方向内側に延びた翼フランジ35、36は、このフェイスプレート31の反対側の周辺端部と一体的な部材である(図5参照)。これら翼フランジ35、36は、以下で説明するようにして、アクチュエータの下側部分12の周りで、アクチュエータの上側部分11の回転に対する停止部材として機能する。また、ほぼ水平な可撓性の生成物チャネル40が、フェイスプレート31と一体的に装着され、このフェイスプレートから後方に延びており、アクチュエータの下側部分12がエアロゾル容器に装着されたとき、エアロゾルバルブステムの挿入のための基部の所に通常のソケット42を有する垂直な生成物チャネル41から反対側に延びている。シリンダ45は、上向きに延びているが、垂直な生成物チャネル41に対して閉じている。シリンダ45は、駆動位置においてアクチュエータの上側部分11により下向きに駆動されたとき、エアロゾルバルブを駆動させ、ノズル14を通して生成物を分散させるように、水平かつ垂直な生成物チャネル40、41を撓ませる。
【0015】
図2並びに図3Aを参照すると、可撓性のプラスチックばね部材48、49、50が、前記垂直な生成物チャネル41の反対側かつ後方に延びている。これらばね部材の機能が、以下でさらに説明される。これらばね部材の機能は、たとえ短いエアロゾルバルブステムであっても、駆動させる使用者が分散させるために上側部分11を押し下げるのを止めたとき、アクチュエータの上側部分11が完全に上側部分に戻ることを確実にすることである。
【0016】
なおも図2並びに図3Aを参照すると、アクチュエータの下側部分12の前記内側の部分的なリング部材30は、ノズル14に対向して直立したクリックポスト54を有する。このクリックポスト54は、以下で説明されるように、特定の方法で、アクチュエータの上側部分11のクリックリブと相互作用する。代わって、このクリックポストは、上側部分にあってもよく、また、クリックリブは、下側部分にあっても良い。クリックポスト54は、図3A並びに図8に示された平行四辺形の形状であることができ、クリックポストに剛性を与えるために、図2に示されているような厚くされた基部56を有することができる。また、クリックポスト54は、例えば楕円形を含む他の形状であっても良い。図3A並びに図4を参照すると、前記部分的なリング部材30は、外側周縁部から下向きに延びたスカート32と、このスカート32とアクチュエータの下側部分12の近くの下側周縁部26との間に延び、上で参照された複数のリブ25とを有する。スカート32の下側は、このスカートから内側に突出した複数の小さなフランジ33を有し、これらフランジは、エアロゾル生成物容器に装着されたエアロゾルバルブ装着カップ(図示されない)の外縁部の下をロックするように機能する。このようにして、アクチュエータの下側部分12が、エアロゾル容器に装着される。
【0017】
以上、アクチュエータの下側部分12の構造の詳細を説明してきたが、以下では、アクチュエータの上側部分11の内側の構造に関して、図3B、図4、図6並びに図7が参照される。アクチュエータの上側部分11をアクチュエータの下側部分12に接続するための可撓性の下側先端部を有する2つの完全に対向した曲線の接続フランジ55、56が、アクチュエータの上側部分の上壁から下向きに延びている。この下側先端部の接続フランジ55は、外向きかつ上向きのリブ57を有する。また、この下側先端部の接続フランジ56は、外向きかつ上向きのリブ58を有する。アクチュエータの上側部分11が、アクチュエータの2つの部分をロックするように、アクチュエータの下側部分12に接続されたとき、これらリブ57、58は、リング部材30の内縁30aの下で音を立てる。また、下向きに延びた接続フランジ55も、複数の支持フランジ63、64、65によって、上側部分の所でアクチュエータの内側壁11に取着される。また、下向きに延びた接続フランジ56も、複数の支持フランジ60、61、62によって、上側部分の所でアクチュエータの内側壁11に取着される。
【0018】
前記複数の支持フランジ63、60も、停止部材として機能する。図2、図3B、図5、図6並びに図7を参照すると、アクチュエータの上側部分11が下側部分12に対してロックされた位置からロックが解除された位置まで反時計回りに回転されたとき、支持フランジ/停止部材63は、さらなる反時計回りの回転を止めるように、アクチュエータの下側部分12の翼フランジ36に当接する。アクチュエータの上側部分11が下側部分に対してロックが解除された位置からロックされた位置に時計回りに回転されたとき、支持フランジ/停止部材60は、さらなる時計回りの回転を止めるように、アクチュエータの下側部分12の翼フランジ35に当接する。
【0019】
また、上側部分11の複数の周縁セグメント21は、わずかに内側に延び離間された複数のフランジ27を有する。これらフランジは、上側部分11と下側部分12とが組立てられたとき、下側部分12のわずかに外側に延びた複数のフランジ28を過ぎて音を立て、かくして、作りがしっかりした(robust)アセンブリを提供するのを助ける。
【0020】
本発明の只1つのクリック音を出す機能及び構造に戻ると、図3Bは、アクチュエータの上壁の部分11に取着され、この上壁の部分11から垂下している可撓性のクリックリブ70を示している。クリックリブ70は、両方向に対するアクチュエータの上側部分11の回転により、クリックポスト54を過ぎてクリックリブ70が動く度に、位置を知らせる只1つの著しいクリック音を生じることによって、可撓性のクリックポスト54と相互作用する(図2、図3A、図4並びに図8参照)。図8は、アクチュエータのロックが解除された位置でのクリックリブ70を実線で、アクチュエータのロックされた位置でのクリックリブ70を点線で、それぞれ示している。クリックリブ70の下側は、クリックポスト54の上側の下に延びており、クリックリブ70は、クリックポスト54と回転可能なようにアライメントされる(図4並びに図8参照)。図8に矢印で示される回転の方向に関して、クリックリブ70は、まず、クリックポスト54の表面54aに接触し(encounter)、表面54a、54bに沿って曲がり、滑り、同時に位置を知らせるクリック音を生じるように、点線の位置に配置される。回転の向きが図8の矢印に示される向きと反対であるとき、クリックリブ70(点線で示される)は、まず、クリックポスト54の表面54cに接触し、ポスト54の表面54c、54dに沿って曲がり、滑り、同時に位置を知らせるクリック音を生じるように、実線の位置に配置される。上述のようにして、只1つのクリックリブ70と只1つのクリックポスト54とが、アクチュエータのロックとロック解除との各々に対して只1つのクリック音を生じるように機能することが理解されることができる。図8において、クリックリブ70の実線及び点線の位置は、それぞれロックが解除された位置及びロックされた位置であり、上述の明確かつ分離した停止部材(63、36並びに60、35)が接触したとき、リブ70はすぐ近くのクリックポスト54にあり、それ故、アクチュエータの上側部分11のロックが解除された位置とロックされた位置との間の回転の角度は、かなり小さい。
【0021】
アクチュエータの上側部分11の残りの内側の構造に戻ると、図3B並びに図4において、アクチュエータの垂直軸線に対して中心が定められ、上壁の部分11から垂下しているシリンダ80が参照される。シリンダ80の内側には、上壁から垂下しているピン81があり、4つのスポーク82によりシリンダ80内に中心が定められている。アクチュエータの下側部分12内の直立したシリンダ45(図3A参照)は、組立て、回転及び分散動作時に、アクチュエータの上側部分11と下側部分12とのアライメントと垂直に維持することとを補助するように、上側部分11のシリンダ80内に上向きに延び、係合している(図4参照)。
【0022】
さらに、図3B並びに図4を参照すると、アクチュエータの上側部分11は、各々が十字のような部材の形態で上壁から下向きに延びた複数の駆動ばね付勢部材87、88、89を有する。ばね付勢部材87は、交差している径方向のリブ91と曲線のリブ94とからなる。ばね付勢部材88は、交差している径方向のリブ90と曲線のリブ93とからなる。さらに、ばね付勢部材89は、交差している径方向のリブ92と曲線のリブ95とからなる。これらばね付勢部材87、88、89の各々を形成している交差している径方向のリブ及び曲線のリブは、各ばね付勢部材に構造上の安定性を与えるように機能する。アクチュエータの上側部分11は、この位置を規定している上述の停止部材に対して動作位置へと回転されたとき、径方向のリブ90と曲線のリブ93の一部とが、プラスチックばね50の上に位置し、このばね50を下向きにわずかに付勢させる(図6、図4、図2並びに図3B参照)。また、径方向のリブ91と曲線のリブ94の一部とが、プラスチックばね48の上に位置し、このばね48を下向きにわずかに付勢させる。さらに、径方向のリブ92と曲線のリブ95の一部とが、プラスチックばね49の上に位置し、このばね49を下向きにわずかに付勢させる。これらばね付勢部材87、88、89は、上述されたように、プラスチックばねがエアロゾルバルブステムの高さの全範囲に亘ってわずかに押し下げられるように、プラスチックばね48、50、49に関して下向きの方向に対してサイズが設定されている。このようにして、駆動が起こっていないとき、プラスチックばねとばね付勢部材との間の確実な接触により、アクチュエータの上側部分11と下側部分12とは、互いにがたがた動かない。
【0023】
また、ばね付勢部材87、88、89並びにプラスチックばね48、50、49は、さらに異なる効果を奏する。駆動位置のアクチュエータの上側部分11が使用者により垂直下向きのユニットとして押し下げられたとき、エアロゾルバルブステムが、エアロゾルバルブを駆動させるように下向きに押し下げられ、既知の方法で生成物を分散する。使用者が上側部分11を下向きに押し下げるのを止めたとき、エアロゾルバルブ自体の従来の金属ばねは、代わって、垂直な生成物チャネル41、シリンダ45、かくしてアクチュエータの上側部分11を上向きに付勢するように、エアロゾルバルブステムを上向きに付勢することによって、アクチュエータの上側部分11を上向きに付勢するであろう。しかし、エアロゾルバルブステムがアクチュエータのソケット42に延びた短い軸であれば、プラスチックばね48、50、49がないバルブステムは、アクチュエータの上側部分11がロックが解除された位置からロックされた位置へと自由に回転される所に対して十分離れた所にアクチュエータの上側部分11を押し戻さない。しかし、プラスチックばね48、50、49の存在により、ばね付勢部材87、88、89がわずかに押し下げられたので、これらプラスチックばねは、より遠くに上向きに、ばね付勢部材87、88、89(かくして、アクチュエータの上側部分11)を付勢するので、短いエアロゾルバルブステムの高さであっても、上側部分11は、アクチュエータのロックが解除された位置からロックされた位置へと自由に回転される。
【0024】
アクチュエータの上側部分11がロックされた位置にあるとき、ばね付勢部材87、88、89は、じっとして(sit)おらず、ばね48、50、49をわずかに押し下げる。この位置は、図7の下向きに示されている。アクチュエータの通常の直立した位置(図1)では、アクチュエータの上側部分11が、ロックされた位置(図6)からロックが解除された位置(図7)に回転されるようにして、曲線のリブ94、93、95の各々が、これらの対向端で、アクチュエータの上側部分11に向かって湾曲している。曲線のリブの湾曲した端部は、プラスチックばね48、50、49の上側部分と接触し始め、ロックが解除された駆動位置への回転が完了したとき、プラスチックばね48、50、49と接触して、ばねをわずかに押し下げるように、ばね付勢部材87、88、89の十字形のような中心部を回転させる。これらプラスチックばね48、50、49の側面は、この面の振れ(camming)を補助するために斜角を付けられることができる。
【0025】
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、変形と変更との少なくとも一方が本発明に与えられることが当業者によって理解されるであろう。それ故、本実施の形態は、例示的であり、限定的ではないと考えられる。また、明細書で使用されている位置に関する用語は、図面に示される位置に関連して使用され、意図されており、限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル容器の上側にあるエアロゾルバルブを駆動させるためのエアロゾルアクチュエータであって、このアクチュエータは、
組み合わせられる上側部分と下側部分とを具備し、
前記下側部分は、エアロゾル容器に装着可能であり、
前記上側部分は、前記下側部分に装着され、また、
前記上側部分は、前記エアロゾルバルブを駆動させるための第1の位置と、このエアロゾルバルブが駆動されることができない第2の位置との間で、前記下側部分に対して回転可能であり、
前記下側部分は、クリックポストと可撓性のクリックリブとの一方を有し、
前記上側部分は、前記クリックポストと前記可撓性のクリックリブとの他方を有し、
前記クリックポストは、前記上側部分の第1の回転方向で、前記クリックポストの内側を通過するように、前記クリックリブと係合しかつこのクリックリブを内側に撓ませるための第1の面と、前記上側部分の第2の回転方向で、前記クリックポストの外側を通過するように、前記クリックリブと係合しかつこのクリックリブを外側に撓ませるための第2の面とを有し、
前記クリックリブは、このクリックリブと前記クリックポストとが互いに通過したとき、前記上側部分の回転の各方向の間、可聴のクリック音を生じるように、撓んだ位置から戻って音を立てる、エアロゾルアクチュエータ。
【請求項2】
前記クリックポストは、平行四辺形である請求項1のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項3】
前記上側部分の回転位置を知らせる只1つのクリック音のインジケータとして、回転の各方向の間、只1つの可聴のクリック音を与えるように、只1つのクリックポストと、只1つのクリックリブとを有する請求項1のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項4】
前記上側部分と前記下側部分とは、この上側部分の各方向に対して回転の制限を規定するように相互作用する複数の停止フランジをそれぞれ有し、
前記複数の停止フランジは、前記クリックリブと前記クリックポストとが互いに通過した位置で、両方向に対して回転を終わらせる請求項1のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項5】
アクチュエータの前記上側部分は、一体部材であり、
この上側部分は、前記第1の位置で前記エアロゾルバルブを駆動させるように、垂直方向に全体として押し下げ可能である請求項1のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項6】
エアロゾル容器の上側にあるエアロゾルバルブを駆動させるためのエアロゾルアクチュエータであって、このアクチュエータは、
組み合わせられる上側部分と下側部分とを具備し、
前記下側部分は、エアロゾル容器に装着可能であり、
前記上側部分は、前記下側部分に装着され、また、
前記上側部分は、前記エアロゾルバルブを駆動させるための第1の位置と、このエアロゾルバルブが駆動されることができない第2の位置との間で、前記下側部分に対して回転可能であり、
アクチュエータの前記上側部分は、一体部材であり、
この上側部分は、前記エアロゾルバルブを駆動させるように、前記第1の位置で垂直方向に全体として押し下げ可能であり、
前記下側部分は、前記エアロゾルバルブステムに一端側で接続可能な一体的な生成物チャネルと、他端側で生成物を排出するためのノズルとを有し、
アクチュエータの前記上側部分は、垂直に押し下げられたとき、前記エアロゾルバルブを駆動させるために、前記生成物チャネルを押し下げるように動作し、
前記生成物チャネルは、生成物チャネルと連結され、垂直方向に延びた複数の可撓性のばね部材を有し、
アクチュエータの前記上側部分が第1のバルブ駆動位置へと回転されたときのみ、アクチュエータの前記上側部分が、前記複数のばね部材に重なり、接触し、これらばね部材をわずかに押し下げる複数の対応するばね付勢部材を有し、
前記複数のばね部材は、アクチュエータの前記上側部分が、第1の回転位置にあるとき、アクチュエータの前記上側部分の上向きに付勢され、
前記生成物チャネルの部材は、引き続き生成物を分散するように、押し下げられていない位置に戻る、エアロゾルアクチュエータ。
【請求項7】
前記上側部分は、下向きに垂下しているシリンダを有し、
前記下側部分は、駆動時に前記上側部分を安定にさせ、かつ垂直に維持するのを補助するように、前記下向きに垂下しているシリンダ内に係合する上向きに延びたシリンダを有する請求項6のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項8】
エアロゾル容器の上側にあるエアロゾルバルブを駆動させるためのエアロゾルアクチュエータであって、このアクチュエータは、
組み合わせられる上側部分と下側部分とを具備し、
前記下側部分は、エアロゾル容器に装着可能であり、
前記上側部分は、前記下側部分に装着され、また、
前記上側部分は、前記エアロゾルバルブを駆動させるための第1の位置と、このエアロゾルバルブを駆動させることができない第2の位置との間で、前記下側部分に対して回転可能であり、
前記下側部分は、内側縁部を有する内側の部分的なリングを有し、
前記上側部分は、下向きに延びた複数の可撓性の接続フランジを有し、これら接続フランジは、このような接続フランジの各々の下側端部の近くで、外向きかつ上向きに向けられたリブを有し、
前記上向きに向けられた複数のリブは、アクチュエータの前記上側部分と前記下側部分とを接続するように、前記下側部分の前記部分的な内側リングの縁部の下に延びており、
前記下向きに延びた複数の接続フランジは、複数の支持フランジによって、アクチュエータの前記上側部分に取着されており、
各接続フランジの所定の支持フランジは、停止部材としても機能し、
アクチュエータの前記下側部分は、停止部材として機能する直立した垂直な複数の翼フランジを有し、
アクチュエータの前記上側部分及びアクチュエータの前記下側部分の所定の前記停止部材は、第1の駆動位置と第2の非駆動位置との間で、アクチュエータの前記上側部分の回転を終わらせるように動作する、エアロゾルアクチュエータ。
【請求項9】
アクチュエータの前記上側部分は、この上側部分に対して上向きに延びた複数の窪みを有する下側周縁部を有し、
アクチュエータの前記下側部分は、下側の壁から内側に延びた側部の複数のリブを有し、
前記複数の窪みは、前記上側部分が駆動位置にあるときのみ、前記複数のリブに重なり、前記上側部分を押し下げる駆動により、分散のためにアクチュエータの前記上側部分と前記下側部分とを位置調整するように、前記複数の窪みを前記複数のリブの上にそれぞれ位置させる請求項8のエアロゾルアクチュエータ。
【請求項10】
前記上側に延びた複数の窪みは、前記上側部分を押し下げる駆動の間、アクチュエータの前記上側部分と下側部分とを位置調整するのを容易にするように、下側から上側に複数の狭い引込部を有する請求項9のエアロゾルアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−236653(P2012−236653A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−177138(P2012−177138)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【分割の表示】特願2009−544934(P2009−544934)の分割
【原出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【出願人】(509190004)プレシジョン・バルブ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】