説明

ロッド/プレート前方システムを使用する脊柱変形矯正方法

脊柱変形部を治療する前方器具使用方法が、脊柱ロッド前方システムと、器具使用区間の頭方向端および尾方向端の脊椎上に取り付けられた1枚または2枚の脊椎プレートとの組合せを含む。変形部は、ロッド前方システムによる圧縮、伸延、および減捻によって矯正される。2枚の脊椎プレートは、頭方向端部および尾方向端部の脊椎が回旋して脊柱後弯になるのを防止するために、これらの端部脊椎にそれぞれ取り付けられる。何本かの海綿質ねじが、インプラントの不具合および矯正の喪失を防止するために、数カ所の固定点を頭方向端部および尾方向端部の脊椎上に設けるように、脊椎プレートを介してこれらの端部脊椎およびそれらに隣接する脊椎の中に螺入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭方向端および尾方向端の椎骨における2枚の脊椎プレートをロッド式前方システムと組み合わすことができる前方脊椎器具システム(ロッド/プレート前方システム)に関する。ロッド/プレート前方システムは、胸腰椎および腰椎の側弯症ならびに脊椎安定化を要する他の状態を外科的に処置するために用いるものである。
【背景技術】
【0002】
ドワイヤー(Dwyer)が、1969年に最初に前方脊椎固定のための脊椎器具システムを導入した。ドワイヤーのシステムは、ねじおよび柔軟なケーブルを使用するものであったが、このシステムは、一方の椎体を他方の椎体に押し付ける効果によって限定的な安定性を与えるだけであった。柔軟なケーブルは張力に耐えるのみであり、ドワイヤーのシステムは椎骨間を剛性連結できず、しばしばケーブルまたはねじの不具合を招いて爾後に偽関節症を伴うことになった。1976年に、ツィールケ(Zielke)がケーブルの代わりに小径ねじ付きロッドおよびナットを用いることによってドワイヤーのシステムを改良し、回旋矯正および脊柱後弯防止のために設計された減捻具を導入した。長年に亘って、胸腰椎および腰椎の側弯症を処置するためのツィールケ器具使用手法は、冠状湾曲の効果的な矯正能力、脊柱のより短い区間に器具を使用することによる変形矯正能力、およびその減捻能力の点で、ドワイヤーのシステムに対してかなりの利点を有することが認められた。しかし、ツィールケのシステムには、インプラント破損の高い発生率、矯正の喪失、脊柱後弯の進行、および相対的に小径のロッドの区間の剛性不足によって主として生じる偽関節症を伴うことが報告されてきた。
【0003】
1989年に、より大径の中実ロッドシステムがTSRHによって導入されると、より大径のロッドの適切な外形および回旋によって、器具使用区間の脊柱前弯を創出できるようになった。ドワイヤーまたはツィールケのシステムの長手部材の剛性よりも300%から400%剛性が増大した6.4mmのロッドが、外部から固定しなくても、矯正を維持しながら固定率を増大させるのに十分な剛性を与えることが想定された。しかし、このような器具使用によって処置された症例を調べると、ドワイヤーまたはツィールケに較べると改善は見られたが、前面および矢状面における矯正喪失の発生率は依然として許容できないものであった。
【0004】
幾人かの著者が、頭方向端の椎骨ねじおよび尾方向端の椎骨ねじの骨/ねじ境界面における、かなり大きな歪力を記述した。1本ロッド器具使用区間における矯正喪失および脊柱後弯は、特に、頭方向および尾方向の境界面における骨/ねじ境界面の弛みの結果として、恐らくは不十分な構造的剛性が原因で術後早期に生じたものである。剛性1本ロッドは、術後早期では変形脊柱の矯正に十分な安定性を与えることができる。しかし、それは日常活動の間に骨/ねじ境界面でそれぞれのねじの軸回りに椎骨が回旋するのを防止することができない。その理由は恐らく、中実1本ロッドシステムには、特に、器具使用区間の頭方向および尾方向の最端の椎骨において、それぞれの椎骨上に固定点が2つ存在しないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1996年に、カネダ(Kaneda)が、胸腰椎および腰椎の側弯症を処置するために、それぞれの椎骨上に2つの固定点を有する2本ロッド前方システム(KASS)を導入した。それは当該問題の解答であるように思われ、これらの端部の椎骨が回旋して脊柱後弯になるのを防止する。この技法は、早期の術後観察期間では良好な結果で推移した。しかし、このシステムは、高い突出輪郭を有し、しかも重度に変形した脊柱に応用することが難しいので、用いるには幾つかの制約がある。
【0006】
本発明者は、剛性1本ロッド構造を埋植するという相対的な容易さと、それぞれの端部の椎骨上の2つの固定点とを組み合わせるために、中実1本ロッド前方システム(TSRH)を改良し、しかも器具使用区間の頭方向端および尾方向端の椎骨における脊椎プレート固定を可能にするロッド/プレート前方システムを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、器具使用区間の頭方向端および尾方向端の椎骨で脊椎プレート固定を可能にするために剛性1本ロッド前方システムを改良したロッド/プレート脊柱前方器具システムを提供する。本開示は、骨インプラントの強度および安定性を増大させるために、ロッド式前方器具の相対的な利点をプレートと組み合わせる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、より少ない部品点数およびより低い輪郭、脊柱変形に対する適応性、重度変形脊柱に対するインプラントの応用容易性、最終ねじの尾方向の円板の楔状化および/または劣化を回避するための端部椎骨の調節容易性、胸椎から腰椎に及ぶ使用可能性、手術回数の削減、ならびに手術過程の簡素化を含めて、2本ロッド式システムに優る数多くの利点を提供する。
【0009】
好ましい実施形態では、本発明は凸側および凹側を有する脊柱の変形部を治療する前方脊椎器具取付け方法を含み、本方法は、
変形部の凸側で、2枚の脊椎プレートを頭方向端および尾方向端の椎骨にそれぞれ装着するステップと、
凸側の後方部分上にロッド前方システムを固定するステップと、を含む。2枚の脊椎プレートは、1本ロッド前方システムの椎骨ねじによって、頭方向最端および尾方向最端の椎骨上に装着され、脊柱の変形部は、ロッド前方システムの圧縮、伸延、および減捻によって矯正される。本方法は、ロッド脊椎器具に連結される脊椎プレートを介して、凸側の前方部分で、幾本かの海綿質ねじを頭方向端および尾方向端の椎骨およびそれらに隣接する椎骨の中に螺入するステップをさらに含み得る。
【0010】
この好ましい方法は少なくとも2つの椎骨を連結する「L字」形の脊椎プレートも含む。これは、第1の端部および第2の端部を備え、第1の端部は長手部分を有し、且つ2つの椎骨間を差し渡すのに十分な長さを有する。この長手部分は、プレートが椎骨に装着可能であるようにねじを受け入れるための一連の開口を有する細長い溝穴を有する。これらの開口は、所望の椎骨上に力伝達部材を位置決め可能にし、かつ脊椎プレートを異なる大きさの椎骨で使用可能にする。
【0011】
第2の端部は、長手部分に直角の横部分を有する。この横部分は、椎骨の横側と前/後方向で一体になる。上/下方向では、終板突起を回避し、かつプレートが骨に密着するようにプレートの厚さが小さくなる。横部分は、前方領域中に第1の穴を有し、かつ後方領域中に第2の穴を有する。第2の穴は上/下方向の中点に配置され、それは脊椎ねじが安全に中心位置にあることを示す。第1の穴は、中心に向かって角度が付けられ、大動脈の損傷および椎体前縁の破損を回避するためにねじを後方向に螺入できるようにする。2穴設計は、2本のねじと脊椎プレートの横部分との間で、椎骨中に安定した3角形ねじ構造を設ける。脊椎プレートが様々な脊柱変形部に対応できるように、脊椎プレートの長手部分と横部分との間は80°から100°までの様々な角度で設計される。脊椎プレートが少なくとも2つの椎骨間を差し渡すことができるように、脊椎プレートの長手部分は様々な長さで設計される。
【0012】
脊椎プレートは、その下側表面および上側表面では、脊椎に面する下側表面を有する。長手部分には、複数の細歯が溝穴に沿って形成される。これらの細歯は、脊椎プレートが椎骨に対して滑動するのを防止する。脊椎プレートは、それが解剖学的な最適取付けのために椎骨の解剖学的構造に一致し、かつ前/後方向の構造輪郭を最小化するように、横方向に形状がわずかに凹である。長手部分の上表面では、海綿質ねじ頭部の下部丸味表面と同じ角度で傾斜する斜めの上縁部分または外縁部分が溝穴に設けられる。海綿質ねじの下部丸味表面に係合するように、複数の凹部が斜めの縁部に設けられる。これらの凹部は、ねじが脊椎プレートに対して横移動しないようにねじを保持する。これらの凹部は、ねじ頭部の下部丸味表面と同じ挟角を有する円錐の一部を構成する表面によって画成される。横部分では、前方穴に斜めの上縁部分が設けられ、その縁部分はねじ頭部の下部丸味表面と同じ角度で傾斜する。横部分の上側表面は、それが椎骨の解剖学的構造と一致するように前/後方向に僅かに凸面である。
【0013】
海綿質ねじはまた、その上に海綿質ねじ山を有する骨係合部分と頭部とを具備し得る。頭部は、下部丸味表面および上部丸味表面を具備する。概ね円筒形の部分が、下部丸味表面と上部丸味表面とを分離する。ねじ頭部は工具係合凹部も具備する。工具係合凹部は任意適切な構成でよく、6角形、6耳状、または他の任意適切な構成を含む。ロッド前方システムは、TSRH、CDH、マイアミ(Miami)、または他のいずれかを含めて、任意適切な1本ロッド前方システムでよい。
【0014】
好ましい方法の実施では、脊椎プレートは、1対の同じような上下椎骨ステープルを介して少なくとも2つの椎骨を連結する長方形とすることができ、それは第1および第2の端部を有する。第1の端部は第1の穴を有し、第2の端部は細長いu字形溝穴を有する。このプレートはまた、下側表面(ねじに面する側)および上側表面(ワッシャーに面する側)を含む。下側表面で、第1の穴は、脊椎プレートが様々な角度配置で海綿質ねじに取り付き得るように、穴の回りに径方向へ延びる複数の細歯を画成する。上側表面で、細長いu字形溝穴は、脊椎プレートが矩形の細歯付きワッシャーを介して、隣接する骨ねじと適合するために可変位置で配置可能であるように複数の平行な細歯を画定する。このプレートを使用して、1対の同じような上下椎骨ステープルを器具使用区間の両端の椎骨に装着することができる。これらの椎骨ステープルは、後方穴および前方穴を有する。後方穴は前方ロッド式システムのねじを受け入れ、前方穴は脊椎プレートを固定するための海綿質ねじを受け入れる。椎骨ステープルは楔形であり、脊椎ねじによって1対の金属製の緊張ケーブルを椎骨に固定することが可能である。ステープルは3つの突出部を含むことが好ましい。1対の実質的に平行な、垂直にオフセットした薄板後方足部が、椎骨終板の中に挿入され、該後方足部の間の平行距離は、椎骨の両側を覆ってぴったりとフィットするようになっている。第3の突出部は、大動脈および胸/腹部器官の損傷を回避するためにステープルの中心部に配置される。ステープルは1対の脊椎ねじ受け穴をさらに具備し得る。後方穴は2つの後方ステープル足部間の中間部分に配置され、この穴は脊椎ねじを安全に中間部分に位置決めする。前方穴はステープルの前方部分の中心に向かって傾斜する。前方穴は、大動脈の損傷および椎体前縁の破損を回避するように、適切な梃子作用で幾何学的に前方ねじを後方に向けさせる。後方穴は、脊髄の損傷を回避するように、後方椎骨ねじを前方に向けさせる。2穴設計は、2本のねじとステープルとの間で椎骨中に安定性のある3角形ねじ構造を設ける。ステープルは、それが解剖学的に最適に取り付けられ、前/後方向の構造輪郭を最小にするために椎骨の解剖学的構造に一致するように、形状が僅かに凸である、一体の実質的に中実で楔形の薄板架橋部分をさらに含む。上/下方向の部分は、終板突起を回避しかつプレートが骨に密着するように、2つの後方足部よりも幅が狭い。
【0015】
ねじを螺入する穴を開けるべき型板として、椎骨ステープルは、ねじ引抜き力を増加し、ねじの移動およびねじの引抜きを防止する上で非常に効果的であることが分かっている。様々な寸法および形状は、側方プレートを腰椎または胸椎に取り付けできるように、椎骨の多様な解剖学的形状に対応する。
【0016】
好ましい方法では、海綿質ねじは、ステープルの前方穴を介して矩形の脊椎プレートを受けることができ、第1の端部および第2の端部を有する。第1の端部は螺入先端を有し、この螺入先端から海綿質のねじ山が第1の端部の実質的な部分に沿って延びる。第2の端部は、前記第1の端部から外向きに延びる突出軸として画成され、前記突出軸の少なくとも一部にねじ山が付けられている。この突出軸は、第1の端部と同じ直径を有する。第2の端部は工具係合凹部も具備する。この工具係合凹部は任意適切な構成でよく、6角形、6耳状、または他の任意の構成を含む。壁接合部が、第1の端部と第2の端部との間に形成される。海綿質ねじ最端部では、壁接合部の上表面に径方向の細歯が存在するが、隣接する海綿質ねじ最端部では、壁接合部の平滑な上表面が存在する。これらの径方向の細歯は、脊椎プレートを隣接する椎骨ねじに適合させる。
【0017】
好ましい方法は、矩形の細歯付きワッシャーが、複数の平行細歯によって画成された下側表面を有する矩形の細歯ワッシャーであり、このワッシャーが、前方ねじを固定するように側方プレートに取り付き得るようになっている実施形態も含み得る。上側表面は、締付けナットを受けるように平滑でよく、ワッシャーはさらに、このワッシャーの中心部に穴を具備し得る。矩形の脊椎プレートは、器具使用区間の頭方向椎骨から尾方向椎骨までもより多くの椎骨を網羅するのに十分な長さも有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】ロッド/プレート前方システムを備える胸腰脊椎を示す図である。
【図1b】ロッド/プレート前方システムを備える胸腰脊椎を示す図である。
【図2a】図1bに示した本発明の一実施形態に係るL字形脊椎プレートを示す上面図である。
【図2b】L字形脊椎プレートを示す底面図である。
【図2c】L字形脊椎プレートを示す正面図である。
【図2d】L字形脊椎プレートを示す側面図である。
【図2e】線1−1に沿って取り、矢印方向で眺めた図2−aのL字形脊椎プレートの断面図である。
【図2f】線2−2に沿って取り、矢印方向で眺めた図2−aのL字形脊椎プレートの側方断面図である。
【図3a】本発明で使用する海綿質骨ねじの一実施形態を示す側面図である。
【図3b】脊椎プレートと連結した図3aの骨ねじを示す断面図である。
【図4】図1−bの端部椎骨固定部を示す側方断面図であり、2本のねじと脊椎プレートの横断部分との間の、端部脊椎の安定した3角形構造を示す図である。
【図5】ロッド/プレート前方システムの別の実施形態を備える胸腰脊椎を示す図である。
【図6a】図5に示した本発明の一実施形態に係る矩形脊椎プレートを示す上面図である。
【図6b】矩形脊椎プレートを示す底面図である。
【図6c】矩形脊椎プレートを示す正面図である。
【図7a】図5に示した本発明の一実施形態に係る1対の椎骨ステープルを示す上面図である。
【図7b】椎骨ステープルを示す底面図である。
【図7c】7−aのステープルよりも輪郭が低い1対の椎骨ステープルを示す上面図である。
【図7d】椎骨ステープルを示す底面図である。
【図8a】図5に示した本発明の一実施形態に係る、細歯壁接合部を有する骨ねじの一実施形態を示す側面図である。
【図8b】図5に示した本発明の一実施形態に係る、平滑壁接合部を有する骨ねじの一実施形態を示す側面図である。
【図9a】図5に示した本発明の一実施形態に係る細歯付きワッシャーを示す上面図である。
【図9b】図5に示した本発明の一実施形態に係る細歯付きワッシャーを示す底面図である。
【図9c】図5に示した本発明の一実施形態に係る細歯付きワッシャーを示す正面図である。
【図10】図5に示した本発明の一実施形態に係る脊椎プレート、骨ねじ、ワッシャー、およびナットを示す図であり、脊椎プレートが、様々な角度配置でかつ隣接する骨ねじに適合するように様々な位置で骨ねじに取り付き得ることを示す図である。
【図11】図5と同じような別のロッド/プレート前方システムを備える胸腰脊椎を示す図である。
【図12】図5に示した実施形態よりも低い輪郭を有するロッド/プレート前方システムの別の実施形態を備える胸腰脊椎を示す図である。
【図13a】図13aは、矩形脊椎プレートを示す上面図である。
【図13b】矩形脊椎プレートを示す底面図である。
【図13c】矩形脊椎プレートを示す正面図である。
【図13d】図12に示した脊椎プレート連結部と共に骨ねじを示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸側および凹側を有する脊柱の変形部を治療する前方脊柱器具使用方法であって、前記方法は、
前記変形部の前記凸側で、2枚の脊椎プレートを頭方向端および尾方向端の椎骨にそれぞれ装着するステップと、
前記凸側の後方部分にロッド前方システムを固定するステップであって、前記1本ロッド前方システムの椎骨ねじによって、第1の脊椎プレートが頭方向最端の椎骨に装着され、かつ第2の脊椎プレートが尾方向最端の椎骨に装着される、ステップと、
前記ロッド前方システムの圧縮、伸延、および/または減捻によって、前記脊柱の前記変形部を矯正するステップと、
前記ロッド脊柱器具に連結される前記脊椎プレートを介して、前記凸側の前方部分で、複数の海綿質ねじを上記頭方向端および上記尾方向端の椎骨ならびにそれらに隣接する椎骨に螺入するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記脊椎プレートは、少なくとも2つの椎骨を連結するL字形であり、前記脊椎プレートは、
第1の端部、第2の端部、上記椎骨に面する下表面、ならびに上表面を有し、
前記第1の端部は長手部分を有し、且つ2つの椎骨間をさし渡すのに十分な長さを有し、前記長手部分は前記プレートが上記椎骨に装着可能であるようにねじを受け入れるための一連の開口を提供する細長い溝穴を具備し、前記開口は所望の前記椎骨上に前記ねじを位置決め可能にし且つ異なる大きさの椎骨に対応するように構成され、前記脊椎プレートが上記椎骨に対して滑動するのを防止するように構成された複数の細歯が、前記溝穴の底部分に沿って形成され、前記溝穴の斜めの上縁部分または下縁部分が海綿質ねじの頭部の下部丸味表面に共形であり、複数の凹部が、前記脊椎プレートに対して前記ねじが横方向に移動しないように効果的に保持するために、前記海綿質ねじの前記下部丸味表面に係合するように前記斜めの縁部に設けられ、前記凹部は、前記ねじの前記頭部の前記下部丸味表面と同じ挟角を有する円錐の一部を形成する表面によって画成され、
前記第2の端部は、使用時に前記椎骨の横側と前/後方向に嵌り合うように構成される横部分を有し、上/下方向では、終板突起を回避し、かつ前記プレートが前記骨に密着するように前記プレートの厚さが小さくされており、
前記横部分は前方領域中に第1の穴を有しかつ後方領域中に第2の穴を有しており、前記第2の穴は上/下方向の中点に配置され、前記第1の穴は中心に向かって角度が付けられ、使用時に大動脈の損傷および椎体前縁の破損を回避するためにねじを後方向に螺入できるようにして、2本のねじと前記脊椎プレートの前記横部分との間で、前記椎骨の中に安定性のある3角形ねじ構造が設けられており、
前記下表面は、それが解剖学的な最適な取付けのために椎骨の解剖学的構造に一致し、かつ前/後方向の構造輪郭を最小化するように、形状がわずかに凹面であり、
前記上表面の横部分は、ねじ頭部の下部丸味表面に共形である斜めの上縁部が構成された前方穴を形成し、前記横部分の前記上表面は、それが椎骨の解剖学的構造と一致するように前/後方向にわずかに凸面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記長手部分と前記横部分との間の角度が80°から100°である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記長手部分の前記長さは3つ以上の椎骨を差し渡すのに十分である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記海綿質ねじは、その上に海綿質ねじ山を有する骨係合部分と頭部とを具備し、
前記頭部は、下部丸味表面および上部丸味表面を有し、概ね円筒形部分が前記下部丸味部分と前記上部丸味部分とを分離し、また、前記頭部は工具係合凹部を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工具係合凹部は6角形または6耳状である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記脊椎プレートは、1対の同じような上下椎骨ステープルを介して少なくとも2つの椎骨を連結する、矩形形状に構成され、前記プレートは、
穴を形成する第1の端部および細長いu字形溝穴を形成する第2の端部と、
前記ねじに面するように構成された下表面およびワッシャーに面するように構成された上表面とを有し、前記下表面の前記穴の周辺部は、前記脊椎プレートが使用時に様々な角度配置で海綿質ねじに取り付き得るように前記穴の回りに径方向に延びる複数の細歯を有し、前記細長u字形溝穴の近傍の前記上表面は、矩形の細歯付きワッシャーを介して、隣接する骨ねじに適応するように、様々な位置に前記脊椎プレートを効果的に配置するために複数の平行な細歯が設けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1対の同じような上下椎骨ステープルが器具使用区間の両端の椎骨に装着され、前記椎骨ステープルは後方穴および前方穴を形成し、
前記後方穴は前記前方ロッド式システムのねじを受け入れるように構成され、かつ前記前方穴は前記脊椎プレートを固定するための海綿質ねじを受け入れるように構成され、
前記椎骨ステープルは、楔形であり、脊椎ねじによって1対の金属製の緊張ケーブルを椎骨に固定することが可能であり、
前記椎骨ステープルは2つの横方向に延びる部材を有し、該部材は相互に平行な関係で前記ステープルのそれぞれの側部から延び、前記第1の部材と前記第2の部材との間の距離は使用時に椎骨の両側を覆ってぴったりと嵌るように構成され、
前記椎骨ステープルは、前記第1および第2の部材に直角であり且つ使用時に大動脈および胸/腹部器官の損傷を回避するように前記ステープルの中心部分に配置された第3の部材を有し、
前記椎骨ステープルは、脊椎ねじを受け入れるように構成された前方穴および後方穴を形成し、前記後方穴は、前記第1の部材と前記第2の部材との間の前記ステープルの中心部分に形成され且つ前記ステープルの前方部分の中心に向かって傾斜しており、前記穴形成部分は、使用時に大動脈の損傷および椎体前縁の破損を回避するように、適切な梃子作用によって前方ねじを後方向に向けさせるように構成されており、前記後方穴形成部分は、使用時に脊髄に対する損傷を回避するように後方脊椎ねじを前方向に向けさせるように構成されており、前記前方穴および後方穴は、使用時に前記2本のねじと前記ステープルとの間で、前記椎骨に安定性のある3角形ねじ構造を設けるように構成され、
前記椎骨ステープルは、解剖学的な最適な取付けのために椎骨の解剖学的構造に一致し且つ前/後方向の構造輪郭を最小化するように構成された、形状がわずかに凸である、一体の、実質的に中実な楔形の薄板架橋部分を有し、前記上/下部分は、使用時に終板突起を回避しかつ前記プレートを前記骨に密着させるように、前記第1および第2の部材を接合する部分よりも幅が狭く構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記椎骨ステープルは腰椎に取り付けるように構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記椎骨ステープルは胸椎に取り付けるように構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記ステープルの前記前方穴に通して海綿質ねじを螺入するステップをさらに含み、前記海綿質ねじは、
第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は螺入先端を具備し、前記螺入先端から海綿質ねじ山が前記第1の端部の実質的な部分に沿って延び、前記第2の端部は、前記螺入先端とは反対の方向に前記第1の端部から延びる軸を有し、前記軸の少なくとも一部にねじ山が付けられ、前記軸の端部は工具係合凹部を備え、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成された壁接合部を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記壁接合部は、その上表面に径方向の細歯を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記工具係合凹部は6角形または6耳状である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記矩形の細歯付きワッシャーが、
前記前方ねじを固定するために前記側方プレートに取り付けるように構成された、複数の平行な細歯を有する下側表面と、
ナットを受けるように構成された上側表面と
を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、上側および下側の椎骨ステープルを使用しないで、少なくとも2つの椎骨を連結するように構成された矩形の脊椎プレートを有し、前記プレートは、
穴を有する第1の端部と骨ねじを受け入れるための一連の開口を形成する第2の端部とを有し、複数の細歯が前記プレートの底に沿って形成され、前記開口の上縁は海綿質ねじの頭部の下部丸味表面に共形になるように傾斜面にされる、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の部材および第2の部材はそれぞれ、使用時に椎骨の終板に挿入されるように構成された、オフセットされた薄板後方足部で終わる、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記後方穴は前記前方ロッド式システムのねじを受け入れ、前記前方穴は脊椎プレートを固定するための海綿質ねじを受け入れ、前記椎骨ステープルは楔形であり且つ脊椎ねじによって1対の金属製の緊張ケーブルを椎骨に固定することが可能であり、
前記第1の部材および第2の部材は、使用時に大動脈および胸/腹部器官の損傷を回避するように前記ステープルの中心部分に配置され、
前記後方穴は前記ステープル板の後方面のかど部分に配置され、前記前方穴は後方部分に向かって傾斜し且つ前記ステープル板の前方面に配置され、前記前方穴は、大動脈の損傷および椎体前縁の破損を回避するように、適切な梃子作用によって幾何学的に前方ねじを後方向に向かわせ、前記後方穴は、使用時に脊髄に対する損傷を回避するように、後方脊椎ねじを前方向に向かわせ、この2穴設計は、使用時に2本のねじと前記ステープルとの間で、前記椎骨の中に安定性のある3角形構造を提供し、
一体の実質的に中実で楔形の薄板架橋部分が、それが解剖学的に最適に取り付けられて前/後方向の構造輪郭を最小にするために、椎骨の解剖学的構造に一致するように、形状が僅かに凸である、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記ステープルは腰椎に取り付けられるように寸法決めされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステープルは胸椎に取り付けられるように寸法決めされる、請求項17に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【公表番号】特表2007−503928(P2007−503928A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525462(P2006−525462)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/028690
【国際公開番号】WO2005/023090
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】