説明

ローカルネットワーク機能を備えたPONシステム

PONシステムのための、PON端末(1)と通信するための、かつLAN(9)を介して通信するための、光ネットワーク装置(10)の発明である。第1モードにおいて、光ネットワーク装置(10)は、第1のファイバー(11)を介してPON端末(1)との通信のための双方向通信ポート(12)を使用する。第2モードにおいて、光ネットワーク装置(10)は、第2ファイバー(14)を介してLANトラフィックの送信のための第2送信ポート(13)を使用し、第1ポート(12)を通過するトラフィックを受信する。LANトラフィックがローカル光ネットワーク装置へのブロードキャストだけであって、PON端末(1)に送信されないように、第2ファイバー(14)を介する送信は、N×Nのローカルスターカプラ(5)に単一方向に入力される。単純なスイッチの配置(OSWI、OSW2)は、第1モード又は第2モードの動作の選択を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Passive Optical Network(PON)システム(すなわちPON fibre-in-the-loop(FITL)アーキテクチャに基づく光アクセスシステム)のための光ネットワーク装置(ONU: optical network unit)に関する。PONネットワークは、fibre-to-the building(FTTB)、fibre-to-the-curb(FTTC)及びfibre-to-the-home(FTTH)を可能にする。一般に、PONシステムは、中央局(central office)の光回線端末(OLT: optical line terminal)と、中央局から遠隔に位置する1×Nの光スターカプラ(optical star coupler)から構成され、かつフィーダーファイバー(feeder fibre)によって接続される。多数の顧客の光ネットワーク装置は、スターカプラの周辺に集中して分布しており、各々はシングルファイバーで接続されている。種々の転送方式(例えば同期デジタル階層(SDH: synchronous digital hierarchy)、時分割多重化(TDM: time division multiplexing)、非同期転送モード(ATM: asynchronous transport mode)及びイーサネット(登録商標))は、顧客と中央局の間でデータを転送するために利用されている。更なる態様において、本発明はPONシステムのための光スターカプラに関するものであり、PONシステムはそれ自体が端末とカプラと装置とを具備する。
【0002】
本願は、2004年9月7日にオーストラリアで出願された出願番号が2004905069の仮出願の優先権を主張する。オーストラリア出願の内容はこれを引用することによって本願明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
PON自体の中において新規にネットワークサービスを提供するとき、帯域幅の利用の点で、現在PONシステムはさほど効率的とはいえない。光ネットワーク装置に接続された顧客は、同じPONシステムによるサービスを受ける他の光ネットワーク装置に接続された顧客としばしば通信する。PONシステムによってサポートされる顧客グループまたは全ての顧客さえ、自分自身のローカルエリアネットワーク(LAN)が個人的なローカル通信の必要性に対応することを望む場合がある。この種のローカルネットワークの需要は、最近になってサービスプロバイダとイーサネット(登録商標)PON(EPON)開発者の双方によって認識され、必要な機能はEPON標準システムにおいて部分的に採用された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記標準化の結果として、データパケットは、最初に顧客のネットワーク装置から中央端末(central terminal)までの上り方向に配信される。その端末からパケットはブリッジやルータに転送される。同じPOM内でローカルな宛先アドレスを持ついかなるデータパケットも、顧客の光ネットワーク装置宛ての下り方向に戻ること、もしくはそのパケットが全てのネットワーク装置への下り方向にブロードキャストされること、を論理上採用している。光ネットワーク装置が宛先アドレスに基づいて入力されるパケットを選択するので、論理上のローカル通信チャンネルは媒体アクセス制御(MAC)層において確立される。この解決手段の欠点の1つは、そのローカルトラフィックが、他の下り方向への通信サービス(例えば、音声,インターネットアクセス及びビデオオンデマンド)に対して他に利用されるはずの帯域幅を消費するということである。
【0005】
現在までにこの課題に対する2つの解決手段が提案された。第1の解決手段は、1×Nのスターカプラの代わりのN×Nのスターカプラを利用し、かつ更に各光ネットワーク装置をスターカプラに接続するための2本のファイバーを利用する。一方のファイバーは上り方向アクセスとローカル通信のために用いられ、他方のファイバーは下り方向のトラフィックのために用いられる。その結果として、ローカルトラフィックはいかなる下り方向チャンネルの帯域幅も消費しない。衝突検出(CSMA/CD)MACプロトコルのキャリア−センスマルチプルアクセス(carrier-sense multiple access)がなされるときに、この解決手段は良く機能し、かつコストがかからない。
【0006】
第2の解決手段は、ローカル通信のためにのみ使用される特殊な波長の光を反射するために、スターカプラの近くのフィーダー上にファイバーブラッググレーティング(FBG: fibre Bragg grating)を挿入することによって、PON光ケーブルプラント上の光オーバレイネットワーク(optical overlay network)を設置することである。この方法は、各光ネットワーク装置で追加的な送信機を必要とし、かつスターカプラを介したダブルパス(double pass)のため高い分割損失(splitting loss)を受ける。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、現時点で想定されるPONシステムのための光ネットワーク装置であり、前記光ネットワーク装置は第1のファイバーを介した通信のための第1の双方向通信ポートを具備する。そして第2に、第2のファイバーを介したローカルトラフィックの送信用のポートを具備する。前記装置は、第1ポートを使ってPON端末と通信する第1モードと第2モードの両方で操作可能である。第2のモードにおいて、前記装置は、送信用の第2ポートと受信用の第1ポートを使用して、他の同様な動作中の光ネットワーク装置と通信する。
【0008】
本発明は、下り方向と上り方向の通信を提供し、加えて上りと下りの両方向の帯域幅を節約しながら、さほど追加的な分割の損失(splitting loss)を招くこと無しで、光ローカルエリアネットワークを提供する、PONシステムを具現化する。実際に、本発明の幾つかの実施例は、ネットワーク装置に対してローカル通信をしている間は下り方向の信号の全帯域幅を受信のために許可している。更に、ローカルエリアネットワークは、光学分野においてより広いPONシステムから完全に切り離され、いかなる漏洩問題も解決する。上り方向と下り方向の帯域幅の平均は、顧客の光ネットワーク装置がローカル通信をしている間に中央端末から切り離される状況において、増加することさえあり得る。また、いかなる送信方式やMACプロトコルをも適用でき、顧客により高い柔軟性を与える。更なる利点は、同じ送信機と受信機をPONの全体にわたって使用できるので、このように大量生産により単位原価を減らすことができる。
【0009】
光アイソレータ(optical isolator)は、第2のファイバー内で単一方向のトラフィックのみを確実にするために使用され得る。
【0010】
装置が第1モードで構成されるとき、異なる波長がPON内で上り方向と下り方向の通信のために使用される。第2モードにおいては、上り方向の波長がローカル通信のために使用されるか、または他の波長が利用される。
【0011】
一対の光スイッチが、例えば光学機械又は熱光学的に、第1モードと第2モードの間で切り替わるようにネットワーク装置において使用される。第1モードにおいて、第1スイッチは第1ポートを内部送信機と接続して構成され、かつ第2スイッチは第1ポートを内部受信機と接続して構成される。第2モードにおいては、両スイッチは構成を変えて、第1スイッチは第2ポートを送信機と接続し、かつ第2スイッチを介して第1ポートを受信機と接続する。このような実施形態では、第2モードにおいて、第2スイッチはまた、下り方向の通信の出力先を端末から変更する場合がある。例えば連続モード光受信機に。
【0012】
他の変形態様において、ある1つの光スイッチと2×1の光カプラが、第1と第2のモードとの間で切り替わるように光ネットワーク装置で使用される。第1モードにおいて、第1の構成のスイッチは、第1のポートを送信機に接続する。第2モードにおいて、第2の構成のスイッチは、第2ポートを送信機に接続する。両方のモードにおいて、2×1のカプラは、下り方向でかつローカルなトラフィックを、分離して処理する前にそれらを電気信号に変換する受信機へと通過させる。
【0013】
これらの実施例において、バーストモード受信機が光ネットワーク装置で使用される。
【0014】
別な変形態様において、低密度波長分割マルチプレクサは、付加的な波長チャネルを第2モードで作動するために設ける。この場合、別々の送信機と受信機が、各チャネルのために用いられる。
【0015】
別の態様において、本発明はPONシステムのための信号カプラであって、端末に接続されたフィーダーファイバーを持つ双方向通信のための第1の双方向通信ポートと、複数の各リモートユニットと通信する双方向通信のための他の双方向の通信ポートとを具備する。端末からの送信が全てのリモートユニットにブロードキャストされるように、前記カプラは第1モードで作動するが、リモートユニットからの送信は端末にだけ中継される。加えて、前記カプラは各々のリモートユニットのための更なる通信ポートを持つ。第2モードにおいて、前記カプラは、各々のリモートユニットとの間で、各々の更なる通信ポートと通信する双方向通信ポートとを介して、ローカルトラフィックの通信ために動作し得るが、端末へはローカルトラフィックの通信のために動作しない。
【0016】
更なる態様において、本発明は、信号カプラとリモートユニットの両方を具備するPONシステムである。
【0017】
更に別な実施形態において、本発明は、PONシステムのための光ネットワーク装置のデュアルモードの動作方法である。前記動作方法は、第1モードにおいて、光ネットワーク装置の第1ポートを介した送受信による、光ネットワーク装置とPON端末との間で通信するステップを具備する。前記動作方法は、第2モードにおいて、光ネットワーク装置の第2のポートを介した送信と第1のポートを介した受信による他の光ネットワーク装置との通信をするステップを具備する。
【0018】
本発明の実施例は、添付図面に符号を付して記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まずは図1について、光回線端末1(OLT)は、バーストモード(burst-mode)または連続モード(continuous mode)光送信機2(CMT)とバーストモード光受信機3(BMR)から構成される。低密度波長分割マルチプレクサ4(CWDM: coarse wavelength division multiplexer)は、光学的に上り方向と下り方向のチャネルを別々にするために用いられる。N×Nタイプの遠隔スターカプラ5(star coupler)は、その現場で、端末1と光ネットワーク装置10(ONU)との間の通信を提供する。
【0020】
光カプラ5の第1入力端子6は、端末からの下り方向のトラフィックと端末1へ戻る上り方向のトラフィックとの両方を実現する、フィーダーファイバー7によって端末1に接続される。対応する出力端子8は接続されず、反射を防止(anti-reflection)するようになっている。
【0021】
N−1他の出力端子9は、下りと上りの双方向通信のため、各々のファイバー11を介して、個々の光ネットワーク装置10に接続されている。第1通信ポート12は、この通信のために各ネットワーク装置10に設けられている。
【0022】
また、各ネットワーク装置10には、カプラ5のその他のN−1入力端子15の各々の1つに、第2ファイバー14を介して接続される第2通信ポート13が設けられている。光アイソレータ16(optical isolator)は、第2ポート13からの上り方向の単一方向の通信にトラフィックを制限するために、第2ファイバー14の各々に配置される。入力ポート15に届いたトラフィックは、ローカルエリアネットワークの中に導くポート8(隠されている)とポート9のみを除いて、ポート6には届かない。
【0023】
各ネットワーク装置10は、第1の通信ポート12と、2つの光スイッチ21(OSW1),22(OSW2)と、バーストモード送信機23(BMT)と、バーストモード受信機24(BMR)とに接続されたマルチプレクサ20をも備えている。その動作モードは、図2(a)から2(c)を引用して下記のように説明される。
【0024】
最初に図2(a)について、端末送信機2(CMT)は、波長がλで下り方向のパケットを送出する。この光信号は、全ての(N−1)光ネットワーク装置10(ONU#(N−1))にN通りに分割されかつブロードキャストされる。スイッチ22(OSW2)が遮断モード(bar mode)になるので、受信機24(BMR)は、端末1によって送信された光信号を受信することができ、かつそこに行くはずのオリジナルデータを回復できる。下り方向の送信は、本当の意味でbroadcast-and-selectである、通常の伝送スキーム(transport schemes)の使用を許す。
【0025】
ここで図2(b)について、ネットワーク装置の送信機23(BMT)は光信号を波長λで送出する。スイッチ21が交信状態(cross state)になるので、光信号は、N×Nのスターカプラ5の(N−1)出力ポート9のうちの1つに辿り着く前にマルチプレクサ20(CWDM)とポート12を介して通過する。光アイソレータ16は光信号に対して入力ポート15の通過を遮断するので、端末のマルチプレクサ4を通過した後に端末の受信機3によって受信されるようにフィーダーファイバー7を介しての伝播が可能なだけである。
【0026】
交信状態のスイッチ21と遮断状態(bar state)のスイッチ22により、PONシステムはまるで他の従来のPONシステムのようであり、それはいかなる伝送方式(transport schemes)もMACプロトコルも使用可能であることを意味する。
【0027】
図2(c)について、光スイッチ21(OSW1)と22(OSW2)は、ここで反転状態(opposite states)になる。現在遮断状態のスイッチ21は、ネットワーク装置の送信機23(BMT)から、第2通信ポート13とファイバー14と光アイソレータ16とを介して、N×Nのリモートスターカプラ5の入力ポート15を、波長λで光信号が通過することを可能にする。カプラ5で、信号はN通りに分割されると共に、出力ポート9を介して、全てのネットワーク装置10の第1通信ポートへ戻されて伝達される。各ネットワーク装置10で、信号は、ネットワーク装置のマルチプレクサ20を介してスイッチ21へ送り返される。スイッチ21が遮断状態において、全ての装置に対して、信号は、交信状態のスイッチ22を通過した後に、ネットワーク装置の受信機24(BMR)により受信される。その他の装置はこの信号を受信しない。
【0028】
いかなる下り方向の信号も端末1から波長λでスイッチ22に届くが、反射を防止するようになっているその他のポート25に送られる。そのため、ネットワーク装置の受信機24は、それ自身を含む全ての光ネットワーク装置10から光信号を受信するが、端末1からの光信号は受信しない。これは、各光ネットワーク装置10が、スイッチが図2(c)の状態にある一群の光ネットワーク装置10に向けて光信号を送信することを可能とする。その結果として、光スターネットワークは、関係するネットワーク装置10間で形成されると共に、これらネットワーク装置10が特定のMACプロトコルを介して互いに通信することを可能とする。この光スターネットワークは、より広いPONシステムから分離されるので、いかなるMACプロトコルも適用可能であり、プロトコルの選択において益々の柔軟性を与える。
【0029】
ここで図3について、顧客に応じて、付加的な連続モードの光受信機30(CMR)は、他のサービス(CATV、副搬送波の多重化(sub-carrier multiplexing)や他の手段を用いて送信された信号、又は目的物をモニタする信号)を受信するために、反射防止用の端子25の代わりに使用しても良い。例えば、端末1からリンクをセットアップするためのいかなる要求もチェックする。
【0030】
ここで図4(a)と4(b)について、代替手段の概要が図3に示された機能に対して提示される。アーキテクチャの全体は図1と同様であるが、スイッチ22が、図4(a)に示すように安価な2×1の光カプラ40と置換されるという点で異なっている。ネットワーク装置の受信機24(CMR)は、光の2つの波長を受信する。一方は端末1(OLT)からのλで、他方は他のネットワーク装置10(ONU)からのλである。
【0031】
受信機24の詳細な回路は、図4(b)により示される。ローカル通信(ネットワーク装置間での)の信号は、副搬送波多重化技術を用いて、電気的に上り方向の信号の上に重ねられる。ネットワーク装置10がローカル通信に使用されている間、送信機23は、実際には上り方向のデータを送信しないが、バーストモード又は連続モードで波長λのローカルデータのみを送信している。もし副搬送波の周波数が下り方向の信号帯域幅をはるかに越えている場合は、特定の電気フィルタが送信機で用いられるときに、両方の信号はお互いに干渉しない。光検出器41(PD)は、入力された混合した光信号を、その後プリアンプ42(preamplifier)によって増幅される電気信号に変換する。RFスプリッター43は、信号を2つの別な受信機44と45に入力するために利用される。受信機44は、連続的な下り方向の信号の受信用でありかつローパスフィルタ50(LPF)と、リミッター増幅器51(LA)と、クロック(clock)及びデータ回復モジュール52(CDR)と、から構成される。受信機45は、バーストモード又は連続モードローカル通信の信号の回復用でありかつバンドパスフィルタ55(BPF)と、ローカル発振器(LO)及びミキサー56(mixer)と、ローパスフィルタ57(LPF)と、別なクロック及びデータ回復モジュール58(CDR)と、から構成される。媒体アクセス制御(MAC)プロトコルに応じて、送信モードと副搬送波の数は変更される。図4(a)に示されるスキームについては、ネットワーク装置10は、端末1から下り方向のデータを受信している間、お互いに通信可能である。
【0032】
ここで図5について、代替的なPONシステムは、上記の記載と同程度の機能性を達成する。3つの多重化チャネルは、下り方向の信号51(1つの波長は1.5μm window:λ)と、上り方向の信号52(1つの波長は1.3μm window:λ)と、CATV信号53(別な波長はほぼ1.5μm window:λ)と、を配信するために利用されている。ローカル通信に用いられる追加的なチャンネル54(λ)は、実質的に更にフィルタコストを増加させることを見込んでいない。各チャネルに対して、送信機と受信機の別々の一対が使われる。このことは、記載を単純化するため図5には示されていない。矢印は光信号の流れを示す。図5の光アイソレータ16(ISO)は、ネットワーク装置10(ONU)から全てのネットワーク装置10への上り方向の信号がブロードキャストされることを防いで、違法な盗聴の可能性を効果的に回避する。アーキテクチャはN×Nのスターカプラ60を使用するので、ローカル通信信号54(λ)は一度だけカプラを通過して、分割の損失(splitting loss)を減らす。不使用ポート61は、反射を防止(anti-reflection)するようになっている。ローカル通信チャンネルが、低密度波長分割マルチプレクサ(CWDM)と、フィルタ及び光アイソレータと、を介して他のチャネルから完全に分離されるので、媒体アクセス制御プロトコルとデータレート(data rate)の選択は顧客の手中にある。
【0033】
多数の変形及び/又は修正が、本発明の思想または技術的範囲から逸脱することなく特定の実施形態に示すように、本発明になされ得るということを、この技術分野の当業者によって明らかである。それゆえ、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり限定的でないと考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】PONシステムの概略図である。
【図2(a)】図1のPONシステムの異なる動作モードを説明する図である。
【図2(b)】図1のPONシステムの異なる動作モードを説明する図である。
【図2(c)】図1のPONシステムの異なる動作モードを説明する図である。
【図3】PONシステムの変形例の概略図である。
【図4(a)】PONシステムの別な変形例の概略図である。
【図4(b)】図4(a)の受信機の回路図である。
【図5】本発明の代替的な実施例の概略図である。
【符号の説明】
【0035】
1 光回線端末(OLT)
2 光送信機(CMT)
3 光受信機(BMR)
4 マルチプレクサ(CWDM)
5 光カプラ
6 第1入力端子
7 フィーダーファイバー
8 出力端子
9 N−1個の他の出力端子
10 光ネットワーク装置(ONU)
11 第1ファイバー
12 第1ポート
13 第2ポート
14 第2ファイバー
15 入力ポート
16 光アイソレータ
20 マルチプレクサ(CWDM)
21,22 光スイッチ(OSW1,OSW2)
23 バーストモード送信機(BMT)
24 バーストモード受信機(BMR)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PONシステムのための光ネットワーク装置であって、
第1のファイバーを介した通信のための双方向通信用の第1のポートと、
第2のファイバーを介したローカルトラフィックの送信用の第2のポートと、を具備し、
前記装置は、前記第1のポートを使ってPON端末と通信する第1のモードと、前記装置が送信用に前記第2のポートと受信用に前記第1のポートとを使って他の同様な動作中の光ネットワーク装置と通信する第2のモードとの、両方で動作可能であることを特徴とする光ネットワーク装置。
【請求項2】
光アイソレータが、第2のファイバー内で単一方向トラフィックのみを確実にするために使用されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項3】
前記第1のモードにおいて、前記PON端末との上り方向と下り方向の通信のために異なる波長が使用されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ネットワーク装置。
【請求項4】
前記第2のモードにおいて、前記PON端末との上り方向の通信ために使用される前記波長は、ローカル通信のために使用されることを特徴とする請求項3に記載の光ネットワーク装置。
【請求項5】
前記第1モードと前記第2モードとの間を切り替えるための第1の光スイッチと第2の光スイッチを更に具備することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光ネットワーク装置。
【請求項6】
前記第1のモードにおいて、前記第1のスイッチは前記第1のポートを前記光ネットワーク装置の送信機に接続するように構成され、かつ第2のスイッチは前記第1のポートを前記光ネットワーク装置の受信機に接続するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の光ネットワーク装置。
【請求項7】
前記第2のモードにおいて、第1のスイッチが第2のポートを前記送信機と接続し、かつ第2のスイッチを介して第1のポートを前記受信機と接続するように、両スイッチが構成を変更することを特徴とする請求項6に記載の光ネットワーク装置。
【請求項8】
前記第2のモードにおいて、前記第2のスイッチは、前記PON端末から連続モード光受信機へと下り方向の通信の出力先を変更することを特徴とする請求項7に記載の光ネットワーク装置。
【請求項9】
前記第1のモードと前記第2のモードとの間を切り替えるための光スイッチと2×1の光カプラと、を更に具備することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光ネットワーク装置。
【請求項10】
前記第1のモードにおいて、前記第1の構成のスイッチは前記第1のポートを送信機に接続し、前記第2のモードにおいて、前記第2の構成のスイッチは前記第2のポートを前記送信機に接続し、両方のモードにおいて、前記2×1のカプラは下り方向でかつローカルなトラフィックを前記光ネットワーク装置の受信機へと通過させることを特徴とする請求項9に記載の光ネットワーク装置。
【請求項11】
前記受信機は、前記トラフィックを分離してかつして処理する前に下り方向でかつローカルなトラフィックを電気信号に変換することを特徴とする請求項10に記載の光ネットワーク装置。
【請求項12】
バーストモード受信機を具備することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光ネットワーク装置。
【請求項13】
前記第2のモードにおいて、動作のための付加的な波長チャネルを設けるために少なくとも一つの低密度波長分割マルチプレクサを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項14】
個別の送信機と受信機が各チャネルに対して使用されることを特徴とする請求項13に記載の光ネットワーク装置。
【請求項15】
PONシステムのための信号カプラであって、
端末に接続されたフィーダーファイバーを持つ双方向通信のための第1の双方向通信ポートと、
複数の各リモートユニットと通信する双方向通信のための他の双方向の通信ポートと、を具備し、
第1のモードにおいて、前記端末からの送信が全てのリモートユニットにブロードキャストされるように前記カプラは動作するが、前記リモートユニットからの送信は前記端末にだけ中継され、加えて前記カプラは各々のリモートユニットのための更なる通信ポートを持ち、
第2モードにおいて、前記カプラは、各々のリモートユニットの間で、各々の更なる通信ポートと通信する双方向通信ポートとを介して、ローカルトラフィックの通信のために動作し得るが、前記端末へはローカルトラフィックの通信のために動作しないことを特徴とする信号カプラ。
【請求項16】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の複数の光ネットワーク装置と、請求項15に記載の信号カプラの両方を具備するPONシステム。
【請求項17】
PONシステムのための光ネットワーク装置のデュアルモードでの動作方法であって、
第1のモードにおいて、第1のファイバーを介して前記光ネットワーク装置の第1のポートを通過して送受信することによって、前記光ネットワーク装置とPON端末との間で通信するステップと、
第2のモードにおいて、第2のファイバーを介して前記光ネットワーク装置の第2のポートを通過して送信し、かつ前記第1のファイバーを介して前記第1のポートを通過して受信する、ことによって他の光ネットワーク装置と通信するステップと、
を具備することを特徴とする動作方法。
【請求項18】
第2のファイバーで単一方向のトラフィックのみを確実にするために光アイソレータを設けることを特徴とする請求項17に記載の動作方法。
【請求項19】
前記第1のモードにおいて、前記PON端末との上り方向と下り方向の通信のために異なる波長が使用されることを特徴とする請求項17又は18に記載の動作方法。
【請求項20】
前記第2のモードにおいて、前記PON端末との上り方向の通信ために使用される前記波長は、ローカル通信のために使用されることを特徴とする請求項19に記載の動作方法。
【請求項21】
前記第1モードと前記第2モードとの間を切り替えるための第1の光スイッチと第2の光スイッチを設けることを特徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の動作方法。
【請求項22】
前記第1のモードにおいて、前記光ネットワーク装置の送信機に前記第1のポートを接続するように前記第1のスイッチを構成し、かつ前記光ネットワーク装置の受信機に前記第1のポートを接続するように第2のスイッチを構成することを特徴とする請求項21に記載の動作方法。
【請求項23】
前記第2のモードにおいて、第1のスイッチが第2のポートを送信機と接続し、かつ第2のスイッチを介して第1のポートを受信機と接続するように、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチを再構成することを特徴とする請求項22に記載の動作方法。
【請求項24】
前記第2のモードにおいて、前記第2のスイッチは、前記PON端末から連続モード光受信機へと下り方向の通信の出力先を変更することを特徴とする請求項23に記載の動作方法。
【請求項25】
前記第1のモードと前記第2のモードとの間を切り替えるための光スイッチと2×1の光カプラを設けることを特徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の動作方法。
【請求項26】
前記第1のモードにおいて、前記第1のポートを前記送信機に接続するように前記スイッチを構成し、前記第2のモードにおいて、前記第2のポートを前記送信機に接続するように前記のスイッチを構成し、両方のモードにおいて、前記2×1のカプラは下り方向でかつローカルなトラフィックを前記光ネットワーク装置の受信機へと通過させることを特徴とする請求項25に記載の動作方法。
【請求項27】
前記受信機は、前記トラフィックを分離しかつ処理する前に下り方向でかつローカルなトラフィックを電気信号に変換することを特徴とする請求項26に記載の動作方法。
【請求項28】
バーストモード受信機で受信するバーストモードを有することを特徴とする請求項17乃至27の何れか1項に記載の動作方法。
【請求項29】
少なくとも一つの低密度波長分割マルチプレクサを使用することにより前記第2のモードで動作するための付加的な波長チャネルを設けることを特徴とする請求項17に記載の動作方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−512905(P2008−512905A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530542(P2007−530542)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/AU2005/001355
【国際公開番号】WO2006/026813
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507074133)ナショナル・アイシーティ・オーストラリア・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】