説明

ロータを磁気的に浮上させるための装置

【課題】構造体(20)にロータ(10)を磁気的に浮上させるための装置
【解決手段】この装置は、アーマチュア(11)に面して位置された負荷支持面(45,46)を有する第1のステータ(42)内に配設された主電磁コイル(43)を備えた少なくとも1つの駆動アキシアル磁気ベアリング(40)を有している。ロータの軸方向の位置を検出するためのディバイス(35)が、主電磁コイルを流れる電流をサーボ制御するための回路と関連付けられている。補償コイル(47)が、主電磁コイル近くで、前記負荷支持面から離れた位置に配設されている。この補償コイルは、主電磁コイルと直列に接続されているが、主電磁コイルを流れる電流とは反対の方向に電流が流れる。この装置は、磁気漏れを起こすことなく、最も好ましい容量のアキシアルベアリングを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体に対してロータを磁気的に支持させるための装置に関する。この装置は、構造体に取着された第1のステータ内に配設されている主電磁コイルを有し、前記ステータは、ロータの軸に対してほぼ垂直に延び、かつ自由な外周面を与えている第1のロータアーマチュアに面して位置された負荷支持面を有する、少なくとも1つの駆動アキシアル磁気ベアリングと、ロータの軸方向の位置を検出するためのディバイスと、主電磁コイルへと流れる電流をサーボ制御するための回路とを備えている。
【背景技術】
【0002】
このタイプの装置は、例えば図7に示されているようにすでに知られている。この装置は、コイル123を中に受けるための、ロータ10の軸と同軸の環状ハウジングを構成している強磁性体のステータ122を有するアキシアルベアリング120を備えている。コイル123が中に配設されたハウジングの両側に位置されたステータ122の駆動面125,126は、ロータ10に取着され、かつこのロータ10の軸に対してほぼ垂直なディスク形状のアーマチュア11と共動する。また、誘導、光学、若しくは静電タイプであり得るセンサ35が、ステータ122に対するロータアーマチュア11の位置を検出して、信号をサーボ制御回路(図示されず)に伝送するように、前記アキシアルベアリング120と関連付けられている。このサーボ制御回路は、ステータ122の駆動面125,126が、引張り力をアーマチュア11に与えて、安定な軸方向の位置にアーマチュアを保持し得るように磁場を形成するために、コイル123に電力を供給する。同じタイプのアキシアルベアリングが、また、ロータ10の軸に対して垂直な前記アーマチュア11の第2の平面に引張り力を与えるように、アーマチュア11に対して対称に配設されることができる。
【0003】
前記ステータ122が取着された構造体20は、前記アキシアルベアリング120近くに配設されたラジアル磁気ベアリング30のための支持体としても機能することができる。
【0004】
前記駆動ラジアル磁気ベアリング30は、前記構造体20に取着されたラミネート状の強磁性体のステータ31を有することができる。このステータは、接続ワイヤー33により電源とサーボ制御回路(図示されず)とに接続された電磁巻線32を有している。ラジアル磁気ベアリング30は、ロータ10に装着され、かくしてロータ10と同軸なラミネート状の磁性体で同様に形成された環状のアーマチュア34を更に有している。検出器35は、ロータ10の径方向の位置を検出する。この検出器は、この検出器35に面したロータ10の外面の基準面36の径方向の位置を検出するように、ラジアルベアリング30近くで、前記構造体20に取着された支持体に配設されることができる。誘導、静電、若しくは光学タイプであり得る検出器35からの信号は、前記電磁巻線32に供給される電流をサーボ制御するための回路に与えられる。図7の例において、静電タイプの検出器35は、軸方向と、互いに直交した2つの径方向とにおけるロータ10の位置を検出するように機能する。前記磁性の基準面36は、軸方向で、非磁性体の2つの面間に狭持されている。
【0005】
前記アキシアル磁気ベアリング120内に1つのコイル123のみを使用している図7の装置において、所定の外径のロータアーマチュア11にとって、最大の負荷支持領域は、コイル123用のハウジングの両側に位置された駆動面125,126と、これら駆動面に面して位置されたロータアーマチュア11の平面との間に得られる。
【0006】
しかし、前記コイル123は、ラジアル磁気ベアリング30のステータと、位置検出器35のステータと、ロータアーマチュア34,11並びに基準面36と、シャフト10とを通る、ゼロでない磁束の循環の回路101,102を形成している。
【0007】
より詳細には、前記回路101は、ラジアルベアリング30を励磁し、従って、ラジアルベアリングの機能(capacity)のロスを生じさせ、径方向の力と軸方向の力との間にカップリングを生じさせる。
【0008】
前記回路102は、位置センサを励磁し、位置センサの感度のロスを生じさせ、測定値と軸方向の力との間にカップリングを生じさせる。
【0009】
かくして、図7に示されている装置は、かなりの量の磁気漏れを生じさせるという主な欠点がある。
【0010】
このような問題を改善して、アキシアルベアリングを構成している磁気ベアリングの周りを励磁させるのを防止するために、図8に示されている解決策が提案されている。この図では、変更のないロータ10と構造体20とラジアル磁気ベアリング30との部材が、同じ参照符号を有し、再び説明されることはない。
【0011】
図8の装置で提案された解決策において、アキシアル磁気ベアリング220は、コイル223,228を受けるための、ロータ10の軸と同軸の2つの環状のハウジングが設けられたステータ222を有している。
【0012】
偶数のコイル223,228を使用して、コイル223を流れる電流とは反対の方向へとコイル228に電流を流すことにより、コイル223,228を囲んでいる各閉じたアウトライン(closed outline)201,202が、ゼロの励磁をすることを確実にすることができる。
【0013】
かくして、図8に示されている解決策は、アキシアルベアリング220の周りが、このアキシアルベアリングのコイルにより発生される励磁により磁化されるのを防止することを可能にしている。これは、磁化が、ラジアルベアリング30、位置センサ35、若しくはアキシアルベアリングの周りの全体を妨害するのを防止している。
【0014】
しかし、2つの開成ハウジング内に配設された2つのコイル223,228を使用するという事実によれば、アーマチュア11と共動する駆動面225,226,227の領域を減じ、従って、所定の径のディスク形状のアーマチュア11における負荷支持領域を減少させる。残念ながら、様々な適用において、ロータの回転スピードが速い場合、ある程度の範囲を超えて、アキシアルベアリングでのロータアーマチュアの径を大きくすることは不可能である。この結果、アキシアルベアリング内に複数のコイルを組み込むことは、残りの駆動面の領域がもはや十分な大きさではなく、従ってアキシアルベアリングの機能を制限するため、問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述された欠点をなくして所定の容量が最小の径の磁気ベアリングを提供することを求め、機械へのループ状の磁気漏れを生じさせることと、ロータを磁気的に浮上さるための装置のアキシアル磁気ベアリング近くに位置された他の装置の適切な動作を妨げるという副作用をもたらすリスク与えることとを回避している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に従えば、これら目的は、ロータを構造体に対して磁気的に支持させるための装置により達成される。この装置は、構造体に取着された第1のステータ内に配設された主電磁コイルを有し、前記ステータは、ロータの軸に対してほぼ垂直に延びている第1のロータアーマチュアに面して位置された負荷支持面を有し、前記ロータアーマチュアは、自由な外周面を構成している、少なくとも1つの駆動アキシアル磁気ベアリングと、前記ロータの軸方向の位置を検出するためのディバイスと、前記主電磁コイルを流れる電流をサーボ制御するための回路とを有している。この装置は、主電磁コイル近くで、前記第1のロータアーマチュアと共動する第1のステータの負荷支持面から離れたところの位置に配設された補償コイルをさらに有し、この補償コイルは、主電磁コイルと直列に接続され、主電磁コイルを流れる電流とは反対の方向に電流が流れることを特徴としている。
【0017】
第1の特別な実施形態において、前記補償コイルは、第1のステータの外周壁に配設され、第1のロータアーマチュアの自由な外周面を越えて位置されている。
【0018】
他の特別な実施形態において、前記補償コイルは、第1のステータの内周壁に配設され、ロータに接続された第1のロータアーマチュアの基体に面して位置されている。
【0019】
更に他の特別な実施形態において、前記補償コイルは、第1のロータアーマチュアとは反対側の第1のステータのほぼ径方向の壁に配設されている。
【0020】
前記補償コイルと、駆動アキシアル磁気ベアリングの主コイルとは、同軸である。
【0021】
好ましくは、本発明の装置は、前記駆動アキシアル磁気ベアリング近くに配設された少なくとも1つの駆動ラジアル磁気ベアリングを有し、前記駆動ラジアル磁気ベアリングは、前記構造体に取着され、かつ電磁巻線が設けられた第2のステータと、ロータの軸と同軸の筒状の第2のロータアーマチュアとを有している。この装置は、また、ロータの径方向の位置を検出するためのディバイスと、第2のステータの前記電磁巻線を流れる電流をサーボ制御するための回路とをさらに有している。
【0022】
より詳細には、本発明の一態様において、ロータの径方向の位置を検出するためのディバイスは、第2のステータと第1のステータとの間に狭持された少なくとも1つのセンサを有している。
【0023】
この装置は、駆動アキシアル磁気ベアリング近くにロータを駆動させるための電気モータを更に有することができる。
【0024】
一般に、本発明の装置は、大きな容量を有し、かつ磁気漏れを起こさないアキシアル磁気ベアリングを有する磁気浮上装置を提供することを可能にしている。
【0025】
本発明の他の特徴並びに効果は、添付図面を参照して与えられた特定の実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、ロータ10を磁気的に浮上させて支持させるための装置の一実施形態を示している。この装置は、ロータ10を固定構造体20に接触させることなく支持することを可能にする駆動アキシアル磁気ベアリング40と駆動ラジアル磁気ベアリング30とを実質的に有している。
【0027】
図1は、前記アキシアル磁気ベアリング40近くに配設された1つだけのラジアル磁気ベアリング30を示している。しかし、ラジアルベアリング30と任意に同じタイプであり得る第2のラジアル磁気ベアリング70が、ロータが径方向に十分に保持されることを確実にするために、ラジアルベアリング30から所定の距離のところで、前記ロータ10の他の部分近くに通常配設されている(図3並びに4を見よ)。
【0028】
前記アキシアルベアリング40に類似した第2のアキシアル磁気ベアリングが、また、ロータ10の軸に対して垂直なディスクの形状に形成されたロータアーマチュア11に関して対称に、アキシアルベアリング40近くに配設されることができる。このような状況においては、前記第1のアキシアルベアリング40は、ロータアーマチュア11の第1の前面111と共動し、一方、第2のアキシアルベアリング50は、ロータアーマチュア11の第2の前面112と共動している(図3)。
【0029】
可能な他の実施形態では、磁気浮上装置全体は、ロータ10の各端部近くに、それぞれのラジアルベアリング30又は70と、それぞれのアキシアルベアリング40又は60とからなる類似のアッセンブリを有している。これらアッセンブリは、ロータ10の中間点を中心として対称に簡単に配設されている。即ち、第1のベアリングアッセンブリは、第1のロータアーマチュア11の前面111と共動するアキシアルベアリング40を有し、このアキシアルベアリング40は、第1のラジアルベアリング30近くに配設されている。一方、第2のベアリングアッセンブリは、第2のロータアーマチュア11Aの前面111Aと共動するアキシアルベアリング60を有し、このアキシアルベアリング60は、第2のラジアルベアリング70近くで、このベアリングと第2のロータアーマチュア11Aとの間に配設されている(図4)。図4の実施形態において、ロータアーマチュア11,11Aの外側の前面112,112Aは使用されていないが、これらロータアーマチュア11,11Aの面111,111Aに与えられるアキシアルベアリング40,60の動作は、2つのアキシアルベアリング40,50が、単一のロータアーマチュア11の両側の2つの前面111,112と共動するように(図3)、互いに対向した力をロータの軸に沿って両方向に与えることを可能にしている。
【0030】
図1を再び参照すると、本発明の好ましい実施形態を構成しているベアリングアッセンブリを見ることができる。
【0031】
前記駆動アキシアルベアリング40は、前記構造体20に取着された強磁性体のステータ42に配設されている主電磁コイル43を有している。このステータ42は、主コイル43用のハウジングの片側にそれぞれ位置されている駆動面、即ち負荷支持(load-carrying)面45,46を規定している。これら面は、間隙を形成するように、ロータアーマチュア11の前面111に面してこの前面から短い距離のところに配設されている。ロータ10に取着されたロータアーマチュア11は、ロータ10の軸に対してほぼ垂直であり、ロータ10に接続されたアーマチュアのゾーンから離れた自由な外周面110を与えている。
【0032】
補償コイル(compensation coil)47が、前記主コイル43と同軸となるように、前記ステータ42に配設されている。この補償コイルは、主コイル43のかなり近くに、しかし、ロータアーマチュア11の自由な外周面110から径方向に離れて存在した位置に配設されている。
【0033】
前記補償コイル47は、主コイル43と直列に接続されているが、主コイル43を流れる電流とは反対の方向に電流が流れるように、主コイル43に対して反対方向に巻かれるか接続されている。これは、前記アキシアル磁気ベアリング40の外側のパスの励磁をキャンセルし、かくして、周辺のパーツへの磁化妨害の発生を防止するようになっている。
【0034】
一例として、図1は、主コイル43を流れる電流を、矢先きが図の面から出るベクトルとして示している。一方、補償コイル47を流れる電流は、矢先きが図の面へと入るベクトルにより示されている。図1の閉じた回路1,2は、磁束循環がゼロであるアキシアルベアリング40の外側のパスを示している。
【0035】
この結果、前記ロータアーマチュア11に面して位置されたステータ42の駆動面45,46は、径方向のアーマチュア11の所定の径サイズにおいて最大領域を有したままであるが、アキシアルベアリング40近くに配設されたラジアル磁気ベアリング30若しくは位置検出器35の寄生磁化(parasitic magnetization)は生じない。
【0036】
保護プレート48が、前記補償コイルを保護するように補償コイル47の外側で前記ステータ42に取着されることができる。
【0037】
前記ラジアル磁気ベアリング30と位置検出器35とは、図7並びに8を参照して以前に説明されたものと同じ構造を有することができ、この構造は、再び説明されることはない。特に、位置検出器35は、互いに直交した2つの軸に沿ったロータの径方向の位置とロータの軸方向の位置との両方を検出することができる。しかし、別々の径方向の検出器と軸方向の検出器とを使用することも可能である。
【0038】
図3並びに4のラジアル磁気ベアリング70自体は、前記ラジアル磁気ベアリング30と任意にほぼ同じであることができる。図3並びに4に示されている例において、円筒形のロータアーマチュア74、ステータ71、並びに巻線72は、ラジアル磁気ベアリング30の対応した部材34,31,並びに32とほぼ同じであり、同様に、位置検出器75は、径方向の検出の目的において、前記検出器35とほぼ同じであり得る。
【0039】
図2は、前記位置検出器35により伝送される位置信号Px,Py,Pzを考慮して、様々なベアリングのコイルに電力を供給しこれらコイルをサーボ制御するための回路150を概略的に示している。
【0040】
直列に接続されたアキシアルベアリング40の主コイル43と補償コイル47とには、位置検出器35からの信号Pz、即ちロータ10の軸方向の位置についての情報を与える信号を有するサーボ制御回路151からの電力が供給される。
【0041】
同様に、前記ラジアルベアリング30の巻線32には、位置検出器35からの信号Px,Py、即ちロータ10の径方向の位置についての情報を与える信号を有するサーボ制御回路152からの電力が供給される。当然、更なる検出器からくる信号が、既知の様々な構成の回路151又は152に与えられることもできる。
【0042】
図3並びに4の例において、前記アキシアルベアリング50,60は、アキシアルベアリング40とほぼ同じ形態で形成されることができ、かくして、例えば、それぞれのロータアーマチュア11,11Aのそれぞれの外周壁110,110Aを越えて径方向に配設されたそれぞれの補償コイル57,67に加えて、それぞれの主コイル53,63を有することができる。軸方向のサーボ制御は、位置検出器35を使用して与えられる。これらコイル53,57、又はコイル63,67には、コイル43,47のように、サーボ制御回路151からの電力が供給されることができる。
【0043】
図3並びに4に見られ得るように、ロータアーマチュア84と、巻線82が設けられたラミネート状のステータ81とを有する電気モータ80が、例えばラジアルベアリング30,70間でロータ10に配設されることができる。本発明の軸方向の磁気支持装置が磁気漏れをもたらさないという事実により、モータ80の動作が邪魔されるリスクと、ラジアルベアリング30,70若しくは検出器35,75の動作が邪魔されるリスクとは減じられる。
【0044】
図1の実施形態は、好ましい実施形態を構成している。しかし、他の様々な実施形態が、図5並びに6に示されているもののように可能である。
【0045】
前記補償コイルは、第1のロータアーマチュアと共動した磁気構造体の負荷支持面から離れて主コイル近くで、図1に示された位置とは異なる位置に配設されることができる。
【0046】
図5では、負荷支持面45,46外で、第1のステータ42の内周壁に配設された補償コイル147が見られ得る。この補償コイル147は、アーマチュア11の最小径の領域、即ち負荷支持機能が減じられた領域で、ロータアーマチュア11の基体に面して、ロータ10の外面近くに位置されている。
【0047】
図6は、他の異なる実施形態を示しており、補償コイル247が、ロータアーマチュア11に面した負荷支持面45,46とは反対側で、ステータ42のほぼ径方向の壁に配設されている。
【0048】
前記補償コイル147又は247は、同等の数のアンペア巻数を規定している場合、主コイル43と同じ形状を必ずしも有する必要はなく、例えばより平坦であっても良い。
【0049】
図5並びに6の変形例において、前記補償コイル147又は247は、依然として主コイル43と直列に接続されているが、コイル43,147又はコイル43,247のアンペア巻数の合計が実質的にゼロであるように、図1並びに2のコイル47,43のように、主コイル43とは反対の方向に巻かれるか接続されている。
【0050】
当然、様々な変更並びに追加が、上述された実施形態になされることができる。
【0051】
かくして、本発明は、動作的な磁気ベアリングが、これに関連した別の位置検出器を必要とすることのない位置自己検出(position self-detection)タイプである場合にも適用する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の磁気浮上装置の軸方向の断面図である。
【図2】図1の装置のコイルのための電力供給回路を示した回路図である。
【図3】本発明の磁気浮上装置の可能な2つの実施形態を示した概略図である。
【図4】本発明の磁気浮上装置の可能な2つの実施形態を示した概略図である。
【図5】本発明の磁気浮上装置の変形例を示し、図1に類似した図である。
【図6】本発明の磁気浮上装置の変形例を示し、図1に類似した図である。
【図7】従来技術の磁気浮上装置の第1の例の軸方向の断面図である。
【図8】従来技術の磁気浮上装置の第2の例の軸方向の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10…ロータ、11…第1のロータアーマチュア、20…構造体、35…ロータの軸方向の位置を検出するためのディバイス(位置検出器)、40…駆動アキシアル磁気ベアリング、42…第1のステータ、43…主電磁コイル、45,46…負荷支持面、47,147,247…補償コイル、110…自由な外周面、151…サーボ制御するための回路(サーボ制御回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(10)を構造体(20)に対して磁気的に支持させるための装置であって、この装置は、
前記構造体(20)に取着された第1のステータ(42)内に配設された主電磁コイル(43)を有し、前記ステータは、前記ロータ(10)の軸に対してほぼ垂直に延びている第1のロータアーマチュア(11)に面して位置された負荷支持面(45,46)を有し、前記ロータアーマチュアは、自由な外周面(110)を構成している、少なくとも1つの駆動アキシアル磁気ベアリング(40)と、
前記ロータ(10)の軸方向の位置を検出するためのディバイス(35)と、
前記主電磁コイル(43)を流れる電流をサーボ制御するための回路(151)とを具備する装置において、
前記主電磁コイル(43)近くで、前記第1のロータアーマチュア(11)と共動する第1のステータ(42)の前記負荷支持面(45,46)から離れた位置に配設された補償コイル(47,147,247)を更に具備し、この補償コイル(47)は、前記主電磁コイル(43)と直列に接続され、主電磁コイル(43)を流れる電流とは反対の方向に電流が流れることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記構造体(20)に取着され、かつ電磁巻線(32)が設けられた第2のステータ(31)と、前記ロータ(10)の軸と同軸の筒状の第2のロータアーマチュア(34)とを有し、前記駆動アキシアル磁気ベアリング(40)近くに配設された少なくとも1つの駆動ラジアル磁気ベアリング(30)と、
前記ロータ(10)の径方向の位置を検出するためのディバイス(35,36)と、
前記第2のステータ(31)の前記電磁巻線(32)を流れる電流をサーボ制御するための回路(152)とをさらに具備していることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記ロータ(10)の径方向の位置を検出するためのディバイス(35,36)は、前記第2のステータ(31)と第1のステータ(42)との間に狭持された少なくとも1つのセンサを有していることを特徴とする請求項2の装置。
【請求項4】
前記ロータ(10)の軸方向の位置を検出するためのディバイスは、前記ロータ(10)の径方向の位置を検出するためのディバイス(35,36)と組み合わされていることを特徴とする請求項3の装置。
【請求項5】
前記補償コイル(47)は、前記第1のステータ(42)の外周壁に配設され、第1のロータアーマチュア(11)の前記自由な外周面(110)を超えて位置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項6】
前記補償コイル(47)は、前記第1のステータ(42)の内周壁に配設され、ロータに接続された前記第1のロータアーマチュア(11)の基体に面して位置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項7】
前記補償コイル(247)は、前記第1のロータアーマチュア(11)とは反対側の前記第1のステータ(42)のほぼ径方向の壁に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項8】
前記第1のステータ(42)には、前記補償コイル(47)の外側保護プレート(48)が装着されていることを特徴とする請求項5の装置。
【請求項9】
前記補償コイル(47)と、駆動アキシアル磁気ベアリング(40)の主コイル(43)とは、同軸であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1の装置。
【請求項10】
前記駆動アキシアル磁気ベアリング(40)近くへ前記ロータ(10)を駆動させるためのモータ(80)をさらに具備していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−187317(P2007−187317A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−6052(P2007−6052)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(503180188)ソシエテ・ドゥ・メカニーク・マグネティーク (13)
【Fターム(参考)】