ロータリーカセット式圧着機
【課題】電線の端部に圧着端子を圧着する圧着装置において、多品種の圧着作業を効率良く実施することを可能とする。
【解決手段】圧着機構(アプリケータ)等をカセット化し、複数のカセットを回転体に複数個設けられた腕木と、平板に設けられた1条および2条等の案内溝にそれぞれ固定し、異なる品種の圧着作業に移るときに、回転体を回転させることにより、その作業に適したアプリケータを圧着位置に移動させ、作業効率を高めると共に、当該アプリケータで圧着作業を行っている際に、他のアプリケータ、圧着端子供給装置の交換を可能とした、ロータリーカセット式圧着機。
【解決手段】圧着機構(アプリケータ)等をカセット化し、複数のカセットを回転体に複数個設けられた腕木と、平板に設けられた1条および2条等の案内溝にそれぞれ固定し、異なる品種の圧着作業に移るときに、回転体を回転させることにより、その作業に適したアプリケータを圧着位置に移動させ、作業効率を高めると共に、当該アプリケータで圧着作業を行っている際に、他のアプリケータ、圧着端子供給装置の交換を可能とした、ロータリーカセット式圧着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部に圧着端子を装着する端子圧着装置に係る発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、導体と導体上に施した絶縁被覆を有する絶縁被覆電線の端部に圧着端子を装着する場合、端子圧着装置を用いて自動的に圧着端子を装着している。
【0003】
その圧着端子の装着装置及び工程を図7他により説明する。
図7は、従来技術に係る端子圧着装置の構成を示すもので、この端子圧着装置101は、プレスフレーム102、このプレスフレーム上に設けられた端子圧着位置103、この端子圧着位置の上方に上下動可能に設けられている圧着機構104、この圧着機構の下端に装着され圧着端子190を圧着する端子圧着用型押部105等から構成されている。
端子圧着装置は更に、圧着機構104の上端に固定され、プレスフレーム102に設けられた摺動用孔102b内を摺動自在に嵌挿されているラム(駆動機構)106、そしてこのラムを上下させるトグル装置170、及び圧着端子供給レバー108等により構成されている。
【0004】
トグル装置170は、主として上方リンク171、下方リンク172、トグル173及びフライホイール174を有していて、これら上方リンクと下方リンク及びトグルの各一端は回転軸175により回転自在に止められている。フライホイール174は、図示しない駆動モータにより回転し、その回転はトグル173や上方リンク、下方リンクを介してラム106に伝達され、ラムは上下に往復運動する。
【0005】
一方、端子供給レバー108は、その上端を回転軸181に回転自在に固定され、中央部に形成された駆動溝182内に、一端を圧着機構104に固定されたアーム183の他端がピン等を介して係合され、下端には圧着端子搬送用の杵184が装着されている。
その結果、この端子供給レバー108は、圧着機構104の上下動により左右に搖動して杵184を左右に駆動し、図10又は図11に示すように多数の圧着端子190がキャリア180により連結されている連鎖端子を、図7の端子圧着位置103へ送り出す構造になっている。
【0006】
一方、ラム106と共に上下動する圧着機構104の下端には図7に示すように導体圧着用型押部105が装着されている。端子圧着位置103には、搬送されてきたキャリア180から圧着端子190を切り離す図示しないパンチが装着されている。
その結果、圧着機構104の1回の下降で、圧着端子のキャリアからの切り離し及び圧着端子の導体及び絶縁被覆部への圧着が行われる。
すなわち、多数の圧着端子がキャリアに連結された、いわゆる連鎖端子が圧着装置に所定のピッチで送り込まれ、圧着装置において1個の圧着端子がその連結部で切断され、図示しない電線の端部に自動的かつ高速に圧着される。
【0007】
連鎖端子には、図10に示す圧着端子190が並列に接続されたキャリア180(横フィード型連鎖端子)の他に、図11に示す、圧着端子190が直列に接続されたキャリア180(縦フィード型連鎖端子)がある。
このようにして導体及び導体の絶縁被覆部に圧着端子が圧着された状態を図12(a)に示す。図12(a)は、電線200、その被覆部201、導体202に圧着端子190が圧着されている様子を示す。圧着端子の形状は様々なものがあり、この圧着端子はその一例である。
【0008】
【特許文献1】特開2005−11615号
【特許文献2】特開平10−247577号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1(特開2005−11615号公報)には、基本的に上記説明した構造と同様の構造の端子圧着装置が記載されている。特許文献1に係る発明は、圧着端子送り機構を圧着端子の圧着装置側に設けることにより大型で重量も大きい圧着機構をユニット化して、短時間で容易な交換を可能とした構成に係る発明である。
特許文献1の図1には、横フィード型連鎖端子を用いた端子圧着装置が、図4には、縦フィード型連鎖端子を用いた端子圧着装置が記載されている。図1及び図4に示されているように、横フィード型連鎖端子と縦フィード型連鎖端子では、端子圧着装置に供給される連鎖端子の形状が異なるため、特許文献1では、それぞれ異なる圧着機構(38A、38B)により圧着作業が実施される。
【0010】
また、圧着端子の形状は多種多様であるために、この端子を圧着する圧着機構も圧着端子の種類に応じて交換する必要が生じる。特許文献1に係る圧着機構のユニット化により交換作業の短縮が図れても、交換作業の間は圧着作業を一時中断する必要があった。
【0011】
特許文献2(特開平10−247577号公報)は、この交換作業の短縮を図る発明である。特許文献2の端子圧着装置の概要を図8、図9により説明する。
図8は、端子圧着装置101の正面図である。圧着機構104の上型140の上下運動により、圧着端子190が電線クリップ223により保持された電線200に圧着される。圧着端子190は、ベルトコンベア124上に設けられたクランプ台126により順次搬送される。
図8に示す端子圧着装置101を、圧着機構104側、すなわち図8の矢印A方向から見た側面図が図9である。この例では、1041〜1046計6個の圧着機構が、連結板136を介して搬送用ベルト137とレール121により図9の左右方向に移動可能に設置されている。
【0012】
図9は、1046の圧着機構で現在圧着作業が行われている様子を示す。予め1041〜1045の圧着機構を準備しておくことにより、圧着する端子の仕様の違いにより圧着機構を容易に短時間に交換することを可能として、圧着機構の交換作業時間の短縮を図っている。
しかし、図9から見ても分かるとおり、特許文献2に係る端子圧着装置は、圧着機構を左右に移動させる構造となっているために装置が大型となる。また、圧着機構1041〜1046が並列、密着して設置されているため、圧着作業中に他の圧着機構を交換する等の作業が困難という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る圧着機の第1の態様は、電線の端部に圧着端子を装着する1又は2以上のカセット式圧着機構と、圧着端子を圧着位置に送りだす圧着端子供給装置とから構成される端子圧着機において、カセット式圧着機構が、概水平方向に回転する回転体に複数設置され、それぞれ異なる径方向に延びる腕木の一つと、概水平に設置された平面部材に設けられたカセット式圧着機構用の案内溝Aにより概垂直に保持されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0014】
本発明に係る圧着機の第2の態様は、カセット式圧着機構が、回転体の腕木の一つに回転体の径方向に移動可能に保持され、かつ、カセット式圧着機構に設けられた少なくとも2以上の突起部が、平面部材に設けられた案内溝Aに嵌合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0015】
本発明に係る圧着機の第3の態様は、平面部材に設けられた案内溝Aが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、1条の案内溝と2条以上の案内溝が相互に接続して設けられ、回転体の回転に伴ってカセット式圧着機構に設けられた2以上の突起部が1条もしくは2条以上の案内溝Aに拘束されて移動することにより、カセット式圧着機構の位置及び方向が変更されることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0016】
本発明に係る圧着機の第4の態様は、カセット式圧着機構が回転体の腕木部分から取り外し可能な接合方法によって接合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0017】
本発明に係る圧着機の第5の態様は、回転体がサーボモータによって駆動されて回転することを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0018】
本発明に係る圧着機の第6の態様は、カセット式圧着機構と回転体の腕木部分の接合箇所に、回転体の径方向の滑らかな移動を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0019】
本発明に係る圧着機の第7の態様は、圧着端子供給装置が、多数の圧着端子を連結した連鎖端子を所定のピッチで圧着位置に送りだすカセット式圧着端子供給装置であって、平面部材に設けられた圧着端子供給装置用の案内溝Bにより移動可能に設置されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0020】
本発明に係る圧着機の第8の態様は、カセット式圧着端子供給装置に設けられた1以上の突起部が、平面部材に設けられた案内溝Bに嵌合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0021】
本発明に係る圧着機の第9の態様は、カセット式圧着端子供給装置が、横フィード型連鎖端子供給装置と縦フィード型連鎖端子供給装置からなり、横フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bと縦フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bが互いに概直交する配置に設置されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0022】
本発明に係る圧着機の第10の態様は、平面部材に設けられた案内溝Bが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、1条の案内溝と2条以上の案内溝が相互に接続して設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0023】
本発明に係る圧着機の第11の態様は、平面部材に設けられた案内溝A及び案内溝Bが相互に接続して設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0024】
本発明に係る圧着機の第12の態様は、平面部材に、カセット式圧着機構あるいはカセット式圧着端子供給装置を取り外すための案内溝部が設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0025】
本発明に係る圧着機の第13の態様は、平面部材に設けられた案内溝A又は案内溝Bの断面が概凸字形状をしていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0026】
本発明に係る圧着機の第14の態様は、カセット式圧着機構又はカセット式圧着端子供給装置の突起部には、案内溝との滑らかな接触を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0027】
本発明に係る圧着機の第15の態様は、回転体の腕木部分の一つに、異なる圧着端子を圧着するためのカセット式圧着機構が予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0028】
本発明に係る圧着機の第16の態様は、回転体の腕木部分の一つに、圧着端子の圧着状態を測定するための検査用カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0029】
本発明に係る圧着機の第17の態様は、回転体の前記腕木部分の一つに、取付不良圧着端子等を電線から切り離すためのニッパー機構カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、圧着機構の交換作業を短縮すると同時に、圧着作業中に次の圧着作業に係る圧着機構の装着を可能とすることができる。また、連鎖端子供給装置をユニット化し、横フィード型連鎖端子と横フィード型連鎖端子いずれのタイプの連鎖端子もその交換、補給が圧着作業中に実施できる。更に、圧着機構だけでなく、各種測定器などをユニット化することにより、これらの端子圧着装置への装着を圧着作業中に実施可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の態様に係るロータリーカセット式圧着機1の全体構成を表す図である。
カセット式圧着機構(以下アプリケータと呼ぶ)4(4a、4c)は従来技術に係る圧着機と同様に、図示しないフライホイール、トグル機構により上下動するラム(駆動機構)6によって端子圧着用型押部5が押し下げられ、端子圧着位置3に押圧されることにより、図示しない電線の端部に圧着端子を圧着する。
【0032】
図1において、7a〜7dは、圧着端子供給装置である。7a及び7bは、図10に示す圧着端子190を並列に連結した横フィード型連鎖圧着端子を供給する装置であり、7c、7dは、図11に示す圧着端子を直列に連結した縦フィード型連鎖圧着端子を供給する装置である。
また、7aと7bはそれぞれ種類、寸法の異なる横フィード型連鎖圧着端子を供給する装置、7cと7dはそれぞれ種類、寸法の異なる縦フィード型連鎖圧着端子を供給する装置である。横フィード型連鎖圧着端子と縦フィード型連鎖圧着端子とでは、キャリア180に圧着端子を接続する方向が異なるため、図1に示すように、それぞれの圧着端子供給装置は、互いに概ね直交する方向に設置されている。圧着場所を1箇所に集約するためである。
【0033】
図1のアプリケータ4(4a)はカセット式で、回転体9(以下ロータリーと呼ぶ)に複数個設けられた腕木8の1つに取り換え自在に取り付けられている。その取付け形態を図3に示す。図3において、腕木8には径方向に延びる長孔が設けられている。アプリケータ4の上部は腕木取付金具81を介して腕木8に取り付けられ、腕木取付金具81は長孔内を腕木の径方向に自由に移動可能に、例えばベアリング機構等を介して取り付けられている。
【0034】
図4はアプリケータの側面図である。図4において、アプリケータ4の端子圧着位置3の下部には、2つの突起部10(10a及び10b)が設けられている。この2つの突起部は図3に示す概水平に設置された平面部材30に設けられた案内溝11(11a、11b)にそれぞれ嵌合されている。案内溝に突起部10が嵌合される様子は、図6(b)に示す。
この突起部10の形状は図6(c)に示すように凸形状をしていてもよい。凸形状の突起部を設けることにより、アプリケータ4の上方向の位置変動を抑える効果がある。溝11の底面には図6(c)に示すように、若干の隙間を設けても良い。ゴミ等がアプリケータ4の移動を妨げないためである。この隙間を限りなく小さくして、アプリケータ4の上下方向の移動を防止する構造であってもよい。
【0035】
突起部10と溝部11の間の摺動を滑らかにするために、突起部と溝部の接触部分に、例えばフッ素コーティングを施す、あるいは摺動ベアリングを設けることなどが考えられる。突起部と溝の材質としては耐久性の点から、例えばステンレス鋼等が考えられる。
【0036】
アプリケータ4には、図6(a)に示す様にバネ部材12が設けられ、アプリケータ4の上部を下方に押すことにより(図の矢印方向)取付金具81が腕木8から取り外し可能な構造となっている。圧着作業中のアプリケータ等の取り付け、取り外しを可能とするためである。
【0037】
図2は、ロータリーカセット式圧着機1をロータリー9の上側から見た平面図である。この図では、腕木8が5個設けられている様子を示す。腕木の数は複数あることが好ましいが、その数に制限はない。腕木は、ほぼ等角度間隔でロータリーに設けられるが、設置するカセット(アプリケータ等)の寸法によって、角度を適宜変えてもよい。
【0038】
複数の腕木8は、ロータリー9が例えば図示しないサーボモータにより概水平に回転し、それに伴って、5本の腕木8の先端部は図2の2点鎖線で示す円弧を描いて回転する。
7a、7bは上述した横フィード型連鎖端子の供給装置、7c、7dは縦フィード型連鎖端子の供給装置である。互いに概ね直交する方向に設置されている。
【0039】
図5(a)に、平面部材30に設けられた案内溝の配置例を示す。11a、11bはアプリケータ4の突起部10a、10bがそれぞれ嵌合される案内溝Aを、11c、11dは圧着端子供給装置に設けられた図示しない突起部が嵌合される案内溝Bを示す。
本図に示すように、2条の案内溝11a、11bは途中で合流し、1条の溝となる。図示しないロータリー9がサーボモータ等により回転すると、ロータリーの腕木8に取り付けられた、図示しないアプリケータ等は概ね図中の2点鎖線に沿って移動する。このアプリケータ4には、上述したように下部に2つの突起部10a、10bが設けられており、これらの突起は案内溝に拘束されながら移動する。
一方、前述したようにアプリケータの上部は、腕木8内の長孔部を径方向に移動可能に取り付けられているために、ロータリー9の回転に伴って、アプリケータ4は、案内溝に添う形で移動する。
【0040】
案内溝11a、11bが2条に設置されている場所においては、アプリケータの突起部10a、10bは案内溝に対してほぼ直角に位置するのに対し、案内溝が1条になる場所においては、1条の案内溝に2つの突起部が拘束されるために、案内溝に平行に位置する。
このため、ロータリー9の回転につれてアプリケータの向きが変更される。この様子を図5(b)に示す。案内溝11が1条の場所では、アプリケータは71aに示す方向を向く、これがロータリーの回転に伴って、2つの突起部10a、10bがそれぞれ案内溝11a、11bにより拘束され、アプリケータは71bに示す方向に回転する。更に71c、71dとその位置を変えると共に方向も変わる。この効果は、アプリケータが他のアプリケータあるいは圧着装置の他の部品に接触することなく移動、回転できることに現れる。
【0041】
また、図5(b)に示すように、脱出用溝11eを設けておくことにより、アプリケータの突起部の形状が凸形状(図6(c)参照)の場合に、このアプリケータを案内溝から脱却させることが可能となる。同様の図示しない脱出用溝を11cあるいは11dに設けることも可能である。
【0042】
アプリケータが、ロータリーの腕木と、1条あるいは2条の案内溝によって保持されているために、案内溝のレイアウトを設計することにより、アプリケータを自由に回転、移動させることが可能となる。
例えば、端子圧着装置の他の部品と接触しないように回転させる。あるいは、圧着作業中に他のアプリケータを交換する際、交換作業に適した角度にそのアプリケータを向けることなどが可能となる。
ロータリーと1条あるいは2条の案内溝からなるアプリケータの保持機能により、1つのアプリケータで圧着端子の圧着作業を実施している最中に、他のアプリケータの取り外し、交換作業が容易に実施できる。
また、図1において、腕木に取り付けるカセットとして、アプリケータ4a、4cの他に、例えば、ハイト測定器4bを取り付けることも可能である。ハイト測定器とは、圧着端子が正しく電線端部に圧着できているか否かを圧着端子部の高さの違いによって測定する器具である。ハイト測定器に限らず、各種のカセット化した装置を腕木に取り付ける態様が可能である。
【0043】
図12に、圧着端子の様々な圧着形態を示す。図12(a)は、電線200の端部に圧着端子190が正常に圧着された状態を示す。ここで201は電線の絶縁被覆、202は導体を示す。図12(b)は、圧着端子190から数本の導体202が外れている圧着不良状態を示す。(c)は、導体202のみを圧着端子が圧着している状態、(d)は、圧着端子の片側が圧着不良を起こしている状態をそれぞれ示す。
【0044】
図1のアプリケータ4aによって、電線の圧着作業を終えた後で、ロータリー9を回転させて、カセット式ハイト測定器4bにより、圧着状態の確認作業を行うことが出来る。確認作業が終了した後、次の種類の圧着端子を取り付ける作業をするために、ロータリーを更に回転させ、アプリケータ4cにより、圧着作業を行うことが出来る。
【0045】
また、上記の例で、アプリケータ4cによる圧着作業を実施している最中に、アプリケータ4aをロータリーの腕木から取り外し、他のアプリケータに交換することも可能である。アプリケータ、測定器だけでなく、不良圧着電線から圧着端子を切断するニッパー機能を有する装置(カセット)を腕木に取り付けることも可能となる。
本実施形態による端子圧着装置1により、他のアプリケータの装着、測定器の装着等が圧着作業を中断することなく実施できる。
【0046】
また本実施形態による端子圧着装置では、図1に示すように、2種類の圧着端子供給装置1、2(それぞれ7a、7b)を予め設置しておくことが出来る。圧着端子供給装置1(7a)を用いてアプリケータ4aにより圧着作業を行っている最中に、圧着端子供給装置2(7b)に次の作業用の連鎖圧着端子を装着して予め準備することが可能となる。
圧着端子供給装置用の案内溝を2本(案内溝11c、11d)設けておけば、横フィード型連鎖端子から縦フィード型連鎖端子への圧着作業の変更もすみやかに行うことが可能となる。
【0047】
なお、圧着端子供給装置(7a〜7d)の移動は、例えば、図1に示すシリンダー20により行うことが出来る。図5(a)(b)に示すように、圧着端子供給装置用の案内溝11c、11dを二股構造とすることにより、図1に示すように、2つの圧着端子供給装置7a、7bを交互に使用することが出来、連鎖端子の変更、補給が速やかに行える。
また、このシリンダー20に弾性のある、例えばゴム棒を使用することにより、上記の二股構造とした案内溝において、このゴム製シリンダーの反発力を利用してすみやかな分岐点の通過を図ることが可能となる。
図5では、アプリケータ用案内溝11a、11bと圧着端子供給装置用案内溝11c、11dを別個に設けているが、アプリケータと端子供給装置間の位置的な関係によっては、例えば、11aと11cを途中から一本に合流する構造も可能である。
【0048】
複数のアプリケータ4を円形に配置することにより、装置の小型化が図れ、また圧着作業場所と離れた場所でアプリケータの交換作業を行うことができる。
横フィード型端子供給装置と縦フィード型端子供給装置を互いに直行する位置に配置することにより、両者の圧着作業を同一場所で行うことが可能となり、横フィード型端子のアプリケータと縦フィード型端子のアプリケータを、それぞれ予めロータリーの腕木に装着しておくことが可能となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
第1の実施形態では、案内溝が1条及び2条からなる実施例を説明したが、アプリケータの構造、重量等によって、3つ以上の突起部、及び3条の案内溝を設ける形態であってもよい。
図1において、ロータリー9の腕木8が下部に、案内溝A、Bが天井部に設けられた構造からなる端子圧着装置も可能である。
【0050】
(第3の実施の形態)
第1の実施形態で説明した圧着端子供給装置7用の案内溝c又はdに、カセット式ハイト測定器4bあるいはニッパー機能を有する装置等を嵌合させて、シリンダー20等で圧着作業位置近辺に移動させることも可能である。アプリケータ4の動きとは独立に、これら測定器等の位置を固定できるので、作業の利便性が高まる。
これらの測定器等の位置を正確に固定するために、1条でなく2条以上の案内溝11c、11dを設けることも可能である。2条の案内溝により、装置を所定の方向に向けることができるので正確な測定、電線の切断作業等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るロータリーカセット式圧着機の構成図である。
【図2】図2は、ロータリーカセット式圧着機のロータリー他の平面図である。
【図3】図3は、アプリケータの拡大図である。
【図4】図4は、アプリケータの側面図である。
【図5】図5(a)は、案内溝の配置例を示す図である。図5(b)は、案内溝の配置例におけるアプリケータ等の位置を表す図である。
【図6】図6(a)は、アプリケータ等を取外す手順の説明図である。図6(b)は、アプリケータ等の突起部が案内溝に嵌合される様子を示す断面図である。図6(c)は、他の形状の突起部を説明する断面図である。
【図7】図7は、従来技術に係る圧着装置の構造を示す図である。
【図8】図8は、従来技術に係る圧着装置の正面図である。
【図9】図9は、従来技術に係る圧着装置の側面図である。
【図10】図10は、横フィード型連鎖端子を示す図である。
【図11】図11は、縦フィード型連鎖端子を示す図である。
【図12】図12(a)〜(d)は、圧着端子が電線に圧着されている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1:端子圧着装置(ロータリーカセット式圧着機)
2:プレスフレーム
3:端子圧着位置
4:アプリケータ(圧着機構)等
4a:アプリケータ1
4b:ハイト測定器
4c:アプリケータ2
5:端子圧着用型押部
6:ラム(駆動機構)
7:圧着端子供給装置
7a:圧着端子供給装置1
7b:圧着端子供給装置2
7c:圧着端子供給装置3
7d:圧着端子供給装置4
8:腕木
9:回転体(ロータリー)
10:突起部(アプリケータ)
10a:突起部a(アプリケータ)
10b:突起部b(アプリケータ)
11:案内溝
11a:案内溝a(アプリケータ用)
11b:案内溝b(アプリケータ用)
11c:案内溝c(圧着端子供給装置用)
11d:案内溝d(圧着端子供給装置用)
12:バネ部材(アプリケータ)
20:シリンダー(圧着端子供給装置移動用)
30:平面部材
71a〜71d:アプリケータ位置
81:腕木取付金具
101:端子圧着装置(従来技術)
102b:摺動用孔
103:端子圧着位置
104:アプリケータ(圧着機構)
105:端子圧着用型押部
106:ラム(駆動機構)
108:圧着端子供給レバー
121:レール
124:ベルトコンベア
126:圧着端子固定クランプ
136:連結板
137:搬送用ベルト
140:アプリケータ上型
170:トグル装置
171:上方リンク
172:下方リンク
173:トグル
174:フライホイール
175:回転軸
180:キャリア
181:回転軸
182:駆動溝
183:アーム
184:杵(圧着端子搬送杵)
190:圧着端子
200:電線
201:被覆部
202:導体
223:電線クリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部に圧着端子を装着する端子圧着装置に係る発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、導体と導体上に施した絶縁被覆を有する絶縁被覆電線の端部に圧着端子を装着する場合、端子圧着装置を用いて自動的に圧着端子を装着している。
【0003】
その圧着端子の装着装置及び工程を図7他により説明する。
図7は、従来技術に係る端子圧着装置の構成を示すもので、この端子圧着装置101は、プレスフレーム102、このプレスフレーム上に設けられた端子圧着位置103、この端子圧着位置の上方に上下動可能に設けられている圧着機構104、この圧着機構の下端に装着され圧着端子190を圧着する端子圧着用型押部105等から構成されている。
端子圧着装置は更に、圧着機構104の上端に固定され、プレスフレーム102に設けられた摺動用孔102b内を摺動自在に嵌挿されているラム(駆動機構)106、そしてこのラムを上下させるトグル装置170、及び圧着端子供給レバー108等により構成されている。
【0004】
トグル装置170は、主として上方リンク171、下方リンク172、トグル173及びフライホイール174を有していて、これら上方リンクと下方リンク及びトグルの各一端は回転軸175により回転自在に止められている。フライホイール174は、図示しない駆動モータにより回転し、その回転はトグル173や上方リンク、下方リンクを介してラム106に伝達され、ラムは上下に往復運動する。
【0005】
一方、端子供給レバー108は、その上端を回転軸181に回転自在に固定され、中央部に形成された駆動溝182内に、一端を圧着機構104に固定されたアーム183の他端がピン等を介して係合され、下端には圧着端子搬送用の杵184が装着されている。
その結果、この端子供給レバー108は、圧着機構104の上下動により左右に搖動して杵184を左右に駆動し、図10又は図11に示すように多数の圧着端子190がキャリア180により連結されている連鎖端子を、図7の端子圧着位置103へ送り出す構造になっている。
【0006】
一方、ラム106と共に上下動する圧着機構104の下端には図7に示すように導体圧着用型押部105が装着されている。端子圧着位置103には、搬送されてきたキャリア180から圧着端子190を切り離す図示しないパンチが装着されている。
その結果、圧着機構104の1回の下降で、圧着端子のキャリアからの切り離し及び圧着端子の導体及び絶縁被覆部への圧着が行われる。
すなわち、多数の圧着端子がキャリアに連結された、いわゆる連鎖端子が圧着装置に所定のピッチで送り込まれ、圧着装置において1個の圧着端子がその連結部で切断され、図示しない電線の端部に自動的かつ高速に圧着される。
【0007】
連鎖端子には、図10に示す圧着端子190が並列に接続されたキャリア180(横フィード型連鎖端子)の他に、図11に示す、圧着端子190が直列に接続されたキャリア180(縦フィード型連鎖端子)がある。
このようにして導体及び導体の絶縁被覆部に圧着端子が圧着された状態を図12(a)に示す。図12(a)は、電線200、その被覆部201、導体202に圧着端子190が圧着されている様子を示す。圧着端子の形状は様々なものがあり、この圧着端子はその一例である。
【0008】
【特許文献1】特開2005−11615号
【特許文献2】特開平10−247577号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1(特開2005−11615号公報)には、基本的に上記説明した構造と同様の構造の端子圧着装置が記載されている。特許文献1に係る発明は、圧着端子送り機構を圧着端子の圧着装置側に設けることにより大型で重量も大きい圧着機構をユニット化して、短時間で容易な交換を可能とした構成に係る発明である。
特許文献1の図1には、横フィード型連鎖端子を用いた端子圧着装置が、図4には、縦フィード型連鎖端子を用いた端子圧着装置が記載されている。図1及び図4に示されているように、横フィード型連鎖端子と縦フィード型連鎖端子では、端子圧着装置に供給される連鎖端子の形状が異なるため、特許文献1では、それぞれ異なる圧着機構(38A、38B)により圧着作業が実施される。
【0010】
また、圧着端子の形状は多種多様であるために、この端子を圧着する圧着機構も圧着端子の種類に応じて交換する必要が生じる。特許文献1に係る圧着機構のユニット化により交換作業の短縮が図れても、交換作業の間は圧着作業を一時中断する必要があった。
【0011】
特許文献2(特開平10−247577号公報)は、この交換作業の短縮を図る発明である。特許文献2の端子圧着装置の概要を図8、図9により説明する。
図8は、端子圧着装置101の正面図である。圧着機構104の上型140の上下運動により、圧着端子190が電線クリップ223により保持された電線200に圧着される。圧着端子190は、ベルトコンベア124上に設けられたクランプ台126により順次搬送される。
図8に示す端子圧着装置101を、圧着機構104側、すなわち図8の矢印A方向から見た側面図が図9である。この例では、1041〜1046計6個の圧着機構が、連結板136を介して搬送用ベルト137とレール121により図9の左右方向に移動可能に設置されている。
【0012】
図9は、1046の圧着機構で現在圧着作業が行われている様子を示す。予め1041〜1045の圧着機構を準備しておくことにより、圧着する端子の仕様の違いにより圧着機構を容易に短時間に交換することを可能として、圧着機構の交換作業時間の短縮を図っている。
しかし、図9から見ても分かるとおり、特許文献2に係る端子圧着装置は、圧着機構を左右に移動させる構造となっているために装置が大型となる。また、圧着機構1041〜1046が並列、密着して設置されているため、圧着作業中に他の圧着機構を交換する等の作業が困難という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る圧着機の第1の態様は、電線の端部に圧着端子を装着する1又は2以上のカセット式圧着機構と、圧着端子を圧着位置に送りだす圧着端子供給装置とから構成される端子圧着機において、カセット式圧着機構が、概水平方向に回転する回転体に複数設置され、それぞれ異なる径方向に延びる腕木の一つと、概水平に設置された平面部材に設けられたカセット式圧着機構用の案内溝Aにより概垂直に保持されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0014】
本発明に係る圧着機の第2の態様は、カセット式圧着機構が、回転体の腕木の一つに回転体の径方向に移動可能に保持され、かつ、カセット式圧着機構に設けられた少なくとも2以上の突起部が、平面部材に設けられた案内溝Aに嵌合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0015】
本発明に係る圧着機の第3の態様は、平面部材に設けられた案内溝Aが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、1条の案内溝と2条以上の案内溝が相互に接続して設けられ、回転体の回転に伴ってカセット式圧着機構に設けられた2以上の突起部が1条もしくは2条以上の案内溝Aに拘束されて移動することにより、カセット式圧着機構の位置及び方向が変更されることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0016】
本発明に係る圧着機の第4の態様は、カセット式圧着機構が回転体の腕木部分から取り外し可能な接合方法によって接合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0017】
本発明に係る圧着機の第5の態様は、回転体がサーボモータによって駆動されて回転することを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0018】
本発明に係る圧着機の第6の態様は、カセット式圧着機構と回転体の腕木部分の接合箇所に、回転体の径方向の滑らかな移動を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0019】
本発明に係る圧着機の第7の態様は、圧着端子供給装置が、多数の圧着端子を連結した連鎖端子を所定のピッチで圧着位置に送りだすカセット式圧着端子供給装置であって、平面部材に設けられた圧着端子供給装置用の案内溝Bにより移動可能に設置されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0020】
本発明に係る圧着機の第8の態様は、カセット式圧着端子供給装置に設けられた1以上の突起部が、平面部材に設けられた案内溝Bに嵌合されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0021】
本発明に係る圧着機の第9の態様は、カセット式圧着端子供給装置が、横フィード型連鎖端子供給装置と縦フィード型連鎖端子供給装置からなり、横フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bと縦フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bが互いに概直交する配置に設置されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0022】
本発明に係る圧着機の第10の態様は、平面部材に設けられた案内溝Bが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、1条の案内溝と2条以上の案内溝が相互に接続して設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0023】
本発明に係る圧着機の第11の態様は、平面部材に設けられた案内溝A及び案内溝Bが相互に接続して設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0024】
本発明に係る圧着機の第12の態様は、平面部材に、カセット式圧着機構あるいはカセット式圧着端子供給装置を取り外すための案内溝部が設けられていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0025】
本発明に係る圧着機の第13の態様は、平面部材に設けられた案内溝A又は案内溝Bの断面が概凸字形状をしていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0026】
本発明に係る圧着機の第14の態様は、カセット式圧着機構又はカセット式圧着端子供給装置の突起部には、案内溝との滑らかな接触を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0027】
本発明に係る圧着機の第15の態様は、回転体の腕木部分の一つに、異なる圧着端子を圧着するためのカセット式圧着機構が予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0028】
本発明に係る圧着機の第16の態様は、回転体の腕木部分の一つに、圧着端子の圧着状態を測定するための検査用カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【0029】
本発明に係る圧着機の第17の態様は、回転体の前記腕木部分の一つに、取付不良圧着端子等を電線から切り離すためのニッパー機構カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とするロータリーカセット式圧着機である。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、圧着機構の交換作業を短縮すると同時に、圧着作業中に次の圧着作業に係る圧着機構の装着を可能とすることができる。また、連鎖端子供給装置をユニット化し、横フィード型連鎖端子と横フィード型連鎖端子いずれのタイプの連鎖端子もその交換、補給が圧着作業中に実施できる。更に、圧着機構だけでなく、各種測定器などをユニット化することにより、これらの端子圧着装置への装着を圧着作業中に実施可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の態様に係るロータリーカセット式圧着機1の全体構成を表す図である。
カセット式圧着機構(以下アプリケータと呼ぶ)4(4a、4c)は従来技術に係る圧着機と同様に、図示しないフライホイール、トグル機構により上下動するラム(駆動機構)6によって端子圧着用型押部5が押し下げられ、端子圧着位置3に押圧されることにより、図示しない電線の端部に圧着端子を圧着する。
【0032】
図1において、7a〜7dは、圧着端子供給装置である。7a及び7bは、図10に示す圧着端子190を並列に連結した横フィード型連鎖圧着端子を供給する装置であり、7c、7dは、図11に示す圧着端子を直列に連結した縦フィード型連鎖圧着端子を供給する装置である。
また、7aと7bはそれぞれ種類、寸法の異なる横フィード型連鎖圧着端子を供給する装置、7cと7dはそれぞれ種類、寸法の異なる縦フィード型連鎖圧着端子を供給する装置である。横フィード型連鎖圧着端子と縦フィード型連鎖圧着端子とでは、キャリア180に圧着端子を接続する方向が異なるため、図1に示すように、それぞれの圧着端子供給装置は、互いに概ね直交する方向に設置されている。圧着場所を1箇所に集約するためである。
【0033】
図1のアプリケータ4(4a)はカセット式で、回転体9(以下ロータリーと呼ぶ)に複数個設けられた腕木8の1つに取り換え自在に取り付けられている。その取付け形態を図3に示す。図3において、腕木8には径方向に延びる長孔が設けられている。アプリケータ4の上部は腕木取付金具81を介して腕木8に取り付けられ、腕木取付金具81は長孔内を腕木の径方向に自由に移動可能に、例えばベアリング機構等を介して取り付けられている。
【0034】
図4はアプリケータの側面図である。図4において、アプリケータ4の端子圧着位置3の下部には、2つの突起部10(10a及び10b)が設けられている。この2つの突起部は図3に示す概水平に設置された平面部材30に設けられた案内溝11(11a、11b)にそれぞれ嵌合されている。案内溝に突起部10が嵌合される様子は、図6(b)に示す。
この突起部10の形状は図6(c)に示すように凸形状をしていてもよい。凸形状の突起部を設けることにより、アプリケータ4の上方向の位置変動を抑える効果がある。溝11の底面には図6(c)に示すように、若干の隙間を設けても良い。ゴミ等がアプリケータ4の移動を妨げないためである。この隙間を限りなく小さくして、アプリケータ4の上下方向の移動を防止する構造であってもよい。
【0035】
突起部10と溝部11の間の摺動を滑らかにするために、突起部と溝部の接触部分に、例えばフッ素コーティングを施す、あるいは摺動ベアリングを設けることなどが考えられる。突起部と溝の材質としては耐久性の点から、例えばステンレス鋼等が考えられる。
【0036】
アプリケータ4には、図6(a)に示す様にバネ部材12が設けられ、アプリケータ4の上部を下方に押すことにより(図の矢印方向)取付金具81が腕木8から取り外し可能な構造となっている。圧着作業中のアプリケータ等の取り付け、取り外しを可能とするためである。
【0037】
図2は、ロータリーカセット式圧着機1をロータリー9の上側から見た平面図である。この図では、腕木8が5個設けられている様子を示す。腕木の数は複数あることが好ましいが、その数に制限はない。腕木は、ほぼ等角度間隔でロータリーに設けられるが、設置するカセット(アプリケータ等)の寸法によって、角度を適宜変えてもよい。
【0038】
複数の腕木8は、ロータリー9が例えば図示しないサーボモータにより概水平に回転し、それに伴って、5本の腕木8の先端部は図2の2点鎖線で示す円弧を描いて回転する。
7a、7bは上述した横フィード型連鎖端子の供給装置、7c、7dは縦フィード型連鎖端子の供給装置である。互いに概ね直交する方向に設置されている。
【0039】
図5(a)に、平面部材30に設けられた案内溝の配置例を示す。11a、11bはアプリケータ4の突起部10a、10bがそれぞれ嵌合される案内溝Aを、11c、11dは圧着端子供給装置に設けられた図示しない突起部が嵌合される案内溝Bを示す。
本図に示すように、2条の案内溝11a、11bは途中で合流し、1条の溝となる。図示しないロータリー9がサーボモータ等により回転すると、ロータリーの腕木8に取り付けられた、図示しないアプリケータ等は概ね図中の2点鎖線に沿って移動する。このアプリケータ4には、上述したように下部に2つの突起部10a、10bが設けられており、これらの突起は案内溝に拘束されながら移動する。
一方、前述したようにアプリケータの上部は、腕木8内の長孔部を径方向に移動可能に取り付けられているために、ロータリー9の回転に伴って、アプリケータ4は、案内溝に添う形で移動する。
【0040】
案内溝11a、11bが2条に設置されている場所においては、アプリケータの突起部10a、10bは案内溝に対してほぼ直角に位置するのに対し、案内溝が1条になる場所においては、1条の案内溝に2つの突起部が拘束されるために、案内溝に平行に位置する。
このため、ロータリー9の回転につれてアプリケータの向きが変更される。この様子を図5(b)に示す。案内溝11が1条の場所では、アプリケータは71aに示す方向を向く、これがロータリーの回転に伴って、2つの突起部10a、10bがそれぞれ案内溝11a、11bにより拘束され、アプリケータは71bに示す方向に回転する。更に71c、71dとその位置を変えると共に方向も変わる。この効果は、アプリケータが他のアプリケータあるいは圧着装置の他の部品に接触することなく移動、回転できることに現れる。
【0041】
また、図5(b)に示すように、脱出用溝11eを設けておくことにより、アプリケータの突起部の形状が凸形状(図6(c)参照)の場合に、このアプリケータを案内溝から脱却させることが可能となる。同様の図示しない脱出用溝を11cあるいは11dに設けることも可能である。
【0042】
アプリケータが、ロータリーの腕木と、1条あるいは2条の案内溝によって保持されているために、案内溝のレイアウトを設計することにより、アプリケータを自由に回転、移動させることが可能となる。
例えば、端子圧着装置の他の部品と接触しないように回転させる。あるいは、圧着作業中に他のアプリケータを交換する際、交換作業に適した角度にそのアプリケータを向けることなどが可能となる。
ロータリーと1条あるいは2条の案内溝からなるアプリケータの保持機能により、1つのアプリケータで圧着端子の圧着作業を実施している最中に、他のアプリケータの取り外し、交換作業が容易に実施できる。
また、図1において、腕木に取り付けるカセットとして、アプリケータ4a、4cの他に、例えば、ハイト測定器4bを取り付けることも可能である。ハイト測定器とは、圧着端子が正しく電線端部に圧着できているか否かを圧着端子部の高さの違いによって測定する器具である。ハイト測定器に限らず、各種のカセット化した装置を腕木に取り付ける態様が可能である。
【0043】
図12に、圧着端子の様々な圧着形態を示す。図12(a)は、電線200の端部に圧着端子190が正常に圧着された状態を示す。ここで201は電線の絶縁被覆、202は導体を示す。図12(b)は、圧着端子190から数本の導体202が外れている圧着不良状態を示す。(c)は、導体202のみを圧着端子が圧着している状態、(d)は、圧着端子の片側が圧着不良を起こしている状態をそれぞれ示す。
【0044】
図1のアプリケータ4aによって、電線の圧着作業を終えた後で、ロータリー9を回転させて、カセット式ハイト測定器4bにより、圧着状態の確認作業を行うことが出来る。確認作業が終了した後、次の種類の圧着端子を取り付ける作業をするために、ロータリーを更に回転させ、アプリケータ4cにより、圧着作業を行うことが出来る。
【0045】
また、上記の例で、アプリケータ4cによる圧着作業を実施している最中に、アプリケータ4aをロータリーの腕木から取り外し、他のアプリケータに交換することも可能である。アプリケータ、測定器だけでなく、不良圧着電線から圧着端子を切断するニッパー機能を有する装置(カセット)を腕木に取り付けることも可能となる。
本実施形態による端子圧着装置1により、他のアプリケータの装着、測定器の装着等が圧着作業を中断することなく実施できる。
【0046】
また本実施形態による端子圧着装置では、図1に示すように、2種類の圧着端子供給装置1、2(それぞれ7a、7b)を予め設置しておくことが出来る。圧着端子供給装置1(7a)を用いてアプリケータ4aにより圧着作業を行っている最中に、圧着端子供給装置2(7b)に次の作業用の連鎖圧着端子を装着して予め準備することが可能となる。
圧着端子供給装置用の案内溝を2本(案内溝11c、11d)設けておけば、横フィード型連鎖端子から縦フィード型連鎖端子への圧着作業の変更もすみやかに行うことが可能となる。
【0047】
なお、圧着端子供給装置(7a〜7d)の移動は、例えば、図1に示すシリンダー20により行うことが出来る。図5(a)(b)に示すように、圧着端子供給装置用の案内溝11c、11dを二股構造とすることにより、図1に示すように、2つの圧着端子供給装置7a、7bを交互に使用することが出来、連鎖端子の変更、補給が速やかに行える。
また、このシリンダー20に弾性のある、例えばゴム棒を使用することにより、上記の二股構造とした案内溝において、このゴム製シリンダーの反発力を利用してすみやかな分岐点の通過を図ることが可能となる。
図5では、アプリケータ用案内溝11a、11bと圧着端子供給装置用案内溝11c、11dを別個に設けているが、アプリケータと端子供給装置間の位置的な関係によっては、例えば、11aと11cを途中から一本に合流する構造も可能である。
【0048】
複数のアプリケータ4を円形に配置することにより、装置の小型化が図れ、また圧着作業場所と離れた場所でアプリケータの交換作業を行うことができる。
横フィード型端子供給装置と縦フィード型端子供給装置を互いに直行する位置に配置することにより、両者の圧着作業を同一場所で行うことが可能となり、横フィード型端子のアプリケータと縦フィード型端子のアプリケータを、それぞれ予めロータリーの腕木に装着しておくことが可能となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
第1の実施形態では、案内溝が1条及び2条からなる実施例を説明したが、アプリケータの構造、重量等によって、3つ以上の突起部、及び3条の案内溝を設ける形態であってもよい。
図1において、ロータリー9の腕木8が下部に、案内溝A、Bが天井部に設けられた構造からなる端子圧着装置も可能である。
【0050】
(第3の実施の形態)
第1の実施形態で説明した圧着端子供給装置7用の案内溝c又はdに、カセット式ハイト測定器4bあるいはニッパー機能を有する装置等を嵌合させて、シリンダー20等で圧着作業位置近辺に移動させることも可能である。アプリケータ4の動きとは独立に、これら測定器等の位置を固定できるので、作業の利便性が高まる。
これらの測定器等の位置を正確に固定するために、1条でなく2条以上の案内溝11c、11dを設けることも可能である。2条の案内溝により、装置を所定の方向に向けることができるので正確な測定、電線の切断作業等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るロータリーカセット式圧着機の構成図である。
【図2】図2は、ロータリーカセット式圧着機のロータリー他の平面図である。
【図3】図3は、アプリケータの拡大図である。
【図4】図4は、アプリケータの側面図である。
【図5】図5(a)は、案内溝の配置例を示す図である。図5(b)は、案内溝の配置例におけるアプリケータ等の位置を表す図である。
【図6】図6(a)は、アプリケータ等を取外す手順の説明図である。図6(b)は、アプリケータ等の突起部が案内溝に嵌合される様子を示す断面図である。図6(c)は、他の形状の突起部を説明する断面図である。
【図7】図7は、従来技術に係る圧着装置の構造を示す図である。
【図8】図8は、従来技術に係る圧着装置の正面図である。
【図9】図9は、従来技術に係る圧着装置の側面図である。
【図10】図10は、横フィード型連鎖端子を示す図である。
【図11】図11は、縦フィード型連鎖端子を示す図である。
【図12】図12(a)〜(d)は、圧着端子が電線に圧着されている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1:端子圧着装置(ロータリーカセット式圧着機)
2:プレスフレーム
3:端子圧着位置
4:アプリケータ(圧着機構)等
4a:アプリケータ1
4b:ハイト測定器
4c:アプリケータ2
5:端子圧着用型押部
6:ラム(駆動機構)
7:圧着端子供給装置
7a:圧着端子供給装置1
7b:圧着端子供給装置2
7c:圧着端子供給装置3
7d:圧着端子供給装置4
8:腕木
9:回転体(ロータリー)
10:突起部(アプリケータ)
10a:突起部a(アプリケータ)
10b:突起部b(アプリケータ)
11:案内溝
11a:案内溝a(アプリケータ用)
11b:案内溝b(アプリケータ用)
11c:案内溝c(圧着端子供給装置用)
11d:案内溝d(圧着端子供給装置用)
12:バネ部材(アプリケータ)
20:シリンダー(圧着端子供給装置移動用)
30:平面部材
71a〜71d:アプリケータ位置
81:腕木取付金具
101:端子圧着装置(従来技術)
102b:摺動用孔
103:端子圧着位置
104:アプリケータ(圧着機構)
105:端子圧着用型押部
106:ラム(駆動機構)
108:圧着端子供給レバー
121:レール
124:ベルトコンベア
126:圧着端子固定クランプ
136:連結板
137:搬送用ベルト
140:アプリケータ上型
170:トグル装置
171:上方リンク
172:下方リンク
173:トグル
174:フライホイール
175:回転軸
180:キャリア
181:回転軸
182:駆動溝
183:アーム
184:杵(圧着端子搬送杵)
190:圧着端子
200:電線
201:被覆部
202:導体
223:電線クリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の端部に圧着端子を装着する1又は2以上のカセット式圧着機構と、前記圧着端子を圧着位置に送りだす圧着端子供給装置とから構成される端子圧着機において、
前記カセット式圧着機構が、概水平方向に回転する回転体に複数設置され、それぞれ異なる径方向に延びる腕木の一つと、概水平に設置された平面部材に設けられた前記カセット式圧着機構用の案内溝Aにより概垂直に保持されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機。
【請求項2】
前記カセット式圧着機構が、前記回転体の前記腕木の一つに当該回転体の径方向に移動可能に保持され、かつ、前記カセット式圧着機構に設けられた少なくとも2以上の突起部が、前記平面部材に設けられた前記案内溝Aに嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項3】
前記平面部材に設けられた前記案内溝Aが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、当該1条の案内溝と当該2条以上の案内溝が相互に接続して設けられ、前記回転体の回転に伴って前記カセット式圧着機構に設けられた2以上の前記突起部が前記1条もしくは2条以上の案内溝Aに拘束されて移動することにより、前記カセット式圧着機構の位置及び方向が変更されることを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項4】
前記カセット式圧着機構が前記回転体の前記腕木部分から取り外し可能な接合方法によって接合されていることを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項5】
前記回転体がサーボモータによって駆動されて回転することを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項6】
前記カセット式圧着機構と前記回転体の前記腕木部分の接合箇所に、当該回転体の径方向の滑らかな移動を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項7】
前記圧着端子供給装置が、多数の前記圧着端子を連結した連鎖端子を所定のピッチで前記圧着位置に送りだすカセット式圧着端子供給装置であって、前記平面部材に設けられた当該圧着端子供給装置用の案内溝Bにより移動可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項8】
前記カセット式圧着端子供給装置に設けられた1以上の突起部が、前記平面部材に設けられた前記案内溝Bに嵌合されていることを特徴とする請求項7に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項9】
前記カセット式圧着端子供給装置が、横フィード型連鎖端子供給装置と縦フィード型連鎖端子供給装置からなり、当該横フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bと前記縦フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bが互いに概直交する配置に設置されていることを特徴とする請求項8に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項10】
前記平面部材に設けられた前記案内溝Bが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、当該1条の案内溝と当該2条以上の案内溝が相互に接続して設けられていることを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項11】
前記平面部材に設けられた前記案内溝A及び前記案内溝Bが相互に接続して設けられていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項12】
前記平面部材に、前記カセット式圧着機構あるいは前記カセット式圧着端子供給装置を取り外すための案内溝部が設けられていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項13】
前記平面部材に設けられた案内溝A又は案内溝Bの断面が概凸字形状をしていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項14】
前記カセット式圧着機構又は前記カセット式圧着端子供給装置の前記突起部には、前記案内溝との滑らかな接触を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項15】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、異なる圧着端子を圧着するためのカセット式圧着機構が予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項16】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、前記圧着端子の圧着状態を測定するための検査用カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項17】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、取付不良圧着端子等を前記電線から切り離すためのニッパー機構カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項1】
電線の端部に圧着端子を装着する1又は2以上のカセット式圧着機構と、前記圧着端子を圧着位置に送りだす圧着端子供給装置とから構成される端子圧着機において、
前記カセット式圧着機構が、概水平方向に回転する回転体に複数設置され、それぞれ異なる径方向に延びる腕木の一つと、概水平に設置された平面部材に設けられた前記カセット式圧着機構用の案内溝Aにより概垂直に保持されていることを特徴とするロータリーカセット式圧着機。
【請求項2】
前記カセット式圧着機構が、前記回転体の前記腕木の一つに当該回転体の径方向に移動可能に保持され、かつ、前記カセット式圧着機構に設けられた少なくとも2以上の突起部が、前記平面部材に設けられた前記案内溝Aに嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項3】
前記平面部材に設けられた前記案内溝Aが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、当該1条の案内溝と当該2条以上の案内溝が相互に接続して設けられ、前記回転体の回転に伴って前記カセット式圧着機構に設けられた2以上の前記突起部が前記1条もしくは2条以上の案内溝Aに拘束されて移動することにより、前記カセット式圧着機構の位置及び方向が変更されることを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項4】
前記カセット式圧着機構が前記回転体の前記腕木部分から取り外し可能な接合方法によって接合されていることを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項5】
前記回転体がサーボモータによって駆動されて回転することを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項6】
前記カセット式圧着機構と前記回転体の前記腕木部分の接合箇所に、当該回転体の径方向の滑らかな移動を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項7】
前記圧着端子供給装置が、多数の前記圧着端子を連結した連鎖端子を所定のピッチで前記圧着位置に送りだすカセット式圧着端子供給装置であって、前記平面部材に設けられた当該圧着端子供給装置用の案内溝Bにより移動可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項8】
前記カセット式圧着端子供給装置に設けられた1以上の突起部が、前記平面部材に設けられた前記案内溝Bに嵌合されていることを特徴とする請求項7に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項9】
前記カセット式圧着端子供給装置が、横フィード型連鎖端子供給装置と縦フィード型連鎖端子供給装置からなり、当該横フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bと前記縦フィード型連鎖端子供給装置が案内される案内溝Bが互いに概直交する配置に設置されていることを特徴とする請求項8に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項10】
前記平面部材に設けられた前記案内溝Bが1条の案内溝及び2条あるいはそれ以上の案内溝からなり、当該1条の案内溝と当該2条以上の案内溝が相互に接続して設けられていることを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項11】
前記平面部材に設けられた前記案内溝A及び前記案内溝Bが相互に接続して設けられていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項12】
前記平面部材に、前記カセット式圧着機構あるいは前記カセット式圧着端子供給装置を取り外すための案内溝部が設けられていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項13】
前記平面部材に設けられた案内溝A又は案内溝Bの断面が概凸字形状をしていることを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項14】
前記カセット式圧着機構又は前記カセット式圧着端子供給装置の前記突起部には、前記案内溝との滑らかな接触を可能とするベアリング機構等が設けられたことを特徴とする請求項2又は8のいずれか1項に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項15】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、異なる圧着端子を圧着するためのカセット式圧着機構が予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項16】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、前記圧着端子の圧着状態を測定するための検査用カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【請求項17】
前記回転体の前記腕木部分の一つに、取付不良圧着端子等を前記電線から切り離すためのニッパー機構カセットが予め装着され、あるいは装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のロータリーカセット式圧着機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−234290(P2007−234290A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51891(P2006−51891)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河オートモーティブパーツ株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河オートモーティブパーツ株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]