説明

ロータ組立体用のデカップラシステム

【課題】エンジンのファン組立体用の支持システムで使用する荷重軽減システムを提供する。
【解決手段】ロータデカップラシステムは、軸受システム及び軸受支持体間に配置された荷重軽減システム60を含む。荷重軽減システムは、フューズ75とダンパ71とを含み、ダンパは、フューズが破断した時に半径方向荷重の少なくとも一部をロータから軸受支持体70に伝達するようになる。1つの例示的な実施形態では、ダンパは、軸受の外側レースの周りに配置されたワイヤメッシュを含む。別の例示的な実施形態では、ダンパは、ロープダンパ組立体を含む。さらに別の例示的な実施形態では、荷重軽減システムは、支持構造体及びフレーム間に配置され、かつ伸長フューズと支持構造体及びフレーム間に配置されたダンパとを含み、ダンパは、伸長フューズが破断した時にアンバランス荷重の少なくとも一部をフレームに伝達するようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはターボファン式ガスタービンエンジンに関し、より具体的には、そのようなエンジンのファン組立体用の支持システムで使用する荷重軽減システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飛行中の航空機に動力を供給するために使用するターボファン式ガスタービンエンジンは一般的に、直列流れ連通状態で、ファン組立体、低圧圧縮機又はブースタ、高圧圧縮機、燃焼器、高圧タービン及び低圧タービンを含む。燃焼器は、燃焼ガスを発生し、この燃焼ガスは、連続して高圧タービンに送られ、そこで膨張して該高圧タービンを駆動し、次に低圧タービンに送られ、そこでさらに膨張して低圧タービンを駆動する。高圧タービンは、第1のロータシャフトを介して高圧圧縮機に駆動連結され、また低圧タービンは、第2のロータシャフトを介してファン組立体及びブースタの両方に駆動連結される。
【0003】
ファン組立体は、低圧シャフトに駆動連結されたロータディスクから半径方向外向きに延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたファンブレードを含む。各ファンブレードは一般的に、翼形部セクションと、ブレードをロータディスクに取付ける一体形ダブテール根元セクションとを有する。ファン組立体は、一般的に幾つかの軸受及び軸受支持体構造体を含む支持システムによって、一般にファンフレームと呼ばれる非回転フレーム上に回転支持される。
【0004】
エンジン運転時に、稀にではあるが鳥のような異物がファン組立体に衝突し、ファンブレードの一部又は全部がロータディスクから切り離された状態になる可能性がある。そのようなブレード喪失は、大きなアンバランスを生じさせることになり、場合によっては損傷を引き起こす可能性があるアンバランス力をファンフレームに伝達することになるおそれがある。そのようなアンバランス力の伝達を緩和するために、所定の荷重に対応して破断するように設計した壊れやすい構造体であるデカップラ(一般に「フューズ」とも呼ばれる)を備えた支持システムを設けることが知られている。
【0005】
従って、ブレード喪失の場合には、ファン組立体のアンバランス回転によりデカップラ(「フューズ」)を破断させて、大きなアンバランス力がファンフレームに伝達されないようにする。従って、デカップラの使用により、ファンフレーム及び関連する構造体は大きなアンバランス力に耐えるのに十分なほど頑強に作る必要がないので、エンジンの全体重量が効果的に低減される。この構造的デカップリング(分離)はまた、ファン組立体支持システムの剛性を低下させ、従ってファン組立体の固有振動数を低下させることになる。
【0006】
ブレード喪失という稀な事象においては標準的な手順はエンジンを迅速に停止させることであるが、ファン組立体は、エンジンの前進運動により生じるウインドミリング(風車状態)のために回転し続けることになる。ファン組立体がより低いウインドミリング速度まで低下すると、ブースタロータブレードとブースタステータと間での及び/又はファンブレードとファンケーシングとの間での接触荷重経路により、ファン組立体とファンフレームとの「リカップリング(再結合)」が生じることになる。そのようなリカップリングは、ファンフレームへのアンバランス力の新しい伝達経路を形成して、望ましくないエンジン及び/又は機体振動を引き起こすことになる。この振動は、ファン組立体の低下した固有振動数がウインドミリング速度と等しいか又は近接している場合には、生じた共振又は僅かなオフ共振動作のために特に厄介なものとなる可能性がある。
【0007】
従来型の荷重軽減装置(LRD)は、高速時におけるデカップリングを制限してファンロータシステムのデカップリングモード固有振動数をエンジンのウインドミリング速度以上に置くように設計される。従来型の荷重軽減装置は、ファンロータデカップリングを制限し、それによりファンロータ前方軸受(第1軸受)がフューズ(破断)しまたファンケース後方軸受(第2軸受)が部分的ににみフューズするようにする。従来型の設計では、ウインドミリング運転時にデカップリングモード固有振動数をウインドミリング速度以上に維持して許容応答レベルでの安定運転を得るのに十分な残留剛性を保つために、第2軸受位置のような付加的軸受位置における荷重経路の付加的デカップリングによる更なる荷重軽減は可能でなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ファンブレード損傷によりその支持システムからのファンロータの構造的デカップリングが生じた後に、ウインドミリング速度における飛行中エンジン振動を減少させるファン組立体支持システムを有することは、望ましいと言える。高速時におけるデカップリングの向上及び荷重軽減の増大を可能にする調整及び減衰式荷重軽減装置及びシステムを有することが望ましい。速度制限がない状態でウインドミリング運転を可能にする調整及び減衰式デカップリング及び荷重軽減システムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の1つ又は幾つかのニーズは、ガスタービンエンジン用のロータデカップラシステム50を提供する例示的な実施形態によって満たすことができ、本ロータデカップラシステム50は、軸受システム36及び軸受支持体70間に配置された荷重軽減システム60を含む。荷重軽減システム60は、フューズ75とダンパ71とを含み、ダンパ71は、フューズ75が破断した時に半径方向荷重の少なくとも一部をロータ12から軸受支持体70に伝達するようになる。1つの例示的な実施形態では、ダンパ71は、軸受の外側レースの周りに配置されたワイヤメッシュ51を含む。別の例示的な実施形態では、ダンパは、ロープダンパ組立体を含む。さらに別の例示的な実施形態では、荷重軽減システム90は、支持構造体38及びフレーム26間に配置され、かつ伸長フューズ98と支持構造体38及びフレーム26間に配置されたダンパ93とを含み、ダンパ93は、伸長フューズ98が破断した時にアンバランス荷重の少なくとも一部をフレーム26に伝達するようになる。
【0010】
発明と見なせる本主題は、提出した特許請求の範囲において具体的に指摘しかつ明確に特許請求している。しかしながら、本発明は、添付図面の図と共に以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
様々な図全体を通して同一の参照符号が同じ要素を示す図面を参照すると、図1は、本発明のロータデカップラシステム50の例示的な実施形態を備えたファンロータ12を有する例示的な高バイパス比ターボファン式エンジン10の長手方向断面図である。エンジン10は、ファンロータ12を含み、ファンロータ12は、ロータディスク14と、該ディスク14から半径方向外向きに延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたファン又はロータブレード16(図1には1つにみを示す)と、従来型の低圧タービン(図示せず)によって動力を供給されるファンシャフト18とを含む。ロータディスク14は、ファンシャフト18に駆動連結される。
【0012】
ファンロータ12の下流に配置されているのは、ブースタ圧縮機20であり、ブースタ圧縮機20は、軸方向に間隔を置いて配置されたベーン及びブレード列を有し、それら列のブレードは、ブースタスプール又はシャフト22に接合されている。ブースタシャフト22は、従来と同様にロータディスク14の後方側面に適切に固定接合される。円錐形スピナ24は、ロータディスク14の前方側面に接合されて、ファン組立体12に流入する空気に対する空気力学的流路を形成する。高圧圧縮機、燃焼器、高圧タービン及び低圧タービンのようなエンジン10のその他の従来型の構造体は、図を明瞭にするために図示していない。
【0013】
ファンロータ12は、支持システム28によって固定ファンフレーム26上に回転支持される。ファンフレーム26は、環状の外側ケーシング30、内側ハブ32、及びそれらの間で延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたストラット34を含む。ストラット34は、バイパス空気がそれらの隣接するストラット間を通過するので翼形形状になっている。支持システム28は、前方軸受システム36(代りに「第1軸受」と呼ぶ)、後方軸受システム40(代りに「第2軸受」と呼ぶ)、前方軸受支持体構造体38及び後方軸受支持体41を含む。図1に示す前方軸受支持体構造体38は、円錐の形態になっている。その他の適切な形状の支持構造体もまた、前方軸受を支持するために使用することができる。前方軸受システム36は、ファンシャフト18と前方軸受支持体38との間に配置される。後方軸受システム40は、ファンシャフト18と後方軸受支持体41との間に配置される。前方軸受支持体38及び後方軸受支持体41は、内側ハブ32に固定される。図1は、前方軸受36位置における本発明の例示的な実施形態によるロータデカップラシステム60を示す。図1はまた、支持構造体38の後方端部に設置された、本発明の別の例示的な実施形態による別のロータデカップラシステム90示す。本発明の実施形態は、以下の説明から明らかであるように、例えば後方軸受位置のような他の位置においても同様に設置することができることに留意されたい。
【0014】
図2は、本発明によるロータデカップラシステムの例示的な実施形態を概略的に示す。シャフト18は、例えば図1に示すファンロータ12のようなロータ(明瞭にするために図2には図示せず)に駆動連結される。
【0015】
図2に概略的に示す本発明の例示的な実施形態は、前方軸受システム36を含み、前方軸受システム36は、内側レース74、外側レース72並びに該内側レース74及び外側レース72間に設置されたベアリング要素73を含む。内側レースは、ファンシャフト18に取付けられる。外側レースは、壊れやすいフューズ75を使用して前方軸受支持体38に取付けられる。外側レース及び支持構造体間には回転防止ピン76を取付けて、フューズ75が破断した時に外側レースが回転するのを防止する。あらゆる従来型のタイプのフューズを使用することができる。
【0016】
図2に概略的に示す本発明の例示的な実施形態では、外側レースは、フューズ75に並列になったダンパ71と組合される。ダンパ71は、シャフト18から支持構造体70への軸受荷重の伝達に対して並列の荷重経路を形成する。ロータ12の正常作動時に、軸受荷重は、フューズ75を通してシャフト18から支持構造体70に伝達され、また軸受荷重の一部はまた、ダンパ71を通して並列状態で伝達することができる。フューズ75は、支持構造体38の破壊ポイント以下の破断ポイントを有する。破断ポイントを低下させることにより、ファンブレードが外れた場合のような大きなアンバランス事象時に、残りの支持構造体が破壊する前にフューズ75が破断することが可能になる。フューズ75の破断は、該フューズ75を通して残りの支持構造体38に伝達される構造的荷重を減少させる。これが起こると、アンバランス荷重のより多くが、ダンパ71に伝達される。
【0017】
図3は、図2に概略的に示す本発明の例示的なロータデカップラシステムを備えたファンロータ12を有するターボファン式ガスタービンエンジン10の例示的な軸受荷重応答50及び変位応答60を示している。ファンブレード外れのような過度のアンバランス事象が高速度52において発生した場合には、軸受及び支持システムが受ける発生可能性のあるアンバランス荷重54は、高くなる可能性がある。しかしながら、フューズ75は、発生可能性のある荷重レベル54よりも低い破断ポイント56を有することによって最初に破断するように設計されて、残りの構造体を過酷な損傷から保護するようになる。過度のアンバランス荷重のためにフューズ75が破断した時に、ロータ及び軸受は、アンバランス荷重のために半径方向変位を受ける可能性がある。ロータシステムの固有振動数は、軸受及び支持システムの剛性の低下ために低下する(図3の項目66として示す)。エンジンは、そのような異常アンバランス状態時に停止させることができ、エンジンは、ロータ速度63が低い時にウインドミリングを生じる可能性がある。共振状態におけるロータ作動を回避するために、ロータシステムの固有振動数とは異なるウインドミリング速度を保つことが必要である。ダンパ71は、ロータ固有振動数66がウインドミリング速度63以下に低下するので、ロータシステムのピーク応答68を減衰させる。換言すれば、ダンパ71の存在により、ロータシステムの低下した固有振動数66よりも高いロータ速度63におけるエンジンの運転が可能になる。図2に示すようなダンパ71の存在しない場合には、ウインドミリング速度は、デカップリングしたロータの低下した固有振動数66よりも低いレベルになるように制御しなければならないことになり、また応答レベル68は、より高くなることになる。
【0018】
本発明の別の実施形態では、前方軸受36のフューズ75及びダンパ71に加えて、後方軸受40にもまた、フューズ85が設けられる。図2には、このことを概略的に示している。フューズ85のような付加的フューズの存在により、極度のアンバランス荷重下での支持システムの剛性をさらに低下させ、従ってデカップリングしたロータシステムの共振周波数66をさらに低下させることができる。しかしながら、ダンパ71の存在は、デカップリングしたロータシステムのピーク応答68を減少させるのを助ける。図2では、図示の目的で、前方ベアリング要素73はローラ要素として示し、また後方ベアリング要素83はボール要素として示しているが、これらベアリング要素の各々は、ボール要素又はローラ要素のいずれかのものとすることができることを理解されたい。
【0019】
本発明の例示的な実施形態は、図4に正面図で示し、また図5に軸方向断面図で示している。図4及び図5において、ダンパ71は、ドーナツ形状を有しつ外側レースの周りに円周方向に設置されたワイヤメッシュである。ダンパ71は、外側レース71及び軸受支持体70間に配置される。ダンパ71は、保持プレート78によって軸方向に保持される。保持プレートは、ファスナ79によって軸受支持体構造体に取付けられる。この目的のために、その他の従来型の取付け手段もまた使用することができる。保持プレート78は、フューズ要素75を使用して軸受外側レース72に取付けられる。図4及び図5に示す例示的な実施形態では、図示するフューズ要素75は、前に説明した過度のアンバランス荷重の場合に剪断で破断する剪断タイプのフューズ要素である。この目的のために、他のあらゆる従来型のフューズ要素もまた使用することができる。通常運転状態下では、軸受荷重37の大部分は、外側レース72、フューズ75及び保持プレート79を通して軸受支持体70に伝達される。一部の荷重はまた、ダンパ71によって伝達することができる。フューズ要素75が剪断で破断した時に、前方軸受36からの半径方向荷重は、ダンパ71に伝達され、ダンパ71はその荷重を軸受支持体70に伝達する。剪断要素はスクリュとして示しているが、ボルトのようなその他の適切なフューズ及び保持手段を使用することができることを理解されたい。その他の従来型のフューズ要素もまた使用することができる。本発明の利点の1つは、ダンパ及びフューズのパラメータ並びに支持構造体の剛性を調整することによって、デカップリングモード固有振動数を有するようにシステムを調整することができることである。図4に示す例示的な実施形態では、外側レース72の前方側面の周りに、9つの剪断タイプのフューズ要素が円周方向に配置されている。同様に、外側レース72の後方側面の周りに、9つの剪断タイプのフューズ要素が円周方向に配置されている。例示的な実施形態では、ワイヤメッシュダンパ71は、約8インチの内径及び約12インチの外径を有し、かつ約3インチの厚さを有する。ワイヤメッシュダンパ71は、市販の鋼で作られている。ロータ変位を制限するために約20%の減衰を得ることが可能である。デカップリングンモードロータ周波数に対するウインドミリング速度の比率は、約2.92である。
【0020】
図6には、ロープダンパ組立体81を使用する本発明の別の実施形態を示している。複数のロープダンパ組立体81は、外側レース72及び軸受支持体70間に配置される。図6に示す例示的な実施形態では、直径方向に正反対の位置に設置された状態で外側レース72の円周部の周りに配置された4つのロープダンパ組立体81を示している。必要なロープダンパ組立体の数は、あらゆる用途において予想アンバランス荷重に耐えるように従来通りの手法を使用して選択することができる。図6では、ロープダンパ組立体81は、セグメントとして示しているが、外側レース72の周りに円周方向にロープダンパの連続組立体を使用することも可能である。図6aに示す例示的なロープダンパ組立体81は、鋼ロープで作られた6つのロープダンパ91を含む。これらロープダンパの各々は、ファスナを使用してロープダンパプレートに取付けられる。
【0021】
幾つかのロータ設計では、ロープダンパ組立体は、図6に項目82として示すギャップGが軸受外側レース72及びロープダンパプレート94間に存在するように設置することができる。ギャップGは、ロープダンパ組立体81によって得られる減衰が作動し始めるのに先立って、過度のアンバランス荷重状態下でのロータ12の一定の半径方向たわみ可能にする。過度のアンバランス荷重状態下でロータがデカップリングされた時に、ギャップGを使用してロータの共振周波数に対して適切な値を持つようにロータ組立体を調整するのを可能にすることができる。図6に示す例示的な実施形態では、ギャップGは、約0.100インチである。ギャップGがないロータシステムを有することもまた可能である。
【0022】
前方軸受36及び後方軸受40から離れた位置に、本発明が意図したロータデカップラシステムを有することが可能である。図7には、支持構造体38の後方端部に設置されたそのようなデカップラシステム90の例示的な実施形態を示している。支持構造体38は、従来型の取付け手段を使用してフレーム26に取付けられる。図7には、従来型の伸長フューズ要素98を示している。例えばファンブレードの外れ事象によるような過度のアンバランス荷重下では、軸受36からのモーメント荷重が、伸長フューズ98内に引張り荷重を生成する。支持構造体及びフレーム26間には、図6aに示すようなダンパ組立体97が配置されている。図7では、例示的な実施形態としてロープダンパ組立体97を示しているが、図4及び図5に示すワイヤメッシュダンパ71のようなその他の適切なダンパもまた使用のために選択することができる。例えばファンブレードの外れ事象のような過度のアンバランス荷重事象下では、伸長フューズ98は、引張りで破断し、軸方向及びモーメント軸受荷重がダンパ組立体97を通して伝達され、該ダンパ組立体が、前に説明したようにロータ応答に対して減衰を与える。
【0023】
エンジン内の多くの場所において、本明細書に示す本発明の実施形態を有することが可能であることを意図している。例えば、先に示したように前方軸受及び後方軸受のようなその他の場所において、本明細書に示すその他のロータデカップラシステムと共に、図7に示すロータデカップラシステム90を有することが可能である。
【0024】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を使用して、本発明を開示し、またさらに当業者が本発明を製作しかつ使用するのを可能にしている。本発明の特許性がある技術的範囲は、特許請求の範囲によって定まり、かつ当業者が想起するその他の実施例を含むことができる。そのようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を有するか又はそれらが特許請求の範囲の文言と本質的でない相違を有する均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の技術的範囲内に属することになることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のロータデカップラシステムの例示的な実施形態を備えたファン組立体を有する例示的なターボファン式ガスタービンエンジンの部分断面側面図。
【図2】本発明の例示的な実施形態による荷重軽減システムの概略図。
【図3】本発明の荷重軽減システムを備えたファン組立体を有するターボファン式ガスタービンエンジンの例示的な軸受荷重及び変位応答を示す図。
【図4】本発明による荷重軽減装置の例示的な実施形態の軸方向図。
【図5】本発明による荷重軽減装置の例示的な実施形態の軸方向断面図。
【図6】本発明による荷重軽減装置の別の例示的な実施形態の軸方向図。
【図6a】図5に示す荷重軽減装置で使用する例示的なダンパの斜視図。
【図7】軸受コーン上に設置された本発明による荷重軽減装置の別の例示的な実施形態の軸方向図。
【符号の説明】
【0026】
10 ターボファン式エンジン
12 ファンロータ
14 ロータディスク
16 ファン又はロータブレード
18 ファンシャフト
20 ブースタ圧縮機
22 ブースタスプール又はシャフト
24 円錐形スピナ
26 ファンフレーム
28 支持システム
30 外側ケーシング
32 内側ハブ
34 ストラット
36 前方軸受システム
37 軸受荷重
38 前方軸受支持体構造体
40 後方軸受システム
41 後方軸受支持体
50 ロータデカップラシステム
51 ワイヤメッシュ
60 荷重軽減システム又はロータデカップラシステム
70 軸受支持体
71 ダンパ
72 外側レース
73 ベアリング要素
74 内側レース
75 フューズ
76 回転防止ピン
78 保持プレート
79 ファスナ
81 ロープダンパ組立体
82 ギャップ
83 後方ベアリング要素
85 フューズ
90 荷重軽減システム又はロータデカップラシステム
91 ロープダンパ
93 ダンパ
94 ロープダンパプレート
97 ダンパ組立体
98 伸長フューズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン用のロータデカップラシステム(50)であって、
ロータ(12)に連結されたシャフト(18)と、
フレーム(26)に固定されかつ少なくとも1つの軸受支持体(70)を有する支持構造体(38)と、
内側レース(74)、外側レース(72)並びに前記内側レース及び外側レース間に設置されたベアリング要素(73)を含む少なくとも1つの軸受システム(36)と、
前記軸受システム(36)及び軸受支持体(70)間に配置された荷重軽減システム(60)と、を含み、
前記荷重軽減システム(60)が、前記外側レース(72)に取付けられた少なくとも1つのフューズ(75)と前記外側レース(72)及び軸受支持体(70)間に配置されたダンパ(71)とを含み、
前記ダンパ(71)が、前記少なくとも1つのフューズが破断した時に半径方向荷重の少なくとも一部を前記ロータ(12)から前記軸受支持体(70)に伝達するようになる、
ロータデカップラシステム。
【請求項2】
前記ダンパ(71)が、前記外側レース(72)の周りに円周方向に配置される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの保持プレート(78)が、前記外側レース(72)及び軸受支持体(70)に取付けられる、請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
前記ダンパ(71)が、ワイヤメッシュ(51)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ダンパ(71)が、少なくとも1つのロープダンパ(91)を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ロープダンパが、複数のロープダンパ組立体(81)を含み、
各ロープダンパ組立体(81)が、少なくとも1つのダンパプレート(94)に固定された少なくとも1つのロープダンパ(91)を含む、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記ロープダンパ組立体(81)が、前記ダンパプレート(94)及び軸受外側レース(72)間にギャップ(82)が存在するように該外側レース(72)の半径方向外側に設置される、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記フューズ(75)が、剪断要素である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
複数のフューズ(75)が、前記外側レース(72)の周りに円周方向に配置される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記支持構造体(38)及びファンフレーム(26)間に配置され、かつそれが支持した伸長荷重が既知の限界値を超えた時に破断することが可能な少なくとも1つのフューズ(98)を有するモーメント荷重軽減システム(90)をさらに含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−133313(P2009−133313A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302407(P2008−302407)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】