説明

ローディング機構およびこのローディング機構を用いたディスク再生装置

【課題】 薄型化と機構の単純化を図れ、ディスクに傷がつき難く、ディスク径も良好に識別可能であり、搬送も良好に行えるローディング機構およびこのローディング機構を用いたディスク再生装置を提供すること。
【解決手段】 ローディング機構11において、第1および第2の支点31,31を中心に回動する第1および第2のアーム部材30,30と、駆動源71からの駆動力で第1および第2のアーム部材30,30の少なくとも一方を回動させ、ディスク12の保持および送り込みを行わせるカム機構60と、第3の支点81を中心に独立して回動し、付勢手段86により付勢力をディスク12に与え、ディスク12の外周縁部の保持を行う第3のアーム部材80と、駆動源71の駆動により回転駆動されると共に、ディスク12の搬入の終点位置におけるディスク12の法線方向の投影面に対して差し掛からない部位に位置する搬送ローラ140と、具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローディング機構およびこのローディング機構を用いたディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、音響装置(カーオーディオ等)、カーナビゲーション装置等のディスク再生装置は、ユーザが外部からCD/DVD等のディスクを内部に供給可能となっている。かかる内部供給に際して、ディスク再生装置は、ディスクのローディング動作を行う。このローディング動作を実現するために、ディスク再生装置は、ローディング機構を備えている。
【0003】
ローディング機構は、ディスクの直径よりも、ディスクに押し当てるローラの長さが長いタイプが一般的である。そして、ディスクの下方側においてローラを押し当てると共に、ディスクの上方側においてディスクガイドを押し当てる。それにより、ディスクがローラとディスクガイドで挟持され、その状態でローラを回転させれば、ディスク再生装置の内部にディスクを搬送可能となっている。
【0004】
なお、かかるタイプのディスク再生装置としては、特許文献1に開示されているものがある。また、上述のローラを用いないタイプのローディング機構もあるが、その代表例としては、特許文献2に開示されているものがある。このタイプのローディング機構では、2本の揺動体および2つのガイド体を用いて、ディスクの搬送を行っている。
【特許文献1】特開2003−16710号公報(段落番号0005等参照)
【0005】
【特許文献2】特開2002−117604号公報(段落番号0030、図1および図2等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ディスク再生装置における多機能化等のため、上述の特許文献1に開示されているローラを用いるタイプのローディング機構は、できるだけ薄型化が図れることが望ましい。しかしながら、かかるローディング機構は、ディスクの上方にディスクガイドが配置される構成を採用している。このため、一定の厚み寸法を有する状態となり、ディスク再生装置の更なる薄型化を図る上での支障となっている。
【0007】
また、上述のようなローラを用いるタイプのローディング機構においては、ディスクの下側にローラが配置される構成であり、しかもディスクのチャッキングに際してローラの上下動が必要となっている。このため、上述のディスクガイドの配置に加えて、ローラの上下動の分のスペースを確保する必要があり、それによっても薄型化が一層困難となっている。また、ローラを上下動させるための機構も別途必要となり、ローディング機構が複雑になる、という問題もある。
【0008】
また、通常用いられるCD/DVD等のディスクには、8cmのものと12cmのものがあるが、いずれのディスクであるかを識別して、ディスクのセンタリング位置を変更するための機構が必要となる。それによって、機構が複雑化すると共に、ディスク再生装置の薄型化が困難となっている。なお、8cm/12cmのいずれのディスクであるかを識別するための機構を省略することも可能であるが、その場合には、最も用いられている12cmのディスクを重視する機構を採用することになるため、8cmのディスクの搬送が不可能になる、という問題も生じる。
【0009】
特に、特許文献2に開示されているタイプのディスク再生装置では、ガイド体が配置される位置等の関係から、8cmのディスクの搬送が困難である。また、特許文献2に開示されているタイプでは、2本の揺動体および2つのガイド体を備える構成であり、ガイド体によってディスクの上下面に傷が付く、という問題が解消されていない。
【0010】
また、特許文献2に開示の、ローラを用いないタイプのディスク再生装置では、ユーザがディスク再生装置の内部まで、ディスクを差し込む必要がある。かかる差し込み動作は、ユーザにとって煩わしい場合がある。また、一度ディスクを排出すると、再度ディスクを搬入するために、ユーザが手でディスクを把持しながら再度差し込む必要がある。そのため、ローラを具備するディスク再生装置のような、リロードを行うことができなく、使い勝手が良好となっていない。また、特許文献2に開示されている構成では、ディスクは、ディスク再生装置の内部に相当部分が残存する状態でしか排出されない。すなわち、ディスクの排出量が少なく、その取り出しが面倒となっている。
【0011】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、薄型化が可能であると共に、機構の単純化を図ることができ、かつディスクに傷がつき難く、ディスク径も良好に識別可能であると共に、ディスクの搬送を良好に行うことが可能なローディング機構およびこのローディング機構を用いたディスク再生装置を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、異なる直径のディスクの搬送を行うローディング機構において、駆動源と、第1の支点を中心として回動する第1のアーム部材と、第2の支点を中心として回動する第2のアーム部材と、駆動源で生じる駆動力によって第1のアーム部材および第2のアーム部材のうち少なくとも一方を回動させ、この回動によりそれぞれ異なる直径のディスクの外周縁部の保持および送り込みを行わせるカム機構と、第3の支点を中心として回動し、第1のアーム部材および第2のアーム部材とは独立して回動すると共に、付勢手段によりディスクの送り込みに抗する付勢力を該ディスクに与え、かつディスクの外周縁部の保持を行う第3のアーム部材と、駆動源の駆動により回転駆動されると共に、ディスクの搬入の終点位置における該ディスクの法線方向の投影面に対して差し掛からない部位に配置される搬送ローラと、を具備するものである。
【0013】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、搬送ローラは、該搬送ローラが配置される基体の幅方向における一方側に片寄る状態で配置されるものである。
【0014】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、搬送ローラの他方側の端部は、ディスクの送り込みが為された後のディスクのセンタリング位置の中心部分を通りかつディスクの搬送方向に沿う線よりも、基体の幅方向の一方側に位置する状態で配置されるものである。
【0015】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、ディスクは、搬送ローラの回転駆動の際にディスクガイドへ摺動しながら搬送されると共に、このディスクガイドは、基体側に向かって突出していて、さらに、ディスクガイドは、ディスクの搬送状態において該ディスクを挟んで搬送ローラとは反対側に配置されるものである。
【0016】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、ディスクガイドは、ディスクの搬入の終点位置における該ディスクの法線方向の投影面に対して差し掛からない部位に位置しているものである。
【0017】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、ディスクの中心部分が、ディスクに対する第1のアーム部材の当接部分とディスクに対する第2のアーム部材の当接部分とを結んだ線を、ディスクの送り込み側に向かって超えたときに、第1のアーム部材、第2のアーム部材および第3のアーム部材によるディスクの保持および搬送が為されるものである。
【0018】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1のアーム部材および第2のアーム部材は、リンク機構により連結されることで、互いに連動するものである。
【0019】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、リンク機構は、2つのリンクレバーと、このリンクレバーを連結するリンク接合軸と、より構成されていて、カム機構には、異なる直径のディスクの保持および送り込みに対応すると共に互いに連結されている複数のカム溝が設けられていて、リンク接合軸は、カム溝に挿入されていて、このリンク接合軸がカム溝の内部を摺動することにより、リンクレバーが回動し、このリンクレバーの回動に第1のアーム部材および第2のアーム部材の回動を連動させることにより、異なる直径のディスクの保持および送り込みが為されるものである。
【0020】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、リンク接合軸は、各機構が設置されるメインシャーシに形成されたリンクガイド溝に挿通されているものである。
【0021】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、カム溝には、第1のアーム部材および第2のアーム部材を回動させることにより、ディスクの送り込みを行うための送り込みカム部と、ディスクの送り込みが為された後のディスクのセンタリング位置において、第1のアーム部材および第2のアーム部材の位置保持を行う保持カム部と、ディスクの送り込み後であって、ディスクのターンテーブルに対するチャッキングが為された後に、第1のアーム部材および第2のアーム部材のディスクに対する保持状態の解除を行う逃がしカム部と、を具備するものである。
【0022】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、ディスクには、大径ディスクと、小径ディスクとが存在していて、カム機構には、大径ディスクに対応する大径ディスク用カム溝と、小径ディスクに対応する小径ディスク用カム溝と、が設けられているものである。
【0023】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第3のアーム部材は、ディスクの保持を行うディスク保持部と、該ディスク保持部が延伸している方向とは別途の方向に延伸している解除レバー部と、を有していて、カム機構は、解除レバー部に衝突させることにより第3のアーム部材を回動させて第3のアーム部材のディスクに対する保持状態を解除させるホールド部を有するものである。
【0024】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、ホールド部は、大径ディスクの送り込み後に第3のアーム部材が大径ディスクを保持している回動位置で解除レバー部を押し込むための第1ホールド部と、小径ディスクの送り込み後に第3のアーム部材が小径ディスクを保持している回動位置で解除レバー部を押し込むための第2ホールド部と、を有するものである。
【0025】
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1ホールド部と第2ホールド部とは、カム機構のうち同一の側辺から構成されていて、該側辺での押し込みにより、第3のアーム部材は、大径ディスクと小径ディスクとで、同じ位置まで回動させられ、大径ディスクまたは小径ディスクのうちいずれかに対して接触しない退避状態となるものである。
【0026】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、駆動源で生じる駆動力は、複数のギヤから構成されるローラギヤ輪列と、複数のギヤから構成されるローディングギヤ輪列にそれぞれ伝達され、カム機構には、外周ギヤが設けられていて、この外周ギヤがローディングギヤ輪列の最終段のギヤと噛み合うと共に、搬送ローラには、ローラシャフトが設けられていて、このローラシャフトにローラギヤの最終段のギヤが固定的に取り付けられているものである。
【0027】
さらに、他の発明は、上述のローディング機構の各発明を、ディスク再生装置に適用したものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、ローディング機構の薄型化が可能となる。また、ローディング機構の単純化を図ることができ、かつディスクに傷がつき難く、ディスク径も良好に識別可能となる。さらに、搬送ローラを設けることにより、ディスクの搬送を良好に行うことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態に係るローディング機構11、およびこのローディング機構11を用いたディスク再生装置10について、図1から図15に基づいて説明する。図1および図6〜図15は、本発明のディスク再生装置10の内部構成をそれぞれ示す平面図である。このディスク再生装置10は、CD(Compact Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等といったディスク12(図6他参照)を再生するものである。しかしながら、ディスク12は、CD、DVDには限られず、CD−R、DVD−R、DVD−RW等の他の円盤形状を有する記録媒体でも良い。
【0030】
また、以下の説明においては、ディスク12のうち、直径が12cmの大径のディスクを大径ディスク12aとし、直径8cmの小径のディスクを小径ディスク12bとして説明する。しかしながら、両者を区別する必要がない場合には、単にディスク12として説明する。
【0031】
また、以下の説明では、上側(上方側)とは、ディスク12が水平状態となる向きにディスク再生装置10を配置したときに、後述するターンテーブル101に対してディスク12が載置される側を指す。また、下側(下方側)とは、同じく、ディスク12に対してターンテーブル101が位置する側を指す。さらに、奥側とは、ディスク12がディスク再生装置10の内部に搬入される際の該ディスク12の進行方向側を指し、手前側とは、ディスク12が搬出される側を指す。
【0032】
ディスク再生装置10は、図1他に示すように、基体に対応するメインシャーシ20を具備している。メインシャーシ20は、図3および図4に示すアウターケース25にネジ等を介して取付固定されている。また、メインシャーシ20には、後述するトラバースユニット90が、ダンパ/バネ等を介して支持されていて、不図示のフローティング状態を切り替える機構によって、メインシャーシ20に対するトラバースユニット90のフローティング状態、および固定状態が切替可能となっている。
【0033】
なお、アウターケース25に対して、メインシャーシ20がダンパ/バネ等を介して支持される構成を採用しても良い。この場合には、メインシャーシ20のアウターケース25に対する、フローティング状態/固定状態の切り替えが可能となる。
【0034】
このメインシャーシ20には、第1のアーム部材および第2のアーム部材としてのロードアーム30,30(以下、必要に応じて、ロードアーム30,30をまとめてロードアーム30とする。)が回動自在に取り付けられている。ロードアーム30は、第1のアーム部材および第2のアーム部材に対応し、図1、図6〜図15における幅方向の両端側に1つずつ、合計2つ設けられている。このロードアーム30は、図1、図6〜図15において奥側かつ外側に存在する回動軸31を中心として、回動自在に設けられている。なお、回動軸31は、第1の支点および第2の支点に対応する。
【0035】
また、ロードアーム30は、軸支持部32と、アーム部33と、ディスク保持部34とを有している。
【0036】
上述の軸支持部32の中心には、上述の回動軸31が配置されている。そして、この回動軸31に対して軸支持部32が回動自在となる状態で挿通され、それによってロードアーム30がメインシャーシ20に対して回動自在に設けられている。また、軸支持部32は、その平面形状が略円盤形状を為すように設けられているが、同時に内方側に向かって突出する内方突出部35も有している。この内方突出部35には、後述する連結軸36が取り付けられる。
【0037】
また、アーム部33は、回動軸31から、内方かつ手前側に向かって延伸している。なお、本実施の形態では、アーム部33は、リブ等を設けることに強度を確保している。
【0038】
ここで、ロードアーム30のうち、図1他において右側のロードアーム30からは、リブ37が突出している。リブ37は、図1において、左側に向かって突出している。しかも、このリブ37は、回動軸31を中心として円弧状を描くように湾曲している。このリブ37は、アーム部33の裏面よりも下方側に向かって突出している。そして、下方側に向かって突出しているリブ37は、メインシャーシ20に存在する、ガイド溝21に嵌まり込んでいる。このリブ37は、検出スイッチ161を押し込むためのものである(図5参照)。
【0039】
また、ディスク保持部34は、ディスク12の搬送時に、該ディスク12の外周縁部を保持するための部分である。このディスク保持部34は、ディスク12の搬送時、および後述するチャッキング時に、ディスク12を良好に保持するための部分である。なお、かかるディスク12の保持を良好に行うために、ディスク保持部34をプーリ形状に形成することが、具体的な構成の一例として挙げられる。かかるプーリ形状にディスク保持部34を形成する場合、ディスク12の外周縁部のみを保持し、ディスク12の上面および下面にディスク保持部34がほとんど当接しない保持状態を実現可能となる。
【0040】
なお、かかるディスク12の保持を良好に行わせると共に、該ディスク12とアーム部33との干渉を避けるために、プーリ形状を為すディスク保持部34は、軸支持部32等よりも上方側に突出して設けられている。
【0041】
また、軸支持部32から突出する内方突出部35には、リンクレバー40が接続されている。リンクレバー40は、ロードアーム30に対し、連結軸36を介して回動自在に接続されている。リンクレバー40は、一対のロードアーム30,30のそれぞれに接続されるため、合計2つ設けられている。一対のリンクレバー40,40(以下、必要に応じて、リンクレバー40,40をまとめてリンクレバー40とする。)の先端部(連結軸36から離れる側の端部)は、ディスク再生装置10の幅方向の中央部分かつ手前側の部分において、互いに重なるように設けられている。この重なり状態を固定的とするため、リンクレバー40の先端部は、互いにリンク接合軸41によって連結されている。
【0042】
なお、リンクレバー40,40およびリンク接合軸41は、リンク機構を構成している。
【0043】
リンク接合軸41は、その下方側の部分がメインシャーシ20に設けられているリンクガイド溝22に入り込む。リンクガイド溝22は、後述するディスク12の搬送時に、リンクレバー40の先端部分の奥行き方向への移動に対応した長さ寸法に設定されている。また、リンクガイド溝22は、リンク接合軸41の直径に対応した幅寸法に設定されていて、リンクガイド溝22の内部でリンク接合軸41をさほどガタ付かせないように設けられている。なお、リンク接合軸41は、後述するドライブカム60のディスクガイド溝62にも入り込んでいる。
【0044】
また、リンク接合軸41には、バネ部材50の一端側が接続されている。バネ部材50の他端側は、メインシャーシ20等の固定的な部位に接続されている。このバネ部材50により、リンク接合軸41には、ディスク再生装置10の奥側に向かう付勢力が与えられる。それにより、リンク接合軸41が連結ガイド溝65(リンクガイド溝22)に位置している場合、リンク接合軸41を奥側に引き込む向きの付勢力を、リンク接合軸41に与えていて、それによってロードアーム30,30を閉じる向きに回動させている。
【0045】
なお、バネ部材50は、リンク接合軸41を奥側に引き込む構成を採用せずに、それぞれのリンクレバー40の中と部分にその一端側が取り付けられて、該リンクレバー40を手前側に引っ張る構成を採用しても良い。
【0046】
また、メインシャーシ20に対して、ドライブカム60が円弧状に摺動可能に設けられている。ドライブカム60は、メインシャーシ20に存在する、円弧状に設けられた不図示のガイド溝に沿って、円弧状に摺動可能に設けられている。なお、ドライブカム60は、図8等におけるディスク12の中心位置よりも、手前側かつ右側の部位を中心とする円弧状に摺動するように設けられている。また、ドライブカム60と、リンク接合軸41とは、カム機構を構成している。
【0047】
このドライブカム60のうち、手前側の外周縁部には、外周ギヤ61が設けられている。外周ギヤ61には、ローディングギヤ輪列70の最終段のギヤ70aが噛み合いする。ここで、メインシャーシ20には、駆動源としてのローディングモータ71およびローディングギヤ輪列70が設けられている。ローディングモータ71の回転軸71aには、ウォームギヤ72が取り付けられている。そして、ローディングモータ71に対して外部から電力が付与されることにより、該ローディングモータ71は、ウォームギヤ72を介してローディングギヤ輪列70に対して駆動力を与える。
【0048】
そして、ローディングギヤ輪列70に与えられた駆動力が、最終段のギヤ70aから外周ギヤ61に伝達される。それにより、ドライブカム60は、外周ギヤ61を介して摺動可能に設けられている。
【0049】
なお、ローディングギヤ輪列70には、不図示のトリガ機構が設けられている。このトリガ機構は、ローディングギヤ輪列70の所定のギヤを接離させるためのものである。すなわち、ディスク12が挿入されていない状態においては、ローディングギヤ輪列70における一のギヤは、他のギヤと噛み合いしていないが、ディスク12がディスク再生装置10の内部に一定だけ進行したとき(本実施の形態においては、図7および図12に示す位置まで、ディスク12が進行したとき)に、トリガ機構が作動し、一のギヤと他のギヤとが噛み合う。それにより、ドライブカム60に対して駆動力を伝達可能となる。
【0050】
ドライブカム60には、ディスクガイド溝62が設けられている。ディスクガイド溝62には、大径ディスク12aをガイドするための、カム溝としての大径ディスク用カム溝63と、小径ディスク12bをガイドするための、カム溝としての小径ディスク用カム溝64と、大径ディスク用カム溝63と小径ディスク用カム溝64とを連結すると共にリンク接合軸41の摺動を許容する連結ガイド溝65とが設けられている。なお、大径ディスク用カム溝63は、小径ディスク用カム溝64よりも手前側に位置している。また、連結ガイド溝65は、ディスク12がディスク再生装置10に挿入されていない状態において、リンクガイド溝22と上下方向に連なるように配置される。
【0051】
大径ディスク用カム溝63および小径ディスク用カム溝64は、リンク接合軸41をリンクガイド溝22の内部で強制的に摺動させるためのものである。かかる摺動により、リンクレバー40の先端部分もリンクガイド溝22に沿って強制的に摺動させられるが、該摺動により、リンクレバー40の後端側の連結軸36の位置も変化する。それにより、ロードアーム30を回動させることが可能となっている。すなわち、大径ディスク用カム溝63および小径ディスク用カム溝64は、ロードアーム30を回動させるためのものである。
【0052】
かかるロードアーム30の回動を実現するために、大径ディスク用カム溝63は、送り込みカム部63aと、保持カム部63bと、逃がしカム部63cと、解除維持カム部63dと、を有している。これらのうち、送り込みカム部63aは、連結ガイド溝65に連続している部分であり、大径ディスク用カム溝63のうち図1他において左側に位置する部位である。この送り込みカム部63aは、連結ガイド溝65から離れるにつれて、ディスク再生装置10の奥側に向かうように形成されている。それにより、ドライブカム60が図1他において左側に向かってスライドすると、リンク接合軸41は、バネ部材50の作用または大径ディスク用カム溝63の内壁の押し込みによって奥側に向かって移動する。そのため、リンクレバー40の先端部分の位置が奥側に移行する。これにより、リンクレバー40の連結軸36の位置も奥側に向かうように変化し、ロードアーム30のディスク12の引き込み方向に向かう回動が実現される。
【0053】
また、保持カム部63bは、送り込みカム部63aに連続している部分であり、大径ディスク用カム溝63のうち図1他において略中央部分を占める部位である。この保持カム部63bは、ドライブカム60が円弧状にスライドした場合でも、保持カム部63bに挿入されているリンク接合軸41のリンクガイド溝22における位置を変化させないように設けられている。なお、この保持カム部63bの長さ寸法は、ドライブカム60が摺動している間に、ディスク12がターンテーブル101に良好にチャッキングされる程度の長さ寸法となっている。
【0054】
また、逃がしカム部63cは、保持カム部63bに連続している部分である。この逃がしカム部63cは、連結ガイド溝65から離れるにつれて、ディスク再生装置10の手前側に向かうように形成されている。それにより、ドライブカム60が図1他において左側に向かってスライドすると、リンク接合軸41は、大径ディスク用カム溝63の奥側の内壁によって手前側に向かって押し込まれる。これにより、リンクレバー40の連結軸36の位置も手前側に向かうように変化し、ディスク保持部34がディスク12を保持している状態を解除させる向き向かう回動が実現される。それによって、ディスク保持部34がディスク12を保持している状態が解除される。
【0055】
なお、ディスク12をターンテーブル101によって回転可能とするために、逃がしカム部63cは、ディスク保持部34とディスク12とが接触しない部位まで、ディスク保持部34を移動させる長さ寸法に設けられている。しかしながら、逃がしカム部63cは、ディスク保持部34の退避に必要な程度の長さ寸法であるため、ディスク12の送り込みを行うための送り込みカム部63aの長さ寸法よりも短くなっている。
【0056】
また、解除維持カム部63dは、逃がしカム部63cに連続している部分である。この解除維持カム部63dは、保持カム部63bと同様に、ドライブカム60が円弧状にスライドした場合でも、解除維持カム部63dに挿入されているリンク接合軸41のリンクガイド溝22における位置を変化させないように設けられている。なお、解除維持カム部63dは、さほど長く設けられておらず、その長さ寸法は、保持カム部63bよりも圧倒的に短くなっている。
【0057】
また、小径ディスク用カム溝64も、大径ディスク用カム溝63と同様の構成となっており、送り込みカム部64aと、保持カム部64bと、逃がしカム部64cと、解除維持カム部64dと、を有している。ここで、小径ディスク用カム溝64の各部分は、機能的には大径ディスク用カム溝63の各部分と同様であり、対象となるディスク12が大径ディスク12aから小径ディスク12bに変更になるだけのため、その詳細についての説明は省略する。
【0058】
また、ドライブカム60には、その左側の端部に、ホールド部に対応する第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bが設けられている。第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bは、後述するイジェクトアーム80の解除レバー部85を押し込むための部分である。かかる押し込みを実現するために、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bは、ドライブカム60の他の部分よりも、図1等において左側に向かって突出している。
【0059】
なお、第1ホールド部66aは、ドライブカム60の左側端部のうち奥側に位置している。また、第2ホールド部66bは、ドライブカム60の左側端部のうち、手前側に位置している。これら第1ホールド部66a、第2ホールド部66bは、大径ディスク12aと小径ディスク12bとをそれぞれ搬入した場合の、イジェクトアーム80の回動距離の相違によって、別々に必要となっている。
【0060】
また、解除レバー部85を良好に押し込むようにするために、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bの縁部の傾斜角度は、それぞれ、図1において左下から右上に向かうように設けられている。また、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bは、解除レバー部85の手前側の側縁に当接する(図9、図14参照)。かかる当接状態で、ドライブカム60が図1他において左側にスライドすることにより、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bは、解除レバー部85の先端部分を奥側に押し込み、それによってイジェクトアーム80の図1他における反時計回りの回動が実現される。
【0061】
また、メインシャーシ20には、第3のアーム部材に対応するイジェクトアーム80が回動自在に設けられている。イジェクトアーム80とメインシャーシ20との間には、付勢手段に対応する排出バネ86が設けられており、この排出バネ86の一端側がメインシャーシ20、他端側がイジェクトアーム80に取り付けられている。この排出バネ86により、イジェクトアーム80には、ディスク12を排出側に向けて押し出す向きの付勢力が与えられている。
【0062】
イジェクトアーム80は、ロードアーム30と同様に、軸支持部82と、アーム部83と、ディスク保持部84とを有しているが、これらに加え、イジェクトアーム80には、解除レバー部85も設けられている。これらのうち、軸支持部82の中心には、回動軸81が配置されている。そして、この回動軸81に対して軸支持部82が回動自在となる状態で挿通される。それによって、イジェクトアーム80がメインシャーシ20に対して回動自在に設けられている。
【0063】
なお、本実施の形態では、イジェクトアーム80の軸支持部82は、ローディングモータ71の近傍に設けられている。また、本実施の形態では、イジェクトアーム80のアーム部83は、段差形状に折れ曲がって形成されている。そして、この段差形状の部分(段差部分83a)が、メインシャーシ20に形成された逃がし孔23に位置するように構成されていて、アーム部83のうち回動軸81側の部分がメインシャーシ20の裏側に配置される構成となっている。
【0064】
また、図1他に示すように、メインシャーシ20の表側においては、アーム部83は、奥側に凸となるように湾曲している。それによって、アーム部83がディスク12と干渉するのを避けている。このアーム部83は、ロードアーム30のアーム部33よりも長く設けられている。このアーム部83の長さ寸法は、図8等に示すようなディスク12のセンタリング時においても、ディスク保持部84がディスク12の外周縁部に当接すると共に、ディスク保持部84がディスク12の外周縁部から離間することが可能な長さ寸法に設定されている。
【0065】
また、ディスク保持部84も、上述のロードアーム30のディスク保持部34と同様となっている。このディスク保持部84と、ロードアーム30の2つのディスク保持部34,34とにより、ディスク12を3点で保持する状態となっている。なお、ディスク12が挿入されていない状態においては、解除レバー部85が後述するアーム検出スイッチ110を押し込む等により、ディスク保持部84は、最も手前側に位置しながらも、ディスク再生装置10の内部で停止位置の位置決めが為された状態となっている。
【0066】
さらに、軸支持部82からは、解除レバー部85が延伸している。解除レバー部85は、図1および図6等におけるディスク12の非挿入の状態において、手前側に向かうように延伸している。このとき、アーム部83は、幅方向に向かって延伸している。この状態から、ディスク12が挿入されると、ディスク保持部84がディスク12の外周縁部に当接し、アーム部83が徐々に回動される。それにより、解除レバー部85は、ディスク再生装置10の幅方向の内部側に向かって徐々に突出し、第1ホールド部66aと当接する部位まで回動されてゆく。
【0067】
なお、解除レバー部85は、本実施の形態では、ローディングモータ71と干渉しないように湾曲して設けられている。この湾曲形状は、ディスク再生装置10の外方側からディスク再生装置10の幅方向の中央に向かい、凸となるように設けられている。
【0068】
この解除レバー部85の先端部分は、上述した第1ホールド部66aに当接する。かかる当接を可能とするために、解除レバー部85は、メインシャーシ20の裏側においてドライブカム60と同程度の高さ位置に設けられている。
【0069】
また、メインシャーシ20には、図1他において左上から右下に向かうように切欠部24が設けられている。この切欠部24には、トラバースユニット90が配置されている。トラバースユニット90は、トラバースシャーシ91を有している。このトラバースシャーシ91には、主軸92および副軸93が取り付けられていると共に、この主軸92および副軸93に沿って、光ピックアップ95を備える光ピックアップユニット94が摺動可能に設けられている。なお、光ピックアップ95のうち、主軸92よりも手前側に向かって突出するように、突出部分96が設けられていて、この突出部分96には、下方側に向かい爪(図示省略)が突出していて、該爪は、リードスクリュー97に係合している。リードスクリュー97は、スレッドモータ98により回転駆動され、この回転駆動により光ピックアップユニット94がターンテーブル101に接離する。
【0070】
また、トラバースシャーシ91には、スピンドルモータ100が取り付けられていて、このスピンドルモータ100の回転軸には、ディスク12がチャッキングされるターンテーブル101が取り付けられている。なお、ターンテーブル101には、凸部分102が設けられている。この凸部分102は、ディスク12の中心孔12cに差し込まれる部分であり、差し込み後、ディスク12の保持を行える構成となっている。また、トラバースユニット90は、不図示の昇降機構に取り付けられており、該昇降機構の動作により、上下方向に昇降可能に設けられている。この昇降機構の動作により、トラバースユニット90が上昇すると、ディスク12のターンテーブル101に対するチャッキングがなされる。
【0071】
また、図1他に示すように、メインシャーシ20のうち、解除レバー部85の回動範囲の所定位置には、アーム検出スイッチ110が設けられている。アーム検出スイッチ110は、イジェクトアーム80の回動の検出を行うものである。すなわち、ディスク12が排出されて、イジェクトアーム80が図1、図6、図11等において時計回りに所定だけ回動すると、アーム検出スイッチ110を押し込むように配置されている。
【0072】
このアーム検出スイッチ110は、不図示の制御回路を介して、ローディングモータ71に接続されている。ここで、アーム検出スイッチ110が押し込まれると、ローディングモータ71の駆動が停止される構成となっている。
【0073】
さらに、図1他に示すように、ディスク再生装置10のうち、手前側の部位には、ローラユニット120が設けられている。ローラユニット120は、ローラアーム130と、搬送ローラ140と、を具備している。これらのうち、搬送ローラ140は、ローラシャフト141と、ローラカバー142とを具備している(図3参照)。ローラシャフト141は、ローラアーム130に対して回動自在に支持されている。また、ローラカバー142は、ローラシャフト141の外周を覆っている。このローラカバー142は、例えばゴムや樹脂等のような、ディスク12に接触しても損傷を生じさせない柔らかめの材質であって、ディスク12の裏面に当接した場合に、摩擦力を良好に与える材質から構成されている。
【0074】
また、ローラアーム130は、ディスク再生装置10のうち、手前側における幅方向のほぼ全体に亘るように設けられている。なお、ローラアーム130は、細長い板状部材より構成されていても良く、その他、奥行き方向に向かってL字型に折れ曲がる等、種々の形状を採用することが可能である。また、本実施の形態では、ローラアーム130は、アウターケース25に対して、回動自在となる状態で取り付けられている。
【0075】
かかるローラアーム130のうち、図1において左側の端部、および幅方向の真中よりも左寄りの部位には、一対の軸受部131が設けられている。軸受部131には、上述のローラシャフト141が回転自在に支持される。ここで、ローラシャフト141が回転駆動されると、ディスク12は、その左側において、ディスク再生装置10の内部に送り込まれる状態となる。
【0076】
なお、かかる軸受部131の配置により、搬送ローラ140は、ディスク12の中心孔12cを通る奥行き方向の直線L(ディスク12のセンタリング位置の中心部分を通りかつディスク12の搬送方向に沿う線)よりも、図1他において左側(幅方向の一方側)に片寄る配置となっている。それにより、ディスク12のセンタリングが為された状態において、ディスク12の手前側の後端が、搬送ローラ140に差し掛からない状態となっている。
【0077】
また、上述のローラシャフト141の左側の端部には、ローラギヤ151が取り付けられている。ローラギヤ151は、ローラギヤ輪列150の一部を構成する部分である。ここで、メインシャーシ20には、ローラギヤ輪列150が設けられている。そして、ローディングモータ71に対して、外部から電力が付与されると、ローディングモータ71は、ウォームギヤ72を介してローラギヤ輪列150に対して駆動力を与える。それによって、搬送ローラ140がディスク12を搬出可能となる。
【0078】
また、図4等に示すように、アウターケース25には、ディスクガイド26が取り付けられている。ディスクガイド26は、アウターケース25のうち、搬送ローラ140よりも手前側の部分を、プレス加工等で下方に突出させることにより、形成されている。また、このディスクガイド26は、ディスク再生装置10の中央部分から幅方向の外側に向かうにつれて、下方側への突出量が大きくなるように設けられている。それによって、ディスクガイド26には、ディスク12の外周縁部が当接する状態となっている。
【0079】
また、ディスクガイド26は、ディスク再生装置10の幅方向の中央部分から外側に向かうにつれて、緩やかに手前側に向かう配置とするのが好ましい。かかる構成を採用する場合、ディスク12がディスク再生装置10の内部に送り込まれると、ディスク12の手前側の外周縁部がディスクガイド26に良好に当接可能となっている。
【0080】
さらに、ローラアーム130のうち、図1において、搬送ローラ140の存在しない右側の上方側には、アーム部材160が設けられている(図5参照)。アーム部材160は、ディスク検出機構の一部を構成するものであり、ディスク12の差し込みを検出するための部材である。かかる検出により、ローディングモータ71を駆動させ、搬送ローラ140の回転を開始させることが可能となる。
【0081】
ここで、ディスク検出機構には、アーム部材160と、検出スイッチ161と、が設けられている。これらのうち、アーム部材160は、本実施の形態では、図1他において、右側のロードアーム30にのみ設けられている。また、アーム部材160には、ディスク12に衝突するための突起162が、該アーム部材160から離間する方向に向かって延伸している。また、検出スイッチ161は、メインシャーシ20に取り付けられている。しかも、検出スイッチ161は、メインシャーシ20上のうち、右側のロードアーム30が具備するリブ37により押し込まれる位置に配置されている。
【0082】
なお、ディスク検出機構は、かかる構成に限られるものではなく、搬送ローラ140の存在しない右側の上方側に、ディスク12の挿入を検出するための検出センサを配置する等、種々変形可能である。
【0083】
以上のような構成を有するローディング機構11、およびこのローディング機構11を用いたディスク再生装置10の作用(動作)について、以下に説明する。
【0084】
まず、大径ディスク12aを搬入する場合の作用(動作)について説明する。大径ディスク12aをディスク再生装置10の内部に向けて挿入すると、該大径ディスク12aの外周縁部は、図5に示す突起162に衝突する。この状態から、さらに大径ディスク12aがディスク再生装置10の内部に向かおうとすると、大径ディスク12aの進行により、アーム部材160は、図1他において反時計回りに向かって回動させられる状態で押し込まれる。すると、この押し込みに連動して、右側のロードアーム30も、図1他において反時計回りに向かって回動させられる。
【0085】
この回動により、リブ37は、検出スイッチ161を押し込む。すると、ローディングモータ71に所定の電力が供給され、ローディングモータ71が起動される。すると、ローディングモータ71で生じた駆動力は、ローラギヤ輪列150を介して、搬送ローラ140に伝達される。このとき、搬送ローラ140は、大径ディスク12aをディスク再生装置10の奥側に向けて進行させる向きに回転している。それにより、大径ディスク12aは、図1他の左側において、ディスク再生装置10の奥側に向けて進行させられる。
【0086】
なお、大径ディスク12aの裏面(下面)が搬送ローラ140に接触している場合、該大径ディスク12aの表面(上面)は、ディスクガイド26に接触している。この場合、ディスクガイド26は、大径ディスク12aの表面のうち、外周縁部において接触する状態となっている。
【0087】
ここで、大径ディスク12aは、その左側のみが搬送ローラ140によって内部に送り込まれようとするため、該大径ディスク12aは、時計回りに回転しながらディスク再生装置10の内部に進もうとする。かかる回転状態で、大径ディスク12aがディスク再生装置10の内部に進行すると、大径ディスク12aは、先に左側のロードアーム30のディスク保持部34に衝突し、該ディスク保持部34によって大径ディスク12aの外縁縁部の左側の一部が受け止められる。
【0088】
この状態で、さらに搬送ローラ140により大径ディスク12aがディスク再生装置10の内部に送り込まれる場合、大径ディスク12aの外縁縁部の右側の一部も、右側のロードアーム30のディスク保持部34によって受け止められる。このとき、大径ディスク12aは、その左右両側の外周縁部において保持される状態となる。この状態で、さらに搬送ローラ140が回転駆動されると、大径ディスク12aは、バネ部材50の付勢力に抗しながら、ディスク再生装置10の内部に向かおうとする。なお、このとき、一対のロードアーム30,30は、大径ディスク12aの挿入に伴って、回動軸31を支点として、互いの間隔を押し広げるように回動させられる。
【0089】
そして、押し込みが所定だけ進行すると、大径ディスク12aの奥側の外周縁部が、イジェクトアーム80のディスク保持部84と当接する。このとき、大径ディスク12aは、3つのディスク保持部34,34,84によって保持される状態となる。
【0090】
搬送ローラ140の駆動により、大径ディスク12aが奥側に向かって押し込まれると、図7に示すように、リンク接合軸41が連結ガイド溝65の手前側の端部の近傍に位置する状態となる。このとき、不図示のトリガ機構が作動し、一のギヤと他のギヤとが噛み合う。すると、ローディングギヤ輪列70が駆動力を伝達可能な状態となり、ローディングギヤ輪列70の最終段のギヤ70aに噛み合っている外周ギヤ61に、駆動力が伝達される。
【0091】
なお、トリガ機構が作動する前の段階において、大径ディスク12aの中心点Pが、図6に示すQ−Q線(このQ−Q線は、大径ディスク12aに対する2つのロードアーム30,30の当接部分を結んだ線)を通過する状態となる。このとき、中心点Pは、大径ディスク12aとディスク保持部34,34,84との接触点を結ぶ図形(三角形)の内部に、位置する状態となる。すなわち、Q−Q線を大径ディスク12aの中心点Pが送り込み側に向かって超えたときに、バネ部材50の付勢力により、ロードアーム30,30には、大径ディスク12aの外周縁に当接する力が与えられ、ロードアーム30,30が互いに内側を向くように付勢される。なお、この点は、後述する小径ディスク12bにおいても同様である。また、中心点PがQ−Q線を超えると共に、不図示のトリガ機構が作動している状態においては、ディスク12の送り込み以外に、搬送ローラ140によらないディスク12の一定位置までの排出、およびディスク12の保持も為される。
【0092】
トリガ機構が作動すると、ドライブカム60は、図7における左側(矢示A方向)に向かう摺動を開始する。この摺動により、リンク接合軸41は、大径ディスク用カム溝63のうち、送り込みカム部63aの内部を進行してゆく。すると、リンク接合軸41は、バネ部材50の付勢力または送り込みカム部63aの内壁によって押し込まれ、ドライブカム60が左側に向かって移動するにつれてディスク再生装置10の奥側に向かって移動する。この移動により、リンクレバー40の先端側も奥側に向かって移動させられる。ここで、リンクレバー40の先端側から連結軸36までの長さ寸法は固定的であること、ロードアーム30の回動軸31から連結軸36までの長さ寸法も固定的であることにより、リンク接合軸41が移動した場合、連結軸36の位置も一義的に定まる。リンク接合軸41が奥側に向かって移動する場合、連結軸36の位置は、ディスク保持部34,34を互いに近接する向きに向かって回動させる位置に移動する。
【0093】
このようにして、ドライブカム60が左側にスライドするにつれて、ディスク保持部34,34が互いに近づく向きにロードアーム30は回動される。このとき、搬送ローラ140も回転駆動しているため、該搬送ローラ140の回転駆動と共に、ディスク保持部34の回動によっても、大径ディスク12aは、ディスク再生装置10の内部に送り込まれていく。このとき、大径ディスク12aは、イジェクトアーム80を介して排出バネ86により与えられる付勢力に抗しながら、ディスク再生装置10の奥側に向かって進行する。
【0094】
ドライブカム60が所定だけ左側にスライドすると、リンク接合軸41は、送り込みカム部63aを外れて、保持カム部63bに入り込む。このとき、図8に示すように、大径ディスク12aは、その中心がターンテーブル101の上部に位置していて、ディスククランプが可能な状態(センタリング状態)となっている。かかるセンタリング状態においては、搬送ローラ140は、大径ディスク12aの図1等における投影面(この場合、大径ディスク12aの法線方向における投影面)に差し掛かっていない。すなわち、大径ディスク12aは、搬送ローラ140と干渉しない状態となっている。
【0095】
上述のように、保持カム部63bにリンク接合軸41が入り込んでいる間に、不図示の昇降機構が作動して、トラバースユニット90を上昇させる。それにより、ターンテーブル101の凸部分102が大径ディスク12aの中心孔12cに差し込まれ、大径ディスク12aのチャッキングが完了する。
【0096】
また、チャッキングが完了し、さらにドライブカム60が所定だけスライドすると、リンク接合軸41は、保持カム部63bを外れて逃がしカム部63cに入り込む。この逃がしカム部63cにリンク接合軸41が入り込むと、リンク接合軸41は、逃がしカム部63cの奥側の内壁に押されて、手前側に向けてスライドさせられる。すると、リンク接合軸41の手前側への移動に伴なって、ディスク保持部34,34が互いに離間するように、ロードアーム30が回動させられる。また、ドライブカム60の第1ホールド部66aは、解除レバー部85に衝突し、この解除レバー部85を徐々に押し込んでいく。
【0097】
そして、リンク接合軸41が逃がしカム部63cを外れて、解除維持カム部63dに入り込んで、その右側端部まで移動すると、第1ホールド部66aは解除レバー部85を押し込んで、それによりイジェクトアーム80が回動させられ、ディスク保持部84が大径ディスク12aの外周縁部に当接しない状態となる。これと共に、ディスク保持部34,34が大径ディスク12aの外周縁部を保持している状態も解除され、図9に示すように、ディスク保持部34,34,84と大径ディスク12aとが接触しない状態となる。
【0098】
なお、ディスク保持部34,34,84が接触しない状態になるのと共に、トラバースユニット90は、ドライブカム60の動作に伴なう不図示の昇降機構により、大径ディスク12aの再生位置まで移動させられる。また、解除維持カム部63dにリンク接合軸41が入り込んで、ドライブカム60のスライドの左側の終点に近づく場合、ドライブカム60は、メインシャーシ20に存在する不図示の位置検出スイッチを押し込む。それにより、ローディングモータ71の駆動が停止され、ドライブカム60のスライド動作が終了する。
【0099】
この後に、スピンドルモータ100が駆動することにより、ターンテーブル101が回転され、同時に光ピックアップ95が作動することにより、大径ディスク12aに記録されている情報の読み取りによるディスク再生が可能となる。
【0100】
続いて、大径ディスク12aを排出する場合の作用(動作)について説明する。この場合、まず、ユーザが不図示のイジェクトボタンを押し込む等により、排出に対応した制御指令が発せられ、不図示の制御回路を介して、ローディングモータ71には、排出に対応する回転を行うための電流が印加される。それにより、ローディングギヤ輪列70も駆動され、ローディングギヤ輪列70の最終段のギヤ70aに噛み合っている外周ギヤ61に、上述の向きとは逆の駆動力が伝達される。
【0101】
なお、上述のようなローディングモータ71の作動により、ローラギヤ輪列150も回転駆動させられる。ここで、大径ディスク12aが手前側に向かってスライドする前の状態においては、大径ディスク12aは、搬送ローラ140に差し掛かっていない。そのため、この状態においては、搬送ローラ140は、ローラギヤ輪列150を介しての駆動力の伝達により、大径ディスク12aを排出する向きの空転状態となる。
【0102】
上述のようにしてドライブカム60に駆動力が伝達されると、該ドライブカム60は、図9における右側(図7における矢示Aの向きとは逆の向き)に向かうスライドを開始する。ここで、このスライドに先立って、またはこのスライドと共に、トラバースユニット90は、不図示の昇降機構により、大径ディスク12aのチャッキング解除を行える位置に移動させられる。
【0103】
この状態となった後に、ドライブカム60がさらに右側に向かってスライドすると、リンク接合軸41は、解除維持カム部63dから逃がしカム部63cに入り込む。すると、リンク接合軸41は、バネ部材50の付勢力または逃がしカム部63cの手前側の内壁によって押し込まれ、奥側に向かって進行する。この進行により、ディスク保持部34は、大径ディスク12aの外周縁部を保持する状態となる。一方、ドライブカム60が右側にスライドすると、ドライブカム60の第1ホールド部66aは、イジェクトアーム80の解除レバー部85から徐々に離間してゆく。このため、イジェクトアーム80は排出バネ86による付勢力を受けて、大径ディスク12aの外周部分に付勢力を及ぼす状態となる。また、一対のディスク保持部34,34が大径ディスク12aの外周縁部を保持するのと略同じタイミングで、イジェクトアーム80のディスク保持部84も、上述の排出バネ86の付勢力により、大径ディスク12aの外周縁部を保持する状態となる。
【0104】
さらにドライブカム60がスライドすると、保持カム部63bの内部にリンク接合軸41が入り込む。ドライブカム60の右側へのスライドにおいて、リンク接合軸41が保持カム部63bに存在している間に、不図示の昇降機構が作動して、トラバースユニット90を下降させる。このとき、大径ディスク12aの外周縁部は、ディスク保持部34,34,84によって保持されている(図8参照)ため、トラバースユニット90が下降すると共に、ターンテーブル101に存在する不図示のディスクチャック機構が解除される。それにより、凸部分102が大径ディスク12aの中心孔12cから離脱し、大径ディスク12aの保持状態が解除される。
【0105】
大径ディスク12aのチャッキング解除が終了した後に、リンク接合軸41が保持カム部63bから外れて送り込みカム部63aに入り込む。すると、リンク接合軸41は、今度は送り込みカム部63aの奥側の内壁によって押し込まれる。それにより、リンク接合軸41は、手前側に向かって移動する。かかるリンク接合軸41の移動に伴なって、ロードアーム30は、リンクレバー40を介して、ディスク保持部34,34が互いに離れる向きに回動させられる。そして、大径ディスク12aは、イジェクトアーム80を介しての排出バネ86の付勢力により、ディスク保持部34,34が徐々に互いに離れていくと、手前側に向かって徐々に押し出されてゆく。
【0106】
ここで、大径ディスク12aが手前側に向かって押し出されていくと、該大径ディスク12aの裏面の左側かつ手前側の一部が、搬送ローラ140に接触する状態となる。ここで、搬送ローラ140は、上述のように、大径ディスク12aを排出する向きに向かって空転している。このため、大径ディスク12aの一部が搬送ローラ140に接触すると、搬送ローラ140は、イジェクトアーム80と共に、大径ディスク12aを手前側に向けて排出させようとする。
【0107】
そして、所定だけイジェクトアーム80が回動した後に、解除レバー部85がアーム検出スイッチ110を押し込む。それにより、ローディングモータ71の駆動が停止させられる。なお、解除レバー部85がアーム検出スイッチ110を押し込む場合、大径ディスク12aは、図10に示すように、手前側に十分に排出された状態となる。
【0108】
以上が、大径ディスク12aを搬入/排出する場合の作用(動作)である。続いて、小径ディスク12bを搬入/排出する場合の作用(動作)について説明する。
【0109】
小径ディスク12bを搬入する場合も、上述の大径ディスク12aを搬入する場合と同様に、小径ディスク12bの進行により、アーム部材160が図11他において反時計回りに向かって回動させられ、この回動に連動して、右側のロードアーム30が、図11他において反時計回りに向かって回動させられる。そして、リブ37は、検出スイッチ161を押し込み、ローディングモータ71に所定の電力が供給され、ローディングモータ71が起動される。
【0110】
すると、ローディングモータ71の駆動により、搬送ローラ140は、小径ディスク12bをディスク再生装置10の奥側に向けて進行させる。このときも、大径ディスク12aと同様に、小径ディスク12bは、先に左側のロードアーム30のディスク保持部34に衝突して該小径ディスク12bの外縁縁部の左側の一部が受け止められる。この状態で、さらに搬送ローラ140により小径ディスク12bがディスク再生装置10の内部に送り込まれると、小径ディスク12bの外縁縁部の右側の一部も、右側のロードアーム30のディスク保持部34によって受け止められる。
【0111】
この状態で、さらに搬送ローラ140が回転駆動されると、小径ディスク12bは、バネ部材50の付勢力に抗しながら、ディスク再生装置10の内部に向かう。そして、小径ディスク12bの奥側の外周縁部が、イジェクトアーム80のディスク保持部84と当接する。それにより、小径ディスク12bは、3つのディスク保持部34,34,84によって保持される状態となる。
【0112】
さらに、搬送ローラ140の駆動により、小径ディスク12bが奥側に向かって押し込まれると、図12に示すように、リンク接合軸41が連結ガイド溝65の奥側の端部の近傍に位置する状態となる。このとき、不図示のトリガ機構の作動により、一のギヤと他のギヤとが噛み合い、外周ギヤ61に駆動力が伝達される状態となる。
【0113】
なお、トリガ機構を作動させる前の段階において、小径ディスク12bの中心点Pが、図11に示すQ−Q線を通過する状態となり、中心点Pは、小径ディスク12bとディスク保持部34,34,84との接触点を結ぶ図形(三角形)の内部に、位置する状態となる。
【0114】
トリガ機構が作動すると、ドライブカム60は、図12において左側(矢示A)に向かいスライドする。ここで、小径ディスク12bの搬入においては、リンク接合軸41は、小径ディスク用カム溝64の各部分を進行する。かかる進行動作は、基本的には、大径ディスク12aの場合と同様であり、リンク接合軸41は、小径ディスク用カム溝64における、送り込みカム部64a、保持カム部64b、逃がしカム部64cおよび解除維持カム部64dを順次進行する。
【0115】
そして、リンク接合軸41が保持カム部64bに位置しているとき、小径ディスク12bのターンテーブル101に対するチャッキングが為される(図13参照)と共に、リンク接合軸41が逃がしカム部64cを進行するにつれて、小径ディスク12bの保持状態が徐々に解除される(図14参照)。また、小径ディスク12bが解除維持カム部64dに位置するとき、トラバースユニット90を小径ディスク12bの再生が可能な位置まで移動させる。かかる移動の後に、小径ディスク12bの再生が行える状態となる。
【0116】
また、小径ディスク12bを排出する場合の動作も、上述の大径ディスク12aを排出する場合と同様となっており、ユーザがイジェクトボタンを押し込む等により、ローディングモータ71が駆動され、その駆動によって、外周ギヤ61に、上述の向きとは逆の駆動力が伝達される。その後、リンク接合軸41が解除維持カム部64d、逃がしカム部64c、保持カム部64bおよび送り込みカム部64aを順次進行する(図14、図13、図12に示される状態を順次経過する)ことにより、大径ディスク12aの場合と同様の排出動作が為され、最終的には、図15に示す位置まで、小径ディスク12bが排出される。このとき、解除レバー部85がアーム検出スイッチ110を押し込んで、ローディングモータ71の駆動が停止させられる。
【0117】
このような構成のローディング機構11、およびこのローディング機構11を用いたディスク再生装置10によれば、ディスク12は、一対のロードアーム30,30、イジェクトアーム80によって、その外周縁部が保持される。このため、ディスク再生装置10の奥側では、ディスク12を、ロードアーム30,30、イジェクトアーム80によって保持されながら、安定的に搬送/保持可能となる。
【0118】
また、本実施の形態では、搬送ローラ140は、ディスク12の投影面の外側に設けられている。このため、ディスク12のチャッキング等に際して、ディスク12と搬送ローラ140とが干渉しない。それにより、搬送ローラを用いてディスク12を搬送する方式と比較して、該ローラの退避等のために、搬送ローラを上下動させるための機構が不要となる。そのため、ローディング機構11の単純化を図ることが可能となる。
【0119】
また、ディスク再生装置10の手前側の部分には、搬送ローラ140およびディスクガイド26が設けられている。そのため、ディスク再生装置10の内部に差し込まれるディスク12の差し込み量が少なくても、搬送ローラ140の駆動によってディスク12をディスク再生装置10の奥側まで搬入させることが可能となる。また、ディスク12をディスク再生装置10の内部から排出させる場合でも、十分な排出量を得ることが可能となる。そのため、ディスク12の差し込み動作および取り出し動作が楽になり、ユーザにとって、ディスク再生装置10の使い勝手が良好となる。
【0120】
加えて、本実施の形態のディスク再生装置10では、一度ディスク12を排出した後に、再びディスク12を搬入させる、いわゆるリロードを、ユーザの手を介さずに行うことが可能となる。そのため、ユーザにとって、ディスク再生装置10の使い勝手が一層良好となる。
【0121】
さらに、本実施の形態のディスク再生装置10では、搬送ローラ140の駆動によりディスク12を排出するが、このとき、イジェクトアーム80の回動により、解除レバー部85がアーム検出スイッチ110を押し込み、ローディングモータ71の駆動を停止させる構成を採用している。このため、ディスク12の排出量が安定的となり、ディスク12の排出位置がバラ付くのを抑えることが可能となる。
【0122】
また、搬送ローラ140は、ディスク再生装置10の手前側における幅方向のうち、一方側に片寄る状態で配置されている。このため、ディスク再生装置10の手前側のうち、搬送ローラ140が存在しない部位に、ディスク12の挿入を検出するための、ディスク検出機構(本実施の形態では、アーム部材160)を配置することが可能となる。また、かかるディスク検出機構を設けることにより、ディスク12の先端がディスク再生装置10の内部に挿入されると、即座にローディングモータ71を起動させることが可能となり、ユーザが必要以上にディスク12をディスク再生装置10の内部に押し込むのを抑えることが可能となる。
【0123】
さらに、搬送ローラ140の図1他における右側(他方側)の端部は、直線Lよりも左側(一方側)に位置している。そのため、大径ディスク12aの最も手前側の部位が、ローラシャフト141の中心軸線に差し掛かっていても、該大径ディスク12aが円弧状を描くことにより、搬送ローラ140とディスク12とが干渉するのを防ぐことが可能となる。そのため、搬送ローラ140を手前側に配置する構成を採用しても、ディスク再生装置10が奥行き方向に大きくなるのを抑えることが可能となる。
【0124】
また、ディスク再生装置10の手前側には、ディスクガイド26が配置されている。そのため、ディスク12の奥側がディスク再生装置10に挿入されると、搬送ローラ140とディスクガイド26とで、ディスク12の奥側を挟み込むことが可能となる。この状態で、搬送ローラ140が回転駆動することにより、ディスク12を安定的にディスク再生装置10の内部に送り込むことが可能となる。加えて、本実施の形態では、ディスクガイド26も、ディスク12の投影面の外側に設けられている。そのため、ディスク12の再生等に際して、ディスク12とディスクガイド26とが干渉しなく、良好にディスク12を再生することが可能となる。
【0125】
また、上述のディスク再生装置10では、大径ディスク12aか小径ディスク12bかによって、ロードアーム30の回動範囲が定まり、このロードアーム30の回動範囲の相違により、ディスクガイド溝62のうち、リンク接合軸41が進行する経路が切り替わるように構成されている。すなわち、大径ディスク12aの場合には、大径ディスク用カム溝63の内部を、小径ディスク12bの場合には、小径ディスク用カム溝64の内部をリンク接合軸41が進行する。
【0126】
かかる構成のため、ロードアーム30の回動範囲の相違だけで、ディスク12が大径ディスク12aであるか小径ディスク12bであるか、自動的に判別されるのと等しい状態となる。それにより、ディスク12の直径を判別するための、電気的な判別手段を用いずに済み、接触不良等が生じないため、動作の信頼性を高めることが可能となる。また、ディスク12の直径の判別のためにスイッチ等を用いずに済み、その分だけコストを低減することが可能となる。さらに、ディスク12の直径の判別のためにスイッチ等を用いずに済むことで、制御プログラムが簡略化でき、ディスク12のローディング時における動作の信頼性を高めることが可能となる。
【0127】
また、イジェクトアーム80を具備し、このイジェクトアーム80には、排出バネ86によりディスク12を排出する向きの付勢力が与えられている。かかる排出バネ86の付勢力を利用すると共に、リンク接合軸41がディスクガイド溝62の内壁に押し付けられる等によってロードアーム30の回動が規制されるため、ディスク保持部34,34,84の間で、ディスク12の保持を確実に行うことが可能となる。
【0128】
さらに、上述のように、ディスク保持部34,34,84によりディスク12を保持するに際して、ディスク12とディスク保持部34,34,84との接触点を結ぶ図形(三角形)の内部に、ディスク12の中心が位置するようにしている。このようにすれば、ディスク保持部84を介して与えられる排出バネ86等の付勢力等を、ディスク保持部34,34等で受け止めることが可能となり、ディスク12の保持を確実に行わせることが可能となる。
【0129】
また、本実施の形態では、一対のロードアーム30,30は、リンクレバー40,40およびリンク接合軸41を介して、互いに連動するように接合されている。このため、ディスク12の搬送に際して、一対のロードアーム30,30は、互いの連動により同時に開閉動作を行える状態となり、ディスク12に対して幅方向の両側から当接/開閉動作を行える。それにより、ディスク12に対する片当たり等で、ディスク12が一方側に片寄るのを防止することが可能となる。それによって、ディスク12の良好な搬送を行うことが可能となる。
【0130】
さらに、一対のリンクレバー40,40、および一対のリンクレバー40,40を連結するリンク接合軸41により、リンク機構は構成されている。そのため、リンク接合軸41のリンクガイド溝22における摺動、およびこの摺動に伴なうリンクレバー40,40の連動により、ロードアーム30の回動位置を一義的に定めることが可能となり、ディスク12の確実な保持および送り込みを行わせることが可能となる。
【0131】
また、ドライブカム60には、ディスクガイド溝62が設けられていて、このディスクガイド溝62には、大径ディスク用カム溝63と、小径ディスク用カム溝64と、連結ガイド溝65と、が設けられている。それにより、大径ディスク12aか、または小径ディスク12bかのディスク直径に応じて、リンク接合軸41は、連結ガイド溝65等を通過して大径ディスク用カム溝63または小径ディスク用カム溝64のいずれかに位置させることが可能となる。このため、ディスク12の直径に応じた、大径ディスク用カム溝63と小径ディスク用カム溝64との間の切り替えを良好に行うことが可能となる。
【0132】
また、リンク接合軸41は、ディスクガイド溝62と共に、メインシャーシ20のリンクガイド溝22にも挿通されている。ここで、本実施の形態では、リンクガイド溝22は、その長手がディスク再生装置10の奥行き方向に沿っている。このため、リンク接合軸41のディスク再生装置10の幅方向における位置が不変となり、ロードアーム30の同時かつ均等な回動を可能としている。
【0133】
さらに、大径ディスク用カム溝63と小径ディスク用カム溝64には、それぞれ、送り込みカム部63a,64a、保持カム部63b,64b、逃がしカム部63c,64cおよび解除維持カム部63d,64dとが、それぞれ設けられている。このため、リンク接合軸41が送り込みカム部63a,64aに位置していて、保持カム部63b,64bに向かって進行する場合、ディスク12のディスク再生装置10の内部への送り込みを良好に行わせることが可能となる。また、リンク接合軸41が保持カム部63b,64bに位置していて、逃がしカム部63c,64cに向かって進行する間に、不図示の昇降機構によりトラバースユニット90を上昇させ、さらに不図示のクランプ機構により、ターンテーブル101に対するディスク12のチャッキングを行わせることが可能となる。
【0134】
また、リンク接合軸41が逃がしカム部63c,64cに位置していて、解除維持カム部63d,64dに向かって進行する間に、ディスク保持部34,34,84によるディスク12の保持状態を解除させることが可能となる。さらに、リンク接合軸41が解除維持カム部63d,64dに位置する場合、ディスク保持部34,34,84がディスク12に接触しない状態を維持することができ、ディスク12の再生を良好に行わせることが可能となる。
【0135】
さらに、イジェクトアーム80には、解除レバー部85が設けられていて、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bと衝突可能となっている。このため、ドライブカム60の回動によって、解除レバー部85と、第1ホールド部66aまたは第2ホールド部66bとが衝突することにより、ディスク保持部84におけるディスク12の保持状態を解除する向きに、イジェクトアーム80を回動させることが可能となる。特に、本実施の形態では、ドライブカム60に、大径ディスク12aおよび小径ディスク12bのそれぞれに対応させた第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bを設けているため、大径ディスク12aまたは小径ディスク12bのいずれが挿入された場合でも、ディスク保持部84をディスク12の外周縁部から離間させることができ、ディスク12の良好な再生が可能となる。
【0136】
また、ドライブカム60には、外周ギヤ61が設けられていて、この外周ギヤが、ローディングギヤ輪列70の最終段のギヤ70aと噛み合っている。このため、ローディングモータ71で生じる駆動力を、良好にドライブカム60に伝達させ、ドライブカム60を良好に回動させることが可能となっている。
【0137】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0138】
上述の実施の形態においては、第1ホールド部66aおよび第2ホールド部66bは、ドライブカム60のうち、それぞれ別の側辺により構成されている。しかしながら、図16〜図18に示すように、第1ホールド部66aと第2ホールド部66bとを、同一の側辺により構成しても良い。ここで、図16は、ディスク12が送り込まれる前の状態、図11は、大径ディスク12aが送り込まれた状態、図17は、小径ディスク12bが送り込まれた状態を示す。
【0139】
図17より、第1ホールド部66aと第2ホールド部66bとを、同一の側辺により構成する場合、イジェクトアーム80は、大径ディスク12aと小径ディスク12bとで、同じ位置まで回動させる状態となる。そのため、小径ディスク12bが送り込まれる場合でも、イジェクトアーム80を十分に回動させることが可能となり、該イジェクトアーム80を確実に退避させることが可能となる。
【0140】
また、上述の実施の形態においては、一対のロードアーム30,30、イジェクトアーム80の3つのアーム部材(第1のアーム部材〜第3のアーム部材)により、ディスク12の外周縁部を保持している。しかしながら、アーム部材の個数は、3つに限られず、4つ以上としても良い。この場合、第1のアーム部材、第2のアーム部材および第3のアーム部材のいずれか、または2組以上を、それぞれ2つ以上設けるようにしても良い。なお、4つ以上のアーム部材により、ディスク12を保持する場合でも、アーム部材のディスク12に対する隣り合う当接部分を結んだ図形の内部に、ディスク12の中心部分が位置する状態で、ディスク12は良好に保持される。
【0141】
また、上述の実施の形態では、リンクレバー40,40が一対設けられていて、これら一対のリンクレバー40,40により、一対のロードアーム30,30が回動される構成となっている。しかしながら、例えばボールネジを用いて、該ボールネジに対するロードアーム30,30の捻じ込み位置調整により、ロードアーム30,30の回動を調整するように構成しても良い。なお、この場合には、リンクレバー40が省略される構成となる。
【0142】
また、上述の実施の形態では、ローディングギヤ輪列70を用いて、ドライブカム60に対して駆動力を伝達している。しかしながら、例えばベルト等の別途の手段を介在させて、ドライブカム60まで駆動力を伝達させるようにしても良い。
【0143】
また、ドライブカム60におけるカム溝の形状は、上述の実施の形態のものには限られない。例えば、保持カム部63b,64b/解除維持カム部63d,64dを省略するように構成しても良い。この場合には、送り込みカム部63a,64aの解除維持カム部63d,64d側の端部までリンク接合軸41を進行させた後に、ローディングモータ71を駆動停止させて、ディスク12の保持状態を維持すると共に、解除維持カム部63d,64dのうち、送り込みカム部63a,64aから離間する側の端部までリンク接合軸41を進行させた後に、ローディングモータ71を駆動停止させることにより、ディスク保持部34,34,84の退避状態を維持するようにしても良い。
【0144】
さらに、上述の実施の形態では、イジェクトアーム80は、排出バネ86により、ディスク12を排出させる向きの付勢力を与える構成となっている。しかしながら、このイジェクトアーム80も、カム機構と連動するように構成しても良い。この場合、ディスク12の保持後、ディスク再生装置10の内部にディスク12を送り込むように、イジェクトアーム80を回動させるように構成しても良い。
【0145】
また、上述の実施の形態では、付勢手段として、排出バネ86を用いた場合について説明している。しかしながら、付勢手段は、排出バネ86に限られるものではなく、例えば板バネやゴム等の付勢手段を用いても良い。
【0146】
また、上述の実施の形態では、搬送ローラ140は、図1他において片側(左側)に配置される構成について説明している。しかしながら、搬送ローラ140は、ディスク再生装置10の幅方向における片側のみならず、幅方向の両側に配置する構成を採用しても良い。なお、かかる搬送ローラ140の両側配置を実現する場合でも、ディスク12の投影面に搬送ローラ140が差し掛からない状態となる。この場合、それぞれの搬送ローラ140は、独立したローラギヤ輪列により駆動されるのが好ましいが、例えば細径のローラシャフト141を用いる等して、ディスク12の裏面とローラシャフト141とが干渉しない工夫を施した場合、2つの搬送ローラ140が同一のローラギヤ輪列150によって駆動される状態とすることができる。
【0147】
また、ディスク12の投影面に搬送ローラが差し掛からない場合であって、ディスク再生装置10の奥行き方向のスペースを十分に確保できる場合、該ディスク再生装置10の幅方向の全体に亘るように、搬送ローラを配置しても良い。
【0148】
さらに、上述の実施の形態では、アウターケース25をプレス加工等で下方に突出させることにより、ディスクガイド26を形成している。しかしながら、アウターケース25の天板の内面側に、該アウターケース25とは別途の部材を取り付ける等により、ディスクガイド26を形成しても良い。また、ディスクガイド26は、単数配置される構成でも、複数配置される構成でも、いずれでも良い。
【0149】
また、上述の実施の形態では、1つのローディングモータ71の駆動力を、ローディングギヤ輪列70およびローラギヤ輪列150に分配する構成について説明している。しかしながら、かかる駆動力の分配を行わずに、ローディングギヤ輪列70とローラギヤ輪列150のそれぞれに、独立した2つのモータを設けるようにしても良い。なお、2つのモータを設ける場合でも、これら2つのモータは、いずれも駆動源に対応する。
【0150】
また、上述のローディング機構11は、ディスク再生装置10以外の装置に適用しても良い。ディスク再生装置10以外の装置としては、ディスク12を保持/蓄えるためのストッカ等がある。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明のローディング機構およびこのローディング機構を用いたディスク再生装置は、音響機器及び映像再生機器の分野において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスク再生装置の内部構成を示す平面図である。
【図2】図1のディスク再生装置において、メインシャーシに取り付けられている本発明の主要部分を示す斜視図である。
【図3】図1のディスク再生装置において、ローラアームおよび搬送ローラの構成を概略的に示す部分的な正面断面図である。
【図4】図1のディスク再生装置において、ディスクガイドおよび搬送ローラの構成を概略的に示す側断面図である。
【図5】図1のディスク再生装置において、アーム部材およびこのアーム部材が設けられているロードアームの構成を示す部分的な平面図である。
【図6】図1のディスク再生装置において、大径ディスクがロードアームのディスク保持部に当接している状態を示す平面図である。
【図7】図1のディスク再生装置において、大径ディスクが挿入されて、イジェクトアームが大きく回動された状態を示す平面図である。
【図8】図1のディスク再生装置において、大径ディスクのセンタリングが為された状態を示す平面図である。
【図9】図1のディスク再生装置において、大径ディスクの外周縁部からディスク保持部が離間した状態を示す平面図である。
【図10】図1のディスク再生装置において、ローディングモータが停止する位置まで大径ディスクが排出された状態を示す平面図である。
【図11】図1のディスク再生装置において、小径ディスクがロードアームのディスク保持部に当接している状態を示す平面図である。
【図12】図1のディスク再生装置において、小径ディスクが挿入されて、イジェクトアームが大きく回動された状態を示す平面図である。
【図13】図1のディスク再生装置において、小径ディスクのセンタリングが為された状態を示す平面図である。
【図14】図1のディスク再生装置において、小径ディスクの外周縁部からディスク保持部が離間した状態を示す平面図である。
【図15】図1のディスク再生装置において、ローディングモータが停止する位置まで小径ディスクが排出された状態を示す平面図である。
【図16】図1のディスク再生装置の変形例に係り、ドライブカムにおける第1ホールド部と第2ホールド部とが同一の側辺から構成される状態を示す平面図である。
【図17】図1のディスク再生装置の変形例に係り、ドライブカムにおける第1ホールド部と第2ホールド部とが同一の側辺から構成される状態を示すと共に、大径ディスクが送り込まれた状態を示す平面図である。
【図18】図1のディスク再生装置の変形例に係り、ドライブカムにおける第1ホールド部と第2ホールド部とが同一の側辺から構成される状態を示すと共に、小径ディスクが送り込まれた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0153】
10…ディスク再生装置
11…ローディング機構
12…ディスク
12a…大径ディスク
12b…小径ディスク
20…メインシャーシ(基体に対応)
26…ディスクガイド
30…ロードアーム(第1のアーム部材および第2のアーム部材に対応)
31…回動軸(第1の支点および第2の支点に対応)
34…ディスク保持部
40…リンクレバー(リンク機構の一部)
41…リンク接合軸(カム機構の一部、リンク機構の一部)
50…バネ部材
60…ドライブカム(カム機構の一部)
61…外周ギヤ
62…ディスクガイド溝
63…大径ディスク用カム溝(カム溝に対応)
64…小径ディスク用カム溝(カム溝に対応)
65…連結ガイド溝
66a…第1ホールド部(ホールド部に対応)
66b…第2ホールド部(ホールド部に対応)
71…ローディングモータ(駆動源に対応)
80…イジェクトアーム(第3のアーム部材に対応)
81…回動軸(第3の支点に対応)
84…ディスク保持部
86…排出バネ(付勢手段に対応)
110…アーム検出スイッチ
120…ローラユニット
130…ローラアーム
140…搬送ローラ
150…ローラギヤ輪列
160…アーム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる直径のディスクの搬送を行うローディング機構において、
駆動源と、
第1の支点を中心として回動する第1のアーム部材と、
第2の支点を中心として回動する第2のアーム部材と、
上記駆動源で生じる駆動力によって上記第1のアーム部材および上記第2のアーム部材のうち少なくとも一方を回動させ、この回動によりそれぞれ異なる直径の上記ディスクの外周縁部の保持および送り込みを行わせるカム機構と、
第3の支点を中心として回動し、上記第1のアーム部材および上記第2のアーム部材とは独立して回動すると共に、付勢手段により上記ディスクの送り込みに抗する付勢力を該ディスクに与え、かつ上記ディスクの外周縁部の保持を行う第3のアーム部材と、
上記駆動源の駆動により回転駆動されると共に、上記ディスクの搬入の終点位置における該ディスクの法線方向の投影面に対して差し掛からない部位に配置される搬送ローラと、
を具備することを特徴とするローディング機構。
【請求項2】
前記搬送ローラは、該搬送ローラが配置される基体の幅方向における一方側に片寄る状態で配置されていることを特徴とする請求項1記載のローディング機構。
【請求項3】
前記搬送ローラの幅方向における他方側の端部は、前記ディスクの送り込みが為された後の前記ディスクのセンタリング位置の中心部分を通りかつ前記ディスクの搬送方向に沿う線よりも、前記基体の幅方向の一方側に位置する状態で配置されていることを特徴とする請求項2記載のローディング機構。
【請求項4】
前記ディスクは、前記搬送ローラの回転駆動の際にディスクガイドへ摺動しながら搬送されると共に、
このディスクガイドは、前記搬送ローラ側に向かって突出していて、
さらに、上記ディスクガイドは、前記ディスクの搬送状態において該ディスクを挟んで前記搬送ローラとは反対側に配置されている、
ことを特徴とする請求項2または3記載のローディング機構。
【請求項5】
前記ディスクガイドは、前記ディスクの搬入の終点位置における該ディスクの法線方向の投影面に対して差し掛からない部位に位置していることを特徴とする請求項4記載のローディング機構。
【請求項6】
前記ディスクの中心部分が、前記ディスクに対する前記第1のアーム部材の当接部分と前記ディスクに対する前記第2のアーム部材の当接部分とを結んだ線を、前記ディスクの送り込み側に向かって超えたときに、前記第1のアーム部材、前記第2のアーム部材および前記第3のアーム部材による前記ディスクの保持および搬送が為される、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のローディング機構。
【請求項7】
前記第1のアーム部材および前記第2のアーム部材は、リンク機構により連結されることで、互いに連動することを特徴とする請求項6記載のローディング機構。
【請求項8】
前記リンク機構は、2つのリンクレバーと、このリンクレバーを連結するリンク接合軸と、より構成されていて、
前記カム機構には、異なる直径の前記ディスクの保持および送り込みに対応すると共に互いに連結されている複数のカム溝が設けられていて、
上記リンク接合軸は、上記カム溝に挿入されていて、
このリンク接合軸が上記カム溝の内部を摺動することにより、前記リンクレバーが連動し、このリンクレバーの連動に前記第1のアーム部材および前記第2のアーム部材の回動を連動させることにより、異なる直径の前記ディスクの保持および送り込みが為される、
ことを特徴とする請求項7記載のローディング機構。
【請求項9】
前記リンク接合軸は、各機構が設置されるメインシャーシに形成されたリンクガイド溝に挿通されていることを特徴とする請求項8記載のローディング機構。
【請求項10】
前記カム溝には、前記第1のアーム部材および前記第2のアーム部材を回動させることにより、前記ディスクの送り込みを行うための送り込みカム部と、
前記ディスクの送り込みが為された後の前記ディスクのセンタリング位置において、前記第1のアーム部材および前記第2のアーム部材の位置保持を行う保持カム部と、
前記ディスクの送り込み後であって、前記ディスクのターンテーブルに対するチャッキングが為された後に、前記第1のアーム部材および前記第2のアーム部材の前記ディスクに対する保持状態の解除を行う逃がしカム部と、
を具備することを特徴とする請求項8または9記載のローディング機構。
【請求項11】
前記ディスクには、大径ディスクと、小径ディスクとが存在していて、
前記カム機構には、上記大径ディスクに対応する大径ディスク用カム溝と、上記小径ディスクに対応する小径ディスク用カム溝と、が設けられていることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のローディング機構。
【請求項12】
前記第3のアーム部材は、前記ディスクの保持を行うディスク保持部と、該ディスク保持部が延伸している方向とは別途の方向に延伸している解除レバー部と、を有していて、
前記カム機構は、上記解除レバー部に衝突させることにより前記第3のアーム部材を回動させて前記第3のアーム部材の前記ディスクに対する保持状態を解除させるホールド部を有している、
ことを特徴とする請求項11記載のローディング機構。
【請求項13】
前記ホールド部は、
前記大径ディスクの送り込み後に前記第3のアーム部材が前記大径ディスクを保持している回動位置で前記解除レバー部を押し込むための第1ホールド部と、
前記小径ディスクの送り込み後に前記第3のアーム部材が前記小径ディスクを保持している回動位置で前記解除レバー部を押し込むための第2ホールド部と、
を有していることを特徴とする請求項12記載のローディング機構。
【請求項14】
前記第1ホールド部と前記第2ホールド部とは、前記カム機構のうち同一の側辺から構成されていて、該側辺での押し込みにより、前記第3のアーム部材は、前記大径ディスクと前記小径ディスクとで、同じ位置まで回動させられ、前記大径ディスクまたは前記小径ディスクのうちいずれかに対して接触しない退避状態となる、
ことを特徴とする請求項13記載のローディング機構。
【請求項15】
前記駆動源で生じる駆動力は、複数のギヤから構成されるローラギヤ輪列と、複数のギヤから構成されるローディングギヤ輪列にそれぞれ伝達され、
前記カム機構には、外周ギヤが設けられていて、この外周ギヤが上記ローディングギヤ輪列の最終段のギヤと噛み合うと共に、
前記搬送ローラには、ローラシャフトが設けられていて、このローラシャフトに上記ローラギヤの最終段のギヤが固定的に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のローディング機構。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載のローディング機構を備えることを特徴とするディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−18577(P2007−18577A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197468(P2005−197468)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】