説明

ロードセル、ロードセル用起歪体、及び計量器

【課題】計量精度の低下を抑えつつ、製造コストを低減できるロードセル、ロードセル用起歪体、及び計量器を提供する。
【解決手段】ロードセル用起歪体6は、矩形状を呈した平板に、その前後方向の中央部の左右の縁部から、平板の左右方向の中央部に向けて延び、平板の左右方向の中央部を挟んで互いが対称となる形状を有する一対の切欠部6aを設けた形状を呈し、一対の切欠部6aで左右を挟まれた起歪部61よりも前端側を基台に固定される固定部62、後端側を荷重の加えられる可動部63として構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードセル、ロードセル用起歪体、及び計量器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロードセルを用いた計量器としては、下記の特許文献1に記載の秤が開示されている。この秤のロードセルを構成する起歪体は、両主面を貫通する貫通孔と、この貫通孔と交わり左右の側面間を貫通する貫通孔とを厚板に設けて構成されている。起歪体は、両貫通孔に挟まれた上側及び下側の左右の両側部に、それぞれ起歪部を備えている。この秤では、各起歪部に設けられた歪ケージで検知された歪量に基づき、計量が行われる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−284539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の秤が備える起歪体は、両主面を貫通する孔と、この貫通孔と交わって左右の側面を貫通する孔とを厚板に形成して製造するのに手間がかかることから、製造コストが高かった。この結果、この起歪体を用いたロードセルや計量器の製造コストも高くなった。
【0005】
本発明は、計量精度の低下を抑えつつ、製造コストを低減できるロードセル、ロードセル用起歪体、及び計量器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明のロードセル用起歪体は、矩形状を呈した平板に、その前後方向の中央部の左右の縁部から、前記平板の左右方向の中央部に向けて延び、前記平板の左右方向の中央部を挟んで互いが対称となる形状を有する一対の切欠部を設けた形状を呈し、前記一対の切欠部で左右を挟まれた起歪部よりも前端側を基台に固定される固定部、後端側を荷重の加えられる可動部として構成したことを特徴とする。
また、本発明は、前記固定部を基台に固定する固定具の挿通される挿通孔を、前記固定部の左右方向の両側部に、前記固定部の前後方向の中央部よりも前端側に位置させて設けたことを特徴とする。
また、本発明のロードセルは、上記起歪体が備える起歪部に歪量検知用の歪ゲージを取り付けて構成したことを特徴とする。
また、本発明の計量器は、荷重の加えられるカバーをベースに取り付けて構成される計量器であって、前記カバー及び前記ベースの一方に前記固定部を固定して取り付けられて前記カバーに加えられた荷重を前記可動部で受ける上記ロードセルと、前記ロードセルの備える前記歪ゲージでの検知結果に基づき、前記カバーに加えられた荷重を算出する荷重算出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、計量精度の低下を抑えつつ、製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施する最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の体重計1を上方から見た斜視図である。また、図2は、体重計1のカバー2を裏面側から見た図である。また、図3は、カバー2に取り付けられたロードセル5を示す図である。
【0009】
図1に示すように、体重計1は、荷重の加えられるカバー2を、ベース3に取り付けて構成された計量器である。カバー2の表面は平坦に構成されており、前端部の左右方向の中央部には、カバー2に加えられた荷重を計量値として表示する表示部2aが設けられている。表示部2aは、カバー2の裏面側からカバー2の表面側を臨んで配置されている。カバー2の表面の左右方向の両側部は、それぞれ被験者が左右の足を載置する載置部2bとなっている。
【0010】
図2に示すように、カバー2は、略四角形状の板状体から構成される底板部21と、この底板部21の縁部から底板部21に対して垂直に裏面側に延びる側壁部22とを備えて構成されている。カバー2には、カバー2に加えられた荷重を検知する4つのロードセル5と、各ロードセル5から入力される検知信号に基づき荷重を算出する荷重算出用基板8とが取り付けられている。各ロードセル5と荷重算出用基板8とは、ケーブル線23で接続されている。
【0011】
各ロードセル5は、歪量検知用の図示しない歪ゲージを起歪体6に取り付けて構成されており、それぞれ図3(a)に示すように底板部21の四隅に取り付けられている。底板部21の裏面の四隅には、それぞれ1対の図示しないネジ孔が設けられている。各ネジ孔には、図3(b)に示すように、それぞれ環状の平板から構成される取付片24を介して、起歪体6がネジ止めされる。
【0012】
図4〜図6は、起歪体6を示す図であり、図4(a)は平面図,(b)は底面図、図5(a)は左側面図,(b)は右側面図、図6(a)は正面図,(b)は背面図である。図4に示すように、起歪体6は、矩形状を呈した平板に、その前後方向の中央部の左右の縁部から、平板の左右方向の中央部に向けて延び、平板の左右方向の中央部を挟んで互いが対称となる形状を有する一対の切欠部6aを設けた形状を呈している。
【0013】
具体的には、切欠部6aは、平板の前後方向の中央部の左右の縁部から、平板の左右方向の中央部に向けて直線状に延びた後、後側に向けて略直角に屈曲して、平板の後側に向けて延びた略L字状を呈している。平板の後側に向けて延びた切欠部6aの先端部6a1は、平板の左右方向の外側に向けて拡幅している。また、平板の左右の縁部に位置する切欠部6aの基端部6a2は、平板の左右の縁部側から左右の中央部側にかけて縮幅している。このような形状の切欠部6aは、平板に打抜加工を施す等して形成されている。
【0014】
図4に示すように、起歪体6は、一対の切欠部6aで左右を挟まれて幅が狭くなった箇所を起歪部61、起歪部61よりも前端側を基台としてのカバー2に固定される固定部62、起歪部61よりも後端側を荷重の加えられる可動部63として構成されている。
【0015】
固定部62は、起歪体6の前端部において左右の幅方向に延びており、左右の縁部には固定孔62aが設けられている。図5及び図6に示すように、固定孔62aは、固定部62の両主面間を上下方向に貫通している。固定孔62aは、固定部62を取付片24に固定するネジ25の挿通される挿通孔である。図4に示すように、固定孔62aは、固定部62の前後方向の中央部よりも前端側に位置している。つまり、固定孔62aの中心62bは、固定部62の前後方向の中心に位置して固定部62の左右方向に延びる中心線CLよりも前端側に位置している。固定孔62aは、平板に打抜加工を施す等して切欠部6aと共に形成されている。
【0016】
可動部63は、起歪体6の後端部で左右の幅方向に延びており、左右の両端部の前縁からは、前方に向けて突出部63aが延びている。突出部63aの先端部には取付孔63bが設けられている。取付孔63bは、荷重を受ける荷重伝達部材71及び荷重伝達板76を可動部63に取り付けるネジ26のネジ止めされるネジ孔である。起歪体6の左右の幅方向における取付孔63bの形成位置は、起歪体6の左右の幅方向における固定孔62aの形成位置と同じ位置に設定されている。また、起歪体6の前後の長さ方向における取付孔63bの形成位置は、起歪部61の前後の長さ方向の中央部と同じ位置に設定されている。図5及び図6に示すように、取付孔63bは、可動部63の両主面間を上下方向に貫通している。取付孔63bは、平板に打抜加工を施す等して切欠部6aと共に形成された貫通孔にネジ部を設けて構成されている。
【0017】
図4に示すように、起歪部61は、固定部62と可動部63に前後を挟まれると共に、切欠部6aに左右を挟まれて、起歪体6の中央部に位置している。起歪部61は、固定部62の左右方向の中央部の後端部と可動部63の左右方向の中央部の前端部とを結んで、起歪体6の前端側から後端側にかけて直線状に延びている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態では、可動部63の一主面には、硬質ゴム製の荷重伝達部材71及び金属製の荷重伝達板76が取り付けられる。荷重伝達板76は円板状を呈しており、中心部を挟んで対向する位置には、図3(b)に示すように屈曲した一対の屈曲部77が設けられている。各屈曲部77には、荷重伝達板76の両主面間を上下方向に貫通する貫通孔がぞれぞれ設けられている。
【0019】
荷重伝達部材71は、円板の周縁部71aから中央部71bにかけて一主面を膨出させた形状を呈している。図3(b)に示すように、荷重伝達部材71の中央部が膨出した主面と反対側の主面には、中央部71bを挟んで向かい合う一対の膨出部72が設けられている。両膨出部72の設けられた周縁部71aには、一対の挿通孔が設けられている。また、中央部71bには、荷重伝達部材71の両主面を上下方向に貫通する貫通孔71cが設けられている。この貫通孔71cにはネジ部が設けられている。
【0020】
荷重伝達部材71及び荷重伝達板76は、荷重伝達板76の屈曲部77に荷重伝達部材71の膨出部72が嵌め込まれて、荷重伝達部材71の一主面と荷重伝達板76の一主面とが合わせられ、起歪体6に取り付けられる。
【0021】
ロードセル5の備える歪ゲージは、本実施形態では起歪体6が備える起歪部61の一主面に2つ取り付けられている。つまり、起歪部61の一主面には、固定部62側に1つ、可動部63側に1つの歪ゲージが、それぞれ取り付けられている。歪ゲージの備える各歪検知用回路は、ケーブル線23を介して荷重算出用基板8に接続されている。荷重伝達部材71は、起歪体6の一主面に対して垂直に荷重を加えることにより、可動部63の左右に加えられる荷重の相違に基づく、起歪部61の左右方向へのねじれを抑えるためのものである。
【0022】
このようにして構成される起歪体6は、荷重伝達部材71及び荷重伝達板76を介して可動部63でベース3を支持すると共に、カバー2に固定部62を固定して取り付けられている。具体的には、図3に示すように、固定部62の固定孔62a及び取付片24に挿通したネジ25を、カバー2の底板部21に設けられたネジ孔に螺着することにより、固定部62が取付片24を介してカバー2に固定されている。また、荷重伝達部材71の挿通孔及び荷重伝達板76の貫通孔を挿通させたネジ26を、可動部63の取付孔63bが備えるネジ部に螺着することにより、荷重伝達部材71及び荷重伝達板76が可動部63に固定されている。また、ベース3の底板部31を通して貫通孔71cのネジ部にネジが螺着することにより、荷重伝達部材71がベース3に固定されている。
【0023】
図7は、荷重算出用基板8上に実装されたハードウエアの構成の概略を示すブロック図である。図7に示すように、荷重算出用基板8は、各種の演算や制御を行う演算制御部81と、ロードセル5及び表示部2aとの間でのデータ通信を行う送受信部82と、時間の管理を行う時計部83と、演算制御部81での処理に用いられる各種データを記憶する記憶部84とを備えて構成されている。
【0024】
送受信部82は、演算制御部81の制御プログラムの制御に従い、ロードセル5の歪ゲージから入力される検知信号を、時計部83で計時される所定の時間間隔でサンプリングして、A/D変換する。記憶部84には、歪みゲージでの検知信号とカバー2に加えられた荷重との関係が記憶されている。演算制御部81は、A/D変換されて送受信部82から入力された検知信号を、サンプリングした経過時間と共に記憶部84に記憶する。また、記憶部84に記憶したデータを用いて、カバー2に加えられた荷重を計量値として算出する。具体的には、演算制御部81は、経過時間と共に記憶部84に記憶した検知信号に基づき計量値を算出する。また、演算制御部81は、表示部2aを制御して、算出した計量値の表示を行う。計量値の算出に用いる各回路を備えた荷重算出用基板8は、ロードセル5の備える歪ゲージでの検知結果に基づき、カバー2に加えられた荷重を算出する荷重算出手段を構成している。
【0025】
次に、本実施形態の体重計1での計量時の動作について説明する。ベース3が床面上に載置された状態において、体重計1が備える起歪体6は、可動部63に取り付けられた荷重伝達部材7の中央部71bがベース3の底板部の内面に当接することにより、カバー2側への荷重(図3中矢印A方向への荷重)を可動部63に加えられている。可動部63に加えられるこの荷重により、起歪体6の起歪部61は、図3に矢印Bで示すように歪んでいる。
【0026】
体重計1に電源が投入されると、起歪体6の起歪部61に取り付けられた各歪ゲージがこの歪量を検知し、検知結果を含んだ検知信号を、ケーブル線23を介して荷重算出用基板8に出力する。歪ゲージから出力された検知信号は、送受信部82でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、サンプリングした経過時間と共に、演算制御部81によって記憶部84に記憶される。演算制御部81は、記憶部84に記憶した検知信号に基づき荷重値を算出し、算出した荷重値を初期補正値として記憶部84に記憶する。初期補正値の記憶が行われると、体重計1での計量が可能な状態となる。
【0027】
演算制御部81は、表示部2aを制御して、初期補正値の記憶が終了するまで、計量準備中である旨の、例えば、「計量準備中です。」等の表示を表示画面で行う。そして、初期補正値の記憶が終了すると、計量可能である旨の、例えば、「計量可能です。」等の表示を表示画面で行う。これにより、体重計1での計量が可能であることが報知される。
【0028】
この報知表示を見た被験者がカバー2の載置部2bに両足を載置する等して、カバー2に荷重が加えられると、荷重伝達部材71及び荷重伝達板76を介して各起歪体6の可動部63に伝達される荷重が変化し、起歪部61の歪量もこれに応じて変化する。この歪量の変化が各歪ゲージで検知されると、各歪ゲージから出力される検知信号の示す検知結果が変化する。演算制御部81は、送受信部82を介して入力された検知信号に基づき荷重値を算出し、更に、算出した荷重値から初期補正値を減算する。演算制御部81は、算出荷重値から初期補正値を減算して得られた値を、計量値として表示部2aに表示する。
【0029】
本実施形態による体重計1に用いられる起歪体6によれば、矩形状を呈した平板を打ち抜いて一対の切欠部6aを設けることにより、起歪部61、固定部62、及び可動部63を設けることができる。しかも、固定孔62a及び取付孔63bを切欠部6aと共に打ち抜いて形成することもできる。従って、起歪体6製造用の平板に打抜加工等を施すという簡単な作業で起歪体6を製造することができる。また、起歪体6が全体として矩形状を呈した板状体から構成されていることから、切欠部6a等を設けるために打ち抜かれた部分を除いて、起歪体6製造用の平板を起歪体6の製造に無駄なく用いることができる。このため、起歪体6製造用の平板を無駄なく用いて、より多数の起歪体6を製造することができる。このため、起歪体6を用いた計量の精度の低下を抑えつつ、起歪体6の製造コストを低減することができる。この結果、この起歪体を用いたロードセルや計量器の製造コストも低減することができる。
【0030】
また、本実施形態による体重計1によれば、矩形の平板の前後方向の中央部の左右の縁部から左右方向の中央部に向けて延びる一対の切欠部6aで左右を挟まれた個所を起歪部61、この起歪部61よりも前端側を固定部62、後端側を可動部63として起歪体6が構成されていることから、起歪体6の製造に用いる平板として同じサイズの平板を用いたとしても、全体として矩形の平板状を呈した起歪体に比べて、起歪部61の長さを長く採ると共に起歪部61の固定部62側の端部から左右方向への固定部62の延出長さを長く採ることができる。起歪部61の長さ方向の中央部は、可動部63への荷重の加わり方により歪み方が大きく異なることから、起歪部61の長さ方向の中央部からより離れた位置に歪ゲージを貼り付けるのが望ましい。この構成によれば、起歪部61を前後方向に長くして、起歪部61の前後の両端部での各歪ゲージの貼付位置を、起歪部61の長さ方向の中央部から離すことにより、可動部63への荷重の加わり方が歪ゲージによる検知に及ぼす影響を抑え、荷重の検知精度を高めることができる。
【0031】
また、歪みの検知位置、つまり起歪部61の固定部62側の端部から固定部62の固定位置までの距離が長くなる程、固定部62を固定するネジ止部(固定孔62a)に加わる負荷が計量値に与える影響を抑えられることから、本実施形態による体重計1によれば、固定部62の左右方向の端部で固定部62を固定することにより、固定部62のネジ止部に働く負荷が計量値に与える影響を抑えることができる。また、切欠部6aに挟まれて固定部62や可動部63よりも歪みの生じやすい起歪部61の歪みを検知することにより、可動部63における加重の負荷位置が計量値に与える影響を抑えることができる。この結果、計量の精度を高めることが可能となる。
【0032】
また、本実施形態による体重計1によれば、固定部62を固定するネジの挿通される固定孔62a、つまり、固定部62の固定箇所を、固定部62の前後方向の中央部よりも前端側に位置させて固定部62の左右方向の両側部に設けていることから、起歪部61の固定部62側の端部から固定部62の固定位置までの距離をより長くして、計量の精度をより高めることが可能となる。
【0033】
上記実施形態の説明では、起歪体6の左右の縁部から中央部に向けて延びる略L字状の切欠部6aを設けた場合について説明した。しかしながら、起歪体6の前後方向の中央部の左右の縁部から左右方向の中央部に向けて延び、平板の左右方向の中央部を挟んで互いが対称となる形状を各切欠部6aが有し、両切欠部6aで挟まれた箇所が起歪部61を構成するのであれば、その構成は任意である。例えば、起歪体6の左右方向の中央部に、図8に示すように矩形の切欠部6aを設けてもよい。このような構成とする場合、固定孔62aと同様に、取付孔63bも可動部63の前後方向の中央部よりも後端側に位置させてもよい。これにより、起歪部61の可動部63側の端部から荷重伝達部材71の固定位置までの距離を長くして、荷重伝達部材71のネジ止部に加わる負荷が計量値に与える影響を抑えることができる。
【0034】
また、挿通孔に挿通された固定具により固定するのであれば、固定部62の固定方法は任意である。例えば、固定孔62aにネジ部を設け、カバー2が備える挿通孔を介してネジ止めすることにより、固定部62をカバー2に固定してもよい。また、接着剤等を用いて固定部62の固定を行っても、これらの方法を併用してもよい。また、固定部62をベース3に固定すると共に荷重伝達部材71をカバー2に当接させる構成としてもよい。
【0035】
また、起歪体6が備える起歪部61に取り付ける歪ゲージの数量や取付位置は、起歪体6に加えられる荷重や起歪体6の厚さやサイズ等に応じて設定することができる。可動部63が備える取付孔63bの形成位置や構成も任意であり、例えば、起歪体6の後端部で左右の幅方向に延びた箇所に設けても、また、可動部63の一主面に設けた穴にネジ部を設けて構成してもよい。また、可動部63への荷重伝達部材71及び荷重伝達板76の取付方法も、ネジ止めに限らず、接着剤を用いたり、これらの方法を併用してもよい。
【0036】
また、荷重伝達部材71及び荷重伝達板76を介さずに可動部63で荷重を直接受ける構成としてもよい。荷重伝達部材71及び荷重伝達板76をベース3側に取り付ける構成としてもよい。また、荷重伝達部材71及び荷重伝達板76の構成も、起歪体6の一主面に垂直に荷重をかけられるのであれば任意である。例えば、荷重伝達部材は、長円形の平板体の長さ方向の中央部を一主面側に湾曲させ、湾曲部の一主面に球面状の突起を設けた形状を有し、長さ方向の両端に挿通孔を備える構成としてもよい。このような構成の荷重伝達部材は、挿通孔を通して可動部63にネジ止めされ、突起で荷重を受ける。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用した体重計を上方から見た斜視図である。
【図2】図1に示す体重計のカバーを裏面側から見た図である。
【図3】図2に示すカバーに取り付けられたロードセルを示す図である。
【図4】ロードセルを構成する起歪体を示す第1の図であり、(a)は平面図,(b)は底面図である。
【図5】ロードセルを構成する起歪体を示す第2の図であり、(a)は左側面図,(b)は右側面図である。
【図6】ロードセルを構成する起歪体を示す第3の図であり、(a)は正面図,(b)は背面図である。
【図7】図7は、荷重算出用基板上に実装されたハードウエアの構成の概略を示すブロック図である。
【図8】ロードセルを構成する起歪体の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 体重計
2 カバー
3 ベース
5 ロードセル
6 起歪体
6a 切欠部
61 起歪部
62 固定部
63 可動部
8 荷重算出用基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状を呈した平板に、その前後方向の中央部の左右の縁部から、前記平板の左右方向の中央部に向けて延び、前記平板の左右方向の中央部を挟んで互いが対称となる形状を有する一対の切欠部を設けた形状を呈し、
前記一対の切欠部で左右を挟まれた起歪部よりも前端側を基台に固定される固定部、後端側を荷重の加えられる可動部として構成したことを特徴とするロードセル用起歪体。
【請求項2】
前記固定部を基台に固定する固定具の挿通される挿通孔を、前記固定部の左右方向の両側部に、前記固定部の前後方向の中央部よりも前端側に位置させて設けたことを特徴とする請求項1に記載のロードセル用起歪体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の起歪体が備える起歪部に歪量検知用の歪ゲージを取り付けて構成したことを特徴とするロードセル。
【請求項4】
荷重の加えられるカバーをベースに取り付けて構成される計量器であって、
前記カバー及び前記ベースの一方に前記固定部を固定して取り付けられて前記カバーに加えられた荷重を前記可動部で受ける請求項3に記載のロードセルと、
前記ロードセルの備える前記歪ゲージでの検知結果に基づき、前記カバーに加えられた荷重を算出する荷重算出手段とを備えることを特徴とする計量器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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