説明

ローラコンベヤ設備

【課題】高速搬送を可能にでき、メンテナンス性の良いローラコンベヤ設備を提供する。
【解決手段】フレーム本体2側に複数のローラ7を遊転自在に設け、ローラ群の下方に、無端回動体13をローラ群の下面に当接自在とした回転伝動手段10と、搬送経路の方向に沿った回転駆動軸20を設けた。ローラ群を搬送経路の方向で複数のゾーンZに分け、各ゾーンに、アキュームユニット60と、ブレーキユニット80を対として配設し、回転伝動手段は無端回動体を展張させた。無端回動体は、摩損し難くいなど耐久性の良いものにでき、高速搬送を安定して容易に実現できる。一方の輪体をフレーム本体側から取り外すのみで無端回動体の交換を行え、メンテナンス性の良いものにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば被搬送物を間欠搬送(アキューム搬送)するのに採用されるローラコンベヤ設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとしては、次のような構成が提供されている。すなわち、フレームの複数箇所に、軸体を介して搬送ローラと回転体とが同軸に配設され、そして搬送ローラ群の下方には、搬送方向に沿った駆動軸が複数のゾーンに亘って配置されている。この駆動軸と所定間隔置きの回転体とは、駆動軸シーブと伝達ベルトとを介して連動連結され、そして隣接した回転体間が連動ベルトを介して連動連結されている。これにより駆動軸の回転を、駆動軸シーブ、伝達ベルト、回転体、搬送ローラへと伝え、連動ベルトを介して搬送ローラ群を回転させている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−81415号公報(第4−5頁、図1〜図4)
【特許文献2】特開2002−154626号公報
【特許文献3】特開昭62−100303号公報
【特許文献4】特開平8−133437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来構成によると、伝達ベルトとしては、駆動軸シーブと回転体とに亘って捻り状に掛けられることから無端丸ベルトが使用され、この場合に無端丸ベルトは摩損し易いなど耐久性に問題があることから、高速搬送(高速駆動)をし難い構成となる。また無端丸ベルト(伝達ベルト)が切断されたとき、駆動軸を取り外して新たな無端丸ベルトをセットしなければならず、メンテナンス性は悪いものとなる。
【0004】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、高速搬送(高速駆動)を可能にし得るとともに、メンテナンス性の良いものにし得るローラコンベヤ設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載のローラコンベヤ設備は、フレーム本体側に複数のローラが遊転自在に設けられるとともに、ローラ群の下方には、搬送経路に沿った方向の無端回動体をローラ群の下面に当接自在とした回転伝動手段と、搬送経路の方向に沿った回転駆動軸とが設けられ、ローラ群は搬送経路の方向において複数のゾーンに分けられ、各ゾーンにはそれぞれ、無端回動体に作用されるアキュームユニットと、ローラ群に作用されるブレーキユニットとが対として配設されるとともに、対のアキュームユニットとブレーキユニットとは可逆的に作用されるように構成され、前記回転伝動手段は一対の輪体により無端回動体を展張させるとともに、一方の輪体に前記回転駆動軸を連動連結させる回転連動手段をフレーム本体側に設けることでコンベヤ部が構成され、前記回転駆動軸に連動連結する回転駆動部が設けられていることを特徴としたものである。
【0006】
したがって請求項1の発明によると、回転駆動部の駆動回転により回転駆動軸を回転させ、この回転駆動軸の回転を、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端回動体を回転動させて、この無端回動体が当接しているローラ群を駆動回転し得る。すなわち、回転駆動部の駆動により回転駆動軸を回転させるとともに、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動させ、以てローラ群を駆動回転して、ローラ群により支持している被搬送物を搬送経路上で搬送し得る。そして、ローラ群を搬送経路の方向において複数のゾーンに分け、各ゾーン毎に配設したアキュームユニットを作用させての被搬送物の搬送と、ブレーキユニットを作用させての搬送停止とを可逆的に作用させることで、搬送経路上における被搬送物の間欠搬送を行える。このような搬送の際に無端回動体は、捻り状に掛ける必要がないことから、摩損し難いなど耐久性の良いものとなる。また無端回動体が切断されたとき、一方の輪体をフレーム本体側から取り外すのみで無端回動体の交換を行える。
【0007】
また本発明の請求項2記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項1記載の構成において、回転連動手段は、回転駆動軸に沿った中間軸を有し、この中間軸は、チェーン使用の巻き掛け連動機構を介して回転駆動軸に連動連結されるとともに、回転方向転換機構を介して一方の輪体軸に連動連結されていることを特徴としたものである。
【0008】
したがって請求項2の発明によると、回転駆動軸の回転により、巻き掛け連動機構を介して中間軸を回転させ、そして中間軸の回転を、回転方向転換機構を介して一方の輪体軸に伝達し得、以て一方の輪体を駆動回転し得る。これにより一対の輪体間に展張させている無端回動体を回転動し得る。
【0009】
そして本発明の請求項3記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項2記載の構成において、回転方向転換機構がマイタ歯車により構成されていることを特徴としたものである。
【0010】
したがって請求項3の発明によると、マイタ歯車の噛合構造により、回転駆動軸から回転伝動手段へ回転伝動を確実に行えるとともに、全体をコンパクトに構成し得る。
さらに本発明の請求項4記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、アキュームユニットは、昇降用のエアアクチュエータに連動された昇降フレームと、この昇降フレームに設けられ無端回動体に対して下方から当接自在な案内輪体とからなり、ブレーキユニットは、昇降動手段に連動された昇降体と、この昇降体に設けられローラに対して下方から作用自在なブレーキ部材とからなり、これらアキュームユニットの昇降フレームとブレーキユニットの昇降体とが可逆的に昇降作用されることを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項4の発明によると、無端回動体を回動させているときに、アキュームユニットのエアアクチュエータにより昇降フレームを上昇させることで、案内輪体群により無端回動体を上昇させて、ローラ群に下方から当接し得る。これにより、無端回動体によってローラ群を駆動回転させ得、以てローラ群により支持している被搬送物を搬送経路上で搬送し得る。また、アキュームユニットのエアアクチュエータにより昇降フレームを下降させることで、案内輪体群の下降により無端回動体をローラ群に対して下方へ離間し得る。このとき、アキュームユニットのエアアクチュエータと可逆的に昇降動作する昇降動手段により昇降体を上昇させることになり、以てブレーキ部材をローラ群に下方から当接し得る。これにより、無端回動体の離間により遊転していたローラ群に制動力を作用させ、以てローラ群の回転を停止させて被搬送物の搬送を停止し得る。
【0012】
しかも本発明の請求項5記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、無端回動体として無端平ベルトを使用して直線状搬送経路を形成した直線状コンベヤ部を、搬送経路の方向において複数配設するとともに、回転駆動軸の対向端部間を連結することで、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するように構成したことを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項5の発明によると、据付現場では、直線状コンベヤ部を直線状搬送経路の方向において複数台配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結する。この前後に、1台の直線状コンベヤ部では、フレーム本体側に回転駆動部を連結し、そして回転駆動部と回転駆動軸とを連動連結させる。これにより、複数台の直線状コンベヤ部を連結して各直線状搬送経路を一直線状とし、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0014】
このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達し得、以て連結している回転駆動軸群を一体回転させる。その際に各直線状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端平ベルトを回転動させて、この無端平ベルトが当接しているローラ群を駆動回転し得る。すなわち、1つの回転駆動部の駆動により回転駆動軸群を一体回転させるとともに、各直線状コンベヤ部においては、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動させ、以てローラ群を駆動回転して、一直線状とした各直線状搬送経路上で、ローラ群により支持している被搬送物を搬送し得る。
【0015】
また本発明の請求項6記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、無端回動体として無端平ベルトを使用して直線状搬送経路を形成した直線状コンベヤ部と、無端回動体として無端Vベルトを使用してカーブ状搬送経路を形成したカーブ状コンベヤ部とを、搬送経路の方向において連続状に配設するとともに、回転駆動軸の対向端部間を連結することで、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するように構成したことを特徴としたものである。
【0016】
したがって請求項6の発明によると、据付現場では、カーブ状コンベヤ部の少なくとも一端(上流端と下流端)側において直線状コンベヤ部を配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結する。この前後に、直線状コンベヤ部では、フレーム本体側に回転駆動部を連結し、そして回転駆動部と回転駆動軸とを連動連結させる。これにより、直線状コンベヤ部とカーブ状コンベヤ部とを連結して直線状搬送経路とカーブ状搬送経路を連続状とし、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0017】
このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達し得、以て連結している回転駆動軸群を一体回転させる。その際に直線状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端平ベルトを回転動させて、この無端平ベルトが当接しているローラ群を駆動回転し得る。また、カーブ状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端Vベルトを回転動させて、この無端Vベルトを当接させているローラ群を駆動回転し得る。すなわち、1つの回転駆動部の駆動により回転駆動軸群を一体回転させるとともに、各コンベヤ部においては、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動させ、以てローラ群を駆動回転して、連続状とした直線状搬送経路上とカーブ状搬送経路上とに亘って、ローラ群により支持している被搬送物を搬送し得る。
【0018】
そして本発明の請求項7記載のローラコンベヤ設備は、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の構成において、搬送経路の下手側には、アキュームユニットやブレーキユニットを有さない常時駆動のコンベヤ装置が配設され、コンベヤ部における回転駆動軸の端部と、コンベヤ装置における回転駆動軸の端部との間を連結することで、1つの回転駆動部によりコンベヤ部とコンベヤ装置とを駆動するように構成したことを特徴としたものである。
【0019】
したがって請求項7の発明によると、搬送経路の下手側にコンベヤ装置を配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結することにより、コンベヤ部とコンベヤ装置とを連結して各搬送経路を連続状とし、1つの回転駆動部によりコンベヤ部とコンベヤ装置とを駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達し得、以て連結している回転駆動軸群を一体回転させる。その際にブレーキユニットとアキュームユニットとを可逆的に作用させることで、コンベヤ部における被搬送物の間欠搬送を行える。そしてコンベヤ装置における回転駆動軸の回転により、コンベヤ装置を常に駆動させて被搬送物を連続搬送し得る。
【発明の効果】
【0020】
上記した本発明の請求項1によると、回転駆動部の駆動回転により回転駆動軸を回転させ、この回転駆動軸の回転を、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端回動体を回転動させて、この無端回動体が当接しているローラ群を駆動回転できる。すなわち、回転駆動部の駆動により回転駆動軸を回転させるとともに、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動させ、以てローラ群を駆動回転して、ローラ群により支持している被搬送物を搬送経路上で搬送できる。そして、ローラ群を搬送経路の方向において複数のゾーンに分け、各ゾーン毎に配設したアキュームユニットを作用させての被搬送物の搬送と、ブレーキユニットを作用させての搬送停止とを可逆的に作用させることで、搬送経路上における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行うことができる。このような搬送の際に無端回動体は、捻り状に掛ける必要がないことから、摩損し難いなど耐久性の良いものにでき、高速搬送(高速駆動)を安定して容易に実現できる。また無端回動体が切断されたとき、一方の輪体をフレーム本体側から取り外すのみで無端回動体の交換を行うことができ、メンテナンス性の良いものにできる。
【0021】
また上記した本発明の請求項2によると、回転駆動軸の回転により、巻き掛け連動機構を介して中間軸を回転でき、そして中間軸の回転を、回転方向転換機構を介して一方の輪体軸に伝達でき、以て一方の輪体を駆動回転できる。これにより一対の輪体間に展張させている無端回動体を回転動でき、以て各直線状コンベヤ部における回転駆動軸の回転を、回転連動手段を介して回転伝動手段に連動できる。
【0022】
そして上記した本発明の請求項3によると、マイタ歯車の噛合構造により、回転駆動軸から回転伝動手段へ回転伝動を確実に行うことができるとともに、全体をコンパクトに構成できる。
【0023】
さらに上記した本発明の請求項4によると、無端回動体を回動させているときに、アキュームユニットのエアアクチュエータにより昇降フレームを上昇させることで、案内輪体群により無端回動体を上昇させて、ローラ群に下方から当接できる。これにより、無端回動体によってローラ群を駆動回転でき、以てローラ群により支持している被搬送物を搬送経路上で搬送できる。また、アキュームユニットのエアアクチュエータにより昇降フレームを下降させることで、案内輪体群の下降により無端回動体をローラ群に対して下方へ離間できる。このとき、アキュームユニットのエアアクチュエータと可逆的に昇降動作する昇降動手段により昇降体を上昇させることになり、以てブレーキ部材をローラ群に下方から当接できる。これにより、無端回動体の離間により遊転していたローラ群に制動力を作用させ、以てローラ群の回転を停止させて被搬送物の搬送を停止できる。
【0024】
しかも上記した本発明の請求項5によると、据付現場では、直線状コンベヤ部を直線状搬送経路の方向において複数台配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結する。この前後に、1台の直線状コンベヤ部では、フレーム本体側に回転駆動部を連結し、そして回転駆動部と回転駆動軸とを連動連結させる。これにより、複数台の直線状コンベヤ部を連結して各直線状搬送経路を一直線状とし、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成できる。このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達でき、以て連結している回転駆動軸群を一体回転できる。その際に各直線状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転でき、これにより一対の輪体間に展張させている無端回動体を回転動させて、この無端回動体が当接しているローラ群を駆動回転できる。
【0025】
すなわち、1つの回転駆動部の駆動により回転駆動軸群を一体回転できるとともに、各直線状コンベヤ部においては、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動でき、以てローラ群を駆動回転して、一直線状とした各直線状搬送経路上で、ローラ群により支持している被搬送物を搬送できる。これにより、複数台の直線状コンベヤ部を接続し、1つの回転駆動部により駆動する形式にでき、以て長い(任意の長さの)直線状搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に実現できる。その際に無端回動体として、捻り状に掛ける必要のない無端平ベルトを使用できることから、摩損し難いなど耐久性の良いものにでき、高速搬送(高速駆動)を安定して容易に実現できる。
【0026】
また上記した本発明の請求項6によると、据付現場では、カーブ状コンベヤ部の少なくとも一端(上流端と下流端)側において直線状コンベヤ部を配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結する。この前後に、直線状コンベヤ部では、フレーム本体側に回転駆動部を連結し、そして回転駆動部と回転駆動軸とを連動連結させる。これにより、直線状コンベヤ部とカーブ状コンベヤ部とを連結して直線状搬送経路とカーブ状搬送経路を連続状とし、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成できる。このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達でき、以て連結している回転駆動軸群を一体回転できる。その際に直線状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転連動手段を介して一方の輪体に伝達して駆動回転でき、これにより一対の輪体間に展張させている無端平ベルトを回転動させて、この無端平ベルトを当接させているローラ群を駆動回転できる。また、カーブ状コンベヤ部における回転駆動軸の回転は、回転方向転換機構を介して一方の輪体に伝達して駆動回転させ、これにより一対の輪体間に展張させている無端Vベルトを回転動させて、この無端Vベルトを当接させているローラ群を駆動回転できる。
【0027】
すなわち、1つの回転駆動部の駆動により回転駆動軸群を一体回転できるとともに、各コンベヤ部においては、回転連動手段を介して回転伝動手段を回転駆動でき、以てローラ群を駆動回転して、連続状とした直線状搬送経路上とカーブ状搬送経路上とに亘って、ローラ群により支持している被搬送物を搬送できる。これにより、直線状コンベヤ部とカーブ状コンベヤ部とを接続し、1つの回転駆動部により駆動する形式にでき、以てカーブ状搬送経路を含む長い(任意の長さの)搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に実現できる。その際に無端回動体として、捻り状に掛ける必要のない無端平ベルトや無端Vベルトを使用できることから、摩損し難いなど耐久性が良いものにでき、高速搬送(高速駆動)を安定して容易に実現できる。また無端平ベルトや無端Vベルトが切断されたとき、一方の輪体をフレーム本体側から取り外すのみで無端平ベルトや無端Vベルトの交換を行うことができ、メンテナンス性を良いものにできる。
【0028】
そして上記した本発明の請求項7によると、搬送経路の下手側にコンベヤ装置を配設して、回転駆動軸の対向端部間を連結することにより、コンベヤ部とコンベヤ装置とを連結して各搬送経路を連続状とし、1つの回転駆動部によりコンベヤ部とコンベヤ装置とを駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成できる。このように構成したローラコンベヤ設備によると、回転駆動部を駆動することにより、その駆動回転を回転駆動軸に伝達でき、以て連結している回転駆動軸群を一体回転できる。その際に、ブレーキユニットとアキュームユニットとを可逆的に作用させることで、コンベヤ部における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行うことができる。そしてコンベヤ装置における回転駆動軸の回転により、コンベヤ装置を常に駆動させて被搬送物を連続搬送できる。これにより、間欠搬送形式のコンベヤ部と、連続搬送形式のコンベヤ装置とを接続し、1つの回転駆動部により駆動する形式にでき、以て長い(任意の長さの)搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、複数の直線状コンベヤ部を採用した状態として、図1〜図8に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図6において、直線状コンベヤ部(コンベヤ部の一例)1のフレーム本体2は、左右一対の直線状コンベヤフレーム3と、両直線状コンベヤフレーム3の下部間に設けられた複数の連結フレーム4と、両直線状コンベヤフレーム3の上部間に設けられた複数の連結ロッド体5などにより構成され、そして、直線状コンベヤフレーム3の下部間でかつ長さ方向における複数箇所には脚部材6が連結されている。前記フレーム本体2側である両直線状コンベヤフレーム3間には、長さ方向における多数箇所に位置されて直状のローラ7が遊転自在に設けられている。すなわちローラ7群は、前記直線状コンベヤフレーム3に形成された六角孔(または切り欠き部)にローラ軸8の六角軸部が位置されることで、両直線状コンベヤフレーム3間で遊転自在に支持されている。これにより、ローラ7群の上方に直線状搬送経路(搬送経路の一例)9が形成される。
【0031】
前記ローラ7群の下方には、直線状搬送経路9に沿った方向の無端回動体をローラ7群の下面に当接自在とした回転伝動手段10が設けられている。すなわち、ローラ7群の下方かつコンベヤ幅方向の一側で直線状搬送経路9の両端にはそれぞれ反転用案内輪体(輪体の一例)11A,11Bが配設されている。その際に、上流端側の反転用案内輪体11Aが外嵌された横方向の輪体軸12Aは、軸受14を介して連結フレーム4上に遊転自在に、かつ着脱自在に配設され、また下流端側の反転用案内輪体11Bが外嵌された横方向の輪体軸12Bは、位置調整具15を介して、直線状コンベヤフレーム3に対して直線状搬送経路9の方向に位置調整自在に取り付けられている。そして、これら反転用案内輪体11A,11B間には無端平ベルト(無端回動体の一例)13が展張されている。以上の11A,11B〜15などにより回転伝動手段10の一例が構成される。
【0032】
前記連結フレーム4群の下方かつコンベヤ幅方向の一側には、直線状搬送経路9の方向に沿った回転駆動軸20が設けられ、この回転駆動軸20の両端近くが、連結フレーム4の下面に設けられた軸受21を介して回転自在に支持されている。ここで回転駆動軸20は、直線状コンベヤフレーム3と同様の長さであって、その両端部(少なくとも一端部)には、それぞれカップリングなどの連結体22が設けられている。
【0033】
前記フレーム本体2側には、前記無端平ベルト13を展張させる一対の反転用案内輪体11A,11Bのうち、一方の反転用案内輪体11Aに前記回転駆動軸20を連動連結させる回転連動手段30が設けられている。すなわち回転連動手段30は、回転駆動軸20に沿った中間軸31を有し、この中間軸31は軸受32を介して連結フレーム4上に遊転自在に支持されている。そして中間軸31は、チェーン使用の巻き掛け連動機構33を介して回転駆動軸20に連動連結されている。ここで巻き掛け連動機構33は、回転駆動軸20に外嵌固定された駆動鎖輪34と、中間軸31の内側に位置された支軸35に遊転自在に外嵌された案内鎖輪36と、支軸35を連結フレーム4の下面側に支持させる位置調整具37と、駆動鎖輪34と案内鎖輪36とに亘って巻回された無端チェーン38と、この無端チェーン38に上方から係合される状態で前記中間軸31の下流端に外嵌固定された受動鎖輪39とにより、その一例が構成される。
【0034】
そして前記中間軸31と、前記無端平ベルト13を展張させる一対の反転用案内輪体11A,11Bのうち、一方の反転用案内輪体11Aの輪体軸12Aとが、回転方向転換機構40を介して連動連結されている。すなわち回転方向転換機構40はマイタ歯車(傘歯車)により構成されるもので、中間軸31には駆動側マイタ歯車(マイタ歯車の一例)41が設けられるとともに、輪体軸12Aには受動側マイタ歯車(マイタ歯車の一例)42が設けられ、これらマイタ歯車41,42は常時噛合されている。以上の41〜42などにより回転方向転換機構40の一例が構成され、そして31〜42などにより回転連動手段30の一例が構成される。
【0035】
前記ローラ7群の下方でコンベヤ幅方向の両側には、それぞれユニットベース50,70が配設されている。これらユニットベース50,70は直線状搬送経路9よりも少し短い長さであって、連結フレーム4群の上方間に位置されている。そしてユニットベース50,70と連結フレーム4との間にスペーサ51,71が配設されたのち、結合具(ボルト・ナット)52,72により結合される。ここで、一側のユニットベース50を囲む状態で無端平ベルト13が展張されており、その際にスペーサ51の高さ寸法により決定されるユニットベース50と連結フレーム4との間隔(隙間)によって、前記無端平ベルト13のリターン経路53が形成される。
【0036】
図1、図2、図5〜図8において、前記ローラ7群は直線状搬送経路9の方向において4つのゾーン(複数のゾーン)Zに分けられ、各ゾーンZにはそれぞれ、無端平ベルト13に作用されるアキュームユニット60と、ローラ7群に作用されるブレーキユニット80とが対として配設されている。すなわち、一側のユニットベース50上にはアキュームユニット60が設けられるとともに、他側のユニットベース70上にはブレーキユニット80が対として配設されている。
【0037】
前記アキュームユニット60は、ユニットベース50との間に設けられた昇降ガイド手段64に案内される昇降フレーム61と、これらユニットベース50と昇降フレーム61との間に設けられた昇降用のエアアクチュエータ62と、前記昇降フレーム61における直線状搬送経路9の方向の4箇所(複数箇所)に設けられた案内輪体63などにより構成されている。そして案内輪体63群は、前記無端平ベルト13に対して下方から当接自在に構成されている。前記昇降ガイド手段64は、前記昇降フレーム61に形成されたガイド用貫通孔61aに上方から通されたガイド体65が、連結具(ボルト・ナット)66によりユニットベース50側に連結されている。このガイド体65には、昇降フレーム61の上面が当接自在な上昇限規制面65aが下向きに形成され、またガイド体65の下部には、昇降フレーム61の下面が当接自在な下降限規制部材67が外嵌されている。そしてガイド体65の上端部分と昇降フレーム61との間には、昇降フレーム61を下降付勢する付勢具(ばねなど)68が設けられている。
【0038】
これにより昇降フレーム61は、上昇限規制面65aと下降限規制部材67とにより規制された範囲内で昇降自在に構成され、通常は付勢具68による付勢力によって下降付勢されている。そして前記エアアクチュエータ62の伸展動によって、前記付勢具68による付勢力に抗して昇降フレーム61を上昇動させるように構成されている。ここで無端平ベルト13は、両反転用案内輪体11A,11Bとアキュームユニット60群とに亘って上方から掛けられて、前記ローラ7群に下方から当接自在に構成されるとともに、その当接により回転動力が伝達されるように構成されている。以上の65〜68などにより昇降ガイド手段64の一例が構成され、そして61〜68などによりアキュームユニット60の一例が構成される。
【0039】
各アキュームユニット60の内側方で前記フレーム本体2側には、それぞれブレーキユニット80が対として配設され、これら対のアキュームユニット60とブレーキユニット80とは、ローラ7群に対して可逆的に作用されるように構成されている。すなわち、直線状搬送経路9の方向において、各ゾーンZ毎に配設されている前記ブレーキユニット80は、エアアクチュエータ(昇降動手段の一例)81に連動された昇降体82と、この昇降体82に設けられ前記ローラ7群に対して下方から作用自在(当接自在)なブレーキ部材83などから構成されている。
【0040】
前記昇降体82は、横板部82aと、この横板部82aの左右縁部から上方へと折り曲げ状に連設された一対(複数)の立ち上がり部82bとにより、上部開放のC字レール状(C字フレーム状)に形成されている。そして横板部82aには、その長さ方向における2箇所(複数箇所)にガイド用貫通孔84が形成されるとともに、これらガイド用貫通孔84の内側には昇降動手段用貫通部85が形成されている。また、直線状搬送経路9の方向に沿って形成された両立ち上がり部82bで、その長さ方向における複数箇所(ローラ7のピッチに相当)には、たとえばゴムにより矩形ブロック状に形成された前記ブレーキ部材83が上方から嵌合により取り付けられている。
【0041】
前記ユニットベース70側には、ブレーキユニット80の昇降ガイド手段86が設けられている。すなわち、横板部82aに形成されたガイド用貫通孔84に上方から通されたガイド体87が、連結具(ボルト・ナット)88によりユニットベース70側に連結されている。このガイド体87には、横板部82aの上面が当接自在な上昇限規制面87aが下向きに形成され、またガイド体87の下部には、横板部82aの下面が当接自在な下降限規制部材89が外嵌されている。そしてガイド体87の上端部分と横板部82aとの間には、昇降体82を下降付勢する付勢具(ばねなど)90が設けられている。
【0042】
これにより昇降体82は、上昇限規制面87aと下降限規制部材89とにより規制された範囲内で昇降自在に構成され、そして通常は、付勢具90による付勢力によって下降付勢されている。前記エアアクチュエータ81は、ユニットベース70と昇降体82との間に設けられ、その伸展動によって、前記付勢具90による付勢力に抗して昇降体82を上昇動させるように構成されている。なお昇降動手段用貫通部85は配管などに利用されている。ここでアキュームユニット60のエアアクチュエータ62とブレーキユニット80のエアアクチュエータ81とは、可逆的に昇降動作するように構成され、以てアキュームユニット60の昇降フレーム61とブレーキユニット80の昇降体82とが可逆的に昇降作用される。
【0043】
以上の87〜90などにより昇降ガイド手段86の一例が構成され、そして81〜90などによりブレーキユニット80の一例が構成される。さらに2〜90などにより、無端回動体として無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した直線状コンベヤ部1の一例が構成される。
【0044】
前記回転駆動軸20に連動連結する回転駆動部91が設けられている。すなわち、両直線状コンベヤフレーム3の下部間にボックス状の駆動部フレーム97が設けられ、この駆動部フレーム97にモータや減速機などからなる回転駆動部91が搭載されるとともに、回転駆動部91の出力軸92と前記回転駆動軸20とが、巻き掛け連動機構93を介して連動連結されている。ここで巻き掛け連動機構93は、出力軸92と回転駆動軸20に取り付けた輪体(スプロケットなど)94,95と、両輪体94,95間に巻回された無端回動体(チェーンなど)96とからなる。そして輪体95は回転駆動軸20に対して、連結体22を利用して、または連結体22を外した跡に、あるいは長さ方向の適所に着脱自在に取り付けられている。
【0045】
図1〜図3において、無端回動体として無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した前記直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路9の方向において複数台配設(3台配設)するとともに、回転駆動軸20の対向端部間を連結している。すなわち、直線状コンベヤフレーム3の対向端部間が当て板やボルト・ナットなどからなる連結手段98により連結されるとともに、対向された連結体22間が連結具(ボルト・ナットなど)99により連結されている。そして直線状コンベヤ部1群のうちの1台に、前述したように回転駆動部91をセットすることで、1つの回転駆動部91により複数(3つ)の回転伝動手段10を駆動するように構成されている。
【0046】
以下に、上記した実施の形態1における作用を説明する。
据付現場では、フレーム本体2に脚部材6を連結することで、据え付け可能な直線状コンベヤ部1とする。次いで、直線状搬送経路9の方向において複数台(3台)を配設して、直線状コンベヤフレーム3の対向端部間を連結手段98により連結するとともに、回転駆動軸20の対向端部間、すなわち対向した連結体22間を連結具99により連結する。このとき、1台の直線状コンベヤ部1には回転駆動部91が組み込まれており、そして回転駆動部91の出力軸92と前記回転駆動軸20とを、巻き掛け連動機構93を介して連動連結している。以上によって、3台の直線状コンベヤ部1を連結して各直線状搬送経路9を一直線状とし、1つの回転駆動部91により3つの回転伝動手段10を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0047】
このように構成したローラコンベヤ設備による被搬送物(各種物品、折畳みコンテナ、コンテナ、ダンボール箱など)の搬送は、次のようにして行われる。すなわち、回転駆動部91を駆動することにより、その出力軸92の駆動回転を、巻き掛け連動機構93を介して回転駆動軸20に伝達し得、以て連結している回転駆動軸20群を一体回転させる。
【0048】
そして各直線状コンベヤ部1における回転駆動軸20の回転は、回転連動手段30を介して回転伝動手段10に連動される。すなわち回転駆動軸20の回転により、巻き掛け連動機構33の駆動鎖輪34を回転させて無端チェーン38を回動させるとともに、受動鎖輪39を介して中間軸31を回転させる。そして中間軸31の回転を、駆動側マイタ歯車41と受動側マイタ歯車42を介して一方の反転用案内輪体11Aに伝達し得、以て一方の反転用案内輪体11Aを駆動回転させる。これにより一対の反転用案内輪体11A,11B間に展張させている無端平ベルト13を回転動させる。その際に無端平ベルト13は、反転用案内輪体11A,11B間の作用経路部においては各アキュームユニット60の案内輪体63群により支持案内され、またリターン経路53においては連結フレーム4とユニットベース50との間を通過する。
【0049】
このようにして無端平ベルト13を回動させる際に、アキュームユニット60のエアアクチュエータ62を伸展動して昇降フレーム61を上昇させることで、案内輪体63群により無端平ベルト13を上昇させて、前記ローラ7群に下方から当接し得る。これにより、無端平ベルト13によってローラ7群を駆動回転させ得、以てローラ7群により支持している被搬送物を直線状搬送経路9上で搬送し得る。
【0050】
また、アキュームユニット60のエアアクチュエータ62を収縮動して昇降フレーム61を下降させることで、案内輪体63群の下降により無端平ベルト13を前記ローラ7群に対して下方へ離間し得る。このとき、アキュームユニット60のエアアクチュエータ62と可逆的に昇降動作するブレーキユニット80のエアアクチュエータ81を伸展動して昇降体82を上昇させることになり、以てブレーキ部材83を前記ローラ7群に下方から当接し得る。これにより、無端平ベルト13の離間により遊転していたローラ7群に制動力を作用させ、以てローラ7群の回転を停止させて被搬送物の搬送を停止し得る。
【0051】
そして、アキュームユニット60を作用させての被搬送物の搬送と、ブレーキユニット80を作用させての搬送停止とを繰り返すことにより、直線状搬送経路9上において被搬送物を間欠搬送し得る。その際に、ローラ7群を直線状搬送経路9の方向において複数のゾーンZに分け、各ゾーンZ毎に配設したブレーキユニット80の動作を制御することで、直線状搬送経路9上における被搬送物の停止(一時蓄積、停留)を、各ゾーンZ毎に円滑かつ確実に行えることになる。そして、ブレーキユニット80とアキュームユニット60とを可逆的に作用させることで、直線状搬送経路9上における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行えることになる。
【0052】
上述したように、1つの回転駆動部91の駆動により、巻き掛け連動機構93を介して回転駆動軸20群を一体回転させるとともに、各直線状コンベヤ部1においては、回転連動手段30を介して回転伝動手段10を回転駆動させ、以てローラ7群を駆動回転して、一直線状とした各直線状搬送経路9上で、ローラ7群により支持している被搬送物を搬送し得る。これにより、複数台(3台)の直線状コンベヤ部1を接続し、1つの回転駆動部91により駆動する形式にでき、以て長い(任意の長さの)直線状搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に(コストダウンに)実現できる。
【0053】
その際に、伝達用の無端回動体として、捻り状に掛ける必要のない無端平ベルト13を使用でき、この場合に無端平ベルト13は摩損し難くいなど耐久性が良いことから、高速搬送(高速駆動)を安定して容易に実現できる。また無端平ベルト(無端回動体)13が切断されたとき、受動側マイタ歯車42が設けられている一方の反転用案内輪体11Aを輪体軸12A(フレーム本体2)側から取り外すのみで無端平ベルト13の交換を行うことができ、メンテナンス性を良いものにできる。さらに、中間軸31から輪体軸12Aへ回転伝動を行う回転方向転換機構40として、駆動側マイタ歯車41と受動側マイタ歯車42とからなる噛合構造のマイタ歯車機構を採用することで、確実な回転伝動を行うことができるとともに、全体をコンパクトに構成できる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、直線状コンベヤ部とカーブ状コンベヤ部とを採用した状態として、図9〜図10に基づいて説明する。
【0054】
上述した実施の形態1のように、無端回動体として無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した直線状コンベヤ部1の他に、無端回動体の一例としての無端Vベルト113を使用してカーブ状搬送経路(搬送経路の一例)109を形成したカーブ状コンベヤ部(コンベヤ部の一例)101が準備される。すなわちカーブ状コンベヤ部101のフレーム本体102は、左右一対の円弧状コンベヤフレーム103と、両円弧状コンベヤフレーム103の下部間に設けられた連結フレーム104と、両円弧状コンベヤフレーム103の上部間に設けられた複数の連結ロッド体などにより構成され、そして、円弧状コンベヤフレーム103の下部間でかつ長さ方向における複数箇所には脚部材が連結されている。前記フレーム本体102側である両円弧状コンベヤフレーム103間には、長さ方向(カーブ状搬送経路109の方向)における複数箇所に位置されて円錐状ローラ(ローラの一例)107が遊転自在に設けられている。
【0055】
すなわち、カーブ状搬送経路109において各円錐状ローラ107は、カーブにおける小径側の直径が小でかつカーブにおける大径側の直径が大として配設され、そして前記円弧状コンベヤフレーム103に形成された六角孔(または切り欠き部)にローラ軸108の六角軸部が位置されることで、両円弧状コンベヤフレーム103間で遊転自在に支持されている。その際に各円錐状ローラ107は、その長さ方向を円弧中心に向けた状態とし、かつ上位面を水平状として配設されている。これにより、円錐状ローラ107群の上方にカーブ状搬送経路109が形成される。
【0056】
前記円錐状ローラ107群の下方には、カーブ状搬送経路109に沿った方向の無端Vベルト113を円錐状ローラ107群の下面に当接自在とした回転伝動手段110が設けられている。すなわち、円錐状ローラ107群の下方かつコンベヤ幅方向の一側でカーブ状搬送経路109の両端にはそれぞれ反転用案内輪体(輪体の一例)111A,111Bが配設されている。その際に、上流端側の反転用案内輪体111Aが外嵌された横方向の輪体軸112Aは、軸受114を介して連結フレーム104上に遊転自在に、かつ着脱自在に配設され、また下流端側の反転用案内輪体111Bが外嵌された横方向の輪体軸112Bは、位置調整具115を介して、円弧状コンベヤフレーム103に対してカーブ状搬送経路109の方向に位置調整自在に取り付けられている。これら反転用案内輪体111A,111B間には無端Vベルト113が展張されている。そして円錐状ローラ107群の下方で複数箇所には、反転用案内輪体111A,111B間で無端Vベルト113をカーブ状に案内する案内用輪体116が、縦方向の輪体軸を介して円弧状コンベヤフレーム103に遊転自在に配設されている。以上の111A,111B〜116などにより、カーブ状搬送経路109に沿った方向の無端Vベルト113を円錐状ローラ107群の下面に当接させた回転伝動手段110の一例が構成される。
【0057】
前記連結フレーム104群の下方かつコンベヤ幅方向の一側には、カーブ状搬送経路109の方向に沿った回転駆動軸120が設けられている。ここで回転駆動軸120はカーブ状搬送経路109の方向において4つ(複数)に分断されるとともに、分断軸体120a,120b,120c,120dの対向端間が屈曲自在な連結部材120eを介して連結され、そして分断軸体120a,120b,120c,120dのそれぞれが、連結フレーム104の下面に設けられた軸受121を介して回転自在に支持されている。ここで回転駆動軸120は、円弧状コンベヤフレーム103と同様の長さであって、その両端部(少なくとも一端部)には、それぞれカップリングなどの連結体122が設けられている。
【0058】
前記無端Vベルト113を展張させる一対の反転用案内輪体111A,111Bのうち、一方の反転用案内輪体111Aに前記回転駆動軸120を連動連結させる回転連動手段130が設けられている。すなわち回転連動手段130は、回転駆動軸120に沿った中間軸131を有し、この中間軸131は軸受132を介して連結フレーム104上に遊転自在に支持されている。そして中間軸131は、上述した実施の形態1における直線状コンベヤ部1の巻き掛け連動機構33と同様の構成からなる、チェーン使用の巻き掛け連動機構133を介して回転駆動軸120における上流端の分断軸体120aに連動連結されている。
【0059】
そして前記中間軸131と、前記無端Vベルト113を展張させる一対の反転用案内輪体111A,111Bのうち、一方の反転用案内輪体111Aの輪体軸112Aとが、回転方向転換機構140を介して連動連結されている。すなわち回転方向転換機構140はマイタ歯車(傘歯車)により構成されるもので、中間軸131には駆動側マイタ歯車(マイタ歯車の一例)141が設けられるとともに、輪体軸112Aには受動側マイタ歯車(マイタ歯車の一例)142が設けられ、これらマイタ歯車141,142は常時噛合されている。以上の141〜142などにより回転方向転換機構140の一例が構成され、そして131〜142などにより回転連動手段130の一例が構成される。
【0060】
前記円錐状ローラ107群の下方でコンベヤ幅方向の両側には、それぞれユニットベース150,160が配設されている。これらユニットベース150,160は、カーブ状の形成を除いて、上述した直線状コンベヤ部1のユニットベース50,70と同様に構成されている。前記円錐状ローラ107群はカーブ状搬送経路109の方向において4つのゾーン(複数のゾーン)Zに分けられ、各ゾーンZにはそれぞれ、無端Vベルト113に作用されるアキュームユニット151と、円錐状ローラ107群に作用されるブレーキユニット161とが対として配設されている。すなわち、一側のユニットベース150上にはアキュームユニット151が設けられるとともに、他側のユニットベース160上にはブレーキユニット161が対として配設されている。
【0061】
前記アキュームユニット151は、上述した実施の形態1における直線状コンベヤ部1のアキュームユニット60と同様であって、昇降フレーム152、昇降用のエアアクチュエータ153、案内輪体154などにより構成されている。前記ブレーキユニット161は、上述した実施の形態1における直線状コンベヤ部1のブレーキユニット80と同様であって、エアアクチュエータ(昇降動手段の一例)162、昇降体163、ブレーキ部材164などにより構成されている。以上の102〜164などにより、無端回動体として無端Vベルト113を使用してカーブ状搬送経路109を形成したカーブ状コンベヤ部101の一例が構成される。
【0062】
無端回動体として無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した前記直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路8の方向において2台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸20の対向端部間を連結し、そして下流側の直線状コンベヤ部1に、無端回動体として無端Vベルト113を使用してカーブ状搬送経路109を形成した前記カーブ状コンベヤ部101を、カーブ状搬送経路109の方向において1台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸20,120の対向端部間を連結し、さらにカーブ状コンベヤ部101の下手に、無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した前記直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路9の方向において1台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸120,20の対向端部間を連結している。
【0063】
すなわち、コンベヤフレーム3,103の対向端部間が当て板やボルト・ナットなどからなる連結手段98により連結されるとともに、対向された連結体22,122間が連結具(ボルト・ナットなど)99により連結されている。そして直線状コンベヤ部1群のうちの1台に、前述したように回転駆動部91をセットすることで、1つの回転駆動部91により複数(4つ)の回転伝動手段10,110を駆動するように構成されている。ここでカーブ状コンベヤ部101として、カーブ状搬送経路109が90度状の形式を採用しており、したがってカーブ状コンベヤ部101の前後の直線状コンベヤ部1は、その直線状搬送経路9の方向を直角状として配置される。
【0064】
以下に、上記した実施の形態2における作用を説明する。
据付現場では、フレーム本体102に脚部材を連結することで、据え付け可能なカーブ状コンベヤ部101とする。次いで、カーブ状搬送経路109の方向の両端(上流端と下流端)においてそれぞれ直線状コンベヤ部1を配設して、コンベヤフレーム3,103の対向端部間を連結手段98により連結するとともに、回転駆動軸20,120の対向端部間、すなわち対向した連結体22,122間を連結具99により連結する。このとき、1台の直線状コンベヤ部1には回転駆動部91が組み込まれており、そして回転駆動部91の出力軸92と前記回転駆動軸20とを、巻き掛け連動機構93を介して連動連結している。以上によって、3台の直線状コンベヤ部1と1台のカーブ状コンベヤ部101とを連結して各直線状搬送経路9とカーブ状搬送経路109を連続状とし、1つの回転駆動部91により4つの回転伝動手段10,110を駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0065】
このように構成したローラコンベヤ設備による被搬送物の搬送は、次のようにして行われる。すなわち、回転駆動部91を駆動することにより、その出力軸92の駆動回転を、巻き掛け連動機構93を介して回転駆動軸20に伝達し得、以て連結している回転駆動軸20,120群を一体回転させる。
【0066】
各直線状コンベヤ部1における回転駆動軸20の回転は、回転連動手段30を介して回転伝動手段10に連動される。すなわち回転駆動軸20の回転により、巻き掛け連動機構33の駆動鎖輪34を回転させて無端チェーン38を回動させるとともに、受動鎖輪39を介して中間軸31を回転させる。そして中間軸31の回転を、駆動側マイタ歯車41と受動側マイタ歯車42を介して一方の反転用案内輪体11Aに伝達し得、以て一方の反転用案内輪体11Aを駆動回転させる。これにより一対の反転用案内輪体11A,11B間に展張させている無端平ベルト13を回転動させる。その際に無端平ベルト13は、反転用案内輪体11A,11B間の作用経路部においては各アキュームユニット60の案内輪体63群により支持案内される。
【0067】
また、カーブ状コンベヤ部101における回転駆動軸120の回転は、回転連動手段130を介して回転伝動手段110に連動される。すなわち回転駆動軸120の回転により、巻き掛け連動機構133を介して中間軸131を回転させる。そして中間軸131の回転を、駆動側マイタ歯車141と受動側マイタ歯車142を介して一方の反転用案内輪体111Aに伝達し得、以て一方の反転用案内輪体111Aを駆動回転させる。これにより一対の反転用案内輪体111A,111B間に展張させている無端Vベルト113を回転動させる。その際に無端Vベルト113は、反転用案内輪体111A,111B間の作用経路部においては各アキュームユニット151の案内輪体154群により支持案内される。
【0068】
このようにして無端平ベルト13や無端Vベルト113を回動させる際に、アキュームユニット60,151のエアアクチュエータ62,153を伸展動して昇降フレーム61,152を上昇させることで、案内輪体63,154群により無端平ベルト13や無端Vベルト113を上昇させて、ローラ7,107群に下方から当接し得る。これにより、無端平ベルト13や無端Vベルト113によってローラ7,107群を駆動回転させ得、以てローラ7,107群により支持している被搬送物を直線状搬送経路9上やカーブ状搬送経路109上で搬送し得る。
【0069】
また、アキュームユニット60,151のエアアクチュエータ62,153を収縮動して昇降フレーム61,152を下降させることで、案内輪体63,154群の下降により無端平ベルト13や無端Vベルト113を前記ローラ7,107群に対して下方へ離間し得る。このとき、アキュームユニット60,151のエアアクチュエータ62,153と可逆的に昇降動作するブレーキユニット80,161のエアアクチュエータ81,162を伸展動して昇降体82,163を上昇させることになり、以てブレーキ部材83,164を前記ローラ7,107群に下方から当接し得る。これにより、無端平ベルト13や無端Vベルト113の離間により遊転していたローラ7,107群に制動力を作用させ、以てローラ7,107群の回転を停止させて被搬送物の搬送を停止し得る。
【0070】
そして、アキュームユニット60,151を作用させての被搬送物の搬送と、ブレーキユニット80,161を作用させての搬送停止とを繰り返すことにより、直線状搬送経路9上やカーブ状搬送経路109上において被搬送物を間欠搬送し得る。その際に、ローラ7,107群を直線状搬送経路9やカーブ状搬送経路109の方向において複数のゾーンZに分け、各ゾーンZ毎に配設したブレーキユニット80,161の動作を制御することで、直線状搬送経路9上やカーブ状搬送経路109上における被搬送物の停止(一時蓄積、停留)を、各ゾーンZ毎に円滑かつ確実に行えることになる。そして、ブレーキユニット80,161とアキュームユニット60,151とを可逆的に作用させることで、直線状搬送経路9上やカーブ状搬送経路109上における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行えることになる。
【0071】
上述したように、1つの回転駆動部91の駆動により、巻き掛け連動機構93を介して回転駆動軸20,120群を一体回転させるとともに、各コンベヤ部1,101においては、回転連動手段30,130を介して回転伝動手段10,110を回転駆動させ、以てローラ7,107群を駆動回転して、連続状とした直線状搬送経路9上からカーブ状搬送経路109上に亘って、ローラ7,107群により支持している被搬送物を搬送し得る。これにより、3台(単数台または複数台)の直線状コンベヤ部1と1台(単数台または複数台)のカーブ状コンベヤ部101とを接続し、1つの回転駆動部91により駆動する形式にでき、以てカーブ状搬送経路109を含む長い(任意の長さの)搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に(コストダウンに)実現できる。
【0072】
その際に、伝達用の無端ベルトとして、捻り状に掛ける必要のない無端平ベルト13や無端Vベルト113を使用でき、この場合に無端平ベルト13や無端Vベルト113は摩損し難いなど耐久性が良いことから、高速搬送(高速駆動)を安定して容易に実現できる。また無端平ベルト13や無端Vベルト113が切断されたとき、受動側マイタ歯車42,142が設けられている一方の反転用案内輪体11A,111Aを輪体軸12A,112A(フレーム本体2,102)側から取り外すのみで無端平ベルト13や無端Vベルト113の交換を行うことができ、メンテナンス性を良いものにできる。さらに、中間軸31,131から輪体軸12A,112Aへ回転伝動を行う回転方向転換機構40,140として、駆動側マイタ歯車41,141と受動側マイタ歯車42,142とからなる噛合構造のマイタ歯車機構を採用することで、確実な回転伝動を行うことができるとともに、全体をコンパクトに構成できる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3を、直線状コンベヤ部を採用した状態として、図11、図12に基づいて説明する。
【0073】
上述した実施の形態1の形式において、直線状搬送経路9の下手側には、アキュームユニットやブレーキユニットを有さない常時駆動のコンベヤ装置171が配設されている。このコンベヤ装置171のフレーム本体172は、左右一対の直線状コンベヤフレーム173と、両直線状コンベヤフレーム173の下部間に設けられた複数の連結フレーム174などにより構成され、そして、直線状コンベヤフレーム173の下部間でかつ長さ方向における複数箇所には脚部材175が連結されている。両直線状コンベヤフレーム173間には、長さ方向における多数箇所に位置されて直状のローラ176が遊転自在に設けられている。すなわちローラ176群は、前記直線状コンベヤフレーム173に形成された六角孔(または切り欠き部)にローラ軸の六角軸部が位置されることで、両直線状コンベヤフレーム173間で遊転自在に支持されている。これにより、ローラ176群の上方に直線状搬送経路179が形成される。
【0074】
前記ローラ176群の下方には、直線状搬送経路179に沿った方向の無端ベルトをローラ176群の下面に当接自在とした回転伝動手段180が設けられている。すなわち、ローラ176群の下方かつコンベヤ幅方向の一側で直線状搬送経路179の両端にはそれぞれ反転用案内輪体181A,181Bが配設されている。その際に、上流端側の反転用案内輪体181Aが外嵌された横方向の輪体軸182Aは、軸受184を介して連結フレーム174上に遊転自在に、かつ着脱自在に配設され、また下流端側の反転用案内輪体181Bが外嵌された横方向の輪体軸182Bは、位置調整具185を介して、直線状コンベヤフレーム173に対して直線状搬送経路179の方向に位置調整自在に取り付けられている。そして、これら反転用案内輪体181A,181B間には無端ベルト183が展張されている。以上の181A,181B〜185などにより回転伝動手段180の一例が構成される。
【0075】
前記輪体軸182Aの近くには、直線状搬送経路179の方向に沿った回転駆動軸190が設けられ、この回転駆動軸190は、連結フレーム174の下面に設けられた軸受191を介して回転自在に支持されており、その前端部にはカップリングなどの連結体192が設けられている。そして前記フレーム本体2側には、回転駆動軸190と輪体軸182Aとを連動連結する回転連動手段195が設けられている。ここで回転連動手段195としては、上述した実施の形態1の形式のように、巻き掛け連動機構33や回転方向転換機構40からなる構成や、回転方向転換機構40のみからなる構成などが採用される。
【0076】
無端回動体として無端平ベルト13を使用して直線状搬送経路9を形成した前記直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路9の方向において3台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸20の対向端部間を連結し、そして下流側の直線状コンベヤ部1の下手に、直線状搬送経路179を形成した常時駆動のコンベヤ装置171を配設するとともに、回転駆動軸20,190の対向端部間を連結している。
【0077】
すなわち、コンベヤフレーム3,173の対向端部間が当て板やボルト・ナットなどからなる連結手段98により連結されるとともに、対向された連結体22,192間が連結具(ボルト・ナットなど)99により連結されている。そして直線状コンベヤ部1群のうちの1台に、前述したように回転駆動部91をセットすることで、1つの回転駆動部91により3つ(複数)の直線状コンベヤ部1と1つ(単数または複数)のコンベヤ装置171とを駆動するように構成されている。
【0078】
以下に、上記した実施の形態3における作用を説明する。
据付現場では、フレーム本体172に脚部材175を連結することで、据え付け可能なコンベヤ装置171とする。次いで、直線状コンベヤ部1群の下流端にコンベヤ装置171を配設して、直線状コンベヤフレーム3,173の対向端部間を連結手段98により連結するとともに、回転駆動軸20,190の対向端部間、すなわち対向した連結体22,192間を連結具99により連結する。このとき、1台の直線状コンベヤ部1には回転駆動部91が組み込まれており、そして回転駆動部91の出力軸92と前記回転駆動軸20とを、巻き掛け連動機構93を介して連動連結している。以上によって、3台の直線状コンベヤ部1と1台のコンベヤ装置171とを連結して各直線状搬送経路9,179を連続状とし、1つの回転駆動部91により3つの直線状コンベヤ部1と1つのコンベヤ装置171とを駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0079】
このように構成したローラコンベヤ設備による被搬送物の搬送は、次のようにして行われる。すなわち、回転駆動部91を駆動することにより、連結している回転駆動軸20,190群を一体回転し得、このとき直線状コンベヤ部1では、ブレーキユニット80とアキュームユニット60とを可逆的に作用させることで、直線状搬送経路9上における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行えることになる。そしてコンベヤ装置171における回転駆動軸190の回転は、回転連動手段195を介して一方の反転用案内輪体181Aに伝達し得、以て一方の反転用案内輪体181Aを駆動回転させる。これにより一対の反転用案内輪体181A,181B間に展張させている無端ベルト183を回転動させて、ローラ177群を常に駆動回転させ、以て直線状コンベヤ部1から間欠搬送されてきた被搬送物を直線状搬送経路179上で連続搬送し得る。
【0080】
このように、3台(単数台または複数台)の間欠搬送形式の直線状コンベヤ部1と、1台(単数台または複数台)の連続搬送形式のコンベヤ装置171とを接続し、1つの回転駆動部91により駆動する形式にでき、以て長い(任意の長さの)搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に(コストダウン)に実現できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4を、直線状コンベヤ部とカーブ状コンベヤ部とを採用した状態として、図13に基づいて説明する。この実施の形態4では、上述した実施の形態2の形式において示された直線状搬送経路9の下手側に、上述した実施の形態3の形式において示されたアキュームユニットやブレーキユニットを有さない常時駆動のコンベヤ装置170が配設されている。
【0081】
すなわち、直線状搬送経路9を形成した直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路8の方向において2台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸20の対向端部間を連結し、そして下流側の直線状コンベヤ部1に、カーブ状搬送経路109を形成した前記カーブ状コンベヤ部101を、カーブ状搬送経路109の方向において1台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸20,120の対向端部間を連結し、さらにカーブ状コンベヤ部101の下手に、直線状搬送経路9を形成した前記直線状コンベヤ部1を、直線状搬送経路9の方向において1台(単数台または複数台)配設するとともに、回転駆動軸120,20の対向端部間を連結している。そして下流側の直線状コンベヤ部1の下手に、直線状搬送経路179を形成した常時駆動のコンベヤ装置171を配設するとともに、回転駆動軸20,190の対向端部間を連結している。
【0082】
以上によって、3台の直線状コンベヤ部1と1台のカーブ状コンベヤ部101と1台のコンベヤ装置171とを連結して各搬送経路9,109,179を連続状とし、1つの回転駆動部91により3台の直線状コンベヤ部1と1台のカーブ状コンベヤ部101と1台のコンベヤ装置171とを駆動するようにしたローラコンベヤ設備を構成し得る。
【0083】
以下に、上記した実施の形態4における作用を説明する。
このように構成したローラコンベヤ設備による被搬送物の搬送は、次のようにして行われる。すなわち、回転駆動部91を駆動することにより、連結している回転駆動軸20,120,190群を一体回転し得、このとき直線状コンベヤ部1やカーブ状コンベヤ部101では、ブレーキユニット80,161とアキュームユニット60,151とを可逆的に作用させることで、直線状搬送経路9上やカーブ状搬送経路109上における被搬送物の間欠搬送を、円滑かつ確実に行えることになる。そしてコンベヤ装置171における回転駆動軸190の回転は、回転連動手段195を介して一方の反転用案内輪体181Aに伝達し得、以て一方の反転用案内輪体181Aを駆動回転させる。これによりローラ177群を常に駆動回転させ、以て直線状コンベヤ部1から間欠搬送されてきた被搬送物を直線状搬送経路179上で連続搬送し得る。
【0084】
このように、3台(単数台または複数台)の間欠搬送形式の直線状コンベヤ部1と、1台(単数台または複数台)の間欠搬送形式のカーブ状コンベヤ部101と、1台(単数台または複数台)の連続搬送形式のコンベヤ装置171とを接続し、1つの回転駆動部91により駆動する形式にでき、以て長い(任意の長さの)搬送経路のローラコンベヤ設備を安価に(コストダウンに)実現できる。
【0085】
上記した実施の形態1では直線状コンベヤ部1を複数配設した形式が示され、実施の形態2では直線状コンベヤ部1とカーブ状コンベヤ部101とを連続状に配設した形式が示されているが、これは直線状コンベヤ部1を単数配設した形式や、カーブ状コンベヤ部101を単数配設した形式などであってもよい。
【0086】
上記した実施の形態1〜4では、無端回動体を展張させる上手側の反転用案内輪体11A,111Aと回転駆動軸20,120とを回転連動手段30,130を介して連動連結した形式が示されているが、これは下手側の反転用案内輪体11B,111Bと回転駆動軸20,120とを回転連動手段30,130を介して連動連結した形式などであってもよい。
【0087】
上記した実施の形態1〜4では、直線状コンベヤ部1の無端回動体として無端平ベルト13を採用した形式が示されているが、これは無端Vベルトを採用した形式などであってもよい。
【0088】
上記した実施の形態1〜4では、連結フレーム4側に回転駆動部91が設けられた形式が示されているが、これはコンベヤフレーム3側など、他の箇所に設けられた形式などであってもよい。
【0089】
上記した実施の形態1〜4では、上流端の直線状コンベヤ部1に回転駆動部91が組み込まれた形式が示されているが、これは中間の直線状コンベヤ部1、または下流端の直線状コンベヤ部1に回転駆動部91が組み込まれた形式などであってもよい。
【0090】
上記した実施の形態1〜4では、回転連動手段30,130として、中間軸31,131と巻き掛け連動機構33,133と回転方向転換機構40,140などからなる形式が示されているが、これは各種の歯車機構やベルト連動機構からなる形式などであってもよい。
【0091】
上記した実施の形態1〜4では、回転方向転換機構40,140がマイタ歯車(傘歯車)41,42、141,142により構成された形式が示されているが、これは平歯車とマイタ歯車との組み合わせで、中間歯車を介在させた形式などであってもよい。
【0092】
上記した実施の形態2、4では、カーブ状搬送経路109が90度状のカーブ状コンベヤ部101を1台組み込んだ形式が示されているが、これはカーブ状搬送経路109のカーブ角度やカーブ方向は任意であり、また組み込み台数も任意である。
【0093】
上記した実施の形態2、4では、ローラコンベヤ設備として、上手側の直線状コンベヤ部1と中間のカーブ状コンベヤ部101と下手側の直線状コンベヤ部1とからなる形式が示されているが、これは上手側の直線状コンベヤ部1と下手側のカーブ状コンベヤ部101とからなる形式、上手側のカーブ状コンベヤ部101と下手側の直線状コンベヤ部1とからなる形式、上手側のカーブ状コンベヤ部101と中間の直線状コンベヤ部1と下手側のカーブ状コンベヤ部101とからなる形式などであってもよい。
【0094】
上記した実施の形態2、4では、カーブ状コンベヤ部101として間欠搬送形式が示されているが、これは連続搬送形式などであってもよい。
上記した実施の形態1〜4では、ブレーキユニット80の昇降動手段としてエアアクチュエータ81が採用されているが、これは螺子軸形式やリンク使用形式などの昇降動手段であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、ローラコンベヤ設備の要部の一部切り欠き平面図である。
【図2】同ローラコンベヤ設備の要部の一部切り欠き側面図である。
【図3】同ローラコンベヤ設備の一部切り欠き平面図である。
【図4】同ローラコンベヤ設備における回転連動手段部分の一部切り欠き平面図である。
【図5】同ローラコンベヤ設備における回転連動手段部分の一部切り欠き側面図である。
【図6】同ローラコンベヤ設備における回転連動手段部分の一部切り欠き正面図である。
【図7】同ローラコンベヤ設備における要部の一部切り欠き正面図である。
【図8】同ローラコンベヤ設備における別の箇所での要部の一部切り欠き正面図である。
【図9】本発明の実施の形態2を示し、ローラコンベヤ設備の要部の一部切り欠き平面図である。
【図10】同ローラコンベヤ設備の一部切り欠き平面図である。
【図11】本発明の実施の形態3を示し、ローラコンベヤ設備の一部切り欠き平面図である。
【図12】同ローラコンベヤ設備の要部の一部切り欠き側面図である。
【図13】本発明の実施の形態4を示し、ローラコンベヤ設備の一部切り欠き平面図である。
【符号の説明】
【0096】
1 直線状コンベヤ部(コンベヤ部)
2 フレーム本体
7 ローラ
9 直線状搬送経路(搬送経路)
10 回転伝動手段
11A 反転用案内輪体(輪体)
11B 反転用案内輪体(輪体)
12A 輪体軸
12B 輪体軸
13 無端平ベルト(無端回動体)
20 回転駆動軸
22 連結体
30 回転連動手段
31 中間軸
33 巻き掛け連動機構
38 無端チェーン
39 受動鎖輪
40 回転方向転換機構
41 駆動側マイタ歯車(マイタ歯車)
42 受動側マイタ歯車(マイタ歯車)
50 ユニットベース
60 アキュームユニット
61 昇降フレーム
62 エアアクチュエータ
63 案内輪体
64 昇降ガイド手段
70 ユニットベース
80 ブレーキユニット
81 エアアクチュエータ(昇降動手段)
82 昇降体
83 ブレーキ部材
86 昇降ガイド手段
91 回転駆動部
92 出力軸
93 巻き掛け連動機構
98 連結手段
99 連結具
101 カーブ状コンベヤ部(コンベヤ部)
102 フレーム本体
107 円錐状ローラ(ローラ)
109 カーブ状搬送経路(搬送経路)
110 回転伝動手段
111A 反転用案内輪体(輪体)
111B 反転用案内輪体(輪体)
112A 輪体軸
113 無端Vベルト(無端回動体)
120 回転駆動軸
130 回転連動手段
131 中間軸
133 巻き掛け連動機構
140 回転方向転換機構
141 駆動側マイタ歯車(マイタ歯車)
142 受動側マイタ歯車(マイタ歯車)
150 ユニットベース
151 アキュームユニット
152 昇降フレーム
153 エアアクチュエータ
154 案内輪体
160 ユニットベース
161 ブレーキユニット
162 エアアクチュエータ(昇降動手段)
163 昇降体
164 ブレーキ部材
171 コンベヤ装置
176 ローラ
179 直線状搬送経路
180 回転伝動手段
182A 輪体軸
190 回転駆動軸
192 連結体
195 回転連動手段
Z ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体側に複数のローラが遊転自在に設けられるとともに、ローラ群の下方には、搬送経路に沿った方向の無端回動体をローラ群の下面に当接自在とした回転伝動手段と、搬送経路の方向に沿った回転駆動軸とが設けられ、ローラ群は搬送経路の方向において複数のゾーンに分けられ、各ゾーンにはそれぞれ、無端回動体に作用されるアキュームユニットと、ローラ群に作用されるブレーキユニットとが対として配設されるとともに、対のアキュームユニットとブレーキユニットとは可逆的に作用されるように構成され、前記回転伝動手段は一対の輪体により無端回動体を展張させるとともに、一方の輪体に前記回転駆動軸を連動連結させる回転連動手段をフレーム本体側に設けることでコンベヤ部が構成され、前記回転駆動軸に連動連結する回転駆動部が設けられていることを特徴とするローラコンベヤ設備。
【請求項2】
回転連動手段は、回転駆動軸に沿った中間軸を有し、この中間軸は、チェーン使用の巻き掛け連動機構を介して回転駆動軸に連動連結されるとともに、回転方向転換機構を介して一方の輪体軸に連動連結されていることを特徴とする請求項1記載のローラコンベヤ設備。
【請求項3】
回転方向転換機構がマイタ歯車により構成されていることを特徴とする請求項2記載のローラコンベヤ設備。
【請求項4】
アキュームユニットは、昇降用のエアアクチュエータに連動された昇降フレームと、この昇降フレームに設けられ無端回動体に対して下方から当接自在な案内輪体とからなり、ブレーキユニットは、昇降動手段に連動された昇降体と、この昇降体に設けられローラに対して下方から作用自在なブレーキ部材とからなり、これらアキュームユニットの昇降フレームとブレーキユニットの昇降体とが可逆的に昇降作用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のローラコンベヤ設備。
【請求項5】
無端回動体として無端平ベルトを使用して直線状搬送経路を形成した直線状コンベヤ部を、搬送経路の方向において複数配設するとともに、回転駆動軸の対向端部間を連結することで、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のローラコンベヤ設備。
【請求項6】
無端回動体として無端平ベルトを使用して直線状搬送経路を形成した直線状コンベヤ部と、無端回動体として無端Vベルトを使用してカーブ状搬送経路を形成したカーブ状コンベヤ部とを、搬送経路の方向において連続状に配設するとともに、回転駆動軸の対向端部間を連結することで、1つの回転駆動部により複数の回転伝動手段を駆動するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のローラコンベヤ設備。
【請求項7】
搬送経路の下手側には、アキュームユニットやブレーキユニットを有さない常時駆動のコンベヤ装置が配設され、コンベヤ部における回転駆動軸の端部と、コンベヤ装置における回転駆動軸の端部との間を連結することで、1つの回転駆動部によりコンベヤ部とコンベヤ装置とを駆動するように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のローラコンベヤ設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−107786(P2009−107786A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282543(P2007−282543)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】