説明

ロールプレイングゲーム装置並びにこれに用いるゲームプログラム及びこれを記録した記録媒体

【課題】バーチャルな世界と現実の世界とを融合することが可能なロールプレイングゲーム装置を提供する。
【解決手段】(a)予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置等に入力するよう指示するメッセージを発する指令発生回路131と、(b)上記メッセージが発せられた後、プレイヤのデータ記録媒体18にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止するゲーム中断回路132と、(c)プレイヤが、上記指示された行為を行うことにより得られた情報をゲーム装置に入力したとき、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始するゲーム続行回路133と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールプレイングゲーム装置に関し、より具体的には、通常のロールプレイングゲームのように空想世界(バーチャル)における行動(例えば、宝探し)だけでゲームが進行するのでなく、これに現実世界(リアル)での行動を加味することの可能なロールプレイングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでのロールプレイングゲーム装置は、例えば下記特許文献1に記載のもののように、ゲーム空間内に宝箱等を設置し、その中に各種アイテムを入れておき、それを発見し入手できれば、それ以降のゲームを有利に進めることができる、というような内容のゲームが行われるようになっていた。
そのため、ゲームは、家庭用ゲーム機又は業務用ゲーム機の機械の中でのみ進行し完結するものであった。
従って、ゲームを遂行する上での苦悩や困難、或いは達成の喜びは、あくまでバーチャルなものであり、現実世界とは何ら関係のない仮想空間内のものであった。
そのため、ゲームの興趣に一定の限界があり、ゲーム内容の展開や広がりにも限界があった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−219276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、これまで完全にバーチャルな世界で行われていたロールプレイングゲームを、現実の世界と融合することで、より趣のあるゲーム展開が可能なロールプレイングゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明に係るロールプレイングゲーム装置は、
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作入力装置と、ゲーム演算制御装置と、ゲームの進展状況を表示するディスプレイ装置と、当該ディスプレイ装置にゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路と、プレイヤの所持するデータ記録媒体に所要のデータを書き込み、読み取るデータ記録媒体書込み読取り装置と、通信回線網を介して運営者側サーバとの間でデータの送受信を行う通信回路とを備え、上記ゲーム演算制御装置は、少なくとも、CPUと、プログラムメモリと、ワークRAMとを含み、上記プログラムメモリにはロールプレイングゲームを実行するためのゲームプログラムがインストールされ、上記CPUがゲーム操作入力装置からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムをプログラムメモリ及びワークRAMの協働下において演算実行することにより、ゲームの進行、並びに、下記(a)ないし(c)項記載の指令発生回路、ゲーム中断回路及びゲーム続行回路の構築がなされること、即ち、
(a)ゲーム進行中、予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に入力するよう指示するメッセージを発する指令発生回路と、
(b)上記メッセージが発せられた後、上記データ記録媒体書込み読取り装置によりプレイヤの所持するデータ記録媒体にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止するゲーム中断回路と、
(c)プレイヤが、上記メッセージにより指示された行為を行った後、上記データ記録媒体書込み読取り装置にデータ記録媒体を読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げると共に、上記指示された行為を行うことにより得られた情報を当該ゲーム装置に入力したとき、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始するゲーム続行回路と、
の構築がなされることを特徴とするものである。
【0006】
望ましい実施例においては、上記メッセージの内容を、上記運営者側サーバからダウンロードすることにより更新可能とするものである。
メッセージとしては、プレイヤが一旦ゲーム装置から離れ、何らかの行動を行う必要のあるものであれば、指令形式のもの、クイズ形式のもの、その他各種形式のものが採用できる。
なお、上記データ記録媒体としては、少なくとも、磁気カード、RFID(Radio Frequency Identification)カード、携帯電話機のうちから選ばれたいずれか1種を利用することができる。
【0007】
また、前記の目的を達成するため、本発明は、下記のゲームプログラム、即ち、
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作入力装置と、ゲーム演算制御装置と、ゲームの進展状況を表示するディスプレイ装置と、当該ディスプレイ装置にゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路と、プレイヤの所持するデータ記録媒体に所要のデータを書き込み、読み取るデータ記録媒体書込み読取り装置と、通信回線網を介して運営者側サーバとの間でデータの送受信を行う通信回路とを備え、上記ゲーム演算制御装置は、少なくとも、CPUと、プログラムメモリと、ワークRAMとを含み、上記プログラムメモリにはゲームプログラムがインストールされ、上記CPUがゲーム操作入力装置からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムをプログラムメモリ及びワークRAMの協働下において演算実行することにより、ゲームの進行がなされるよう構成されたゲーム装置にインストールされるゲームプログラムであって、
上記CPU、プログラムメモリ及びワークRAMの協働下において、下記(d)ないし(f)項記載のステップが実行されるよう構成されたこと、即ち、
(d)ゲーム進行中、予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に入力するよう指示するメッセージを発する指令発生回路を構築するステップと、
(e)上記メッセージが発せられた後、上記データ記録媒体書込み読取り装置によりプレイヤの所持するデータ記録媒体にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止するゲーム中断回路を構築するステップと、
(f)プレイヤが、上記メッセージにより指示された行為を行った後、上記データ記録媒体書込み読取り装置にデータ記録媒体を読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げると共に、上記指示された行為を行うことにより得られた情報を当該ゲーム装置に入力したとき、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始するゲーム続行回路を構築するステップと、
が実行されるよう構成されたことを特徴とするロールプレイングゲーム用のゲームプログラムを提供するものである。
また、本発明は、上記のロールプレイングゲーム用のゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体をも提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
上記の如き構成を採用することにより、本発明によるときは、ゲームの途中で、そのゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置等に入力することによって初めて、それ以降のゲームの続行が可能となる構成が採用されているため、完全にバーチャルな世界だけではなく、現実世界の状況が取り入れられた形でのゲーム展開が行われ、従来に比べて、一層リアルで趣のあるゲームが可能なロールプレイングゲーム装置を提供し得るものである。
【0009】
具体的には、例えば、実際に現地に出向いて調査しなければ答が判らないようなクイズ(本発明におけるメッセージの一形態)をゲームの途中で出題し、その答を入力することによって初めてそれ以降のゲーム進行が可能なように構成することによって、ゲームの途中でプレイヤが実際に体を使って調査を行うという、新しい遊びの形態を開拓できるものである。
これを更に応用し、例えば、或る遊技施設に行って調査することが必要な指令を出すような設定をしておいて、その遊技施設にプレイヤ(客)を誘導することも可能である。その場合、当該遊技施設では、プレイヤが本発明のロールプレイングゲーム装置で使用するデータ記録媒体(磁気カード等)を提示することにより、入場料を無料にしたり割り引いたりするなどのサービスを行うことで、遊技施設とのタイアップを図ることも推奨される。そうすることにより、タイアップした遊技施設では、他の遊技機の利用率も向上し、そこで販売される商品の売上げも増加するメリットがある。
【0010】
なお、本発明においてゲームの途中でプレイヤに伝えられるメッセージの内容を、インターネット等の通信回線網を介して運営者側サーバからダウンロードすることにより随時書換え、更新が可能なように構成することで、ゲーム内容の陳腐化を防止することができる。
また、そのようにメッセージの書換え、更新を可能とすることで、一定の期間を限って前記の如く特定の遊技施設へプレイヤを誘導するメッセージを多く出現させるように設定し、その対価として当該遊技施設から広告収入を得ることも可能となる。また、メッセージの書換え、更新を可能とすることで、ゲーム内で、期間限定のイベントを行うことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置の一実施例の回路構成を示すブロック図、
図2は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置に宝探しゲームのゲームプログラムがインストールされている場合において、当該宝探しゲームで設定されているダンジョン(モンスターの巣窟)の一例の見取り図、
図3は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合において、そのディスプレイ装置に表示されるゲーム画面の一例を示す説明図、
図4は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合における宝箱の種類と、指令発生回路から発せられる指令(メッセージ)の例を示す説明図、
図5は、プレイヤが指令に従った行為を行った結果得られた情報(回答)を入力する際のディスプレイ装置の表示画面の一例を示す説明図、
図6は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合におけるゲームの進行の概要を示すフローチャートである。
【0012】
図1には、本発明に係るロールプレイングゲーム装置の回路構成が示されており、同図中、1は本発明に係るロールプレイングゲーム装置であり、11はゲーム操作入力装置、12は液晶パネル等によるディスプレイ装置、12aはディスプレイ画面、13はゲーム演算制御装置、13aはCPU、13bはハードディスクドライブ等の記憶装置から成るプログラムメモリ、13cはワークRAM、13dはROM、13eはクロック回路、131は指令発生回路、132はゲーム中断回路、133はゲーム続行回路、14は画像処理回路、15はサウンド回路、16はスピーカ、17はデータ記録媒体書込み読取り装置、18はデータ記録媒体、19は料金徴収装置、20はI/Oポート、21は通信回路、22はデータバス、23は運営者側サーバ、23aはデータベースである。
【0013】
ゲーム操作入力装置11は、プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生する。図示した実施例においては、ディスプレイ装置12がタッチパネル式の液晶パネルとなっており、当該タッチパネルがゲーム操作入力装置11としての役割を果たすようになっている。
即ち、ディスプレイ装置11の画面12aに表示されるキーボードのキー部分を押したり、画面に表示される図形や文字等の部分を押すことにより、それらに対応したゲーム制御信号が発せられ、当該信号がI/Oポート20からデータバス22を通じてゲーム演算制御装置13へ入力されるようになっている。
画像処理回路14は、ディスプレイ装置12にゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する。
【0014】
ゲーム演算制御装置13中のCPU13aは、ハードディスクドライブ等のプログラムメモリ13bに記録されたゲームプログラムを実行し、当該プログラムに従って、ゲームを進行させるために必要な演算処理を行う。本発明においては、プログラムメモリ13bにはロールプレイングゲーム用のゲームプログラムがインストールされている。
ワークRAM13cは、CPU13aの作動に必要なデータの授受と一時的なデータの記録、保持を行なう。
ROM13dには、ゲームのためディスプレイ装置12に表示する文字データ、画像データや音声データ等のほか、CPU13aの作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。文字データや画像データ等は、前記プログラムメモリ13bがハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置である場合には、そちらに記録するようにしてもよい。
クロック回路13eは、装置全体の作動に必要なクロックパルスを発振すると共に、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行う。
【0015】
プログラムメモリ13bには、前記の如く、ロールプレイングゲーム用のゲームプログラムがインストールされる。
CPU13aはゲーム操作入力装置11からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムをプログラムメモリ13b及びワークRAM13cの協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路14を介してディスプレイ装置12にゲーム画像として表示しつつ、ゲームを進行させるように構成されている。
また、本発明においては、CPU13aが上記ゲームプログラムをプログラムメモリ13b及びワークRAM13cの協働下において演算実行することにより、後述の指令発生回路131、ゲーム中断回路132及びゲーム続行回路133が構築されるようになっている。
なお、プログラムメモリ13bには、上記指令発生回路131によって発せられるべき各種の指令(もしくはメッセージ)と、それに対する回答情報のデータも多数記録されている。
【0016】
データ記録媒体書込み読取り装置17は、プレイヤの所持するデータ記録媒体18に記録されているIDデータを読み取ったり、ゲームを終了もしくは中断するとき、データ記録媒体18にゲーム成績やゲーム履歴を記録したりするものであり、特に本発明においては、指令発生回路131によって発せられた指令を実行するため、プレイヤがゲームを中断してゲーム装置から離れるときに、その時点でのゲーム状態(ゲームの種類、ゲーム場面、指令内容、得点、等々)を書き込み、記録するようになっている。
なお、データ記録媒体18としては、本発明の実施に必要なデータ容量を有し、プレイヤが持ち運ぶのに便利なものであれば任意の記録媒体が利用でき、一般的には、磁気カード、RFIDカード、携帯電話機、等々のうちから適宜のものが選ばれる。
【0017】
本発明に係るロールプレイングゲーム装置1には、望ましくは通信回路21が設けられ、運営者側サーバ23のデータベース23aからインターネット等の通信回線網を介して、ゲーム演算制御装置13にインストールされているゲームプログラム自体をダウンロードしてアップデートするほか、後述する指令発生回路131によって発せられる指令(メッセージ)とそれに対する回答情報についても、随時もしくは定期的に更新、変更可能なように構成する。
また、通信回路21を利用して、互いに離れた場所にいる複数のプレイヤ同士で、インターネットを介して対戦型のロールプレイングゲームを行うことも可能である。
【0018】
指令発生回路131は、ゲーム進行中、予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に入力するよう指示するメッセージを発する機能を有している。
当該メッセージは、通常、ディスプレイ装置12に表示されるが、スピーカ16から音声によって伝えるようにしてもよい。
ゲーム中断回路132は、上記メッセージが発せられた後、上記データ記録媒体書込み読取り装置17によりデータ記録媒体18にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止する機能を有する。
ゲーム続行回路133は、プレイヤが、上記メッセージにより指示された行為を行った後、ゲームの中断されたゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に上記データ記録媒体18を読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げ、中断時のゲーム状態にもたらすと共に、上記指示された行為を行うことにより得られた情報を当該ゲーム装置に入力したときに、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始する機能を有する。
【0019】
以下、図2〜図6を参照しつつ、上記指令発生回路131、ゲーム中断回路132及びゲーム続行回路133の機能について具体的に説明する。
図2には、本発明に係るロールプレイングゲーム装置に宝探しゲームのゲームプログラムをインストールした場合における当該宝探しゲームのダンジョン(モンスターの巣窟)の一例が示されている。
プレイヤは、このように設定されたダンジョン内を移動しながら宝箱を探して行くが、プレイヤはこのダンジョン全体の構成を見ることはできず、プレイヤがディスプレイ装置12の画面上で見ることができるのは、ゲーム空間内においてプレイヤのキャラクターが移動して行く場所ごとの一定範囲の状況(移動中の通路や、或る1つの部屋の内部)だけである。
ダンジョン内には、プログラムによって予め定められた箇所に宝箱が存在し、また、特定の状況もしくは場所ではモンスターが出現する。
このようなダンジョンの構成は、システムの容量が許す限り広く設計しても良いし、また、2階建て、3階建てなど複数階の構成にしても良い。複数階の場合、各階への移動は、階段等を設置し、それで移動するようにする。
【0020】
図3は、本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示したダンジョン内で宝探しゲームを行う場合において、そのディスプレイ装置に表示され、プレイヤが実際に見ながらゲームを行うゲーム画面の一例を示す説明図である。
このゲーム画面は、ディスプレイ装置12のタッチパネル式の画面12aに表示され、プレイヤは表示された画面上の必要箇所を直接触れることによりゲーム操作を行ってプレイするようになっている。即ち、この実施例においては、図1に示したディスプレイ装置12の画面12aが、タッチパネル式のゲーム操作入力装置11としての機能も果たすようになっているものである。
図3に示した例において、ゲーム内のキャラクタは、画面上でプレイヤが最後に触れた場所に向かって移動する。また、画面に表示された「宝箱」の部分に触れると、宝箱が開いて、アイテムや指令書が出てくる。「文字入力」の部分に触れると、図5に示すように、画面の左下領域にキーボードが表示され、そのキーに触れることでタッチパネルが作動して、所望の文字入力が可能となる。
なお、前記ゲーム操作入力装置11としては、これ以外にも、一般的な4方向もしくは8方向のジョイスティック等を単独もしくは併用して用いるようにしてもよい。
【0021】
プレイヤーは、図3に示すように、ダンジョンの一部分だけが表示された画面を見ながらゲーム操作を行い、ダンジョンの中を移動しながら宝箱を探して廻る。
宝箱を見つけた場合は、それをダブルクリックするなどして宝箱内のアイテムを獲得する。
獲得したアイテムは、画面右上領域に表示されているアイテムBOXに格納され、その後表示される。
【0022】
また、宝箱の中にはアイテムではなく、指令書が入っている場合もある。
この場合、指令書は、そのままではアイテムとして使うことはできず、指令書に書かれた指令もしくはメッセージを、プレイヤが現実世界でクリアすることによってアイテムに変化するようになっている。
具体的には、プレイヤは指令書に書かれた指令を実行するため、ゲームを中断(一旦終了)し、ゲーム装置から離れた場所で、与えられた指令を実行し、それによって得られた情報(指令において要求された情報)を、ゲームを中断したゲーム装置又は他の同様のゲーム装置に入力する。プレイヤが入力した情報が、指令において要求された情報と適合している場合には、指令はクリアされたこととなり、プレイヤにはアイテムが与えられることになる。
入力した情報が、指令において要求された情報と適合しない場合や、所定時間経過後もプレイヤによる情報入力が行われない場合には、指令は履行されなかったこととなり、減点等のペナルティが課される。
指令書は、実際にその指令がクリアされるまでは、アイテムと同じく、画面内の指令書ボックスに格納され、その後表示される。
指令書の指令内容は、最新のものが随時もしくは定期的に運営者側サーバ23からインターネット回線を通じて供給される。
【0023】
プレイヤがダンジョン内を移動しているとモンスターと遭遇するので、プレイヤはモンスターと戦い、これを倒す必要がある。
このときダメージを負うと体力が減り、それに伴い、画面右下の体力ゲージの表示値も減っていく。
体力が“0”になるとGAME OVERとなるが、一般的なロールプレイングゲームでは、薬草などのアイテムを用いることで、体力を回復させることができる。
獲得したアイテムを用いることで、モンスターとの戦闘を有利に進めることが可能である。
戦闘画面は、リアルタイムでも、ターン方式でも良い。
ロールプレイングゲームにおける戦闘方法は何通りもあるが、それらは周知であり、本発明とは無関係なため、その説明は省略する。
なお、ゲーム全体のテーマは、アイテムを集め、ボスのキャラクタを倒すことにしてもよいし、或いはまた、単純にアイテムを集めることにしてもよい。
【0024】
図4には、上記宝探しゲームを行う場合における宝箱の種類と、指令書の例をプレイヤに説明するための画面表示の一例が示されている。
指令書に書かれた指令(課題、クイズ、メッセージ、等々)は、一旦ゲームを中止して、実際にその場所に出向いて調べなければ答えられない問題等が多数用意され、それらのうちから、アトランダムに選ばれたものである。
例えば、図4に示したもののように、「パスワードを入力後、東京駅丸の内口前の銅像の名前を入力せよ。PASS:5468」、「次のパスワードを入力した後、表参道ヒルズ最上階のベンチの数を入力せよ。PASS:2892」などである。
或いはまた、「ABCビル内のスポーツジムで、サンドバッグを200回パンチし、パンチしたことの証明書をジムの受付で入手せよ。次のパスワードを入力した後、その証明書番号を入力せよ。PASS:2573」というようなものであってもよい。
また、2人以上のプレイヤ同士による対戦型ロールプレイングゲームの場合には、例えば、すべてのプレイヤに同一の指令を出し、それを実行することによって得られた情報を持ち帰って早く入力したプレイヤの順に高得点を与えるというような構成にすることも可能である。
指令内容の条件は、ゲームを一旦中止して、ゲーム装置から離れた場所へ実際に出向かなければクリアできないものであることである。
これらの指令を発する動作は、前記指令発生回路131によって行われる。
【0025】
上記の如くして指令が発せられた後は、プレイヤは一旦ゲームを終了させ、現実世界での調査等の行動が必要になる。
そして、ゲーム装置側では、ゲーム終了時点における当該プレイヤのゲーム状態等に関する個人データを、プレイヤが所持する磁気カード等のデータ記録媒体に記録し、ゲーム再開時には、上記ゲーム終了時における場面から同じ条件でゲームを始めることができるように構成する。
即ち、上記の如き指令(メッセージ)が発せられた後、ゲーム中断回路132は、データ記録媒体書込み読取り装置17を作動させて、プレイヤの所持するデータ記録媒体18にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止する。
プレイヤは、この時点でゲームを中止し、データ記録媒体18をゲーム装置から抜き取り、与えられた指令を実行するため、ゲーム装置を離れて、その場所へ向かう。
【0026】
移動先で上記指令を達成した後、プレイヤは、前にゲームを中断したゲーム装置へ戻って、もしくは最寄りの他の同様のゲーム装置へ赴いて、上記指令において要求された情報を当該ゲーム装置に入力する。
そのため、先ず上記データ記録媒体18をゲーム装置に読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げ、ゲーム中断時の画面表示とし、画面上の「文字入力」の部分(図3参照)をタッチするか、「指令書」を直接ダブルクリックすると、図5に示すような文字入力画面に切り替わり、与えられた指令に対する回答もしくは情報を入力することが可能になる。
文字の入力は、画面上に現れたタッチパネル式のキーボードをタッチすることにより行う。
ここで入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、ゲーム続行回路133によってその後のゲーム進行が開始される。
また、入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、指令書はアイテムに変化し、画面右上のアイテムBOXに格納される。
宝箱に入っていた指令書は、この時点で初めてアイテムとして利用可能になり、その後のゲームを有利に進めることが可能になる。
【0027】
図6には、本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合におけるゲームの進行の概要が、フローチャートにより示されている。
各ステップには「S01」〜「S26」及び「P01」の参照番号が付してある。
ステップ「S01」〜「S26」はゲーム装置に対する操作又はゲーム装置の作動であり、ステップ「P01」はプレイヤがゲーム装置から離れて行う行為である。
本発明においては、ステップS07〜S12及びステップS23〜S26を実行するための前記回路131、132及び133が設けられている点が特徴である。
そして、ゲーム装置のこれらの回路131、132及び133の作動により、プレイヤに対して現実世界での行為「P01」を行う必要を生ぜしめることが、本発明のゲーム装置の特徴である。
【0028】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、ゲームの途中で、そのゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置等に入力することによって初めて、それ以降のゲームの続行が可能となるため、完全にバーチャルな世界だけではなく、現実世界の状況が取り入れられた形でゲーム展開が行われ、従来に比べて、一層リアルで趣のあるゲームが可能なロールプレイングゲーム装置を提供し得るものである。
従って、ロールプレイングゲーム装置の可能性を大幅に拡張することが可能であり、産業上多大の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るロールプレイングゲーム装置の一実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るロールプレイングゲーム装置に宝探しゲームのゲームプログラムがインストールされている場合において、当該宝探しゲームで設定されているダンジョン(モンスターの巣窟)の一例の見取り図である。
【図3】本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合において、そのディスプレイ装置に表示されるゲーム画面の一例を示す説明図である。
【図4】本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合における宝箱の種類と、指令発生回路から発せられる指令(メッセージ)の例を示す説明図である。
【図5】プレイヤが指令に従った行為を行った結果得られた情報(回答)を入力する際のディスプレイ装置の表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に係るロールプレイングゲーム装置により図2に示した宝探しゲームを行う場合におけるゲームの進行の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 ロールプレイングゲーム装置
11 ゲーム操作入力装置
12 ディスプレイ装置
12a ディスプレイ画面
13 ゲーム演算制御装置
13a CPU
13b プログラムメモリ(記憶装置)
13c ワークRAM
13d ROM
13e クロック回路
131 指令発生回路
132 ゲーム中断回路
133 ゲーム続行回路
14 画像処理回路
15 サウンド回路
16 スピーカ
17 データ記録媒体書込み読取り装置
18 データ記録媒体
19 料金徴収装置
20 I/Oポート
21 通信回路
22 データバス
23 運営者側サーバ
23a データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作入力装置(11)と、ゲーム演算制御装置(13)と、ゲームの進展状況を表示するディスプレイ装置(12)と、当該ディスプレイ装置(12)にゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路(14)と、プレイヤの所持するデータ記録媒体(18)に所要のデータを書き込み、読み取るデータ記録媒体書込み読取り装置(17)と、通信回線網を介して運営者側サーバ(23)との間でデータの送受信を行う通信回路(21)とを備え、上記ゲーム演算制御装置(13)は、少なくとも、CPU(13a)と、プログラムメモリ(13b)と、ワークRAM(13c)とを含み、上記プログラムメモリ(13b)にはロールプレイングゲームを実行するためのゲームプログラムがインストールされ、上記CPU(13a)がゲーム操作入力装置(11)からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムをプログラムメモリ(13b)及びワークRAM(13c)の協働下において演算実行することにより、ゲームの進行、並びに、下記(a)ないし(c)項記載の指令発生回路、ゲーム中断回路及びゲーム続行回路の構築がなされることを特徴とするロールプレイングゲーム装置(1)。
(a)ゲーム進行中、予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に入力するよう指示するメッセージを発する指令発生回路(131)。
(b)上記メッセージが発せられた後、上記データ記録媒体書込み読取り装置(17)によりプレイヤの所持するデータ記録媒体(18)にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止するゲーム中断回路(132)。
(c)プレイヤが、上記メッセージにより指示された行為を行った後、上記データ記録媒体書込み読取り装置(17)にデータ記録媒体(18)を読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げると共に、上記指示された行為を行うことにより得られた情報を当該ゲーム装置に入力したとき、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始するゲーム続行回路(133)。
【請求項2】
上記メッセージの内容を、上記運営者側サーバ(23)からダウンロードすることにより更新可能とした請求項1に記載のロールプレイングゲーム装置。
【請求項3】
上記データ記録媒体(18)が、磁気カード、RFIDカード、携帯電話機のうちから選ばれたいずれか1種である請求項1に記載のロールプレイングゲーム装置。
【請求項4】
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作入力装置(11)と、ゲーム演算制御装置(13)と、ゲームの進展状況を表示するディスプレイ装置(12)と、当該ディスプレイ装置(12)にゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路(14)と、プレイヤの所持するデータ記録媒体(18)に所要のデータを書き込み、読み取るデータ記録媒体書込み読取り装置(17)と、通信回線網を介して運営者側サーバ(23)との間でデータの送受信を行う通信回路(21)とを備え、上記ゲーム演算制御装置(13)は、少なくとも、CPU(13a)と、プログラムメモリ(13b)と、ワークRAM(13c)とを含み、上記プログラムメモリ(13b)にはゲームプログラムがインストールされ、上記CPU(13a)がゲーム操作入力装置(11)からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムをプログラムメモリ(13b)及びワークRAM(13c)の協働下において演算実行することにより、ゲームの進行がなされるよう構成されたゲーム装置にインストールされるゲームプログラムであって、
上記CPU(13a)、プログラムメモリ(13b)及びワークRAM(13c)の協働下において、下記(d)ないし(f)項記載のステップが実行されるよう構成されたことを特徴とするロールプレイングゲーム用のゲームプログラム。
(d)ゲーム進行中、予め定めたゲーム場面に達したときに、プレイヤに対し、プレイ中の当該ゲーム装置から離れた場所で所定の行為を行い、その行為により得られた情報を当該ゲーム装置もしくは他の同様のゲーム装置に入力するよう指示するメッセージを発する指令発生回路(131)を構築するステップ。
(e)上記メッセージが発せられた後、上記データ記録媒体書込み読取り装置(17)によりプレイヤの所持するデータ記録媒体(18)にその時点におけるゲーム状態に関するデータを記録した上、強制的にゲームの進行を停止するゲーム中断回路(132)を構築するステップ。
(f)プレイヤが、上記メッセージにより指示された行為を行った後、上記データ記録媒体書込み読取り装置(17)にデータ記録媒体(18)を読み取らせて、中断したロールプレイングゲームを立ち上げると共に、上記指示された行為を行うことにより得られた情報を当該ゲーム装置に入力したとき、当該入力した情報が、予め定めた内容に適合するときは、その後のゲーム進行を開始するゲーム続行回路(133)を構築するステップ。
【請求項5】
上記請求項4に記載のロールプレイングゲーム用のゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−289759(P2008−289759A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139951(P2007−139951)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】