ロールプレス機
【課題】プレス用間隙を形づくっている第1のプレスロールおよび第2のプレスロールの長さ変化の補償を確実に、しかも複雑でなく、優れたプレス結果を維持したまま達成させ得る。
【解決手段】プレス用間隙(7)を形づくっている第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)を備えたロールプレス機(1)であって、その際、このプレスロール(3、5)が第1の端を、互いに隣接した軸受台(23、25)内で支持されており、この軸受台が、第1の軸受台ユニット(35)を形成しながら、プレスロール(3、5)の長手方向において互いに相対的に移動不能であるように相並んで固定されており、その際、第1の軸受台ユニット(35)が全体的に、プレスロール(3、5)の長手方向を横切る旋回軸を備えた第1の旋回軸受(39)の周りを旋回可能に、定置の機械フレーム(37)で支持される。
【解決手段】プレス用間隙(7)を形づくっている第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)を備えたロールプレス機(1)であって、その際、このプレスロール(3、5)が第1の端を、互いに隣接した軸受台(23、25)内で支持されており、この軸受台が、第1の軸受台ユニット(35)を形成しながら、プレスロール(3、5)の長手方向において互いに相対的に移動不能であるように相並んで固定されており、その際、第1の軸受台ユニット(35)が全体的に、プレスロール(3、5)の長手方向を横切る旋回軸を備えた第1の旋回軸受(39)の周りを旋回可能に、定置の機械フレーム(37)で支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のプレスロールおよび第2のプレスロールを備え、これら第1のプレスローラ及び第2のプレスローラの間に間隙を有するロールプレス機に関する。これに伴い本発明は例えば、ペーパーウェブまたはパルプウェブなどのように流れているウェブを処理するための、例えば湿式プレス機のようなロールプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロールプレス機の場合、熱によるロールの長さの変化を補償する措置を講じなければならない。これに関し特許文献1にて開示されるロールプレス機では、両プレスロールがそれぞれ少なくとも一端において軸受台内で支持されており、これらプレスロールは軸受台側において、プレスロールの主軸方向に移動可能な引張棒を介して連結されており、これにより軸受台が相対移動し得る。軸受台が相対的にプレスロールの主軸に沿って変位し得ることで、プレスロールと軸受台の相対変位が可能でなくても、プレスロールの長さ変化を補償し得る。しかしながら、軸受台を相対的に移動可能に形成することは、費用がかかり、かつプレスロールによって張引されたプレス面(=プレスロール軸の、最良のプレス用間隙を達成するために所望の相対的な位置によって定義される)内でのプレスロールの保持が不安定な状態になる。この問題を解決するため、特許文献2では、上述した相対移動可能な軸受台に加えて、プレスロールが所望のプレス面からはみ出すことを阻止する一対の案内平面を、プレス面に平行に設けることが提案されている。
【0003】
更に、特許文献3には2つのプレスロールを備えたプレス装置が開示され、各プレスロールの一端が軸受台内で支持されている。これらの軸受台は張引板を介して軸方向へ相対変位可能に連結され、軸受台は連接軸受を介して土台上に支持されている。
特許文献4は、2つのプレスロールを備えたプレス装置が開示されており、各プレスロールの一端が軸受台内で支持されている。これらの軸受台は、互いにネジ留めされており、かつ土台に対して固定支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0531491号明細書
【特許文献2】欧州特許第0571582号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第4417760号明細書
【特許文献4】スイス特許出願公開第560852号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プレス用間隙を形成している第1のプレスロールおよび第2のプレスロールを備え、各プレスロールの長さの変化の補償を確実に行うと共に、構成が複雑でなく、優れたプレス結果をし得るロールプレス機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴を備えたロールプレス機を提供する。本発明の更なる実施形態は、従属請求項で説明されている。
本発明に基づき、プレスロールの第1の端での両方の軸受台は、プレスロールの長手方向での相対移動がなされないようなユニットを形づくっており、ただしその際、両方の軸受台の間の連結の実施に応じて、軸受台の互いに対する相対移動が、プレスロール軸を横切る方向において、例えばプレスロールによって定義されたプレス面内で、またはプレス
面を横切って可能であり得る。
【0007】
一実施形態によれば、第1の軸受台ユニットの両方の軸受台を一体的に作製することができ、これにより両方の軸受台は全体で1つの剛体を形づくる。両方の軸受台は別々に作製することもでき、その場合は例えば、軸受台を互いに溶接、鋲留めすることによる解体不能な形、またはネジ留めによる解体可能な形のような、即ち全ての自由度に関して統合体へとつなぎ合わせることができる。したがって一実施形態によれば、第1および/または第2の軸受台ユニットの軸受台は堅固に隣接固定されており、例えば互いに一体的に形成される、または互いにネジ留めされる、または互いに溶接される。
【0008】
第1の軸受台ユニット全体をこのように堅固に構成する場合、軸受台は、プレスロール長手軸を通ってぴんと張られたプレス面内で、かつプレスロール長手軸を横切って延びるプレス方向において、通常は相対的に剛直であり、したがってプレス方向において互いに外側へと伸びることはほとんどない。このためプレス用間隙は比較的一定に保たれる。プレス面は、上述のようにプレスロールを通ってぴんと張られた面であり、その際、プレス面の位置は、所望の最良のプレス用間隙から結果的に生じるプレスロールの互いに対する相対的な位置から明らかである。この全体的に堅固な軸受台ユニットの場合、どの軸受台も、プレス面を横切る方向において、もう一方の軸受台に対して相対的にプレス面からはみ出し得ず、ただし、このはみ出しが特定の度合いまでは可能な実施形態もある。
【0009】
さらに、第1の軸受台ユニットの軸受台を、少なくともプレスロールの長手方向においては湾曲しない、または全体的に湾曲しない引張棒を介して互いに連結することが可能であり、これにより軸受台は、プレス用間隙を同様に拡大/適応させながら、ならびに引張棒を弾力的に伸ばしながら、プレス方向において互いから離れ得る。このような引張棒は、それぞれの軸受台で同様に相補的に成形された接続部にはまり込むために、C字形またはU字形であり、かつ例えばプレスロールの長手方向、またはそれを横切る方向における両面で、第1のプレスユニットの軸受台に取り付けられるクランプなどであることができ、これにより軸受台は、プレス方向においては弾力的に相並んで挟持され、その際、軸受台は、プレスロール方向においては互いに相対的に移動不能なままである。
【0010】
これに伴い、本発明に基づき例えば以下方の変更例が提供される。
− 第1の軸受台ユニットと機械フレームの間、または第2の軸受台ユニットと機械フレームの間が可動支持部であり、その際、第1および第2のプレスロールの端は、軸受台内で長手方向に固定的に支持される。
【0011】
− 第1の軸受台ユニットと機械フレームの間、および第2の軸受台ユニットと機械フレームの間が旋回軸受であり、その際、第1および第2のプレスロールの端は、軸受台内で長手方向に固定的に支持される。
【0012】
− 第1または第2のプレスロールの一方の端だけが、対応する軸受台に対して相対的に長手方向に変位可能に支持されており、その際、第1および第2のプレスロールの残りの端は、軸受台に対して相対的に長手方向に固定的に支持されている。第1の軸受台ユニットの軸受台を互いに連結する引張棒は、例えば板状に、例えば長方形板として形成され、かつ軸受台の、プレスロールを横切る方向、例えばプレス面を横切る方向において互いに向かい合う面で軸受台に取り付けられる引張接合板としても形成され得る。この引張接合板を簡単に軸受台から取り外し得るように、例えば取外し可能な横ボルト、つまりプレス面を横切って延びる取外し可能なボルトを介して、引張接合板をそれぞれの軸受台と連結することが企図され、これに関し、それぞれの軸受台の、接合板に対する相対的な旋回移動を阻止し、さもなければ生じるであろうプレス面内での(つまりプレスロールの主軸に沿っての)軸受台の望ましくない相対移動を阻止するため、それぞれの接合板は、それ
ぞれの軸受台で、例えば複数の、例えば2本の横ボルトによって固定され、これらの横ボルトは、所望の回転モーメントを吸収するため、同軸ではなく、間隔をあけて互いに平行に配置される。1つだけの接合板を、中心に(つまりプレス面内に延びて)、上述のようなやり方で、第1の軸受台ユニットの軸受台の間に取り付けてもよい。一実施形態によれば、第1および/または第2の軸受台ユニットの軸受台が、プレスロールの長手方向に湾曲しない引張接合板を介して相並んで保持されており、この接合板は、軸受台の、プレスロールの長手方向を横切る方向において互いに向かい合う面で、旋回不能に、例えば軸受台ごとに2本ずつの横ボルトを介して、軸受台に取り付けられる。
【0013】
一実施形態によれば、プレスロールの一方、例えば第1の旋回軸受に据えられたプレスロールは、一方の端、例えば第1の旋回軸受から離れて据えられた第2の端では、このプレスロールの第2の端でのプレスロールの長手方向における支持において、長手方向に変位可能に支持されている。
【0014】
一実施形態によれば、複数の接合板が、プレス面のそれぞれの側で企図されており、かつ例えば上述のように、第1のプレスユニットの軸受台に取り付けられており、これにより複数の接合板、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多い接合板を備えた接合板一式が、それぞれの側に存在する。
【0015】
例えばシューロールのようにジャケットロールを使用する際は、軸受台をプレスロールから外すことなくロールジャケットを取り替え得る場合が望ましい。このために例えば、プレス面の両側での1つまたは複数の接合板は、全てのボルトを側面からプレス面を横切る方向に取り出すことによって取り外すことができ、さらには、ボルトが1本になるまでの全て(つまり4本のボルトで固定の場合は3本のボルト)を側面から取り出し、かつそれぞれの接合板、または複数の接合板を備えたそれぞれの接合板一式を、それぞれ残っているボルトの周りでプレス面に平行に、例えばプレスロールから離れる方向に旋回させることも考えられ得、後者の方は、簡単なやり方で、例えば接合板が軸方向に倒されて離れた方の軸受台を通り越して、例えば倒された接合板も通り越して、使用済みのロールジャケットを軸方向に取り外すこと、および新たなロールジャケットと取り替えることを可能にする。ロールジャケットを取り替えた後、1つまたは複数の接合板は、再び元通り起こされ、かつプレス運転のために旋回不能に、第1の軸受台ユニットのそれぞれの軸受台と連結される。
【0016】
第1および/または第2のプレスロールは、柔軟なロールジャケットと、内側からロールジャケットを押すプレスシューとを備えたシューロールとして企図され得る。この場合、第1のプレスロールのプレスシューは、例えばロールの内側に向かう凹面を備えて設けることができ、この凹面は、第2のロールの凸面(例えばロールの円筒形に基づき存在する)に対してほぼ相補的であり、このため柔軟なロールジャケットは、その周面をもう一方のロールの凸面に適応させながら、もう一方のロールに向かって押され得、これによりウェブ走行方向、つまりプレスロールを横切る方向において延長されたプレス用間隙が形成され得る。この構成は、製紙設備および/またはパルプ製造設備における例えば湿式プレス機のために使用される。
【0017】
プレスロールの第2の端での軸受台は、上で第1の軸受台ユニットの軸受台に関して述べたようなやり方で形成することができ、かつ互いに連結させることができ、これにより軸受台は第2の軸受台ユニットを形づくる。第1および第2の軸受台ユニットは、同じように構造化されて企図され得る。第1の軸受台ユニットは、ロールプレス機のうち、プレスロールが駆動モータと連結される駆動側に配置することができ、またはロールプレス機の操作側でも配置され得る。
【0018】
ロールプレス機は、第1および第2のプレスロールとして、それぞれジャケットロール、例えばロール内部のプレスシューを備えたシューロールを、または中実ロールを、またはこれらの組合せ、例えば第1のプレスロールとしてジャケットロールおよび第2のプレスロールとして中実ロールを有し得る。
【0019】
第1の軸受台ユニットが旋回可能であることを達成するため、軸受台の一方で、例えば旋回軸受が企図され、例えばピボット・ボルトを備えたボルト関節の形において、もしくは曲面状に成形され、支え面上で転動し得る、および/または旋回しながらすべり得る軸受台の形において企図される。この旋回軸受は、その旋回軸が、有用にプレス面を横切って延びている。したがって、第1および/または第2のプレスロールの長さ変化を補償するため、第1の軸受台ユニット全体が同様に旋回可能であり、このため第1および/または第2のプレスロールはその軸受台内で、プレスロールの両端を長手方向に固定的に支持され得る。第1のプレスロールがその両端を軸受台内で長手方向に固定的に支持される場合、第2のプレスロールは、例えばその一方の端を長手方向に固定的に、およびもう一方の端を軸受台に対して相対的に長手方向に移動可能に支持され得る。両方のプレスロールがその両端を長手方向に固定的に支持される場合、例えば第1の軸受台ユニットが全体的に、旋回可能であるだけでなく、プレスロール方向において長手方向に変位可能であり得、つまり旋回軸受または旋回軸が、プレスロール方向において長手方向に変位可能に企図される。ただし第2の軸受台ユニットも、長手方向に変位可能に企図され得る。
【0020】
プレスロールのたわみ、またはプレスロールを担持するキャリア(例えばシューロールの場合)のたわみを補償するため、プレスロールはそのような移動を可能にする軸受、例えばボールブッシュまたは振子ブッシュもしくはたる形ころ軸受のような軸受内で、軸受台において支持され得る。
【0021】
プレス運転中には、軸受台の例えば引張棒のような連結部内での引張負荷をもたらす加圧力の他に、ウェブ走行方向(=プレス面を横切る方向)への力も発生し、一般的にはこの力が、それぞれのプレスロールをウェブ走行方向に連れて行こうとし、詳しく言えば、これはウェブ走行方向におけるプレス用間隙の前のウェブ材料のせき止めに基づく。
【0022】
これに関し例えば、両方のプレスロールのうちの一方のプレスロールの軸受台だけが、機械フレーム、例えば定置の機械土台、定置の機械骨組み、およびそれに類似の機械フレームに直接的に支持されており、それにひきかえ両方のプレスロールのうちのもう一方のプレスロールの軸受台が、この軸受台の、一方のプレスロールの軸受台との連結を介してのみ機械フレームと連結している(=機械フレームとの間接的な連結)場合、引張棒、例えばプレスロールの側面に配置されたクランプまたは接合板を使用すれば、両方のプレスロールのうちのもう一方のプレスロールは、ウェブ走行方向において、一方のプレスロールに対して相対的に、プレス面の外に容易に移動可能であり、なぜなら軸受台の間には、この外への移動を阻止するいかなる案内面も企図されておらず、かつ側面に配置された引張棒は、この横断方向においては、そのような安定化としてはもたらされ得ず、かつまたプレスロールの両側で少し異なって伸び得るからである。しかしここから生じるプレス用間隙の変化は、プレス結果を不適切に妨げることはない。ただし追加案として、軸受台の間の連結において滑りキーを設けることもでき、この滑りキーは、プレス面に対し平行な案内面を介して、軸受台がプレス面を横切って相対移動することを追加的に阻止する。
【0023】
ロールプレス機では、プレスロール軸を横切り、かつプレス面内に延びる軸(例えば高度軸または上下軸)の周りでのモーメントおよび/またはプレスロール軸に平行に延びる軸の周りでのモーメントも発生し得る。最初に挙げたモーメントに対しては、この場合、軸受台ユニットは、プレス面に垂直な円環状の変位に対して保護されなければならず、これは例えば、第1のプレスユニットのうちの、自由に機械フレーム上に載っており、かつ
そこで長手方向に変位可能な軸受台で、軸受台と機械フレームの間に配置された滑りキーによって可能である。2番目に挙げたモーメントに対しては、この場合、軸受台ユニットは、ウェブ走行方向(機械方向)における傾きに対して保護されなければならず、これは例えば、第1のプレスユニットのうちの、自由に機械フレーム上に載っており、かつそこで長手方向に変位可能な軸受台で、軸受台と機械フレームの間に配置された滑りキーによって可能であり、この滑りキーは、プレス面に平行な方向、およびプレスロールを横切る方向において、軸受台の、したがって対応する軸受台ユニットの前述の軸の周りでの傾動を阻止する長さで延びている。第2の軸受台は、第2の軸受台ユニットの軸受台の固定的な支持によって、上述のモーメントによる変位および傾動に対して十分に保護される。長手方向に変位可能に案内された関節、または長手方向に変位可能に案内された連接軸を備えた、第1の軸受台ユニットの軸受台の関節・可動支持の場合も同様に、この保護が付与される。
【0024】
本発明によるロールプレス機は、薄葉紙製造設備のような、製紙設備またはパルプ設備内で、湿式プレス機および/またはシュー・カレンダとして用いられ得る。シュー・カレンダの場合、例えば第1または第2のプレスロールが、シューロールとして、つまり内部にプレスシューを備えたジャケットロールとして形成されており、かつもう一方のプレスロールは、例えば中実ロールまたはジャケットロールとして形成され、かつ加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略側面図。
【図2】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略側面図。
【図3】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図4A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図4B】図4Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図5A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図5B】図5Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図6A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図6B】図6Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図7A】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図7B】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図7C】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図8A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図8B】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概部分側面図。
【図9A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図9B】図9Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図9C】図9Aに示したロールプレス機の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に基づくロールプレス機1を示している。このロールプレス機は、第1のプレスロール3と、それに隣接して平行に配置された第2のプレスロール5とを有して、これらのプレスロールは両者間に細長いプレス用の間隙7を形成している。プレスロール3、5は、それぞれロールジャケット9、11およびジャケットキャリア13、15を備えたジャケットロールとして形成されている。各ジャケットキャリア13,15のキャリア軸は、対応するロールジャケット9、11内を、同ロールジャケットの中心軸に対して同軸的に、または偏心的に延びている。このジャケットキャリア13,15上においてロールジャケット9、11が回転可能に支持されており、ロールジャケット9,11はプレスシュー等を介して、もう一方のロールジャケット9、11に向かって押圧されている。プレスロール3、5は、上下方向に重合するように配置されており、したがってプレスロール3、5、換言するとプレスロールの長手軸上に張引状態で支持される
プレス面17は上下方向に延びている。ただしプレスロール3、5は、例えば水平方向に(水平に延びるプレス面)、または上下方向/水平方向に対して斜状に(上下/水平に対して斜状に延びるプレス面)、互いに隣接して配置されてもよい。
【0027】
プレスロール3,5はジャケットキャリア13、15の第1の端19、21において、軸受ユニット27、29を介して、互いに隣接する軸受台23,25(ここでは上下に隣接する軸受台23,25)に支持されている。この軸受ユニット27,29は、本実施例ではボールブッシュよりなる。各軸受ユニット27、29が収容するジャケットキャリア13、15には、プレスロール3、5の長手軸に直交する方向に延びる軸を中心とて軸受台23,25に対するねじれが発生するが、このねじれを許容することによって、対応するジャケットキャリア13、15のたわみを許容する。
【0028】
軸受台23、25は別体に形成されている。これら軸受台は、概略的に示された連結方法、即ちネジ31、33を介して第1の軸受台ユニット35に対して固定されるように連結されている。第1の軸受台ユニット35は、同軸受台ユニット35が第1の旋回軸受39の周りを旋回可能であるように、下方の軸受台25を介して機械フレーム37、ここでは土台または機械の台座に取り付けられており、この第1の旋回軸受の旋回軸は、プレスロール3、5の長手軸に直交する方向、即ちプレス面17を横切る方向に延びている。この場合に、下方の軸受台25は機械フレーム37に面した端面において、プレス面17に平行に延びる湾曲を有して曲面状に形成された接触部41を備えるように形成され、この接触部41は機械フレーム37の水平に延びる受け部43上で荷重を支えている。このため接触部41は、受け部43上で、プレス面に沿って転動、又は滑動しながら旋回可能であり、これにより第1の軸受台ユニット35は、プレス面17に沿って旋回可能となる。このような接触部41の転動または滑動による旋回動作に基づき、第1の旋回軸受39の旋回軸は、1位置に固定されるのではなく、転動または滑動に基づく旋回移動に相応して強制的に移動される。
【0029】
曲面状の接触部41は、受け部43上で、プレスロール3、5の長手方向に変位可能に配置されており、これにより旋回軸受39の旋回軸は、旋回運動に関係なく、プレスロール3、5の長手方向に変位可能である。
【0030】
プレスロール3、5の第2の端は、第1の端と同様に、プレスロールのジャケットキャリア13、15を介して、上下に隣接する軸受台45および軸受台47において、対応する軸受ユニット49、51にて支持されている。プレスロール3、5の第2の端を支持する軸受台45、47は、第2の軸受台ユニット53を構成するように一体的に形成されており(第2の軸受台ユニット53の軸受台45、47は、別体に形成されてもよく、かつ図1でのように互いにネジ留めされてもよい)、下方の軸受台47は機械フレーム37に対してネジ留めされて、固定支持部55を構成する。これに対して、上述の旋回軸受39は、可動支持部を構成する。
【0031】
上方の軸受台23、45は、対応する下方の軸受台25、47との連結を介してのみ、機械フレーム37に取り付けられている。ここでは第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25における可動支持機能を備えた旋回軸受39は、第1の軸受台ユニット35の上方の軸受台23で採用されてもよい。同様に、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47でにおける固定支持部55が、第2の軸受台ユニット53の上方の軸受台45で採用されてもよい。したがって、下方の軸受台25、47は上方の軸受台23、45から懸下される(懸垂配置)。
【0032】
ジャケットキャリア13、15は、第1および第2の軸受台ユニット35、53の軸受台23、25、45、47の全ての軸受ユニット27、29、49、51内で、長手方向
に固定的に支持されている。即ち、プレスロール3、5が、軸受台23、25、45、47に対して相対的に移動することは不可能である。
【0033】
上方および/または下方のプレスロール3、5の長さが変化する場合、この長さの変化は、第1の軸受台ユニット35の、プレス面17に平行な旋回または傾動によって補償され、その際、接触部41が、受け部43上でプレス面17上を転動、または滑動し、これにより旋回軸38がプレスロール3、5の長手軸の方向に移動する。
【0034】
第1の軸受台ユニット35がロールプレス機1の操作側、および第2の軸受台ユニット53が駆動側に配置される。上方および下方のプレスロールのロールジャケット9、11を交換する際、例えば第1の軸受台ユニット35の軸受台23、25の間の連結を解除し、かつ上方および下方の軸受台23、25を互いに間隔をあけ、さらに機械フレーム37に対して上下方向に間隔をあけて持ち上げている。これにより、ロールジャケット9、11は、プレスロール3、5の長手方向に、軸受台を越えて取り外され、新たなロールジャケットが張引保持され得る。
【0035】
図2に示された実施形態では、ロールプレス機1が同様に2つの上下に隣接した平行なプレスロール3、5を有しており、これらのプレスロールの間にプレス用間隙7が形成されている。これらのプレスロールのうちの上方のプレスロール3は、ロールジャケット9および内部のジャケットキャリア13を備えたジャケットロールであり、かつ下方のプレスロール5は中実ロールである。
上方のプレスロール3は、そのジャケットキャリア13を介して、第1の端19および第2の端が、それぞれの上方の軸受台23、45内で支持されている。このため、ジャケットキャリア13は、そのそれぞれの端部で、それぞれの軸受ユニット27、49のボールブッシュ内において、長手方向に固定された状態ではまり込んでおり、各端部はボールブッシュと共に対応するロール軸に直交する軸の周りを回転可能であり、上方の軸受台23、45に対して相対移動するため、上方のプレスロール3のジャケットキャリア13のたわみが許容され得る。
【0036】
中実の下方のプレスロール5は、第1の端および第2の端においてそれぞれ軸方向に突出した軸受スタッドを有しており、各軸受スタッドが、対応する下方の軸受台25、47における軸受ユニット29、51内に回転可能に収容されている。これに関し下方のプレスロール5はその第1の端を、下方の軸受台25内において長手方向に固定された状態で収容されており、対応する軸受ユニット29は、ここでは2列のたる形ころ軸受の形の回転軸受として、例えばプレスロール5のたわみを許容するために、下方の軸受台25と軸受スタッドとの相対的なねじれを許容するように形成されている。下方のプレスロール5の第2の端において、プレスロールが対応する下方の軸受台47内において回転可能、かつ長手方向に移動可能に収容されており、対応する軸受ユニット51は、例えば1列のたる形ころ軸受の形の回転軸受として、例えばプレスロール5のたわみを許容するために、下方の軸受台47と軸受スタッドとの相対的なねじれを許容するように形成されている。
【0037】
プレスロール3、5の第1および第2の端での上方および下方の軸受台23、25;45、47は、互いに隣接しており、かつ第1または第2の軸受台ユニット35;53を形づくっており、かつネジ留め連結を介して堅固に連結されている。第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47は、ここでは土台としての機械フレーム37に固定されており、第2の軸受台ユニット53は、堅固な固定支持部55を介して機械フレーム37に固定されている。
【0038】
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、定置の旋回軸を備えたボルト連接軸受として形成された旋回軸受39を介して、機械フレーム37に取り付けられている。こ
の旋回軸は、プレスロール3、5の長軸に直交して、即ちプレスロール3、5の長手軸によって張引保持されたプレス面17を横切って延びている。
【0039】
第1および第2の軸受台ユニット35、53内において、長手方向に変位不能に支持されている上方のプレスロール3に対し、旋回軸受39および固定支持部55は、第1の軸受台ユニット35が全体的に、旋回軸受39の旋回軸(プレスロール3、5の長軸に直交する方向に延びる)を中心とする円弧を描いて傾動し得ることによって、上方のプレスロール3の長さ変化を許容する固定・可動支持作用を司る。この傾動は、下方のプレスロール5によって妨げられることはない。その理由として、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47内の軸受ユニット51が、可動支持部として形成されていることが挙げられる。
【0040】
別例として、可動支持部として形成された軸受ユニット51を、例えば他の軸受ユニット27、29、49よりなる固定支持部と取り替えてもよい。この場合には例えば図1の実施形態でのように、旋回軸受39が、可動支持部として形成され、かつプレスロールの方向に移動可能であり(例えば、機械フレーム側のボルト関節部が、プレスロールの長手方向に案内されて移動可能であり)、別例として、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47と機械フレーム37の間の固定支持部55を、可動支持部、例えばプレスロール3、5の長手方向に案内されて移動可能な支持部と取り替えることも可能である。
【0041】
機械フレーム37による両軸受台ユニット35、53の支持は、図1の実施形態の場合のように、下方の軸受台25、47を介して行われる。ただし、図1の実施形態でもそうであるように、機械フレーム37での軸受台ユニット35、53の支持は、軸受台ユニット35、53の一方の下方の軸受台25、47、および軸受台ユニット35、53のもう一方の上方の軸受台を介して行ってもよく(部分的に懸垂配置)、または両方の上方の軸受台23、45を介して行ってもよい(懸垂配置)。
【0042】
駆動側としては、図1および図2の実施形態に基づき、固定支持部55の安定が、プレスロール3、5へ駆動力をもたらすことに影響があることから、第2の軸受台ユニット53に面したプレス側が考慮される。その際、操作側としては、第1の軸受台ユニット35に面した側が使用される。ただしこの逆も可能である。
【0043】
図3は、本発明の更なる実施形態に基づくロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35の概略的な部分側面図を示しており、その際、第2の軸受台ユニットも、このやり方で形成され、または図1および図2に基づいて述べた方法でも形成され得る。
【0044】
第1の軸受台ユニット35は、互いに隣接する下方および上方の軸受台25、23を有する。これらの軸受台25,23内では、それぞれプレスロール3、5が長手方向に移動不能に支持され、プレスロール3、5またはその内部のジャケットキャリア13、15がロール軸に直交する軸の中心として軸受台23、25に対して相対的に回転し得るように支持されている。これにより例えばプレスロール3、5またはジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35の所望の傾きが許容され得る。
【0045】
軸受台23、25は別体形成され、これらの軸受台はプレスロール3、5によって形づくられたプレス用間隙7の高さにおいて互いに連結されている(つまり、図1および図2の実施形態でもそうであるように、おおよそプレス用間隙7の高さに分割線が延びており)。より詳述すると、断面C字形の2つのクランプ57、59を介して連結されており、これらのクランプのうちの一方のクランプ57は、プレスロール方向から見て軸方向の端側から、もう一方のクランプ59は向かい合う側から、軸受台23、25に取り付けられている。軸受台23、25は、互いに面した端面で、T字形の太くなっている部分61、
63を備えて形成されており、クランプ57、59がそのC字の腕部で、T字形の太くなっている部分によって形づくられた隆起部を、形状的連結により包み込む。換言すると、C字状の腕部が、T字形によって形成されたそれぞれの出っ張り部に接しており、それぞれの出っ張り部は少し斜めに形成されている。
【0046】
クランプ57、59は、例えばネジによって、または液圧式または空気圧式の装置によって、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向して押圧されており、これにより、太くなっている部分61、63のT字形の出っ張り部の傾斜に基づき、軸受台23、25が、プレス面17内でプレスロール3、5の軸線方向に直交する方向において(ここでは上下に)、相対して挟持されている。
【0047】
連結されるクランプは、それ自体が、プレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の間の相対移動を阻止するように寸法が決定され得る。クランプ57、59が弾性的になりやすい引張棒として形成される場合、軸受台23、25の間の連結が滑りキー65を有してもよく、この滑りキー65は、軸受台23、25の間の連結部で、軸受台の端面に取り付けられ、かつプレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の相対的な変位を追加的に阻止する。このために滑りキー65は、プレス面17に直交して延びる案内面を備えている。滑りキー65は、さらに軸受台23、25がプレス面17に直交する方向に相対移動することを阻止するために、プレス面17に平行な案内面も備え得る。ただし、このようなプレス面17に平行な案内面は不可欠な要素ではなく、よって滑りキーを、正面から見て例えば円錐形に形成することができる。これにより、この滑りキーは、プレスの非運転時の中心合わせ作用だけに重きが置かれ、プレス運転中に高い加圧力によって軸受台23がプレス面17を横切る方向において少し互いに離れて移動する場合に滑りキーによる案内が付与されなくなる。案内面を備えた滑りキーに代えて取付けピンを採用することもでき、これにより軸受台との案内および/または中心合わせしながら作用する線接触が生じる。
【0048】
さらに、図3に示す実施形態に基づき、下方の軸受台25と、土台として形成された機械フレーム37との間には、プレスロール3、5の長手方向に直交する方向に延びる旋回軸を備えた旋回軸受39が設けられている。これにより、第1の軸受台ユニット35はプレス面17に平行な面内で傾動可能であり、プレスロール3、5の長さの変化を補償し得る。この旋回軸受39は、図1における旋回軸受のように形成されており、下方の軸受台25が、機械フレーム37に面した曲面状の端部を有しており、この端部が接触部41として、受け部43を構成する水平な支え面上で荷重を支える。接触部41は支え面上でプレスロール3、5の長手方向に転動可能、かつ滑動可能である。これにより旋回軸受39は旋回・可動支持部を構成する。プレスロール3、5の図示されていない第2の端は、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような構成によって、プレスロール3,5を固定支持する。
【0049】
図3の実施形態に係る第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に好的であるが、駆動側にて使用することを可能である。
図4Aおよび図4Bでは、本発明のまた別の実施形態に基づくロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35が、部分側面図または正面図において示されている。
【0050】
第1の軸受台ユニット35は、下方および上方の軸受台25、23を有している。これら軸受台25,23は上下方向において互いに隣接して配置されており、内部ではそれぞれプレスロール3、5が長手方向において移動不能に保持すべくジャケットキャリア15,13が支持されている。軸受台25,23内にはプレスロール3、5、即ちジャケットキャリア13、15がロール軸をに直交する軸を中心として、対応する軸受台23、25に対して相対的に回転し得るように支持され、これにより例えばプレスロール3、5また
はジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35の所望量の傾斜が許容され得る。
【0051】
軸受台23、25は別体形成され、これらの軸受台はプレスロール3、5によって形づくられたプレス用間隙7の高さにおいて互いに連結されている(つまり、図1および図2の実施形態でもそうであるように、おおよそプレス用間隙7の高さに分割線が延びており)。より詳述すると、断面C字形の2つのクランプ57、59を介して連結されており、これらのクランプのうちの一方のクランプ57は、プレスロール方向から見て軸方向の端側から、もう一方のクランプ59は向かい合う側から、軸受台23、25に取り付けられている。軸受台23、25は、互いに面した端面で、T字形の太くなっている部分61、63を備えて形成されており、クランプ57、59がそのC字の腕部で、T字形の太くなっている部分によって形づくられた隆起部を、形状的連結により包み込む。換言すると、C字状の腕部が、T字形によって形成されたそれぞれの出っ張り部に接しており、それぞれの出っ張り部は少し斜めに形成されている。
【0052】
クランプ57、59は、例えばネジによって、または液圧式または空気圧式の装置によって、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向して押圧されており、これにより、太くなっている部分61、63のT字形の出っ張り部の傾斜に基づき、軸受台23、25が、プレス面17内でプレスロール3、5の軸線方向に直交する方向において(ここでは上下に)、相対して挟持されている。
【0053】
連結されるクランプは、それ自体が、プレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の間の相対移動(旋回移動および/または直線移動)を阻止するように寸法が決定され得る。クランプ57、59が弾性的なりやすい引張棒として形成される場合、軸受台23、25の間の連結が滑りキー65を有してもよく、この滑りキー65は、軸受台23、25の間の連結部で、軸受台の端面に取り付けられ、かつプレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の相対的な変位を追加的に阻止する。このために滑りキー65は、プレス面17に直交して延びる案内面を備えている。滑りキー65は、さらに軸受台23、25がプレス面17に直交する方向に相対移動することを阻止するために、プレス面17に平行な案内面も備え得る。ただし、このようなプレス面17に平行な案内面は不可欠な要素ではなく、よって滑りキーを、正面から見て例えば円錐形に形成することができる。これにより、この滑りキーは、プレスの非運転時の中心合わせ作用だけに重きが置かれ、プレス運転中に高い加圧力によって軸受台23がプレス面17を横切る方向において少し互いに離れて移動する場合に滑りキーによる案内が付与されなくなる。
【0054】
機械フレーム37での第1の軸受台ユニット35の支持は、ここでは複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39によって行われている。この旋回軸受は、図1および図3の実施形態の旋回軸受39に対応するように形成される。プレスロール3、5の図示されていない第2の端では、プレスロール3、5を適切な方法で、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような方法によって、固定支持する。
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、ウェブ走行方向、つまりプレス面17を横切る方向における変位、ならびにウェブ走行方向における傾動、つまりプレスロール長手軸に平行な軸を中心とする回動に基づく傾動を防止する構成を備える。より詳述するならば、滑りキー66は、機械フレーム37に対して固定されており、かつ下方の軸受台25の、機械フレーム37に面した端面における凹部内にまり込んでいる。このような構成は別の実施形態の第1の軸受台ユニットの場合にも提案され得る。
図4A、図4Bの実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に適しているが、しかし駆動側でも用いられ得る。
【0055】
図5Aおよび図5Bでは、また別の実施形態に基づくロールプレス機1が、概略的な部分側面図または正面図において示されている。
このロールプレス機1は、上方および下方の軸受台23、25を備えた第1の軸受台ユニット35を、ロールプレス機1の操作側に有しており、これらの軸受台は上下方向において互いに隣接して配置されている。これらの軸受台23,25内ではそれぞれロールジャケット9、11および内部のジャケットキャリア13、15を備えたジャケットロールとして形成されたプレスロール3、5が、対応する軸受台23、25に対して長手方向おいて移動不能に支持されている。これに関し、それぞれのプレスロール3、5はその第1の端19、21おいて、それぞれのジャケットキャリア13、15の端部が対応する軸受ユニット27、29内で長手方向において移動不能に収容されている。ジャケットキャリア13、15の端部は、対応する軸受台23、25に対して、プレスロール3、5の軸線に直交する軸を中心に回動し得るように収容されている。これにより、ジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35がプレスロール3、5の軸線に直交し、かつプレスロール3、5間のプレス面17を横切る軸を中心として回動し、所望の傾動が許容される。
【0056】
軸受台23、25は別体に形成されており、これらの軸受台は、両プレスロール3、5間のプレス用間隙の高さにおいて互いに連結されており(図1〜図4Bの実施形態でもそうであるように)、より詳細には接合板を介して連結されている。
【0057】
接合板による連結構造は、プレス面17の両側に、複数、例えば2つ〜6つまたはそれ以上の接合板71を備えた接合板一式67、69を有する。接合板71は板状に(ここではプレス面17に平行で、かつプレスロール長手軸に直交する方向に延びる辺が長辺である長方形板として)形成されている。接合板71は、接合板一式67、69ごとに、一直線上に並んで配置されている。接合板71はプレス面17に平行に延び、プレスロール3、5の長手方向において湾曲することはない。プレス面17のそれぞれの側に1つの接合板71を配置することも可能であり、原理的にはプレス面17内に延びる1つだけの接合板71を使用することも考えられ得る。接合板71は、それぞれの軸受台23、25に対して複数の横ボルト73、75(本実施礼においては軸受台23、25ごとに2本の横ボルト73、75)によって固定されている。これらボルトはプレスロール3、5の長手方向を横切り、かつプレス面17を横切って延びており、よって接合板71は、軸受台23、25に対して相対回転不能に取り付けられる。これにより両軸受台23、25がプレスロール3、5の長手方向に沿って相対変位すること、およびプレス面17に沿って相対的に旋回することが阻止される。したがって、図3〜図4Bの実施形態と同様に、少なくとも軸受台23、25のプレス面17に沿った相対移動を許容しない第1の軸受台ユニット35が形成され、その際、この実施形態の場合、軸受台23、25は、プレス面の長手軸を横切り、かつプレス面17を横切る方向(=ウェブ走行方向)において、相対移動が多少可能である。これは、接合板の連結構造はプレス面17を横切る方向において十分に高い傾き抵抗を有しておらず、かつ接合板71もプレス用間隙7のウェブ排出側よりウェブ供給側の方が少し強く伸びることに対応した措置である。ただし、この結果としての上方のプレスロール3の長手軸の、ウェブ走行方向における所望のプレス面17から横への飛び出し量は僅かであるためプレス結果にはさほど影響を及ぼさない。これに加えて接合板71は、例えば図3〜図4Bの実施形態でのクランプと同様に、軸受台23、25が、プレス運転中にプレス面17に平行で(これは上述した上方のプレスロール3のプレス面17からの飛び出しを考慮する場合、基本的に平行であるとする)、かつプレスロール3、5を横切って(ここでは上下方向に)、互いに離間して移動し得ることが許容される。これにより、プレス運転中に所望のプレス用間隙7の高さが最終的に設定され、その際、引張接合板71は弾性的に引張され(ここでは引張接合板の長手方向に)、また非プレス運転中は再び縮み、軸受台23、25は再び互いに接触するように移動する。
【0058】
軸受台23、25の間に、円錐形の中心差込部77を設けることができ、この中心差込部77は、例えば下方または上方の軸受台25、23の端面に付加して成形される。中心差込部77は上方または下方の軸受台23、25の対向する端面の方向に延びており、これに対応して上方または下方の軸受台の側では、相補的な円錐形の凹部が成形されている。この凹部内には中心差込部77が、非プレス運転時にはまり込むことができ、軸受台は互いに中心を合わせ得る。プレス運転中には、中心差込部77が凹部から外れ、中心差込部は、中心合わせ機能または案内機能を有さなくなる。別例として中心差込部77は、円筒形として、または正面図および側面図においてプレス面17に平行な面を備えた滑りキーとしても形成可能であり、これによりプレス面17内における案内機能が、プレスロール3、5に沿った方向、およびまたプレスロールを横切る方向で付与される。
【0059】
機械フレーム37(ここでは土台)における第1の軸受台ユニット35の支持は、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39によって行われ、この旋回軸受は、図1および図4A、図4Bの実施形態の旋回軸受39と同様に形成される。これに伴い、プレスロール3、5の図示されていない第2の端では、プレスロールを適切な方法で、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような方法によって、固定支持し得る。
【0060】
軸受ユニット27、29は、本実施例においては曲面のブッシュの形の振子ブッシュである。この振子ブッシュ内には、ジャケットキャリア13、15が固定状態で配置されている。また、この振子ブッシュは、軸受台23、25内の対応する曲面の収容部内で滑動可能に収容されている。第1および/または第2のプレスロール3、5が中実のプレスロールとして形成される場合、曲面のブッシュは例えば、中実のプレスロール3、5の軸受スタッドを、滑動しながら回転可能に、かつ長手方向において移動不能に収容するすべり軸受として形成可能であり、またはこの曲面のブッシュは、ころ軸受、例えば2列のたる形ころ軸受を有することができ、この2列のたる形ころ軸受も同様に、軸受スタッドの、軸受台23、25に対して相対的な、プレスロール3、5の長手軸を横切る所望のねじれを許容するか、プレスロール3、5のためのころがり支持を提供する。流体静力学または流体動力学的なすべり支持も可能である。
【0061】
図5A、図5Bの実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に適しているが、しかし駆動側でも用いることができ、その際、そこではこの第1の軸受台ユニットは、固定支持部55(例えば図1を参照)を介して機械フレーム37により移動不能に支持される。
【0062】
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、ウェブ走行方向、つまりプレス面17を横切る方向における変位、ならびにウェブ走行方向における傾動、即ちプレスロール長手軸に平行な軸を中心とした回動に基づくき傾動が防止されている。詳しく言えば、滑りキーは、機械フレーム37に対して堅固に連結されており、かつ下方の軸受台25の、機械フレーム37に面した端面における凹部に対して連結している。
【0063】
本発明の一方法に基づき、図5Aおよび図5Bの実施形態でのジャケット交換の際は、以下方のように行われる。
第1の工程では、それぞれの接合板71、またはそれぞれの接合板一式67、69に関し、横ボルトが1本になるまで、例えば図5Aでは左下方の横ボルト1本になるまでの全ての横ボルトが取り除かれる(ここではプレス面17を横切って取り出す)。第2の工程では、接合板71が、残っている横ボルト75の周りで、プレス面17に平行に外側に旋回される(矢印Aに沿って1点鎖線で示した位置へ)。第3の工程では、上方の軸受台23が持ち上げられ、上方のプレスロール3がその第2の端での支持部の周りで上に旋回され、第4の工程では、ロールジャケット9が軸方向に、上方の軸受台23を越えて、上方
のプレスロール3の長手軸に沿って取り外される(つまり上方の軸受台23を上方のプレスロール3から外す必要がない)。その後、第5の工程では、新たなロールジャケット9が、上方のプレスロール3の長手方向において上方の軸受台23を越えて、ジャケットキャリア13上に被せられて、または張られ得る。接合板71を、上方の軸受台23に残るように倒した場合、ジャケット交換は、容易に接合板71を越えて、上述のように行われ得る。
【0064】
下方のプレスロール5のロールジャケット11の交換は、同様にプレスロール5の長手方向に、下方の軸受台25を通り越し、場合によっては、外側に倒された接合板71を通り越して行うことができる。このために、下方の軸受台25を機械フレーム37から少し持ち上げる(下方のプレスロール5を、その第2の端での支持部の周りで上に旋回させて)。
【0065】
図1〜図4Bに基づく実施形態の場合のように、図5Aおよび図5Bに基づく実施形態の場合も、懸垂配置の形の支持が実施可能であり、つまり上方の軸受台23(例えば図1のもう一方の上方の軸受台45はここでは図示されていない)を、ここでは下方の軸受台25(例えば図1のもう一方の下方の軸受台47はここでは図示されていない)に関して説明したように、機械フレーム37で支持することができる。下方の軸受台25は、接合板連結を介してのみ間接的に機械フレーム37と連結される。一方の軸受台ユニットの下方の軸受台およびもう一方の軸受台ユニットの上方の軸受台を機械フレームと連結してもよく、その際、それぞれのもう一方の軸受台は間接的に機械フレームと連結される。
【0066】
図6Aおよび図6Bは、本発明のまた別の実施形態に基づくロールプレス機1を、概略的な部分側面図または正面図において示している。この実施形態は、基本的に図1の実施形態と同じように構成されておいる。
【0067】
図1における実施形態との相違点としては、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39が、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25と機械フレームとの間で、下方の軸受台25が単にその曲面状の接触部41によってのみ平面的な受け部43上に載っているように形成されることはなく、曲面状の接触部41がプレス面17を横切る方向にびる2つの翼部79を備え、接触部は正面図(図6B)においてT字形を有している。この翼部79は横から、接触部41の保持ジョー81によって、形状的連結(正面図において)により包み込まれ、下方の軸受台25、即ち第1の軸受ユニット35は機械フレーム37から上方に離間することはない。
【0068】
翼部79は、図6Aの側面図において上方および下方で曲面状に形成されており、かつ保持ジョー81によって形成された案内溝83内で、プレスロール3、5の方向に案内される。翼部79が曲面状であることにより、下方の軸受台25、したがって第1の軸受台ユニット35は、プレスロール3、5を横切り、かつプレス面17を横切る旋回軸を中心として傾動可能であり、これによりこの位置で旋回軸受39を形づくっている。
【0069】
この実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えば操作側で使用され得る。
図7A、図7B、および図7Cでは、本発明に基づくロールプレス機1の、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39の構成に対する別例としての3つの変更例が、概略正面図において示されている(図7Aでは不安定な変更例、ならびに図7Bおよび図7Cではそれぞれ安定的な変更例)。
【0070】
これに関して図7Aに基づき、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、上下方向において、プレスロール3、5に直交し、かつプレス面17に平行に延びる軸受レバー85を介して、定置の機械フレーム37に取り付けられている。その際、軸受レバー8
5は、上方の端部で下方の軸受台25に、および下方の端部で機械フレーム37に対して連接されている。各連接構造は、対応する連接軸が、互いに平行で、かつプレス面17を横切って延びている。そして、上方の連接軸が、ロール支持部(軸受ユニット29の回転軸)より下方にある。これにより下方の軸受台25(したがって第1の軸受台ユニット35)は、プレスロール3、5の軸線に直交し、かつプレス面17に直交する軸の中心に傾動可能である。さらに、プレスロール3、5の長手方向での移動も可能であり、後に挙げた長手方向の移動の結果として生じる下方の軸受台25、即ち第1の軸受台ユニット35の上下方向の移動は僅かであり、連接軸の間隔としては例えば80mm〜120mmが好ましい。これにより全体としては、下方の軸受台25と機械フレーム37の間の複合的な旋回・可動支持部の形の旋回軸受39が形成される。
【0071】
図7Bに示した変更例は、図7Aに示した変更例に類似しており、相違点としては、ここでは旋回軸受39の軸受レバー85の上方の端部が機械フレーム37と、および旋回軸受39の軸受レバー85の下方の端部が第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25と連結されており、両連接軸は、下方のプレスロール5の軸受ユニット29より下方にある。
【0072】
図7Cに示した変更例も同様に、図7Aに示した変更例に類似しており、相違点としては、ここでは旋回軸受39の軸受レバー85の上方の端部が下方のプレスロール5の軸受ユニット29より上方にあり、下方の軸受台25と、旋回軸受39の軸受レバー85の下方の端部は軸受ユニット29より下方において機械フレーム37に対して連結されている。
【0073】
図7Aおよび図7Bに示した第1の軸受台ユニット35の変更例は、図1および図3A〜図6Bの実施形態での第1の軸受台ユニット35代替例として考慮され得る。
図8Aおよび図8Bでは、本発明に基づくロールプレス機1の、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39の構成に対する別例としての更なる2つの変更例が、概略的に側面図において示されている(両方とも不安定な変更例)。
【0074】
これに関して図8Aに基づき、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、その端面の平らに形成された接触面41で、プレスロール3、5の軸線を横切り、かつプレス面17を横切って延びる転動軸を備えたローラ87の上に載置され、下方の軸受台25、即ち第1の軸受台ユニット35はローラ87の上で、プレスロール3、5の方向に転動可能、かつ傾動可能である。こローラ87は曲面を有する凹部内で、例えば半円形の断面を有する細長い凹部内で収容され、ローラが機械フレーム37から離間することが効果的に防止される。
【0075】
図8Bに示した変更例は、図8Aでの変更例と類似している。即ち、追加的な特徴としては、接触面41の、プレスロール3、5の方向における位置を、調整装置89によって調整可能であり、この場合には調整装置89は、下方の軸受台25の、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向する面に取り付けられるネジによって構成される。このネジの別例として、液圧または空気圧による変位も可能である。この調整可能である構成は、例えば上方および下方の軸受台を相並べて組み立てるために、下方の軸受台25の中心合わせに使用される。これにより上方の軸受台をより簡単に下方の軸受台25と連結させることができ、第1の軸受台ユニット35を組み立てた後、調整装置89は、例えば再び下方の軸受台25から離間され、これにより旋回軸受39は、妨げられることなく複合的な旋回・可動支持部として機能し得る。
【0076】
図8Aおよび図8Bに示した第1の軸受台ユニット35の支持の変更例は、例えば代替的に図1および図3A〜図6Bなどの実施形態での第1の軸受台ユニット35の旋回軸受
39として考慮され得、図8Aおよび図8Bに基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばこのやり方において操作側で企図され得る。
【0077】
図9A乃至図9Cは、本発明に基づくロールプレス機1のまた別の実施形態を示している。
部分側面図または正面図において図9Aおよび図9Bに示した変更例の場合、第1の軸受台ユニット35が、図2に示した変更例と同様に、定置の旋回軸を備えたボルト関節として形成された旋回軸受39を介して機械フレーム37と連結されている。ただし、旋回軸受39は図2の実施形態とは違い、機械フレーム37と第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25との間に代えて、機械フレーム37と上方の軸受台23との間に配置されている。上方および下方の軸受台23、25は、前述した実施形態で説明した方法において互いに連結可能であり、同様にプレスロール3、5は、上述した実施形態のように形成され得、かつ第1の軸受台ユニット35内で支持され得る。
【0078】
プレスロール3、5の図9Aに図示されていない第2の端での支持は、例えば図1に示したようなやり方で行うことができ、同じことが、機械フレーム37での第2の軸受台ユニットの支持にも当てはまる。
【0079】
図9Cに示した変更例の場合、ロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35は、図9Aに示した第1の軸受台ユニットに基づき形成され、かつ機械フレーム37で支持され、要するに上方の軸受台23と機械フレーム37の間の旋回軸受39を介して支持される。プレスロール3、5の第2の端での第2の軸受台ユニット53は、図2に示した第1の軸受台ユニット35に類似して形成および支持され、要するに下方の軸受台47と機械フレーム37の間の旋回軸受39を介して支持される。
【0080】
ただし図9Cに示した変更例の場合、両方のプレスロール3、5はその両端で、長手方向に固定的に軸受台23、25、45、47内で収容されており、両方のプレスロール3、5の長さ変化の補償は、両方の軸受台ユニット35、53が全体的に、それぞれの旋回軸受39の、プレスロール3、5の軸線を横切り、かつプレス面17を横切って延びる旋回軸の中心に旋回し得ることによって達成される。
【0081】
上述の実施形態は単に例を示しているのであり、かつ個々の構成要素および組立て方は、静定性の枠内において相互に取替え可能であり、かつ/または別の空間位置において配置可能である。つまり、例えば振子ブッシュとして示した軸受は、そこで例えば中実ロールを回転可能に支持するべき場合には、ロール軸受として企図してもよく、およびその逆も可能である。図2の中実ロールを上に配置し、かつ上にあるジャケットロールを下に配置することも可能である、など。
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のプレスロールおよび第2のプレスロールを備え、これら第1のプレスローラ及び第2のプレスローラの間に間隙を有するロールプレス機に関する。これに伴い本発明は例えば、ペーパーウェブまたはパルプウェブなどのように流れているウェブを処理するための、例えば湿式プレス機のようなロールプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロールプレス機の場合、熱によるロールの長さの変化を補償する措置を講じなければならない。これに関し特許文献1にて開示されるロールプレス機では、両プレスロールがそれぞれ少なくとも一端において軸受台内で支持されており、これらプレスロールは軸受台側において、プレスロールの主軸方向に移動可能な引張棒を介して連結されており、これにより軸受台が相対移動し得る。軸受台が相対的にプレスロールの主軸に沿って変位し得ることで、プレスロールと軸受台の相対変位が可能でなくても、プレスロールの長さ変化を補償し得る。しかしながら、軸受台を相対的に移動可能に形成することは、費用がかかり、かつプレスロールによって張引されたプレス面(=プレスロール軸の、最良のプレス用間隙を達成するために所望の相対的な位置によって定義される)内でのプレスロールの保持が不安定な状態になる。この問題を解決するため、特許文献2では、上述した相対移動可能な軸受台に加えて、プレスロールが所望のプレス面からはみ出すことを阻止する一対の案内平面を、プレス面に平行に設けることが提案されている。
【0003】
更に、特許文献3には2つのプレスロールを備えたプレス装置が開示され、各プレスロールの一端が軸受台内で支持されている。これらの軸受台は張引板を介して軸方向へ相対変位可能に連結され、軸受台は連接軸受を介して土台上に支持されている。
特許文献4は、2つのプレスロールを備えたプレス装置が開示されており、各プレスロールの一端が軸受台内で支持されている。これらの軸受台は、互いにネジ留めされており、かつ土台に対して固定支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0531491号明細書
【特許文献2】欧州特許第0571582号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第4417760号明細書
【特許文献4】スイス特許出願公開第560852号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プレス用間隙を形成している第1のプレスロールおよび第2のプレスロールを備え、各プレスロールの長さの変化の補償を確実に行うと共に、構成が複雑でなく、優れたプレス結果をし得るロールプレス機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴を備えたロールプレス機を提供する。本発明の更なる実施形態は、従属請求項で説明されている。
本発明に基づき、プレスロールの第1の端での両方の軸受台は、プレスロールの長手方向での相対移動がなされないようなユニットを形づくっており、ただしその際、両方の軸受台の間の連結の実施に応じて、軸受台の互いに対する相対移動が、プレスロール軸を横切る方向において、例えばプレスロールによって定義されたプレス面内で、またはプレス
面を横切って可能であり得る。
【0007】
一実施形態によれば、第1の軸受台ユニットの両方の軸受台を一体的に作製することができ、これにより両方の軸受台は全体で1つの剛体を形づくる。両方の軸受台は別々に作製することもでき、その場合は例えば、軸受台を互いに溶接、鋲留めすることによる解体不能な形、またはネジ留めによる解体可能な形のような、即ち全ての自由度に関して統合体へとつなぎ合わせることができる。したがって一実施形態によれば、第1および/または第2の軸受台ユニットの軸受台は堅固に隣接固定されており、例えば互いに一体的に形成される、または互いにネジ留めされる、または互いに溶接される。
【0008】
第1の軸受台ユニット全体をこのように堅固に構成する場合、軸受台は、プレスロール長手軸を通ってぴんと張られたプレス面内で、かつプレスロール長手軸を横切って延びるプレス方向において、通常は相対的に剛直であり、したがってプレス方向において互いに外側へと伸びることはほとんどない。このためプレス用間隙は比較的一定に保たれる。プレス面は、上述のようにプレスロールを通ってぴんと張られた面であり、その際、プレス面の位置は、所望の最良のプレス用間隙から結果的に生じるプレスロールの互いに対する相対的な位置から明らかである。この全体的に堅固な軸受台ユニットの場合、どの軸受台も、プレス面を横切る方向において、もう一方の軸受台に対して相対的にプレス面からはみ出し得ず、ただし、このはみ出しが特定の度合いまでは可能な実施形態もある。
【0009】
さらに、第1の軸受台ユニットの軸受台を、少なくともプレスロールの長手方向においては湾曲しない、または全体的に湾曲しない引張棒を介して互いに連結することが可能であり、これにより軸受台は、プレス用間隙を同様に拡大/適応させながら、ならびに引張棒を弾力的に伸ばしながら、プレス方向において互いから離れ得る。このような引張棒は、それぞれの軸受台で同様に相補的に成形された接続部にはまり込むために、C字形またはU字形であり、かつ例えばプレスロールの長手方向、またはそれを横切る方向における両面で、第1のプレスユニットの軸受台に取り付けられるクランプなどであることができ、これにより軸受台は、プレス方向においては弾力的に相並んで挟持され、その際、軸受台は、プレスロール方向においては互いに相対的に移動不能なままである。
【0010】
これに伴い、本発明に基づき例えば以下方の変更例が提供される。
− 第1の軸受台ユニットと機械フレームの間、または第2の軸受台ユニットと機械フレームの間が可動支持部であり、その際、第1および第2のプレスロールの端は、軸受台内で長手方向に固定的に支持される。
【0011】
− 第1の軸受台ユニットと機械フレームの間、および第2の軸受台ユニットと機械フレームの間が旋回軸受であり、その際、第1および第2のプレスロールの端は、軸受台内で長手方向に固定的に支持される。
【0012】
− 第1または第2のプレスロールの一方の端だけが、対応する軸受台に対して相対的に長手方向に変位可能に支持されており、その際、第1および第2のプレスロールの残りの端は、軸受台に対して相対的に長手方向に固定的に支持されている。第1の軸受台ユニットの軸受台を互いに連結する引張棒は、例えば板状に、例えば長方形板として形成され、かつ軸受台の、プレスロールを横切る方向、例えばプレス面を横切る方向において互いに向かい合う面で軸受台に取り付けられる引張接合板としても形成され得る。この引張接合板を簡単に軸受台から取り外し得るように、例えば取外し可能な横ボルト、つまりプレス面を横切って延びる取外し可能なボルトを介して、引張接合板をそれぞれの軸受台と連結することが企図され、これに関し、それぞれの軸受台の、接合板に対する相対的な旋回移動を阻止し、さもなければ生じるであろうプレス面内での(つまりプレスロールの主軸に沿っての)軸受台の望ましくない相対移動を阻止するため、それぞれの接合板は、それ
ぞれの軸受台で、例えば複数の、例えば2本の横ボルトによって固定され、これらの横ボルトは、所望の回転モーメントを吸収するため、同軸ではなく、間隔をあけて互いに平行に配置される。1つだけの接合板を、中心に(つまりプレス面内に延びて)、上述のようなやり方で、第1の軸受台ユニットの軸受台の間に取り付けてもよい。一実施形態によれば、第1および/または第2の軸受台ユニットの軸受台が、プレスロールの長手方向に湾曲しない引張接合板を介して相並んで保持されており、この接合板は、軸受台の、プレスロールの長手方向を横切る方向において互いに向かい合う面で、旋回不能に、例えば軸受台ごとに2本ずつの横ボルトを介して、軸受台に取り付けられる。
【0013】
一実施形態によれば、プレスロールの一方、例えば第1の旋回軸受に据えられたプレスロールは、一方の端、例えば第1の旋回軸受から離れて据えられた第2の端では、このプレスロールの第2の端でのプレスロールの長手方向における支持において、長手方向に変位可能に支持されている。
【0014】
一実施形態によれば、複数の接合板が、プレス面のそれぞれの側で企図されており、かつ例えば上述のように、第1のプレスユニットの軸受台に取り付けられており、これにより複数の接合板、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多い接合板を備えた接合板一式が、それぞれの側に存在する。
【0015】
例えばシューロールのようにジャケットロールを使用する際は、軸受台をプレスロールから外すことなくロールジャケットを取り替え得る場合が望ましい。このために例えば、プレス面の両側での1つまたは複数の接合板は、全てのボルトを側面からプレス面を横切る方向に取り出すことによって取り外すことができ、さらには、ボルトが1本になるまでの全て(つまり4本のボルトで固定の場合は3本のボルト)を側面から取り出し、かつそれぞれの接合板、または複数の接合板を備えたそれぞれの接合板一式を、それぞれ残っているボルトの周りでプレス面に平行に、例えばプレスロールから離れる方向に旋回させることも考えられ得、後者の方は、簡単なやり方で、例えば接合板が軸方向に倒されて離れた方の軸受台を通り越して、例えば倒された接合板も通り越して、使用済みのロールジャケットを軸方向に取り外すこと、および新たなロールジャケットと取り替えることを可能にする。ロールジャケットを取り替えた後、1つまたは複数の接合板は、再び元通り起こされ、かつプレス運転のために旋回不能に、第1の軸受台ユニットのそれぞれの軸受台と連結される。
【0016】
第1および/または第2のプレスロールは、柔軟なロールジャケットと、内側からロールジャケットを押すプレスシューとを備えたシューロールとして企図され得る。この場合、第1のプレスロールのプレスシューは、例えばロールの内側に向かう凹面を備えて設けることができ、この凹面は、第2のロールの凸面(例えばロールの円筒形に基づき存在する)に対してほぼ相補的であり、このため柔軟なロールジャケットは、その周面をもう一方のロールの凸面に適応させながら、もう一方のロールに向かって押され得、これによりウェブ走行方向、つまりプレスロールを横切る方向において延長されたプレス用間隙が形成され得る。この構成は、製紙設備および/またはパルプ製造設備における例えば湿式プレス機のために使用される。
【0017】
プレスロールの第2の端での軸受台は、上で第1の軸受台ユニットの軸受台に関して述べたようなやり方で形成することができ、かつ互いに連結させることができ、これにより軸受台は第2の軸受台ユニットを形づくる。第1および第2の軸受台ユニットは、同じように構造化されて企図され得る。第1の軸受台ユニットは、ロールプレス機のうち、プレスロールが駆動モータと連結される駆動側に配置することができ、またはロールプレス機の操作側でも配置され得る。
【0018】
ロールプレス機は、第1および第2のプレスロールとして、それぞれジャケットロール、例えばロール内部のプレスシューを備えたシューロールを、または中実ロールを、またはこれらの組合せ、例えば第1のプレスロールとしてジャケットロールおよび第2のプレスロールとして中実ロールを有し得る。
【0019】
第1の軸受台ユニットが旋回可能であることを達成するため、軸受台の一方で、例えば旋回軸受が企図され、例えばピボット・ボルトを備えたボルト関節の形において、もしくは曲面状に成形され、支え面上で転動し得る、および/または旋回しながらすべり得る軸受台の形において企図される。この旋回軸受は、その旋回軸が、有用にプレス面を横切って延びている。したがって、第1および/または第2のプレスロールの長さ変化を補償するため、第1の軸受台ユニット全体が同様に旋回可能であり、このため第1および/または第2のプレスロールはその軸受台内で、プレスロールの両端を長手方向に固定的に支持され得る。第1のプレスロールがその両端を軸受台内で長手方向に固定的に支持される場合、第2のプレスロールは、例えばその一方の端を長手方向に固定的に、およびもう一方の端を軸受台に対して相対的に長手方向に移動可能に支持され得る。両方のプレスロールがその両端を長手方向に固定的に支持される場合、例えば第1の軸受台ユニットが全体的に、旋回可能であるだけでなく、プレスロール方向において長手方向に変位可能であり得、つまり旋回軸受または旋回軸が、プレスロール方向において長手方向に変位可能に企図される。ただし第2の軸受台ユニットも、長手方向に変位可能に企図され得る。
【0020】
プレスロールのたわみ、またはプレスロールを担持するキャリア(例えばシューロールの場合)のたわみを補償するため、プレスロールはそのような移動を可能にする軸受、例えばボールブッシュまたは振子ブッシュもしくはたる形ころ軸受のような軸受内で、軸受台において支持され得る。
【0021】
プレス運転中には、軸受台の例えば引張棒のような連結部内での引張負荷をもたらす加圧力の他に、ウェブ走行方向(=プレス面を横切る方向)への力も発生し、一般的にはこの力が、それぞれのプレスロールをウェブ走行方向に連れて行こうとし、詳しく言えば、これはウェブ走行方向におけるプレス用間隙の前のウェブ材料のせき止めに基づく。
【0022】
これに関し例えば、両方のプレスロールのうちの一方のプレスロールの軸受台だけが、機械フレーム、例えば定置の機械土台、定置の機械骨組み、およびそれに類似の機械フレームに直接的に支持されており、それにひきかえ両方のプレスロールのうちのもう一方のプレスロールの軸受台が、この軸受台の、一方のプレスロールの軸受台との連結を介してのみ機械フレームと連結している(=機械フレームとの間接的な連結)場合、引張棒、例えばプレスロールの側面に配置されたクランプまたは接合板を使用すれば、両方のプレスロールのうちのもう一方のプレスロールは、ウェブ走行方向において、一方のプレスロールに対して相対的に、プレス面の外に容易に移動可能であり、なぜなら軸受台の間には、この外への移動を阻止するいかなる案内面も企図されておらず、かつ側面に配置された引張棒は、この横断方向においては、そのような安定化としてはもたらされ得ず、かつまたプレスロールの両側で少し異なって伸び得るからである。しかしここから生じるプレス用間隙の変化は、プレス結果を不適切に妨げることはない。ただし追加案として、軸受台の間の連結において滑りキーを設けることもでき、この滑りキーは、プレス面に対し平行な案内面を介して、軸受台がプレス面を横切って相対移動することを追加的に阻止する。
【0023】
ロールプレス機では、プレスロール軸を横切り、かつプレス面内に延びる軸(例えば高度軸または上下軸)の周りでのモーメントおよび/またはプレスロール軸に平行に延びる軸の周りでのモーメントも発生し得る。最初に挙げたモーメントに対しては、この場合、軸受台ユニットは、プレス面に垂直な円環状の変位に対して保護されなければならず、これは例えば、第1のプレスユニットのうちの、自由に機械フレーム上に載っており、かつ
そこで長手方向に変位可能な軸受台で、軸受台と機械フレームの間に配置された滑りキーによって可能である。2番目に挙げたモーメントに対しては、この場合、軸受台ユニットは、ウェブ走行方向(機械方向)における傾きに対して保護されなければならず、これは例えば、第1のプレスユニットのうちの、自由に機械フレーム上に載っており、かつそこで長手方向に変位可能な軸受台で、軸受台と機械フレームの間に配置された滑りキーによって可能であり、この滑りキーは、プレス面に平行な方向、およびプレスロールを横切る方向において、軸受台の、したがって対応する軸受台ユニットの前述の軸の周りでの傾動を阻止する長さで延びている。第2の軸受台は、第2の軸受台ユニットの軸受台の固定的な支持によって、上述のモーメントによる変位および傾動に対して十分に保護される。長手方向に変位可能に案内された関節、または長手方向に変位可能に案内された連接軸を備えた、第1の軸受台ユニットの軸受台の関節・可動支持の場合も同様に、この保護が付与される。
【0024】
本発明によるロールプレス機は、薄葉紙製造設備のような、製紙設備またはパルプ設備内で、湿式プレス機および/またはシュー・カレンダとして用いられ得る。シュー・カレンダの場合、例えば第1または第2のプレスロールが、シューロールとして、つまり内部にプレスシューを備えたジャケットロールとして形成されており、かつもう一方のプレスロールは、例えば中実ロールまたはジャケットロールとして形成され、かつ加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略側面図。
【図2】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略側面図。
【図3】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図4A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図4B】図4Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図5A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図5B】図5Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図6A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図6B】図6Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図7A】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図7B】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図7C】本発明の更なる実施形態を示す概略正面図。
【図8A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図8B】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概部分側面図。
【図9A】本発明の一実施形態に基づくロールプレス機の概略部分側面図。
【図9B】図9Aに示したロールプレス機の概略正面図。
【図9C】図9Aに示したロールプレス機の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に基づくロールプレス機1を示している。このロールプレス機は、第1のプレスロール3と、それに隣接して平行に配置された第2のプレスロール5とを有して、これらのプレスロールは両者間に細長いプレス用の間隙7を形成している。プレスロール3、5は、それぞれロールジャケット9、11およびジャケットキャリア13、15を備えたジャケットロールとして形成されている。各ジャケットキャリア13,15のキャリア軸は、対応するロールジャケット9、11内を、同ロールジャケットの中心軸に対して同軸的に、または偏心的に延びている。このジャケットキャリア13,15上においてロールジャケット9、11が回転可能に支持されており、ロールジャケット9,11はプレスシュー等を介して、もう一方のロールジャケット9、11に向かって押圧されている。プレスロール3、5は、上下方向に重合するように配置されており、したがってプレスロール3、5、換言するとプレスロールの長手軸上に張引状態で支持される
プレス面17は上下方向に延びている。ただしプレスロール3、5は、例えば水平方向に(水平に延びるプレス面)、または上下方向/水平方向に対して斜状に(上下/水平に対して斜状に延びるプレス面)、互いに隣接して配置されてもよい。
【0027】
プレスロール3,5はジャケットキャリア13、15の第1の端19、21において、軸受ユニット27、29を介して、互いに隣接する軸受台23,25(ここでは上下に隣接する軸受台23,25)に支持されている。この軸受ユニット27,29は、本実施例ではボールブッシュよりなる。各軸受ユニット27、29が収容するジャケットキャリア13、15には、プレスロール3、5の長手軸に直交する方向に延びる軸を中心とて軸受台23,25に対するねじれが発生するが、このねじれを許容することによって、対応するジャケットキャリア13、15のたわみを許容する。
【0028】
軸受台23、25は別体に形成されている。これら軸受台は、概略的に示された連結方法、即ちネジ31、33を介して第1の軸受台ユニット35に対して固定されるように連結されている。第1の軸受台ユニット35は、同軸受台ユニット35が第1の旋回軸受39の周りを旋回可能であるように、下方の軸受台25を介して機械フレーム37、ここでは土台または機械の台座に取り付けられており、この第1の旋回軸受の旋回軸は、プレスロール3、5の長手軸に直交する方向、即ちプレス面17を横切る方向に延びている。この場合に、下方の軸受台25は機械フレーム37に面した端面において、プレス面17に平行に延びる湾曲を有して曲面状に形成された接触部41を備えるように形成され、この接触部41は機械フレーム37の水平に延びる受け部43上で荷重を支えている。このため接触部41は、受け部43上で、プレス面に沿って転動、又は滑動しながら旋回可能であり、これにより第1の軸受台ユニット35は、プレス面17に沿って旋回可能となる。このような接触部41の転動または滑動による旋回動作に基づき、第1の旋回軸受39の旋回軸は、1位置に固定されるのではなく、転動または滑動に基づく旋回移動に相応して強制的に移動される。
【0029】
曲面状の接触部41は、受け部43上で、プレスロール3、5の長手方向に変位可能に配置されており、これにより旋回軸受39の旋回軸は、旋回運動に関係なく、プレスロール3、5の長手方向に変位可能である。
【0030】
プレスロール3、5の第2の端は、第1の端と同様に、プレスロールのジャケットキャリア13、15を介して、上下に隣接する軸受台45および軸受台47において、対応する軸受ユニット49、51にて支持されている。プレスロール3、5の第2の端を支持する軸受台45、47は、第2の軸受台ユニット53を構成するように一体的に形成されており(第2の軸受台ユニット53の軸受台45、47は、別体に形成されてもよく、かつ図1でのように互いにネジ留めされてもよい)、下方の軸受台47は機械フレーム37に対してネジ留めされて、固定支持部55を構成する。これに対して、上述の旋回軸受39は、可動支持部を構成する。
【0031】
上方の軸受台23、45は、対応する下方の軸受台25、47との連結を介してのみ、機械フレーム37に取り付けられている。ここでは第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25における可動支持機能を備えた旋回軸受39は、第1の軸受台ユニット35の上方の軸受台23で採用されてもよい。同様に、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47でにおける固定支持部55が、第2の軸受台ユニット53の上方の軸受台45で採用されてもよい。したがって、下方の軸受台25、47は上方の軸受台23、45から懸下される(懸垂配置)。
【0032】
ジャケットキャリア13、15は、第1および第2の軸受台ユニット35、53の軸受台23、25、45、47の全ての軸受ユニット27、29、49、51内で、長手方向
に固定的に支持されている。即ち、プレスロール3、5が、軸受台23、25、45、47に対して相対的に移動することは不可能である。
【0033】
上方および/または下方のプレスロール3、5の長さが変化する場合、この長さの変化は、第1の軸受台ユニット35の、プレス面17に平行な旋回または傾動によって補償され、その際、接触部41が、受け部43上でプレス面17上を転動、または滑動し、これにより旋回軸38がプレスロール3、5の長手軸の方向に移動する。
【0034】
第1の軸受台ユニット35がロールプレス機1の操作側、および第2の軸受台ユニット53が駆動側に配置される。上方および下方のプレスロールのロールジャケット9、11を交換する際、例えば第1の軸受台ユニット35の軸受台23、25の間の連結を解除し、かつ上方および下方の軸受台23、25を互いに間隔をあけ、さらに機械フレーム37に対して上下方向に間隔をあけて持ち上げている。これにより、ロールジャケット9、11は、プレスロール3、5の長手方向に、軸受台を越えて取り外され、新たなロールジャケットが張引保持され得る。
【0035】
図2に示された実施形態では、ロールプレス機1が同様に2つの上下に隣接した平行なプレスロール3、5を有しており、これらのプレスロールの間にプレス用間隙7が形成されている。これらのプレスロールのうちの上方のプレスロール3は、ロールジャケット9および内部のジャケットキャリア13を備えたジャケットロールであり、かつ下方のプレスロール5は中実ロールである。
上方のプレスロール3は、そのジャケットキャリア13を介して、第1の端19および第2の端が、それぞれの上方の軸受台23、45内で支持されている。このため、ジャケットキャリア13は、そのそれぞれの端部で、それぞれの軸受ユニット27、49のボールブッシュ内において、長手方向に固定された状態ではまり込んでおり、各端部はボールブッシュと共に対応するロール軸に直交する軸の周りを回転可能であり、上方の軸受台23、45に対して相対移動するため、上方のプレスロール3のジャケットキャリア13のたわみが許容され得る。
【0036】
中実の下方のプレスロール5は、第1の端および第2の端においてそれぞれ軸方向に突出した軸受スタッドを有しており、各軸受スタッドが、対応する下方の軸受台25、47における軸受ユニット29、51内に回転可能に収容されている。これに関し下方のプレスロール5はその第1の端を、下方の軸受台25内において長手方向に固定された状態で収容されており、対応する軸受ユニット29は、ここでは2列のたる形ころ軸受の形の回転軸受として、例えばプレスロール5のたわみを許容するために、下方の軸受台25と軸受スタッドとの相対的なねじれを許容するように形成されている。下方のプレスロール5の第2の端において、プレスロールが対応する下方の軸受台47内において回転可能、かつ長手方向に移動可能に収容されており、対応する軸受ユニット51は、例えば1列のたる形ころ軸受の形の回転軸受として、例えばプレスロール5のたわみを許容するために、下方の軸受台47と軸受スタッドとの相対的なねじれを許容するように形成されている。
【0037】
プレスロール3、5の第1および第2の端での上方および下方の軸受台23、25;45、47は、互いに隣接しており、かつ第1または第2の軸受台ユニット35;53を形づくっており、かつネジ留め連結を介して堅固に連結されている。第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47は、ここでは土台としての機械フレーム37に固定されており、第2の軸受台ユニット53は、堅固な固定支持部55を介して機械フレーム37に固定されている。
【0038】
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、定置の旋回軸を備えたボルト連接軸受として形成された旋回軸受39を介して、機械フレーム37に取り付けられている。こ
の旋回軸は、プレスロール3、5の長軸に直交して、即ちプレスロール3、5の長手軸によって張引保持されたプレス面17を横切って延びている。
【0039】
第1および第2の軸受台ユニット35、53内において、長手方向に変位不能に支持されている上方のプレスロール3に対し、旋回軸受39および固定支持部55は、第1の軸受台ユニット35が全体的に、旋回軸受39の旋回軸(プレスロール3、5の長軸に直交する方向に延びる)を中心とする円弧を描いて傾動し得ることによって、上方のプレスロール3の長さ変化を許容する固定・可動支持作用を司る。この傾動は、下方のプレスロール5によって妨げられることはない。その理由として、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47内の軸受ユニット51が、可動支持部として形成されていることが挙げられる。
【0040】
別例として、可動支持部として形成された軸受ユニット51を、例えば他の軸受ユニット27、29、49よりなる固定支持部と取り替えてもよい。この場合には例えば図1の実施形態でのように、旋回軸受39が、可動支持部として形成され、かつプレスロールの方向に移動可能であり(例えば、機械フレーム側のボルト関節部が、プレスロールの長手方向に案内されて移動可能であり)、別例として、第2の軸受台ユニット53の下方の軸受台47と機械フレーム37の間の固定支持部55を、可動支持部、例えばプレスロール3、5の長手方向に案内されて移動可能な支持部と取り替えることも可能である。
【0041】
機械フレーム37による両軸受台ユニット35、53の支持は、図1の実施形態の場合のように、下方の軸受台25、47を介して行われる。ただし、図1の実施形態でもそうであるように、機械フレーム37での軸受台ユニット35、53の支持は、軸受台ユニット35、53の一方の下方の軸受台25、47、および軸受台ユニット35、53のもう一方の上方の軸受台を介して行ってもよく(部分的に懸垂配置)、または両方の上方の軸受台23、45を介して行ってもよい(懸垂配置)。
【0042】
駆動側としては、図1および図2の実施形態に基づき、固定支持部55の安定が、プレスロール3、5へ駆動力をもたらすことに影響があることから、第2の軸受台ユニット53に面したプレス側が考慮される。その際、操作側としては、第1の軸受台ユニット35に面した側が使用される。ただしこの逆も可能である。
【0043】
図3は、本発明の更なる実施形態に基づくロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35の概略的な部分側面図を示しており、その際、第2の軸受台ユニットも、このやり方で形成され、または図1および図2に基づいて述べた方法でも形成され得る。
【0044】
第1の軸受台ユニット35は、互いに隣接する下方および上方の軸受台25、23を有する。これらの軸受台25,23内では、それぞれプレスロール3、5が長手方向に移動不能に支持され、プレスロール3、5またはその内部のジャケットキャリア13、15がロール軸に直交する軸の中心として軸受台23、25に対して相対的に回転し得るように支持されている。これにより例えばプレスロール3、5またはジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35の所望の傾きが許容され得る。
【0045】
軸受台23、25は別体形成され、これらの軸受台はプレスロール3、5によって形づくられたプレス用間隙7の高さにおいて互いに連結されている(つまり、図1および図2の実施形態でもそうであるように、おおよそプレス用間隙7の高さに分割線が延びており)。より詳述すると、断面C字形の2つのクランプ57、59を介して連結されており、これらのクランプのうちの一方のクランプ57は、プレスロール方向から見て軸方向の端側から、もう一方のクランプ59は向かい合う側から、軸受台23、25に取り付けられている。軸受台23、25は、互いに面した端面で、T字形の太くなっている部分61、
63を備えて形成されており、クランプ57、59がそのC字の腕部で、T字形の太くなっている部分によって形づくられた隆起部を、形状的連結により包み込む。換言すると、C字状の腕部が、T字形によって形成されたそれぞれの出っ張り部に接しており、それぞれの出っ張り部は少し斜めに形成されている。
【0046】
クランプ57、59は、例えばネジによって、または液圧式または空気圧式の装置によって、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向して押圧されており、これにより、太くなっている部分61、63のT字形の出っ張り部の傾斜に基づき、軸受台23、25が、プレス面17内でプレスロール3、5の軸線方向に直交する方向において(ここでは上下に)、相対して挟持されている。
【0047】
連結されるクランプは、それ自体が、プレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の間の相対移動を阻止するように寸法が決定され得る。クランプ57、59が弾性的になりやすい引張棒として形成される場合、軸受台23、25の間の連結が滑りキー65を有してもよく、この滑りキー65は、軸受台23、25の間の連結部で、軸受台の端面に取り付けられ、かつプレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の相対的な変位を追加的に阻止する。このために滑りキー65は、プレス面17に直交して延びる案内面を備えている。滑りキー65は、さらに軸受台23、25がプレス面17に直交する方向に相対移動することを阻止するために、プレス面17に平行な案内面も備え得る。ただし、このようなプレス面17に平行な案内面は不可欠な要素ではなく、よって滑りキーを、正面から見て例えば円錐形に形成することができる。これにより、この滑りキーは、プレスの非運転時の中心合わせ作用だけに重きが置かれ、プレス運転中に高い加圧力によって軸受台23がプレス面17を横切る方向において少し互いに離れて移動する場合に滑りキーによる案内が付与されなくなる。案内面を備えた滑りキーに代えて取付けピンを採用することもでき、これにより軸受台との案内および/または中心合わせしながら作用する線接触が生じる。
【0048】
さらに、図3に示す実施形態に基づき、下方の軸受台25と、土台として形成された機械フレーム37との間には、プレスロール3、5の長手方向に直交する方向に延びる旋回軸を備えた旋回軸受39が設けられている。これにより、第1の軸受台ユニット35はプレス面17に平行な面内で傾動可能であり、プレスロール3、5の長さの変化を補償し得る。この旋回軸受39は、図1における旋回軸受のように形成されており、下方の軸受台25が、機械フレーム37に面した曲面状の端部を有しており、この端部が接触部41として、受け部43を構成する水平な支え面上で荷重を支える。接触部41は支え面上でプレスロール3、5の長手方向に転動可能、かつ滑動可能である。これにより旋回軸受39は旋回・可動支持部を構成する。プレスロール3、5の図示されていない第2の端は、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような構成によって、プレスロール3,5を固定支持する。
【0049】
図3の実施形態に係る第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に好的であるが、駆動側にて使用することを可能である。
図4Aおよび図4Bでは、本発明のまた別の実施形態に基づくロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35が、部分側面図または正面図において示されている。
【0050】
第1の軸受台ユニット35は、下方および上方の軸受台25、23を有している。これら軸受台25,23は上下方向において互いに隣接して配置されており、内部ではそれぞれプレスロール3、5が長手方向において移動不能に保持すべくジャケットキャリア15,13が支持されている。軸受台25,23内にはプレスロール3、5、即ちジャケットキャリア13、15がロール軸をに直交する軸を中心として、対応する軸受台23、25に対して相対的に回転し得るように支持され、これにより例えばプレスロール3、5また
はジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35の所望量の傾斜が許容され得る。
【0051】
軸受台23、25は別体形成され、これらの軸受台はプレスロール3、5によって形づくられたプレス用間隙7の高さにおいて互いに連結されている(つまり、図1および図2の実施形態でもそうであるように、おおよそプレス用間隙7の高さに分割線が延びており)。より詳述すると、断面C字形の2つのクランプ57、59を介して連結されており、これらのクランプのうちの一方のクランプ57は、プレスロール方向から見て軸方向の端側から、もう一方のクランプ59は向かい合う側から、軸受台23、25に取り付けられている。軸受台23、25は、互いに面した端面で、T字形の太くなっている部分61、63を備えて形成されており、クランプ57、59がそのC字の腕部で、T字形の太くなっている部分によって形づくられた隆起部を、形状的連結により包み込む。換言すると、C字状の腕部が、T字形によって形成されたそれぞれの出っ張り部に接しており、それぞれの出っ張り部は少し斜めに形成されている。
【0052】
クランプ57、59は、例えばネジによって、または液圧式または空気圧式の装置によって、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向して押圧されており、これにより、太くなっている部分61、63のT字形の出っ張り部の傾斜に基づき、軸受台23、25が、プレス面17内でプレスロール3、5の軸線方向に直交する方向において(ここでは上下に)、相対して挟持されている。
【0053】
連結されるクランプは、それ自体が、プレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の間の相対移動(旋回移動および/または直線移動)を阻止するように寸法が決定され得る。クランプ57、59が弾性的なりやすい引張棒として形成される場合、軸受台23、25の間の連結が滑りキー65を有してもよく、この滑りキー65は、軸受台23、25の間の連結部で、軸受台の端面に取り付けられ、かつプレスロール3、5の長手方向における軸受台23、25の相対的な変位を追加的に阻止する。このために滑りキー65は、プレス面17に直交して延びる案内面を備えている。滑りキー65は、さらに軸受台23、25がプレス面17に直交する方向に相対移動することを阻止するために、プレス面17に平行な案内面も備え得る。ただし、このようなプレス面17に平行な案内面は不可欠な要素ではなく、よって滑りキーを、正面から見て例えば円錐形に形成することができる。これにより、この滑りキーは、プレスの非運転時の中心合わせ作用だけに重きが置かれ、プレス運転中に高い加圧力によって軸受台23がプレス面17を横切る方向において少し互いに離れて移動する場合に滑りキーによる案内が付与されなくなる。
【0054】
機械フレーム37での第1の軸受台ユニット35の支持は、ここでは複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39によって行われている。この旋回軸受は、図1および図3の実施形態の旋回軸受39に対応するように形成される。プレスロール3、5の図示されていない第2の端では、プレスロール3、5を適切な方法で、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような方法によって、固定支持する。
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、ウェブ走行方向、つまりプレス面17を横切る方向における変位、ならびにウェブ走行方向における傾動、つまりプレスロール長手軸に平行な軸を中心とする回動に基づく傾動を防止する構成を備える。より詳述するならば、滑りキー66は、機械フレーム37に対して固定されており、かつ下方の軸受台25の、機械フレーム37に面した端面における凹部内にまり込んでいる。このような構成は別の実施形態の第1の軸受台ユニットの場合にも提案され得る。
図4A、図4Bの実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に適しているが、しかし駆動側でも用いられ得る。
【0055】
図5Aおよび図5Bでは、また別の実施形態に基づくロールプレス機1が、概略的な部分側面図または正面図において示されている。
このロールプレス機1は、上方および下方の軸受台23、25を備えた第1の軸受台ユニット35を、ロールプレス機1の操作側に有しており、これらの軸受台は上下方向において互いに隣接して配置されている。これらの軸受台23,25内ではそれぞれロールジャケット9、11および内部のジャケットキャリア13、15を備えたジャケットロールとして形成されたプレスロール3、5が、対応する軸受台23、25に対して長手方向おいて移動不能に支持されている。これに関し、それぞれのプレスロール3、5はその第1の端19、21おいて、それぞれのジャケットキャリア13、15の端部が対応する軸受ユニット27、29内で長手方向において移動不能に収容されている。ジャケットキャリア13、15の端部は、対応する軸受台23、25に対して、プレスロール3、5の軸線に直交する軸を中心に回動し得るように収容されている。これにより、ジャケットキャリア13、15のたわみ、および第1の軸受台ユニット35がプレスロール3、5の軸線に直交し、かつプレスロール3、5間のプレス面17を横切る軸を中心として回動し、所望の傾動が許容される。
【0056】
軸受台23、25は別体に形成されており、これらの軸受台は、両プレスロール3、5間のプレス用間隙の高さにおいて互いに連結されており(図1〜図4Bの実施形態でもそうであるように)、より詳細には接合板を介して連結されている。
【0057】
接合板による連結構造は、プレス面17の両側に、複数、例えば2つ〜6つまたはそれ以上の接合板71を備えた接合板一式67、69を有する。接合板71は板状に(ここではプレス面17に平行で、かつプレスロール長手軸に直交する方向に延びる辺が長辺である長方形板として)形成されている。接合板71は、接合板一式67、69ごとに、一直線上に並んで配置されている。接合板71はプレス面17に平行に延び、プレスロール3、5の長手方向において湾曲することはない。プレス面17のそれぞれの側に1つの接合板71を配置することも可能であり、原理的にはプレス面17内に延びる1つだけの接合板71を使用することも考えられ得る。接合板71は、それぞれの軸受台23、25に対して複数の横ボルト73、75(本実施礼においては軸受台23、25ごとに2本の横ボルト73、75)によって固定されている。これらボルトはプレスロール3、5の長手方向を横切り、かつプレス面17を横切って延びており、よって接合板71は、軸受台23、25に対して相対回転不能に取り付けられる。これにより両軸受台23、25がプレスロール3、5の長手方向に沿って相対変位すること、およびプレス面17に沿って相対的に旋回することが阻止される。したがって、図3〜図4Bの実施形態と同様に、少なくとも軸受台23、25のプレス面17に沿った相対移動を許容しない第1の軸受台ユニット35が形成され、その際、この実施形態の場合、軸受台23、25は、プレス面の長手軸を横切り、かつプレス面17を横切る方向(=ウェブ走行方向)において、相対移動が多少可能である。これは、接合板の連結構造はプレス面17を横切る方向において十分に高い傾き抵抗を有しておらず、かつ接合板71もプレス用間隙7のウェブ排出側よりウェブ供給側の方が少し強く伸びることに対応した措置である。ただし、この結果としての上方のプレスロール3の長手軸の、ウェブ走行方向における所望のプレス面17から横への飛び出し量は僅かであるためプレス結果にはさほど影響を及ぼさない。これに加えて接合板71は、例えば図3〜図4Bの実施形態でのクランプと同様に、軸受台23、25が、プレス運転中にプレス面17に平行で(これは上述した上方のプレスロール3のプレス面17からの飛び出しを考慮する場合、基本的に平行であるとする)、かつプレスロール3、5を横切って(ここでは上下方向に)、互いに離間して移動し得ることが許容される。これにより、プレス運転中に所望のプレス用間隙7の高さが最終的に設定され、その際、引張接合板71は弾性的に引張され(ここでは引張接合板の長手方向に)、また非プレス運転中は再び縮み、軸受台23、25は再び互いに接触するように移動する。
【0058】
軸受台23、25の間に、円錐形の中心差込部77を設けることができ、この中心差込部77は、例えば下方または上方の軸受台25、23の端面に付加して成形される。中心差込部77は上方または下方の軸受台23、25の対向する端面の方向に延びており、これに対応して上方または下方の軸受台の側では、相補的な円錐形の凹部が成形されている。この凹部内には中心差込部77が、非プレス運転時にはまり込むことができ、軸受台は互いに中心を合わせ得る。プレス運転中には、中心差込部77が凹部から外れ、中心差込部は、中心合わせ機能または案内機能を有さなくなる。別例として中心差込部77は、円筒形として、または正面図および側面図においてプレス面17に平行な面を備えた滑りキーとしても形成可能であり、これによりプレス面17内における案内機能が、プレスロール3、5に沿った方向、およびまたプレスロールを横切る方向で付与される。
【0059】
機械フレーム37(ここでは土台)における第1の軸受台ユニット35の支持は、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39によって行われ、この旋回軸受は、図1および図4A、図4Bの実施形態の旋回軸受39と同様に形成される。これに伴い、プレスロール3、5の図示されていない第2の端では、プレスロールを適切な方法で、例えば図1または図2に示した第2の軸受台ユニット53のような方法によって、固定支持し得る。
【0060】
軸受ユニット27、29は、本実施例においては曲面のブッシュの形の振子ブッシュである。この振子ブッシュ内には、ジャケットキャリア13、15が固定状態で配置されている。また、この振子ブッシュは、軸受台23、25内の対応する曲面の収容部内で滑動可能に収容されている。第1および/または第2のプレスロール3、5が中実のプレスロールとして形成される場合、曲面のブッシュは例えば、中実のプレスロール3、5の軸受スタッドを、滑動しながら回転可能に、かつ長手方向において移動不能に収容するすべり軸受として形成可能であり、またはこの曲面のブッシュは、ころ軸受、例えば2列のたる形ころ軸受を有することができ、この2列のたる形ころ軸受も同様に、軸受スタッドの、軸受台23、25に対して相対的な、プレスロール3、5の長手軸を横切る所望のねじれを許容するか、プレスロール3、5のためのころがり支持を提供する。流体静力学または流体動力学的なすべり支持も可能である。
【0061】
図5A、図5Bの実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばロールプレス機1の操作側での使用に適しているが、しかし駆動側でも用いることができ、その際、そこではこの第1の軸受台ユニットは、固定支持部55(例えば図1を参照)を介して機械フレーム37により移動不能に支持される。
【0062】
第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、ウェブ走行方向、つまりプレス面17を横切る方向における変位、ならびにウェブ走行方向における傾動、即ちプレスロール長手軸に平行な軸を中心とした回動に基づくき傾動が防止されている。詳しく言えば、滑りキーは、機械フレーム37に対して堅固に連結されており、かつ下方の軸受台25の、機械フレーム37に面した端面における凹部に対して連結している。
【0063】
本発明の一方法に基づき、図5Aおよび図5Bの実施形態でのジャケット交換の際は、以下方のように行われる。
第1の工程では、それぞれの接合板71、またはそれぞれの接合板一式67、69に関し、横ボルトが1本になるまで、例えば図5Aでは左下方の横ボルト1本になるまでの全ての横ボルトが取り除かれる(ここではプレス面17を横切って取り出す)。第2の工程では、接合板71が、残っている横ボルト75の周りで、プレス面17に平行に外側に旋回される(矢印Aに沿って1点鎖線で示した位置へ)。第3の工程では、上方の軸受台23が持ち上げられ、上方のプレスロール3がその第2の端での支持部の周りで上に旋回され、第4の工程では、ロールジャケット9が軸方向に、上方の軸受台23を越えて、上方
のプレスロール3の長手軸に沿って取り外される(つまり上方の軸受台23を上方のプレスロール3から外す必要がない)。その後、第5の工程では、新たなロールジャケット9が、上方のプレスロール3の長手方向において上方の軸受台23を越えて、ジャケットキャリア13上に被せられて、または張られ得る。接合板71を、上方の軸受台23に残るように倒した場合、ジャケット交換は、容易に接合板71を越えて、上述のように行われ得る。
【0064】
下方のプレスロール5のロールジャケット11の交換は、同様にプレスロール5の長手方向に、下方の軸受台25を通り越し、場合によっては、外側に倒された接合板71を通り越して行うことができる。このために、下方の軸受台25を機械フレーム37から少し持ち上げる(下方のプレスロール5を、その第2の端での支持部の周りで上に旋回させて)。
【0065】
図1〜図4Bに基づく実施形態の場合のように、図5Aおよび図5Bに基づく実施形態の場合も、懸垂配置の形の支持が実施可能であり、つまり上方の軸受台23(例えば図1のもう一方の上方の軸受台45はここでは図示されていない)を、ここでは下方の軸受台25(例えば図1のもう一方の下方の軸受台47はここでは図示されていない)に関して説明したように、機械フレーム37で支持することができる。下方の軸受台25は、接合板連結を介してのみ間接的に機械フレーム37と連結される。一方の軸受台ユニットの下方の軸受台およびもう一方の軸受台ユニットの上方の軸受台を機械フレームと連結してもよく、その際、それぞれのもう一方の軸受台は間接的に機械フレームと連結される。
【0066】
図6Aおよび図6Bは、本発明のまた別の実施形態に基づくロールプレス機1を、概略的な部分側面図または正面図において示している。この実施形態は、基本的に図1の実施形態と同じように構成されておいる。
【0067】
図1における実施形態との相違点としては、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39が、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25と機械フレームとの間で、下方の軸受台25が単にその曲面状の接触部41によってのみ平面的な受け部43上に載っているように形成されることはなく、曲面状の接触部41がプレス面17を横切る方向にびる2つの翼部79を備え、接触部は正面図(図6B)においてT字形を有している。この翼部79は横から、接触部41の保持ジョー81によって、形状的連結(正面図において)により包み込まれ、下方の軸受台25、即ち第1の軸受ユニット35は機械フレーム37から上方に離間することはない。
【0068】
翼部79は、図6Aの側面図において上方および下方で曲面状に形成されており、かつ保持ジョー81によって形成された案内溝83内で、プレスロール3、5の方向に案内される。翼部79が曲面状であることにより、下方の軸受台25、したがって第1の軸受台ユニット35は、プレスロール3、5を横切り、かつプレス面17を横切る旋回軸を中心として傾動可能であり、これによりこの位置で旋回軸受39を形づくっている。
【0069】
この実施形態に基づく第1の軸受台ユニット35は、例えば操作側で使用され得る。
図7A、図7B、および図7Cでは、本発明に基づくロールプレス機1の、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39の構成に対する別例としての3つの変更例が、概略正面図において示されている(図7Aでは不安定な変更例、ならびに図7Bおよび図7Cではそれぞれ安定的な変更例)。
【0070】
これに関して図7Aに基づき、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、上下方向において、プレスロール3、5に直交し、かつプレス面17に平行に延びる軸受レバー85を介して、定置の機械フレーム37に取り付けられている。その際、軸受レバー8
5は、上方の端部で下方の軸受台25に、および下方の端部で機械フレーム37に対して連接されている。各連接構造は、対応する連接軸が、互いに平行で、かつプレス面17を横切って延びている。そして、上方の連接軸が、ロール支持部(軸受ユニット29の回転軸)より下方にある。これにより下方の軸受台25(したがって第1の軸受台ユニット35)は、プレスロール3、5の軸線に直交し、かつプレス面17に直交する軸の中心に傾動可能である。さらに、プレスロール3、5の長手方向での移動も可能であり、後に挙げた長手方向の移動の結果として生じる下方の軸受台25、即ち第1の軸受台ユニット35の上下方向の移動は僅かであり、連接軸の間隔としては例えば80mm〜120mmが好ましい。これにより全体としては、下方の軸受台25と機械フレーム37の間の複合的な旋回・可動支持部の形の旋回軸受39が形成される。
【0071】
図7Bに示した変更例は、図7Aに示した変更例に類似しており、相違点としては、ここでは旋回軸受39の軸受レバー85の上方の端部が機械フレーム37と、および旋回軸受39の軸受レバー85の下方の端部が第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25と連結されており、両連接軸は、下方のプレスロール5の軸受ユニット29より下方にある。
【0072】
図7Cに示した変更例も同様に、図7Aに示した変更例に類似しており、相違点としては、ここでは旋回軸受39の軸受レバー85の上方の端部が下方のプレスロール5の軸受ユニット29より上方にあり、下方の軸受台25と、旋回軸受39の軸受レバー85の下方の端部は軸受ユニット29より下方において機械フレーム37に対して連結されている。
【0073】
図7Aおよび図7Bに示した第1の軸受台ユニット35の変更例は、図1および図3A〜図6Bの実施形態での第1の軸受台ユニット35代替例として考慮され得る。
図8Aおよび図8Bでは、本発明に基づくロールプレス機1の、複合的な旋回・可動支持部として形成された旋回軸受39の構成に対する別例としての更なる2つの変更例が、概略的に側面図において示されている(両方とも不安定な変更例)。
【0074】
これに関して図8Aに基づき、第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25は、その端面の平らに形成された接触面41で、プレスロール3、5の軸線を横切り、かつプレス面17を横切って延びる転動軸を備えたローラ87の上に載置され、下方の軸受台25、即ち第1の軸受台ユニット35はローラ87の上で、プレスロール3、5の方向に転動可能、かつ傾動可能である。こローラ87は曲面を有する凹部内で、例えば半円形の断面を有する細長い凹部内で収容され、ローラが機械フレーム37から離間することが効果的に防止される。
【0075】
図8Bに示した変更例は、図8Aでの変更例と類似している。即ち、追加的な特徴としては、接触面41の、プレスロール3、5の方向における位置を、調整装置89によって調整可能であり、この場合には調整装置89は、下方の軸受台25の、プレスロール3、5の長手方向において互いに対向する面に取り付けられるネジによって構成される。このネジの別例として、液圧または空気圧による変位も可能である。この調整可能である構成は、例えば上方および下方の軸受台を相並べて組み立てるために、下方の軸受台25の中心合わせに使用される。これにより上方の軸受台をより簡単に下方の軸受台25と連結させることができ、第1の軸受台ユニット35を組み立てた後、調整装置89は、例えば再び下方の軸受台25から離間され、これにより旋回軸受39は、妨げられることなく複合的な旋回・可動支持部として機能し得る。
【0076】
図8Aおよび図8Bに示した第1の軸受台ユニット35の支持の変更例は、例えば代替的に図1および図3A〜図6Bなどの実施形態での第1の軸受台ユニット35の旋回軸受
39として考慮され得、図8Aおよび図8Bに基づく第1の軸受台ユニット35は、例えばこのやり方において操作側で企図され得る。
【0077】
図9A乃至図9Cは、本発明に基づくロールプレス機1のまた別の実施形態を示している。
部分側面図または正面図において図9Aおよび図9Bに示した変更例の場合、第1の軸受台ユニット35が、図2に示した変更例と同様に、定置の旋回軸を備えたボルト関節として形成された旋回軸受39を介して機械フレーム37と連結されている。ただし、旋回軸受39は図2の実施形態とは違い、機械フレーム37と第1の軸受台ユニット35の下方の軸受台25との間に代えて、機械フレーム37と上方の軸受台23との間に配置されている。上方および下方の軸受台23、25は、前述した実施形態で説明した方法において互いに連結可能であり、同様にプレスロール3、5は、上述した実施形態のように形成され得、かつ第1の軸受台ユニット35内で支持され得る。
【0078】
プレスロール3、5の図9Aに図示されていない第2の端での支持は、例えば図1に示したようなやり方で行うことができ、同じことが、機械フレーム37での第2の軸受台ユニットの支持にも当てはまる。
【0079】
図9Cに示した変更例の場合、ロールプレス機1の第1の軸受台ユニット35は、図9Aに示した第1の軸受台ユニットに基づき形成され、かつ機械フレーム37で支持され、要するに上方の軸受台23と機械フレーム37の間の旋回軸受39を介して支持される。プレスロール3、5の第2の端での第2の軸受台ユニット53は、図2に示した第1の軸受台ユニット35に類似して形成および支持され、要するに下方の軸受台47と機械フレーム37の間の旋回軸受39を介して支持される。
【0080】
ただし図9Cに示した変更例の場合、両方のプレスロール3、5はその両端で、長手方向に固定的に軸受台23、25、45、47内で収容されており、両方のプレスロール3、5の長さ変化の補償は、両方の軸受台ユニット35、53が全体的に、それぞれの旋回軸受39の、プレスロール3、5の軸線を横切り、かつプレス面17を横切って延びる旋回軸の中心に旋回し得ることによって達成される。
【0081】
上述の実施形態は単に例を示しているのであり、かつ個々の構成要素および組立て方は、静定性の枠内において相互に取替え可能であり、かつ/または別の空間位置において配置可能である。つまり、例えば振子ブッシュとして示した軸受は、そこで例えば中実ロールを回転可能に支持するべき場合には、ロール軸受として企図してもよく、およびその逆も可能である。図2の中実ロールを上に配置し、かつ上にあるジャケットロールを下に配置することも可能である、など。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス用間隙(7)を区画する第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)を備えたロールプレス機(1)であって、プレスロール(3、5)はその第1の端が、互いに隣接した軸受台(23、25)内で支持されており、該軸受台は該プレスロール(3、5)の長手方向において相対的に移動不能に並設固定されて第1の軸受台ユニット(35)を構成し、該第1の軸受台ユニット(35)がプレスロール(3、5)の長手軸を横切る旋回軸を備えた第1の旋回軸受(39)を中心に旋回可能に機械フレーム(37)にて支持されるロールプレス機。
【請求項2】
前記第1の軸受台ユニット(35)が、プレスロール(3、5)の方向において長手方向に変位可能に機械フレーム(37)にて支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項3】
前記第2のプレスロール(5)が一端が前記プレスロール(3、5)の長手方向において長手方向に変位可能に支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項4】
前記プレスロール(3、5)はその第2の端が互いに隣接した軸受台(45、47)内で支持されており、該軸受台が、第2の軸受台ユニット(53)を形成しながら、前記プレスロール(3、5)の長手方向において相対的に移動不能に隣接して固定され、第2の軸受台ユニット(53)が、機械フレーム(37)と堅固に連結されるか、または第1の旋回軸受(39)の旋回軸に平行な、プレスロール(3、5)の長手軸を横切る旋回軸を備えた第2の旋回軸受(39)を中心旋回可能に機械フレーム(37)で支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項5】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の軸受台(23、25;45、47)が堅固に隣接して固定される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項6】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の軸受台(23、25;45、47)が、軸受台(23、25;45、47)のうちプレスロール(3、5)の長手方向において互いに対向する面、または長手軸を横切って互いに対向する面において軸受台に取り付けられるクランプ(57、59)を介して互いに隣接して保持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項7】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の前記軸受台(23、25;45、47)が、軸受台(23、25;45、47)のうちプレスロール(3、5)の長手軸を横切って互いに対向する面において軸受台に旋回不能に取り付けられ、前記プレスロール(3、5)の長手方向に湾曲することない引張接合板(71)を介して隣接して保持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項8】
前記軸受台(23、25)の各面においてプレスロール(3、5)の長手軸を横切って相前後して配置される複数の引張接合板(71)を備えた接合板一式(67、69)を設けた請求項7に記載のロールプレス機。
【請求項9】
前記第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)の少なくともいずれか一方が、ロールジャケットと、内部から該ロールジャケットに向かって押圧されるプレスシューとを備えたシューロールである請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項10】
前記一方のプレスロールのロールジャケットが、柔軟なロールジャケットであり、プレスシューがロールジャケット内側に面したプレス面においてもう一方のロールによって形づくられた凸面に対して相補的な凹面を備え、これにより柔軟なロールジャケットが、その
周面をもう一方のロールの凸面に対して接触させながら、もう一方のロールに向かって押圧されてプレスロールの長手軸を横切る方向に延長されたプレス用間隙が形成され得る請求項9に記載のロールプレス機。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のロールプレス機を有する湿式プレス機を備えた製紙設備またはパルプ製造設備。
【請求項12】
請求項1に記載のロールプレス機を備えたシューカレンダ。
【請求項1】
プレス用間隙(7)を区画する第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)を備えたロールプレス機(1)であって、プレスロール(3、5)はその第1の端が、互いに隣接した軸受台(23、25)内で支持されており、該軸受台は該プレスロール(3、5)の長手方向において相対的に移動不能に並設固定されて第1の軸受台ユニット(35)を構成し、該第1の軸受台ユニット(35)がプレスロール(3、5)の長手軸を横切る旋回軸を備えた第1の旋回軸受(39)を中心に旋回可能に機械フレーム(37)にて支持されるロールプレス機。
【請求項2】
前記第1の軸受台ユニット(35)が、プレスロール(3、5)の方向において長手方向に変位可能に機械フレーム(37)にて支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項3】
前記第2のプレスロール(5)が一端が前記プレスロール(3、5)の長手方向において長手方向に変位可能に支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項4】
前記プレスロール(3、5)はその第2の端が互いに隣接した軸受台(45、47)内で支持されており、該軸受台が、第2の軸受台ユニット(53)を形成しながら、前記プレスロール(3、5)の長手方向において相対的に移動不能に隣接して固定され、第2の軸受台ユニット(53)が、機械フレーム(37)と堅固に連結されるか、または第1の旋回軸受(39)の旋回軸に平行な、プレスロール(3、5)の長手軸を横切る旋回軸を備えた第2の旋回軸受(39)を中心旋回可能に機械フレーム(37)で支持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項5】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の軸受台(23、25;45、47)が堅固に隣接して固定される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項6】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の軸受台(23、25;45、47)が、軸受台(23、25;45、47)のうちプレスロール(3、5)の長手方向において互いに対向する面、または長手軸を横切って互いに対向する面において軸受台に取り付けられるクランプ(57、59)を介して互いに隣接して保持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項7】
前記第1および/または第2の軸受台ユニット(35;53)の前記軸受台(23、25;45、47)が、軸受台(23、25;45、47)のうちプレスロール(3、5)の長手軸を横切って互いに対向する面において軸受台に旋回不能に取り付けられ、前記プレスロール(3、5)の長手方向に湾曲することない引張接合板(71)を介して隣接して保持される請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項8】
前記軸受台(23、25)の各面においてプレスロール(3、5)の長手軸を横切って相前後して配置される複数の引張接合板(71)を備えた接合板一式(67、69)を設けた請求項7に記載のロールプレス機。
【請求項9】
前記第1のプレスロール(3)および第2のプレスロール(5)の少なくともいずれか一方が、ロールジャケットと、内部から該ロールジャケットに向かって押圧されるプレスシューとを備えたシューロールである請求項1に記載のロールプレス機。
【請求項10】
前記一方のプレスロールのロールジャケットが、柔軟なロールジャケットであり、プレスシューがロールジャケット内側に面したプレス面においてもう一方のロールによって形づくられた凸面に対して相補的な凹面を備え、これにより柔軟なロールジャケットが、その
周面をもう一方のロールの凸面に対して接触させながら、もう一方のロールに向かって押圧されてプレスロールの長手軸を横切る方向に延長されたプレス用間隙が形成され得る請求項9に記載のロールプレス機。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のロールプレス機を有する湿式プレス機を備えた製紙設備またはパルプ製造設備。
【請求項12】
請求項1に記載のロールプレス機を備えたシューカレンダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公開番号】特開2009−233748(P2009−233748A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75127(P2009−75127)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(507392808)アンドリッツ キスタース ゲーエムベーハー (8)
【氏名又は名称原語表記】Andritz Kuesters GmbH
【住所又は居所原語表記】Eduard−Kuesters−Str.1,47805 Krefeld,Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(507392808)アンドリッツ キスタース ゲーエムベーハー (8)
【氏名又は名称原語表記】Andritz Kuesters GmbH
【住所又は居所原語表記】Eduard−Kuesters−Str.1,47805 Krefeld,Germany
【Fターム(参考)】
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