ロール製品用プロテクター
【課題】ロール製品を支持するための支持用突起4が突設されているにもかかわらず、コンパクトに積み重ねることができ、輸送や保管効率を高めたロール製品用プロテクターを提供する。
【解決手段】側板部2の裏面中央の円周上に、支持用突起4と、該支持用突起4が貫通する大きさの窓部5が配設されたロール製品用プロテクター1であって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクター1の支持用突起4を、上側のロール製品用プロテクター1の窓部5に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクター1である。
【解決手段】側板部2の裏面中央の円周上に、支持用突起4と、該支持用突起4が貫通する大きさの窓部5が配設されたロール製品用プロテクター1であって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクター1の支持用突起4を、上側のロール製品用プロテクター1の窓部5に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクター1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状製品を芯材に巻回してなるロール製品を輸送、保管するためのロール製品用プロテクターに関し、更に詳しくは、構造が簡単で、容易にロール製品に組み付けることができ、更に、不使用時には該プロテクターを嵩張ることなくコンパクトに積み重ねることができるロール製品用プロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙等の帯状製品R1を保護、輸送、保管する場合には、図13に示すように、これらの帯状製品R1を芯材R2に巻回してロール製品Rを形成し、輸送、保管中に帯状製品R1の端面及び周面が汚れたり傷付いたりするのを防止するため、ロール製品Rにロール製品用プロテクター(以下、単にプロテクターと称することがある)Pを組み付けて輸送、保管していた。
この従来のプロテクターPは、例えば特許文献1に記載されているように、方形の側板P1の中心付近に中空円筒状の支軸P2を設けてなるもので、ロール製品Rの両端面を一対の側板P1で挟持するとともに、支軸P2を芯材R1の中空孔に挿入してロール製品Rを支持し、必要に応じ、両側板P1の外側に梱包用バンドBを十字状に掛けて全体を緊締している。
【0003】
しかしながら、このようなプロテクターは、不使用時にプロテクターPを積み重ねて輸送したり保管する際に、図14に示すように、突出した支軸P2の部分が邪魔になってコンパクトに積み重ねることができないため、嵩張ってしまい、輸送や保管の効率を著しく低下させ、また取り扱い性も悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2604907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解消し、構造が簡単で、容易にロール製品に組み付けることができ、更に、積み重ねても支軸の突出部分が邪魔にならず、不使用時には該プロテクターを嵩張ることなくコンパクトに積み重ねることができるロール製品用プロテクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の請求項1は、側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設されたロール製品用プロテクターであって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクターを内容とする。
【0007】
本発明の請求項2は、支持用突起と窓部が交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【0008】
本発明の請求項3は、支持用突起及び窓部がそれぞれ2〜4個であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【0009】
本発明の請求項4は、支持用突起がリブで補強された中空体からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のロール製品用プロテクターは、裏面中央の円周上に支持用突起と窓部を設け、積み重ねの際には、下側のプロテクターの支持用突起を、上側のプロテクターの窓部に貫通させることができるように構成されているので、積み重ねる場合に支持用突起が邪魔にならず、コンパクトに積み重ねることができ、輸送や保管効率が向上するとともに、取り扱い性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明のプロテクターの一例を示す平面図である。
【図2】図2は図1のプロテクターの底面図である。
【図3】図3は図1のA−A断面図である。
【図4】図4は図1のB−B断面図である。
【図5】図5は図1のプロテクターを積み重ねる際に、上側のプロテクターを回転させた状態を示す平面図である。
【図6】図6(a)(b)は図1のプロテクターを積み重ねた状態を示す模式説明断面図である。
【図7】図7は本発明のプロテクターの他の例を示す平面図である。
【図8】図8は図7のプロテクターの底面図である。
【図9】図9は本発明のプロテクターの更に他の例を示す平面図である。
【図10】図10は図9のプロテクターの底面図である。
【図11】図11は本発明のプロテクターの更に他の例を示す平面図である。
【図12】図12は図11のプロテクターの底面図である。
【図13】図13は従来のプロテクターでロール製品を保持した状態を示す一部切り欠き断面図である。
【図14】図14は図13のプロテクターを積み重ねた状態を示す模式説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のロール製品用プロテクター1は、例えば図1乃至図6に示したように、側板部2の裏面中央の円周上に、支持用突起4と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部5が配設されたロール製品用プロテクター1であって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクター1の支持用突起4を、上側のロール製品用プロテクター1の窓部5に貫通させることを特徴とする。
【0013】
本発明における側板部2は、従来のプロテクターにおける側板部と実質的に同じものであり、通常は薄板2aの裏面側(ロール製品に装着したときに当該ロール製品と当接する面)を平坦面とし、表面側(ロール製品に装着したときに外側になる面)に適宜リブ2bを設けたものが使用される。但し、支持用突起4が設けられる部分の裏側には、リブ2bを設けない。
薄板2aの部分には、プロテクターの装飾の目的で、あるいは軽量化の目的で透孔3を設けてもよい。
また、側板部2の平面形状は特に限定されず、通常は、安定性や取り扱い性の観点から、図1、図2に示したように略正方形状とされることが多いが、3角形、5角形、6角形、8角形等の多角形であってもよく、これらの角部をアール処理したものでもよい。また、円形や楕円形のものでもよい。
【0014】
本発明における支持用突起4は、従来のプロテクターにおける支軸と同様、芯材の中空孔に挿入して、ロール製品の幅面が梱包用バンドやダンボールの内面と接しないように懸垂状に支持する目的で設けられているが、従来の支軸とは異なり、いくつかの支持用突起4を用いて1つのロール製品を支持するようにされている。なお、支持用突起4をリブで補強された中空体とすれば、軽量で且つ十分な強度を有する支持用突起4が得られる。
支持用突起4の設置個数は特に限定されないが、通常は2〜4個程度とされ、これらの支持用突起4が円周上に配置されてロール製品の芯管の中に嵌入できるようにされている。
【0015】
支持用突起4は、図3、図4に示す通り、側板部2の裏面から立設されている。その高さについては、ロール製品の大きさや重量等に応じて適宜決定すればよいが、一般に、ロール製品を確実に支持するために、過度に嵩張らない範囲で出来るだけ高いほうが好ましく、本発明の場合、前記側板部2の厚さの1〜3倍程度が好ましく、積み重ね効率からは、1〜2倍程度がより好ましい。
即ち、通常の場合、側板部2は薄板2aの表面側に所定高さのリブ2bが設けられ、このリブ2bの高さと薄板2aの厚さの和が側板部2の厚さとなるが、支持用突起4の高さが側板部2の厚さの1倍未満の場合は、支持用突起4が一枚上に載置されたプロテクター1のリブ2bの間に入り込み、窓部5を貫通しないため、窓部5を設けた意味が乏しくなる。また、2倍を超えた場合は支持用突起4が2枚上に載置されたプロテクター1のリブ2bの間を通り抜け、その薄板2aに当接するため、積み重ねられたプロテクター1の間に隙間ができ、積み重ね効率が低下する傾向がある。
【0016】
本発明における窓部5は上記側板部2に穿設される孔であり、プロテクター1を積み重ねる際に、上記の支持用突起4が貫通される部分で、支持用突起4と同じ円周上に設けられる。その大きさ、形状は上記支持用突起4が貫通可能な形状、大きさである限り特に限定されないが、大きすぎると側板部2の強度が下がり、また積み重ねた際に不安定となるので、可能な限り小さいほうがよく、具体的には、支持用突起4の断面形状と略同じ大きさ、形状とするほうが好ましい。また、窓部5の設置個数も特に制限されないが、通常、2〜4個程度が好ましい。
【0017】
上記した通り、積み重ねの際には窓部5には支持用突起4が貫通されるので、窓部5の配置パターンは支持用突起4の配置パターンと略同一になる。しかしながら、支持用突起4と窓部5の両方が側板部2の中央の同じ円周上に配設されるので、窓部5と支持用突起4の配置によっては、窓部5の位置と支持用突起4の位置が全く同じになってしまい、実質的に窓部5を設けることが出来なくなる場合がある。このような場合には窓部5の配置が支持用突起4の配置と重ならないように、窓部5の配置パターンを支持用突起4の配置パターンに対して適当な角度だけ回転させたような配置にすればよい。
【0018】
但し、支持用突起4の形状及び配置パターンによっては、支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならないような回転角度が無い場合もあるので、例えば、円形を4分の1に分割した形状、円筒状、板状を等間隔に円周上に配置する等のように、配置角度を異ならしめることにより支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならなくなるような形状を選択する必要がある。最も単純には、支持用突起4と窓部5を等間隔且つ交互に配設すれば、支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならない形状になる。なお、図1乃至図4に示した実施例1では、大きな円と小さな円からなるドーナツ型を4分割した形状で2個の支持用突起4と2個の窓部5を交互に配置した形状が採用されている。
【0019】
本発明のプロテクター1を積み重ねるには、まず、図5に示したように、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して所定角度回転させる。なお、図5には図1に示したプロテクターを積み重ねる方法について示されているが、この場合、上側のプロテクターの適切な回転角度は90°である。
このようにすれば、図6(a)に示したように、下側のプロテクター1Bの支持用突起4の上に上側のプロテクター1Aの窓部5が配置され、下側プロテクター1Bの支持用突起4が上側プロテクター1Bの窓部5を貫通できるようになるので、図6(b)のように順次積み重ねることが可能になる。
【0020】
本発明のプロテクターの材質は特に限定されないが、成形がしやすく、軽量である点で合成樹脂が好ましく、例えば、ABS(アクリロニトリル- ブタジエン- スチレン共重合樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン)、AES樹脂(アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン)、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)、PMMA樹脂、PVC樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレート/スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)およびPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)等が使用可能である。
【0021】
図7及び図8は本発明のプロテクターの第2の例を示す。本例は、上記第1の例と同様、略正方形の側板部2の裏面中央に、ドーナツ型を4分割した形状の支持用突起4、窓部5を交互に配置したプロテクター1であり、積み重ねの際には上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して90°回転させるように構成されている。
一方、透孔3及びリブ2bの形状が異なるとともに、支持用突起4が対抗する一対の辺(図7、図8における上辺及び下辺)の側に配置され、もう一対の辺(同、右辺及び左辺)の側には配置されていない点で上記第1の例とは異なる。
本例のプロテクター1をロール製品に装着すれば、支持用突起4が設けられていない辺が上になる場合には、支持用突起4の強度が不足し、ロール製品の重さで撓む場合があるので、通常、支持用突起4が設けられた辺が上になるようにして使用する。
【0022】
図9及び図10は本発明のプロテクターの第3の例を示す。本例のプロテクター1は、略正6角形の側板部2の裏面中央に円柱状の支持用突起4と円形の窓部5をそれぞれ6個、交互に円周上に配置したものである。本例においては側板部2の全ての辺に支持用突起4が設けられているので、上記の第2の例とは異なり、どの辺を上にしても支持用突起4の強度は均一でロール製品の重さで撓む可能性はない。
なお、本例のプロテクター1を積み重ねるには、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して30°回転させればよいが、この場合、下側のプロテクター1の角の部分が上側のプロテクター1の下からはみ出すことになる。従って、このはみ出す部分に支持用突起4と同程度の高さの脚部(図示せず)を設けた場合でも、隙間無く当該プロテクター1を積み重ねることができる。
【0023】
図11及び図12には本発明のプロテクターの第4の例を示す。本例のプロテクター1は、略正8角形の側板部2の裏面中央に板状の支持用突起4とスリット状の窓部5をそれぞれ12個、円周上に配置したものである。また、配置された支持用突起4及び窓部5のうち、図11、図12における左右上下側に設けられたものは、2個の支持用突起4の間に1個の窓部5がひとかたまりに配置されており、それぞれの斜め方向側に設けられたものは1個の支持用突起4の両脇に2個の窓部5がひとかたまりに配置されている。即ち、本実施例においては、上記の実施例3と同様、側板部2の全ての辺に支持用突起4が設けられているので、どの辺を上にしても支持用突起4の強度は均一でロール製品の重さで撓む可能性はない。
なお、本例のプロテクター1を積み重ねるには、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して45°回転させればよいが、本実施例の場合は上記第3の例とは異なり、下側のプロテクター1の角の部分が上側のプロテクター1の下からはみ出すことがなく、コンパクトに収納することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
上記したとおり、本発明のロール製品用プロテクターは、側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設され、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させるように構成されているので、支持用突起が裏面側に突設されているにも関わらずコンパクトに積み重ねることができ、輸送や保管効率が良く、更に取り扱い性が良好なロール製品用プロテクターとして、極めて有用性の高いものである。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B ロール製品用プロテクター
2 側板部
2a 薄板
2b リブ
3 透孔
4 支持用突起
5 窓部
R ロール製品
R1 帯状製品
R2 芯材
P 従来のプロテクター
P1 側板
P2 支軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状製品を芯材に巻回してなるロール製品を輸送、保管するためのロール製品用プロテクターに関し、更に詳しくは、構造が簡単で、容易にロール製品に組み付けることができ、更に、不使用時には該プロテクターを嵩張ることなくコンパクトに積み重ねることができるロール製品用プロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙等の帯状製品R1を保護、輸送、保管する場合には、図13に示すように、これらの帯状製品R1を芯材R2に巻回してロール製品Rを形成し、輸送、保管中に帯状製品R1の端面及び周面が汚れたり傷付いたりするのを防止するため、ロール製品Rにロール製品用プロテクター(以下、単にプロテクターと称することがある)Pを組み付けて輸送、保管していた。
この従来のプロテクターPは、例えば特許文献1に記載されているように、方形の側板P1の中心付近に中空円筒状の支軸P2を設けてなるもので、ロール製品Rの両端面を一対の側板P1で挟持するとともに、支軸P2を芯材R1の中空孔に挿入してロール製品Rを支持し、必要に応じ、両側板P1の外側に梱包用バンドBを十字状に掛けて全体を緊締している。
【0003】
しかしながら、このようなプロテクターは、不使用時にプロテクターPを積み重ねて輸送したり保管する際に、図14に示すように、突出した支軸P2の部分が邪魔になってコンパクトに積み重ねることができないため、嵩張ってしまい、輸送や保管の効率を著しく低下させ、また取り扱い性も悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2604907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解消し、構造が簡単で、容易にロール製品に組み付けることができ、更に、積み重ねても支軸の突出部分が邪魔にならず、不使用時には該プロテクターを嵩張ることなくコンパクトに積み重ねることができるロール製品用プロテクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の請求項1は、側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設されたロール製品用プロテクターであって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクターを内容とする。
【0007】
本発明の請求項2は、支持用突起と窓部が交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【0008】
本発明の請求項3は、支持用突起及び窓部がそれぞれ2〜4個であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【0009】
本発明の請求項4は、支持用突起がリブで補強された中空体からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロール製品用プロテクターを内容とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のロール製品用プロテクターは、裏面中央の円周上に支持用突起と窓部を設け、積み重ねの際には、下側のプロテクターの支持用突起を、上側のプロテクターの窓部に貫通させることができるように構成されているので、積み重ねる場合に支持用突起が邪魔にならず、コンパクトに積み重ねることができ、輸送や保管効率が向上するとともに、取り扱い性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明のプロテクターの一例を示す平面図である。
【図2】図2は図1のプロテクターの底面図である。
【図3】図3は図1のA−A断面図である。
【図4】図4は図1のB−B断面図である。
【図5】図5は図1のプロテクターを積み重ねる際に、上側のプロテクターを回転させた状態を示す平面図である。
【図6】図6(a)(b)は図1のプロテクターを積み重ねた状態を示す模式説明断面図である。
【図7】図7は本発明のプロテクターの他の例を示す平面図である。
【図8】図8は図7のプロテクターの底面図である。
【図9】図9は本発明のプロテクターの更に他の例を示す平面図である。
【図10】図10は図9のプロテクターの底面図である。
【図11】図11は本発明のプロテクターの更に他の例を示す平面図である。
【図12】図12は図11のプロテクターの底面図である。
【図13】図13は従来のプロテクターでロール製品を保持した状態を示す一部切り欠き断面図である。
【図14】図14は図13のプロテクターを積み重ねた状態を示す模式説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のロール製品用プロテクター1は、例えば図1乃至図6に示したように、側板部2の裏面中央の円周上に、支持用突起4と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部5が配設されたロール製品用プロテクター1であって、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクター1の支持用突起4を、上側のロール製品用プロテクター1の窓部5に貫通させることを特徴とする。
【0013】
本発明における側板部2は、従来のプロテクターにおける側板部と実質的に同じものであり、通常は薄板2aの裏面側(ロール製品に装着したときに当該ロール製品と当接する面)を平坦面とし、表面側(ロール製品に装着したときに外側になる面)に適宜リブ2bを設けたものが使用される。但し、支持用突起4が設けられる部分の裏側には、リブ2bを設けない。
薄板2aの部分には、プロテクターの装飾の目的で、あるいは軽量化の目的で透孔3を設けてもよい。
また、側板部2の平面形状は特に限定されず、通常は、安定性や取り扱い性の観点から、図1、図2に示したように略正方形状とされることが多いが、3角形、5角形、6角形、8角形等の多角形であってもよく、これらの角部をアール処理したものでもよい。また、円形や楕円形のものでもよい。
【0014】
本発明における支持用突起4は、従来のプロテクターにおける支軸と同様、芯材の中空孔に挿入して、ロール製品の幅面が梱包用バンドやダンボールの内面と接しないように懸垂状に支持する目的で設けられているが、従来の支軸とは異なり、いくつかの支持用突起4を用いて1つのロール製品を支持するようにされている。なお、支持用突起4をリブで補強された中空体とすれば、軽量で且つ十分な強度を有する支持用突起4が得られる。
支持用突起4の設置個数は特に限定されないが、通常は2〜4個程度とされ、これらの支持用突起4が円周上に配置されてロール製品の芯管の中に嵌入できるようにされている。
【0015】
支持用突起4は、図3、図4に示す通り、側板部2の裏面から立設されている。その高さについては、ロール製品の大きさや重量等に応じて適宜決定すればよいが、一般に、ロール製品を確実に支持するために、過度に嵩張らない範囲で出来るだけ高いほうが好ましく、本発明の場合、前記側板部2の厚さの1〜3倍程度が好ましく、積み重ね効率からは、1〜2倍程度がより好ましい。
即ち、通常の場合、側板部2は薄板2aの表面側に所定高さのリブ2bが設けられ、このリブ2bの高さと薄板2aの厚さの和が側板部2の厚さとなるが、支持用突起4の高さが側板部2の厚さの1倍未満の場合は、支持用突起4が一枚上に載置されたプロテクター1のリブ2bの間に入り込み、窓部5を貫通しないため、窓部5を設けた意味が乏しくなる。また、2倍を超えた場合は支持用突起4が2枚上に載置されたプロテクター1のリブ2bの間を通り抜け、その薄板2aに当接するため、積み重ねられたプロテクター1の間に隙間ができ、積み重ね効率が低下する傾向がある。
【0016】
本発明における窓部5は上記側板部2に穿設される孔であり、プロテクター1を積み重ねる際に、上記の支持用突起4が貫通される部分で、支持用突起4と同じ円周上に設けられる。その大きさ、形状は上記支持用突起4が貫通可能な形状、大きさである限り特に限定されないが、大きすぎると側板部2の強度が下がり、また積み重ねた際に不安定となるので、可能な限り小さいほうがよく、具体的には、支持用突起4の断面形状と略同じ大きさ、形状とするほうが好ましい。また、窓部5の設置個数も特に制限されないが、通常、2〜4個程度が好ましい。
【0017】
上記した通り、積み重ねの際には窓部5には支持用突起4が貫通されるので、窓部5の配置パターンは支持用突起4の配置パターンと略同一になる。しかしながら、支持用突起4と窓部5の両方が側板部2の中央の同じ円周上に配設されるので、窓部5と支持用突起4の配置によっては、窓部5の位置と支持用突起4の位置が全く同じになってしまい、実質的に窓部5を設けることが出来なくなる場合がある。このような場合には窓部5の配置が支持用突起4の配置と重ならないように、窓部5の配置パターンを支持用突起4の配置パターンに対して適当な角度だけ回転させたような配置にすればよい。
【0018】
但し、支持用突起4の形状及び配置パターンによっては、支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならないような回転角度が無い場合もあるので、例えば、円形を4分の1に分割した形状、円筒状、板状を等間隔に円周上に配置する等のように、配置角度を異ならしめることにより支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならなくなるような形状を選択する必要がある。最も単純には、支持用突起4と窓部5を等間隔且つ交互に配設すれば、支持用突起4と窓部5の配置パターンが重ならない形状になる。なお、図1乃至図4に示した実施例1では、大きな円と小さな円からなるドーナツ型を4分割した形状で2個の支持用突起4と2個の窓部5を交互に配置した形状が採用されている。
【0019】
本発明のプロテクター1を積み重ねるには、まず、図5に示したように、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して所定角度回転させる。なお、図5には図1に示したプロテクターを積み重ねる方法について示されているが、この場合、上側のプロテクターの適切な回転角度は90°である。
このようにすれば、図6(a)に示したように、下側のプロテクター1Bの支持用突起4の上に上側のプロテクター1Aの窓部5が配置され、下側プロテクター1Bの支持用突起4が上側プロテクター1Bの窓部5を貫通できるようになるので、図6(b)のように順次積み重ねることが可能になる。
【0020】
本発明のプロテクターの材質は特に限定されないが、成形がしやすく、軽量である点で合成樹脂が好ましく、例えば、ABS(アクリロニトリル- ブタジエン- スチレン共重合樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン)、AES樹脂(アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン)、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)、PMMA樹脂、PVC樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレート/スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)およびPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)等が使用可能である。
【0021】
図7及び図8は本発明のプロテクターの第2の例を示す。本例は、上記第1の例と同様、略正方形の側板部2の裏面中央に、ドーナツ型を4分割した形状の支持用突起4、窓部5を交互に配置したプロテクター1であり、積み重ねの際には上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して90°回転させるように構成されている。
一方、透孔3及びリブ2bの形状が異なるとともに、支持用突起4が対抗する一対の辺(図7、図8における上辺及び下辺)の側に配置され、もう一対の辺(同、右辺及び左辺)の側には配置されていない点で上記第1の例とは異なる。
本例のプロテクター1をロール製品に装着すれば、支持用突起4が設けられていない辺が上になる場合には、支持用突起4の強度が不足し、ロール製品の重さで撓む場合があるので、通常、支持用突起4が設けられた辺が上になるようにして使用する。
【0022】
図9及び図10は本発明のプロテクターの第3の例を示す。本例のプロテクター1は、略正6角形の側板部2の裏面中央に円柱状の支持用突起4と円形の窓部5をそれぞれ6個、交互に円周上に配置したものである。本例においては側板部2の全ての辺に支持用突起4が設けられているので、上記の第2の例とは異なり、どの辺を上にしても支持用突起4の強度は均一でロール製品の重さで撓む可能性はない。
なお、本例のプロテクター1を積み重ねるには、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して30°回転させればよいが、この場合、下側のプロテクター1の角の部分が上側のプロテクター1の下からはみ出すことになる。従って、このはみ出す部分に支持用突起4と同程度の高さの脚部(図示せず)を設けた場合でも、隙間無く当該プロテクター1を積み重ねることができる。
【0023】
図11及び図12には本発明のプロテクターの第4の例を示す。本例のプロテクター1は、略正8角形の側板部2の裏面中央に板状の支持用突起4とスリット状の窓部5をそれぞれ12個、円周上に配置したものである。また、配置された支持用突起4及び窓部5のうち、図11、図12における左右上下側に設けられたものは、2個の支持用突起4の間に1個の窓部5がひとかたまりに配置されており、それぞれの斜め方向側に設けられたものは1個の支持用突起4の両脇に2個の窓部5がひとかたまりに配置されている。即ち、本実施例においては、上記の実施例3と同様、側板部2の全ての辺に支持用突起4が設けられているので、どの辺を上にしても支持用突起4の強度は均一でロール製品の重さで撓む可能性はない。
なお、本例のプロテクター1を積み重ねるには、上側のプロテクター1を下側のプロテクター1に対して45°回転させればよいが、本実施例の場合は上記第3の例とは異なり、下側のプロテクター1の角の部分が上側のプロテクター1の下からはみ出すことがなく、コンパクトに収納することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
上記したとおり、本発明のロール製品用プロテクターは、側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設され、積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させるように構成されているので、支持用突起が裏面側に突設されているにも関わらずコンパクトに積み重ねることができ、輸送や保管効率が良く、更に取り扱い性が良好なロール製品用プロテクターとして、極めて有用性の高いものである。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B ロール製品用プロテクター
2 側板部
2a 薄板
2b リブ
3 透孔
4 支持用突起
5 窓部
R ロール製品
R1 帯状製品
R2 芯材
P 従来のプロテクター
P1 側板
P2 支軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設されたロール製品用プロテクターであって、
積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクター。
【請求項2】
支持用突起と窓部が交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用プロテクター。
【請求項3】
支持用突起及び窓部がそれぞれ2〜4個であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール製品用プロテクター。
【請求項4】
支持用突起がリブで補強された中空体からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロール製品用プロテクター。
【請求項1】
側板部の裏面中央の円周上に、支持用突起と、該支持用突起が貫通する大きさの窓部が配設されたロール製品用プロテクターであって、
積み重ねの際に下側のロール製品用プロテクターの支持用突起を、上側のロール製品用プロテクターの窓部に貫通させることを特徴とするロール製品用プロテクター。
【請求項2】
支持用突起と窓部が交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用プロテクター。
【請求項3】
支持用突起及び窓部がそれぞれ2〜4個であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール製品用プロテクター。
【請求項4】
支持用突起がリブで補強された中空体からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロール製品用プロテクター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−16553(P2011−16553A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162792(P2009−162792)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(393030958)村角株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(393030958)村角株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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