説明

ワイパー水システム

あらゆるタイプの自動車のために企図されるワイパー水システムは、自動車上に落ちる洗車水又は雨水を集積水として集積するための水集積機器(1)と、集積された水をフィルタリングし、精製するための手段(4)と、ワイパー洗浄容器(5)と、集積された水をワイパー洗浄容器(5)に送るための供給ライン(2)と、自動車フロントガラスを洗浄するための不凍液とワイパー洗浄水との混合物を外気温に応じて作り出すための手段(8、9、10、11、12、13、14)と、を備えて成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆるタイプの自動車のためのワイパー水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】DE19912294A1
【特許文献2】DE19922535A1
【特許文献3】DE3734130A1
【0003】
今日、自動車で用いられている従来型のワイパー水システムは、大部分が、スプレーポンプを備えた容器だけから成る。容器には、水及び不凍液/洗浄液を手動で充填しなければならない。スプレーポンプは、洗浄されるべきフロントガラス上に混合物をスプレーする。
【0004】
自動車産業で現在用いられいるシステムの欠点は、
−不凍液の供与量が低すぎて溶液の凝固点に達しないときに、ワイパー洗浄混合物が凍ってしまう。
−自動車が最初に組立てられるときに、国や時期乃至時節に関わりなく不凍液混合物の最大濃度がワイパー洗浄容器に充填される。再充填するときに、自動車修理工場は、水、不凍液及び洗浄添加剤の高く濃縮された混合物を使用する。春と秋との間では、この慣習が非常に非経済的であり且つ非環境的でもあることが知られている。
−アルコール蒸気の吸入は、強烈に不快な臭いと健康被害とをもたらす。ワイパー水は、高濃度の不凍液を含み、混合物がフロントガラスにスプレーされ、空調を通って自動車の内部に入るときにエチルアルコールが揮発する。
−再充填の間の間隔が天候にもよるが概して短すぎる。
ことである。
【0005】
特許文献1から知られているように、容器へのワイパー水の再充填間における短い間隔の欠点は、自動車上に落ちる水を部分的に集積すること、及び、それをワイパー洗浄容器に供給することによって減少されうる。
【0006】
冬には、無機物(凍結防止塩)がフロントガラスから戻された水と共に集積容器に洗い流され、それによって、洗浄剤使用の間に、フロントガラス上のスミア乃至油性汚れ(smears)及び染み(smudges)の原因となって、洗浄プロセスを大きく妨げるか又は洗浄プロセスを不可能にする。この問題の解決法が、特許文献2に開示される。集積容器に流れ込む水は、イオン交換装置を用いて単段プロセスで精製される。
【0007】
洗車における現行の慣習では、洗浄プログラムの最終段階中に、自動車に塗布されるべき液状ワックスが提供される。水がワイパー水集積容器に戻って通過するときに、前記液状ワックスもまた前記容器に集積される。自動車フロントガラスへの洗浄液として水を用いるときに、水内のワックスはスミアの原因となり、洗浄プロセスを妨げ、洗浄プロセスを不可能にする。
【0008】
ワイパー洗浄不凍液混合物が凍ることを回避するために、特許文献3は、実行可能な技術的実施形態を開示する。密度測定機器の助けを借りて、外気温に応じた不凍液と水との正確な混合比を達成することができる。集積容器における不凍液測定の電気機械的実現は、80年代終わりにおける技術的可能性に対応する。技術的に欠点のない機能は明らかである。しかしながら、密度測定を備えたコスト効果の高い換算はほとんど不可能である。実際には、この種の技術的な解決法は、以前は確立されることが全くなかった。
【0009】
故に、自動車フロントガラスを洗浄するために雨水を再利用することは既に知られている。この思想の一連の実現は、2つの理由のために自動車産業において以前は行われなかった。一つは、最も重要な市場のヨーロッパ、米国、日本で一年中満足に機能し、もう一つは、実用にかなった費用便益比率で作り出すことのできる完全なシステムが現行では存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、自動車又は別のフロントガラス洗浄システムにおいて、従来型のワイパー水集積機器又はワイパー水システムを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、請求項1の特徴に対応するワイパー水システムが開示される。本発明にしたがうワイパー水システムの有利な実施形態は、請求項1に従属する請求項の特徴から明らかになろう。
【0012】
本発明にしたがうワイパー洗浄システムは、あらゆるタイプの自動車のためのワイパー水集積機器から成り、当該集積機器において、集積された水がフィルターをかけられ、精製され、自動車フロントガラスの洗浄のための不凍液とワイパー洗浄水との混合物が外気温に応じて作り出される。
【0013】
本発明は、とりわけ、ワックス吸収乃至吸着器と、脱塩器と、不凍液の濃度を測定するための電気センサーとを備えた多段フィルタリングに基づく。故に、機能的で且つ経済的にもっともな技術的解決法を、全ての気候条件化で達成できることが保証される。
【0014】
本発明にしたがって設けられるワイパー洗浄容器は、少なくとも部分的に自動的に再充填されるので、追加的に要求される、考えられうる手動再充填間の間隔が増加する。理想的には、手動の再充填は完全に省略される。
【0015】
本発明にしたがうワイパー水システムの代わりの、又は、特に有利な実施形態が以下に開示される。
【0016】
本発明は、あらゆるタイプの自動車のためのワイパー水集積機器に関し、当該ワイパー水集積機器は、自動車フロントガラスを洗浄するために、集積水をフィルタリングして精製し、外気温に応じてワイパー洗浄水と不凍液との混合物を製造し、自動車上に落ちた雨水又は洗浄水は、水集積機器によって集積され、自動車が停止しているか動いているかにかかわらず、供給ラインを介してワイパー洗浄容器に供給される。
【0017】
バルブは供給ラインを閉じうる。
【0018】
バルブが閉じられる場合、水は周囲環境に流れ出す。
【0019】
この水は、単段又は多段プロセスにおいて集積タンクで最初に粗くフィルタをかけられる。
【0020】
粗いフィルタリングは、次第に減少するサイズの孔を含むふるい乃至こし器(sieves)で達成される。
【0021】
この水は、さらなるフィルター又はフィルター要素によって細かくフィルタをかけられ、且つ、化学的に精製される。沈殿物は分離される。
【0022】
細かいフィルタリングは、次第に減少するサイズの孔を含むフィルター要素で達成され、沈殿物空間がフィルターこし器の間に設けられる。
【0023】
無機物と塩とが混床脱塩器を介して単段又は多段で前記水から取り除かれる。
【0024】
混床脱塩器は、カチオン及びアニオン交換器としても知られるイオン交換器である。
【0025】
液状ワックスは、ワックス吸収器を介して単段又は多段で前記水から取り除かれる。
【0026】
ワックス吸収器は、微細なろ過紙、クロマトグラフィ紙(chromatography paper)、及び/又は、フリース(fleece)から成る。
【0027】
精製された水は、ワイパー洗浄容器に至る。
【0028】
個別の不凍液容器からの界面活性剤及び不凍液は、ワイパー洗浄容器で水に加えられる。2つの容器は接続される。
【0029】
温度に応じて、及び、不凍液容器とワイパー洗浄容器とにおける液面に応じて、不凍液と界面活性剤とが正確な供与量で前記水に加えられる。
【0030】
制御回路が、不凍液センサーを介して、ワイパー水集積容器における水と不凍液との混合比、故に、混合物の凝固点を検出する。
【0031】
制御回路は、キャン−バス(CAN-Bus)インターフェイスを通じて外気温信号を介し外気温を検出する。
【0032】
制御回路は、水の流入のためにバルブを制御し、不凍液容器における、センサーで検出される液面と外気温とに応じて要求される場合に混合ポンプを作動し、あらゆる操作条件下で霜にも耐性の有るワイパー洗浄容器内の水とアルコールとの正確な混合比を作り出すことができる。
【0033】
容器におけるワイパー水の不凍液容量は、アルコール−水混合物の電導率と密度とを介して不凍液センサーによって測定される。
【0034】
不凍液と水との混合比に応じて、センサーにおける誘電性と抵抗とは変化する。この変化は、接続されたRC発振器を用いて、制御機器(マイクロプロセッサ)によって測定される可変周波数(出力Q)に変換される。
【0035】
制御機器において、センサーの特性線が線形近似のために格納され、容器内のワイパー洗浄混合物の関連する霜耐性と不凍液濃度とを計算することができる。
【0036】
外気温は、制御機器からの自動車のキャン−バス信号を介して、ワイパー洗浄容器内の液体の凝固点温度と比較される。
【0037】
不凍液センサーは、図2に示されるように構成され、静電容量可変部(capacitively varying part)と抵抗可変部(resistance varying part)とから成る。
【0038】
不凍液センサーの静電容量可変部において、ガラス繊維織物が誘導体として用いられる。
【0039】
外気温が下がったときに、混合ポンプは制御機器によって作動され、不凍液容器からワイパー洗浄容器にさらに不凍液を供給する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の更なる特徴、長所及び詳細が、図面を参照して、実施形態の以下の記述に開示される。
【0041】
図1は、自動ワイパー洗浄システム(automatic wiper-wash system (AWW system))の全体配置を示す。前記システムは、図1に示されるように、以下のパーツ、自動車に落ちる雨水を集積する集積タンク1と、ワイパー洗浄容器5への供給配管2と、流入を閉じることのできるバルブ3と、多段フィルターユニット4(フィルター、水処理器及び脱脂器乃至ワックス吸収器)と、不凍液/界面活性剤混合物のための不凍液容器6と、スプレーポンプ7と、追加的な液面機能を有するワイパー洗浄容器5における水及びアルコールの濃度を測定するための不凍液センサー8と、不凍液容器6における不凍液/界面活性剤混合物のための液面センサー9と、不凍液容器6から混合ポンプ11を介してワイパー洗浄容器5へ延在するホース接続部10と、制御電子回路12と、キャン−バスインターフェイス13と、外気温信号を伝達するための自動車のキャン−バス14と、ワイパー洗浄容器5からスプレーノズルへ延在するホース15とを備えて成る。
【0042】
図2においてより詳細に示される不凍液センサー8は、少なくとも以下のパーツ、2つの金属ポールフランジ(metal pole flange)20と、誘電体21と、抵抗層22と、電気接続部23と、絶縁層24と、コンデンサ端子への接続部25と、コンデンサと抵抗層22との間の中央端子26と、抵抗層22への接続部27と、で構成される。参照番号28は、穿孔されたポールフランジ20の平面図を示す。
【0043】
図3に示される測定回路/RC発振器は、以下のパーツ、動作線図の形態で示される不凍液センサー30と発振器構成要素29とを有する。
【0044】
図4に記載のフィルターユニットは、フィルター/水処理システムとして構成されるコンパクトな装置である。フィルターユニットは、以下のパーツ、汚染された水のための水入口40と、3段階でのフィルター要素41と、沈殿物チャンバ42と、ワックスフィルター43と、脱塩装置44と、精製された水のための水出口45と、を備えて成る。
【0045】
図1を参照してより詳細に以下で記述されるように、本発明にしたがうシステムは、少なくとも2つの容器を有する。それらの一方は、従来の市販の不凍液を格納し、当該不凍液を洗浄剤と部分的に混合することができる。他方の容器は、洗浄水を格納し、当該洗浄水はフロントガラスを洗浄するために外気温に応じて混合される。車の上に落ちた水は、集積され、複数の段階でフィルタをかけられ、精製されて、自動車洗浄システムでさらに用いられるために処理される。かくして、ワイパー水が手動で補充されなければならない頻度は、大いに低減される。
【0046】
水が自動車のワイパー洗浄容器5に到達する前に、水は、集積タンク1に集積され、粗くフィルタをかけられ、一つ以上の洗浄段階4にさらされる。
【0047】
バルブ3は、自動車のワイパー洗浄容器5における液面に応じて、精製されるべき水の流れを制御する。線形の液面センサー8がワイパー洗浄容器5内の液面を検出する。ワイパー洗浄容器5において基準液面に達した場合、供給バルブ3は閉じられ、後の集積された水は、外部に排水される。
【0048】
マイナス温度で、別の線形液面センサー9が不凍液容器に不凍液が無いことを検知した場合、供給バルブ3はまた閉じられる。これにより、容器5に存在する不凍液と水との混合物の希釈が妨げられ、ワイパー水が凍ることが回避される。
【0049】
補充される飲料水は、塩と無機物とを含む。また、冬においては、自動車フロントガラスから凍結防止塩がワイパー水集積機器1を介して洗浄水に達する。この塩は、洗浄プロセスの間に自動車フロントガラスに再び塗布され、その洗浄プロセスの間にフロントガラス上のスミアの原因になり、かくして、使用適性及び顧客の支持乃至承認に不利益である。
【0050】
本発明にしたがって、この使用制限は、特に、水が単段又は多段混床脱塩を用いて化学的に精製される点で改善される。混床脱塩器4の効率及び精製能力は、特定の時間の後、又は、特定の無機物処理量の後に減少する。
【0051】
洗車からの水は、洗浄プログラムの最終段階で洗浄ワックスと混合される。このワックスは、洗車作業の間にフリース布で手によって自動車フロントガラスから取り除かれる。ワックスを含む水がワイパー洗浄容器5に到達する場合、ワックスは洗浄液がスプレーされるときに何度となく塗りつけられるので、これは、その洗浄プロセスの間に自動車フロントガラス上のスミアの原因になる。
【0052】
これは、好ましくは、水がワックス吸収装置4によって単段又は多段プロセスで洗浄される点で考慮される。ワックス吸収は、複数層に配置される微細なろ過紙及び/又は圧縮フリース(compressed fleece)によって達成される。ワックスは、変動するサイズの乳化ミセルで形成される。これら両親媒性分子(amphiphilic molecules)は、大きすぎて、ろ過紙又は圧縮フリースを通過することができない。
【0053】
多段フィルター/ワックス除去器4は、好都合には、それがすばやく且つ低コストで交換されうるように交換可能カートリッジとして構成される。
【0054】
ワイパー洗浄容器5は、一つ以上の別個の容器6から不凍液及び洗浄剤を供給される。自動車のキャン−バスインターフェイス13を介して、電気制御ユニット12は、現在の外気温14について情報を得る。この外気温を考慮して、ワイパー洗浄容器5におけるワイパー水での不凍液の温度適合混合物を達成するように、不凍液の濃度がセンサー8で測定される。センサー8の信号は、制御ユニット12によって検出される。所定のパラメーターにしたがって、これは、不凍液をワイパー洗浄容器5に投入する不凍液供給容器6の混合ポンプ11を制御する。結果として、外気温(キャン−バス14からの信号)によって指示されるのと同じ量の不凍液だけが供給される。これは、これら資源が経済的に用いられることを意味する。これは、不凍液がより少なく大気中に分散されるので、環境をも保護する。
【0055】
ポンプ7は、ワイパー水をスプレーノズルに運ぶ。
【0056】
不凍液センサー8は、図2及び3を参照して以下により詳細に記述される。
【0057】
構成:不凍液センサーは、実質的に、2つの絶縁ポールフランジ20と低抵抗誘電体21から成り、当該低抵抗誘電体21は、好ましくは、例えばガラス繊維織物などの吸収材料から作られる。
【0058】
配置:誘電体21は、2つのポールフランジ20の間に配置される。ワイア25が、上側ポールフランジ20に接続され、次にRC発振器29の後部連結出力(R)に接続される。下側ポールフランジが、RC発振器29のC入力(C)にワイア26を介して接続され、且つ、当該下側ポールフランジは、センサに、特に下側ポールフランジ20の下側に配置された左側の抵抗層22への接続部23をさらに有する。絶縁層24を用いて下側ポールフランジ20から絶縁される右側の抵抗層22から、さらなるワイア27がRC発振器29のR入力に走る。
【0059】
動作モード:2つのポールフランジ20は、誘電体21と共に電気コンデンサを形成する。誘電体21は、空気の多様なファクターであるそのε値を変化し、それによって、電気容量は、不凍液(例えば、エチルアルコール)が純水又は精製水に送込まれるときに、ポールフランジ20間のエアーよりも高くなる。加えて、純水又は純アルコールと異なる電導度が抵抗層22を介してセンサーで検出される。抵抗及び電気容量における変化は、接続されたRC発振器29によって可変周波数の出力信号に混合比に応じて変換され、当該可変周波数をQ出力で取り出すことが可能であり、制御機器12(例えば、マイクロプロセッサユニット)によって測定される。線形近似のために、センサー8の特性は、不凍液の濃度とワイパー洗浄混合物の関連する耐霜性とが検出されるように、制御ユニット12に格納される。外気温14は、制御機器12によって凝固点温度と比較される。外気温が低下する場合、さらなる不凍液が、混合ポンプ11を作動させる制御機器によって供給される。
【0060】
フィルターと水処理カートリッジとして構成されるフィルターユニットが、図4を参照して、及び、部分的に図1を参照して以下により詳細に説明される。
【0061】
汚染された水は、パイプライン2からフィルターと水処理カートリッジとに送込まれる。集積された水は、微細なフィルター41(第一主段階)を介して2、3又はそれ以上の副段階で精製される。このプロセスの間に、沈殿物チャンバーが不純物を受容する。フィルターハウジングは、金属又はプラスチック材料から作られたオイル及び酸耐性ハウジングから成る。
【0062】
第二主段階において、水は、ワックス吸収装置43を通って流れ、当該ワックス吸収装置では、洗浄プロセスの最終段階で、例えば洗車で加えられたワックスが、微細なろ過紙(例えば、クロマトグラフィー紙)及び/又は圧縮フリースを通り、ろ過して取り除かれる。
【0063】
第三主段階において、水は、カチオン及びアニオン交換器としても知られる混床脱塩器44を通って流れ、当該混床脱塩器によって、陽性に負荷された無機物及び陰性に負荷された酸ラジカル乃至酸基の両方が中性にされる。
【0064】
フィルターから出た水は、完全に精製され、脱塩され、脱脂された水と称しうる。前記水は、フロントガラスを洗浄するための媒体としてさらに用いられるために、混合容器5に流れ込む。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】集積される水の多段フィルタリングと不凍液センサーとを備えた自動車用のワイパー水システムの実施形態である。
【図2】図1に記載のワイパー水システムで用いられる不凍液センサーの実施形態である。
【図3】図1及び2に記載の不凍液センサーを評価するために用いられるスイッチである。
【図4】集積される水をフィルタにかけるために、図1に記載のワイパー水システムで用いられるフィルターユニットの実施形態である。
【符号の説明】
【0066】
1 水集積機器
2 供給ライン
3 バルブ
4 フィルター要素
5 ワイパー洗浄容器
6 不凍液容器
8 不凍液センサー
11 混合ポンプ
12 制御電子機器
13 キャン−バスインターフェイス
14 外気温
20 静電容量可変部
21 静電容量可変部
22 抵抗可変部
29 RC発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらゆるタイプの自動車のためのワイパー水システムであって、
−自動車上に落ちる洗車水又は雨水を集積水として集積するための水集積機器(1)と、
−集積水をフィルタリングし、精製するための手段(4)と、
−ワイパー洗浄容器(5)と、
−ワイパー洗浄容器(5)に集積水を送り出すための供給ライン(2)と、
−自動車フロントガラスを洗浄するための不凍液及びワイパー洗浄水の混合物を外気温に応じて作り出すための手段(8、9、10、11、12、13、14)と、
を備えて成るワイパー水システム。
【請求項2】
バルブ(3)が供給ライン(2)を閉じるために設けられることを特徴とする請求項1に記載のワイパー水システム。
【請求項3】
バルブ(3)が閉じられたときに、水を周囲環境に排水するための排水手段が設けられることを特徴とする請求項2に記載のワイパー水システム。
【請求項4】
水集積機器(1)が集積水を粗くフィルタリングするために単段又は多段プロセスで構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパー水システム。
【請求項5】
水流れ方向に次第に減少するサイズの孔を備えたふるいが粗いフィルタリングの先行プロセスのために設けられることを特徴とする請求項4に記載のワイパー水システム。
【請求項6】
さらなるフィルター又はさらなるフィルター要素(4)が、集積水を微細にフィルタリングするために、及び、化学的に精製するために、だけでなく集積水から沈殿物を分離するためにも設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のワイパー水システム。
【請求項7】
水流れ方向に次第に減少するサイズの孔を備えた複数のフィルター要素と、フィルター要素間の沈殿物チャンバとが、微細なフィルタリングのために設けられることを特徴とする請求項6に記載のワイパー水システム。
【請求項8】
単段又は多段混床脱塩器が、集積水から無機物及び塩を取り除くために設けられることを特徴とする請求項6に記載のワイパー水システム。
【請求項9】
混床脱塩器が、イオン交換器、特にカチオン及びアニオン交換器であることを特徴とする請求項8に記載のワイパー水システム。
【請求項10】
単段又は多段ワックス吸収器が、集積水から液状ワックスを取り除くために設けられることを特徴とする請求項6に記載のワイパー水システム。
【請求項11】
ワックス吸収器が、微細なろ過紙、クロマトグラフィー紙又はフリースを含むことを特徴とする請求項10に記載のワイパー水システム。
【請求項12】
ワイパー洗浄容器(5)に接続される個別の不凍液容器(6)が、不凍液と特に界面活性剤とを受容するために設けられ、且つ、不凍液と界面活性剤とを不凍液容器(6)からワイパー洗浄容器(5)内の水に加えることが可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のワイパー水システム。
【請求項13】
温度、不凍液容器(9)における液面、及び、ワイパー洗浄容器(5)における液面に応じて、所定の又は予め定めることのできる供与量で、不凍液及び界面活性剤をワイパー洗浄容器(5)内の水に混合するための手段が設けられることを特徴とする請求項12に記載のワイパー水システム。
【請求項14】
制御電子機器(12)と不凍液センサー(8)とが、ワイパー洗浄容器(5)における水と不凍液との混合比を検出するために、したがって水と不凍液との混合物の凝固点を検出するために設けられることを特徴とする請求項13に記載のワイパー水システム。
【請求項15】
キャン−バスインターフェイス(13)に接続される制御電子機器(12)が、自動車のキャン−バスに伝達される外気温信号(14)を用いて外気温を検出するために設けられることを特徴とする請求項13に記載のワイパー水システム。
【請求項16】
供給ライン(2)を閉じるためのバルブ(3)を制御する制御電子機器(12)と、混合ポンプ(11)と、不凍液容器(6)における液面を検出するためのセンサー(9)とが設けられ、要求された場合に混合ポンプ(11)を作動するための制御電子機器(12)が、外気温(14)と不凍液容器(6)における液面とに応じて、全ての操作条件下で霜にも強いアルコールと水との所定の又は予め定めることのできる混合比をワイパー洗浄容器(5)で調整することができるように構成されていることを特徴とする請求項2及び請求項13に記載のワイパー水システム。
【請求項17】
不凍液センサー(8)が、ワイパー洗浄容器(5)における混合物の電導度及び密度を用いて、ワイパー洗浄容器(5)における混合物での不凍液容量を検出するように構成されることを特徴とする請求項14に記載のワイパー水システム。
【請求項18】
不凍液センサー(8)が、ワイパー洗浄容器(5)における混合物の混合比とやはり変化する抵抗とに応じて変化する誘導体を備えて成り、不凍液センサー(8)は、抵抗変化を可変周波数に変換するRC発振器(29)に接続され、制御電子機器(12)は、前記可変周波数を検出するように構成されることを特徴とする請求項14に記載のワイパー水システム。
【請求項19】
不凍液の濃度と、ワイパー洗浄容器(5)における混合物の関連する霜耐性とを計算することが可能なように、不凍液センサー(8)の特性が線形近似のために制御電子機器(12)に格納されることを特徴とする請求項14に記載のワイパー水システム。
【請求項20】
制御電子機器(12)が、自動車のキャン−バスに伝達される外気温信号(14)を用いて決定された外気温を、ワイパー洗浄容器(5)における混合物の凝固点温度と比較するように構成されることを特徴とする請求項14及び請求項15に記載のワイパー水システム。
【請求項21】
不凍液センサー(8)が、静電容量可変部(20、21)と抵抗可変部(22)とを備えて成ることを特徴とする請求項14に記載のワイパー水システム。
【請求項22】
静電容量可変部が、誘導体として、ガラス繊維タイプの織物(21)を含むことを特徴とする請求項21に記載のワイパー水システム。
【請求項23】
制御電子機器(12)が、外気温が落ちたときに混合ポンプ(11)を作動させるように構成され、その結果、不凍液容器(6)からワイパー洗浄容器(5)にさらに不凍液を供給することが可能であることを特徴とする請求項16に記載のワイパー水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−516616(P2009−516616A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541630(P2008−541630)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011176
【国際公開番号】WO2007/059926
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(508155147)
【出願人】(508155158)フレーテク・フェアミューゲンスフェアヴァルトゥング ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】