説明

ワイパ装置

本発明は、ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置であって、該ワイパ装置が、少なくとも1つのばね弾性的な部分領域を備えたワイパアーム(10a〜10i)を有しており、このワイパアーム(10a〜10i)がワイパロッド(12a〜12i)と、該ワイパロッド(12a〜12i)に結合された固定ユニット(14a〜14i)とを有している形式のものに関する。
このような形式のワイパ装置において、本発明の構成では、固定ユニット(14a〜14i)の、ワイパアーム(10a〜10i)の自由端部に向いた端部において、少なくともワイパロッド(12a〜12i)が、少なくとも対象物(K)との衝突時のために、運転位置を起点として少なくとも、払拭される面によって描かれる平面の方向(16a〜16i)に変位可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式のワイパ装置に関する。
【0002】
このような形式のワイパ装置は、ドイツ連邦共和国特許第3142716号明細書に基づいて公知である。ワイパ装置はワイパアームを有していて、このワイパアームは、ばね弾性的なプラスチックから製造されたワイパロッドを備えており、このワイパロッドは一方の端部でジョイントなし(gelenkfrei)に固定部分と結合されていて、他方の自由端部にはワイパブレードが固定可能である。ワイパロッドはその全長にわたってコンスタントな成形形状を有していて、プラスチックコアと、該プラスチックコアを取り囲むプラスチック外装とを備えている。
【0003】
発明の利点
本発明は、ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置であって、該ワイパ装置が、少なくとも1つのばね弾性的な部分領域を備えたワイパアームを有しており、このワイパアームがワイパロッドと、該ワイパロッドに結合された固定ユニットとを有している形式のものに関する。
【0004】
このような形式のワイパ装置において、本発明の構成では、固定ユニットの、ワイパアームの自由端部に向いた端部において、少なくともワイパロッドが、少なくとも対象物との衝突時のために、運転位置を起点として少なくとも、払拭される面によって描かれる平面の方向に変位可能に構成されている。
【0005】
このように構成されていると、衝突時においてワイパ装置の領域で人が怪我をする程度を、少なくとも減じることができる。つまり本発明の構成によって、人に対する有利な保護機能を得ることができる。
【0006】
固定ユニット及び/又はワイパロッドが、衝突時における変位を可能にするために少なくとも1つの目標破損個所を有していると、特に付加的な部材を設けることなしに、特に簡単かつ安価な解決策が得られる。
【0007】
本発明の別の構成では、ワイパロッドが、その運転位置を起点として、払拭される面によって描かれる平面の方向に、少なくとも衝突時に旋回可能に支承されて構成されている。このように構成されていると、特に機能確実な運転と衝突時に確実に作動する保護機能を得ることができる。さらに非破壊の保護機能又は、少なくとも、衝突後にワイパ装置の運転が可能である保護機能を得ることができる。この場合ワイパロッドは前記平面の方向で変位可能であっても、又は衝突時にワイパロッドを解放するエレメントによって、通常運転時には、特に遊びなしに固定されていてもよい。
【0008】
本発明の別の構成では、ワイパロッドが、その運転位置において、前記平面とは反対の方向に、ストッパによって運動を制限されている。これによってワイパロッドのばね弾性的な部分領域において応力もしくは張力を有利に形成することができ、この応力もしくは張力を、接触力形成するために利用することができる。基本的にはしかしながらまた、接触力を生ぜしめるために付加的なばねユニットを設けることも可能である。
【0009】
ワイパロッドの旋回可能な支承形式を実現するために、本発明の別の構成では、固定ユニットの固定部分又は有利にはワイパロッド自体が固定ユニットに対して相対的に旋回可能に構成されており、後者の場合には、僅かな部材を用いて特にフラットな構造を得ることができる。
【0010】
ワイパロッドが固定ユニットの部材内に旋回可能に支承されていると、構造空間及び部材を節約することができ、この場合特に、ワイパロッドに支承軸が一体成形されていると、有利である。
【0011】
本発明のさらに別の有利な構成では、ワイパロッドが膜ヒンジを介して旋回可能に支承されている。このように構成されていると、特に支承軸を備えた構成に対して簡単に、少なくとも払拭方向において、固定ユニットへのワイパロッドの変位の範囲において、遊びをなくすことができる。
【0012】
さらにまた、ワイパロッドが、ヒンジとして使用可能である曲げ剛性の低い少なくとも1つの領域を有していると、付加的な部材や、取付けもしくは組立てに関する手間、並びにコストを節約することができる。
【0013】
請求項1に記載された解決策に類した、本発明による別の技術的な解決策では、ワイパロッドが少なくとも1つの領域において、衝突保護エレメントによって取り囲まれており、該衝突保護エレメントが当該領域におけるワイパロッドに比べて柔らかい材料から形成されている。このように構成されていると、ワイパ装置の領域での衝突時における人の怪我の程度を、少なくとも減じることができる。相応な解決策は、基本的には、当業者が有利だと見なす種々様々なワイパ装置においても実現することができるが、特に有利な構成では、ワイパ装置が有しているワイパロッドが少なくとも、衝突保護エレメントによって取り囲まれている領域において、金属薄板から形成されている。このように構成されていると、金属薄板縁部を有利に被覆することができ、金属薄板縁部の後加工ステップを少なくとも十分に回避することができる。
【0014】
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、負荷されていない状態におけるワイパ装置を斜め下から見た図であり、
図2は、負荷された状態におけるワイパ装置を斜め上から見た図であり、
図3は、図1のIIIで示された範囲を拡大して示す図であり、
図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図であり、
図5は、図3のV−V線に沿った断面図であり、
図6は、図2に示されたワイパ装置を衝突前の状態で示す側面図であり、
図7は、図2に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す側面図であり、
図8は、択一的な取付け位置における図2に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す側面図であり、
図9〜図12は、ワイパ装置の択一的な構成を示す断面図であり、
図13は、図1とは異なった実施例によるジョイント部分を備えたワイパ装置を斜め上から見た図であり、
図14は、図13に示されたワイパ装置の縦断面図であり、
図15は、図14に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図であり、
図16は、図1とは別の実施例によるワイパ装置であって、固定ユニットに旋回可能に支承されたワイパロッドを備えたワイパ装置を上から見た平面図であり、
図17は、衝突前の状態におけるワイパ装置を図16のXVII−XVIIに沿って断面して示す図であり、
図18は、図17に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図であり、
図19は、図16に示されたワイパ装置のワイパロッドを、取り外された状態で示す図であり、
図20は、図16とは別の実施例によるワイパ装置であって、膜ヒンジを備えたワイパ装置を上から見た平面図であり、
図21は、図20のXXI−XXI線に沿った断面図であり、
図22は、図21のXXII−XXII線に沿った断面図であり、
図23は、図21に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図であり、
図24は、図20とは別の実施例によるワイパ装置であって、弱められていて剛性の低い領域を有するワイパロッドを備えたワイパ装置を上から見た平面図であり、
図25は、図24のXXV−XXV線に沿った断面図であり、
図26は、図25に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図であり、
図27は、図24に示されたワイパ装置のワイパロッドを、取り外された状態で示す図である。
【0016】
実施例の記載
図1〜図8には、ワイパアーム10aを備えた車両用のワイパ装置が示されている。ワイパアーム10aは、ばね鋼薄板製のワイパロッド12aと、曲げ打抜き部品から形成された固定ユニット14aとを有していて、この固定ユニット14aは曲げ剛性の鋼薄板から成っている。
【0017】
ワイパロッド12aは衝突保護エレメント30aによって取り囲まれていて、この衝突保護エレメント30aは、ワイパロッド12aに比べて軟質の材料、つまりプラスチックから形成されている。ワイパロッド12aは平らな方形成形形状を有していて、第1の端部において、固定ユニット14aの囲繞(Umlappen)を用いてクランプ結合を介して固定ユニット14aに保持されている。衝突保護エレメント30aはワイパロッド12aの第2の端部から該ワイパロッド12aに被せ嵌められている。衝突保護エレメント30aはほぼ、下側に向かって開放したC字形横断面を有している(図3及び図5参照)。
【0018】
衝突保護エレメント30aは係止結合部32aを介してワイパロッド12aに固定されている。衝突保護エレメント30aには、固定ユニット14aに向けられた端部に、取り付けられた状態においてウインドシールドガラス44aの払拭される面に向いた下側の壁に、2つの係止手段34a,34a′が一体成形されており、両係止手段34a,34a′は、それぞれ部分的に切り離された円形の区分によって形成されており、この区分は衝突保護エレメント30aの被せ嵌め方向36aとは逆向きに、衝突保護エレメント30aの受容領域の内側面を越えて上昇するように延びた傾斜面を形成している(図3及び図4)。
【0019】
衝突保護エレメント30aの差込み時に衝突保護エレメント30aの係止手段34a,34a′がワイパロッド12aの自由端部に衝突すると、係止手段34a,34a′は被せ嵌め方向36aに対して直角にかつ衝突保護エレメント30aに下側面に対して直角に変向され、さらに被せ嵌め運動が続けられると、円形の貫通開口によって形成されたワイパロッド12aの係止手段38a内に係止される(図4)。係止手段34a,34a′が変向される代わりに、係止動作時にワイパロッド12aを変向させることも可能である。そのために可能であれば、衝突保護エレメント30aのカバー側に自由空間が設けられていて、これらの自由空間にワイパロッド12aが係止動作時に変向するもしくは逃げることができるようになっていてもよい。係止と同時にワイパロッド12aはその端面で、衝突保護エレメント30aの受容領域内に進入していて衝突保護エレメント30aに一体成形されたストッパ(図示せず)に接触する。衝突保護エレメント30aは確実にワイパロッド12aに固定されている。
【0020】
衝突保護エレメント30aは払拭円に関して半径方向外側の領域においてワイパロッド12aを補強しており、この場合半径方向内側の主撓み領域においては5cm〜20cmの間の長さで固定ユニット14aの直前で、衝突保護エレメント30aはワイパアーム10aの下側において切り欠かれている。主として曲げ剛性のプラスチックから製造する代わりに、衝突保護エレメント30aは撓み易い柔軟なプラスチック又はゴムから製造されていても有利であり、これによって特に有利な緩衝作用を衝突時に得ることができる。さらにまた衝突保護エレメントを、有利な剛性と有利な緩衝作用とを衝突時に生ぜしめるマルチコンポーネント部材から形成することも可能である。
【0021】
図1にはワイパアーム10aが負荷されていない状態で示されており、図2にはワイパアーム10aが負荷された運転状態で示されている。運転時においてワイパアーム10aは曲げ戻されてほぼ真っ直ぐになっており、これによって、払拭すべき面に対するワイパブレードの接触力を生ぜしめる。
【0022】
本発明によれば固定ユニット14aの、ワイパアーム10aの自由端部に向いた端部において、ワイパロッド12aは、対象物Kとの衝突時のために、その運転位置を起点として、払拭すべき面によって描かれる平面の方向16aに向かって変位可能に構成されている(図6及び図7)。そのために固定ユニット14aは、ワイパアーム10aと駆動軸40aとを連結するための支承箇所42aの領域に目標破損個所18aを有している。対象物Kが特に固定ユニット14aの領域においてワイパアーム10aに衝突すると、固定ユニット14aは支承箇所42aの領域において破損し、ワイパロッド12aは固定ユニット14aと一緒に、払拭すべき面によって描かれる平面に向かう方向16aに変位され、この変位は、固定ユニット14aが払拭される面に接触するまで行われる。
【0023】
駆動軸40aがウインドシールドガラス44aに対して大きな間隔をおいて取り付けられると、つまり固定ユニット14aがワイパアーム10aの自由端部に向かってウインドシールドガラス44aの前で終わっていると、衝突時において固定ユニット14aはウインドシールドガラス44aのそばを通過するように案内され、これによって有利により下に沈められることができる(図8)。この場合にワイパロッド12aは、ウインドシールドガラス44aの上に位置する部分と、固定ユニット14aに直接結合されている部分との間における高さもしくは行程の差(Hubunterschied)を、ばね弾性的な変形によって補償することができる。
【0024】
図9〜図12には、図1に示されたワイパ装置とは別の実施例によるワイパ装置が断面図で示されている。図1〜図8に示された実施例におけると同じ特徴及び機能については説明を省き、以下においては主として、図1〜図8に示された実施例との違いについてだけ記載する。
【0025】
図9に示されたワイパ装置はワイパアーム10bを有しており、このワイパアーム10bは、固定ユニット14aに相当する固定ユニット(図示せず)と、板ばねによって形成されたワイパロッド12bとを有しており、このワイパロッド12bはプラスチック製の衝突保護エレメント30bによって被覆されている。衝突保護エレメント30bは、閉鎖されたスリーブ状の成形形状を有している。
【0026】
図10に示されたワイパ装置はワイパアーム10cを有しており、このワイパアーム10cは、固定ユニット14aに相当する固定ユニット(図示せず)と、板ばねによって形成されたワイパロッド12cとを有しており、このワイパロッド12cには衝突保護エレメント30cが形成されている。衝突保護エレメント30cはほぼ、下側に向かって開放したC字形成形形状を有している。組立て時に衝突保護エレメント30cはワイパロッド12cのカバー側に装着され、次いでワイパロッド12cのカバー側に対して垂直な押圧運動によって、衝突保護エレメント30cの、係止フックとして形成された脚46c,48cがワイパロッド12cに係止される。
【0027】
図11に示されたワイパ装置はワイパアーム10dを有しており、このワイパアーム10dは、固定ユニット14aに相当する固定ユニット(図示せず)と、板ばねによって形成されたワイパロッド12dとを有している。ワイパロッド12dに係止された衝突保護エレメント30dはほぼ、2つのC字形成形体から成っていて下側に向かって開放している成形形状を有している。組立て時に衝突保護エレメント30dはスリットを備えたワイパロッド12dのカバー側に装着され、次いで、ワイパロッド12dのカバー側に対して垂直な押圧運動によって、衝突保護エレメント30dの、係止フックとして形成された脚46d,48d,50d,52dが、ワイパロッド12dにおいて係止され、この場合脚50d,52dはワイパロッド12dのスリット内に係合する。
【0028】
図12に示されたワイパ装置はワイパアーム10eを有しており、このワイパアーム10eは、固定ユニット14aに相当する固定ユニット(図示せず)と、板ばねによって形成されたワイパロッド12eとを有しており、このワイパロッド12eのカバー側には、平らな方形の成形体によって形成された衝突保護エレメント30eが接着されている。
【0029】
図13〜図15には、ワイパアーム10fを備えたワイパ装置が示されており、この場合ワイパアーム10fは、板ばねによって形成されたワイパロッド12fと固定ユニット14fとを有しており、この固定ユニット14fは固定部分54fとジョイント部分56fとを有している。
【0030】
ワイパロッド12fはジョイント部分56fに固定されており、そしてワイパロッド12fは、ジョイント軸58fを介して固定部分54fと結合されているジョイント部分56fを介して、その運転位置を起点として、払拭される面によって描かれる平面の方向16fに旋回可能に支承されて構成されている(図14及び図15)。払拭される面によって描かれる平面とは反対の方向20fでは、ワイパロッド12fはその運転位置において、ストッパ22fによってその運動を制限されている(図14)。ストッパ22fは固定部分54fのカバー側によって形成され、このストッパ22fには、U字形成形体として形成されたジョイント部分56fの2つの脚を結合する壁部分が、運転位置において当接する(図14)。
【0031】
図16〜図19にはワイパアーム10gを備えたワイパ装置が示されており、この場合ワイパアーム10gは、板ばねによって形成されたワイパロッド12gと、単一の部材によって形成された固定ユニット14gとを有している。ワイパロッド12gはその運転位置を起点として、固定ユニット14gに対して相対的に、払拭される面によって描かれる平面の方向16gで旋回可能に支承されている(図17及び図18)。固定ユニット14gに向いた端部に、打抜き過程においてワイパロッド12gには支承軸24が一体成形され(図19)、この支承軸24を介してワイパロッド12gは、固定ユニット14gを形成する部材における相応な切欠きにおいて、旋回可能に支承されている(図17及び図18)。
【0032】
ワイパロッド12gはその運転位置において、払拭される面によって描かれる平面とは反対とは反対の方向20gには、ストッパ22gによってその運動を制限されている(図17)。
【0033】
固定ユニット14gを形成する部材は、駆動軸40gのための支承箇所42gを備えたほぼ円筒形の部分領域と、この円筒形の部分領域に接続していて下側に向かって開放しているU字形成形体によって形成された延長部とを有している。ワイパロッド12gの支承軸24gを受容する切欠きは、円筒形の部分領域への延長部の接合部において、ほぼ円筒形の部分領域へと進入している。ワイパロッド12gは延長部の2つの脚によってその旋回運動を案内されており、運転位置においては、両方の脚を結合しかつストッパ22gを形成する延長部の壁部分によって、前記平面とは反対の方向20gへの旋回運動を制限されている(図17)。
【0034】
図20〜図23にはワイパアーム10hを備えたワイパ装置が示されており、この場合ワイパアーム10hは、板ばねによって形成されたワイパロッド12hと、単一の部材によって形成された固定ユニット14hとを有している。ワイパロッド12hは、その運転位置を起点として固定ユニット14hに対して相対的に、払拭される面によって描かれる平面の方向16hにおいて旋回可能に支承されている(図21及び図23)。固定ユニット14hを形成する部材は、駆動軸40hのための支承箇所42hを備えたほぼ円筒形の部分領域と、この円筒形の部分領域に接続していて下側に向かって開放したU字形成形体によって形成された延長部とを有している。ワイパロッド12hはプラスチック製の膜ヒンジ26hを介して旋回可能に支承されており、この膜ヒンジ26hは第1の端部で延長部に固定され、かつ第2の端部で、固定ユニット14hに向いたワイパロッド12hの端部に固定されている。膜ヒンジ26hは溶接結合部を介して延長部及びワイパロッド12hに結合されている。しかしながらまた膜ヒンジ26hは、当業者が有利であると見なすその他の結合形式、つまり素材結合(stoffschluessig)、摩擦力結合(kraftschluessig)及び/又は形状結合(formschluessig)による結合形式を介して、前記部材と結合されることができ、これらの結合形式としては例えば、クランプ結合、ねじ結合、リベット結合、接着結合等が挙げられる。
【0035】
ワイパロッド12gは延長部の2つの脚によってその旋回運動を案内されており、かつ運転位置においては、両方の脚を結合しかつストッパ22hを形成する延長部の壁部分によって、前記平面とは反対の方向20gへの旋回運動を制限されている(図21及び図22)。
【0036】
図24〜図27にはワイパアーム10iを備えたワイパ装置が示されており、この場合ワイパアーム10iは、板ばねによって形成されたワイパロッド12iと、単一の部材によって形成された固定ユニット14iとを有している。ワイパロッド12iは、その運転位置を起点として固定ユニット14iに対して相対的に、払拭される面によって描かれる平面の方向16hにおいて旋回可能に支承されている(図25及び図26)。固定ユニット14iを形成する部材は、駆動軸40iのための支承箇所42iを備えたほぼ円筒形の部分領域と、この円筒形の部分領域に接続していて下側に向かって開放したU字形成形体によって形成された延長部とを有している。ワイパロッド12iは、円筒形の部分領域に向いた端部に、切欠きによって弱められていて曲げ剛性の低い領域28iを有している。ワイパロッド12iは円筒形の部分領域に向いた端部で円筒部に固定されていて、領域28iはヒンジとして使用可能である。
【0037】
ワイパロッド12iは延長部の2つの脚によってその旋回運動を案内されており、かつ運転位置においては、両方の脚を結合しかつストッパ22iを形成する延長部の壁部分によって、前記平面とは反対の方向20iへの旋回運動を制限されている(図25及び図26)。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】負荷されていない状態におけるワイパ装置を斜め下から見た図である。
【図2】負荷された状態におけるワイパ装置を斜め上から見た図である。
【図3】図1のIIIで示された範囲を拡大して示す図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図2に示されたワイパ装置を衝突前の状態で示す側面図である。
【図7】図2に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す側面図である。
【図8】択一的な取付け位置における図2に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す側面図である。
【図9】ワイパ装置の択一的な構成を示す断面図である。
【図10】ワイパ装置の択一的な構成を示す断面図である。
【図11】ワイパ装置の択一的な構成を示す断面図である。
【図12】ワイパ装置の択一的な構成を示す断面図である。
【図13】図1とは異なった実施例によるジョイント部分を備えたワイパ装置を斜め上から見た図である。
【図14】図13に示されたワイパ装置の縦断面図である。
【図15】図14に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図である。
【図16】図1とは別の実施例によるワイパ装置であって、固定ユニットに旋回可能に支承されたワイパロッドを備えたワイパ装置を上から見た平面図である。
【図17】衝突前の状態におけるワイパ装置を図16のXVII−XVIIに沿って断面して示す図である。
【図18】図17に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図である。
【図19】図16に示されたワイパ装置のワイパロッドを、取り外された状態で示す図である。
【図20】図16とは別の実施例によるワイパ装置であって、膜ヒンジを備えたワイパ装置を上から見た平面図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿った断面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿った断面図である。
【図23】図21に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図である。
【図24】図20とは別の実施例によるワイパ装置であって、弱められていて剛性の低い領域を有するワイパロッドを備えたワイパ装置を上から見た平面図である。
【図25】図24のXXV−XXV線に沿った断面図である。
【図26】図25に示されたワイパ装置を衝突時の状態で示す断面図である。
【図27】図24に示されたワイパ装置のワイパロッドを、取り外された状態で示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10 ワイパアーム、 12 ワイパロッド、 14 固定ユニット、 16 方向、 18 目標破損個所、 20 方向、 22 ストッパ、 24 支承軸、 26 膜ヒンジ、 28 領域、 30 衝突保護エレメント、 32 係止結合部、 34 係止手段、 36 被せ嵌め方向、 38 係止手段、 40 駆動軸、 42 支承箇所、 44 ウインドシールドガラス、 46 脚、 48 脚、 50 脚、 52 脚、 54 固定部分、 56 ジョイント部分、 58 ジョイント軸、 K 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置であって、該ワイパ装置が、少なくとも1つのばね弾性的な部分領域を備えたワイパアーム(10a〜10i)を有しており、このワイパアーム(10a〜10i)がワイパロッド(12a〜12i)と、該ワイパロッド(12a〜12i)に結合された固定ユニット(14a〜14i)とを有している形式のものにおいて、固定ユニット(14a〜14i)の、ワイパアーム(10a〜10i)の自由端部に向いた端部において、少なくともワイパロッド(12a〜12i)が、少なくとも対象物(K)との衝突時のために、運転位置を起点として少なくとも、払拭される面によって描かれる平面の方向(16a〜16i)に変位可能に構成されていることを特徴とするワイパ装置。
【請求項2】
固定ユニット(14a)及び/又はワイパロッドが、衝突時における変位を可能にするために少なくとも1つの目標破損個所(18a)を有している、請求項1記載のワイパ装置。
【請求項3】
少なくともワイパロッド(12f〜12i)が、その運転位置を起点として、払拭される面によって描かれる平面の方向(16f〜16i)に、少なくとも衝突時に旋回可能に支承されて構成されている、請求項1又は2記載のワイパ装置。
【請求項4】
ワイパロッド(12f〜12i)が、その運転位置において、前記平面とは反対の方向(20f〜20i)に、ストッパ(22f〜22i)によって運動を制限されている、請求項3記載のワイパ装置。
【請求項5】
ワイパロッド(12g〜12i)が固定ユニット(14g〜14i)に対して相対的に旋回可能に支承されている、請求項3又は4記載のワイパ装置。
【請求項6】
ワイパロッド(12g)が固定ユニット(14g)の部材内に旋回可能に支承されている、請求項5記載のワイパ装置。
【請求項7】
ワイパロッド(12g)に支承軸(24g)が一体成形されている、請求項6記載のワイパ装置。
【請求項8】
ワイパロッド(12h)が膜ヒンジ(26h)を介して旋回可能に支承されている、請求項3記載のワイパ装置。
【請求項9】
ワイパロッド(12i)が、ヒンジとして使用可能である曲げ剛性の低い少なくとも1つの領域(28i)を有している、請求項3記載のワイパ装置。
【請求項10】
ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置であって、該ワイパ装置が、少なくとも1つのばね弾性的な部分領域を備えたワイパアーム(10a〜10e)を有しており、このワイパアーム(10a〜10e)がワイパロッド(12a〜12e)と、該ワイパロッド(12a〜12e)に結合された固定ユニット(14a〜14e)とを有している形式のワイパ装置、特に請求項1記載から9までのいずれか1項記載のワイパ装置において、ワイパロッド(12a〜12e)が少なくとも1つの領域において、衝突保護エレメント(30a〜30e)によって取り囲まれており、該衝突保護エレメント(30a〜30e)が当該領域におけるワイパロッド(12a〜12e)に比べて柔らかい材料から形成されていることを特徴とするワイパ装置。
【請求項11】
ワイパロッド(12a〜12e)が少なくとも、衝突保護エレメント(30a〜30e)によって取り囲まれている領域において、金属薄板から形成されている、請求項10記載のワイパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2006−519125(P2006−519125A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501462(P2006−501462)
【出願日】平成16年1月16日(2004.1.16)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000050
【国際公開番号】WO2004/076250
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】