説明

ワクチン組成物および方法

本発明は、生きた免疫細胞と共に、少なくとも1つのワクチン抗原を含む、医薬品ワクチン組成物に関連する。これらの免疫細胞は、活性化T細胞の少なくとも一部を含み、そしてアジュバントとして作用する。がん、感染性疾患および自己免疫疾患のような疾患を予防または処置するために、これらの医薬品組成物を使用する方法も含まれる。一実施形態において、アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物が提供され、このアジュバントは、少なくとも一部は活性化T細胞である生きた免疫細胞を含み、この組成物の宿主への投与はTh−1応答を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、2008年5月5日に出願された米国仮特許出願番号第61/050,294号および2009年5月2日に出願された同第61/049,990号に基づき、これらの利益を主張し、上記米国仮特許出願の内容は、その全容が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ワクチンの分野、そしてより具体的にはアジュバント添加(adjuvanted)ワクチン組成物に関連する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
慢性感染性疾患またはがんを処置するために、免疫系の力を利用することが、免疫療法の主な目的である。ワクチン接種(能動免疫療法としても知られる)を、侵入病原体を特異的に認識し侵入病原体から保護するための免疫系を活性化するためにデザインする。200年以上にわたって、天然痘、狂犬病、腸チフス、コレラ、ペスト、麻疹、水痘、耳下腺炎、ポリオ、B型肝炎および破傷風およびジフテリア毒素を含む、多くの感染性疾患を予防するために、能動免疫療法アプローチが使われてきた。
【0004】
能動免疫療法のコンセプトは、現在、既存の腫瘍を処置する意図かまたは腫瘍の再発を予防する意図で、治療的がんワクチンを開発するために適用されており、ならびに、慢性ウイルス感染の処置および予防にも適用されている。しかし、既存の能動免疫療法技術は、HIV/AIDS、B型肝炎およびがんのような、多くの現代のワクチン標的からの保護において、成功していない。これは、一つには、現在のワクチン接種技術が、正確な型の免疫応答を誘発することができないためである。
【0005】
感染または他の抗原性チャレンジに対して生じる免疫応答の型は、一般的に、その応答に関与する、ヘルパーT(Th)細胞のサブセットによって区別し得る。免疫応答を、大雑把に2つの型:Th1およびTh2に分け得る。Th1免疫活性化は、ウイルスのような細胞内感染に最適化され、そして感染細胞を溶解し得るナチュラルキラー(NK)細胞および細胞傷害性T細胞(Cytolytic T−cell(CTL))の活性化を含み、一方Th2免疫応答は、体液性(抗体)応答に最適化される。Th1免疫活性化は、がん治療のために最も高度に望ましく、そしてTh2免疫応答は、特異的抗体の分泌により向けられ、そして腫瘍治療での重要性は相対的に低い。先行技術のワクチン組成物は、Th2または体液性免疫応答の誘発に専門化され、それはがんおよびほとんどのウイルス性疾患に対して有効でない。
【0006】
アジュバントの使用は、ワクチン組成物において、抗原に対する免疫応答に影響を与えるための戦略である。アルミニウム塩、およびスクアレン水中油型エマルション(MF59)が、ヒトワクチンにおいて最も広く使用されるアジュバントである。これらのアジュバントは主に、抗原に対するTh2体液性(抗体)応答を促進し、そして血清抗体価の上昇に有効であるが、有意なTh1応答またはCTLを誘発しない。しかし、慢性感染(例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、結核、単純ヘルペスウイルス(HSV))およびがん細胞に対するワクチンは、保護および治療的効果のために、Th1細胞性免疫応答を生じる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術におけるいくつかの実験的な能動免疫療法技術およびプロトコールは、選んだ患者における腫瘍抗原に対して首尾よくTh1応答を誘発し、腫瘍または病原体感染細胞を特異的に殺す能力を有する、循環中のCTL免疫細胞の出現率の増加を引き起こすことが証明された。しかし、Th1応答を誘発する能力にも関わらず、腫瘍の回避メカニズムはこの免疫応答に勝り得、結果として腫瘍の進行を引き起こし得る。ウイルスも、免疫攻撃を回避するために多くの対策を展開し、免疫系の移動標的のままである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
1つの局面において、本発明は医薬品組成物を含む。その組成物は、アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含み、ここでそのアジュバントは、少なくとも一部は活性化T細胞である、生きた免疫細胞を含む。組成物の宿主への投与は、Th−1応答を生じる。
【0009】
別の局面において、本発明は、生きた免疫細胞を含むアジュバント組成物を含み、ここで免疫細胞の少なくとも一部は活性化T細胞である。そのアジュバント組成物の宿主への投与は、Th−1免疫応答を誘発する。
【0010】
さらに別の局面において、本発明は、医薬品組成物を作製する方法を含む。その方法は、T細胞の少なくとも一部を含む生きた免疫細胞を含むアジュバントを調製すること、および1つまたはそれより多い抗原をアジュバントと組み合わせることを含み、ここでその医薬品組成物は、宿主への投与に際し、宿主において免疫応答を刺激する。
【0011】
さらなる局面において、本発明は、宿主において疾患に関連するかまたは疾患を引き起こす抗原を低減する方法を含む。その方法は、アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物を投与することを含む。そのアジュバントは、T細胞の少なくとも一部を含む生きた免疫細胞を含み、ここでその医薬品組成物は、宿主への投与に際し、宿主において免疫応答を刺激する。
【0012】
さらに別の局面において、本発明は、患者において疾患を処置する方法を含む。その方法は、アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物を投与することを含む。そのアジュバントは、T細胞の少なくとも一部を含む生きた免疫細胞を含み、ここでその医薬品組成物は、患者への投与に際し、宿主において免疫応答を刺激する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1aは、規定組成物の投与後の、マウスの生存のグラフである。図1bは、規定組成物の投与後の、マウスの生存のグラフである。
【図2】図2aは、表示組成物の投与後の、マウスの生存のグラフである。図2bは、表示組成物の投与後の、マウスの生存のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
本発明は、医薬品ワクチン組成物、および患者において疾患に対する予防的および治療的Th1免疫を誘発し得る能動免疫療法の方法を提供し、同時に、疾患病原体および腫瘍の免疫回避メカニズムに打ち勝つ手段も提供する。本発明の医薬品組成物は一般的に:(1)1つまたはそれより多い抗原供給源;および(2)少なくとも一部がT細胞である、生きた活性化免疫細胞を含む。
【0015】
本発明において、患者のための新規ワクチンアジュバントが記載される。そのアジュバントを、1つまたはそれより多いワクチン抗原と混合して、医薬品組成物を形成し得る。いくつかの実施態様において、そのアジュバントを、免疫刺激薬として単独で使用し得る。その新規アジュバントは、生きた免疫細胞を含み、ここで少なくとも一部はT細胞である。そのT細胞は、好ましくは、Th1表現型(IFN−γを産生するがIL−4を産生しないCD4+ T細胞)のメモリーT細胞(CD45RO+、CD62LLo)である。メモリーTh1細胞は、処方および患者への導入のときに活性化される。好ましい活性化方法は、T細胞上のCD3およびCD28表面分子の架橋による。他の活性化方法も、本発明の範囲内である。活性化メモリーT細胞は、好ましくは、活性化されたときにCD40Lを発現し、そして大量の炎症性サイトカイン(IFN−γ、GM−CSF、およびTNF−αなど)を産生する。これらの活性化Th1メモリー細胞は、好ましくは、患者に対して同種異系である。
【0016】
医薬品ワクチン組成物は、一般的に、アジュバントと混合した少なくとも1つの抗原を含む。先行技術によると、アジュバントによって、ワクチンに存在する抗原によって誘発される免疫応答を増加させることは公知の行為である。本明細書中で言及されるようなアジュバントは、抗原の内因性の免疫原性を増加させ得る化合物である。「アジュバント」という用語はまた多くの場合、「免疫刺激薬」と同義語として使用される。
【0017】
がんおよび感染性疾患のような新しいワクチン標的のためのアジュバントは、ワクチン抗原に対し免疫原性を増加させるために必要とされるだけでなく、しばしばワクチン抗原に対する既存の免疫応答のTh2からTh1への偏向のためにも必要とされる。さらに、ワクチンの効能は、多くの場合この偏向した免疫応答の増幅を必要とする。本発明のワクチンアジュバント組成物は、これらの免疫調節性および免疫増強の性質を提供する。
【0018】
以下のものを含むいくつかのアジュバントは、抗原に対するTh1免疫を促進することが公知である:サポニン、BCG、リポソームおよび微粒子、ポリI:C、抗CD40mAb、同時刺激(co−stimulatory)分子、IC31、TLR9リガンド、KLH、CpG、α−ガラクトシルセラミド、TLR4アゴニスト、コレラ毒素、サイトカイン、ケモカイン、免疫刺激複合体(ISCOM)、LPS、分子アゴニスト(例えばNAIP、CIITA、HET−E、TP−1−ロイシンリッチリピート経路受容体のアゴニスト)、TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)アゴニスト、アラルミンならびに免疫低減サイトカインおよびTregの遮断薬。これらのアジュバントはそれぞれ、免疫調節もしくは免疫刺激のために、または免疫回避を無効にするために、必要な免疫学的イベントのカスケードの1レベルにおいて作用する能力を有する。しかし、上記アジュバントのうち、これらの全ての効果を有するために必要な性質を有するアジュバントは無い。
【0019】
本発明は、活性化免疫細胞、好ましくは、炎症性サイトカインを産生し、CD40Lを発現する、CD3およびCD28抗原の架橋によって活性化される同種異系Th1メモリー細胞が、強力な免疫調節物質および免疫刺激物質として作用するために必要な免疫カスケードにおける全ての成分を誘発し得るという発見に関連する。それに加えて、これらの活性化免疫細胞は、病理学的生物の能力およびがんの免疫攻撃を回避する能力に打ち勝つために、抑制性調節メカニズムに干渉し得る。これは、これらの細胞を理想的なアジュバントにする。
【0020】
活性化T細胞を伴なう1つまたはそれより多いワクチン抗原の医薬品組成物を、予防目的もしくは治療目的、またはその両方のために使用し得る。その組成物を、非経口経路、皮内経路、筋肉内経路、皮下経路、または粘膜経路を含む、ワクチンのために慣習的に使用されるかまたは推奨される全ての経路によって投与し得る。ある実施態様において、その組成物をまた、節内または腫瘍内に投与し得る。
【0021】
医薬品組成物の抗原成分は、1つまたはそれより多い抗原を含む。1つより多い抗原が医薬品組成物に含まれる場合、その抗原は同じ抗原供給源、または異なる抗原供給源由来であり得る。任意の抗原供給源を、その処方において使用し得、例えば、これらの抗原は、生きた細胞または生物から供給され得、その供給源物質は、細胞全体もしくは生物またはそれら由来の溶解物として使用され、照射不活性化された(または他の不活性化方法で不活性化された)、凍結/解凍溶解物であり得る。いくつかの好ましい実施態様において、腫瘍細胞または腫瘍細胞溶解物が、抗原の細胞供給源物質として役立ち得る。その細胞供給源物質は、自己もしくは同種異系細胞供給源由来、または細胞系統由来であり得る。抗原はまた、抗原をコードする裸のDNAまたはRNAから供給され得る。核の物質を、単独で使用してもよく、またはウイルスベクターへ組み込んでもよい。抗原供給源の別の例は、抗原を模倣する抗イディオタイプ抗体もしくはその部分、または抗原の構造を模倣する他の方法である。抗原パルスされた(antigen−pulsed)、またはトランスフェクトされた樹状細胞(DC)も、その医薬品組成物における抗原供給源であり得る。DCを、ペプチドもしくはタンパク質全体、組換え型タンパク質、または抗原をコードするmRNAもしくはDNAでパルスし得、またはDCを、抗原を含む細胞と融合させ得、またはDCを、抗原を含むレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルスのようなウイルスベクターでトランスフェクトし得、またはこれらの抗原供給源成分を、DC無しで単独で使用し得る。
【0022】
1つまたはそれより多い腫瘍関連抗原(TAA)も、その医薬品組成物において使用し得、TAAの例としては:MART−1、gp100、チロシナーゼ、MelanA、TRP−1、CDK−4のような腫瘍特異的変異遺伝子産物、β−カテニン、MUM−1、p53およびras(K−およびH−ras)のようながん遺伝子、MAGE、GAGE、およびNY−ESO1のようながん精巣抗原、MUC1のような過剰発現自己抗原、サイクリンB1、Her2−neu、CEA、WT、p53、SART−1、PRAME、p15、およびHPV E7のようなウイルス抗原、EBV由来抗原およびテロメラーゼが挙げられる。
【0023】
好ましい実施態様において、抗原性成分は、死んだ感染組織または腫瘍から単離された、1つまたはそれより多いシャペロンタンパク質(熱ショックタンパク質としても公知である)を含み得る。熱ショックタンパク質(HSP)は、細菌性、真菌性、および寄生虫性病原体に対する免疫応答の主な標的に含まれる。腫瘍由来熱ショックタンパク質(hsp)−ペプチド複合体(特にhsp70およびgrp94/gp96)は、有効なワクチンとして役立つことが示され、動物およびヒトにおいて抗腫瘍免疫応答を生じる。このアプローチは、多くの細胞プロセスにおける分子シャペロンとしてのその機能を司る、ストレスタンパク質のペプチド結合性質を利用する。
【0024】
細胞外環境におけるあるシャペロンも、ポリペプチドに付き添うその能力、および宿主の免疫系、特にプロフェッショナル抗原提示細胞と相互作用するその能力のために、先天免疫および適応免疫を調節し得る。腫瘍由来のHSPによるワクチン接種は、抗腫瘍応答を誘発し得、そして免疫抑制メカニズムをダウンレギュレートし得る。HSPの免疫原性は、それらが結合する抗原性ペプチド由来であり得る。
【0025】
抗原供給源として使用するためのシャペロンタンパク質の単離の好ましい方法が、米国特許第6,875,849号においてKatsantisによって記載される。さらなる方法が、米国特許第6,797,480号;同第6,187,312号;同第6,162,436号;同第6,139,841号;同第6,136,315号;および同第5,837,251号においてSrivastavaによって記載される。HSPをまた、ペプチド、細胞全体、または細胞溶解物を含む抗原でパルスし得る。
【0026】
1つの実施態様において、腫瘍由来シャペロンリッチ細胞溶解物(CRCL)を抗原供給源として使用し、そして下記の実施例において記載されたフリー溶液等電点電気泳動(free solution−isolectric focusing(FS−IEF))技術を用いて、腫瘍溶解物から主なシャペロンタンパク質を濃縮することによって得る。この技術は、従来の技術と比較して、最大5倍から20倍多い抗原性物質をより短い時間で得るための迅速および効率的な手順である。潜在的に限られた腫瘍供給源からの高い収率に関して、および腫瘍の採取から患者の処置までの迅速な回転時間に関して、臨床的な観点から、複数のシャペロン複合体濃縮のFS−IEF法が望ましくあり得る。
【0027】
腫瘍抗原の供給源としてCRCL関連ペプチドを用いることに多くの利点が存在する。最初に、それらは腫瘍特異的ペプチドの同定を必要としない。2番目に、それらは免疫後にポリクローナルTリンパ球応答を誘発し、免疫学的回避変異体の増殖を防ぐ。3番目に、それらは、一緒により強力かつ永続的な免疫応答を誘発する、MHCクラスI関連ペプチドおよびMHCクラスIIの両方またはヘルパーエピトープから成る。マウス12B1白血病およびA20B細胞白血病/リンパ腫を含む多くの動物モデルにおいて、CRCLワクチンは、明らかな抗腫瘍効果を示した。
【0028】
それに加えて、単独で、または担体タンパク質のような担体要素に結合体化して使用される、生きた弱毒化微生物全体、不活性化微生物、組換え型ペプチドおよびタンパク質、糖タンパク質、糖脂質、リポペプチド、合成ペプチド、または破裂した微生物、多糖類のような、微生物全体または微生物の一部を含む、ワクチンにおいて慣例的に使用される抗原も、本発明の医薬品組成物において使用し得る。
【0029】
一般的に、疾患の処置または予防のために使用し得る任意の抗原または抗原の組み合わせを、その医薬品組成物において使用し得る。感染性病原体由来の抗原も、抗原供給源として役立ち得、そして本明細書中で疾患を引き起こす抗原と呼ばれ得る。抗原が供給され得る疾患の例は:ジフテリア、破傷風、ポリオ、狂犬病、百日咳、A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎、EBV、CMV、ヘルペス1および2、黄熱、腸チフス、水疱、痘瘡(天然痘)、麻疹、耳下腺炎、風疹、日本脳炎、髄膜炎、インフルエンザ、肺炎球菌感染、ロタウイルス感染、AIDS(HIV1および2)、がん、HTLV1および2、梅毒、HPV、結核、ライム病、RSV感染、トリパノソーマ症、デング熱、マラリア、炭疽、エボラウイルス、野兎病、エルシニア、西ナイルウイルス、クラミジア、Neisseria gonorrheae、Streptococcus pneumoniae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、またはHaemophilus influenzaB型によって引き起こされる細菌性の病気、マラリア、リーシュマニア症、リステリア症等である。
【0030】
本発明の医薬品組成物において使用される活性化Th1メモリー細胞は、好ましくは正常なドナー血液由来である。本発明において使用するために適当な細胞の処理および産生のために好ましい方法が、Har−Noyによって、米国特許第7,435,592号および同第7,402,431号、ならびに係属中の米国特許第20050191291号において記載され、それらは本明細書中にその全容が参照によって援用される。
【0031】
本発明による医薬品組成物は、単一の病原体またはがんに対する免疫を意図した組成物であり得、すなわちそれは単一の病原体またはがん由来の1つまたはそれより多い抗原を含む。あるいは、それはいくつかの異なる病原体またはがんに対する免疫を意図した組成物であり得、本明細書中でワクチンコンビネーションと呼ばれる。
【0032】
本発明はまた、医薬品組成物を作製する方法を含む。その方法は、T細胞、好ましくは本明細書中で記載された活性化T細胞を含むアジュバントを調製することを含む。1つまたはそれより多い抗原を、アジュバントと組み合わせて、医薬品組成物を形成し得る。1つより多い抗原が組成物中に含まれる場合、その抗原は同じ抗原供給源、または異なる抗原供給源由来であり得る。医薬品組成物の投与は、宿主において、免疫応答、好ましくはTh−1応答を刺激し得る。
【0033】
投与前に活性化T細胞を医薬品組成物の抗原と組み合わせる場合、すなわちそれが医薬品組成物中に直接的に存在する場合、活性化T細胞のアジュバント作用を得ることができる。あるいは、アジュバントおよび抗原を、連続的な工程で、別々に投与し得る。例えば、まずアジュバントを、上で記載した技術のうちの任意の1つを用いて宿主へ投与し得る。アジュバントの投与後、宿主に抗原を投与し得る。好ましくは、そのアジュバントおよび抗原を、宿主へ投与する前に、組み合わせて1つの医薬品組成物へ形成する。
【0034】
本発明の医薬品組成物を、組成物中の抗原に対する適応性Th1免疫を生じるようデザインする。本発明の医薬品組成物を、既存の疾患を有する患者へ投与する場合、適応免疫応答が治療効果を有するために十分強力になるまで疾患をコントロールするために、強力な先天免疫応答を刺激することが望ましくあり得る。これを達成するために、アジュバント免疫細胞単独を、ワクチン組成物を投与するのと同時に、または投与後いつでも、静脈内投与し得る。
【0035】
組成物中のワクチン抗原に対する免疫応答が十分強力でない場合、さらなる追加免疫注射を施し得る。好ましくは、追加免疫注射は少なくとも3〜7日間離して、そしてより好ましくは7〜14日間離して行い得る。さらなる追加免疫注射を、月単位または年単位で必要に応じて施し得る。
【0036】
腫瘍および疾患生物の免疫破壊を回避する能力を無能力化し得る炎症性環境を維持するために、単独または抗原と共に処方された活性化Th1メモリー細胞のさらなる追加免疫注射を施し得る。同種異系Th1メモリー細胞を含む組成物で前もってワクチン接種した患者は、抗同種異系抗原免疫を発生し得る。続く同種異系細胞の注射は、抗同種異系抗原細胞のプールを活性化し得、それは免疫回避メカニズムを無能力化にするために必要な炎症性サイトカインを放出し得る。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
(マウス)
雌性BALB/c(H2)マウスを、National Cancer Institute(Bethesda、MD)から得て、そして7週齢で使用した。
【0038】
(Th1細胞(CD3/CD28架橋Th1細胞)の調製)
Balb/cマウスから脾臓細胞を採取し、そして赤血球の溶解のために塩化アンモニウム−カリウム(ACK)緩衝液で処理した。脾臓あたり約7千万−1億個の細胞を単離した。次いでCD4+ T細胞を、MSカラム(Miltenyi Biotec、Germany)上のCD4免疫磁気粒子を用いて、ポジティブセレクションによって精製し(純度>98%)、約800万−1200万個のCD4細胞を、50〜60%の収率で単離した。Th1メモリー細胞を、3:1の、最初のビーズ:CD4細胞比で、抗CD3および抗CD28コーティング常磁性ビーズ(CD3/CD28 T細胞エキスパンダー(expander)ビーズ、Dynal/Invitrogen)を用いた増殖によって産生した。精製したCD4細胞を、10%FBS、ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン、非必須アミノ酸(NEAA)(Biological Industries、Israel)および3.3mMのN−アセチル−システイン(NAC、Sigma)を含むRPMI1640培地(完全培地)中で、20IU/mLの組換え型マウス(rm)IL−2、20ng/mLのrmIL−7、および10ng/mLのrmIL−12(Peprotech、New Jersey)ならびに10μg/mLの抗マウスIL−4 mAb(Becton Dickenson)とインキュベートした。rmIL−2およびrmIL−7を含むさらなるサイトカインを含む完全培地を、3日目から6日目まで毎日CD4培地へ加え、細胞濃度を0.5〜1×10細胞/mLの間に維持した。さらなるCD3/CD28ビーズを、3日目から6日目まで毎日加えた。加えたビーズの数を計算して、細胞が増殖する間1:1のビーズ:細胞比を維持した。培養6日後、CD4細胞は約80から100倍に増殖し、そして物理的破壊および磁石上を通過させることによって、CD4細胞を採取および脱ビーズ化した(debead)。実験で使用した、採取した細胞の表現型は、>95% CD4+、CD45RBlo、CD62Llo、CD44hiであり、従って「メモリー細胞」と呼ぶ。
【0039】
(CD3/CD28架橋)
採取後および注射の前に、脱ビーズ化したTh1メモリー細胞を、2:1のビーズ:細胞比で、CD3/CD28 mAb結合体化微粒子(T細胞エキスパンダー、Dynal/Invitrogen)と、5%CO中で、37℃で4〜6時間、cRPMI中2×10細胞/mlの密度で培養した。4時間後、その細胞はIFN−γを産生し、そして細胞表面上のCD40LおよびFasLの発現をアップレギュレートした。これらの実験で使用した架橋Th1メモリー細胞は、細胞表面上にFasLおよびCD40Lを発現し、そして2000ng/ml/10細胞/6hを超えるIFN−γおよび20pg/ml/10細胞/6hより少ないIL−4を産生した。
【0040】
(12B1細胞系統)
マウス白血病細胞系統12B1を、ヒトbcr−abl(b)融合遺伝子によるBALB/c骨髄細胞のレトロウイルス形質転換によって得た。これらの細胞は、p210bcr−ablタンパク質を発現する。その細胞を、10%の熱不活性化胎仔ウシ血清(Gemini Bio−products、Woodland、CA)を添加したRPMI培地(Gibco/BRL、Gaithersburg、MD)中で、37℃および5%COで培養した。細胞を通常通りに試験し、そしてマイコプラズマの混入が無いことを見出した。
【0041】
(12B1腫瘍の産生)
注射のために、12B1細胞をまずPBS(Gibco/BRL)で3回洗浄し、次いで計測して5×10細胞/mLの濃度に調整した。雌性BALB/cマウスに、0.1mL(5×10細胞)を、右鼡径部に皮下注射し、そして腫瘍の発症に関してモニターした。
【0042】
(12B1腫瘍溶解物の調製)
12B1細胞培養からの腫瘍細胞ペレットを、液体窒素/37℃水浴槽における6回の凍結/解凍サイクルに供した。トリパンブルー排除を用いて、細胞の溶解を確認した。BCAアッセイを用いて、タンパク質濃度を決定した。タンパク質を、マウスの免疫のために滅菌PBS中で25μg/100μlに希釈した。
【0043】
(12B1シャペロンリッチ細胞溶解物(CRCL)の調製)
12B1を有するマウス由来の腫瘍を、ガラス−テフロン(登録商標)ホモジナイザーで、1gの腫瘍/5mlの緩衝液の比で、2μg/mlのロイペプチン、0.1mg/mlのPerfabloc、0.5mMのフェニルメチルスルホネートおよび1つの完全プロテアーゼインヒビターカクテル錠(全てRoche Molecular Biochemicals、Indianapolis、Ind.から)を含む、10mMのTris−Cl(pH7.4)/10mMのNaCl、0.1%の界面活性剤(等量のTritonX−100、TritonX−114およびIgepal CA−600、Sigma、St.Louis、Mo.)中でホモジナイズした。ホモジネートを10,000g、4℃で30分間遠心分離し、そして「溶解物」と呼ばれるサンプルを得た。その「溶解物」(上清)を、続いて100,000g、4℃で60分間遠心分離した。「高速」上清を、連続的に濃度を下げたホモジネーション緩衝液(これは、水で終わる)中に透析した。比色定量ビシンコニン酸アッセイ(BCA試薬、Pierce Endogen、Rockford、Ill.)を用いて、タンパク質濃度を決定し、そしてフリー溶液等電点電気泳動(FS−IEF)開始材料を、25mgのアリコートで凍結した。FS−IEFを、以下の修飾と共に実施した:発明者らは、両性電解質をRotolytes(Bio Rad Laboratories、Hercules、Calif.)で置換し、そして3.9〜5.6、4.5〜6.1、および5.1〜6.8のpH範囲を使用した(全部で30mlで、各pH範囲についてAおよびB試薬それぞれ5ml);発明者らは界面活性剤濃度を、TritonX−100、TritonX−114、およびIgepal CA−600に関してそれぞれ0.1%まで低減した;発明者らは、50mg/60mlではなく、60mlの全量の等電点泳動(isofocusing)混合物あたり、25mgの開始材料のみを添加した。尿素濃度(6M)は同じにし、そして等電点泳動条件も同じにしたが(15W定電力)、IEFの長さは5hに延長した。画分のSDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析を行い、そして4つの主な免疫原性シャペロン(GRP94/gp96、HSP90、HSP70およびカルレティキュリン)を全て含む画分をプールし、そして0.1×PBS、pH7.4中で2Mの尿素に対して透析し、続いて0.1×PBS中に透析した。標準物質としてウシ血清アルブミンを用いたBCAアッセイを用いて、タンパク質濃度を決定し、そしてマウスの免疫のために、滅菌PBS中でタンパク質を25μg/100μlに希釈した。
【0044】
(肝臓CRCLの調製)
上記で記載した手順を用いて、無処置のBalb/cマウスの肝臓から肝臓CRCLを調製した。マウスの免疫のために、滅菌PBS中でタンパク質を25μg/100μlに希釈した。
【0045】
(TuLy CRCL(12B1腫瘍溶解物/肝臓CRCL)の調製)
12B1腫瘍溶解物および肝臓CRCLを、1:1μgの比で混合し、そしてその混合物を4℃で一晩インキュベートした。マウスの免疫のために、滅菌PBS中でタンパク質を50μg/100μlに希釈した。
【0046】
(マウスの予防ワクチン接種)
80匹のBalb/cマウス(グループあたり8匹のマウス、10グループ)を使用した。腫瘍細胞接種の14および7日前に、マウスの足蹠の皮内(i.d.)にワクチン接種した。そのグループは以下の通りであった:
・コントロール:PBS100μl i.d.
・12B1溶解物:マウスあたり25μg/100μl i.d.
・肝臓CRCL:マウスあたり25μg/100μl i.d.
・12B1 CRCL:マウスあたり25μg/100μl i.d.
・TuLy CRCL(12B1腫瘍溶解物/肝臓CRCL):マウスあたり50μg/100μl i.d.
・活性化Th−1細胞:マウスあたり100μlのPBS中1×10細胞 i.d.
・活性化Th−1細胞+12B1溶解物:マウスあたり100μlのPBS中1×10細胞+25μgの溶解物 i.d.
・活性化Th−1細胞+肝臓CRCL:マウスあたり100μlのPBS中1×10細胞+25μgの肝臓CRCL i.d.
・活性化Th−1細胞+12B1 CRCL:マウスあたり100μlのPBS中1×10細胞+25μgの12B1 CRCL i.d.
・活性化Th−1細胞+TuLy CRCL−マウスあたり100μlのPBS中1×10細胞+50μgのTuLy CRCL i.d.。
【0047】
(腫瘍細胞の接種および腫瘍体積のモニタリング)
10個のグループ全てからのマウスの右鼡径部に、0日目に、5000個の12B1細胞/マウスをs.c.接種した。腫瘍体積を、2日ごとに決定した。腫瘍体積が4000mmに達した場合、マウスを安楽死させた。
【0048】
(結果)
腫瘍は、コントロールグループにおいて12日目に触知できるようになった。様々な治療の結果を、図1aおよび図1bに示す。
【0049】
6週後、コントロール、CD3/CD28架橋Th1細胞、12B1 CRCL、肝臓CRCL、12B1溶解物/肝臓CRCLおよびCD3/CD28架橋Th1細胞+12B1溶解物/肝臓CRCLグループにおいて、全てのマウスが死亡した。CD3/CD28架橋Th1細胞+12B1 CRCLの組み合わせのグループ(最も良いグループ)において50%のマウスが、CD3/CD28架橋Th1細胞+12B1溶解物グループにおいて25%が、12B1溶解物グループにおいて12.5%、およびCD3/CD28架橋Th1細胞+肝臓CRCLグループにおいて12.5%が、腫瘍を有さなかった。
【0050】
従って、CD3/CD28架橋Th1細胞および腫瘍由来CRCLを関連させることに明らかな利点が存在する。
【0051】
(実施例2)
この実施例において、腫瘍由来CRCLを、腫瘍特異的抗原の供給源として使用し、そしてアジュバントとして活性化CD4+Th−1細胞と組み合わせて、樹立した白血病を処置する。その方法は、上記(実施例1における)の方法と同様である。動物(グループあたり8匹のマウス)に、表示の処置を与えた。
【0052】
(予防的設定)
無処置のBalb/cマウスを、14および7日前に、PBS(コントロール)または12B1由来CRCL(12B1 CRCL、25μg/マウス)、またはCD3/CD28架橋Th1細胞、または12B1 CRCLプラスCD3/CD28架橋Th1細胞で、足蹠(皮内)注射によって処置した。0日目に、マウスに12B1白血病細胞(5,000細胞/マウス、左鼠径部へのs.c.注射)を接種した。生存パーセントを、図2Aに示す。
【0053】
(治療的設定)
CRCLプラスCD3/CD28架橋Th1細胞の組み合わせの治療的効能を規定するために、12B1腫瘍(0日目における左鼡径部への5000個の12B1細胞/マウスの接種)を樹立した。マウスを3、7、および14日目に、PBS、12B1 CRCL、CD3/CD28架橋Th1細胞単独またはCD3/CD28架橋Th1細胞プラスCRCLによって処置した。マウスの生存パーセントを図2Bに示す。
【0054】
その結果は、両方の設定において、CD3/CD28架橋Th1細胞プラスCRCLの組み合わせが、CRCLまたはCD3/CD28架橋Th1細胞の単独療法と比較して、マウスの生存を有意に改善することを示した。
【0055】
本発明は、好ましい実施態様を参照して記載されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変化させ得ることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物であって、該アジュバントが少なくとも一部は活性化T細胞である生きた免疫細胞を含み、該組成物の宿主への投与はTh−1応答を生じる、医薬品組成物。
【請求項2】
前記T細胞が、前記Th−1表現型のメモリーT細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記T細胞が、該T細胞上のCD3およびCD28表面分子の架橋によって活性化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記活性化T細胞が、CD40Lを発現する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記T細胞が、前記宿主に対して同種異系である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも2つの抗原が、前記アジュバントと組み合わせられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記1つまたはそれより多い抗原が、細胞全体、生物、細胞全体または生物の溶解物、裸のDNAまたはRNA、核の物質、ペプチドまたはタンパク質、抗体、抗原パルスまたはトランスフェクトされた樹状細胞から選択される抗原供給源由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記1つまたはそれより多い抗原が、1つまたはそれより多い腫瘍関連抗原を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記1つまたはそれより多い抗原が、1つまたはそれより多い熱ショックタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記1つまたはそれより多い抗原の供給源が、悪性腫瘍である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記1つまたはそれより多い抗原の前記供給源が、病原体由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
生きた免疫細胞を含むアジュバント組成物であって、該免疫細胞の少なくとも一部は活性化T細胞であり、該アジュバント組成物の宿主への投与はTh−1免疫応答を誘発する、アジュバント組成物。
【請求項13】
前記T細胞が、該T細胞上のCD3およびCD28表面分子の架橋によって活性化される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記T細胞が、CD40Lを発現する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
生きた免疫細胞を含むアジュバントを調製する工程であって、該免疫細胞はT細胞の少なくとも一部を含む、工程;および1つまたはそれより多い抗原を該アジュバントと組み合わせる工程を含む、医薬品組成物を作製する方法であって、該医薬品組成物は、宿主への投与に際し該宿主において免疫応答を刺激する、方法。
【請求項16】
前記アジュバントと前記1つまたはそれより多い抗原とが前記宿主への投与前に組み合わせられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
生じた前記免疫応答が、Th1応答である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記T細胞が、前記Th−1表現型のメモリーT細胞である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記T細胞が、活性化T細胞である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記T細胞が、該T細胞上のCD3およびCD28表面分子の架橋によって活性化される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記活性化T細胞が、CD40Lを発現する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記T細胞が、前記宿主に対して同種異系である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも2つの抗原が、前記アジュバントと組み合わせられる、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたはそれより多い抗原が、1つまたはそれより多い抗原供給源から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記抗原供給源が、細胞全体、生物、細胞全体または生物の溶解物、裸のDNAまたはRNA、核の物質、抗体、抗原パルスまたはトランスフェクトされた樹状細胞から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記1つまたはそれより多い抗原が、腫瘍関連抗原である、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記1つまたはそれより多い抗原が、熱ショックタンパク質である、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたはそれより多い抗原が、悪性腫瘍由来である、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたはそれより多い抗原が、疾患を引き起こす因子由来である、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物を投与する工程であって、該アジュバントは生きた免疫細胞を含み、該免疫細胞はT細胞の少なくとも一部を含む、工程を含む、宿主において疾患に関連するかまたは疾患を引き起こす抗原を低減する方法であって、該医薬品組成物は、該宿主への投与に際し該宿主において免疫応答を刺激する、方法。
【請求項31】
前記T細胞が、活性化T細胞である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記活性化T細胞が、CD40Lを発現する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記T細胞が、前記宿主に対して同種異系である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記医薬品組成物が、少なくとも2つの抗原を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記1つまたはそれより多い抗原が、腫瘍関連抗原である、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記1つまたはそれより多い抗原が、熱ショックタンパク質である、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記1つまたはそれより多い抗原が、悪性腫瘍由来である、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記1つまたはそれより多い抗原が、疾患を引き起こす抗原由来である、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
追加免疫組成物を投与する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記追加免疫が、少なくとも一部が活性化T細胞である生きた免疫細胞を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記追加免疫が、少なくとも一部が活性化T細胞である生きた免疫細胞および1つまたはそれより多い抗原を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記アジュバントと前記1つまたはそれより多い抗原とが前記宿主への投与前に組み合わせられる、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
前記アジュバントおよび前記1つまたはそれより多い抗原が、前記宿主へ連続的に投与される、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
アジュバントおよび1つまたはそれより多い抗原を含む医薬品組成物を投与する工程であって、該アジュバントは生きた免疫細胞を含み、該免疫細胞はT細胞の少なくとも一部を含む、工程を含む、患者の疾患を処置する方法であって、該医薬品組成物は、該患者への投与に際し該宿主において免疫応答を刺激する、方法。
【請求項45】
前記T細胞が、活性化T細胞である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記疾患が、がんである、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記疾患が、感染性病原体によって引き起こされる、請求項44に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−519869(P2011−519869A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507708(P2011−507708)
【出願日】平成21年5月4日(2009.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/042673
【国際公開番号】WO2009/135199
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(510290555)イミュノバティブ セラピーズ, リミテッド (4)
【Fターム(参考)】