説明

ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物、及びそれを用いたポリウレタン樹脂組成物

【課題】 良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることが可能なワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物及び前記組成物とポリイソシアネートとを反応してなるポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオール(A)を含むポリエステルポリオール組成物であって、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)の使用量が、全ポリオール成分の合計モル数に対して、10モル%以上であり、且つ、前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数が2.05〜3.00の範囲であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物、及びそれを用いたポリウレタン樹脂組成物に関する。更に詳しくは、高弾性、圧縮永久歪み、柔軟性、耐摩耗性、耐水性(耐加水分解性)等の優れた特性を有しており、例えば、フォーム、エラストマー、フィルム、接着剤、塗料等、広範囲に利用可能なワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物、及びそれを用いてなるポリウレタン樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリウレタン樹脂組成物は、高弾性、柔軟性、耐摩耗性等の優れた特性を有しているため、例えば、フォーム、エラストマー、合成皮革、繊維、フィルム、接着剤、塗料など、広範囲の用途に用いられてきた。
【0003】
ポリウレタン樹脂組成物は、一般に、主としてポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールとポリイソシアネート、必要により鎖伸長剤、発泡剤、整泡剤等の添加剤を用いて製造される。
【0004】
この内、原料としてポリエステルポリオールを用いたものは、ポリエーテルポリオールを用いたものに比べて、力学的物性、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性の点で優れる反面、特に耐水性(耐加水分解性)や防水性の点では劣るという問題があり、用途が制限される場合が多かった。
【0005】
かかる問題を解決するために、これまで種々の提案がなされてきた。
【0006】
主鎖に炭化水素基の側鎖を有する多価アルコールを必須成分とするグリコール構成成分とダイマー酸を必須成分とするカルボン酸構成成分とし、数平均分子量が700〜4000であるポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを必須成分として反応して得られる良好な防水性と柔軟性を有するポリウレタンが知られている(例えば特許文献1)。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の発明は、確かにその高い疎水性から耐水性(耐加水分解性)に関しては改善が認められたものの、ポリウレタン樹脂の最大の特長である反発弾性や圧縮永久歪み等の物性には劣るため、展開可能な用途が著しく制限されてしまい、実用上問題があった。
【0008】
また、ダイマー酸を50重量%以上含むポリカルボン酸成分および3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3MPD)を50重量%以上含むポリオール成分を含有するポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物が知られている(例えば特許文献2)。
【0009】
特許文献2記載の発明は、ポリエステルポリオール組成物の低温時の保存安定性が良好で、ポリイソシアネートと反応させることによって、柔軟性、電気特性、機械的物性、耐水性(耐加水分解性)が良好なポリウレタン樹脂を与えるという。
【0010】
しかしながら、特許文献2のポリウレタン樹脂組成物は、所謂、プレポリマー成形により得られ、例えば、平均官能基数が2以下のプレポリマーを合成した後、次いで、該プレポリマーにトリメチロールプロパン(TMP)等をウレタン結合形成のための鎖伸長剤として比較的多量に用いて反応させて得られるが、鎖伸長剤の使用量が多いためポリウレタン樹脂組成物の使用時の粘度が高くなりすぎて、ハンドリング性に劣り、しかも反発弾性にかなり劣るという問題があった。
【0011】
ところで、ポリウレタン樹脂組成物の成形方法には、一般に、プレポリマー成形とワンショット成形の2通りの方法がある。
【0012】
プレポリマー成形は、予め、ポリイソシアネートとポリオール〔例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3MPD)とダイマー酸との反応物〕とを反応(第1ステップ反応)させてプレポリマーとした後、次いで、前記プレポリマーと鎖伸長剤〔例えば、トリメチロールプロパン(TMP)〕とを反応(第2ステップ反応)させる二段反応であって、この場合、ポリマー分子中のTMP単位の周辺は主としてウレタン結合になる。
【0013】
これに対して、ワンショット成形は、ポリイソシアネートとポリオール〔例えば、3MPDとTMPとダイマー酸との反応物〕との一段反応であって、この場合、ポリマー分子中のTMP単位の周辺は主としてエステル結合になる。
【0014】
このように、プレポリマー成形とワンショット成形では、原料組成が同じであっても、最終的に得られるポリウレタン樹脂の微細構造が全く異なるために、ポリウレタン樹脂組成物の性能が相違する。
【0015】
以上のように、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを大幅に向上させることが可能なワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物と、前記ポリエステルポリオール組成物を用いてなるポリウレタン樹脂組成物の開発が切望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−212273号公報
【0017】
【特許文献2】特開平10−279675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることが可能なワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物、及び前記ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応してなるポリウレタン樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下「3MPD」とも言う。)と官能基数が3以上の多価アルコール(以下「多価アルコール」とも言う。)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオールを含むポリエステルポリオール組成物において、以下の2つの必須条件1及び2を特定の範囲内にすることにより、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができるワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物、及び、前記ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応してなるポリウレタン樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
〔必須条件1〕全ポリオール成分の合計モル数に対する3MPDの使用量(モル%)
〔必須条件2〕ポリエステルポリオールの平均官能基数
【0020】
即ち、本発明は、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオール(A)を含むポリエステルポリオール組成物であって、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)の使用量が、全ポリオール成分の合計モル数に対して、10モル%以上であり、且つ、前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数が2.05〜3.00の範囲であることを特徴とするワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物に関するものである。
【0021】
また、本発明は、前記ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物と、ポリイソシアネート(B)とを必須に反応して得られることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができる。また、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができるので、例えば、フォーム、エラストマー、フィルム、接着剤、塗料などの広範囲の用途に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物は、3MPD(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオール(A)を含むポリエステルポリオール組成物である。
【0024】
前記3MPD(a1)の使用量は、全ポリオール成分の合計モル数に対して、10モル%以上であり、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上である。前記3MPD(a1)の使用量が、10モル%以上であるならば、ハンドリング性と反発弾性に優れる。前記3MPD(a1)の使用量が10モル%未満の場合には、ポリエステルポリオール(A)が有する側鎖の量の低減と結晶性の上昇により、溶融粘度の上昇を招き、ハンドリング性が低下し、且つ、反発弾性も低下し、好ましくない。
【0025】
前記ポリエステルポリオール(A)は、ポリオール成分として3MPD(a1)と共に、官能基数が3以上の多価アルコール(a2)を必須に用いる。
【0026】
前記多価アルコール(a2)とは、三官能以上のポリオールであって、反応挙動や製品性能などに悪影響を与えなければ、その種類に特に制限はない。
【0027】
前記多価アルコール(a2)としては、従来公知のものが何れも使用でき、例えば、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ヘキサントリオール等の三官能成分、ペンタエリスリトール等の四官能成分、あるいは、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の二量体、ソルビトール、マンニトール等の糖類等が挙げられ、これらの中でも、ハンドリング性が良好な点から、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリンが好ましく、トリメチロールプロパン(TMP)がより好ましい。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記ポリエステルポリオール(A)の合成時の3MPD(a1)と多価アルコール(a2)のモル比は、好ましくは(a1)/(a2)=70/30〜99/1であり、より好ましくは75/25〜95/5である。前記モル比がかかる範囲であるならば、比較的低硬度であるにもかかわらず、反発弾性と圧縮永久歪みに優れるポリウレタン樹脂を得ることができる。前記(a1)/(a2)が99/1モル比よりも大きい場合は、前記(a1)に対して前記(a2)が充分でなく、架橋密度が低くなり過ぎ、圧縮永久歪みが高くなり、好ましくない。また、前記(a1)/(a2)が70/30モル比よりも小さい場合は、前記(a1)に対して前記(a2)が過剰過ぎるため、架橋密度が高くなり過ぎ、得られるポリエステルポリオールの溶融粘度が高くなり過ぎて、ハンドリング性に劣り、ゲル化の恐れもあり、好ましくない。
【0029】
本発明では、ポリエステルポリオール(A)を合成する際に、ポリオール成分として、前記3MPD(a1)と共に、本発明の目的を阻害しない範囲で、3MPD以外の水酸基含有二官能化合物(a3)を併用してもよい。
【0030】
前記3MPD以外の水酸基含有二官能化合物(a3)としては、特に制限はないが、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)へプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブチレングリコールなどが挙げられ、これらの中でも2−メチル−1,3−プロパンジオール(2MPD)、1,2−ブチレングリコール(1,2BG)などの側鎖にメチル基を有するグリコールが好ましく、2MPDがより好ましい。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0031】
また、前記3MPD以外の水酸基含有二官能化合物(a3)として、開環重合系ポリエステルポリオールを用いることができ、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物(即ち、ラクトン類)の開環重合により得られるポリカプロラクトンポリオール、ポリブチロラクトンポリオール等の開環重合系ポリエステルポリオールを挙げることができる。
【0032】
前記3MPD以外の水酸基含有二官能化合物(a3)は、任意成分であって、目的に応じて使用すればよく、その場合の使用量は前記(a1)と(a3)の合計モル数に対して、30モル%以下が好ましい。
【0033】
次に、必須成分であるダイマー酸(b)について、以下に述べる。
【0034】
本発明で用いるポリエステルポリオール(A)は、ポリカルボン酸成分として、ダイマー酸(b)を必須に用いて合成される。
【0035】
前記ポリカルボン酸成分の全てがダイマー酸(b)であってもよく、また、ダイマー酸(b)と共にダイマー酸以外のポリカルボン酸成分を、本発明の目的を阻害しない範囲で併用してもよい。
【0036】
前記ダイマー酸以外のポリカルボン酸成分としては、特に限定せず、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ポリカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ポリカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ポリカルボン酸等が挙げられ、これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記ポリエステルポリオール(A)は、3MPD(a1)と多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得ることができ、合成方法については公知慣用の方法を用いればよく、特に限定しない。
【0038】
前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数は、2.05〜3.00の範囲であり、好ましくは2.20〜3.00の範囲である。前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数がかかる範囲であるならば、適度な柔軟性(即ち、適度な硬度)を保持しつつ、反発弾性と圧縮永久歪みに優れる。前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数が、2.05未満の場合には、圧縮永久歪みに劣り、好ましくない。また、3.00を超える場合には、硬度が必要以上に上がりすぎて、弾性が充分に得られず反発弾性が低下し、好ましくない。
【0039】
前記ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量(以下、「Mn」とも言う。)は、好ましくは700〜10000の範囲、より好ましくは1000〜5000の範囲、更に好ましくは1000〜3000の範囲である。前記(A)のMnがかかる範囲であるならば、ハンドリング性、強度、弾性等の物性のバランスに優れる。前記(A)のMnが、700未満の場合には、弾性が不足になる傾向があり、好ましくない。また、前記(A)のMnが、10000を超える場合には、ハンドリング性が低下する傾向があり、好ましくない。
【0040】
前記ポリエステルポリオール(A)には、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステルポリオール以外のポリオールを、本発明の目的を阻害しない範囲で併用することができる。
【0041】
次に、本発明のポリウレタン樹脂組成物について、以下に説明する。
【0042】
一般に、ポリウレタン樹脂組成物の成形方法には、大別して、プレポリマー成形とワンショット成形の2通りの方法がある。
【0043】
プレポリマー成形では、予め、ポリイソシアネートとポリオールとを反応(第1ステップ反応)させてプレポリマーを合成した後、次いで、前記プレポリマーと鎖伸長剤とを反応(第2ステップ反応)させる二段反応である。
プレポリマー成形において、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3MPD)とダイマー酸とを反応させて、平均官能基数2以下のプレポリマーを合成した後、次いで、前記プレポリマーと鎖伸長剤〔例えば、トリメチロールプロパン(TMP)〕とを反応させる二段反応を行った場合、ポリウレタン分子中でTMP単位の周辺は、主としてウレタン結合になる。
【0044】
これに対して、本発明は、ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物を用いるものであって、ワンショット成形ではポリオールとポリイソシアネートとの一段反応を行う点に特徴がある。
本発明のワンショット成形では、3MPDとTMPとダイマー酸との反応物であるポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの一段反応を行った場合に、生成するポリウレタン分子中でTMP単位の周辺は、主としてエステル結合になる点に特徴がある。
これにより、プレポリマー成形と較べて、本発明のようにワンショット成形を行った場合には、特に優れた反発弾性を得ることができると共に、適度な柔軟性を維持することができる。
このように、ワンショット成形用とプレポリマー成形用では、ポリエステルポリオール組成物の原料組成が同じであったとしても、最終的に得られるポリエステルポリオールの分子構造が全く異なるために、得られるポリウレタン樹脂組成物の性能は相違する。
【0045】
本発明のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物では、3MPD(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオール(A)を含むポリエステルポリオール組成物において、全ポリオール成分の合計モル数に対する3MPDの使用量(モル%)、及び、ポリエステルポリオールの平均官能基数、という2つの必須条件を特定の範囲内におさめることにより、優れた疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができる。
【0046】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、前記ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネート(B)とを反応して得ることができる。
【0047】
前記ポリイソシアネート(B)としては、特に限定されず、従来公知のものが使用でき、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(略称MDI;その4,4’体、2,4’体又は2,2’体、若しくはそれらの混合物、クルードMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネ−ト(TDI;その2,4体、又は2,6体、若しくはそれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネ−ト、あるいはイソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)等の脂環族系ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。これらの中でも、適度な反応性、優れた機械的物性、弾性などの理由から、MDI、クルードMDIが好ましい。
【0048】
前記ポリウレタン樹脂組成物において、ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基のモル数を[NCO]、及び、水酸基のモル数を[OH]で表した場合に、モル比([NCO]/[OH])は、好ましくは0.90〜1.10の範囲であり、より好ましくは0,95〜1.05の範囲である。前記モル比がかかる範囲であれば、ポリウレタン樹脂の高分子量化が可能となり、優れた耐久性、弾性を得ることができる。
【0049】
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、通常のポリウレタン樹脂に使用される従来公知の各種添加剤を任意成分として含有することができる。
【0050】
かかる任意成分としては、特に限定しないが、例えば、触媒、可塑剤、酸化防止剤、脱泡剤、消泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、補強剤、充填剤、着色剤(染料または顔料)、離型剤、安定剤、光安定剤、電気絶縁性向上剤、防かび剤、有機酸の金属塩、ワックス(アミド系他)、金属酸化物、金属水酸化物などの増量剤などを挙げることができる。
【0051】
前記ポリウレタン樹脂組成物の調整方法は、特に限定しないが、例えば、ポリエステルポリオール(A)を必須成分とするワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネート(B)とを、一括若しくは分割にて、攪拌し混合して反応させる。その際に、各種添加剤などを任意の段階で添加し混合してもよい。また、必要に応じて真空脱泡処理することにより調製することもできる。
【0052】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができるので、例えば、フォーム、エラストマー、フィルム、接着剤、塗料などの広範囲の用途に用いることができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例により、一層具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。
尚、本発明で用いた測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
【0054】
〔ポリエステルポリオール(A)の溶融粘度の測定方法〕
合成例1〜9で得たポリエステルポリオール(A1)〜(A9)を夫々、50mlガラス瓶に入れ、オイルバスに浸し液温40℃に調整後、BM型粘度計(No.4ローター)を用いて、溶融粘度(mPa・s、40℃)を測定した。
【0055】
〔ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数の計算方法〕
合成例1〜9で得たポリエステルポリオール(A1)〜(A9)の平均官能基数は、夫々の数平均分子量(Mn)、酸価、水酸基価を基に下式に従い算出した。
(A)の平均官能基数 =(A)の数平均分子量 × (酸価+水酸基価)/56100
【0056】
〔ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量(Mn)の測定方法〕
高速液体クロマトグラフィー(東ソー株式会社製、HLC−8220)を用いて、標準分子量のポリスチレンを用いた検量線法によりポリエステルポリオール(A1)〜(A9)の数平均分子量(Mn)を測定した。
【0057】
〔ポリエステルポリオール(A)の耐加水分解性の測定方法〕
金属製シャーレにポリエステルポリオール(A1)〜(A9)を夫々、500ml缶に100g精秤し、その中にイオン交換水4gを精秤した。その缶を内温80℃に設定した乾燥機中に放置し、72時間後に取り出し、試料を濾取して乾燥後、下記の操作に従い、酸価を測定した。
100ml三角フラスコに試料を5g秤量し、中性溶剤30mlを加え、試料を溶解させる。これに指示薬としてフェノールフタレイン溶液を2,3滴加え、0.1mol/l水酸化カリウム・アルコール溶液にて滴定し、下式より試料の酸価を算出する。
酸価=V × F × 5.611 / S
V:0.1mol/l水酸化カリウム・アルコール溶液の使用量(ml)
F:0.1mol/l水酸化カリウム・アルコール溶液の力価
S:試料の採取量(g)
尚、試験前の初期酸価を「AN」、試験後の酸価を「AN」とし、下記の計算式に従い酸価上昇比を算出し、下記の基準により評価した。
酸価上昇比 = AN/AN
○:酸価上昇比2.5未満
△:酸価上昇比2.5以上5.0未満
×:5.0以上
【0058】
〔熱硬化性ポリウレタン成形品のJIS−A硬度の測定方法〕
後述の如く作成した熱硬化性ポリウレタン成形品(円柱体)を試験体として、日本工業規格 JIS K−7312に規定する硬さ試験に準じて、JIS−A硬度を測定した。
【0059】
〔熱硬化性ポリウレタン成形品の反発弾性の測定方法〕
後述の如く作成した熱硬化性ポリウレタン成形品(円柱体)を試験体として、日本工業規格 JIS K−7312に規定する反発弾性試験に準じて、反発弾性を測定した。
尚、反発弾性の測定結果を下記の基準により評価した。
○:20%以上
△:10%以上20%未満
×:10%未満
【0060】
〔熱硬化性ポリウレタン成形品の圧縮永久歪みの測定方法〕
後述の如く作成した熱硬化性ポリウレタン成形品(円柱体)を試験体として、日本工業規格 JIS K−7312に規定する圧縮永久ひずみ試験に準じて、圧縮永久ひずみを測定した。
尚、圧縮永久歪みの測定を下記の基準により評価した。
○:5%未満
△:5%以上10%未満
×:10%以上
【0061】
<ポリエステルポリオール(A1)〜(A9)の合成>
〔合成例1〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3MPD)(a1)216.9部とトリメチロールプロパン(TMP)(a2)12.9部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)831.8部、及び、触媒としてテトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.32、水酸基価60.9、平均官能基数2.20、Mn2018のポリエステルポリオール(A1)を得た。
【0062】
〔合成例2〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)181.9部とTMP(a2)51.5部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)828.0部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.28、水酸基価76.7、平均官能基数2.78、Mn2025のポリエステルポリオール(A2)を得た。
【0063】
〔合成例3〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)170.1部とTMP(a2)64.5部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)826.7部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.25、水酸基価81.3、平均官能基数2.98、Mn2048のポリエステルポリオール(A3)を得た。
【0064】
〔合成例4〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)189.6部とグリセリン(a2)36.0部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)841.6部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら、220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.34、水酸基価78.2、平均官能基数2.81、Mn2010のポリエステルポリオール(A4)を得た。
【0065】
〔合成例5〕
合成例5は必須成分である多価アルコール(a2)を用いず行った合成例である。
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)233.2部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)833.1部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.20、水酸基価55.7、平均官能基数2.00、Mn2010のポリエステルポリオール(A5)を得た。
【0066】
〔合成例6〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)112.7部とTMP(a2)127.8部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)820.4部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.30、水酸基価107.8、平均官能基数3.93、Mn2042のポリエステルポリオール(A6)を得た。
【0067】
〔合成例7〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)に代えて2−メチル−1,3−プロパンジオール(2MPD)228.5部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)833.2部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら、220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.17、水酸基価55.5、平均官能基数2.00、Mn2020のポリエステルポリオール(A7)を得た。
【0068】
〔合成例8〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)に代えて2−メチル−1,3−プロパンジオール(2MPD)205.2部とTMP(a2)25.8部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)830.5部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら、220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.31、水酸基価66.2、平均官能基数2.44、Mn2056のポリエステルポリオール(A8)を得た。
【0069】
〔合成例9〕
2L4つ口フラスコに、ポリオール成分として3MPD(a1)219.0部、ポリカルボン酸成分としてダイマー酸(b)781.0部、及び、テトラブチルチタネート0.01部仕込み、窒素導入管より窒素ブローしながら220℃で反応させた。
30時間反応後に、酸価0.18、水酸基価56.2、平均官能基数2.00、Mn2012のポリエステルポリオール(A9)を得た。
【0070】
〔実施例1〜4〕及び〔比較例1〜4〕
<ワンショット成形による成形品の作成>
実施例1〜4及び比較例1〜4として、前記合成例1〜8で得たポリエステルポリオール(A1)〜(A8)を含むワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物と、ポリイソシアネート(B)であるハイプロックス1225(クルードMDI、DIC株式会社製)とを、[NCO]/[OH]=1.05モル比の配合比に従い混合攪拌し、夫々、ワンショット成形用ポリウレタン樹脂組成物を混合液として調整し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。
次いで、それら金型を熱風乾燥機中、120℃で2時間加熱して樹脂を一次硬化させ、更に110℃で16時間加熱して二次硬化させ、熱硬化性ポリウレタン成形品(円柱体)を作製した。この成形品(円柱体)を上述の試験に供した。
評価結果を第1表及び第2表−1に記載した。
【0071】
第1表の実施例1〜4から、本発明のポリウレタン樹脂組成物を用いたワンショット成形品(円柱体)は、適度な柔軟性を有し、且つ、耐水性(耐加水分解性)、反発弾性、圧縮永久歪みに共に優れており、比較例に較べ、物理的な耐久性が求められる用途に対しても展開できることが判る。
【0072】
第2表−1から、比較例1は、反発弾性は高いものの、ポリエステルポリオール(A)を構成するポリオール成分が多価アルコール(a2)を用いておらず、二官能成分のみで構成されているため、圧縮永久歪みにかなり劣ることが判る。
比較例2は、ポリエステルポリオール(A)を構成するポリオール成分において、多価アルコール(a2)であるTMPの増量により平均官能基数が上限値3.00を超えて、著しく過剰となり、溶融粘度が高くなりすぎ、圧縮永久歪みは良好ではあるが、耐水性(耐加水分解性)、反発弾性、硬度にかなり劣ることが判る。
比較例3は、ポリエステルポリオール(A)を構成するポリオール成分として、3MPD(a1)の代わりに2MPDを用い、多価アルコール(a2)であるTMPを用いない実験結果であり、耐水性(耐加水分解性)、反発弾性、圧縮永久歪みに劣ることが判る。
比較例4は、3MPDの代わりに2MPDをTMPと併用した実験結果であり、耐水性(耐加水分解性)、反発弾性、硬度にかなり劣り、ウレタンエラストマーとしてのバランスに劣ることが判る。
【0073】
〔比較例5〕
<プレポリマー成形による成形品の作成>
比較例5では、以下の操作に従い、プレポリマー成形にて成形品を作成した。
2L四つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(A9)1000部とポリイソシアネート(B)であるハイプロックス1225(クルードMDI、DIC株式会社製)339部とを仕込み、80℃で3時間反応させ、NCO%が4.74のウレタンプレポリマーを得た。
次いで、このウレタンプレポリマーをTMP62.2部と[NCO]/[OH]=1.05になるよう混合攪拌し、ポリウレタン樹脂組成物を混合液として調整し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。
次いで、それら金型を熱風乾燥機中、120℃で2時間加熱して樹脂を一次硬化させ、更に110℃で16時間加熱して二次硬化させ、熱硬化性ポリウレタン成形品(円柱体)を作製した。この成形品(円柱体)を上述の試験に供した。
評価結果を第2表−2に記載した。
【0074】
第2表−2の比較例5は、プレポリマー成形による実験結果である。
比較例5は、実施例2(ワンショット成形用)とポリオール成分のモル比を同様にしてプレポリマー法にて成形評価したものだが、TMPを第2ステップ反応で追加するため、MDI−TMP−MDIのセグメントがより多く形成され、ワンショット成形法と比較して、成形物が硬くなり、反発弾性に劣ることが判る。
【0075】
これに対して、本発明のポリウレタン樹脂組成物を用いたワンショット成形(実施例1〜4)では、多価アルコール(a2)であるTMPは既にポリオール鎖にほぼ均一に組み込まれており、MDIで架橋させるだけなので、目的とする適度な柔軟性(即ち、適度な硬度)、反発弾性、圧縮永久歪みをバランスよく得ることができ、しかも優れた耐水性(耐加水分解性)をも具備することができる。
【0076】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができるので、例えば、フォーム、エラストマー、フィルム、接着剤、塗料などの広範囲の用途に用いることができる。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
第1表、第2表−1及び第2表−2に記載の略号は、下記を意味する。
3MPD ;3−メチル−1,5−ペンタンジオール
2MPD ;2−メチル−1,3−プロパンジオール
TMP ;トリメチロールプロパン
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物は、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、従来技術よりも反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、前記ワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られ、良好な疎水性を維持し耐水性(耐加水分解性)に優れ、適度な柔軟性を有し、且つ、反発弾性と圧縮永久歪みを向上させることができるので、例えば、フォーム、エラストマー、フィルム、接着剤、塗料などを代表とする広範囲の用途に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とを必須に含むポリオール成分と、ダイマー酸(b)を必須に含むポリカルボン酸成分とを反応して得られるポリエステルポリオール(A)を含むポリエステルポリオール組成物であって、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)の使用量が、全ポリオール成分の合計モル数に対して、10モル%以上であり、且つ、前記ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数が2.05〜3.00の範囲であることを特徴とするワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルポリオール(A)において、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)と官能基数が3以上の多価アルコール(a2)とのモル比が、(a1)/(a2)=70/30〜99/1の範囲である請求項1記載のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオール(A)において、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(a1)の使用量が、全ポリオール成分の合計モル数に対して、50モル%以上である請求項1記載のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のワンショット成形用ポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネート(B)とを必須に反応して得られることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。

【公開番号】特開2011−63749(P2011−63749A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216998(P2009−216998)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】