説明

ワンタッチ開閉キャップ装置

【課題】 本発明は、板ばね等の弾性部材がキャップ天板部の上面に占位して天板部の上面を商品表示等に使用する場合、その邪魔をしないようにすると共に、ヒンジ連結部に設けた弾性部材の弾性力がキャップの開き位置と閉じ位置を確実に位置決めするように安定して作用するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供しようとするものである。
【解決手段】 キャップ天板部11に連結されたキャップ蓋体20に連結回動部32をキャップ蓋体20の上面に突出しない位置に突設すると共に、連結回動部32の回動域内にばね弾性部材40を設け、キャップ蓋体20が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じ位置から開き位置、開き位置から閉じ位置にワンタッチで開閉するワンタッチ開閉キャップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップ装置は、キャップ天板部にキャップ蓋体を2個所のヒンジ連結部により開閉自在に連結すると共に、ヒンジ連結部の間にくの字に屈曲した板ばねを配してキャップ天板部にキャップ蓋体を連結し、板ばねの屈曲弾性を利用してキャップ蓋体をキャップ天板部にワンタッチで開閉するようにしていた(特許文献1参照)。
しかるに、この板ばねはキャップ天板部の上面に占位して設けなければならないものであった。
【0003】
また、天板表面全体を平板状にすることができるヒンジ連結部と板ばねの組み合わせ構造も提案されているが、板ばねの弾性力が開き位置と閉じ位置を確実に位置決めするには安定性に欠ける構造となっていた(特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開平9−150849公報
【特許文献2】特開平7−300148公報
【特許文献3】特開2003−321044公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、板ばね等の弾性部材がキャップ天板部の上面に占位して天板部の上面を商品表示等に使用する場合、その邪魔をしないようにすると共に、ヒンジ連結部に設けた弾性部材の弾性力がキャップの開き位置と閉じ位置を確実に位置決めするように安定して作用するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載のように、キャップ天板部に連結されたキャップ蓋体に該キャップ蓋体と一体に回動する連結回動部を設け、連結回動部をキャップ天板部に前記キャップ蓋体が該キャップ天板部を覆う閉止位置と該キャップ天板部を開口する開口位置とに往復回動可能に連結してなるキャップ装置において、キャップ蓋体の開閉に伴って回動する前記連結回動部をキャップ蓋体の上面に突出しない位置に設けると共に、該キャップ蓋体の上面から突出しない連結回動部の回動域内にばね弾性部材を設け、該ばね弾性部材のばね弾力を開閉境界位置を挟んで閉止位置方向又は開口位置方向に受ける前記連結回動部により、キャップ蓋体が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に平板ばねからなるばね弾性部材を設け、平板ばねに連結回動部を直接に当接せしめてなるワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に2個所以上の開口位置設定面を設けて平板ばねに当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に曲板ばねからなるばね弾性部材を設け、曲板ばねに開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を開閉境界位置を挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項5に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、曲板ばねに2個所以上の開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部にばね弾性部材のばね弾力を受けて連結回動部に当接する平面状又は曲面状のばね伝達部材を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1乃至7のいずれかに記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部にばね弾性変形を伴ってキャップ天板部側の該天板部、ばね弾性部材又はばね伝達部材に当接するばね弾性部材を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るワンタッチ開閉キャップ装置によれば、キャップ天板部に連結されたキャップ蓋体に該キャップ蓋体と一体に回動する連結回動部を設け、連結回動部をキャップ天板部に前記キャップ蓋体が該キャップ天板部を覆う閉止位置と該キャップ天板部を開口する開口位置とに往復回動可能に連結してなるキャップ装置において、キャップ蓋体の開閉に伴って回動する前記連結回動部をキャップ蓋体の上面に突出しない位置に突設すると共に、該連結回動部の回動域内にばね弾性部材を設け、該ばね弾性部材のばね弾力を開閉境界位置を挟んで閉止方向と開口位置方向に受けた前記連結回動部により、キャップ蓋体が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにした構成を有することにより、キャップ蓋体の上面に突出しない位置に設けた連結回動部を該連結回動部の回動域内に設けたばね弾性部材によって、板ばね等のばね弾性部材等がキャップ天板部の上面に占位することなく天板部の上面を商品表示等に有効に使用することができると共に、ばね弾性部材によって開閉境界位置を挟んで閉止方向又は開口位置方向にばね弾力を付与してキャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉することができ、キャップ蓋体に閉止位置及び開口位置のいずれにおいてもばね弾性部材のばね弾力を付与し、安定して閉止又は開口位置に維持することができる効果がある。
【0014】
なお、この場合、ばね弾性部材は、
1.平板状板ばねからなり、連結回動部の開閉境界位置設定部を間に挟んで閉止位置設定部と開口位置設定部が当接する構造、又は、2.板ばねが開閉境界位置設定部を間に挟んで閉止位置設定部と開口位置設定部を有する屈曲又は湾曲した構造からなり、これに連結回動部が当接する構造、又は、
3.ばね弾性部材が平板状又は屈曲・湾曲状の当接部材を介して連結回動部に当接する構造、又は、
4.ばね弾性部材が連結回動部側に設けてあり、連結回動部がばね弾性部材の弾性変形を伴ってキャップ天板部側の当接面に開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置とで当接する構造
が想定されている。
【0015】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けてなる構成を有することにより、連結回動部の開閉境界面を挟んで閉止位置設定面又は開口位置設定面にばね弾力を受けて、連結回動部を閉止方向又は開口位置方向にばね弾力を付与してキャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉することができ、キャップ蓋体に閉止位置及び開口位置のいずれにおいてもばね弾性部材のばね弾力を付与し、安定して閉止又は開口位置に維持することができる効果がある。
【0016】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に平板ばねからなるばね弾性部材を設け、平板ばねに連結回動部を直接に当接せしめてなる構成を有することにより、ばね弾性部材の構造を簡素にすることができると共に、ばね弾性部材のばね弾力を直接的に確実に連結回動部に伝達することができる効果がある。
【0017】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に2個所以上の開口位置設定面を設けて平板ばねに当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにした構成を有することにより、平板ばねによってキャップ蓋体を用途に応じて閉止位置から段階的に開くことができると共に、段階的に閉じることができる効果がある。
【0018】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に曲板ばねからなるばね弾性部材を設け、曲板ばねに開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を開閉境界位置を挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにした構成を有することにより、連結回動部を弾発する方向を曲板ばねの湾曲又は屈曲によって可変に設定し、キャップ蓋体を効率的に開閉操作することができる効果がある。
【0019】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項5に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、曲板ばねに2個所以上の開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにした構成を有することにより、連結回動部を弾発する方向を曲板ばねの湾曲又は屈曲によって2段階以上に可変に設定し、キャップ蓋体を効率的に段階的に開閉操作することができる効果がある。
【0020】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部にばね弾性部材のばね弾力を受けて連結回動部に当接する平面状又は曲面状のばね伝達部材を設けてなる構成を有することにより、板ばねを直接に転結回動部に当接させることなく、また、板ばね以外のコイルスプリングやゴム弾性部材によって平面状又は曲面状のばね伝達部材にばね弾性を付与して連結回動部を弾発して、キャップ蓋体が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにすることができる効果がある。
【0021】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1乃至7のいずれかに記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部にばね弾力を伴ってキャップ天板部側壁部、ばね弾性部材又はばね伝達部材に当接するばね弾性部材を設けてなる構成を有するから、キャップ天板部側壁部のような場合には連結回動部側のばね弾性部材のばね弾力によって、連結回動部を開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにすることができると共に、ばね弾性部材又はばね伝達部材に当接する場合にはばね弾力作用を円滑に増強する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係るワンタッチ開閉キャップ装置は、プラスチック成形されたキャップ本体10とキャップ蓋体20とを連結回動部30で連結した構成を具備し、図11及び図12に記載のように、キャップ本体10のキャップ天板部11を覆うキャップ蓋体20の上面21にヒンジ連結部や板ばねが突出しない構成からなり、キャップ蓋体20の上面21を、例えば、宣伝用に自由に使用することができるようにしたものである。
キャップ蓋体20の上面21の傾斜は、多数の容器に装着して並べて起立状態で展示販売する場合に、キャップ上面21の表面積を大きくして見易くする効果があるが、傾斜のない水平面状であっても、表面に段差や凹凸形状、曲面、図形や模様等を施したキャップ蓋体であっても勿論本発明のワンタッチ開閉キャップ装置に含まれるものである。
【0023】
キャップ本体10の一角には本発明の蓋体の回動連結機構の一実施例であるヒンジ連結部30を介してキャップ蓋体20が開閉自在に取り付けてある。即ち、本発明に係るキャップ蓋体20の回動連結機構は、蓋体が回転又は旋回を伴って開閉するものであれば良いから、一連結軸心を中心に開閉する実施例記載のヒンジ連結機構に限らず、従来公知の、例えば、連結軸心の平行移動を伴ってキャップ蓋体20が回動移動するような蓋体開閉機構も含まれるものである。
図示の実施例の場合、ヒンジ連結部30は、キャップ本体10に設けた後方が開放した横断面コ字形状のヒンジ取付枠31に、キャップ蓋体20の後端部に一体に突設した連結回動部32が回動軸33によって蓋体の閉止位置から開放位置まで往復回動自在に取り付けてある構成のものである。
【0024】
また、ヒンジ取付枠31の枠内34には、連結回動部32の先端部が当接する位置にばね弾性部材40が設けてあり、連結回動部32を閉止方向又は開口位置方向にばね弾力を付与してキャップ蓋体20を閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉することができると共に、キャップ蓋体20に閉止位置及び開口位置のいずれにおいてもばね弾性部材40のばね弾力を付与し、安定して閉止又は開口位置に維持することができるように構成してある。
なお、ばね弾性部材40は、キャップ本体10と同一のプラスチック素材で成形する場合には、キャップ本体10と一体成形することも可能であるが、ばね弾力等の関係で異なるプラスチック素材で別体に成形する場合には、成形したばね弾性部材40をヒンジ取付枠内34に後から嵌合固定する構成にすることも可能である。
【0025】
また、図示の実施例の場合、キャップ本体10は、ねじ装着機構15等により振り掛け容器に装着して使用し、キャップ天板部11に振り掛け孔12を具備している。これに対して、キャップ蓋体20は、その内側に前記振り掛け孔12に嵌合して密閉可能な孔栓22が突設してある。
キャップ蓋体20の外周には、ヒンジ連結部を除いて、内側に張り出した外縁部23が設けてあり、キャップ本体10のキャップ天板部11の外周に設けた外周凹部13に嵌合するように構成してある。また、外周凹部13の先端部には蓋体開放用のアンダーカット14が設けてある。
【実施例1】
【0026】
図1又は図2に記載の実施例1の場合、キャップ天板部11のヒンジ取付枠内34には、平板ばね41からなるばね弾性部材40を設けてあり、平板ばね41に連結回動部32を直接に当接せしめてある。連結回動部32には、平板ばね41に当接して回動軸33を中心に図1に記載のように反時針方向の閉止方向に回動力を受ける閉止方向設定面35と、回動軸33を中心に図2に記載のように、時針方向の開口方向に回動力を受ける開口方向設定面36とを、その中間の開閉中間位置面37を間にして設けて、開閉中間位置面37を境に、図1の閉止状態と図2の開口状態にキャップ蓋体20がワンタッチで作動するように構成してある。
【0027】
図示の実施例の場合、開口方向設定面36は円弧断面を有し、蓋体20は連結回動部32がキャップ本体10のストッパ枠16に当接して開口位置に停止して設定する構成にしてあるが、開口方向設定面36を閉止方向設定面35と同様に平面断面にして、蓋体20の開放位置を平板ばね41と開口位置設方向定面36との面接合により設定することも勿論可能である。なお、平面断面の閉止位置方向設定面35と平板ばね41とは、キャップ蓋体20がキャップ天板部11を確実に閉止する位置で相互に当接するように設定してあることは勿論であると共に、閉止方向設定面35を平面断面でなく屈曲又は湾曲断面にしてキャップ天板部11に圧接する構成にすることも勿論可能である。
【実施例2】
【0028】
図3又は図4に記載の実施例2の場合、キャップ天板部11のヒンジ取付枠内34には、曲板ばね42からなるばね弾性部材40を設けてあり、曲板ばね42に連結回動部32を直接に当接せしめてある。連結回動部32には、曲板ばね42に当接して回動軸33を中心に図3に記載のように反時針方向の閉止方向に回動力を受ける閉止方向設定面35と、回動軸33を中心に図4に記載のように、時針方向の開口方向に回動力を受ける開口方向設定面36とを、その中間の開閉中間位置面37を間にして設けて、開閉中間位置面37を境に、図1の閉止状態と図2の開口状態にキャップ蓋体20がワンタッチで作動するように構成してある。
【0029】
図示の実施例の場合、開口方向設定面36は円弧断面を有し、蓋体20は連結回動部32がキャップ本体10のストッパ枠16に当接して開口位置に停止して設定する構成にしてあるが、開口方向設定面36を曲板ばねと同様の曲面断面にして、蓋体20の開放位置を曲板ばね42と開口位置設方向定面36との面接合により設定することも勿論可能である。なお、平面断面の閉止位置方向設定面35と曲板ばね42とは、キャップ蓋体20がキャップ天板部11を確実に閉止する位置で相互に当接するように設定してあることは勿論であると共に、閉止方向設定面35を平面断面でなく屈曲又は湾曲断面にしてキャップ天板部11に圧接する構成にすることも勿論可能である。
【実施例3】
【0030】
図5、図6又は図7に記載の実施例3の場合、実施例1と同様にキャップ天板部11のヒンジ取付枠内34には、平板ばね41からなるばね弾性部材40を設けてあり、平板ばね41に連結回動部32を直接に当接せしめてある。連結回動部32には、平板ばね41に当接して回動軸33を中心に図5に記載のように反時針方向の閉止方向に回動力を受ける閉止方向設定面35と、回動軸33を中心に図7に記載のように時針方向の開口方向に回動力を受ける開口方向設定面36とを、その中間の開閉中間位置設定面38を間にして設けて、開閉中間位置設定面38を間に、図5の閉止状態と図7の開口状態にキャップ蓋体20がワンタッチで作動するように構成してある。
【0031】
開閉中間位置設定面38は、閉止方向設定面35に隣接して所定のほぼ30度〜ほぼ90度の開口角度隔てた平面断面からなり、図6に記載のように、平板ばね41に当接して停止し、キャップ蓋体20をキャップ天板11から前記の所定の角度開いた中間の開口状態に設定することができるように構成してある。
また、図示の実施例の場合、開口方向設定面36は、図7の記載から明らかなように屈曲断面を有し、平板ばね41に弾発されて蓋体20を連結回動部32がキャップ本体10のストッパ枠16に当接して開口位置に停止するように構成にしてある。
【0032】
しかし、開口方向設定面36を閉止方向設定面35又は開閉位置設定面38と同様に平面断面にして、蓋体20の開放位置を平板ばね41と開口方向設定面36との面接合により設定することも、円形断面のような湾曲断面にすることも勿論可能である。なお、平面断面の閉止位置方向設定面35と平板ばね41とは、キャップ蓋体20がキャップ天板部11を確実に閉止する位置で相互に当接するように設定してあることは勿論であると共に、閉止方向設定面35を平面断面でなく屈曲又は湾曲断面にしてキャップ天板部11に圧接する構成にすることも勿論可能である。
【実施例4】
【0033】
図8、図9又は図10に記載の実施例4の場合、実施例2と同様に、キャップ天板部11のヒンジ取付枠内34には、曲板ばね42からなるばね弾性部材40を設けてあり、曲板ばね42に連結回動部32を直接に当接せしめてある。曲板ばね42には、連結回動部32に当接して回動軸33を中心に図8に記載のように反時針方向の閉止方向に回動力を付与する閉止位置方向設定面43と、回動軸33を中心に図10に記載のように、時針方向の開口方向に回動力を付与する開口位置方向設定面44とを、その中間の開閉中間位置設定面45を間にして設けて、開閉中間位置設定面45を境に、図8の閉止状態と図10の開口状態にキャップ蓋体20がワンタッチで作動するように構成してある。
【0034】
曲板ばね42の開閉中間位置設定面45は、先端円弧状の連結回動部32の設定面39に対して隣り合う閉止方向設定面43及び開口方向設定面44の中間に位置して、図9に記載のように、連結回動部32の先端の凸円弧状設定面39が嵌合して停止する凹円弧状断面からなり、隣接するキャップ蓋体20の閉止位置又は開口位置からほぼ30度〜ほぼ90度の開口角度隔てた位置に設定してある。
【0035】
また、実施例の場合、図8又は図10に記載のように、連結回動部32に対して前記曲板ばね42の閉止方向設定面43は開閉中間位置設定面45の基部側の凸円弧状部に位置し、開口方向位置設定面44は先端側の凸円弧状部に位置して設けてある。
なお、この実施例で、キャップ蓋部20の開閉位置での強固な停止状態の維持や、迅速な開閉作動のために、開閉位置設定面45を凹角形状に設けると共に、連結回動部32の先端設定面39を離脱自在に嵌合するように凹凸を適宜に施すことも勿論可能である。
【実施例5】
【0036】
なお、上記実施例1〜4では、キャップ天板部11のヒンジ取付枠内34には、板ばね41,42からなるばね弾性部材40を設けて、ばね弾性部材40に連結回動部32を直接に当接せしめてある構成であるが、例えば、板ばね41,42と同形状の平板又は曲板を揺動自在にキャップ天板部11のヒンジ取付枠内34に設けると共に、平板又は曲板の背後にコイルスプリング、板ばね、ゴム又は合成樹脂製弾性部材等のばね弾性部材を設けて、平板又は曲板を、ばね弾性部材のばね弾力を受けて連結回動部に当接する平面状又は曲面状のばね伝達部材として構成し、実施例1〜4の板ばね以外のコイルスプリングやゴム弾性部材等によって平面状又は曲面状のばね伝達部材にばね弾性を付与して連結回動部を弾発して、キャップ蓋体が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにすることができる実施例も可能である。
【実施例6】
【0037】
また、上記実施例1〜5のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部32の先端部に、ばね弾力を伴ってばね弾性部材40又はばね伝達部材に当接するばね弾性部材を設けて、連結回動部32側のばね弾性部材のばね弾力を伴って、連結回動部を開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにすることができ、ばね弾性部材又はばね伝達部材に当接する場合にばね弾力作用を円滑に増強することができる実施例も可能である。
【実施例7】
【0038】
また、上記実施例1〜5のワンタッチ開閉キャップ装置において、板ばね41,42からなるばね弾性部材40を廃止して、連結回動部32の先端部に、ばね弾力を伴ってキャップ天板部11のヒンジ取付枠31に当接するばね弾性部材を設けて、回動軸33を中心に、連結回動部32側のばね弾性部材のばね弾力変形を伴って、連結回動部のばね弾性部材を、その先端部の開閉境界位置を間に挟んでその両側の閉止位置設定面と開口位置設定面と間でワンタッチに開閉するようにする実施例も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明装置の一実施例の要部を示す概略縦断側面図。
【図2】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図3】本発明装置の他の実施例の要部を示す概略縦断側面図。
【図4】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図5】本発明装置の他の実施例の要部を示す概略縦断側面図。
【図6】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図7】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図8】本発明装置の他の実施例の要部を示す概略縦断側面図。
【図9】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図10】その要部の他の使用態様を示す概略縦断側面図。
【図11】本発明装置の一実施例の要部を示す概略斜視図。
【図12】その要部の他の使用態様を示す概略斜視図。
【符号の説明】
【0040】
10 キャップ本体
11 キャップ天板部
12 振り掛け孔
13 外周凹部
14 アンダーカット
15 ねじ装着機構
16 ストッパ枠
20 キャップ蓋体
21 蓋体上面
22 孔栓
23 外縁部
30 ヒンジ連結部
31 ヒンジ取付枠
32 連結回動部
33 回動軸
34 ヒンジ取付枠内
35 閉止位置方向設定面
36 開口位置方向設定面
37 開閉中間位置面
38 開閉中間位置設定面
39 設定面
40 ばね弾性部材
41 平板ばね
42 曲板ばね
43 閉止位置方向設定面
44 開口位置方向設定面
45 開閉中間位置設定面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ天板部に連結されたキャップ蓋体に該キャップ蓋体と一体に回動する連結回動部を設け、連結回動部をキャップ天板部に前記キャップ蓋体が該キャップ天板部を覆う閉止位置と該キャップ天板部を開口する開口位置とに往復回動可能に連結してなるキャップ装置において、キャップ蓋体の開閉に伴って回動する前記連結回動部をキャップ蓋体の上面に突出しない位置に突設すると共に、該キャップ蓋体の上面から突出しない連結回動部の回動域内にばね弾性部材を設け、該ばね弾性部材のばね弾力を開閉境界位置を挟んで閉止位置方向又は開口位置方向に受ける前記連結回動部により、キャップ蓋体が開閉境界位置を間に挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に平板ばねからなるばね弾性部材を設け、平板ばねに連結回動部を直接に当接せしめてなるワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部に2個所以上の開口位置設定面を設けて板ばねに当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部に曲板ばねからなるばね弾性部材を設け、曲板ばねに開閉境界面を間に挟んで閉止位置設定面と開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を開閉境界位置を挟んで閉止位置と開口位置との間でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、曲板ばねに2個所以上の開口位置設定面を設けて連結回動部に当接せしめ、キャップ蓋体を閉止位置と開口位置との間で2段階以上でワンタッチに開閉するようにしたワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、キャップ天板部にばね弾性部材のばね弾力を受けて連結回動部に当接する平面状又は局面状のばね伝達部材を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のワンタッチ開閉キャップ装置において、連結回動部にばね弾性変形を伴ってキャップ天板部、ばね弾性部材又はばね伝達部材に当接するばね弾性部材を設けてなるワンタッチ開閉キャップ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−315712(P2006−315712A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139299(P2005−139299)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】