ワークピースの構造の変更
【課題】 ワークピース(1)の構造を変更する方法が提供される。
【解決手段】 本方法は、パワービームとワークピース(1)の間の相対的な移動を引き起こし、それによりワークピース(1)の領域(3)が溶融され、その溶融材料が移動されて、領域(3)の第1の場所に突起(2)を、その領域の異なる場所に孔(4)を形成する第1の工程を含む。その後溶融材料は、第1の工程の領域(3)を交差する各繰り返しに対応する領域で、第1の工程が1回又はそれ以上繰り返された後に、少なくとも一部固まることが可能となる。
【解決手段】 本方法は、パワービームとワークピース(1)の間の相対的な移動を引き起こし、それによりワークピース(1)の領域(3)が溶融され、その溶融材料が移動されて、領域(3)の第1の場所に突起(2)を、その領域の異なる場所に孔(4)を形成する第1の工程を含む。その後溶融材料は、第1の工程の領域(3)を交差する各繰り返しに対応する領域で、第1の工程が1回又はそれ以上繰り返された後に、少なくとも一部固まることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースの構造を変更する方法及び、変更されたワークピースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば表面変更のための電子ビーム(EB)及びレーザービームといったパワービームの使用はすでに既知である。材料の表面特性を変化させるいくつかの異なる方法が存在し、そこではパワービームがワークピースの表面上の材料を取り除く、化学的に変更する、又は移動するために使用される。これらのうちのいくつかは、すでに特許出願及び特許許可を受けている。
【0003】
液相を示す大抵の金属又はその他の材料に対する従来のEB穿孔処理では、その処理は以下のように適用される。第1に、高パワー密度のビームが材料に出口のない「鍵孔」を作る。この「鍵孔」は通常、狭く深い孔から成る。その孔の側面には、溶融された材料の層が存在する。その孔は、主に最高出力のビーム密度領域の沸点又はその付近の材料の蒸気圧により開かれて保持される。第2に、そのビームは、孔が出口がないよりもむしろ貫通するぐらい十分な長さの時間存在することが可能である。第3に、ビームがワークピースの裏面とぴったり合う基材に突き当たるように、ビームが同じ場所に少し長く存在することが可能である。この基材は揮発性であり、孔の側面から溶融された材料のほとんどすべてを排出する気体材料の爆発を作り出す。
【0004】
注目すべきは、この型の穿孔操作では清潔な「出口のない」孔を作ることができないことである。というのは、全ての液体材料を排出することのできる力が存在しないからである。
【0005】
液相を示さない材料の場合、又は化学的に直接気相に変換される材料の場合、穿孔又は切断操作は基材がなくても達成できる。この場合には出口のない孔が作られる。
【0006】
同様に、切断及び穿孔目的で溶融材料を移動させるために、気体の噴出が溶融材料に印加される「気体援助」もまた、例えばレーザーを使用する多くの場合に用いられる。
【0007】
基本的に不変の材料の垂直部をそのままにしておくためにワークピースの表面から材料を取り除くパワービームの使用を含む様々な方法が存在し、及びこのようにして機能的な表面が得られる。
【0008】
表面の機能性を変更するために、材料が液相に移動される技術もまた存在する。1つの変形では、材料は、移動するワークピースの表面に対して静止している、又は表面に対して参照の固定フレーム内のワークピースの動きと同一方向に移動するパワービームによりテクスチャー化される。このようにして、通常円形又は細長い形状の浅い孔が、おおよそ均一に持ち上がった縁とともに作られる。この型の特徴を組み込む表面テクスチャーは、製鋼所で使用されるロールの準備に利用され、そこではテクスチャーが圧延鋼材に与えられる。
【0009】
第2の「表面のテクスチャー化」処理では、電子(又はレーザー)ビームが、各孔の場所で多数の方向に操作され、その結果として移動された材料が特定の方法で処理される。以前の特徴が依然溶融され、又は少なくともかなり熱い一方で隣接する特徴が作り出される場合、異なる孔から移動された溶融材料が組み合わされる、又は表面全体が十分に溶融される。従ってこの第2の技術は、幅広い種類の機能的な表面を作ることができる。これはGB−A−2375728に記載されている。
【0010】
上記で概説された材料移動技術は両方とも、特徴的な表面を作り出す傾向にある。前者の場合、移動された材料は、孔が径に対して比較的浅い場合にのみ均一に分布される。第2の場合、孔から移動される材料が理にかなったやり方で孔から取り除かれるならば、孔はその幅に対して同程度の深さである。孔から移動された材料は、単独で又は隣接する孔から移動された他の溶融材料と組み合わさって、特徴的な形状に固まる。これらは、それらの形状がある程度表面張力により決定されると言う事実のみ互いに似ている。
【0011】
大抵の金属において、移動された材料は球形に準ずる形状に適応することが可能である傾向にある。移動された材料と基板間の結合は、及び従って再配置された移動された材料の形状は、基板と移動された材料の両方の接液領域及び温度により影響を及ぼされる。全体的な効果は大抵の金属に及び、元の基板表面上の直立する特徴は、それらの高さ/幅の比率に制限される。特に、元の基板表面上の再配置された材料の任意の所定領域の高さは、その幅を大幅に超えることはありそうにない。
【0012】
本発明では、新たなパワービーム処理が記載され、その際、新規の型の構造を作り出すために、新規の処理が液相の材料を主に移動させるために使用される。本発明では、ワークピース上の2つ又はそれ以上の場所が、2又は好ましくは多数の場合に特定の方法で、移動するパワービームにさらされる。記載された以前の方法とは対照的に、それぞれの場所から移動された材料は、パワービームが同時に又は即座に隣接する場所で再び使用される前に、新しい場所で実質的に固まることが可能である。
【0013】
この効果は、ビームの1巡回からワークピース表面上の特定の場所まで移動される材料が、その後に更に移動された材料により重ねられることである。これは同じ場所からの更なる材料である、又は代わりの場所から移動された更なる材料である。同様に、材料移動の結果として形成される孔もまた重ねられて、新しい型の構造を作り出す。
【0014】
その技術は新しい表面構造の製造に限定されない、というのは、その技術はバルク材料の真の構造変更をもたらすようにワークピース内深くにある構造を変更するためにも使用できるからである。
【0015】
この新規の処理の結果は、上述された固められた材料(及び作り出された孔)の形状に課せられる通常の制約がもはや明らかでないということである。この技術を使用すると、新たな特徴が、ビームの特定場所への連続する巡回を使用することにより表面上に「成長する」。深い孔もまた材料内に形成され、これらは対応する局部的な表面突出部又は移動された材料に適合する平坦域を伴う。こうした特徴は、既存の技術により製造される特徴とは対照的に、幅より何倍も高さ/深さが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の第1の側面によると、ワークピースの構造を変更する方法は、
1)パワービームとワークピース間に相対的な動きを引き起こし、それによりワークピースの領域が溶融され、溶融材料がその領域の第1の場所で突起を形成するために及びその領域の異なる場所で孔を形成するために移動され、
2)溶融材料が少なくとも一部固まることを可能にし、及び従って
3)1回又はそれ以上の回数工程1)を繰り返し、各繰り返しに対応する領域が工程1)の領域と交差することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、本発明はワークピースの構造を変更する新たな方法を提供し、これはバルク及び/又は表面構造の変更を含む。
【0018】
本方法を使用して形成される突起は、こぶ、スパイク、平坦域などといった多くの異なる形状をとる。同様に孔も様々な異なる形状でありうる。これらは貫通する孔、出口のない孔、空洞、くぼみ、チャネル、凹部及びさらに空隙率を与える密閉された孔を含む。これらの突起及び孔のいくつかの具体的な例がのちに論じられる。これらの特徴のそれぞれは、一般にその特徴を取り囲む、すぐ近くの材料の形状に応じて画定される。従って、突起はワークピース内部の孔の中に作られ、同様に、孔は通常のワークピース表面周りに立つ突起内に形成される。孔はまた、既存の孔を画定する内部表面にも形成され、及び同様に突起は他の突起に積み重ねられる。
【0019】
本方法は、局部的な又は広範囲に及ぶ方法でワークピースの構造を根本的に変える手段を提供する。立ち代って、これは局部的な又は広範囲に及び特性を制御するために使用できる。以下のバルク(等方性/異方性)及び/又は表面特性は、電気的、磁気的、機械的、化学的、ロードベアリング、湿潤、摩擦、弾性、温度、放射、空気力学的、流体力学的、変形、ヒステリシス、密度、収率、構造、結晶学的配向性、腐食、接着といった方法を使用して変更される特性のいくつかの例である。
【0020】
ワークピースそれ自体は、通常単一材料のワークピースである。しかし、領域が部品ワークピース間のインターフェースに及ぶ場合には、複合ワークピースとして、2つ又はそれ以上のワークピースの形状をとる。このようにして、本方法は、例えば部品ワークピース間の電気的結合を提供するのに有益であるワークピースを一緒に接合するために使用できる。
【0021】
溶融された領域は多くの形状をとる。それぞれの領域は、好ましくは、開始位置から終了位置までの経路に沿ってワークピースに対して進行する原因となるビームにより画定される。従って、こうした形状の領域は細長い領域を含み、それは全体に又は一部湾曲する又は直線的であり、移動される相対的なビームの動きの開始及び終了位置を有する。好ましくは、こうした経路の長さは従って、実質的に少なくとも3つ分のビームの径である。細長い領域の最も単純な例は、直線状の領域である。しかし、溶融領域の他の形状は、円を画定する円周方向の経路の様々な一部分といった湾曲及びループを含む。
【0022】
通常、突起及び孔の場所がビーム経路の反対の端部であるように、ビームは特定の経路をたどる。しかし、処理に関連する物理的過程のために、突起は通常ビーム経路の始まりで形成され、孔は終了端部で形成される。それぞれの場合の溶融材料は問題となっている領域と実質的に同一空間を占めるやり方で流れる。しかし、こうした合致は、それが形成される固定マトリクスの材料と比較して、液相の大きな体積の材料に起因する、及び処理のフロー力学に起因する。
【0023】
いくつかの場合、1つ又はそれ以上の続いて起こる工程で、ワークピースに対するビームによりとられる様々な経路は同一ではない。これにより異なる形状の特徴が作り出されることが可能となる。代替案として、工程3)のそれぞれの領域は、工程1)の領域と実質上同一空間を占める。
【0024】
本方法はまた、1つ又はそれ以上のグループの領域を含み、各グループは工程1)の領域と交差する。この場合、各グループの孔は、工程1)の領域の孔と実質上同一空間を占めるように配置される。突起も同様に合致して配置される。その領域のグループもまた規則正しい配列で配置される。
【0025】
各領域の少なくとも一部の固化には、関連した限定時間があり、パワービームの効率的な使用は、こうした固化の間に基板上の他の場所で1つ又はそれ以上の領域を形成することによりもたらされる。
【0026】
被覆が提供されるといった、1つ以上の材料から形成されるワークピースもまた、合金が本方法の実行の間に形成されるように使用される。1つ又はそれ以上の更なる材料が、合金化を達成するために本方法の実行の間に加えられ、例えば本方法はまた、適切な合金化を提供するために気体雰囲気で実行される。
【0027】
様々な突起形態が本方法を使用して生じ、例えば交差する領域がワークピース表面を張り出す突起を形成するように配置される。これらは、表面が接合に関与し、従って接合効果が増大するときにフックとして作動する。こうした突出部はまた、表面に直立する構造を形成するために凝集される。例えば、多数の張り出している突出部はワークピース表面上のループを形成するために使用される。
【0028】
いくつかの場合、形成される孔及び突起が滑らかな表面を有することが望ましい。実際、適切なパラメータを使用して、多くの材料の中でこれらの構造、特に孔が、(この後記載される図面で説明されるように)著しく滑らかな表面で形成できる。更なる又は代替的な平滑化手段として、パワービームのエネルギー密度が、工程3)の間に、1つ又はそれ以上の以前のビームの動きに対して削減され、それにより形成される突起及び/又は孔の縁を滑らかにする。
【0029】
本発明の更に重要な適用は、特に金属及び複合体といった異なる材料のワークピースの接合にある。絶対的にではないが、金属には金属接合が、プラスチックにはプラスチック接合が、セラミックにはセラミック接合が及びそれらの組み合わせが適切である。
【0030】
金属部品と比較した複合体構造の利点は、当業者には良く知られている。しかし、根本的な特性の限界又は産業の保守主義及び/又は製造上の不利益によりそれらの使用が妨げられてきた事例が依然多く存在する。このことを考慮して、最も効果的な方法で複合体と他の材料を組み合わせる妥協案が追求される。これの最も一般的な例が、機械的な締め付け及び接着の組み合わせを通じたものである。
【0031】
こうした複合型の接合は、航空宇宙及び自動車といった幅広い種類の業種にわたり広く使用される。しかし、それらの限界は十分に文書化されており、最も重要なのは、孤立して接着を使用することとは対照的な効率的で滑らかな荷重伝達の欠如である。これらの限界は、複合材料を使用するという元の目的をしばしば打ち負かす設計を通じて取り組まれる。
【0032】
US−A−H788は、金属にプラスチックを接着する方法の一例を開示し、その際孔が化学的エッチング処理又はミリングにより金属の表面に形成される。これらの孔は、少なくとも部分的に、エッチングの深さで幅を増大し、それによりプラスチック層が適用されるとき、プラスチック層が金属表面とかみ合う。
【0033】
CA−A−2302964(通常EP−A−1048442及びEP−A−1197316に対応する)は、プラスチックに金属を接合する別の方法を記載し、その際孔は繊維がループする金属部材に提供される。
【0034】
US−A−5691391は、円材上のプラスチックブレードの射出成型を記載している。US−A−5118257は、溝付きの金属部材の複合タービンブレードへの接合を開示している。
【0035】
本発明の第2の側面によると、1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合するために部材形状のワークピースを準備する方法は、本発明の第1の側面による方法を使用して、表面の多数の孔及び/又は部材の大部分を形成すること、及び部材表面から外へ向かう突起を形成することを含む。
【0036】
従って、部材は本発明の方法に従って処理された特定のワークピースである、又はその部材は、間に座る及び他のワークピースの望ましい接合をもたらすように設計される中間材を含む。従って、本発明は、かなり異なる特性を有する金属と複合体といった異なるワークピースの接合に特に適している。
【0037】
従って、構造変更方法は材料の接合に重要な利点を提供し、それは部材(ワークピース)と1つ又はそれ以上の更なるワークピース間にある。特に、これは孔の寸法、形状又は相対的配置のうちの1つ又はそれ以上、及び/又は突起の寸法、形状、相対的配置又は化学組成のうちの1つ又はそれ以上により達成され、それらは所定の方法で制御される。従って、多くの異なる型の突起及び孔が意図される、というのは、本方法は、多数の材料の型の接合に適合可能だからである。
【0038】
好ましくは、突起及び/又は孔は、部材が接合されるワークピースと機械的に結合するように形成される。部材の至るところにある突起及び/又は孔は、ワークピース材料との最適な機械的連結を作るために調整される。
【0039】
例えば、金属部材を連続的な繊維複合ワークピースに接合する場合、金属製の突起が繊維を取り込むために湾曲され、及び複合体の処理の間又は接合部が圧力をかけられたときの処理後の動きを妨げる。孔は、ポリマー、及び可能的に繊維の端部が孔に流れ込むことを可能にする寸法であり、複合体の処理後に取り込まれたままである。金属製部材の金属製ワークピースへの接着の場合、接着剤が孔に流れ込み、硬化後の機械的連結を改善する。従って、接着剤の使用が望ましい処理では、孔は接着剤に適合する適切な寸法に配置される。
【0040】
突起はワークピース内の補完的な構造と相互作用するように配置される。従って、その突起はワークピースの内部特徴(それが孔であろうとそうでなかろうと)に適合するように調整される。部材が形状記憶金属を含む1つの特定のアプリケーションでは、突起及び孔の形状は接合部の準備の間又はその後に選択される。
【0041】
本方法に適合させることにより更なる利点が提供され、それにより形成される突起及び/又は孔が、ワークピースと部材ワークピース間の接合部内の任意の応力を分配するようにワークピースと協働し、従って接合部内の応力集中を削減する。通常、対応するワークピースに深く貫通する突起が、この場合に望ましい。
【0042】
さらに、突起及び/又は孔は所定の局部的な機械的特性、物理的特性又は温度特性を提供するように配置される。従って、本方法は部材と接合されるワークピース間の特性の合致をもたらすように使用できる。通常こうした場合、突起及び/又は孔は、部材の一部が使用するときに接合されるワークピースの部材と実質的に同一の部材の一部に局部的な温度及び/又は機械的特性を引き起こすように、部材の一部に配置される。この例は、ワークピースと接触する一部がワークピースのそれと実質上同一の機械的及び/又は物理的及び/又は温度特性を有するように、部材の特性が格付けされるということである。この技術は、熱膨張率及びその係数といった特性の不一致のために接合部で起こる応力集中を削減できる又は防ぐことができる。
【0043】
任意の熱処理のように、本発明による方法はワークピース内の応力を誘発する。処理の特徴、場所及びタイミングを調節することにより、これらの応力はワークピースの歪曲を制御するために使用される。
【0044】
本方法から続く更なる利点は、突起及び/又は孔が不具合のある接合方法を制御するように配置できることである。これは、不具合前の増大したエネルギー吸収といった多くの利点を提供し、接合部の部分的な不具合が接合部の過重負担能力の削減を引き起こさないことを確実にし、及び損害は不具合が発生する前に検知可能であることを確実にする。この例は、金属部材を繊維強化されたポリマー複合材料に接合する場合である。接合部の設計を通じて、不具合が金属部材のプラスチック歪曲として始まるように作られ、それは不具合の前に検知でき、及び大量のエネルギーを吸収できる。これは、複合材料の不安定な不具合に対して好ましく、それは突然のものであり検知できない。
【0045】
部材の物理的形状は、好ましくは、一旦形成された接合部の機械的機能を最大にするように配置される。本発明は、幅広い種類の接合構造の利益を提供する。可能な構造の例は、図31に提供される。接合部はまた、これらの接合構造の複合又は組み合わせからも成る。
【0046】
本発明の第3の側面によると、本発明の第1又は第2の側面による方法を使用して処理されるワークピースが提供される。本方法を使用して処理されたワークピースはすべて、こうして処理されたワークピースとその他との接合に起因する大きい構造を含み、本発明内で補完される。
【0047】
本発明の第4の側面によると、本発明の第2の側面により変更された第1のワークピースと1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合する方法が提供される。本方法は、本発明の第2の側面による方法を使用して接合する第1のワークピースを準備すること、及びその後そのように準備された第1のワークピースと更なるワークピースを接合することを含む。更なるワークピースと接合されるワークピースの表面の一部又はすべてがこのように処理される。
【0048】
一旦形成されると、ワークピースは、溶接、接着及び硬化といった当業者に既知の任意の接合技術を使用して他の部材と更に接合される。1つの繊維強化された高分子化合物材料と別の又は任意の他の材料との接合の場合、接合処理が複合体の処理と同時に行われ、及び樹脂は使用される唯一の接着剤である又はそうではない。
【0049】
接着特徴を改善する及び保持するような方法で接合する前に、ワークピース(部材)表面を前もって処理することが必要である。これは、これらに限定されないが、すべて当業者に既知であるエッチング処理、陽極酸化処理、樹脂被覆及び接着剤注入といった更なる処理を必要とする。
【0050】
本方法の好ましい適用は、繊維強化された高分子化合物構造と金属を接合することである。金属部材は、本発明を使用して最初に処理される。必要に応じた表面の準備もまた部材上で行われる。金属部材は、複合材料を部材状に積み上げる間に複合ワークピースと接合される。突起及び孔は、従来の接合方法より滑らかに荷重伝達するように及び接合部にわたる機械的及び/又は物理的及び/又は温度特性の突然の変化が少ないように設計される。その設計により接合部の不具合が、複合ワークピースの不安定な不具合よりもむしろ、プラスチック歪曲を介して金属内で始まることが可能となる。
【0051】
ワークピース部材が、第三者により必要なときにユーザーにより寸法を切断できる適切な長さに製造されること及び部材の結合が円滑に複合体製造処理に組み込まれることが予想される。例えば、本方法は金属端部を複合部品に提供するために使用されて、それに続く部品と金属構造の接合を金属の金属溶接を介して行うことができる。
【0052】
この適用は、使用される共通の材料が、それに限定はされないが、アルミニウム及びアルミニウム合金、チタン及びチタン合金及びカーボン繊維強化の高分子化合物を含む航空宇宙産業での使用に特に適している。他の業種で使用されるその他の材料は、ステンレス鋼、グラスファイバー強化の高分子化合物及びアラミド繊維強化の高分子化合物、又はそれらの混合、熱可塑性高分子及び繊維強化熱可塑性化合物を含む。
【0053】
従って、新しい型の接合方法が提案される。これは、通常ミクロ/分子レベルでの接着と連動したマクロ/ミクロレベルでの機械的接合の一般概念を包含することにより、現在の複合構造の限界に取り組む。
【0054】
本発明の重要な側面は、孔及び外側の特徴が、(金属といった)母材から形成され、及び材料の表面又はバルクと相互作用する及び化学的に変化する陽極酸化処理又はいくつかの他の化学処理を用いた酸化物変更に起因しないという事実に関係する。しかし、陽極酸化処理及びいくつかの他の化学処理は、本発明による以下の処理に使用できる。
【0055】
突起及び孔の形状及び分布は重要である。孔は相互結合する又は相互結合しないが、アプリケーションを接合し、好ましくは金属の表面から分離されない、つまり、接着処理の前又は間に樹脂又は接着剤で満たされることができる。それにもかかわらず、本方法は、材料構造内に分離された孔を作り出すことにより、内部空隙率が望まれるいくつかの適用に利点を提供することができる。
【0056】
本発明による方法のいくつかの例が、添付の図面を参照して記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
記載された例のすべてにおいて、構造変更は従来の電子ビームソースを使用して生成される集束電子ビーム(EB)により実行され、そのビームは基板に対して移動される。もちろん、上述のように、ワークピースはビーム又は基板とビームの両方に対して移動される。代替案として、レーザーといった他のパワービームも使用できる。
【0058】
図1は、鋼鉄のようなワークピース1の単一のスワイプの形成を示している。スワイプは図1で2と付された場所から始まり、小さいこぶ(突起)の形成を引き起こす。その後ビームが溶融領域3を作り出すために通常直線状の進路5を移動し、小さい孔(くぼみ又は空洞)が形成される地点4で終了する。このことにより基板材料が移動し、及び通常ビームが別の場所にスワイプを作っている間に、これが実質的に固まることが可能となる。その後ビームはこのスワイプの場所に戻って、正確に又は以下で更に詳細に記述されるような別の方法でスワイプを繰り返す。
【0059】
注目すべきは、この例では、溶融材料が(矢印5により示される)ビーム経路の方向とは反対の(図2に示される小さい矢印により示される)方向に流れることである。記載された例における材料の移動は、2つの相異なる構造の組み合わせを介して起こる。第1の構造は平行移動された蒸気で満たされた空洞(TVFC)内の圧力を、電子ビーム溶接中の圧力と同様の方法で利用する。この圧力効果は、一旦ビームの「鍵孔」の平行移動と組み合わさると、平行移動とは逆の方向に材料を最終的に移動させる。これらの状況下では、もし経路(「スワイプの長さ」)に沿った平行移動の距離が、通常ビームの径の約3倍である距離を超え、及びその材料の固化がビームの移動に近似して一様のやり方で進行するならば、移動される材料の量は、スワイプの長さにかかわらず固定される。しかし、材料の最終的な移動のみかけの距離は、この場合のスワイプの長さによってのみ左右される。従って、これら2つのパラメータは、望ましい効果を生み出すために独立して制御されることがわかる。
【0060】
第2の構造は、液体金属の温度を用いた表面張力の変化に頼る。この表面張力の温度勾配(STTG)で駆動される流れは、「スワイプ」が液体金属の温度分布に影響を及ぼす方法を除いて、「スワイプ」の方向とは無関係である。STTGの材料移動は、以下のやり方で起こる。細長くて(少なくとも幅の2倍の長さ)で、浅い領域の材料が、大きくて、基本的に平坦な表面で素早く溶融するが、均一に冷えないと仮定する。そのプールはわずかに凸面を有することがわかる(というのは、熱い液体金属は通常周りの冷たい固体よりも大きい体積を有するからである)。重力、入射されたビームからの蒸気圧などといった任意の他の力がない場合、その後この凸面は均一形状になる。しかし、プールの1つの端部が他の端部より前に冷え、表面張力が大いに温度に依存する場合、その後プールの凸面の上面が不安定な形状になる。表面張力が高温度のときに高い場合、その後プールの熱い端部は平らになり、対応する体積の材料はプールの冷たい端部で隆起を形成する。表面張力が高温度のときに低い場合には、逆のことが起きる。
【0061】
STTGでの材料の流れを発生させるために必要なのは、液体が冷たいときの液体プール全域の制御された温度勾配の存在だけである。普通は、温度勾配は「スワイプ」の方向であり、表面変更に対して最良の「造形」の成果は、STTG及びTVFC効果が付加的であるときに得られる。しかし、低出力密度ビームがスワイプの逆方向に材料を移動させるために使用できるのは、プール内の温度勾配の逆を引き起こす別の要因が存在する場合である。
【0062】
ワークピース1に対して主に直線的な動きを組み込むスワイプに対して、スワイプの長さは通常ビームの径より数倍大きい。スワイプ経路3が湾曲している場合、湾曲の典型的な最小限の半径はビーム径に相当する(が、限定はされない)。
【0063】
上記で説明されたように、各スワイプは溶融材料の小さなプールを生成する能力があり、それはワークピース1の表面全域を平行移動する。このプールでは、通常、金属表面上に入射されるビームから生じる蒸気圧から、大きな表面形成力が存在する。各スワイプの効果は、少量の材料を移動させることである。図2に示されるように、通常少量の残りの材料はスワイプの開始地点でこぶ2として見られる。対応する寸法の小さい孔4がスワイプの終わりで見られる。
【0064】
第2のスワイプが第1のスワイプ上に正確に重ね合わされる場合、終わりの孔4も開始のこぶ2も両方ともが、第1の近似値に対して倍の大きさになる(図3)。ここで一旦溶融された材料は6で示され、その上の領域は2回溶融されている。
【0065】
第3の重複しているスワイプが、最初の2つのスワイプに重ね合わされる場合、終わりの孔4と開始のこぶ2は、第1のスワイプ後より約3倍大きい(図4)。一回溶融された及び2回溶融された材料の領域は、それぞれ6と7で示される。
【0066】
スワイプを多数重ねた後、開始のこぶ2での材料は、それとの遠隔結合のために、バルクによりもはや十分に冷却されない。これにより、同様の性質を持つ更なる連続するスワイプを伴う、開始のこぶの高さの更なる増大は引き起こされない。なぜなら、各スワイプは、今や以前のスワイプからのほとんど全ての材料を再溶融するからである。n回重なったスワイプの後(図5及び図6)、ワークピース1の終わりの孔4及び開始のこぶ2は、幅に対する高さ/深さの比率が大きい。これが起こるとき、入射ビームは、入射地点での単位面積あたりのビームパワー密度の効果的な降下のために、もはや最後のくぼみで同じ量の材料を溶融しない。
【0067】
図7から図9は、以下で述べられる例のいくつかを記載するための表記システムを示している。図7では、1000のスワイプパターンが、「B」型のスワイプパターンを使用して250の突起を作るために使用される。開始の突起は8で示され、最後のくぼみ(孔)は9で示される。これらの位置の間の線は、ビーム経路を示し、この線上の矢印は材料の流れの方向を示す。示されたように、突起番号「1」はスワイプ番号1、21、41、61から形成される。図8はこれをもっと一般的に示しており、それらを分離する別の場所での他の20のスワイプを伴う4つのスワイプの使用を示している。図9に示されるように、「n」は各場所のスワイプの数を意味し、「r」はそれぞれが再訪する前の数であり、「H」は突起の数、「S」は繰り返しパターンにおけるスワイプの数を意味する。
【0068】
異なるいくつかのスワイプの開始位置が重なる場合、その効果は、フィニッシュホールのそれぞれよりも何倍も大きな重なった開始の突起、つまり「スーパー突起」を作ることである(図10)。これに対してn=20、r=250、H=250及びS=25000である。5つの異なるスワイプ位置の突起が、これを達成するために重ね合わされる。
【0069】
フィニッシュホールのすべては重ならないが、全ての開始の突起が重なる場合、その結果は、手頃な大きさの開始突起の特徴を取り囲む基板表面の高さの一般的な減少である。
【0070】
いくつかのスワイプのフィニッシュホールが重ねられる場合、その結果は開始突起、すなわち「スーパー突起」のそれぞれより数倍大きい孔を作ることである(図11)。ここでn=3、r=10、H=10、及びS=120である。4つのスワイプ位置がこのスーパーホールを達成するために使用される。
【0071】
開始突起の全てが重なり合わないが、全てのフィニッシュホールが重なる場合、その効果は、元のワークピース表面上にわずかに起き上がる小さい平坦域により取り囲まれる深い孔を作ることである。
【0072】
図12は、(3つのスワイプ位置それぞれから作られる)スーパーホールと(6つのスワイプ位置それぞれから作られる)スーパー突起のネットワークの例を示している。この場合、n=20である。
【0073】
処理される領域内のワークピースが1つ以上の材料から形成される(例えば、第2の材料でめっきされる又は被覆される)、又はワークピースが適切な気体又は液体環境で実行される場合、新しい機能的な合金が作られる。被覆の場合、連続するスワイプが被覆そのものから、又は望ましい基板の露出部から材料を移動させることができる。このようにして、開始突起の構成及び特性は、上から下まで格付けされる。通常その処理により、特にTVFCモードで動作させるときに、処理された材料が蒸気及びスパッタにより少し失われる。更なる揮発性要素が、通常処理された材料から蒸気として失われる。例えば、多くの材料の中で、処理された材料の50%から95%が移動されるが、処理後のワークピースに付着して残っている。
【0074】
本方法を用いた処理の間に、基材からある要素が失われることは、必要であれば構成、構造及び特性の局部的な変化を提供するために意図的に使用される。
【0075】
新たに処理された表面は清潔で、更なる被覆に対する受容力があるので、この被覆をパワービームを用いた処理中又は直後に実行することが都合が良い。いくつかの場合では、優先的に失われた1つ又は複数の要素の被覆は、処理の間に容易に形成される。
【0076】
連続する直線状のスワイプが同じ場所で実行される場合、その結果は通常、開始突起がおよそ三角形の形状である。スワイプ方向の各側面からそむいている及びスワイプ方向の各側面に向いている開始突起の側面はほとんど垂直である。他の側面は通常基板表面に対して曲がっている。フィニッシュホールもまた対応して三角形状である。
【0077】
フィニッシュホールの形状は、もしビームが孔の底部に近づく視野方向を依然有するならば同様の方法で制御され、それは傾いたフィニッシュホールの場合、複雑なビーム/ワークピース操作を必要とする。
【0078】
処理は通常、入射されたパワービーム方向に垂直な表面に適用されるが、多くの場合、ワークピース表面に対して別の角度で連続的に適用される。
【0079】
正しいやり方で実行される場合、その処理によりワークピースの表面に並行に並ぶスロットの生成が可能となる。
【0080】
ワークピース内のスロット(細長い孔)は、多数の場所で互いに交差するように作ることができる。しかし、新しいスワイプ経路が既存のスロットと交差する場合には、正確な材料移動は通常維持されない。
【0081】
スロットはその幅よりも何倍も深く、そして長い。適切な断面の厚さでは、スロットは完全にワークピースを貫通するように作られる。
【0082】
スロットの最小幅は、上述された成形力効果を生み出す十分なパワー密度を有するビームの部分(核)の径により決定される。
【0083】
この処理により形成されるスロットの側面は、もっぱら再溶融された材料から成り、その材料はEB穿孔では専門用語が「定義されていない」。本発明の造形処理では、適切なパワービーム密度が使用されるならば、各スワイプからの「定義されていない」材料が、通常、以前のスワイプからの材料とともに円滑に溶融する。従って、その結果は非常に滑らかで平行な側面を持つスロットである。
【0084】
適切な径とパワーを有するビームを伴う独創的な処理を適用することにより、ほとんど任意の寸法の特徴が、処理条件下で基本的に安定した液相を示す任意の材料上に作り出される。
【0085】
液相の表面張力が温度に対して非常に強い関数をもつ場合には、特別な処理条件が必要となる。
【0086】
1つ又はそれ以上の(整合又は非整合)材料が、通常のワークピースの「フィニッシュホール」領域に継続的に付加される場合、最終的な結果は、ほとんど又は所望ならば全く対応する孔がない表面の特徴である。追加の材料が、例えばワイヤー又はパウダーといった従来技術の使用を介して付加される。材料が、ワークピースの「開始突起」領域から継続的に取り除かれる場合、その結果は、材料をほとんど又は全く有しないワークピース内の孔でありうる。余分な溶融材料は、吸い上げ、吸い込み又は吹きつけ(例えばガス噴射を介して)を介して、又は溶融プールの自然噴出及びワークピースからの材料の除去を引き起こす高パワー密度ビームの適用により取り除かれる。両方の場合、ワークピースのすぐ近くに持ち込まれる消耗品の又は使い捨ての「パレット」を含む材料は別の分離した要素を使用して取り除かれる又は付加される。この場合、スワイプ経路はワークピースとパレットの上に部分的に落ちる。
【0087】
従って、2つ又はそれ以上の分離した部分を含むワークピースは、本技術を使用して一緒に接合される。突起が1つの部分から別の部分に橋渡しをするような方法で、ワークピースの1つ又は全ての部分から通常の方法で突起を作ることにより、1つ又は複数の接合部が作られる。これらの接合部は多くの目的のために、例えば機械的結合又は電気的結合のために使用される。これは、2つ又はそれ以上の部分ワークピースから形成される複合ワークピースの例である。
【0088】
好ましい場合、任意の1箇所におけるスワイプの間の時間は、ビームを止めることにより消費されない。それよりむしろ、ビームはこの時間の間に使用されて、ワークピースの別の領域又は別のワークピースを処理する及びスワイプする。
【0089】
単一の連続ビームにより同時に処理される別々の場所の最低数は、スワイプ間の各場所で必要とされる滞留時間に関して、各場所のスワイプ(又は複数のスワイプ)のためにとる時間により決定される。もし正確に必要な時間より長い時間動作する特別の冷却が許容されるならば、最大数は、ビーム偏向/ワークピース操作システムの機能によってのみ限定される。
【0090】
いくつかの場合、本発明を実行するために同時に多数のパワービームを使用することが好ましい。例えば、単純な場合では、第1の電子銃と全く一致する第2の別個の電子銃の列を有する。この方法を使用して、それぞれの銃の列が、同一方法で、同時にワークピースの別の部分を処理するために使用される。この方法を使用して、更なるビーム発生器が要求に応じ加えられる。代替的な方法は、多数のビームエミッターを用い、共通のビーム発射及び操作システムを伴う。このようにして、非常に多数のビームが、必要な装備の量が大幅に増大することなく同時に作動するように作られる。必要であれば、こうした多くのシステムは、速い速度で処理を実行するために同時に使用される。
【0091】
1つの場合、ワークピースは電子ビーム発生器に対して静的である。「包括的な」ビーム偏向パターンが、ワークピースの表面上の場所のアレイ(例えば均一な間隔の行と列を含むパターン)間でビームを操作する。各場所では「モチーフ」偏向が実行され、それは要求に応じて1つ又はそれ以上の「スワイプ」を含む。「包括的な」偏向パターンが所定回繰り返された後に、その処理は完全となり、ビームが終了される。
【0092】
別の場合には、「包括的な」及び「モチーフ」パターンが上記のように使用される。しかし、この場合、ワークピースもまた動いており、それにより「包括的な」パターンの繰り返しの際に、パターンがワークピース上に異なって重ねられる。それぞれの繰り返しで、包括的パターンの第1の列の場所は処女材料上にあり、第2の列は、第1の列などにごく最近さらされていた場所上にある。この処理の変更では、
A)「包括的な」パターンの列の数は、それぞれの場所の巡回又はスワイプの必要数に等しくなるように作られる。このようにして、その処理は継続的に基板材料の移動ストリップ又はシートに適用され、全ての場合に(実行の開始及び終了での場所を除いて)それぞれの場所での正確に同等な最終的効果を伴う。
B)処理中に回転される対称な円形の一部に適用される場合、(いくつかの場合で2つの異なるスワイプ間の正確な温度変化を除いて)正確に同等な動作が、ワークピース上の全ての場所で得られる。これは、ワークピースの動きが包括的なビーム偏向と正確に同期する場合に達成され、それにより360度の回転が正確に包括的パターンの繰り返しの整数倍に対応する。
C)包括的パターンの各列が、それぞれの場所で同等のスワイプパターンを、又はそれぞれの場所で異なるスワイプパターンを作り出すように配置される。ワークピースの動きと組み合わせて、これはワークピース上に更に複雑な又は傾斜した特徴を作り出すために使用される。又は、
D)必要に応じて、電子銃に対して固定される場所で、材料がワークピースに加えられる又はワークピースから取り除かれる。
【0093】
オーステナイト系ステンレス鋼に対する本方法の適用例のいくつかが図13から図15に示されている。図13は、6つの孔に取り囲まれた単一のスーパー突起を示している。図14は、図13に示されるスーパー突起の、その隣近所に対する位置を示している。
【0094】
これらの例のパラメータは、図32の表に示されている。
【0095】
オーステナイト系ステンレス鋼の湾曲したビーム経路を使用する本発明による構造変更の例が、図15及び図16に示される。図15は、直立する突起を示し、それぞれが一部湾曲したビーム経路を使用して形成される。図16では、中央の直立する突起の特徴が、取り囲んでいる湾曲した(一部円形の)ビーム経路の2×2のマトリクスの中央で形成される。それぞれの場合に使用される処理パラメータは、図32の表に詳述されている。
【0096】
重複特徴もまた、本方法を使用して達成される。図32のパラメータは、重なった連続する「造形」動作の例の詳細も与えている。ビーム経路の詳細は、図32を参照して図21Aから図21Fで与えられる。図21Aから図21Fでは、点線が、第1のビームに対する繰り返しのビーム経路パターン(実線)の一般的な動きを示している。
【0097】
これらは、更に細密な特徴の創造を可能にする。1つの例では、材料の低くて広い畝の多くは第1の操作を介して作られる。これらの畝は、その後第2の操作を介して処理され、第2の操作は通常材料表面の下又は上に大体同じ高さの孔及び突起を作る。しかしこの場合、孔は材料の低く直立した畝の中で生成されるので、孔は材料の元の厚さに深く貫通しない。これは、表面に対応する深い孔を有することなく、材料の本来の表面上に高い垂直部を作る1つの方法である。図17に示されるように、多数の「フィン」及び「スロット」は低い畝一面に重ねられる。更なる詳細は図32で提供される。
【0098】
連続する直線状のスワイプが、わずかに異なる場所で、例えばそれぞれが同じフィニッシュホールに到達するためにわずかに異なる長さの経路を必要とする場所で開始される場合、その結果は、非垂直の開始突起特徴である。この場合に、連続して短いスワイプ経路が使用されると、スワイプ方向から背いている開始突起の側面もまた、基板材料に対して鋭く曲がっている。この効果は、ほぼ対称な開始突起特徴を作り出すために調整される。
【0099】
代替案として、引き続いて長いスワイプ経路を用いて、スワイプ方向から背いている開始突起の側面が、張り出し特徴を作り出すように基板表面に対して傾斜される。
【0100】
連続する直線状のスワイプが同一の場所で実行されるが、そのスワイプが正確に重ねられず、それにより各スワイプが直線状のスワイプ方向に対して横方向に小さく偏移する場合、その効果は、基板表面に対して傾斜する開始突起を作り出すことである。
【0101】
これら2つの場合では、隣り合う傾斜した開始突起が、それらが互いに向かって傾斜するように作られる場合に、いくつかの開始突起は一緒に溶融される。これは、基板表面に盛り上がった溶融材料の「ループ」又は「複数のループ」を作り出すような方法で行われる。
【0102】
「張り出し」(傾斜)特徴の生成に戻ると、それぞれの「スワイプ」により作られる溶融された経路の真の長さは、電子ビームの径、材料特性及びスワイプの速度に関連する量により、スワイプの実際の長さよりもわずかに大きい。これは、単一のスワイプにより移動された材料が、以前のスワイプ又はスワイプの開始地点での端部特徴を越えて張り出す又は突出するように作られることを意味する。それぞれが連続してさらに張り出す位置で開始するように作られた連続するスワイプが再配置される場合、その後その張り出しは端部を越えてさらに突出するように行われる。
【0103】
このようにして、ワークピースの厚い部分で形成される孔が、最上面での金属突起により部分的にブロックされるように作られる。この応用は、中に穿孔される比較的長い孔を伴うモノリシック部分からの精細なフィルタの製造である。突出材料が移動されるときに作り出されるスロット又は孔により、表面全域にわたる液体金属の自由な移動が、必要な場合には可能となる。これにより、孔の間の領域からの液体の流れが向上する。
【0104】
連続して偏移されるスワイプが平坦な表面上で実行される場合、突出特徴が作られ、それはフック状の外見を与えて後方に傾いている。これの応用例は、繊維強化された材料と金属基板間の荷重伝達にある。図18は、こうした張り出し特徴の例を、図32に示される処理パラメータとともに示している。実際、図32の表に示されるパラメータへの変更を使用して、完全に貫通する孔が、使用されるチタン合金の2mm厚のワークピースに形成される。
【0105】
その変更は材料が冷えることを可能にする一時停止を導入することを含み、それによりワークピースの歪曲が削減される。
【0106】
図19は、軟鋼サンプルT299における本方法の使用を示している。
【0107】
図20は、Al5083、T291の更なる例を示している。それぞれの場合において、更なる詳細が図32に提供されている。
【0108】
材料の「造形能力」は、図32の表に記載されるパラメータを含む多数のパラメータに左右される。さらに、材料の純度により著しい効果を有する。材料の局部的な不均一性、又は溶融された揮発性元素の量が、材料の「造形能力」の差を大きくする。
【0109】
ワークピースの基本的に広くて、平坦な凹部、又は畝を作ることが意図されるようないくつかの場合、「孔」の最初の掘削は、比較的強いビームを使用して最善に実行される。これは、孔と畝の特徴を比較的粗くしておく。掘削の最終段階で、又はそれに続く操作として、低パワー密度のビームを利用することにより、材料移動の比率は大いに削減されるが、なめらかな孔又は畝がもたらされる。
【0110】
本発明は、ビーム及びワークピース表面の間の様々な角度を使用して実行される。様々なパワービーム処理は、ある一定の地点までビームに対して直角以外の角度の表面上でのみ動作するということが共通して適用される。これはこうしたビームを使用した浅い角度の孔の穿孔を制限する。この効果は、円形の点がワークピースの表面上で楕円形になるという幾何学的なパワー密度の削減及び浅い進入角度で入ってくるビームに対する表面の増大する反射率による。レーザー/電子ビームの穿孔又は他の有益な処理に対して、意図された処理に必要なパワー密度は、実質上材料を溶融するのに必要なパワー密度よりかなり大きい。しかし、本発明を用いると、パワー密度が金属を溶融するのにやっとであっても、STTG駆動のフロー構造が問題の材料で動作しているならば、構造変更を実行することは可能である。こうした操作は、ワークピースの局部的な傾斜の変化を作り出すために使用できる。従って、ビームのより高いパワー密度を必要とする後続の操作に対する前置として、これを傾斜したワークピース上で局部的に行うことが可能である。
【0111】
接合されるワークピース構造の準備という重要な応用における本発明の使用を示す更なる例が記載される。
【0112】
これらの例のうちの第1の例により作られるこうした接合部の全体的な特徴が図22に示され、それは中間部材102を使用して第2の金属ワークピース101と接合される第1の複合ワークピース100を示している。金属部材101と102間の接合は、以下に記載される接合方法により達成される。溶接部は103で示される。
【0113】
図23に示されるように、本例では、金属製の中間部材102は、チタンを非対称のスカーフ接合に必要な一般的な形状に機械加工することにより形成される。多くのその他の可能な接合構造のうちのいくつかの例が図31に示される。
【0114】
複合ワークピース100に接合される表面104が、図23に示される。表面の機械加工に続いて、その後本発明の構造変更方法を使用する電子ビームシステムを用いて処理される。この場合、処理方法は突起105と孔106(図23に概略的に示されている)の配列を作り出すように表面104の全体に適用される。
【0115】
注目すべきは、突起及び孔の相対的な配置により形成される異なるパターンが、異なる具体的な要件に対してこうした部材を設計するために使用できることである。本例では、突起のそれぞれはスパイクのように配置され、各スパイクは形状及び寸法が似ている。同様に、孔もそれぞれ形状及び寸法が互いに対して似ている。こうした相似はもちろん必須ではないが、本例では、構造変更に対する処理パラメータを単純化する意味でいくつかの便利さを提供する。
【0116】
こうした相似が使用されない場合、特に突起の形状及び寸法は接合される表面の領域が異なると異なり、それによりこれらの領域では異なる接合特性が与えられる。突起はまた、突起が突き出る一般的な表面に対して実質上直角であるよりむしろ異なる角度で作られる。角度付けされた突起は、複合体の繊維を捕捉する及びそれらが荷重を受けて移動することを妨げるという利点を有する。しかし、所定の長さの突起に対して、表面に対する角度が小さければ小さいほど、突起が複合材料に届く距離が小さくなり、従って任意の応力が複合体の深さを通じて移動できない。これは、突起の高さが注意深く設計されるべきである場合の1つの例である。
【0117】
突起の形状はまた、部材の部分が異なると異なる。いくつかの場合、フック形状は接合強度に役立つ。
【0118】
この例では、突起の化学組成もまた部材ワークピースの領域が異なると異なるように作られる。これは、様々な構造により達成でき、そのうちのいくつかは、
a)パワービーム処理中の金属部材合金の一部の優先的な気化;
b)いくつかの層からの材料の溶融がパワービーム処理中に起こるいくつかの層を有する部材の使用;
c)処理中での余分な材料の追加である。
【0119】
突起に対するのと同様の方法で、製造される孔の寸法、形状などもまた部材の領域が異なると異なっている。
【0120】
機械的特性、物理的特性及び温度特性及びこれらの特性の値により発生するいくつかの効果には、部材の材料の局部密度に左右される。そして、これは作り出される孔の体積に左右される。例えば、部材とそれに接合されるワークピース間の特性の値の不一致により起こる課題が、孔の形状及び部材の異なる領域の密度を注意深く設計することにより削減される又は取り除かれる。
【0121】
本例に戻ると、本発明による表面の処理に続いて、その後表面はさらにグリットブラスティング、エッチング処理及び陽極酸化処理によるような接着特徴を向上させる及び保持するのに適した方法で処理される。
【0122】
カーボン繊維強化されたエポキシ「プレプレグ」の層107は、その後図24に示されるように、処理された部材表面上に積まれる。一旦プレプレグの積み上げが完成すると、積み上げた全体が従来の方法でオートクレーブに置かれ、及び保存処理される。この場合に使用される複合パネルに対する材料及び製造方法が、オートクレーブで保存処理されるカーボン繊維強化されたエポキシプレプレグである一方で、多くの他の材料及び製造方法が複合接合に対してメタルをもたらすために使用できる。
【0123】
第1の代替例は、部材上の乾いた繊維状のプレフォームの積み上げ、続いて樹脂のプレフォームへの真空注入を含む。実際、適した材料の多くの例が存在する。航空宇宙産業の部品の場合、繊維はカーボンであり、プレフォームは織られ、編まれたしわのない繊維又は編み上げられており、樹脂はエポキシでありその一部は熱処理される。海事の部品の場合、繊維はガラスであり、樹脂はビニルエステル又はポリエステルであり、及びその一部は室温で処理される。
【0124】
第2の代替案は、カーボン繊維強化された熱可塑性プレプレグの部材への積み上げ、続いてホットプレスでの圧密化を含む。
【0125】
上述された処理のような任意の製造処理は、少なくとも孔のいくつかに流れ込むことを確実にするために、部材及びワークピース間のインターフェースでの積み上げの間に付加される追加の樹脂又は接着剤を必要とする。
【0126】
オートクレーブからの除去の際、最終生成物は金属製の端部102を伴う複合構造100を含む。これは図25に示されている。その構造の断面図は図26に示される。これは、部材からの金属突起が生成物の複合部分を突き出たことを示している。同様に、生成物の複合部分からの樹脂及び可能的ないくつかの繊維は部材の孔に流れ込む。
【0127】
図27は、複合体の層に突き出ている白色の金属突起を伴う実際の接合部の断面図を示している。突起によるワークピースとのこうした結合は、改良された機械的連結及び複合ワークピースの厚さを通る応力伝達を提供する。
【0128】
部材及び繊維強化された複合体間の荷重伝達が、突起がこれらの層を貫通するという方法のために、繊維強化された複合体のいくつかの層に広がることが評価される。突起は幅よりも何倍も高さがあるように作られるので、接合部が圧力を加えられたとき、著しく弾力性のある曲げ応力が突起に引き起こされる。最も単純な場合では、小さく印加された負荷が、古典的な複合荷重された片持ち梁理論により予測される方法で、ほぼ並行な側面の突起を弾力的に変形させる。しかし、突起は大抵任意の外郭で作られ、複合体の合成率及び実際に起こる複雑な接合部荷重を可能にする。これは、接合部における荷重分布が、通常可能ではない方法で、役立つように変更される及び制御されることを意味する。
【0129】
同様に、突起は異なる方向に向けられる、及び/又は異なる方向の異なる曲げ特性を有するように外郭が作られるので、複合体と金属部分間の荷重伝達は、複合材料の異方性によりよく合致するように異方性に作られる。
【0130】
本例の処理の更なる工程として、及びすでに述べられたように、金属の中間部材102はその後図22に示されるように金属構造に接合され、金属構造に組み込まれる複合部材を作り出す。任意の適切な接合技術は、生成物の金属部分及び金属構造間の接合部を生み出すために使用され、これらの接合技術はボルト締め、拡散接合、レーザー溶接、摩擦撹拌溶接、電子ビーム溶接又は抵抗溶接を含む。
【0131】
典型的なワークピースの画像は図28に示される。これは、チタンワークピースの接着表面のいくつかに多数の突起を有する階段状接合のチタンワークピースを示している。各突起は約2mmの長さを有する。これらは表面上の突起の最大高さが約1.5mmであるように表面に対して曲げられている。同様に、孔は約1.5mmから2mmの深さを有する。カーボン繊維のプレプレグはその後これらの突起上に積み上げられ、約2.5mmの厚さの貫通された複合体を与える。こうした適用では、通常のカーボン繊維のプレプレグは必要な特性に左右される1mmから15mmの間の厚さまで積み上げられる。
【0132】
接合されるこれらの構造に対する寸法は変化するが、ミクロンからメートルまでの厚さの任意の複合体を実質的に対象とできる。
【0133】
本発明の表面及び/又は構造変更が多数の適用に利点を提供することが評価される。これらのいくつかが簡潔に以下に論じられている。
【0134】
A)気体又は液体の流れ、又は圧力波を成型する異なる孔/管の外郭(例えば、「NACA」管形状)の製造。
【0135】
B)新規のテクスチャー/機能性及びより深い構造上の変更のためのモールド/金型の製造。さらにいくつかの材料の表面硬化が、本方法を使用して可能である。モールド内の孔はまた、(モールド解除のための)気体放出及び気体注入にも使用される。
【0136】
C)例えば、新しい設計のタイヤを製造するのに他の方法では問題のある深くて狭い特徴を組み込むような、低い係数の材料(例えばゴム)及び/又はそれらを作るために使用されるモールドの処理。新しいタイヤの構造は、改良された水管理及び消音のために製造されうる。
【0137】
D)自然な生体適合性のある表面を正確に模倣する処理を使用した(骨といった)生物学的課題に対する接着の向上のための、金属製の、セラミックの又は高分子成分を伴う人工器官、移植片及びその他の生体力学的構造物の製造。耐荷重の生体力学的接合表面もまた、改良された性能に処理される。
【0138】
E)トライボロジーの応用のために、制御されたトポロジー及び/又は化学組成を伴う表面の製造。例えば、めっきした表面を処理することにより、硬くて2種以上の金属から成る材料の小さい孔及び小さな島が、本質的に柔らかい基質に作られる。本処理又はその他の処理の変形は、ベアリング面の製造に使用される。
【0139】
F)高い縦横比の垂直部を作り出すことによる電子回路系の電子的「Z」結合の製造。
【0140】
G)「気体援助型境界層」(GABL)を提供し、それにより抵抗を削減する気体フローのための船体への多数の孔の製造。飛行機の翼の表面の材料において、本発明を使用して処理される材料はまた、例えばフローの一部を翼に引き込むために使用され、表面の外側で必要とされるフロー条件を維持する。
【0141】
H)直立する突起の規則的アレイ(図29参照)の生成により新たな材料(例えば、エアロシート)を作るための拡散接着用の材料準備。エアロシートは、シート材料の中心線の空隙をそのままにしておくために処理されたシートを一緒に接着することにより作り出される。相互結合された空隙シートは、適切に処理された表面を一緒に接着することにより作り出され、液体/気体、又は科学的活性種の冷却をシートの中心線に沿って進行させることが可能である。微孔性シートはまた、接着前にシートと上面又は下面に貫通する孔を形成することにより作り出される。
【0142】
本発明を使用して1つ又はそれ以上の材料片を処理することにより、材料片はその後互いに、又は1つ又はそれ以上の処理されていない材料片と接合され、得られた生成物は一層強化された特性を有する。使用される接合技術は、溶接、拡散接合、ろう付け、接着及び機械的接合の形式を全て含む。例えば、これは低密度で高剛性のシート材料及び内部空隙とチャネルを含む部分の製造に使用される。拡散接合されたチタンシートがこのように作られてエアロシートを作りだす場合、得られた材料は極めて強化された特有の特性を有する。この場合、その材料もまた実質上従来技術を使用して溶接され、切断され、形成され及び接合される。処理されたパネルは組み立てられ、及び縁は(例えばEBWを介して)溶接されて、真空密閉されたパッケージを提供し、この型の材料を与えるためにHIPingを介した接合の準備を整える。組み立てられたシート間の結合は、そのアプリケーションが要求する最適な機械特性、温度特性又はその他の特性を提供するために調整される。独創的な処理が、その構造の1つ又はそれ以上の部分に完全に貫通する孔を作り出すために行われる場合、その後流動体が、例えば冷却、加熱、溶融、抵抗低減、又は化学反応目的のためにこれらの孔及び又は内部の空隙を通過する。異なる材料のシートを一緒に接合することにより、高度な複合構造が、例えば本発明を使用して処理された金属性の向かい合うシートを使うことにより及びそれらを低密度ハニカムコアに接着させることにより作られる。
【0143】
I)音響的な活性表面は、音波破壊又は反響のために本方法を使用して材料を処理することにより作り出される。
【0144】
J)形状記憶金属は活性した機能性を与えるために処理できる。バルク材は化学的に又は幾何学的に局部変更され、部分的に形状記憶合金組成である機能的領域を与える。
【0145】
K)光学素子の処理は、表面の光学特性(例えば伝達及び反射)が、例えばホログラフィック機能で変更されるように、本方法を用いて達成される。
【0146】
L)センサーの製造は、例えばリニアエンコーダの孔又は垂直部の正確な及び/又は規則正しい配列をもたらす本方法を使用することにより達成される。
【0147】
M)熱交換機、触媒コンバータ及び通気化学反応管といった装置は全て、適切な部品に適切なチャネル/孔及び/又は表面突起を作り出す本方法を使用することにより改良された特性を伴って作り出される。
【0148】
N)2つの金属を持つ表面の機能性は、2つ又はそれ以上の異なる構成の層を含む表面特徴を作るために、更なる材料が加えられる表面を処理することにより達成される。
【0149】
O)ディーゼルインジェクタの製造もまた、特にノズルの流力特性、及び押し出される燃料を揮発する能力に関して本方法を使用して行われる。(本方法によって作り出された)再溶融された材料の表面硬化は、磨耗特性を改良するために使用される。さらに、ノズル特徴は、旋回動作がノズルを通る流れに与えられるところで作られる。これにより、例えば、ノズル磨耗が運転中に発生するときに、体積流量特性が自動的に補正されることも可能となる。
【0150】
P)ギザギザのない孔の製造もまた、本方法を使用して達成される。完全に貫通する孔がつくられるとき、正しい条件下で実質的にギザギザのない孔がワークピースの離れた側面上に形成される。この型の孔はギザギザのない孔の縁が必要とされる多くのアプリケーションで使用される。これらは、様々な切断又は剪断処理、及び穿孔した表面上の流量に、ギザギザのない縁を有することで最小の支障しかきたさない処理を含む。例は図30に示されている。
【0151】
Q)様々な処理が、本方法を使用した処理が続く表面を調整するために適用される。例えば、任意の被覆又は化学変換処理が実行される。また、様々な機械処理が処理された表面上で行われる。例えば、突起が新しい機能的な形状に変形される、又は完全に均一な高さ又は合わせ部品との一致を提供するように単純に変形される。こうした表面を用いて組み立てられる接合部は、印加された負荷、滑らかさ及び平坦性から通常予想されるよりも優れた熱的接触及び電気的接触を有し、それはインターフェースでの局部的な歪曲及び接触モードのためである。
【0152】
R)本方法は、表面の一部の様々なポテンシャルの傾き(化学的、電気的、磁気的を含む)を変更するために使用され、それにより表面での材料の付着又は除去、又は表面での化学反応の進行が変わる。
【0153】
S)結晶学的にテクスチャード加工された/方向付けられた材料及び表面の製造は、本方法を用いて達成される。通常、連続するスワイプを介して「成長する」突起及びその他の特徴は、最初に従来の異種核形成及び成長を介して成長する。しかし、的確な状況下で、特徴は特定の粒子配向又は結晶学的組織を得るような方法で成長するように作られる。これは、例えば、それ自体で特定の材料構造/特性を与えるために、又は続いて付着される又はワークピース上で液相又は気相から成長する材料の結晶学的指向及び/又は増殖形態を制御するために使用される。
【0154】
T)異方性微粒子及び繊維もまた作り出すことができる。それらの形成の後で異なる処理工程を実行することにより、これらの特徴は、異方性の繊維又は粒子形状をして、ワークピースから切り離される。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】基板に沿った単一のスワイプを示している。
【図2】図1のスワイプの断面を示している。
【図3】図2に似ているが、2つの交差するスワイプを示している。
【図4】図2に似ているが、3つの交差するスワイプを示している。
【図5】図2に似ているが、n個の交差するスワイプを示している。
【図6】図5の例の斜視図である。
【図7】表記システムを示している。
【図8】表記システムを示している。
【図9】表記システムを示している。
【図10】「スーパー突起」の形成を示している。
【図11】「スーパーホール」の創造を示している。
【図12】スーパーホールとスーパー突起のネットワークの形成を示している。
【図13】オーステナイト系ステンレス鋼のスーパー突起の顕微鏡写真である。
【図14】図13に示された基板の領域の顕微鏡写真である。
【図15】一部円形のビーム経路で形成される突起を示す顕微鏡写真である。
【図16】多数の湾曲したビーム経路の使用を示す顕微鏡写真である。
【図17】畝を示す顕微鏡写真である。
【図18】張り出し特徴を示す顕微鏡写真である。
【図19】孔と三角形の突起を示す顕微鏡写真である。
【図20】変更された表面構造の孔と突起を示す顕微鏡写真である。
【図21】図32の表に応じた様々なモチーフを示している。
【図22】本発明により変更されたワークピースを含む接合部の斜視図である。
【図23】ワークピース部材の斜視図である。
【図24】ワークピース上の複合体層の積み上げを示している。
【図25】接着剤で張り合わされたワークピースと複合体の更なる図を示している。
【図26】突起と複合体間の相互作用を示す概略的な断面図である。
【図27】突起と繊維複合体層間の相互作用の例を示している。
【図28】ワークピース内の突起の画像である。
【図29】「エアロシート」の形成を示している。
【図30】処理されたワークピースの底面を貫通する孔を示している。
【図31】接合部の型の例を示す表である。
【図32】処理パラメータを示す表である。
【符号の説明】
【0156】
1 ワークピース
2 こぶ
3 溶融領域
4 終了地点
5 進路
100 第1の複合ワークピース
101 第2の金属ワークピース
102 中間部材
103 溶接部
104 表面
105 突起
106 孔
107 エポキシ「プレプレグ」の層
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースの構造を変更する方法及び、変更されたワークピースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば表面変更のための電子ビーム(EB)及びレーザービームといったパワービームの使用はすでに既知である。材料の表面特性を変化させるいくつかの異なる方法が存在し、そこではパワービームがワークピースの表面上の材料を取り除く、化学的に変更する、又は移動するために使用される。これらのうちのいくつかは、すでに特許出願及び特許許可を受けている。
【0003】
液相を示す大抵の金属又はその他の材料に対する従来のEB穿孔処理では、その処理は以下のように適用される。第1に、高パワー密度のビームが材料に出口のない「鍵孔」を作る。この「鍵孔」は通常、狭く深い孔から成る。その孔の側面には、溶融された材料の層が存在する。その孔は、主に最高出力のビーム密度領域の沸点又はその付近の材料の蒸気圧により開かれて保持される。第2に、そのビームは、孔が出口がないよりもむしろ貫通するぐらい十分な長さの時間存在することが可能である。第3に、ビームがワークピースの裏面とぴったり合う基材に突き当たるように、ビームが同じ場所に少し長く存在することが可能である。この基材は揮発性であり、孔の側面から溶融された材料のほとんどすべてを排出する気体材料の爆発を作り出す。
【0004】
注目すべきは、この型の穿孔操作では清潔な「出口のない」孔を作ることができないことである。というのは、全ての液体材料を排出することのできる力が存在しないからである。
【0005】
液相を示さない材料の場合、又は化学的に直接気相に変換される材料の場合、穿孔又は切断操作は基材がなくても達成できる。この場合には出口のない孔が作られる。
【0006】
同様に、切断及び穿孔目的で溶融材料を移動させるために、気体の噴出が溶融材料に印加される「気体援助」もまた、例えばレーザーを使用する多くの場合に用いられる。
【0007】
基本的に不変の材料の垂直部をそのままにしておくためにワークピースの表面から材料を取り除くパワービームの使用を含む様々な方法が存在し、及びこのようにして機能的な表面が得られる。
【0008】
表面の機能性を変更するために、材料が液相に移動される技術もまた存在する。1つの変形では、材料は、移動するワークピースの表面に対して静止している、又は表面に対して参照の固定フレーム内のワークピースの動きと同一方向に移動するパワービームによりテクスチャー化される。このようにして、通常円形又は細長い形状の浅い孔が、おおよそ均一に持ち上がった縁とともに作られる。この型の特徴を組み込む表面テクスチャーは、製鋼所で使用されるロールの準備に利用され、そこではテクスチャーが圧延鋼材に与えられる。
【0009】
第2の「表面のテクスチャー化」処理では、電子(又はレーザー)ビームが、各孔の場所で多数の方向に操作され、その結果として移動された材料が特定の方法で処理される。以前の特徴が依然溶融され、又は少なくともかなり熱い一方で隣接する特徴が作り出される場合、異なる孔から移動された溶融材料が組み合わされる、又は表面全体が十分に溶融される。従ってこの第2の技術は、幅広い種類の機能的な表面を作ることができる。これはGB−A−2375728に記載されている。
【0010】
上記で概説された材料移動技術は両方とも、特徴的な表面を作り出す傾向にある。前者の場合、移動された材料は、孔が径に対して比較的浅い場合にのみ均一に分布される。第2の場合、孔から移動される材料が理にかなったやり方で孔から取り除かれるならば、孔はその幅に対して同程度の深さである。孔から移動された材料は、単独で又は隣接する孔から移動された他の溶融材料と組み合わさって、特徴的な形状に固まる。これらは、それらの形状がある程度表面張力により決定されると言う事実のみ互いに似ている。
【0011】
大抵の金属において、移動された材料は球形に準ずる形状に適応することが可能である傾向にある。移動された材料と基板間の結合は、及び従って再配置された移動された材料の形状は、基板と移動された材料の両方の接液領域及び温度により影響を及ぼされる。全体的な効果は大抵の金属に及び、元の基板表面上の直立する特徴は、それらの高さ/幅の比率に制限される。特に、元の基板表面上の再配置された材料の任意の所定領域の高さは、その幅を大幅に超えることはありそうにない。
【0012】
本発明では、新たなパワービーム処理が記載され、その際、新規の型の構造を作り出すために、新規の処理が液相の材料を主に移動させるために使用される。本発明では、ワークピース上の2つ又はそれ以上の場所が、2又は好ましくは多数の場合に特定の方法で、移動するパワービームにさらされる。記載された以前の方法とは対照的に、それぞれの場所から移動された材料は、パワービームが同時に又は即座に隣接する場所で再び使用される前に、新しい場所で実質的に固まることが可能である。
【0013】
この効果は、ビームの1巡回からワークピース表面上の特定の場所まで移動される材料が、その後に更に移動された材料により重ねられることである。これは同じ場所からの更なる材料である、又は代わりの場所から移動された更なる材料である。同様に、材料移動の結果として形成される孔もまた重ねられて、新しい型の構造を作り出す。
【0014】
その技術は新しい表面構造の製造に限定されない、というのは、その技術はバルク材料の真の構造変更をもたらすようにワークピース内深くにある構造を変更するためにも使用できるからである。
【0015】
この新規の処理の結果は、上述された固められた材料(及び作り出された孔)の形状に課せられる通常の制約がもはや明らかでないということである。この技術を使用すると、新たな特徴が、ビームの特定場所への連続する巡回を使用することにより表面上に「成長する」。深い孔もまた材料内に形成され、これらは対応する局部的な表面突出部又は移動された材料に適合する平坦域を伴う。こうした特徴は、既存の技術により製造される特徴とは対照的に、幅より何倍も高さ/深さが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の第1の側面によると、ワークピースの構造を変更する方法は、
1)パワービームとワークピース間に相対的な動きを引き起こし、それによりワークピースの領域が溶融され、溶融材料がその領域の第1の場所で突起を形成するために及びその領域の異なる場所で孔を形成するために移動され、
2)溶融材料が少なくとも一部固まることを可能にし、及び従って
3)1回又はそれ以上の回数工程1)を繰り返し、各繰り返しに対応する領域が工程1)の領域と交差することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、本発明はワークピースの構造を変更する新たな方法を提供し、これはバルク及び/又は表面構造の変更を含む。
【0018】
本方法を使用して形成される突起は、こぶ、スパイク、平坦域などといった多くの異なる形状をとる。同様に孔も様々な異なる形状でありうる。これらは貫通する孔、出口のない孔、空洞、くぼみ、チャネル、凹部及びさらに空隙率を与える密閉された孔を含む。これらの突起及び孔のいくつかの具体的な例がのちに論じられる。これらの特徴のそれぞれは、一般にその特徴を取り囲む、すぐ近くの材料の形状に応じて画定される。従って、突起はワークピース内部の孔の中に作られ、同様に、孔は通常のワークピース表面周りに立つ突起内に形成される。孔はまた、既存の孔を画定する内部表面にも形成され、及び同様に突起は他の突起に積み重ねられる。
【0019】
本方法は、局部的な又は広範囲に及ぶ方法でワークピースの構造を根本的に変える手段を提供する。立ち代って、これは局部的な又は広範囲に及び特性を制御するために使用できる。以下のバルク(等方性/異方性)及び/又は表面特性は、電気的、磁気的、機械的、化学的、ロードベアリング、湿潤、摩擦、弾性、温度、放射、空気力学的、流体力学的、変形、ヒステリシス、密度、収率、構造、結晶学的配向性、腐食、接着といった方法を使用して変更される特性のいくつかの例である。
【0020】
ワークピースそれ自体は、通常単一材料のワークピースである。しかし、領域が部品ワークピース間のインターフェースに及ぶ場合には、複合ワークピースとして、2つ又はそれ以上のワークピースの形状をとる。このようにして、本方法は、例えば部品ワークピース間の電気的結合を提供するのに有益であるワークピースを一緒に接合するために使用できる。
【0021】
溶融された領域は多くの形状をとる。それぞれの領域は、好ましくは、開始位置から終了位置までの経路に沿ってワークピースに対して進行する原因となるビームにより画定される。従って、こうした形状の領域は細長い領域を含み、それは全体に又は一部湾曲する又は直線的であり、移動される相対的なビームの動きの開始及び終了位置を有する。好ましくは、こうした経路の長さは従って、実質的に少なくとも3つ分のビームの径である。細長い領域の最も単純な例は、直線状の領域である。しかし、溶融領域の他の形状は、円を画定する円周方向の経路の様々な一部分といった湾曲及びループを含む。
【0022】
通常、突起及び孔の場所がビーム経路の反対の端部であるように、ビームは特定の経路をたどる。しかし、処理に関連する物理的過程のために、突起は通常ビーム経路の始まりで形成され、孔は終了端部で形成される。それぞれの場合の溶融材料は問題となっている領域と実質的に同一空間を占めるやり方で流れる。しかし、こうした合致は、それが形成される固定マトリクスの材料と比較して、液相の大きな体積の材料に起因する、及び処理のフロー力学に起因する。
【0023】
いくつかの場合、1つ又はそれ以上の続いて起こる工程で、ワークピースに対するビームによりとられる様々な経路は同一ではない。これにより異なる形状の特徴が作り出されることが可能となる。代替案として、工程3)のそれぞれの領域は、工程1)の領域と実質上同一空間を占める。
【0024】
本方法はまた、1つ又はそれ以上のグループの領域を含み、各グループは工程1)の領域と交差する。この場合、各グループの孔は、工程1)の領域の孔と実質上同一空間を占めるように配置される。突起も同様に合致して配置される。その領域のグループもまた規則正しい配列で配置される。
【0025】
各領域の少なくとも一部の固化には、関連した限定時間があり、パワービームの効率的な使用は、こうした固化の間に基板上の他の場所で1つ又はそれ以上の領域を形成することによりもたらされる。
【0026】
被覆が提供されるといった、1つ以上の材料から形成されるワークピースもまた、合金が本方法の実行の間に形成されるように使用される。1つ又はそれ以上の更なる材料が、合金化を達成するために本方法の実行の間に加えられ、例えば本方法はまた、適切な合金化を提供するために気体雰囲気で実行される。
【0027】
様々な突起形態が本方法を使用して生じ、例えば交差する領域がワークピース表面を張り出す突起を形成するように配置される。これらは、表面が接合に関与し、従って接合効果が増大するときにフックとして作動する。こうした突出部はまた、表面に直立する構造を形成するために凝集される。例えば、多数の張り出している突出部はワークピース表面上のループを形成するために使用される。
【0028】
いくつかの場合、形成される孔及び突起が滑らかな表面を有することが望ましい。実際、適切なパラメータを使用して、多くの材料の中でこれらの構造、特に孔が、(この後記載される図面で説明されるように)著しく滑らかな表面で形成できる。更なる又は代替的な平滑化手段として、パワービームのエネルギー密度が、工程3)の間に、1つ又はそれ以上の以前のビームの動きに対して削減され、それにより形成される突起及び/又は孔の縁を滑らかにする。
【0029】
本発明の更に重要な適用は、特に金属及び複合体といった異なる材料のワークピースの接合にある。絶対的にではないが、金属には金属接合が、プラスチックにはプラスチック接合が、セラミックにはセラミック接合が及びそれらの組み合わせが適切である。
【0030】
金属部品と比較した複合体構造の利点は、当業者には良く知られている。しかし、根本的な特性の限界又は産業の保守主義及び/又は製造上の不利益によりそれらの使用が妨げられてきた事例が依然多く存在する。このことを考慮して、最も効果的な方法で複合体と他の材料を組み合わせる妥協案が追求される。これの最も一般的な例が、機械的な締め付け及び接着の組み合わせを通じたものである。
【0031】
こうした複合型の接合は、航空宇宙及び自動車といった幅広い種類の業種にわたり広く使用される。しかし、それらの限界は十分に文書化されており、最も重要なのは、孤立して接着を使用することとは対照的な効率的で滑らかな荷重伝達の欠如である。これらの限界は、複合材料を使用するという元の目的をしばしば打ち負かす設計を通じて取り組まれる。
【0032】
US−A−H788は、金属にプラスチックを接着する方法の一例を開示し、その際孔が化学的エッチング処理又はミリングにより金属の表面に形成される。これらの孔は、少なくとも部分的に、エッチングの深さで幅を増大し、それによりプラスチック層が適用されるとき、プラスチック層が金属表面とかみ合う。
【0033】
CA−A−2302964(通常EP−A−1048442及びEP−A−1197316に対応する)は、プラスチックに金属を接合する別の方法を記載し、その際孔は繊維がループする金属部材に提供される。
【0034】
US−A−5691391は、円材上のプラスチックブレードの射出成型を記載している。US−A−5118257は、溝付きの金属部材の複合タービンブレードへの接合を開示している。
【0035】
本発明の第2の側面によると、1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合するために部材形状のワークピースを準備する方法は、本発明の第1の側面による方法を使用して、表面の多数の孔及び/又は部材の大部分を形成すること、及び部材表面から外へ向かう突起を形成することを含む。
【0036】
従って、部材は本発明の方法に従って処理された特定のワークピースである、又はその部材は、間に座る及び他のワークピースの望ましい接合をもたらすように設計される中間材を含む。従って、本発明は、かなり異なる特性を有する金属と複合体といった異なるワークピースの接合に特に適している。
【0037】
従って、構造変更方法は材料の接合に重要な利点を提供し、それは部材(ワークピース)と1つ又はそれ以上の更なるワークピース間にある。特に、これは孔の寸法、形状又は相対的配置のうちの1つ又はそれ以上、及び/又は突起の寸法、形状、相対的配置又は化学組成のうちの1つ又はそれ以上により達成され、それらは所定の方法で制御される。従って、多くの異なる型の突起及び孔が意図される、というのは、本方法は、多数の材料の型の接合に適合可能だからである。
【0038】
好ましくは、突起及び/又は孔は、部材が接合されるワークピースと機械的に結合するように形成される。部材の至るところにある突起及び/又は孔は、ワークピース材料との最適な機械的連結を作るために調整される。
【0039】
例えば、金属部材を連続的な繊維複合ワークピースに接合する場合、金属製の突起が繊維を取り込むために湾曲され、及び複合体の処理の間又は接合部が圧力をかけられたときの処理後の動きを妨げる。孔は、ポリマー、及び可能的に繊維の端部が孔に流れ込むことを可能にする寸法であり、複合体の処理後に取り込まれたままである。金属製部材の金属製ワークピースへの接着の場合、接着剤が孔に流れ込み、硬化後の機械的連結を改善する。従って、接着剤の使用が望ましい処理では、孔は接着剤に適合する適切な寸法に配置される。
【0040】
突起はワークピース内の補完的な構造と相互作用するように配置される。従って、その突起はワークピースの内部特徴(それが孔であろうとそうでなかろうと)に適合するように調整される。部材が形状記憶金属を含む1つの特定のアプリケーションでは、突起及び孔の形状は接合部の準備の間又はその後に選択される。
【0041】
本方法に適合させることにより更なる利点が提供され、それにより形成される突起及び/又は孔が、ワークピースと部材ワークピース間の接合部内の任意の応力を分配するようにワークピースと協働し、従って接合部内の応力集中を削減する。通常、対応するワークピースに深く貫通する突起が、この場合に望ましい。
【0042】
さらに、突起及び/又は孔は所定の局部的な機械的特性、物理的特性又は温度特性を提供するように配置される。従って、本方法は部材と接合されるワークピース間の特性の合致をもたらすように使用できる。通常こうした場合、突起及び/又は孔は、部材の一部が使用するときに接合されるワークピースの部材と実質的に同一の部材の一部に局部的な温度及び/又は機械的特性を引き起こすように、部材の一部に配置される。この例は、ワークピースと接触する一部がワークピースのそれと実質上同一の機械的及び/又は物理的及び/又は温度特性を有するように、部材の特性が格付けされるということである。この技術は、熱膨張率及びその係数といった特性の不一致のために接合部で起こる応力集中を削減できる又は防ぐことができる。
【0043】
任意の熱処理のように、本発明による方法はワークピース内の応力を誘発する。処理の特徴、場所及びタイミングを調節することにより、これらの応力はワークピースの歪曲を制御するために使用される。
【0044】
本方法から続く更なる利点は、突起及び/又は孔が不具合のある接合方法を制御するように配置できることである。これは、不具合前の増大したエネルギー吸収といった多くの利点を提供し、接合部の部分的な不具合が接合部の過重負担能力の削減を引き起こさないことを確実にし、及び損害は不具合が発生する前に検知可能であることを確実にする。この例は、金属部材を繊維強化されたポリマー複合材料に接合する場合である。接合部の設計を通じて、不具合が金属部材のプラスチック歪曲として始まるように作られ、それは不具合の前に検知でき、及び大量のエネルギーを吸収できる。これは、複合材料の不安定な不具合に対して好ましく、それは突然のものであり検知できない。
【0045】
部材の物理的形状は、好ましくは、一旦形成された接合部の機械的機能を最大にするように配置される。本発明は、幅広い種類の接合構造の利益を提供する。可能な構造の例は、図31に提供される。接合部はまた、これらの接合構造の複合又は組み合わせからも成る。
【0046】
本発明の第3の側面によると、本発明の第1又は第2の側面による方法を使用して処理されるワークピースが提供される。本方法を使用して処理されたワークピースはすべて、こうして処理されたワークピースとその他との接合に起因する大きい構造を含み、本発明内で補完される。
【0047】
本発明の第4の側面によると、本発明の第2の側面により変更された第1のワークピースと1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合する方法が提供される。本方法は、本発明の第2の側面による方法を使用して接合する第1のワークピースを準備すること、及びその後そのように準備された第1のワークピースと更なるワークピースを接合することを含む。更なるワークピースと接合されるワークピースの表面の一部又はすべてがこのように処理される。
【0048】
一旦形成されると、ワークピースは、溶接、接着及び硬化といった当業者に既知の任意の接合技術を使用して他の部材と更に接合される。1つの繊維強化された高分子化合物材料と別の又は任意の他の材料との接合の場合、接合処理が複合体の処理と同時に行われ、及び樹脂は使用される唯一の接着剤である又はそうではない。
【0049】
接着特徴を改善する及び保持するような方法で接合する前に、ワークピース(部材)表面を前もって処理することが必要である。これは、これらに限定されないが、すべて当業者に既知であるエッチング処理、陽極酸化処理、樹脂被覆及び接着剤注入といった更なる処理を必要とする。
【0050】
本方法の好ましい適用は、繊維強化された高分子化合物構造と金属を接合することである。金属部材は、本発明を使用して最初に処理される。必要に応じた表面の準備もまた部材上で行われる。金属部材は、複合材料を部材状に積み上げる間に複合ワークピースと接合される。突起及び孔は、従来の接合方法より滑らかに荷重伝達するように及び接合部にわたる機械的及び/又は物理的及び/又は温度特性の突然の変化が少ないように設計される。その設計により接合部の不具合が、複合ワークピースの不安定な不具合よりもむしろ、プラスチック歪曲を介して金属内で始まることが可能となる。
【0051】
ワークピース部材が、第三者により必要なときにユーザーにより寸法を切断できる適切な長さに製造されること及び部材の結合が円滑に複合体製造処理に組み込まれることが予想される。例えば、本方法は金属端部を複合部品に提供するために使用されて、それに続く部品と金属構造の接合を金属の金属溶接を介して行うことができる。
【0052】
この適用は、使用される共通の材料が、それに限定はされないが、アルミニウム及びアルミニウム合金、チタン及びチタン合金及びカーボン繊維強化の高分子化合物を含む航空宇宙産業での使用に特に適している。他の業種で使用されるその他の材料は、ステンレス鋼、グラスファイバー強化の高分子化合物及びアラミド繊維強化の高分子化合物、又はそれらの混合、熱可塑性高分子及び繊維強化熱可塑性化合物を含む。
【0053】
従って、新しい型の接合方法が提案される。これは、通常ミクロ/分子レベルでの接着と連動したマクロ/ミクロレベルでの機械的接合の一般概念を包含することにより、現在の複合構造の限界に取り組む。
【0054】
本発明の重要な側面は、孔及び外側の特徴が、(金属といった)母材から形成され、及び材料の表面又はバルクと相互作用する及び化学的に変化する陽極酸化処理又はいくつかの他の化学処理を用いた酸化物変更に起因しないという事実に関係する。しかし、陽極酸化処理及びいくつかの他の化学処理は、本発明による以下の処理に使用できる。
【0055】
突起及び孔の形状及び分布は重要である。孔は相互結合する又は相互結合しないが、アプリケーションを接合し、好ましくは金属の表面から分離されない、つまり、接着処理の前又は間に樹脂又は接着剤で満たされることができる。それにもかかわらず、本方法は、材料構造内に分離された孔を作り出すことにより、内部空隙率が望まれるいくつかの適用に利点を提供することができる。
【0056】
本発明による方法のいくつかの例が、添付の図面を参照して記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
記載された例のすべてにおいて、構造変更は従来の電子ビームソースを使用して生成される集束電子ビーム(EB)により実行され、そのビームは基板に対して移動される。もちろん、上述のように、ワークピースはビーム又は基板とビームの両方に対して移動される。代替案として、レーザーといった他のパワービームも使用できる。
【0058】
図1は、鋼鉄のようなワークピース1の単一のスワイプの形成を示している。スワイプは図1で2と付された場所から始まり、小さいこぶ(突起)の形成を引き起こす。その後ビームが溶融領域3を作り出すために通常直線状の進路5を移動し、小さい孔(くぼみ又は空洞)が形成される地点4で終了する。このことにより基板材料が移動し、及び通常ビームが別の場所にスワイプを作っている間に、これが実質的に固まることが可能となる。その後ビームはこのスワイプの場所に戻って、正確に又は以下で更に詳細に記述されるような別の方法でスワイプを繰り返す。
【0059】
注目すべきは、この例では、溶融材料が(矢印5により示される)ビーム経路の方向とは反対の(図2に示される小さい矢印により示される)方向に流れることである。記載された例における材料の移動は、2つの相異なる構造の組み合わせを介して起こる。第1の構造は平行移動された蒸気で満たされた空洞(TVFC)内の圧力を、電子ビーム溶接中の圧力と同様の方法で利用する。この圧力効果は、一旦ビームの「鍵孔」の平行移動と組み合わさると、平行移動とは逆の方向に材料を最終的に移動させる。これらの状況下では、もし経路(「スワイプの長さ」)に沿った平行移動の距離が、通常ビームの径の約3倍である距離を超え、及びその材料の固化がビームの移動に近似して一様のやり方で進行するならば、移動される材料の量は、スワイプの長さにかかわらず固定される。しかし、材料の最終的な移動のみかけの距離は、この場合のスワイプの長さによってのみ左右される。従って、これら2つのパラメータは、望ましい効果を生み出すために独立して制御されることがわかる。
【0060】
第2の構造は、液体金属の温度を用いた表面張力の変化に頼る。この表面張力の温度勾配(STTG)で駆動される流れは、「スワイプ」が液体金属の温度分布に影響を及ぼす方法を除いて、「スワイプ」の方向とは無関係である。STTGの材料移動は、以下のやり方で起こる。細長くて(少なくとも幅の2倍の長さ)で、浅い領域の材料が、大きくて、基本的に平坦な表面で素早く溶融するが、均一に冷えないと仮定する。そのプールはわずかに凸面を有することがわかる(というのは、熱い液体金属は通常周りの冷たい固体よりも大きい体積を有するからである)。重力、入射されたビームからの蒸気圧などといった任意の他の力がない場合、その後この凸面は均一形状になる。しかし、プールの1つの端部が他の端部より前に冷え、表面張力が大いに温度に依存する場合、その後プールの凸面の上面が不安定な形状になる。表面張力が高温度のときに高い場合、その後プールの熱い端部は平らになり、対応する体積の材料はプールの冷たい端部で隆起を形成する。表面張力が高温度のときに低い場合には、逆のことが起きる。
【0061】
STTGでの材料の流れを発生させるために必要なのは、液体が冷たいときの液体プール全域の制御された温度勾配の存在だけである。普通は、温度勾配は「スワイプ」の方向であり、表面変更に対して最良の「造形」の成果は、STTG及びTVFC効果が付加的であるときに得られる。しかし、低出力密度ビームがスワイプの逆方向に材料を移動させるために使用できるのは、プール内の温度勾配の逆を引き起こす別の要因が存在する場合である。
【0062】
ワークピース1に対して主に直線的な動きを組み込むスワイプに対して、スワイプの長さは通常ビームの径より数倍大きい。スワイプ経路3が湾曲している場合、湾曲の典型的な最小限の半径はビーム径に相当する(が、限定はされない)。
【0063】
上記で説明されたように、各スワイプは溶融材料の小さなプールを生成する能力があり、それはワークピース1の表面全域を平行移動する。このプールでは、通常、金属表面上に入射されるビームから生じる蒸気圧から、大きな表面形成力が存在する。各スワイプの効果は、少量の材料を移動させることである。図2に示されるように、通常少量の残りの材料はスワイプの開始地点でこぶ2として見られる。対応する寸法の小さい孔4がスワイプの終わりで見られる。
【0064】
第2のスワイプが第1のスワイプ上に正確に重ね合わされる場合、終わりの孔4も開始のこぶ2も両方ともが、第1の近似値に対して倍の大きさになる(図3)。ここで一旦溶融された材料は6で示され、その上の領域は2回溶融されている。
【0065】
第3の重複しているスワイプが、最初の2つのスワイプに重ね合わされる場合、終わりの孔4と開始のこぶ2は、第1のスワイプ後より約3倍大きい(図4)。一回溶融された及び2回溶融された材料の領域は、それぞれ6と7で示される。
【0066】
スワイプを多数重ねた後、開始のこぶ2での材料は、それとの遠隔結合のために、バルクによりもはや十分に冷却されない。これにより、同様の性質を持つ更なる連続するスワイプを伴う、開始のこぶの高さの更なる増大は引き起こされない。なぜなら、各スワイプは、今や以前のスワイプからのほとんど全ての材料を再溶融するからである。n回重なったスワイプの後(図5及び図6)、ワークピース1の終わりの孔4及び開始のこぶ2は、幅に対する高さ/深さの比率が大きい。これが起こるとき、入射ビームは、入射地点での単位面積あたりのビームパワー密度の効果的な降下のために、もはや最後のくぼみで同じ量の材料を溶融しない。
【0067】
図7から図9は、以下で述べられる例のいくつかを記載するための表記システムを示している。図7では、1000のスワイプパターンが、「B」型のスワイプパターンを使用して250の突起を作るために使用される。開始の突起は8で示され、最後のくぼみ(孔)は9で示される。これらの位置の間の線は、ビーム経路を示し、この線上の矢印は材料の流れの方向を示す。示されたように、突起番号「1」はスワイプ番号1、21、41、61から形成される。図8はこれをもっと一般的に示しており、それらを分離する別の場所での他の20のスワイプを伴う4つのスワイプの使用を示している。図9に示されるように、「n」は各場所のスワイプの数を意味し、「r」はそれぞれが再訪する前の数であり、「H」は突起の数、「S」は繰り返しパターンにおけるスワイプの数を意味する。
【0068】
異なるいくつかのスワイプの開始位置が重なる場合、その効果は、フィニッシュホールのそれぞれよりも何倍も大きな重なった開始の突起、つまり「スーパー突起」を作ることである(図10)。これに対してn=20、r=250、H=250及びS=25000である。5つの異なるスワイプ位置の突起が、これを達成するために重ね合わされる。
【0069】
フィニッシュホールのすべては重ならないが、全ての開始の突起が重なる場合、その結果は、手頃な大きさの開始突起の特徴を取り囲む基板表面の高さの一般的な減少である。
【0070】
いくつかのスワイプのフィニッシュホールが重ねられる場合、その結果は開始突起、すなわち「スーパー突起」のそれぞれより数倍大きい孔を作ることである(図11)。ここでn=3、r=10、H=10、及びS=120である。4つのスワイプ位置がこのスーパーホールを達成するために使用される。
【0071】
開始突起の全てが重なり合わないが、全てのフィニッシュホールが重なる場合、その効果は、元のワークピース表面上にわずかに起き上がる小さい平坦域により取り囲まれる深い孔を作ることである。
【0072】
図12は、(3つのスワイプ位置それぞれから作られる)スーパーホールと(6つのスワイプ位置それぞれから作られる)スーパー突起のネットワークの例を示している。この場合、n=20である。
【0073】
処理される領域内のワークピースが1つ以上の材料から形成される(例えば、第2の材料でめっきされる又は被覆される)、又はワークピースが適切な気体又は液体環境で実行される場合、新しい機能的な合金が作られる。被覆の場合、連続するスワイプが被覆そのものから、又は望ましい基板の露出部から材料を移動させることができる。このようにして、開始突起の構成及び特性は、上から下まで格付けされる。通常その処理により、特にTVFCモードで動作させるときに、処理された材料が蒸気及びスパッタにより少し失われる。更なる揮発性要素が、通常処理された材料から蒸気として失われる。例えば、多くの材料の中で、処理された材料の50%から95%が移動されるが、処理後のワークピースに付着して残っている。
【0074】
本方法を用いた処理の間に、基材からある要素が失われることは、必要であれば構成、構造及び特性の局部的な変化を提供するために意図的に使用される。
【0075】
新たに処理された表面は清潔で、更なる被覆に対する受容力があるので、この被覆をパワービームを用いた処理中又は直後に実行することが都合が良い。いくつかの場合では、優先的に失われた1つ又は複数の要素の被覆は、処理の間に容易に形成される。
【0076】
連続する直線状のスワイプが同じ場所で実行される場合、その結果は通常、開始突起がおよそ三角形の形状である。スワイプ方向の各側面からそむいている及びスワイプ方向の各側面に向いている開始突起の側面はほとんど垂直である。他の側面は通常基板表面に対して曲がっている。フィニッシュホールもまた対応して三角形状である。
【0077】
フィニッシュホールの形状は、もしビームが孔の底部に近づく視野方向を依然有するならば同様の方法で制御され、それは傾いたフィニッシュホールの場合、複雑なビーム/ワークピース操作を必要とする。
【0078】
処理は通常、入射されたパワービーム方向に垂直な表面に適用されるが、多くの場合、ワークピース表面に対して別の角度で連続的に適用される。
【0079】
正しいやり方で実行される場合、その処理によりワークピースの表面に並行に並ぶスロットの生成が可能となる。
【0080】
ワークピース内のスロット(細長い孔)は、多数の場所で互いに交差するように作ることができる。しかし、新しいスワイプ経路が既存のスロットと交差する場合には、正確な材料移動は通常維持されない。
【0081】
スロットはその幅よりも何倍も深く、そして長い。適切な断面の厚さでは、スロットは完全にワークピースを貫通するように作られる。
【0082】
スロットの最小幅は、上述された成形力効果を生み出す十分なパワー密度を有するビームの部分(核)の径により決定される。
【0083】
この処理により形成されるスロットの側面は、もっぱら再溶融された材料から成り、その材料はEB穿孔では専門用語が「定義されていない」。本発明の造形処理では、適切なパワービーム密度が使用されるならば、各スワイプからの「定義されていない」材料が、通常、以前のスワイプからの材料とともに円滑に溶融する。従って、その結果は非常に滑らかで平行な側面を持つスロットである。
【0084】
適切な径とパワーを有するビームを伴う独創的な処理を適用することにより、ほとんど任意の寸法の特徴が、処理条件下で基本的に安定した液相を示す任意の材料上に作り出される。
【0085】
液相の表面張力が温度に対して非常に強い関数をもつ場合には、特別な処理条件が必要となる。
【0086】
1つ又はそれ以上の(整合又は非整合)材料が、通常のワークピースの「フィニッシュホール」領域に継続的に付加される場合、最終的な結果は、ほとんど又は所望ならば全く対応する孔がない表面の特徴である。追加の材料が、例えばワイヤー又はパウダーといった従来技術の使用を介して付加される。材料が、ワークピースの「開始突起」領域から継続的に取り除かれる場合、その結果は、材料をほとんど又は全く有しないワークピース内の孔でありうる。余分な溶融材料は、吸い上げ、吸い込み又は吹きつけ(例えばガス噴射を介して)を介して、又は溶融プールの自然噴出及びワークピースからの材料の除去を引き起こす高パワー密度ビームの適用により取り除かれる。両方の場合、ワークピースのすぐ近くに持ち込まれる消耗品の又は使い捨ての「パレット」を含む材料は別の分離した要素を使用して取り除かれる又は付加される。この場合、スワイプ経路はワークピースとパレットの上に部分的に落ちる。
【0087】
従って、2つ又はそれ以上の分離した部分を含むワークピースは、本技術を使用して一緒に接合される。突起が1つの部分から別の部分に橋渡しをするような方法で、ワークピースの1つ又は全ての部分から通常の方法で突起を作ることにより、1つ又は複数の接合部が作られる。これらの接合部は多くの目的のために、例えば機械的結合又は電気的結合のために使用される。これは、2つ又はそれ以上の部分ワークピースから形成される複合ワークピースの例である。
【0088】
好ましい場合、任意の1箇所におけるスワイプの間の時間は、ビームを止めることにより消費されない。それよりむしろ、ビームはこの時間の間に使用されて、ワークピースの別の領域又は別のワークピースを処理する及びスワイプする。
【0089】
単一の連続ビームにより同時に処理される別々の場所の最低数は、スワイプ間の各場所で必要とされる滞留時間に関して、各場所のスワイプ(又は複数のスワイプ)のためにとる時間により決定される。もし正確に必要な時間より長い時間動作する特別の冷却が許容されるならば、最大数は、ビーム偏向/ワークピース操作システムの機能によってのみ限定される。
【0090】
いくつかの場合、本発明を実行するために同時に多数のパワービームを使用することが好ましい。例えば、単純な場合では、第1の電子銃と全く一致する第2の別個の電子銃の列を有する。この方法を使用して、それぞれの銃の列が、同一方法で、同時にワークピースの別の部分を処理するために使用される。この方法を使用して、更なるビーム発生器が要求に応じ加えられる。代替的な方法は、多数のビームエミッターを用い、共通のビーム発射及び操作システムを伴う。このようにして、非常に多数のビームが、必要な装備の量が大幅に増大することなく同時に作動するように作られる。必要であれば、こうした多くのシステムは、速い速度で処理を実行するために同時に使用される。
【0091】
1つの場合、ワークピースは電子ビーム発生器に対して静的である。「包括的な」ビーム偏向パターンが、ワークピースの表面上の場所のアレイ(例えば均一な間隔の行と列を含むパターン)間でビームを操作する。各場所では「モチーフ」偏向が実行され、それは要求に応じて1つ又はそれ以上の「スワイプ」を含む。「包括的な」偏向パターンが所定回繰り返された後に、その処理は完全となり、ビームが終了される。
【0092】
別の場合には、「包括的な」及び「モチーフ」パターンが上記のように使用される。しかし、この場合、ワークピースもまた動いており、それにより「包括的な」パターンの繰り返しの際に、パターンがワークピース上に異なって重ねられる。それぞれの繰り返しで、包括的パターンの第1の列の場所は処女材料上にあり、第2の列は、第1の列などにごく最近さらされていた場所上にある。この処理の変更では、
A)「包括的な」パターンの列の数は、それぞれの場所の巡回又はスワイプの必要数に等しくなるように作られる。このようにして、その処理は継続的に基板材料の移動ストリップ又はシートに適用され、全ての場合に(実行の開始及び終了での場所を除いて)それぞれの場所での正確に同等な最終的効果を伴う。
B)処理中に回転される対称な円形の一部に適用される場合、(いくつかの場合で2つの異なるスワイプ間の正確な温度変化を除いて)正確に同等な動作が、ワークピース上の全ての場所で得られる。これは、ワークピースの動きが包括的なビーム偏向と正確に同期する場合に達成され、それにより360度の回転が正確に包括的パターンの繰り返しの整数倍に対応する。
C)包括的パターンの各列が、それぞれの場所で同等のスワイプパターンを、又はそれぞれの場所で異なるスワイプパターンを作り出すように配置される。ワークピースの動きと組み合わせて、これはワークピース上に更に複雑な又は傾斜した特徴を作り出すために使用される。又は、
D)必要に応じて、電子銃に対して固定される場所で、材料がワークピースに加えられる又はワークピースから取り除かれる。
【0093】
オーステナイト系ステンレス鋼に対する本方法の適用例のいくつかが図13から図15に示されている。図13は、6つの孔に取り囲まれた単一のスーパー突起を示している。図14は、図13に示されるスーパー突起の、その隣近所に対する位置を示している。
【0094】
これらの例のパラメータは、図32の表に示されている。
【0095】
オーステナイト系ステンレス鋼の湾曲したビーム経路を使用する本発明による構造変更の例が、図15及び図16に示される。図15は、直立する突起を示し、それぞれが一部湾曲したビーム経路を使用して形成される。図16では、中央の直立する突起の特徴が、取り囲んでいる湾曲した(一部円形の)ビーム経路の2×2のマトリクスの中央で形成される。それぞれの場合に使用される処理パラメータは、図32の表に詳述されている。
【0096】
重複特徴もまた、本方法を使用して達成される。図32のパラメータは、重なった連続する「造形」動作の例の詳細も与えている。ビーム経路の詳細は、図32を参照して図21Aから図21Fで与えられる。図21Aから図21Fでは、点線が、第1のビームに対する繰り返しのビーム経路パターン(実線)の一般的な動きを示している。
【0097】
これらは、更に細密な特徴の創造を可能にする。1つの例では、材料の低くて広い畝の多くは第1の操作を介して作られる。これらの畝は、その後第2の操作を介して処理され、第2の操作は通常材料表面の下又は上に大体同じ高さの孔及び突起を作る。しかしこの場合、孔は材料の低く直立した畝の中で生成されるので、孔は材料の元の厚さに深く貫通しない。これは、表面に対応する深い孔を有することなく、材料の本来の表面上に高い垂直部を作る1つの方法である。図17に示されるように、多数の「フィン」及び「スロット」は低い畝一面に重ねられる。更なる詳細は図32で提供される。
【0098】
連続する直線状のスワイプが、わずかに異なる場所で、例えばそれぞれが同じフィニッシュホールに到達するためにわずかに異なる長さの経路を必要とする場所で開始される場合、その結果は、非垂直の開始突起特徴である。この場合に、連続して短いスワイプ経路が使用されると、スワイプ方向から背いている開始突起の側面もまた、基板材料に対して鋭く曲がっている。この効果は、ほぼ対称な開始突起特徴を作り出すために調整される。
【0099】
代替案として、引き続いて長いスワイプ経路を用いて、スワイプ方向から背いている開始突起の側面が、張り出し特徴を作り出すように基板表面に対して傾斜される。
【0100】
連続する直線状のスワイプが同一の場所で実行されるが、そのスワイプが正確に重ねられず、それにより各スワイプが直線状のスワイプ方向に対して横方向に小さく偏移する場合、その効果は、基板表面に対して傾斜する開始突起を作り出すことである。
【0101】
これら2つの場合では、隣り合う傾斜した開始突起が、それらが互いに向かって傾斜するように作られる場合に、いくつかの開始突起は一緒に溶融される。これは、基板表面に盛り上がった溶融材料の「ループ」又は「複数のループ」を作り出すような方法で行われる。
【0102】
「張り出し」(傾斜)特徴の生成に戻ると、それぞれの「スワイプ」により作られる溶融された経路の真の長さは、電子ビームの径、材料特性及びスワイプの速度に関連する量により、スワイプの実際の長さよりもわずかに大きい。これは、単一のスワイプにより移動された材料が、以前のスワイプ又はスワイプの開始地点での端部特徴を越えて張り出す又は突出するように作られることを意味する。それぞれが連続してさらに張り出す位置で開始するように作られた連続するスワイプが再配置される場合、その後その張り出しは端部を越えてさらに突出するように行われる。
【0103】
このようにして、ワークピースの厚い部分で形成される孔が、最上面での金属突起により部分的にブロックされるように作られる。この応用は、中に穿孔される比較的長い孔を伴うモノリシック部分からの精細なフィルタの製造である。突出材料が移動されるときに作り出されるスロット又は孔により、表面全域にわたる液体金属の自由な移動が、必要な場合には可能となる。これにより、孔の間の領域からの液体の流れが向上する。
【0104】
連続して偏移されるスワイプが平坦な表面上で実行される場合、突出特徴が作られ、それはフック状の外見を与えて後方に傾いている。これの応用例は、繊維強化された材料と金属基板間の荷重伝達にある。図18は、こうした張り出し特徴の例を、図32に示される処理パラメータとともに示している。実際、図32の表に示されるパラメータへの変更を使用して、完全に貫通する孔が、使用されるチタン合金の2mm厚のワークピースに形成される。
【0105】
その変更は材料が冷えることを可能にする一時停止を導入することを含み、それによりワークピースの歪曲が削減される。
【0106】
図19は、軟鋼サンプルT299における本方法の使用を示している。
【0107】
図20は、Al5083、T291の更なる例を示している。それぞれの場合において、更なる詳細が図32に提供されている。
【0108】
材料の「造形能力」は、図32の表に記載されるパラメータを含む多数のパラメータに左右される。さらに、材料の純度により著しい効果を有する。材料の局部的な不均一性、又は溶融された揮発性元素の量が、材料の「造形能力」の差を大きくする。
【0109】
ワークピースの基本的に広くて、平坦な凹部、又は畝を作ることが意図されるようないくつかの場合、「孔」の最初の掘削は、比較的強いビームを使用して最善に実行される。これは、孔と畝の特徴を比較的粗くしておく。掘削の最終段階で、又はそれに続く操作として、低パワー密度のビームを利用することにより、材料移動の比率は大いに削減されるが、なめらかな孔又は畝がもたらされる。
【0110】
本発明は、ビーム及びワークピース表面の間の様々な角度を使用して実行される。様々なパワービーム処理は、ある一定の地点までビームに対して直角以外の角度の表面上でのみ動作するということが共通して適用される。これはこうしたビームを使用した浅い角度の孔の穿孔を制限する。この効果は、円形の点がワークピースの表面上で楕円形になるという幾何学的なパワー密度の削減及び浅い進入角度で入ってくるビームに対する表面の増大する反射率による。レーザー/電子ビームの穿孔又は他の有益な処理に対して、意図された処理に必要なパワー密度は、実質上材料を溶融するのに必要なパワー密度よりかなり大きい。しかし、本発明を用いると、パワー密度が金属を溶融するのにやっとであっても、STTG駆動のフロー構造が問題の材料で動作しているならば、構造変更を実行することは可能である。こうした操作は、ワークピースの局部的な傾斜の変化を作り出すために使用できる。従って、ビームのより高いパワー密度を必要とする後続の操作に対する前置として、これを傾斜したワークピース上で局部的に行うことが可能である。
【0111】
接合されるワークピース構造の準備という重要な応用における本発明の使用を示す更なる例が記載される。
【0112】
これらの例のうちの第1の例により作られるこうした接合部の全体的な特徴が図22に示され、それは中間部材102を使用して第2の金属ワークピース101と接合される第1の複合ワークピース100を示している。金属部材101と102間の接合は、以下に記載される接合方法により達成される。溶接部は103で示される。
【0113】
図23に示されるように、本例では、金属製の中間部材102は、チタンを非対称のスカーフ接合に必要な一般的な形状に機械加工することにより形成される。多くのその他の可能な接合構造のうちのいくつかの例が図31に示される。
【0114】
複合ワークピース100に接合される表面104が、図23に示される。表面の機械加工に続いて、その後本発明の構造変更方法を使用する電子ビームシステムを用いて処理される。この場合、処理方法は突起105と孔106(図23に概略的に示されている)の配列を作り出すように表面104の全体に適用される。
【0115】
注目すべきは、突起及び孔の相対的な配置により形成される異なるパターンが、異なる具体的な要件に対してこうした部材を設計するために使用できることである。本例では、突起のそれぞれはスパイクのように配置され、各スパイクは形状及び寸法が似ている。同様に、孔もそれぞれ形状及び寸法が互いに対して似ている。こうした相似はもちろん必須ではないが、本例では、構造変更に対する処理パラメータを単純化する意味でいくつかの便利さを提供する。
【0116】
こうした相似が使用されない場合、特に突起の形状及び寸法は接合される表面の領域が異なると異なり、それによりこれらの領域では異なる接合特性が与えられる。突起はまた、突起が突き出る一般的な表面に対して実質上直角であるよりむしろ異なる角度で作られる。角度付けされた突起は、複合体の繊維を捕捉する及びそれらが荷重を受けて移動することを妨げるという利点を有する。しかし、所定の長さの突起に対して、表面に対する角度が小さければ小さいほど、突起が複合材料に届く距離が小さくなり、従って任意の応力が複合体の深さを通じて移動できない。これは、突起の高さが注意深く設計されるべきである場合の1つの例である。
【0117】
突起の形状はまた、部材の部分が異なると異なる。いくつかの場合、フック形状は接合強度に役立つ。
【0118】
この例では、突起の化学組成もまた部材ワークピースの領域が異なると異なるように作られる。これは、様々な構造により達成でき、そのうちのいくつかは、
a)パワービーム処理中の金属部材合金の一部の優先的な気化;
b)いくつかの層からの材料の溶融がパワービーム処理中に起こるいくつかの層を有する部材の使用;
c)処理中での余分な材料の追加である。
【0119】
突起に対するのと同様の方法で、製造される孔の寸法、形状などもまた部材の領域が異なると異なっている。
【0120】
機械的特性、物理的特性及び温度特性及びこれらの特性の値により発生するいくつかの効果には、部材の材料の局部密度に左右される。そして、これは作り出される孔の体積に左右される。例えば、部材とそれに接合されるワークピース間の特性の値の不一致により起こる課題が、孔の形状及び部材の異なる領域の密度を注意深く設計することにより削減される又は取り除かれる。
【0121】
本例に戻ると、本発明による表面の処理に続いて、その後表面はさらにグリットブラスティング、エッチング処理及び陽極酸化処理によるような接着特徴を向上させる及び保持するのに適した方法で処理される。
【0122】
カーボン繊維強化されたエポキシ「プレプレグ」の層107は、その後図24に示されるように、処理された部材表面上に積まれる。一旦プレプレグの積み上げが完成すると、積み上げた全体が従来の方法でオートクレーブに置かれ、及び保存処理される。この場合に使用される複合パネルに対する材料及び製造方法が、オートクレーブで保存処理されるカーボン繊維強化されたエポキシプレプレグである一方で、多くの他の材料及び製造方法が複合接合に対してメタルをもたらすために使用できる。
【0123】
第1の代替例は、部材上の乾いた繊維状のプレフォームの積み上げ、続いて樹脂のプレフォームへの真空注入を含む。実際、適した材料の多くの例が存在する。航空宇宙産業の部品の場合、繊維はカーボンであり、プレフォームは織られ、編まれたしわのない繊維又は編み上げられており、樹脂はエポキシでありその一部は熱処理される。海事の部品の場合、繊維はガラスであり、樹脂はビニルエステル又はポリエステルであり、及びその一部は室温で処理される。
【0124】
第2の代替案は、カーボン繊維強化された熱可塑性プレプレグの部材への積み上げ、続いてホットプレスでの圧密化を含む。
【0125】
上述された処理のような任意の製造処理は、少なくとも孔のいくつかに流れ込むことを確実にするために、部材及びワークピース間のインターフェースでの積み上げの間に付加される追加の樹脂又は接着剤を必要とする。
【0126】
オートクレーブからの除去の際、最終生成物は金属製の端部102を伴う複合構造100を含む。これは図25に示されている。その構造の断面図は図26に示される。これは、部材からの金属突起が生成物の複合部分を突き出たことを示している。同様に、生成物の複合部分からの樹脂及び可能的ないくつかの繊維は部材の孔に流れ込む。
【0127】
図27は、複合体の層に突き出ている白色の金属突起を伴う実際の接合部の断面図を示している。突起によるワークピースとのこうした結合は、改良された機械的連結及び複合ワークピースの厚さを通る応力伝達を提供する。
【0128】
部材及び繊維強化された複合体間の荷重伝達が、突起がこれらの層を貫通するという方法のために、繊維強化された複合体のいくつかの層に広がることが評価される。突起は幅よりも何倍も高さがあるように作られるので、接合部が圧力を加えられたとき、著しく弾力性のある曲げ応力が突起に引き起こされる。最も単純な場合では、小さく印加された負荷が、古典的な複合荷重された片持ち梁理論により予測される方法で、ほぼ並行な側面の突起を弾力的に変形させる。しかし、突起は大抵任意の外郭で作られ、複合体の合成率及び実際に起こる複雑な接合部荷重を可能にする。これは、接合部における荷重分布が、通常可能ではない方法で、役立つように変更される及び制御されることを意味する。
【0129】
同様に、突起は異なる方向に向けられる、及び/又は異なる方向の異なる曲げ特性を有するように外郭が作られるので、複合体と金属部分間の荷重伝達は、複合材料の異方性によりよく合致するように異方性に作られる。
【0130】
本例の処理の更なる工程として、及びすでに述べられたように、金属の中間部材102はその後図22に示されるように金属構造に接合され、金属構造に組み込まれる複合部材を作り出す。任意の適切な接合技術は、生成物の金属部分及び金属構造間の接合部を生み出すために使用され、これらの接合技術はボルト締め、拡散接合、レーザー溶接、摩擦撹拌溶接、電子ビーム溶接又は抵抗溶接を含む。
【0131】
典型的なワークピースの画像は図28に示される。これは、チタンワークピースの接着表面のいくつかに多数の突起を有する階段状接合のチタンワークピースを示している。各突起は約2mmの長さを有する。これらは表面上の突起の最大高さが約1.5mmであるように表面に対して曲げられている。同様に、孔は約1.5mmから2mmの深さを有する。カーボン繊維のプレプレグはその後これらの突起上に積み上げられ、約2.5mmの厚さの貫通された複合体を与える。こうした適用では、通常のカーボン繊維のプレプレグは必要な特性に左右される1mmから15mmの間の厚さまで積み上げられる。
【0132】
接合されるこれらの構造に対する寸法は変化するが、ミクロンからメートルまでの厚さの任意の複合体を実質的に対象とできる。
【0133】
本発明の表面及び/又は構造変更が多数の適用に利点を提供することが評価される。これらのいくつかが簡潔に以下に論じられている。
【0134】
A)気体又は液体の流れ、又は圧力波を成型する異なる孔/管の外郭(例えば、「NACA」管形状)の製造。
【0135】
B)新規のテクスチャー/機能性及びより深い構造上の変更のためのモールド/金型の製造。さらにいくつかの材料の表面硬化が、本方法を使用して可能である。モールド内の孔はまた、(モールド解除のための)気体放出及び気体注入にも使用される。
【0136】
C)例えば、新しい設計のタイヤを製造するのに他の方法では問題のある深くて狭い特徴を組み込むような、低い係数の材料(例えばゴム)及び/又はそれらを作るために使用されるモールドの処理。新しいタイヤの構造は、改良された水管理及び消音のために製造されうる。
【0137】
D)自然な生体適合性のある表面を正確に模倣する処理を使用した(骨といった)生物学的課題に対する接着の向上のための、金属製の、セラミックの又は高分子成分を伴う人工器官、移植片及びその他の生体力学的構造物の製造。耐荷重の生体力学的接合表面もまた、改良された性能に処理される。
【0138】
E)トライボロジーの応用のために、制御されたトポロジー及び/又は化学組成を伴う表面の製造。例えば、めっきした表面を処理することにより、硬くて2種以上の金属から成る材料の小さい孔及び小さな島が、本質的に柔らかい基質に作られる。本処理又はその他の処理の変形は、ベアリング面の製造に使用される。
【0139】
F)高い縦横比の垂直部を作り出すことによる電子回路系の電子的「Z」結合の製造。
【0140】
G)「気体援助型境界層」(GABL)を提供し、それにより抵抗を削減する気体フローのための船体への多数の孔の製造。飛行機の翼の表面の材料において、本発明を使用して処理される材料はまた、例えばフローの一部を翼に引き込むために使用され、表面の外側で必要とされるフロー条件を維持する。
【0141】
H)直立する突起の規則的アレイ(図29参照)の生成により新たな材料(例えば、エアロシート)を作るための拡散接着用の材料準備。エアロシートは、シート材料の中心線の空隙をそのままにしておくために処理されたシートを一緒に接着することにより作り出される。相互結合された空隙シートは、適切に処理された表面を一緒に接着することにより作り出され、液体/気体、又は科学的活性種の冷却をシートの中心線に沿って進行させることが可能である。微孔性シートはまた、接着前にシートと上面又は下面に貫通する孔を形成することにより作り出される。
【0142】
本発明を使用して1つ又はそれ以上の材料片を処理することにより、材料片はその後互いに、又は1つ又はそれ以上の処理されていない材料片と接合され、得られた生成物は一層強化された特性を有する。使用される接合技術は、溶接、拡散接合、ろう付け、接着及び機械的接合の形式を全て含む。例えば、これは低密度で高剛性のシート材料及び内部空隙とチャネルを含む部分の製造に使用される。拡散接合されたチタンシートがこのように作られてエアロシートを作りだす場合、得られた材料は極めて強化された特有の特性を有する。この場合、その材料もまた実質上従来技術を使用して溶接され、切断され、形成され及び接合される。処理されたパネルは組み立てられ、及び縁は(例えばEBWを介して)溶接されて、真空密閉されたパッケージを提供し、この型の材料を与えるためにHIPingを介した接合の準備を整える。組み立てられたシート間の結合は、そのアプリケーションが要求する最適な機械特性、温度特性又はその他の特性を提供するために調整される。独創的な処理が、その構造の1つ又はそれ以上の部分に完全に貫通する孔を作り出すために行われる場合、その後流動体が、例えば冷却、加熱、溶融、抵抗低減、又は化学反応目的のためにこれらの孔及び又は内部の空隙を通過する。異なる材料のシートを一緒に接合することにより、高度な複合構造が、例えば本発明を使用して処理された金属性の向かい合うシートを使うことにより及びそれらを低密度ハニカムコアに接着させることにより作られる。
【0143】
I)音響的な活性表面は、音波破壊又は反響のために本方法を使用して材料を処理することにより作り出される。
【0144】
J)形状記憶金属は活性した機能性を与えるために処理できる。バルク材は化学的に又は幾何学的に局部変更され、部分的に形状記憶合金組成である機能的領域を与える。
【0145】
K)光学素子の処理は、表面の光学特性(例えば伝達及び反射)が、例えばホログラフィック機能で変更されるように、本方法を用いて達成される。
【0146】
L)センサーの製造は、例えばリニアエンコーダの孔又は垂直部の正確な及び/又は規則正しい配列をもたらす本方法を使用することにより達成される。
【0147】
M)熱交換機、触媒コンバータ及び通気化学反応管といった装置は全て、適切な部品に適切なチャネル/孔及び/又は表面突起を作り出す本方法を使用することにより改良された特性を伴って作り出される。
【0148】
N)2つの金属を持つ表面の機能性は、2つ又はそれ以上の異なる構成の層を含む表面特徴を作るために、更なる材料が加えられる表面を処理することにより達成される。
【0149】
O)ディーゼルインジェクタの製造もまた、特にノズルの流力特性、及び押し出される燃料を揮発する能力に関して本方法を使用して行われる。(本方法によって作り出された)再溶融された材料の表面硬化は、磨耗特性を改良するために使用される。さらに、ノズル特徴は、旋回動作がノズルを通る流れに与えられるところで作られる。これにより、例えば、ノズル磨耗が運転中に発生するときに、体積流量特性が自動的に補正されることも可能となる。
【0150】
P)ギザギザのない孔の製造もまた、本方法を使用して達成される。完全に貫通する孔がつくられるとき、正しい条件下で実質的にギザギザのない孔がワークピースの離れた側面上に形成される。この型の孔はギザギザのない孔の縁が必要とされる多くのアプリケーションで使用される。これらは、様々な切断又は剪断処理、及び穿孔した表面上の流量に、ギザギザのない縁を有することで最小の支障しかきたさない処理を含む。例は図30に示されている。
【0151】
Q)様々な処理が、本方法を使用した処理が続く表面を調整するために適用される。例えば、任意の被覆又は化学変換処理が実行される。また、様々な機械処理が処理された表面上で行われる。例えば、突起が新しい機能的な形状に変形される、又は完全に均一な高さ又は合わせ部品との一致を提供するように単純に変形される。こうした表面を用いて組み立てられる接合部は、印加された負荷、滑らかさ及び平坦性から通常予想されるよりも優れた熱的接触及び電気的接触を有し、それはインターフェースでの局部的な歪曲及び接触モードのためである。
【0152】
R)本方法は、表面の一部の様々なポテンシャルの傾き(化学的、電気的、磁気的を含む)を変更するために使用され、それにより表面での材料の付着又は除去、又は表面での化学反応の進行が変わる。
【0153】
S)結晶学的にテクスチャード加工された/方向付けられた材料及び表面の製造は、本方法を用いて達成される。通常、連続するスワイプを介して「成長する」突起及びその他の特徴は、最初に従来の異種核形成及び成長を介して成長する。しかし、的確な状況下で、特徴は特定の粒子配向又は結晶学的組織を得るような方法で成長するように作られる。これは、例えば、それ自体で特定の材料構造/特性を与えるために、又は続いて付着される又はワークピース上で液相又は気相から成長する材料の結晶学的指向及び/又は増殖形態を制御するために使用される。
【0154】
T)異方性微粒子及び繊維もまた作り出すことができる。それらの形成の後で異なる処理工程を実行することにより、これらの特徴は、異方性の繊維又は粒子形状をして、ワークピースから切り離される。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】基板に沿った単一のスワイプを示している。
【図2】図1のスワイプの断面を示している。
【図3】図2に似ているが、2つの交差するスワイプを示している。
【図4】図2に似ているが、3つの交差するスワイプを示している。
【図5】図2に似ているが、n個の交差するスワイプを示している。
【図6】図5の例の斜視図である。
【図7】表記システムを示している。
【図8】表記システムを示している。
【図9】表記システムを示している。
【図10】「スーパー突起」の形成を示している。
【図11】「スーパーホール」の創造を示している。
【図12】スーパーホールとスーパー突起のネットワークの形成を示している。
【図13】オーステナイト系ステンレス鋼のスーパー突起の顕微鏡写真である。
【図14】図13に示された基板の領域の顕微鏡写真である。
【図15】一部円形のビーム経路で形成される突起を示す顕微鏡写真である。
【図16】多数の湾曲したビーム経路の使用を示す顕微鏡写真である。
【図17】畝を示す顕微鏡写真である。
【図18】張り出し特徴を示す顕微鏡写真である。
【図19】孔と三角形の突起を示す顕微鏡写真である。
【図20】変更された表面構造の孔と突起を示す顕微鏡写真である。
【図21】図32の表に応じた様々なモチーフを示している。
【図22】本発明により変更されたワークピースを含む接合部の斜視図である。
【図23】ワークピース部材の斜視図である。
【図24】ワークピース上の複合体層の積み上げを示している。
【図25】接着剤で張り合わされたワークピースと複合体の更なる図を示している。
【図26】突起と複合体間の相互作用を示す概略的な断面図である。
【図27】突起と繊維複合体層間の相互作用の例を示している。
【図28】ワークピース内の突起の画像である。
【図29】「エアロシート」の形成を示している。
【図30】処理されたワークピースの底面を貫通する孔を示している。
【図31】接合部の型の例を示す表である。
【図32】処理パラメータを示す表である。
【符号の説明】
【0156】
1 ワークピース
2 こぶ
3 溶融領域
4 終了地点
5 進路
100 第1の複合ワークピース
101 第2の金属ワークピース
102 中間部材
103 溶接部
104 表面
105 突起
106 孔
107 エポキシ「プレプレグ」の層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)パワービームとワークピースとの間に相対的な動きを引き起こし、それにより前記ワークピースの領域が溶融され、その溶融された材料が移動されて、前記領域の第1の場所に突起を、及び前記領域の異なる場所に孔を形成し、
2)前記溶融された材料が少なくとも一部固まることを可能にし、及びその後
3)1回又はそれ以上工程1)を繰り返し、各繰り返しに対応する前記領域が前記工程1)の領域と交差することを含むことを特徴とする、前記ワークピースの構造を変更する方法。
【請求項2】
前記工程3)が、前記工程1)のそれぞれの繰り返しに続いて前記工程2)を繰り返すことを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域が、開始位置から終了位置までの経路に沿って前記ワークピースに対して進む前記ビームにより画定されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の場所が前記開始位置又は前記終了位置の1つであり、及び前記異なる場所が前記開始位置又は前記終了位置の他方であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記経路が少なくとも3つ分のビームの径の長さであることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記領域の少なくとも一部が細長いことを特徴とする、請求項1−5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記領域が実質上直線的であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記領域の少なくとも一部が湾曲していることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記変更が、実質上前記ワークピースのバルク構造の変更を含むことを特徴とする、請求項1−8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記変更が、実質上前記ワークピースの表面構造の変更を含むことを特徴とする、請求項1−9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記工程3)の領域のそれぞれが、前記工程1)の領域と実質上同一の空間を占めることを特徴とする、請求項1−10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
1つ又はそれ以上の領域のグループを形成することを更に含み、各グループが前記工程1)の領域と交差することを特徴とする、請求項1−11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記各グループの孔が、前記工程1)の領域の孔と実質上一致することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記各グループの突起が、前記工程1)の領域の突起と実質上一致することを特徴とする、請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記領域のグループが規則的な配列構造で配置されることを特徴とする、請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記工程2)の間に、前記パワービームが1つ又はそれ以上の領域を前記ワークピース上の他の場所に形成することを特徴とする、請求項1−15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記ワークピースに別の材料が提供され、それにより1つ又はそれ以上の合金が本方法の実行の間に形成されることを特徴とする、請求項1−16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記工程1)から前記工程3)が気体雰囲気で実行され、それにより1つ又はそれ以上の合金が形成されることを特徴とする、請求項1−17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記交差する領域が、前記ワークピース表面に突き出る突起を形成するように配置されることを特徴とする、請求項1−18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
2つ又はそれ以上の突き出る突起が、1つ又はそれ以上のループを前記ワークピース表面上に形成するように接合されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記パワービームのエネルギー密度が、前記工程3)の間は、前記パワービームの1つ又はそれ以上の以前の動きに対して削減され、それにより形成された前記突起及び/又は前記孔の縁が滑らかになることを特徴とする、請求項1−20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれかによる方法を使用して、部材の表面及び/又は前記部材の大部分に多数の孔を形成すること及び前記部材表面から外に向かう突起を形成することを含むことを特徴とする、1つ又はそれ以上のワークピースと接合するために、部材の形状でワークピースを準備する方法。
【請求項23】
前記孔の寸法、形状又は相対的配置の1つ又はそれ以上、及び/又は前記突起の寸法、形状、相対的配置又は化学組成の1つ又はそれ以上が所定の方法で制御されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記突起及び/又は前記孔が、前記部材が接合される前記ワークピースと機械的に結合するように形成されることを特徴とする、請求項22又は請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記突起が、前記ワークピース内の相補構造と相互作用するように配置されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記孔が接着剤又は樹脂に適合する適切な寸法であることを特徴とする、請求項22から請求項25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記突起及び/又は前記孔が、使用時に、前記ワークピースと前記部材間の接合部の任意の応力を分配するように前記ワークピースと協働し、及び従って接合部の応力集中を削減するように前記突起及び/又は前記孔が形成されることを特徴とする、請求項22から請求項26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記突起及び/又は前記孔が、所定の局部的な機械的特性、物理的特性又は温度特性を提供するように配置されることを特徴とする、請求項22から請求項27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記部材の一部が使用時に接合される前記ワークピースの部品と実質上同一の部材の一部に局部的な温度特性及び/又は機械的特性を引き起こすように、前記突起及び/又は前記孔が前記部材の少なくとも一部に配置されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記突起及び/又は孔が、不具合のある接合を制御するように配置されることを特徴とする、請求項22から請求項29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記部材が、2つ又はそれ以上のワークピースを一緒に結合するのに使用する中間部材であることを特徴とする、請求項22から請求項30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
請求項1−31のいずれかに記載の方法を使用して処理されたことを特徴とするワークピース。
【請求項33】
請求項22から請求項31のいずれかに記載の方法を使用して接合する第1のワークピースの準備、及び前記第1のワークピースと1つ又はそれ以上の更なるワークピースの接合を含むことを特徴とする、前記第1のワークピースと前記1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合する方法。
【請求項1】
1)パワービームとワークピースとの間に相対的な動きを引き起こし、それにより前記ワークピースの領域が溶融され、その溶融された材料が移動されて、前記領域の第1の場所に突起を、及び前記領域の異なる場所に孔を形成し、
2)前記溶融された材料が少なくとも一部固まることを可能にし、及びその後
3)1回又はそれ以上工程1)を繰り返し、各繰り返しに対応する前記領域が前記工程1)の領域と交差することを含むことを特徴とする、前記ワークピースの構造を変更する方法。
【請求項2】
前記工程3)が、前記工程1)のそれぞれの繰り返しに続いて前記工程2)を繰り返すことを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域が、開始位置から終了位置までの経路に沿って前記ワークピースに対して進む前記ビームにより画定されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の場所が前記開始位置又は前記終了位置の1つであり、及び前記異なる場所が前記開始位置又は前記終了位置の他方であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記経路が少なくとも3つ分のビームの径の長さであることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記領域の少なくとも一部が細長いことを特徴とする、請求項1−5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記領域が実質上直線的であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記領域の少なくとも一部が湾曲していることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記変更が、実質上前記ワークピースのバルク構造の変更を含むことを特徴とする、請求項1−8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記変更が、実質上前記ワークピースの表面構造の変更を含むことを特徴とする、請求項1−9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記工程3)の領域のそれぞれが、前記工程1)の領域と実質上同一の空間を占めることを特徴とする、請求項1−10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
1つ又はそれ以上の領域のグループを形成することを更に含み、各グループが前記工程1)の領域と交差することを特徴とする、請求項1−11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記各グループの孔が、前記工程1)の領域の孔と実質上一致することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記各グループの突起が、前記工程1)の領域の突起と実質上一致することを特徴とする、請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記領域のグループが規則的な配列構造で配置されることを特徴とする、請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記工程2)の間に、前記パワービームが1つ又はそれ以上の領域を前記ワークピース上の他の場所に形成することを特徴とする、請求項1−15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記ワークピースに別の材料が提供され、それにより1つ又はそれ以上の合金が本方法の実行の間に形成されることを特徴とする、請求項1−16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記工程1)から前記工程3)が気体雰囲気で実行され、それにより1つ又はそれ以上の合金が形成されることを特徴とする、請求項1−17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記交差する領域が、前記ワークピース表面に突き出る突起を形成するように配置されることを特徴とする、請求項1−18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
2つ又はそれ以上の突き出る突起が、1つ又はそれ以上のループを前記ワークピース表面上に形成するように接合されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記パワービームのエネルギー密度が、前記工程3)の間は、前記パワービームの1つ又はそれ以上の以前の動きに対して削減され、それにより形成された前記突起及び/又は前記孔の縁が滑らかになることを特徴とする、請求項1−20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれかによる方法を使用して、部材の表面及び/又は前記部材の大部分に多数の孔を形成すること及び前記部材表面から外に向かう突起を形成することを含むことを特徴とする、1つ又はそれ以上のワークピースと接合するために、部材の形状でワークピースを準備する方法。
【請求項23】
前記孔の寸法、形状又は相対的配置の1つ又はそれ以上、及び/又は前記突起の寸法、形状、相対的配置又は化学組成の1つ又はそれ以上が所定の方法で制御されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記突起及び/又は前記孔が、前記部材が接合される前記ワークピースと機械的に結合するように形成されることを特徴とする、請求項22又は請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記突起が、前記ワークピース内の相補構造と相互作用するように配置されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記孔が接着剤又は樹脂に適合する適切な寸法であることを特徴とする、請求項22から請求項25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記突起及び/又は前記孔が、使用時に、前記ワークピースと前記部材間の接合部の任意の応力を分配するように前記ワークピースと協働し、及び従って接合部の応力集中を削減するように前記突起及び/又は前記孔が形成されることを特徴とする、請求項22から請求項26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記突起及び/又は前記孔が、所定の局部的な機械的特性、物理的特性又は温度特性を提供するように配置されることを特徴とする、請求項22から請求項27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記部材の一部が使用時に接合される前記ワークピースの部品と実質上同一の部材の一部に局部的な温度特性及び/又は機械的特性を引き起こすように、前記突起及び/又は前記孔が前記部材の少なくとも一部に配置されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記突起及び/又は孔が、不具合のある接合を制御するように配置されることを特徴とする、請求項22から請求項29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記部材が、2つ又はそれ以上のワークピースを一緒に結合するのに使用する中間部材であることを特徴とする、請求項22から請求項30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
請求項1−31のいずれかに記載の方法を使用して処理されたことを特徴とするワークピース。
【請求項33】
請求項22から請求項31のいずれかに記載の方法を使用して接合する第1のワークピースの準備、及び前記第1のワークピースと1つ又はそれ以上の更なるワークピースの接合を含むことを特徴とする、前記第1のワークピースと前記1つ又はそれ以上の更なるワークピースを接合する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公表番号】特表2006−501070(P2006−501070A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539172(P2004−539172)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003927
【国際公開番号】WO2004/028731
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(500031504)ザ ウェルディング インスティテュート (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003927
【国際公開番号】WO2004/028731
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(500031504)ザ ウェルディング インスティテュート (6)
【Fターム(参考)】
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