説明

ワークフローシステム、ワークフロー制御装置、ワークフロー処理待ち工程情報取得方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】証憑等の紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務処理を含むワークフロー操作の効率化を支援すること。
【解決手段】操作装置102から紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードの入力を受け付け(S5001)、識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とをワークフロー制御装置101に送信してワークフロー案件の処理待ち工程の情報を要求する(S5002)。ワークフロー制御装置101は、操作装置102から送信された識別コードとユーザ情報とに基づき、前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得し(S5101-S5108)、前記処理待ち工程の情報を表示するための画面情報を生成して操作装置102に送信する(S5109-S5110)。操作装置102は、ワークフロー制御装置101から送信された画面情報に基づき処理待ち工程画面を表示する(S5003)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークフローシステムの処理待ち工程情報を取得する制御に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の担当者が関わる作業の流れを定義した経路やルールに従って様々な業務フローをコントロールするワークフローシステムの導入により、業務プロセスが電子化され、意思決定のスピード化、業務の可視化、業務の属人性の排除、など、業務効率化を図ることが可能となった。
【0003】
近年では、IT統制のニーズの高まりもあって、企業で様々な業務プロセスがワークフローシステムによって制御され、ワークフローの経路は複雑化している。
【0004】
一方で、業務プロセスの補足情報として紙媒体が必要になる業務もまだ多い。例えば、紙媒体の証憑を目視でチェックした結果に基づき、ワークフローを操作するケースなどであり、役割によっては大量の紙媒体の証憑確認が必要な場合もある。
【0005】
このような場合、ワークフロー利用者が担当業務のワークフロー経路を全て把握し、今現在どのフロー位置にあるか等のステータスをチェックしながら操作するのではなく、ワークフローシステムがワークフロー状況に応じてユーザ操作を支援することが効率化につながる。
【0006】
特許文献1では、個人の立替金の精算処理において、精算申請者によるデータ入力から決済、会計処理、ファームバンキング処理にいたる全ての処理をペーパーレスで実行できるようにした個人立替経費精算システムが提案されている。
【0007】
このシステムでは、精算申請者が入力した精算申請情報がサーバに転送され、さらに会計システムが稼働するホストで処理され、銀行のファームバンクシステムに送られて、申請者の預金口座に該当金額が振り込まれる。このとき上司によって電子承認がなされて、電子データが承認ステータスに変わる。
【0008】
また、このシステムでは、精算に領収書等の証憑(証憑とは、領収書や請求書などで、取引の内容を明らかにする立証資料)が必要な場合は、バーコードが付された証憑貼付用台紙を印刷し、サーバが経理セクションにおける台紙の証憑確認結果を示す電子データを記憶しておき、バーコードリーダによって読み取られたバーコード情報によって、この電子データのステータスを承認ステータスに変換している。
【0009】
特許文献2では、証憑貼付用紙に付加されたバーコード情報やICタグ情報に基づいて承認対象の伝票であるかを判定し、その承認内容と証憑貼付用紙の所在情報を更新することで、証憑等の現物の書類を必要とする承認業務において、所定の期限までに承認業務が完了するよう支援することができる承認業務支援システムが提案されている。
【特許文献1】特開2002−279146号公報
【特許文献2】特開2006−189930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、証憑確認を行って承認する際、操作者が証憑確認を行う位置にフローが進んでいるのか、または、他の担当者操作によって既に処理済になっていないか等のワークフローの工程位置や処理状況のチェックが行われていなかったため、ユーザが証憑からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程を判断することが困難となり、効率的に処理することができなかった。
【0011】
また、承認時には操作者の役割を記録することがあるが、承認操作が可能な役割を複数兼務していたり、証憑の内容によって役割を変える必要がある場合など、ワークフロー操作に関する役割情報を選択することができないという問題があった。
【0012】
特許文献2に記載のシステムでは、証憑貼付用紙の情報が承認対象の伝票であるかを判定するために承認対象の伝票を予め特定しておく必要があり、1度に多くの伝票処理を行いたい場合に時間がかかってしまうという問題があった。
【0013】
以上のように、従来では、紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程の情報を容易に得ることができず、証憑等の情報によりワークフロー操作の判断が必要な業務処理を効率的に行うことができなかった。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、証憑等の紙媒体の情報によってフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローにおいて、紙媒体に付加された情報から、ワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、操作装置と、前記操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置とを有するワークフローシステムであって、前記操作装置は、紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードの入力を受け付ける識別コード受付手段と、前記識別コード受付手段で受け付けされた前記識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とを前記ワークフロー制御装置に送信して、ワークフロー案件の処理待ち工程の情報を要求する処理待ち工程情報要求手段と、前記要求に応じて前記ワークフロー制御装置から送信される処理待ち工程の情報を表示するための画面情報に基づき、処理待ち工程画面を表示する表示手段とを備え、前記ワークフロー制御装置は、ワークフロー案件情報を記憶するワークフロー案件情報記憶手段と、前記操作装置から送信された前記識別コードと前記ユーザ情報とに基づき、前記ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得手段と、前記処理待ち工程情報取得手段により取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成手段と、前記処理待ち工程画面情報生成手段により生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、証憑等の紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する仕組みを提供することで、証憑等の情報によりワークフロー操作の判断が必要な業務処理の効率化を支援することができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態を示すワークフローシステムの一例を示すシステム構成図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のワークフローシステムは、少なくとも1つのワークフロー制御装置101と操作装置102がネットワーク100を介して接続されている。
【0020】
ネットワーク100の構成は公知であるから詳細な説明は省略するが、ネットワーク100としてローカルエリアネットワーク(LAN)・ワイドエリアネットワーク(WAN)・イントラネット・インターネットなどを利用することができる。
【0021】
このようなワークフローシステムにおいて、ユーザは、例えばウェブブラウザやクライアントソフトウェア等を利用して、操作装置102から、ワークフロー制御装置101に対して、ワークフロー進行の要求等を行う。
【0022】
ワークフロー制御装置101は、操作装置102からの要求に応じた処理、管理を行い、必要があれば操作装置102に対して結果等を送信する。なお、ワークフロー制御装置101は、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御可能である。
【0023】
図2は、図1に示したワークフロー制御装置101と操作装置102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図2において、CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や、各サーバあるいは各クライアントの後述する各種機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0025】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時待避領域等として機能する。
【0026】
入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、特に、サーバやクライアント等の端末では、キーボード、マウス等のポインティングデバイスが挙げられる。また、印刷装置等では、この入力部209として、タッチパネル、ボタン、スイッチ等が挙げられる。
【0027】
出力コントローラ206は、出力部210の表示を制御する。この出力部210としては、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0028】
外部メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。加えて、外部メモリコントローラ207には、各サーバあるいは各クライアントの各種機能を実現するための各種テーブル、パラメータが記憶されている。
【0029】
この外部メモリ211としては、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア等が挙げられる。
【0030】
なお、外部メモリ211には、本発明を実現するためのプログラム212が記録されている。このプログラム212は、必要に応じて外部メモリ211からRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク100を介して外部機器との通信制御処理を実行する。
【0032】
図3は、図1に示したワークフロー制御装置101において実現される機能構成の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、ワークフロー制御装置101は、その機能構成として、処理待ち工程情報取得部1011と、処理待ち工程画面情報生成部1012と、送信部1013と、処理待ち工程一括制御部1014と、記憶部1015を含んでいる。記憶部1015は、所属情報1015aと、役割優先度情報1015bと、案件情報1015cを含んでいる。
【0034】
処理待ち工程情報取得部1011は、ユーザの処理待ち状態である工程情報と、ユーザが処理待ち工程を操作可能な役割情報を取得する。詳細には、処理待ち工程情報取得部1011は、操作装置102から送信された処理待ち工程情報要求に含まれるユーザ情報と識別コードに基づき、案件情報1015cに記憶されるワークフロー案件情報からユーザの処理待ち状態である工程情報と、ユーザが処理待ち工程を操作可能な役割情報を取得する。
【0035】
処理待ち工程画面情報生成部1012は、処理待ち工程情報を画面に表示するための表示情報を生成する。詳細には、処理待ち工程画面情報生成部1012は、処理待ち工程情報取得部1011が取得した処理待ち工程情報に含まれる、ユーザの処理待ち状態である工程情報、および、処理待ち工程の操作情報に基づき、処理待ち工程画面情報としてHTMLやXMLデータを生成する。
【0036】
また、処理待ち工程画面情報生成部1012は、役割優先度情報1015bを参照して、処理待ち工程を操作可能な役割情報から、最も優先度の高い役割情報のみ選択したり、優先度順に並べて処理待ち工程画面情報を生成することも可能である。
【0037】
送信部1013は、処理待ち工程画面情報生成部1012が生成した処理待ち工程画面情報を、ワークフロー制御装置101の出力コントローラ206または通信I/Fコントローラ208に対して出力する。
【0038】
処理待ち工程一括制御部1014は、複数の処理待ち工程を操作指示に基づいて制御する。詳細には、処理待ち工程一括制御部1014は、操作装置から送信されたフロー操作一括指示手段を受け付け、複数の処理待ち工程をそれぞれの操作指示(例えば承認や差戻しなど)に基づいて制御する。
【0039】
記憶部1015は、所属情報1015aや役割優先度情報1015bや案件情報1015cを記憶する記憶部である。所属情報1015aは、ユーザの所属情報を格納する格納部である。なお、ユーザの所属情報の詳細は後述する図5に示す。役割優先度情報1015bは、複数組織に所属するユーザの役割優先度情報を格納する格納部である。なお、役割優先度情報の詳細は後述する図6に示す。案件情報1015cは、ワークフロー案件の情報(ワークフロー案件情報)を格納する格納部である。ワークフロー案件情報は、ワークフロー案件を特定する識別コード、ワークフロー案件の状態、ワークフロー案件の処理待ち工程情報、処理待ち工程情報を操作可能なユーザの役割情報等のワークフロー案件の各種情報を含む。即ち、ワークフロー案件情報は、ユーザ情報に基づき、該ユーザ情報に対応するユーザの処理待ち状態の工程情報や、該ユーザが前記処理待ち工程を操作可能な役割情報等を取得可能に構成されている。
【0040】
また、図示しないが、記憶部1015は、後述する図7に示すワークフロー経路の定義情報を含むその他の情報も記憶している。
【0041】
なお、処理待ち工程情報取得部1011と、処理待ち工程画面情報生成部1012と、送信部1013と、処理待ち工程一括制御部1014は、ワークフロー制御装置101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される機能に対応する。また、記憶部1015は、外部メモリ211内の記憶領域として実現される。
【0042】
図4は、図1に示した操作装置102において実現される機能構成の一例を示す図である。
【0043】
図4に示すように、操作装置102は、その機能構成として、識別コード受付部1021と、処理待ち工程情報要求部1022と、表示部1023とを含んでいる。
【0044】
識別コード受付部1021は、操作装置102の入力コントローラ205または通信I/Fコントローラ208から、識別コードの入力情報を受け付ける処理を行う。
【0045】
処理待ち工程情報要求部1022は、ワークフロー案件の処理待ち工程情報を要求する。詳細には、処理待ち工程情報要求部1022は、操作ユーザを特定するユーザ情報と識別コード受付部1021で受け付けた識別コードを含めたワークフロー制御装置101に対する処理待ち工程情報要求を、通信I/Fコントローラ208に出力して送信する。
【0046】
表示部1023は、処理待ち工程画面を表示する。詳細には、表示部1023は、処理待ち工程情報要求の結果としてワークフロー制御装置101から送信される処理待ち工程画面情報に基づき、処理待ち工程画面を操作装置102の出力コントローラ206または通信I/Fコントローラ208に対して出力する。
【0047】
フロー操作一括指示手段1024は、複数の処理待ち工程へのフロー操作指示要求を一括で行う。詳細には、フロー操作一括指示手段1024は、ワークフロー制御装置に対する複数の処理待ち工程へのフロー操作指示(例えば承認や差戻しなど)一括要求を、通信I/Fコントローラ208に出力して送信する。
【0048】
なお、識別コード受付部1021と、処理待ち工程情報要求部1022と、表示部1023と、フロー操作一括指示手段1024は、操作装置102のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される機能に対応する。
【0049】
図5は、図3に示した所属情報1015aに格納されている所属情報の一例を示す図である。
【0050】
図5に示すように、所属情報は、ユーザポジション701と、ユーザ702と、部門703と、ロール704とを含む。
【0051】
例えば、ユーザ「経理 太郎」は、経理部門の課長と、経理部門の一般と、IT部門の課長、を担当していることを示しており、ユーザ「経理 花子」は経理部門の一般のみを担当していることを示している。
【0052】
図6は、図3に示した役割優先度情報1015bに格納されている役割優先度情報の一例を示す図である。
【0053】
図6に示すように、役割優先度情報は、ユーザ801と、優先度802と、ユーザポジションID803とを含む。
【0054】
例えば、ユーザ「経理 太郎」は、図5で示した所属情報に示したとおり、経理部門の課長と、経理部門の一般と、IT部門の課長、を担当しており、役割優先度情報1015bでは、この3つの所属情報の優先度が定義されている。
【0055】
図6にしたがって優先度順にすると、(1)ユーザポジションID「POS−003」に該当するIT部門の課長、(2)ユーザポジションID「POS−001」に該当する経理部門の課長、(3)ユーザポジションID「POS−002」に該当する経理部門の一般、という優先度順の定義を意味している。
【0056】
ワークフローのある工程が、IT部門の課長、経理部門の課長、経理部門の一般、のいずれかで操作可能な定義になっている場合、図6に示した役割優先度情報を利用すると、ユーザ「経理 太郎」は、「POS−003」に該当するIT部門の課長として操作するよう、役割を自動選択することが可能になる。
【0057】
以下、図7〜図8を参照して、ワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する処理について説明する。
【0058】
図7は、ワークフロー経路の定義情報の一例を示す図である。ワークフロー制御装置101は、この定義情報に基づきワークフローを制御する。なお、後述する図8の処理待ち工程画面の表示処理の説明の際には、この定義情報の一例を参考にして説明する。
【0059】
申請S401は申請工程であり、工程定義情報411に基づき、全部門の一般ユーザが担当者として操作できることを意味する。申請S401が担当者によって申請されると、業務は課長承認S402に遷移する。
【0060】
課長承認S402は、申請者の課長承認工程であり、工程定義情報412に基づき、申請工程を申請した部門の課長が担当者として操作できることを意味する。課長承認工程S402が担当者によって承認されると、業務は、並列経路である法務承認S403の法務承認S4031と経理承認S404の証憑確認S4041に同時に遷移する。
【0061】
つまり、課長承認工程S402が承認されると、処理待ち状態の工程が複数存在することになる。
【0062】
法務承認S403は並列経路の一方であり、法務承認S4031が定義されている。
【0063】
法務承認S4031は法務承認工程であり、工程定義情報4131に基づき、法務課の課長が担当者として操作できることを意味する。法務承認S4031が担当者によって承認されると、並列経路である法務承認S403が完了する。この際、並列経路の他方である経理承認S404が完了している場合は、業務は最終承認S405に遷移する。経理承認S404が完了していない場合はその完了を待機する。
【0064】
経理承認S404は並列経路の一方であり、証憑確認S4041と経理課長承認S4042が定義されている。
【0065】
証憑確認S4041は証憑確認工程であり、工程定義情報4141に基づき、経理課課の一般または経理課の課長が担当者として操作できることを意味する。経理課課の一般と経理課の課長を兼務するユーザが証憑確認S4041を操作する場合、操作結果を記録する為、どちらの役割で操作するのか選択する必要がある。
【0066】
なお、証憑確認S4041では、紙媒体の証憑を確認し、その結果に基づきワークフロー操作を行う業務ルールが定義されているものとする。証憑確認S4041が担当者によって承認されると、業務は経理課長承認S4042に遷移する。
【0067】
経理課長承認S4042は経理課長承認工程であり、工程定義情報4142に基づき、経理課課の課長が担当者として操作できることを意味する。経理課長承認S4042が担当者によって承認されると、並列経路である経理承認S404が完了する。この際、並列経路の他方である法務承認S403が完了している場合は、業務は最終承認S405に遷移する。法務承認S403が完了していない場合はその完了を待機する。
【0068】
最終承認S405は、最終承認工程であり、工程定義情報415に基づき、申請工程を申請した部門の部長が担当者として操作できることを意味する。最終承認工程S405が担当者によって承認されると業務は完了する。
【0069】
図8は、本実施形態のワークフローシステムにおける紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
なお、S5001〜S5003は、操作装置102のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される処理を示す。
【0071】
また、S5101〜S5110は、ワークフロー制御装置101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される処理を示している。
【0072】
なお、ワークフローシステムへのログイン処理などの事前処理により、操作装置102を操作するユーザは特定され、操作装置102の表示部1023により操作装置102の出力部に図9に示す処理待ち工程画面が表示されているものとする。ここで処理待ち工程画面について説明する。
【0073】
図9は、処理待ち工程画面の初期画面の一例を示す図である。
【0074】
図9において、901は操作ユーザ表示欄であり、ワークフローシステムへのログイン処理等により特定されたユーザのユーザ名が表示される。
【0075】
902は案件ID欄であり、ユーザは、この案件ID欄902にワークフロー案件を特定する識別コードを入力して処理待ち工程取得ボタン903を押下すると、処理待ち工程情報取得要求がワークフロー制御装置101に送信されて、ワークフロー制御装置101から処理待ち工程情報を取得され、画面に追加表示される。
【0076】
なお、案件IDは、案件ID欄902へキーボード入力して処理待ち工程取得ボタン903の押下といった処理ではなく、バーコード情報化された識別コード(後述する図10に示すバーコード1001)をバーコードリーダで読み取ることで自動的に処理待ち工程情報を取得するようにしてもよい。
【0077】
以下、図8の各ステップを説明する。
【0078】
ステップS5001では、操作装置102の識別コード受付部1021は、ワークフロー案件を特定する識別コードの入力情報を受け付ける。入力情報を受け付ける手段としては、図9に示した処理待ち工程画面の案件ID欄902へのキーボード入力の他、バーコード情報化された識別コード(後述する図10に示すバーコード1001)をバーコードリーダで読み取る、または、ICタグ情報をICタグリーダで読み取る、などがある。ここで証憑確認用の紙媒体について説明する。
【0079】
図10は、証憑確認用の紙媒体の一例を示す図である。
【0080】
図10において、1000は証憑確認用の紙媒体である。この証憑確認用の紙媒体1000には、ワークフロー案件を特定する識別コードがバーコード化されたバーコード1001が印刷されている。
【0081】
以下、図8のフローチャートの説明に戻る。
【0082】
次に、ステップS5002では、操作装置102の処理待ち工程情報要求部1022は、操作ユーザを特定するユーザ情報と、ステップS5101で受け付けたワークフロー案件を特定する識別コードにより、ワークフロー制御装置101に対して処理待ち工程情報取得要求を送信する。
【0083】
次に、ステップS5101では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、操作装置102から送信された処理待ち工程情報取得要求を受信する。
【0084】
次に、ステップS5102では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、処理待ち工程情報要求に含まれる識別コードを基に、ワークフロー案件を特定して案件情報1015cからワークフロー案件情報を取得する。
【0085】
次に、ステップS5103では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、上記S5102で取得したワークフロー案件情報に基づいて、該当のワークフロー案件が完了していないか否かの判定を行う。
【0086】
そして、ステップS5103で、ワークフロー案件が完了している場合は、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ステップS5104に処理を進める。
【0087】
ステップS5104では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ワークフロー案件は完了しており処理待ち工程が存在しない旨を示すエラーメッセージを生成して、ステップS5109に処理を進める。
【0088】
一方、ステップS5103で、ワークフロー案件が完了していない場合は、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ステップS5105に処理を進める。
【0089】
次に、ステップS5105では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、処理待ち工程情報要求に含まれるユーザ情報を基に、ワークフロー案件の処理待ち工程のうち、ユーザが操作可能な処理待ち工程を取得する。
【0090】
ここで、図7に示したワークフロー経路の定義情報を参照して例を示す。また、所属情報1015aには、図5に示した所属情報が格納されているものとする。
【0091】
図7に示したように、課長承認工程S402が承認されると、並列経路である法務承認S403の法務承認S4031と経理承認S404の証憑確認S4041が同時に処理待ち工程となる。
【0092】
この状態のワークフロー案件をユーザ「経理 太郎」が処理待ち工程情報要求すると、上記S5105において、経理部門の課長または経理部門の一般で操作可能な証憑確認S4041のみが処理待ち工程として取得される。ユーザ「経理 太郎」は、法務承認S403の法務承認S4031を操作可能な法務部門の課長として登録されていないため、法務承認S4031は処理待ち工程として取得されない。
【0093】
なお、経理部門の一般と法務部門の課長に所属するユーザが処理待ち工程情報要求した場合は、上記S5105において、法務承認S403の法務承認S4031と経理承認S404の証憑確認S4041の双方が処理待ち工程として取得される。
【0094】
このように上記S5105では、ユーザが操作可能な処理待ち工程のみを取得するため、例えば経理承認S404の証憑確認S4041への操作を目的とした場合でも、他の担当者が既に承認をしてワークフローを先に進めているケースでは処理待ち工程情報として取得されない。このため、画面上でステータスチェックをユーザが行う必要がなくなり、効率化が図れる。
【0095】
次に、ステップS5106では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ユーザが操作可能な処理待ち工程が存在するか否かの判定を行う。
【0096】
そして、ステップS5106で、ユーザが操作可能な処理待ち工程が存在しない場合は、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ステップS5107に処理を進める。
【0097】
ステップS5107では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、該当のワークフロー案件にはユーザが操作可能な処理待ち工程が存在しない旨を示すエラーメッセージを生成して、ステップS5109に処理を進める。
【0098】
一方、ステップS5106で、ユーザが操作可能な処理待ち工程が存在する場合は、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、ステップS5108に処理を進める。
【0099】
ステップS5108では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程情報取得部1011は、図7で一例を示したワークフロー経路の定義情報と、所属情報1015aから、ユーザが操作可能な処理待ち工程について、操作可能な役割情報を取得する。
【0100】
ここで、所属情報1015aに図5に示した所属情報が格納されている場合の例を示す。
【0101】
識別コードに該当するワークフロー案件が、図7に示したワークフロー経路の定義情報の証憑確認S4041で処理待ち状態にある場合、ユーザ「経理 太郎」で操作すると、上記S5108において、経理部門の課長、および、経理部門の一般、が操作可能な役割情報として取得される。
【0102】
次に、ステップS5109では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程画面情報生成部1012は、処理待ち工程情報取得部1011が取得した処理待ち工程情報に含まれる、ユーザの処理待ち状態である工程情報、および、処理待ち工程の操作情報に基づき、処理待ち工程情報を画面に表示するための表示情報を生成する。(ただし、ステップS5104またはS5107においてエラーメッセージを生成している場合には、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程画面情報生成部1012は、エラーメッセージを表示情報として生成する。)
なお、表示情報としては、例えばHTMLフォーマットやXMLフォーマットのデータがある。
【0103】
この際、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程画面情報生成部1012は、役割優先度情報1015bを参照して、処理待ち工程を操作可能な役割情報から最も優先度の高い役割情報のみを選択したり、優先度順に並べて生成することも可能である。
【0104】
ここで、所属情報1015aに図5に示した所属情報が格納され、役割優先度情報1015bに図6で示した役割優先度情報が格納されている場合の例を示す。
【0105】
識別コードに該当するワークフロー案件が、図7に示したワークフロー経路の定義情報の証憑確認S4041で処理待ち状態にある場合、ユーザ「経理 太郎」で操作すると、上記S5108において、経理部門の課長、および、経理部門の一般、が操作可能な役割情報として取得されている。
【0106】
なお、役割優先度情報1015bには、図6に示すように経理部門の課長の方が優先度が高く定義されているため、上記S5109において処理待ち工程画面情報を生成する際、上記優先度順に従って、経理部門の課長が選択された状態の画面情報が生成される。なお、この際、経理部門の課長のみを画面情報に含める、といった制御が可能となる。
【0107】
次に、ステップS5110では、ワークフロー制御装置101の送信部1013は、処理待ち工程画面情報を操作装置102に送信する。
【0108】
次に、ステップS5003では、操作装置102の表示部1023は、処理待ち工程情報要求の結果としてワークフロー制御装置101から送信された処理待ち工程画面情報に基づき、処理待ち工程画面(図11)を操作装置102の出力部210に表示する。ここで処理待ち工程画面について説明する。
【0109】
図11は、処理待ち工程画面の一例を示す図であり、図9と同一のものには同一の符号を付してある。
【0110】
上述したように、案件ID欄902にワークフロー案件を特定する識別コードを入力して処理待ち工程取得ボタン903を押下すると(処理待ち工程取得操作)、処理待ち工程情報904が一覧表示情報として追加表示される。即ち、図11に示した処理待ち工程情報904の例は、3つの案件IDに対応する処理待ち工程が表示されており、上述した処理待ち工程取得操作を、3回行った場合に対応する。
【0111】
処理待ち工程情報904は、選択欄9041、業務名欄9042、案件ID欄9043、工程欄9044、申請者欄9045、役割欄9046等から構成される。なお、役割欄9046は、工程を操作可能や役割において、役割優先度情報1015bで優先度の最も高い役割が初期値として表示される。また、この役割欄9046をキーボードやポインティングデバイスにより指示すると、工程を操作可能や役割が役割優先度情報1015bでの優先度順に並んだ選択肢が表示される。これにより、ユーザは、工程を操作する役割を選択することができる。
【0112】
なお、処理待ち工程情報904の選択欄9041でワークフロー案件の処理待ち工程を選択して(チェック状態にして)、承認ボタン905、申請へ差戻しボタン906、又は、直前へ差戻しボタン907を押下指示すると、選択された(チェックされた)処理待ち工程に対してフロー操作を一括で処理することができる。
【0113】
図12は、本実施形態のワークフローシステムにおける複数の処理待ち工程へのフロー操作を一括で行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0114】
なお、S6001〜S6002は、操作装置102のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される処理を示す。
【0115】
また、S6101〜S6107は、ワークフロー制御装置101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される処理を示している。
【0116】
また、事前処理により、操作装置には処理待ち工程画面が表示されているものとする。
【0117】
まず、ステップS6001では、操作装置102のフロー操作一括指示手段1024は、画面操作情報などに基づき、ワークフロー制御装置101に対して承認・差戻しなど複数の処理待ち工程へのフロー操作指示要求を一括で行う。なお、上記の画面操作としては、処理待ち工程画面(図11)の処理待ち工程情報904の選択欄9041でワークフロー案件の処理待ち工程を選択して(チェック状態にして)、承認ボタン905、申請へ差戻しボタン906、又は、直前へ差戻しボタン907を押下指示する等の操作である。
【0118】
次に、ステップS6101では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、操作装置102から送信されたフロー操作一括指示を受信し、1件目の操作指示をカレントの操作指示として選択し、該カレントの操作指示に該当するワークフロー案件の工程情報を取得する。
【0119】
次に、ステップS6102では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、上記S6101で取得した工程情報に基づいて、カレントの操作指示の工程が完了していないか否かの判定を行う。
【0120】
そして、上記S6102において、カレントの操作指示の工程が完了していると判断した場合には、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、ステップS6103に処理を進める。
【0121】
ステップS6103では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、カレントの操作指示の工程が完了している旨を示すエラーメッセージを生成して、ステップS6106に処理を進める。
【0122】
一方、上記S6102において、カレントの操作指示の工程が完了していないと判定した場合には、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、ステップS6104に処理を進める。
【0123】
ステップS6104では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、カレントの操作指示に基づき、承認、申請へ差戻し、直前へ差し戻し等の工程制御処理(フロー操作)を行う。
【0124】
次に、ステップS6105では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、カレントの操作指示が正常終了した旨を示すメッセージを生成する。
【0125】
次に、ステップS6106では、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、操作装置102から送信されたフロー操作一括指示に含まれる操作指示を全て処理したか否かを判定する。
【0126】
そして、ステップS6106で、まだ完了していない操作指示があると判断した場合には、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、次の操作指示をカレントの操作指示としてステップS6101へ処理を戻す。
【0127】
一方、ステップS6106で、全ての操作指示が完了していると判断した場合には、ワークフロー制御装置101の処理待ち工程一括制御部1014は、ステップS6103やステップS6105で生成したメッセージをフロー操作結果として操作装置102に送信する。
【0128】
次に、ステップS6002では、操作装置102は、複数の処理待ち工程へのフロー操作指示要求の結果としてワークフロー制御装置101から送信されたフロー操作結果を画面表示する。
【0129】
以上示したように、本実施形態によれば、証憑等の紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する仕組みを提供することで、証憑等の情報によりワークフロー操作の判断が必要な業務処理の効率化を支援する仕組みを提供できる。
【0130】
なお上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0131】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0132】
以上示したように、紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得することにより、証憑等の紙媒体の情報によりワークフロー操作の判断が必要な業務処理の効率化を支援することができる。
【0133】
以下、図13に示すメモリマップを参照して本発明に係るワークフロー制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の構成について説明する。
【0134】
図13は、本発明に係るワークフロー制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0135】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0136】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0137】
本実施形態における図8,図12に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0138】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0139】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0140】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0141】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0142】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0143】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0144】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0145】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の一実施形態を示すワークフローシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したワークフロー制御装置101と操作装置102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示したワークフロー制御装置101において実現される機能構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示した操作装置102において実現される機能構成の一例を示す図である。
【図5】図3に示した所属情報1015aに格納されている所属情報の一例を示す図である。
【図6】図3に示した役割優先度情報1015bに格納されている役割優先度情報の一例を示す図である。
【図7】ワークフロー経路の定義情報の一例を示す図である。
【図8】本実施形態のワークフローシステムにおける紙媒体に付加された情報からワークフローの工程位置や処理状況に対応した処理待ち工程情報を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】処理待ち工程画面の初期画面の一例を示す図である。
【図10】証憑確認用の紙媒体の一例を示す図である。
【図11】処理待ち工程画面の一例を示す図である。
【図12】本実施形態のワークフローシステムにおける複数の処理待ち工程へのフロー操作を一括で行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係るワークフロー制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0147】
100 ネットワーク
101 ワークフロー制御装置
102 操作装置
1011 処理待ち工程情報取得部
1012 処理待ち工程画面情報生成部
1013 送信部
1014 処理待ち工程一括制御部
1015 記憶部
1015a 所属情報
1015b 役割優先度情報
1021 識別コード受付部
1022 処理待ち工程情報要求部
1023 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作装置と、前記操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置とを有するワークフローシステムであって、
前記操作装置は、
紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードの入力を受け付ける識別コード受付手段と、
前記識別コード受付手段で受け付けされた前記識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とを前記ワークフロー制御装置に送信して、ワークフロー案件の処理待ち工程の情報を要求する処理待ち工程情報要求手段と、
前記要求に応じて前記ワークフロー制御装置から送信される処理待ち工程の情報を表示するための画面情報に基づき、処理待ち工程画面を表示する表示手段とを備え、
前記ワークフロー制御装置は、
ワークフロー案件情報を記憶するワークフロー案件情報記憶手段と、
前記操作装置から送信された前記識別コードと前記ユーザ情報とに基づき、前記ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得手段と、
前記処理待ち工程情報取得手段により取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成手段と、
前記処理待ち工程画面情報生成手段により生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするワークフローシステム。
【請求項2】
前記処理待ち工程の情報は、前記ユーザ情報に対応するユーザの処理待ち工程を操作可能な役割情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のワークフローシステム。
【請求項3】
前記ワークフロー制御装置は、
ユーザ情報に対応する1又は複数の役割情報を記憶する所属情報記憶手段と、
前記所属情報記憶手段にてユーザ情報に対応付けられた1又は複数の役割情報の優先度を記憶する役割優先度情報記憶手段とを備え、
前記処理待ち工程画面情報は、前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程を操作可能な役割情報として、前記役割優先度情報記憶手段に記憶され優先度に基づいて選択された役割情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のワークフローシステム。
【請求項4】
前記処理待ち工程画面情報は、1つのワークフロー案件に前記ユーザ情報に対応する複数の処理待ち工程が存在する場合は、該複数の処理待ち工程情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のワークフローシステム。
【請求項5】
前記処理待ち工程画面情報は、複数のワークフロー案件の処理待ち工程情報の一覧表示情報を含有可能なことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のワークフローシステム。
【請求項6】
前記操作装置は、前記ワークフロー制御装置に対して複数の処理待ち工程へのフロー操作指示要求を一括で行うフロー操作一括指示が可能なフロー操作一括指示手段を備え、
前記ワークフロー制御装置は、前記操作装置からの前記フロー操作一括指示に基づいて、前記複数の処理待ち工程を制御する処理待ち工程一括制御手段を備える、ことを特徴とする請求項4乃至5のいずれか1項に記載のワークフローシステム。
【請求項7】
前記紙媒体に付加された識別コードは、バーコードリーダで読み取り可能なバーコード情報、及び、ICタグリーダで読み取り可能なICタグ情報のいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のワークフローシステム。
【請求項8】
操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置であって、
ワークフロー案件情報を記憶するワークフロー案件情報記憶手段と、
前記操作装置から送信された、紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とに基づき、前記ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得手段と、
前記処理待ち工程情報取得手段により取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成手段と、
前記処理待ち工程画面情報生成手段により生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするワークフロー制御装置。
【請求項9】
操作装置と、前記操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置とを有するワークフローシステムにおけるワークフロー処理待ち工程情報取得方法であって、
前記操作装置の識別コード受付手段が、紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードの入力を受け付ける識別コード受付ステップと、
前記操作装置の工程情報要求手段が、前記識別コード受付ステップで受け付けされた前記識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とを前記ワークフロー制御装置に送信して、ワークフロー案件の処理待ち工程の情報を要求する処理待ち工程情報要求ステップと、
前記ワークフロー制御装置の処理待ち工程情報取得手段が、前記操作装置から送信された前記識別コードと前記ユーザ情報とに基づき、ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得ステップと、
前記ワークフロー制御装置の工程画面情報生成手段が、前記処理待ち工程情報取得ステップで取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成ステップと、
前記ワークフロー制御装置の送信手段が、前記処理待ち工程画面情報生成ステップで生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信ステップと、
前記操作装置の表示手段が、前記要求に応じて前記ワークフロー制御装置から送信される処理待ち工程の情報を表示するための画面情報に基づき、処理待ち工程画面を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とするワークフローシステムにおけるワークフロー処理待ち工程情報取得方法。
【請求項10】
操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて、紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置におけるワークフロー処理待ち工程情報取得方法であって、
処理待ち工程情報取得手段が、前記操作装置から送信された、紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とに基づき、ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得ステップと、
処理待ち工程画面情報生成手段が、前記処理待ち工程情報取得ステップで取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成ステップと、
送信手段が、前記処理待ち工程画面情報生成ステップで生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とするワークフロー制御装置におけるワークフロー処理待ち工程情報取得方法。
【請求項11】
紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローの操作ユーザが使用する操作装置を、
紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードの入力を受け付ける識別コード受付手段、
前記識別コード受付手段で受け付けされた前記識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とをワークフロー制御装置に送信して、ワークフロー案件の処理待ち工程の情報を要求する処理待ち工程情報要求手段、
前記要求に応じて前記ワークフロー制御装置から送信される処理待ち工程の情報を表示するための画面情報に基づき、処理待ち工程画面を表示する表示手段として機能させるためのプログラムと、
前記操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じて紙媒体の情報によってワークフロー操作の判断が必要な業務を含むワークフローを制御するワークフロー制御装置を、
ワークフロー案件情報を記憶するワークフロー案件情報記憶手段、
前記操作装置から送信された前記識別コードと前記ユーザ情報とに基づき、前記ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得手段、
前記処理待ち工程情報取得手段により取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成手段、
前記処理待ち工程画面情報生成手段により生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラムと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
ワークフローの操作ユーザが使用する操作装置からのワークフロー操作指示要求に応じてワークフローを制御するワークフロー制御装置を、
ワークフロー案件情報を記憶するワークフロー案件情報記憶手段、
前記操作装置から送信された、紙媒体に付加されたワークフロー案件を特定する識別コードとワークフローの操作ユーザを特定するユーザ情報とに基づき、前記ワークフロー案件情報記憶手段に記憶されたワークフロー案件情報から前記識別コードに対応するワークフロー案件で且つ前記ユーザ情報に対応する処理待ち工程の情報を取得する処理待ち工程情報取得手段、
前記処理待ち工程情報取得手段により取得された前記処理待ち工程の情報を表示するための処理待ち工程画面情報を生成する処理待ち工程画面情報生成手段と、
前記処理待ち工程画面情報生成手段により生成された前記処理待ち工程画面情報を操作装置に送信する送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−140337(P2010−140337A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317121(P2008−317121)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】