説明

一つの屈曲方向で小さい半径を有するモジュラーコンベアベルト

モジュラープラスティックコンベアベルトが一方向のみに小さい半径にて回転するように設計されている。特に、それはスパイラルコンベアベルトとして使用されるように設計されており、ベルトは反対方向に曲がることが可能であるが、より大きな半径となる。ベルトの外端では、ベルトの外端での張力に耐える高強度の為に、リンク端又はナックルは大きくかつ太い。外側のナックル又はリンク端は、内側のものより幅が広いのみでなく、引張強度を増やすためにロッド開口部を越えて、材料を増やし、より長くなっている。内端で幅の広いリンク部材を使用することにより、回転がもう一方の方向の場合よりも、ベルトは内側端部にて、よりぴったりと屈服収縮することが出来、より小さい回転半径がもたらされる。移送の全径路を通じて一方向のみに通常は回転するスパイラルコンベアにおいて、これは有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュラープラスティックコンベアベルトと、そのようなモジュラーベルトを形成するために、通常は連結ロッドまたはピンにより、一体に組み立てられる一体成形されたモジュールに関するものである。具体的には、本発明は、カーブに沿って進行し(“ラジウス(radius)ベルト”として知られている)、スパイラル(ヘリカル)コンベアベルトシステムでの使用に十分に適合するモジュラーベルトに関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明で取り扱っている一般的な形式のコンベアベルトは、米国特許第4,901,844号、5,181,601号、5,310,045号、及び6,484,379号に開示されている。ラジウスベルト内の比較的小さい回転に対して、モジュラーベルトの設計は、ベルトの内端で緊密に重なること、小さい回転比、ベルト上を搬送される物品を支えるに十分なビーム強度、ベルトでの十分な張力(回転及び直線進行の両者において)、ベルトを通じての空気の流れ、及びスパイラル、端部駆動ベルト上の内側端部におけるベルトのがたつき音を最小限に抑えることに重点的に取組んでいる。これまでのベルトは、本発明における有効な設計を、特にスパイラルシステムへの応用に対して、示していなかった。
【0003】
以下に示す特許は、本発明の内容といくらかの関連を有している:第4,276,980号、4,993,544号、5,217,110号、5,346,059号、5,645,160号、5,906,270号、5,921,379号及び6,216,854号。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のモジュラーラジウスコンベアベルトでは、ベルトモジュールは、屈曲の一方向において、その反対方向よりも、より小さい回転半径が可能なように構成されている。この設計により、ベルトの内端は、ベルトの内端又は近傍で、かさばりの少ないリンク端を有し、よりぴったりとした屈服収縮が可能であり、隣接モジュールの背骨部にごく隣接した接続ロッドが屈服収縮の形状となり、当該内端のリンク端が出来るだけ緊密に密着することが出来る。同時に、ベルトは回転の反対方向では小さい半径で回転する必要はないので、外端は、リンク端のロッド孔を超えて、幅が広く、厚みのあるプラスティック材料の、大きくて、より頑丈なリンク端を有している。要するに、ベルトは、本来の方向でより密着した、小さい回転を供する為に、これと反対の屈曲方向では小さい回転を犠牲にする様に効果的に設計されており、これはベルトの両端での極端に異なる設計形状によってなされている。列あたり一つのモジュールのみを有するベルトに対して、これらの両端は、単一モジューの上にあり得て、又はベルト列の幅を形成する2、3またはそれより多いモジュールを有するベルトでは、端のモジュールの端部にあり得る。
【0005】
ベルトの小さい一方向回転構造は、必要時の直線進行能力を妨げることはない。スパイラルベルトは、ベルトがスパイラル・タワーを離れる点と、ベルトが再びタワーに入る点の間に、通常直線進行径路を有する。モジュールとリンク端構造は、直線進行に対しては、次に続くモジュール列を平行にする。
【0006】
好ましい実施例におけるベルト列は、内側と外側の端部の特殊な幅広の端部材を含んでいる。内側端部において、内側モジュールの不可欠の部分である特殊な端部部材は、ベルトがこの端部部材と接触して駆動される時のがたつき音を緩和すしたり最小にするかさ高さを持っており、且つ、接続ロッドを保持し、そして、必要がある場合には、サイドガード用の取付けに備えてくれる。さらに、この端部部材は、上述の特許第6,484、379号に開示されているシステムに準じて、必要ならば、半径調整プラグの組立を可能にする。内端部材は、ベルトの小さい屈服収縮を妨げることはない。
【0007】
ベルトの外端において、特殊な幅広の端部部材は、カーブの外側における張力に耐える力を与え、そして、それは内端には存在しないその端部にある他の頑丈なリンク端の中にある。この領域では、より厚みのあるプラスティック材料がロッド孔を越えて存在する。
【0008】
また、ベルトの外端において、かさ高いリンク端であり、整列している一連のリンク端の1つの中の最後のリンク端は、隣接するモジュール列にあって、それがかみ合う2つのリンク端間に対して、位置がずれている。このかさ高いリンク端を湾曲するベルトの内側に位置をずらすことによって、十分なクリアランスが与えられ、そのような隣接モジュールのリンク端の壁面との障害による拘束なしに、ベルトは最小半径の位置(外端が最大張力で、内端で最大屈服収縮)を取ることができる。
【0009】
本発明のベルトのもうひとつの特徴は、モジュール列の中心部の背骨部、すなわち、リンク端がそこから前と後ろに伸びている横方向に伸びている中心部材が、内側の端部から外側の端部にかけて、形状的に均一でないことである。中心部の背骨部は、内端で素材がより薄くなっており、内端で出来るだけ密接して重なることができるが、ベルトの外側、すなわち内端から離れた領域に向ってより厚くなっている。これにより、ベルト表面上の製品の重量を支えるより大きなビーム強度が与えられる。内端以外のどの領域でも、及びこの内端にごく近いリンク端において、中心部の背骨部の厚みを最小にする必要性はない、なぜならば、本来の屈曲動作において、ベルトのぴったりとした屈服収縮のために、このことは制限要因ではないであろう。
【0010】
ベルトモジュール列の中心部を通じて、リンク端は薄く、比較的近接しており、幅と孔より厚い厚みの両方で、かさばっているリンク端は外端のみで生じている。
【実施例】
【0011】
本発明の一つの{こうてき}好ましい実施{じっし}形態{けいたい}{たいよう}においては、本発明は、各列が一つ又はそれ以上のモジュールで構成されているモジュール列において多数のプラスティックモジュールで組立てられたモジュラープラスティックコンベアベルト、一般にモジュール列に直角方向への進行に適応されるベルトから成り、そして、それぞれのモジュールは、一連の第1リンク端又はナックル及び一連の第2リンク端又はナックルを有し、この第1及び第2のリンク端は、ベルトの中心部の背骨部の一つ又は別の反対方向に伸びている。リンク端は孔を有しており、一連のリンク端の孔は、二つのモジュール列のリンク端が重なり合う関係でかみ合う時、一つのモジュール列の第1のリンク端の孔及び隣接モジュール列の第2のリンク端の孔を貫いて伸びている接続ロッド又はピンを受け入れるように並べられている。第1のリンク端の孔はラジウスベルト移動を可能にする細長いスロットであり、一方、第2のリンク端の孔は円形で良い。本発明は、屈曲の1つの方向で、屈曲の反対方向においてよりも、より小さい回転半径が可能とする構造を提供し、これは、一つの方向に曲がるモジュール列の内端近くのリンク端が、そのモジュール列の外端のリンク端と比較してその内端に近い一つ又はそれ以上のリンク端で孔を越えたところで、より少ない厚みのプラスティック材料でより薄くなっているという効率的な設計によっている。この様にして、内端のモジュール列は、外端よりも、屈服収縮し、ぴったりと重なることが出来、一方、モジュール列のリンク端は、隣接の列との間の傾斜度なしで、直線のベルト進行をも可能にする。
【0012】
この様に、モジュール列の二つの端部の間に不均衡な形状を与え、屈曲の二次的な方向では屈曲のタイトさを犠牲にし、一方、屈曲の本来の方向では内端でぴったりと重なることを最大にし、結果として効率的な、比較的小さい半径のコンベアベルトとならしめることによって、ラジウスモジュラープラスティックコンベアベルト設計に、特にスパイベルトシステムでの使用に適合するベルトの為に、改良を加えることが本発明の目的の一つである。本発明の、これらと他の目的、長所及び特徴は、図面と共に考慮すれば、以下の好ましい実施例の説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1から4の図面はモジュラープラスティックラジウスコンベアベルト10の部分を示している。ベルトの断面は、ベルトの内側12がほとんど完全に屈服収縮した状態で、本来の屈曲方向への屈曲で示されている。特殊な内端リンク端又はナックル14が内側の端部にあり、各々は接続ロッド16用の開口部を有し、その各孔は、各モジュール20上の、リンク端の第1の組の、多数の中心部リンク端又はナックル18の孔と一致している。ここでは中心部リンク端と名づけられるリンク端18は、図に示す様に、狭く、比較的くっついた間隔となっている。これらの中心部のリンク端のまさに内側に、より幅の広い、より大きいリンク端22があり、次に、図に示す様に特殊な幅広の端部リンク端14が最も内の端にある。外側には、より厚い、幅広く、そしてより大きいリンク端24及び特殊な外端リンク端26があり、それらは、内端特殊リンク端14と多くの点において同様であって良い。これらのリンク端のすべてが、ベルトの一つの進行方向に伸びているリンク端群を形成しており、ここでは第1のリンク端と表示される、しかし、特定の進行方向を意味するわけではない、何故ならベルトはどちらの方向にも進行可能であるからである。
【0014】
これらの第1のリンク端のすべては、モジュール20の中心部背骨部28から伸びており、この背骨部は本発明に従った特有の構造を有している。図に示されている様に、背骨部28は内側の端部12の近くではより薄いが、内側の端部から離れた領域ではより厚い。背骨部が、進行の本来の方向に対して内側の端部近くでより薄いことが重要であるに過ぎない、なぜならば、その端部で、その端部の屈服収縮がぴったり重なることは小さい回転半径を達成する為に極めて重要であるからである。本発明及び業界にて使用される回転半径は、ベルトの内側端部から屈曲の中心までの距離をベルトの幅で除したものと定義される。図示のベルトでは、およそ1.6、又はより小さい回転半径が達成される。
【0015】
屈曲の本来の方向によって定義されるベルトの外側端部30及び近傍にて、リンク端又はナックルは、屈曲の外端での張力に耐える為に、大きくて頑丈である。これらのナックル又はリンク端は中心部リンク端より幅が広いのみでなく、孔を越えてより厚いプラスティック材料となっている。このことは、リンク端の第1の組のリンク端24でその通りであり、そして、第1のリンク端26、24、18、22及び14と比べると、背骨部から反対方向に伸びている第2のリンク端の組の反対に伸びているリンク端32についてもそのとおりである。特殊外側端部のリンク端26も大きいリンク端である、しかし、それは内側特殊リンク端14と極めて類似していて良い、これは、図に示す様にこれらのリンク端14が角張った形状であることから、孔を越えたところで特別に薄い必要がない内端の端部での特別な場合である。
【0016】
第2のリンク端の組も、示されている様に、中央部リンク端18aと表わされる比較的薄いリンク端と、中心部リンク端より幅が広いけれども、好ましくはさらに、孔を越えたところの先端34aではプラスティック材料の薄い領域を有している、より大きい内側の第2リンク端34を含んでいる。
【0017】
これはラジウスコンベアベルトであるので、一組のリンク端はスロット形状の孔を持たねばならない。図示された構造では、スロットを持つのは、第2のリンク端32、18a及び34である。図1では容易には見えなく、図4で見られるスロット36は、カーブの内端で出来る限り最大の屈服収縮を収容するために、実質的には第2のリンク端の長さ一杯に好ましくは伸びている。
【0018】
外側の第2リンク端32は、時にリンク端の第2の組の外側リンク端又はナックルとここでは呼ばれ、モジュール及びモジュール列の、第1のリンク端の組のリンク端24は、特殊端部リンク端又はナックル26は実際には列の端にあっても、時に第1の組の外側リンク端と呼ばれる。同様に、内側12では、第2組のリンク端34は、時にその組の内側リンク端と呼ばれ、そして反対方向のリンク端22は、時にリンク端の第1の組の内側リンク端と呼ばれる。
【0019】
特殊端部ナックル14と26は、両者ともリンク端の第1の組の中にあるが、いくつかの役割を果たしている。スパイラルシステムの駆動ゲージにより駆動される時、それらは内端でのベルトのがたつき音を防止したり又は最小限にする。さらに、駆動器の縦棒による様に、駆動との噛み合わせの為に適した端部を提供する。別の機能は、それらは、接続ロッド又はピン16を保持することである。好ましい一つの実施例では、ロッドの頭部37がベルトの片側(外側と図示されている)にある凹部に収められている。ベルトの同じ側に、ただし特殊端部ナックル26の反対側に、保持リング38が、図1の左側にみられる様に、ロッドに一体的に形成されている。この様に、どちらの方向にも逸脱しない様にロッドは固定され、そしてベルトの他端では、ロッドは通常端部と面一することが出来る。必要なら、別種のロッド保持方法を使用することが出来る。
【0020】
これらの特殊端部のリンク端14と26のさらなる機能は、図3のベルトに示されているスナップで取付ける方式のサイドガード40の取り付けを提供することである。当該図に示す様に、サイドガードはベルトの外側30で、数箇所のどこでも位置させることが可能であり、図1に示すように、外側で2箇所の、内側12で1箇所のサイドガード取付け孔42を用いている。最後に、特殊端部ナックル14と26は、上記に参考とした特許第6,484,379号に開示されているとおり、半径制限プラグの接続もまた提供する。
【0021】
図2は、図1のベルトを、各々の列を単一モジュールで構成された比較的幅が狭いベルトとして、そして概略的に示されている駆動ゲージ44にて駆動されるものとして示している。図2に見られるように、通常は上方向にベルトは駆動されるが、必要ならば、反対方向に駆動されることも可能である。
【0022】
図は、特に図3と4は、外側端部30でのベルトの特徴を示している。図3のベルト部分10にて示されるように、直線進行では、リンク端の第2組の大きな外側ナックル32は、ナックル32を入れる第1の組のナックル26と24の間のスペース46の間で、中心位置から外れている。モジュールはその様に製作されているので、このスペース46は、ナックル32の端部より幅が広く、それ故、すべての中心部のナックルが、示される様に、緊密かつ正しくかみ合っている場合には、このナックル32は隣のモジュール列のナックル24にくっついて(接触して、又はほとんど接触して)いる。小さなスペースが、これは約0.035インチで良いのだが、“48”に見られる。しかしながら、図4に示される様、ベルトが最大のカーブに入る時には、記述されている比較的小さい半径の為のモジュール間の傾斜度により、図4に示される様に、第2の組のモジュール32が、スペース46の右側への傾きを起こす。これにより、図4に示される様に、ナックル32がリンク端又はナックル26の表面と接触、又は事実上接触する。直線進行時に見られる様に、この傾斜度にあわせる為、そして拘束を防ぐ為に、中心位置からのずれが必要である。
【0023】
図5は、図1から4と同種のベルトを示しているが、各モジュール列20aと20bが複数のベルトモジュールを含む実施例を示す。ここで、モジュール列20aは2つのモジュール20cと20dを有し、分割部が“50”に見られる。モジュール列20bは、図5に見える分割線52と54を持ち、20e、20fと20gに見られる、各列3つのモジュールを有している。図1に描かれているものと同様な回転半径が達成可能である;隣接のモジュール列間の傾斜度は、より大きいベルト幅では、より小さくなるが、回転半径を定義する比の分母はより大きくなる。
【0024】
図6は図5の部分拡大図であり、モジュール列の部分と列中のモジュール間の分割部を示している。
【0025】
上述の様に、本発明の構成では、ベルトの屈曲の本来の方向におけるカーブの外側での高張力が、より大きい、より厚いリンク端又はナックルによって堪えられている。過重な負荷が発生した時に、故障の起こる典型的な場所はナックル32の位置にある外側ナックルであり、又はその場所の接続ロッドである。本発明は、厚い、幅広のナックル32を備えることで、この弱点を処理している。特に、図1、3及び4は、ロッド又はピン16を越えたところで、ナックルの特別の厚みを示している。図7は、これらの大きいナックル32の1つを断面にて示している;大きいナックル24は同様であるが、図示されているスロット60でなく孔になっている。そのナックルはロッド16を越えたところで厚く、“62”での丸い角を除いては、形状が本質的に“角張って”いる。角張った形状により、プラスティックの大断面がロッドの前方に置かれ、強度を最大にする為に、ロッドの周囲にU形状の連続した大きな断面が形作られている。ベルトが半径にある時に、このより高い強度は特に重要である。ロッドはナックルの角度とは異なった角度にある。これにより、そのロッドはこのナックルの外側の角部のみに接触し、ナックルに幾分点荷重となる。もし、ナックルがこのベルト又は他のベルト設計の他のナックルと同様に、丸いものであったなら、負荷はロッドの前方の最も薄い領域に集中するであろう。これにより、ナックルは最も薄い部分から最も厚い箇所に向け“裂け”開くであろう。ナックルを四角にして、一方向に小さい半径で回転させることによってのみ、ロッドの前方に、ナックル全体幅の厚みと同じ厚みで、追加材料を与えることが出来る。これにより、強度と引き裂きに対しての十分な耐性が増す。使用されるロッド材料によって、点荷重と引き裂きは変化する。たわみやすいロッドを使用すると、四角いナックルのより多くを使って負荷を分担するために、ロッドはたわみ、そしてベルトの幅、ロッド材料及び回転半径によるが、負荷を数個のナックルに分散することが出来る。
【0026】
ベルトは一方向にのみ小さい半径で回転するので、大きい、四角い、負荷を支えるナックルは外側端部にのみ必要である。もしベルトが主として製品の支持の為であれば、他の部分にも必要である。ベルトが半径にある時は、ベルトの中間部及び内側には負荷が(製品重量以外の)かからないので、ベルトを通じての空気流れを増やす為と、内端でぴったりと屈服収縮してベルトの小さい回転を可能にする為に、これらの領域のナックルと背骨部を薄くすることが出来る。
【0027】
他のプラスティックラジウスベルトは、どちらの方向にも設計の半径で回転することが出来るので、ベルト強度はベルトの両端で設計しなければならない。これにより、両端で材料が増え、そして、ベルトが半径にある時に、空気流れ又は回転半径が損なわれる。多数のこれらの種類のベルトは、冷気が下部から上部へとベルトを通じて流される冷凍機に使用されている。小さい回転半径で回転し、十分な強度を有するベルトは、ベルト内側3分の1から半分で、空気流れを犠牲にしている。これにより、ベルトの効果的な面積が減少する。
【0028】
本発明により、モジュラーベルトの内側と外側での異なった設計によって、本来のカーブ方向における、カーブの内側でぴったりと重ねる為に、本来とは異なるカーブ方向では小さい回転半径を犠牲にすることにより、特にスパイラルコンベアベルトでの小さい回転半径にたいして、効率的なラジウスベルトの設計が達成されている。平均して、所定の設計強度に対して、モジュールに要するプラスティック材料が、他のラジウスベルト設計よりも、少なくて済む。
【0029】
上述の好ましい実施例は、本発明の原理を説明しようとする意図であり、その範囲を限定するものではない。これらの好ましい実施例に対する他の実施例や変形は、当業者には自明であり、そして以下に述べる請求の範囲にて規定される本発明の精神または範囲から逸脱しない限り可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のモジュラーコンベアベルトを示す平面図であり、各モジュール列は、湾曲進行状態で示されている、本実施例のシングルモジュールから成る。
【図2】図1のモジュラーコンベアベルトを示す別の平面図であり、スパイラルコンベアベルトシステムにおいて、駆動タワーにより駆動されているベルトを示している。
【図3】モジュール列が平行で直線進行をしているベルトの部分を示す平面図である。
【図4】図4は平面図の詳細図であり、本発明のベルトの特徴を示している。
【図5】別の実施例のコンベアベルトの部分を示す平面図であり、各モジュール列のベルトは、横に並んだ数個のベルトモジュールから構成することが出来ることを示している。
【図6】図5のベルトの部分を示すベルトの詳細図である。
【図7】特殊リンクとナックルの部分を示す拡大断面立面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各列が1つ以上のモジュールで出来ているモジュール列における多数のプラスティックモジュールで組立てられているモジュラープラスティックコンベアベルトにおいて、そのベルトはモジュール列に一般には直角方向に進行するよう適合されており、各モジュールは一連の第1のリンク端又はナックル及び一連の第2のリンク端又はナックルを有し、第1と第2のリンク端はお互いに反対方向に及び一般にはモジュール列の幅に対して直角な方向に伸びており、リンク端はそれぞれ孔を有し、その孔は2つのモジュール列のリンク端が重なり合った関係でかみ合わされた時に、1つのモジュール列の第1のリンク端と隣接するモジュール列の第2のリンク端の孔を通過して伸びている接続ロッドを入れるように並べられた一連のリンク端の孔であり、そして、第2のリンク端の孔はラジウスベルトの進行を可能にする伸張されたスロットであり、屈曲の1つの方向に、屈曲の反対方向によりも、より小さい回転半径を可能にする構成であって、;
屈曲の前記1つの方向に対して、モジュール列の内端近くのリンク端は、プラスティック材料が薄く、該内端近くの1つ以上のリンク端において孔を越えたところで、モジュール列の外端のリンク端と比較すると、プラスティック材料の厚みが薄くなっており、それによって、該内端のモジュール列は屈服収縮可能であり、外端におけるよりもよりぴったりと重なることが出来、一方、モジュール列のリンク端は、隣接モジュール列との間の傾斜度なしで、直線のベルト進行も可能にする様構成されている、ことから成る、モジュラープラスティックコンベアベルト。
【請求項2】
各モジュールはリンク端がそこから伸びる中心部背骨部を有し、各モジュール列の内端に隣接する中心部背骨部が、前方から後方にかけて内端から離れた背骨部の部分より薄く、ベルトの内端で屈服収縮及びよりぴったりとした重なり合いを可能にする、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項3】
各モジュールはベルトの幅方向に伸びる中心部背骨部をから成り、そして該リンク端又はナックルは背骨部から前と後ろに伸び、そして各列のベルトの該内端に近い部分の背骨部は、前方から後方にかけて、ベルトの内端から離れたモジュール列のより厚い背骨部の部分より薄い厚みを有し、それにより、ベルトの内側端部でよりぴったりとした屈服収縮がもたらされ、一方内側端から離れた領域で、モジュールのより大きな縦方向の負荷を支えるビーム強度がもたらされる、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項4】
ベルトがモジュール列あたり一つのモジュールのみを有し、モジュールはベルトの内側と外側の両方の端部を含む、請求項3のモジュラーコンベアベルト。
【請求項5】
モジュール列の少なくともいくつかが、横に並んでいる複数のモジュールを含む、請求項3のモジュラーコンベアベルト。
【請求項6】
屈曲の外側でより大きな強度をもたらす為に、屈曲の前記一つの方向に対して外端近くの外側ナックル又はリンク端が、内端近くの内側リンク端と比較して、幅も広く、孔を越えたところで、厚みもより厚いプラスティック材料である、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項7】
ベルトの内側に近いベルトを通じて、一般には縦方向の空気流を促すように、内端に近い少なくとも一つのリンク端又はナックルが、外側のナックル又はリンク端より実質的に薄く、前記一つのリンク端がかみ合っている隣接のモジュール列のリンク端の横方向の間のスペースに比して薄い、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項8】
外側及び内側のリンク端の間の中心部リンク端が薄く、かつ製品を十分に支持する為とベルトを通じての空気流を促進する為に、ぴったりと密な間隔になっている、請求項7のモジュラーコンベアベルト。
【請求項9】
駆動ドラムにより駆動されたスパイラル径路まわりをベルトが進行するに連れて内側端部でのベルトのがたつき音を抑制するように、大きく、幅広く、頑丈である特殊な端部部材又はリンク端をベルトの内側端部が有する、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項10】
外側端部近くのリンク端又はナックルが、それらの遠い方の端部で実質的に角張っている、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項11】
ベルトの外側端部に近い少なくとも1つのリンク端が大きく且つ重く、それがかみ合うスペースで中心を外れており、隣接モジュールの傾斜度の故に隣接モジュールのリンク端との拘束なしに、小さい回転半径を可能にする請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項12】
1つの方向での回転比が少なくとも約1.6程度に小さい、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項13】
屈曲の反対方向で2.2から3.0の範囲にある回転比をベルトが有する、請求項12のモジュラーコンベアベルト。
【請求項14】
屈曲の反対方向での回転比が約2.5である、請求項13のモジュラーコンベアベルト。
【請求項15】
前記第2のスロット加工されたリンク端の内側リンク端が、内側と外側のリンク端の間の中心部リンク端の幅の約1.5倍の幅を有する、請求項1のモジュラーコンベアベルト。
【請求項16】
大きい外側リンク端が中心部リンク端の幅の約2.8倍の幅を有する、請求項15のモジュラーコンベアベルト。
【請求項17】
モジュール列の外端のリンク端が、モジュールの前と後ろの方向に伸びている、重くて、幅の広いリンク端を、前部及び第2のリンク端の各々に、少なくとも1つ含む、請求項のモジュラーコンベアベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−525237(P2009−525237A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551893(P2008−551893)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004256
【国際公開番号】WO2007/119119
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508221730)ハバジット アーゲー (5)
【Fターム(参考)】