説明

一体型の乗物用ギャレーゴミ圧縮機

ゴミシュートと、ゴミシュートの高さより上に配置された圧縮機機構と、圧縮機機構より下およびゴミシュートの高さより下に脱着可能に配置された貯蔵室とを含む、省スペース機内ゴミ圧縮機。貯蔵室は圧縮機機構と垂直方向に整列している。ゴミシュートは、カウンタ上部の高さおよび貯蔵室の上部の高さより上にあるゴミシュートの開口部を通じて廃棄されたゴミを貯蔵室の上部にある貯蔵室の開口部に送るように構成されている。ゴミシュートの開口部は貯蔵室と圧縮機機構の垂直整列から水平にずれていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、「一体型の乗物用ギャレーゴミ圧縮機(Integrated Vehicle Galley Trash Compactor)」と題される、2010年1月21日に出願された米国仮特許出願第61/297,162号の優先権を主張するものであり、その全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0002】
背景
[0002]実施形態は全般的にゴミ圧縮機に関する。特に、実施形態は航空機などの乗物で使用されるゴミ圧縮機に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの場合、商用または民間航空機では乗客および乗務員のための食事の準備および清掃のためのギャレーまたは厨房が設けられる。航空機上では使用に供される物理的スペースが限られているため、ギャレーとしての使用に割り当てることができるのは比較的少ない物理的スペースである。食事の用意または廃棄のためのあらゆるギャレー設備を、使用するスペースの量および重量が節減されるよう設計しなければならない。加えて、そのような食事の用意または廃棄設備は機内での動作時に安全かつ安定していなければならない。
【0004】
[0004]従来の航空機のゴミ圧縮機は、ギャレー内のカウンタ下で大量のスペースを使用する傾向があり、それにより、保管される食事のために、または食事の保管、準備または廃棄用の装置のために利用できるスペースの総量が減ることとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005]一実施形態は、航空機ギャレー内のともすれば使用されない(または「デッド」)スペース内において容易に位置決めされるように適合された、圧縮機機構および貯蔵室を含みうる省スペース機内ゴミ圧縮機を含む。一実施形態において、圧縮機機構および貯蔵室のいずれかまたは両方は、圧縮機機構の下に配置される軸と、貯蔵室からゴミを取り出すときに容易にアクセスできるようにするために軸を中心として回転させるゴミシュートとに回転自在に取り付けられる。本発明の種々の実施形態によれば、および図5に示すように、貯蔵室を空にするために1台の台車またはカート441(一般に約12インチの幅を有する)のみを航空機ギャレー内のデッドスペースに隣接するスペースから取り出す必要がある。任意選択で、圧縮機機構を同じまたは別個の軸のいずれかに取り付け、保守時に圧縮機機構へ容易にアクセスできるようにする。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態において、貯蔵室は、さらに軸に回転自在に取り付けられることなくキャスタのみに取り付けられる。さらに別の実施形態において、貯蔵室は、荷重支持板に固定される。荷重支持板は、さらには動作位置とゴミ取り出し位置との間の容易な可動域を可能にするレールに滑動可能に取り付けられる。貯蔵室が荷重支持板に固定される実施形態において、動作位置とゴミ取り出し位置との間で貯蔵室を移動させることを補助するために1つのアクチュエータまたは複数のアクチュエータを使用してもよい。
【0007】
[0007]ゴミを上方から投入するため、ゴミシュートとシュート境界面を貯蔵室内に形成してもよい。シュート内に投入されたゴミは、シュートによりシュート境界面に、およびシュート境界面により貯蔵室の主要部分内に送られる。任意選択で、ゴミシュートは、貯蔵室に最も近い端部または貯蔵室からかなり離れた端部のいずれかにフラップまたはカバーを含む。
【0008】
[0008]任意選択で、貯蔵室は、また、キャスタまたは車輪などの回転可能な支持物に取り付けてもよい。そのような回転可能な支持物は、特に圧縮機の動作中、貯蔵室に追加の物理的支持を提供するとともに、貯蔵室が回転自在に取り付けられる軸を中心とした貯蔵室の回転を妨げない。
【0009】
[0009]貯蔵室は、任意選択で、また、貯蔵室を1つ以上の位置に固定するための1つ以上のラッチを含む。例えば、ラッチは圧縮機の動作中に貯蔵室をしっかりと固定するために貯蔵室上に取り付けられてもよい。
【0010】
[0010]ゴミ圧縮機は、直接または遠隔制御部により動作してもよい。遠隔制御部は、例えば、ギャレー内の異なる物理的位置に、またはさらにはキャビンの異なる乗務員領域に設けられてもよい。任意選択で、本発明は、圧縮機機構と通信状態にある、貯蔵室内のゴミレベルセンサの使用を通じて半自動的に動作してもよい。
【0011】
[0011]一実施形態によれば、機内にいながらゴミを貯蔵および圧縮するための方法が提供され、方法は、貯蔵室を室動作位置内に移動させるステップと、貯蔵室を室動作位置に固定するステップと、圧縮サイクルを実行するステップと、貯蔵室を室保守位置に取り出すステップと、を含む。
【0012】
[0012]ゴミ圧縮システムの一実施形態は、ゴミシュートと、ゴミシュートの高さより上に配置された圧縮機機構と、圧縮機機構より下およびゴミシュートの高さより下に脱着可能に配置された貯蔵室とを含む。貯蔵室は圧縮機機構と垂直方向に整列していてもよい。ゴミシュートは、カウンタ上部の高さおよび貯蔵室の上部の高さより上にあるゴミシュートの開口部を通じて廃棄されたゴミを貯蔵室の上部にある貯蔵室の開口部に送るように構成してもよい。ゴミシュートの開口部は貯蔵室と圧縮機機構の垂直整列から水平にずれていてもよい。
【0013】
[0013]ゴミ圧縮システムは、圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部と、操作者からのコマンドの入力により電子システム制御部と接続して圧縮サイクルを開始するユーザインターフェースとを含んでもよい。
【0014】
[0014]貯蔵室は、電子システム制御部と通信的に結合される重量センサを含んでもよく、電子システム制御部は、重量センサのしきい値を超える重量読み取り値に従って圧縮機機構の動作を始動してもよい。
【0015】
[0015]貯蔵室は、電子システム制御部と通信的に結合される圧力センサを含んでもよく、電子システム制御部は、圧力センサのしきい値を超える圧力読み取り値に従って圧縮機機構の動作を停止してもよい。
【0016】
[0016]電子システム制御部は通信ネットワークインターフェースを含んでもよく、電子システム制御部は、通信ネットワークインターフェースで受信したコマンドに応答して圧縮サイクルを開始してもよい。
【0017】
[0017]貯蔵室は垂直方向に配向される略円筒形状を有してもよい。
【0018】
[0018]圧縮機機構は、油圧ポンプと、油圧リザーバと、油圧的に駆動して貯蔵室内のゴミを圧縮する圧縮機アクチュエータとを含む油圧システムを含んでもよい。
【0019】
[0019]圧縮機アクチュエータは航空機用合金鋼で構成してもよい。
【0020】
[0020]圧縮機アクチュエータは、外側縁部から中心に向かって上方に傾斜する湾曲した下面を含んでもよい。
【0021】
[0021]油圧ポンプはブラシレスDCモータを含んでもよい。
【0022】
[0022]ゴミを圧縮するための方法の一実施形態は、ゴミを、ゴミシュートを通して貯蔵室内に投入するステップを含む。貯蔵室は、ゴミをゴミシュートの開口部と貯蔵室の上部にある開口部との間を少なくとも部分的に水平方向に送るようにゴミシュートの高さより下に配置されている。方法は、また、圧縮サイクルを開始するために圧縮機機構を制御するステップと、圧縮サイクルを実行するステップとを含む。そのステップにおいて、貯蔵室と垂直方向に整列している圧縮機アクチュエータは、ゴミシュートの高さより上の位置から、貯蔵室の上部にある開口部を通じて貯蔵室内に、ゴミシュートより下の高さまで延在し、ゴミを圧縮する。方法は、圧縮機アクチュエータが貯蔵室からゴミシュートの高さより上の位置に後退する圧縮サイクルを終了するステップと、貯蔵室を圧縮機機構の下から出すことによって貯蔵室を空にするステップと、圧縮されたゴミを貯蔵室から取り出すステップと、貯蔵室を圧縮機機構下において垂直整列する所定の位置に戻すステップと、をさらに含む。
【0023】
[0023]圧縮サイクルを開始するために圧縮機機構を制御するステップは、ユーザインターフェースにおいて圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部にコマンドインプットを入力する工程を含んでもよい。
【0024】
[0024]圧縮サイクルを開始するために圧縮機機構を制御するステップは、貯蔵室の重量センサから受信した重量読み取り値に従って圧縮機機構の動作を始動する電子システム制御部を含んでもよい。
【0025】
[0025]圧縮サイクルを終了するステップは、貯蔵室の圧力センサから受信した圧力読み取り値に従って圧縮機機構の動作を停止する電子システム制御部を含んでもよい。
【0026】
[0026]圧縮サイクルを開始するために圧縮機機構を制御するステップは、通信ネットワークインターフェースでコマンドを受信する圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部を含んでもよい。
【0027】
[0027]圧縮サイクルを実行するステップは、圧縮機アクチュエータを油圧的に駆動するために油圧ポンプを作動する工程を含んでもよい。
【0028】
[0028]ゴミ圧縮システムの別の実施形態は、ゴミシュートと、ゴミシュートの高さより上に配置された圧縮機機構とを含む。システムは、また、圧縮機機構より下およびゴミシュートの高さより下に脱着可能に配置された略円筒状の貯蔵室を含む。貯蔵室は圧縮機機構と垂直方向に整列している。ゴミシュートは、カウンタ上部の高さおよび貯蔵室の上部の高さより上にあるゴミシュートの開口部を通じて廃棄されたゴミを貯蔵室の上部にある貯蔵室の開口部に送るように構成されている。システムは、また、圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部と、操作者からのコマンドの入力により電子システム制御部と接続して圧縮サイクルを開始するユーザインターフェースとを含む。
【0029】
[0029]圧縮機機構は、油圧ポンプと、油圧リザーバと、油圧的に駆動して貯蔵室内のゴミを圧縮する圧縮機アクチュエータとを含む油圧システムを含んでもよい。
【0030】
[0030]貯蔵室は電子システム制御部と通信的に結合される重量センサを含んでもよく、電子システム制御部は、重量センサのしきい値を超える重量読み取り値に従って圧縮機機構の動作を始動してもよい。
【0031】
[0031]貯蔵室は、電子システム制御部と通信的に結合される圧力センサを含んでもよく、電子システム制御部は、圧力センサのしきい値を超える圧力読み取り値に従って圧縮機機構の動作を停止してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】一実施形態による、保守またはゴミ取り出しのための位置に回転させた省スペース機内ゴミ圧縮機を示す。
【図2】一実施形態による、圧縮機機構および貯蔵室の回転の頂面図を示す。
【図3】一実施形態による、ゴミシュート、シュート境界面、貯蔵室および圧縮機機構の斜視図を示す。
【図4A】一実施形態による、航空機の左側および右側のための左構造および右構造を示す。
【図4B】一実施形態による、航空機の左側および右側のための左構造および右構造を示す。
【図5】サイドローディングシュートを含む別の実施形態の斜視図を示す。
【図6】角度が付けられたトップローディングシュートと円筒状の貯蔵室とを含む別の代替実施形態の斜視図を示す。
【図7】一実施形態による圧縮機機構を示す。
【図8】一実施形態によるゴミ圧縮機システムを動作する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
詳細な説明
[0040]以下の例は、種々の実施形態をさらに示す。図1を参照すると、貯蔵室120および圧縮機機構110が、少なくとも1つの軸130を中心に回転して保守のためおよび/または貯蔵室からゴミを取り出すための位置にある、省スペース機内ゴミ圧縮機100の実施形態が示される。
【0034】
[0041]図1の実施形態に示すように、ゴミ圧縮機は一般に作業台410の下に配置してもよい。作業台下の扉430が開かれて示され、圧縮機機構110と貯蔵室120が、作業台410の下ではない位置に回転することを可能にする。図5の代替実施形態に示すように、作業台410は、また、作業台扉430のない台車またはカート441、442および443をカバーしてもよい。
【0035】
[0042]機能のさらなる態様のいくつかが図1に示される。貯蔵室120は、貯蔵室120の本体内に形成されるシュート境界面125をさらに含む。圧縮機が動作用の位置にある場合、シュート境界面125は、ゴミシュート150から受け取ったゴミを送るように構成されている。シュート境界面125は、図1に示される略唇形状の形態をとる必要はなく、むしろゴミシュート150と接続するために必要に応じて異なる形状に変えてもよい。さらに、ゴミシュート150は円筒状または楕円形状などの異なる形状をとってもよい。
【0036】
[0043]他の実施形態において、貯蔵室120はシュート境界面125を含まない。そのような実施形態において、シュート150はゴミを貯蔵室120内に直接送る。そのような実施形態によれば、シュート150は、圧縮サイクル前に貯蔵室120内にゴミを押し込むためのフラップ155に加えて、フラップを備えて設計される。そのような実施形態によれば、シュート150は、圧縮サイクル前に貯蔵室120内にあらゆるゴミをしっかりと確保するため、貯蔵室120に向かって摺動するか、折りたためるように設計される。
【0037】
[0044]さらに別の実施形態においては、シュート境界面125およびシュート150のいずれも必要ない。図5は、そのような実施形態を示す。サイドローディングフラップ555を円筒状の貯蔵室524の真上のスペース内に跳ね上げた後、ゴミが積み込まれる。圧縮機機構515が円筒状の貯蔵室524より上に配置される。図5に示されるユーザインターフェース510は圧縮サイクルを開始するために使用される。ユーザインターフェース510には、圧縮サイクルの開始を遅らせるか、遠隔作動を可能にするプログラム可能な論理構成要素または無線構成要素を組み込んでもよい。
【0038】
[0045]再度図1を参照すると、ラッチ160および162が示される。ラッチ160および162は、動作時に圧縮機機構110および貯蔵室120を所定の位置にしっかりと固定する。ラッチは、また、離陸および着陸時にシュートフラップ155または555を所定の位置にしっかりと固定するために使用してもよい。
【0039】
[0046]示されるように、図1の実施形態では、ともすればギャレー装置にアクセス不能な「デッドスペース」を使用する。いくつかの実施形態において、この利点は、圧縮機構110および貯蔵室120のいずれかまたは両方を、1つ以上の軸130および140(図1に図示せず)に回転可能に取り付けることにより達成される。図2の実施形態に示すように、貯蔵室120はヒンジ164により軸140に回転自在に取り付けられる。貯蔵室120は、したがって、軸140を中心として旋回または回動可能である。図2に示される実施形態において、貯蔵室120は、保守またはゴミ取り出し位置に、軸140を中心として180度回転している。図2に示すように、貯蔵室が動作位置(破線により示される)にある場合、シュート境界面125は、ゴミシュート150およびシュートフラップ155の真下に配置される。シュートフラップ155は、圧縮中に突如ゴミが貯蔵室から出ることを防ぐために設けられる。図1に示す実施形態では、2つのシュートフラップ155が示される。図5に示されるような別の実施形態では、単一のフラップ555を使用してもよい。
【0040】
[0047]図3は、圧縮機機構110が保守位置に回転した実施形態を示す。圧縮機機構110は、全般的にアクチュエータ115と、駆動軸117と、圧縮機板119とを含む。アクチュエータ115は、圧縮のための十分な力を提供する航空機電源(固定および可変周波数交流電源の両方を含む)での使用に適したいかなるアクチュエータであってもよい。例えば、油圧ポンプ、排出ポンプまたは他のポンプ駆動式の機械的なアクチュエータを、圧縮板117の後方において力を発生させるための機構として使用してもよい。圧縮板117は、動作中、ゴミを貯蔵室120内に下方向に押し込むように構成されている。
【0041】
[0048]図3の実施形態において、圧縮機機構110は上部軸130に取り付けられ、貯蔵室120は下部軸140に取り付けられている。ヒンジ164および166、167および168は、上部軸と下部軸のそれぞれに回転可能な取り付けを提供する。別の実施形態では、圧縮機機構110と貯蔵室120は同じ軸に取り付けてもよい。
【0042】
[0049]図3は、また、動作中、動作室の基部に直に接触したままとなるレール310を示す。一実施形態において、ラッチ160は、動作中、貯蔵室120を所定の位置にしっかりと固定するようにレール310に係合するように構成されている。
【0043】
[0050]図1〜図4に示される実施形態において、貯蔵室120は、シュート境界面125のためのリップを備えた矩形の底面積を有する。図示しない他の実施形態では、貯蔵室120はシュート境界面125を含まない。図5に示されるようなさらに別の実施形態において、円筒状の貯蔵室524は、室524とシュート522の直径が等しい状態で円筒状のシュート522の下に配置される。貯蔵室120は示されるような略矩形の底面積を有する必要はなく、円形、楕円または他の底面積を有してもよい。
【0044】
[0051]加えて、いくつかの実施形態おいて、貯蔵室120は下部軸140に取り付けられない。そのような実施形態において、貯蔵室は、キャスタだけで、またはその上に貯蔵室120が載る荷重支持板に取り付けられたキャスタで動作位置に出し入れ可能であってもよい。他の実施形態において、貯蔵室は、乗務員による貯蔵室の容易な位置決めのために、レール上に取り付けられる荷重支持板(図示せず)に固定してもよい。そのような実施形態において、1つ以上のアクチュエータが、貯蔵室120の位置決めを補助してもよい。
【0045】
[0052]長距離飛行時、客室乗務員が、飛行中に、ライナの交換のため必要に応じて貯蔵室に1回または複数回容易にアクセスしてもよい。
【0046】
[0053]図4Aに示すように、一実施形態において、貯蔵室120は、貯蔵室が軸140で回動する際、床上を転がるキャスタにより支持されてもよい。そのような実施形態において、貯蔵室120は、貯蔵室120はライナを交換する際にアクセスを容易にするため、作業台の下から転がし出すことができるように軸140から着脱可能であってもよい。加えて、キャスタは、数サイクルの圧縮後に満杯に近づいた後、貯蔵室が重くなると、追加の支持を提供してもよい。図4Aおよび図4Bは、また、右側と左側が対称な航空機ギャレー構造内に設置されたゴミ圧縮機の右側構造および左側構造を示す。
【0047】
[0054]図5は、ゴミを円筒状の貯蔵室520内に直接落下させるサイドローディングシュートフラップ555を含むゴミ圧縮機の別の実施形態を示す。図5は、また、作業台410および作業台410より上に設置された2つのコーヒーメーカー590を示す。最も左の台車またはカート441は、円筒形の貯蔵室524を保守位置に旋回させるために転がし出すことができ、それによってゴミの取り出しを可能にする。航空機ギャレー内に設置される可能性のあるコーヒーポット590が説明の目的のみのために示される。
【0048】
[0055]図5の切開530は、作業台410下のスペースの内部を示す。図5に示すように、円筒状の貯蔵室524は、ヒンジ167および168により軸140に回転自在に取り付けられる。圧縮サイクル後、台車またはカート441は作業台410の下から転がし出され、円筒状の貯蔵室524を空にすることができる。
【0049】
[0056]種々の実施形態では、圧縮サイクルを開始するためにいくつかの異なる機構が使用される。一実施形態においては、ゴミシュート扉上のロック機構が圧縮サイクルを起動する。別の実施形態においては、圧縮サイクルは、機器の状態(動作中、動作不能、ゴミのレベル、診断、サービス等)を示すための表示機器も含む、専用の遠隔的に配置したパネルから開始される。さらに別の実施形態においては、圧縮サイクルは、複数の機能を担うセントラルギャレー制御インターフェースから起動される。複数の機能の1つは、TC動作/状態/診断/サービス機能に対処するTCモードである。全ての場合において、圧縮サイクルが開始される前に安全インターロックを要してもよい。
【0050】
[0057]図6は、角度が付けられたトップローディングシュート622と円筒状の貯蔵室624とを含む別の代替実施形態の斜視図を示す。図6に示される実施形態は、以下に記載されるもの以外は図5に示されるものと類似する。角度が付けられたトップローディングシュート622の上部にある開口部は、作業台410のヒンジ連結されたシュート蓋655によってカバーされる。角度が付けられたトップローディングシュート622は、作業台410の開口部を通じて投下されたゴミを、作業台410の高さより下および作業台410の開口部の一方の側にある円筒状の貯蔵室624内に案内する。ヒンジ連結されたシュート蓋655は、ソレノイド駆動式および/または手動駆動式ラッチのようなラッチと、開蓋センサとを含んでもよい。ゴミ圧縮システムは、安全目的のため、シュート蓋655が開いている間は圧縮サイクルを実施しなくてもよく、シュート蓋655が開いているときに圧縮が起こることを防ぐために安全インターロックを含んでもよい。
【0051】
[0058]ユーザインターフェース510は、背後に圧縮機機構615が配置された壁パネル605に、およびシュート蓋655が作業台410に配置された領域より上に取り付けてもよい。ユーザインターフェース510は、また、パネルとベゼルを含んでもよく、ギャレーの挿入物と一体化してギャレーに共通スタイルのインターフェースを設けてもよい。
【0052】
[0059]図6の切開630は作業台410下のスペースの内部を示す。円筒状の貯蔵室624は、作業台410と、角度が付けられたトップローディングシュート622の底部と、圧縮機機構615との下に、支持アセンブリ660によって固定される。支持アセンブリは、円筒状の貯蔵室624の上部リップ部周囲にカラーを形成する、1つ、2つまたはそれを超える吊下支持ブラケット(hanging support bracket)を含んでもよい。円筒状の貯蔵室624の右上にある切開によって示されるように、円筒状の貯蔵室624の上部にあるリップ部は支持アセンブリ660の底部の突出部によって所定の位置に固定される。支持アセンブリ660は、集合的に、円筒状の貯蔵室624の上部にあるリップ部を少なくとも部分的に取り囲むカラーとみなしてもよい。種々の実施形態において、円筒状の貯蔵室624は、支持アセンブリ660または本明細書中の別の場所で記載されるもののような他の機構を使用して所定の位置に固定してもよい。
【0053】
[0060]円筒状の貯蔵室624を水平方向に手動で引き出し、それによって圧縮サイクル後にゴミを取り出すことを可能にするために、最も左にある台車またはカート441を転がし出してもよい。種々の実施形態において、ギャレー内の角のスペースのような円筒状の貯蔵室624が配置されたスペースは、ゴミ圧縮機システムが設置されたギャレーの前部または側部からそうでなければアクセス不能であってもよい。したがって、台車またはカート441が保管されたスペースの側部から円筒状の貯蔵室624にアクセスすると、航空機のようなスペースに制約のある環境の、そうでなければアクセス不能なスペースが効率的に利用される。
【0054】
[0061]円筒状の貯蔵室624は、消耗可能なゴミ容器またはゴミライナによって裏張りしてもよい。ゴミライナは、円筒状の貯蔵室624にぴったりと合った丈夫なポリエチレンバッグであってもよい。消耗可能なゴミ容器は、裂断力に耐え、破断を防ぐために高引張強度を有してもよい。また一方で、使い捨てであり、再利用可能であり、取り付けおよび取り外しが簡単であってもよい。
【0055】
[0062]図7は、一実施形態による圧縮機機構を示す。図7の圧縮機機構は、図5の圧縮機機構515および/または図6の圧縮機機構615の一実施形態であってもよい。図7の圧縮機機構の動作部品は、圧縮機機構が設置されるギャレーのアクセス可能な側に対して、作業台410の高さより上の壁パネル605の背後に配置されている。したがって、図7の圧縮機機構の動作部品は、一般に、通常動作中は客室乗務員からアクセス不能であるとともに、作業台410上の貴重なスペースもしくは台車またはギャレーカート(例えば、441、442、443)が保管されうるスペース内を占有しない。圧縮機機構の動作部品が作業台410の高さより上に配置されているため、円筒状の貯蔵室524または624の容量は、圧縮機機構が作業台410の高さより下に配置されている実施形態の容量よりも大きくてもよい。加えて、圧縮機機構の動作部品を作業台410の高さより上に設置すると、円筒状の貯蔵室524または624からゴミを空にすることを容易にするためのより良いアクセスが提供されるとともに、カウンタの高さのゴミシュートから円筒状の貯蔵室524または624の上部への短距離でのアクセスが提供され、ゴミが詰まる状況が低減する。
【0056】
[0063]示される動作部品は、EボックスLRU710と油圧システムLRU720とを含む。EボックスLRU710は、図6および図7のゴミ圧縮機のようなゴミ圧縮機のための電子システム制御部を含む。EボックスLRU710は、ユーザインターフェース510に接続して油圧システムLRU720を制御してもよい。EボックスLRU710の電子システム制御部は、マイクロプロセッサで作動する制御システムと、ヒューズ保護部と、電磁干渉(EMI)保護部と、電力変換器用変圧器と、外部センサアレイとを含んでもよい。
【0057】
[0064]油圧システムLRU720は、油圧ポンプモータと、モータドライバ素子と、油圧マニホールドと、支持アセンブリ(カラー)と、四方制御弁と、圧力変換器と、圧力リリーフ弁と、流体フィルタと、ラムセンサと、流体レベルセンサと、を含んでもよい。示されるように、油圧システムLRU720は、圧縮機アクチュエータ730と、油圧ポンプを含むポンプアセンブリ740と、作動液リザーバ750と、を含む。アクチュエータ730は、関連する円筒状のシュート522または角度が付けられたトップローディングシュート622経由でゴミが挿入される円筒状の貯蔵室524または624より上に配置されている。アクチュエータ730は、円筒状の貯蔵室524または624に挿入されたゴミを圧縮する。
【0058】
[0065]油圧システムLRU720の油圧ポンプモータは、アクチュエータ730を使用して、ゴミを圧縮するための電力を提供する。モータは、ポンプアセンブリ740内の油圧ポンプを駆動して流体を作動液リザーバ750からアクチュエータ730に押し出してもよい。アクチュエータ730は、例えば、三段式または多段式伸縮アクチュエータであってもよい。システム圧力は、圧力変換器を介して、EボックスLRU710のシステム制御部によって監視されてもよい。
【0059】
[0066]油圧アクチュエータ730は、例えば、航空機用合金鋼で作成してもよい。三段式シリンダおよびシールは、少なくとも百万サイクルの疲労寿命ならびに必要な破壊圧力を満たすように設計してもよい。この高い強度の設計は、アクチュエータ730が、総重量を犠牲にすることなく継続的に高圧縮力に到達することを可能にしてもよい。アクチュエータ730は基本的に平坦な下面を有してもよい。別法として、アクチュエータ730は、ゴミが円筒状の貯蔵室524または624の側部よりも中心に向かって誘導されるようにゴミを押し下げる湾曲した下面を有してもよい。換言すると、アクチュエータの下面は外側縁部から中心まで上方に傾斜してもよい。円筒状の貯蔵室524または624の側部よりも中心に向かってゴミを誘導することによって、搭載のバランスが向上してもよく、圧縮されたゴミがゴミ圧縮機の動作中により詰まりにくくなってもよく、また、圧縮されたゴミが、圧縮後、円筒状の貯蔵室524または624からより容易に取り出されてもよい。
【0060】
[0067]油圧システムLRU720に使用されるモータは、荷重下において円滑に始動するように、かつ効率性を犠牲にすることなく任意の速度で動作するように設計されたブラシレスDCモータであってもよい。EボックスLRU710のシステム制御部は消費電力を監視し、既定の(例えば、1000W)の消費電力要件を満たすために常にモータ速度を最大化するとともに、圧縮サイクル継続時間を操作者に便利なように最小化してもよい。ポンプアセンブリ740のポンプは、また、搭載量が最大の場合に低モータ速度で高い圧力を提供するように設計してもよい。
【0061】
[0068]ゴミ圧縮機システムの動作は、ボタンを押す動作、ランプ表示およびテキストメッセージならびに任意の他の使用者による入力および出力を提供する、局所的に取り付けられたユーザインターフェース510を介してもよい。ユーザインターフェース510は、ユーザインターフェース510をEボックスLRU710に連結するワイヤハーネスを含んでもよい。ユーザインターフェース510は、ゴミ圧縮機システムの状態についての情報、例えば、圧縮されたゴミが最後に回収されてから何回の圧縮サイクルが実施されたか、どのくらいの量の圧縮されたおよび/または圧縮されていないゴミが円筒状の貯蔵室524または624の中に貯蔵されているか等を提供してもよい。ユーザインターフェース510は、また、客室乗務員がフラップ555またはシュート蓋655を開く、フラップ555またはシュート蓋655を閉じる、ゴミ圧縮サイクルを始動する、または保守および試験などの他の機能を実施することにより制御を提供してもよい。ユーザインターフェース510によるゴミ圧縮機システムの動作は簡単かつ直感的であってもよく、航空機に搭載された他のシステムの動作と調和してもよい。
【0062】
[0069]ゴミ圧縮機システムは、また、遠隔制御により動作してもよい。ゴミ圧縮機システムは、好ましくは、ギャレーネットワークコントローラ(GNC)へのコントローラエリアネットワーク(CAN)バスインターフェース(ギャレーデータバス)を介して航空機のギャレーシステムと統合する。GNCは、好ましくは、全ネットワーク通信を処理し、ギャレー内の設備のグループ(ギャレーグループ)間の協調出力制御を仲裁する。
【0063】
[0070]円筒状の貯蔵室524または624の略円筒状の設計は従来の矩形の箱形設計の貯蔵室に比べてより高い圧縮圧力を促進する。ほとんどの機内のゴミの圧縮圧力は、従来のゴミ圧縮機の圧縮圧力に比べ円筒状の実施形態のゴミ圧縮機システムにおいて10倍高くてもよい。これによって、未圧縮対圧縮済の材料の容積比において測定した場合、圧縮効率が4倍高くなる。
【0064】
[0071]円筒状の貯蔵室524または624は、EボックスLRU710のシステム制御部が、いつ圧縮サイクルを実施するか、圧縮サイクル中にどれほどの圧力を印加するか、圧縮されたゴミを円筒状の貯蔵室524または624から取り出すべきことをいつ示すか、および/または円筒状の貯蔵室524または624の構造保全性または故障に関する警告またはエラーメッセージをいつ発するかを決定することを容易にするための、荷重センサと、重量センサと、構造フェイルセーフセンサとを含んでもよい。
【0065】
[0072]実施形態では、さらに、円筒状の圧縮室を使用することによってゴミが内部で圧縮される(圧縮室)貯蔵室の内壁に接触している圧縮されたゴミのために圧力および摩擦力が低下してもよい。例えば、円形の断面を有する円筒状の貯蔵室524または624のような円筒状の圧縮室は、矩形の断面を有する従来の圧縮室に比べて有利である。その理由は、圧縮されたゴミが挟まるまたは詰まる可能性のある角がないためである。さらに、シリンダは、矩形、三角形または他の多角形断面を有する他の容器に比べて単位容積当たり小さな側部表面積を有し、それによって圧縮室の内部側壁に接触する圧縮されたゴミの側部表面間の圧力および摩擦力を低減する。所与の単位容積の圧縮されたゴミを有する圧縮されたゴミの円筒状の柱は、矩形の断面を有する類似の貯蔵室または圧縮室において同じ単位容積および同じ上部表面または底部表面面積を有する圧縮されたゴミの矩形のブロックに比べて、円筒状の貯蔵室524または624の側壁に接触する表面積が小さい。
【0066】
[0073]図8は、一実施形態によるゴミ圧縮機システムを動作する方法を示す。工程802では、客室乗務員がいくらかの機内のゴミを持ってゴミ圧縮機システムに近づき、ユーザインターフェース510上の開扉ボタンを押すか、サイドローディングフラップ555またはヒンジ連結されたシュート蓋655を手動で開いてもよい。フラップ555またはシュート蓋655が開いた後、客室乗務員はシュート522または622を通じて円筒状の貯蔵室524または624内にゴミを投入してもよい。工程802は、円筒状の貯蔵室524または624が満杯になるまで、または機内のゴミがなくなるまで、または客室乗務員がその時点までに円筒状の貯蔵室524または624内に回収されたゴミを圧縮することを決定するまで繰り返してもよい。
【0067】
[0074]工程804では、フラップ555またはシュート蓋655は手動で閉じられ、ユーザインターフェース510上の圧縮ボタンが押される。別法として、円筒状の貯蔵室524または624が満杯かどうかを自動的に検出し、それに応答して圧縮サイクルを自動的に開始してもよい。さらに別の実施形態では、圧縮コマンドは、リモートコントローラまたはコンピュータのギャレーデータバス上を介してゴミ圧縮機システムに発せられてもよい。安全目的のため、フラップ555またはシュート蓋655が閉位置にない限り、またはフラップ555またはシュート蓋655が閉位置になるまでは、インターロックが、ゴミ圧縮機システムが圧縮サイクルを実施することを防止してもよい。
【0068】
[0075]工程806では、ゴミ圧縮機システムは圧縮サイクルを実行する。圧縮サイクルが開始すると、円筒状の貯蔵室524または624の上方のアクチュエータ730がゴミを円筒状の貯蔵室524または624内において下方に押し、それによってゴミを圧縮する。アクチュエータ730は、システム制御部が電圧をソレノイドに印加することによって作動し、四方油圧制御弁を「後退」設定から「伸長」設定に切り換えてもよい。その後、システム制御部は、例えば、ブラシレスDCモータを駆動する波形で、モータドライバを通じてポンプアセンブリ740のポンプモータに電力を印加してもよい。ゴミ圧縮機システムの動作中、圧力変換器は、システム圧力を監視して、監視した圧力値をシステム制御部に報告してもよい。
【0069】
[0076]工程808では、ゴミ圧縮機システムは圧縮サイクルを終了する。アクチュエータ730は円筒状の貯蔵室524または624上方のその停止位置に戻り、再度、さらにゴミを挿入するか、圧縮されたゴミを空にするために円筒状の貯蔵室524または624に遮るもののないアクセスを提供する。システム制御部がシステム圧力が既定量(例えば、3000psi)に達したと判断すると、四方油圧制御弁のコイルへの電力が除去され、弁のばね復帰動作は「後退」に戻ってもよい。その後、アクチュエータ730は、後退してラムセンサを作動し、システム制御部に信号を送り、モータドライバがモータを動作することを停止させてもよい。
【0070】
[0077]工程810では、圧縮されたゴミを空にすべきかどうかに関して判断が下される。例えば、円筒状の貯蔵室524または624が満杯かどうかを円筒状の貯蔵室524または624の荷重または重量センサによって自動的に検出してもよい。例えば、圧縮されたゴミは、重量が約15kgを超えた場合、空にする準備が完了したと判断してもよい。その代わりに、客室乗務員が圧縮されたゴミを空にすべきと判断してもよい。圧縮されたゴミを空にする必要はないと判断した場合、方法は工程802に戻る。圧縮されたゴミを空にする必要があると判断した場合、方法は工程812に進む。
【0071】
[0078]工程812では、圧縮されたゴミが空にされる。ギャレー台車またはカート441は、円筒状の貯蔵室524または624にアクセスするために作業台410の下から滑り出される。円筒状の貯蔵室524は、その後、外側に回転し、ゴミを空にする位置に移動してもよい、または円筒状の貯蔵室624は支持アセンブリ660から手動で引き出してもよい。消耗可能なゴミ容器またはライナは、その後、円筒状の貯蔵室524または624から引き出し、適切に廃棄してもよい。交換用の空の消耗可能なゴミ容器またはライナを、その後、円筒状の貯蔵室524または624に挿入してもよい。円筒状の貯蔵室524または624は、その後、動作位置に戻してもよく、ギャレー台車441は、その後、作業台410下のその初期の位置に戻してもよい。方法は、その後、工程802に戻ってもよい。
【0072】
[0079]ゴミ圧縮機システムは、三相可変周波数の航空機電源を動力としてもよい、または他の入力電源に適合させてもよい。ゴミ圧縮機システムは、他のすべてのギャレー構成要素から独立し、ギャレーワークデッキの構造に容易に一体化してもよい。したがって、ゴミ圧縮機システムは車両一体型ギャレーゴミ圧縮機(IGTC)と呼ばれてもよい。ゴミ圧縮機システムは、先行技術のシステムと比べると、重量およびコストを削減し、効率を増加してもよい。ゴミ圧縮機システムは、そうでなければ使用されないか、アクセス不能なスペース、例えば、一般的な中型から大型サイズの航空機ギャレーの後部角に収まる高効率のギャレー取付内蔵型ゴミ圧縮システム(highly-efficient galley-mounted built-in trash compaction system)として設計してもよく、それによってギャレーカートに使用されうるギャレーカートスペースが空くため、従来のギャレーカート型の以前のゴミ圧縮機に取って代わるものである。ゴミ圧縮機システムは、通常、機内食、軽食および飲料サービス時に溜まるあらゆる航空機ゴミを圧縮するために使用してもよい。好適な実施形態では、ゴミ圧縮機システムは、約70kg未満の重量であり、故障までの最短平均時間は約10,000時間でもよい。ゴミ圧縮機システムの一実施形態を使用することにより、航空機上において標準的な台車の4つ分もの場所を空けることができる。
【0073】
[0080]本明細書中に引用される、刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献を、各参考文献を個々におよび具体的に示して参照により組み込み、かつその全体を本明細書中に述べるのと同じ程度、参照により本明細書に組み込む。
【0074】
[0081]本発明の原理についての理解を促進する目的で、図面に示された実施形態について述べるとともに、これらの実施形態を説明するために特定の言語を使用した。しかしながら、この特定の言語は発明の範囲を制限することを意図するものではない。また、本発明は、当該技術分野において通常の技量を有する者が通常思いつくであろうすべての実施形態を含むものと解釈すべきである。本明細書中に使用される専門用語は特定の実施形態を説明する目的のためであり、本発明の例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。
【0075】
[0082]本明細書中に記載される装置は、プロセッサと、プロセッサによって実行されるべきプログラムデータを保存するためのメモリと、ディスクドライブのような永久記憶装置と、外部デバイスとの通信を処理するための通信ポートと、ディスプレイ、キー等を含むユーザインターフェースデバイスとを含んでもよい。ソフトウェアモジュールを伴う場合、これらソフトウェアモジュールは、プロセッサによって、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM、DVD、磁気テープ、ハードディスク、フロッピーディスクおよび光学データ記憶装置のような非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable media)上で実行可能なプログラム命令またはコンピュータ可読コードとして保存してもよい。コンピュータ可読記録媒体は、また、コンピュータ可読コードが保存され、分散された態様で実行されるように、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散させてもよい。この媒体は、コンピュータによって読み取り、メモリに保存し、プロセッサによって実行してもよい。
【0076】
[0083]また、本明細書の開示を使用することにより、本発明が属する当該技術分野において通常の技量を有するプログラマは本発明を作成および使用するための機能的なプログラム、コードおよびコードセグメントを容易に実行してもよい。
【0077】
[0084]本発明は機能ブロック要素および種々の処理ステップの点において記載されうる。そのような機能ブロックは所定の機能を実施するように構成されている任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントによって実現してもよい。例えば、本発明は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御デバイスの制御下において種々の機能を実行してもよい、記憶素子、処理素子、論理素子、索引テーブル等の種々の集積回路要素を使用してもよい。同様に、本発明の要素がソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素を使用して実施される場合、本発明は、C、C++、Java、アセンブラ等のようないかなるプログラミングまたはスクリプト言語で実施してもよい。種々のアルゴリズムはデータ構造、オブジェクト、プロセス、ルーチンまたは他のプログラミング要素の任意の組み合わせで実施される。機能面は1つ以上のプロセッサで実行するアルゴリズムで実施してもよい。さらに、本発明は、電子機器構成、信号処理および/または制御、データ処理等において任意の数の従来の技術を用いてもよい。最後に、本明細書中に記載される全方法の工程は、本明細書中に特に示さない限り、または明らかに文脈と矛盾しない限り任意の適切な順序で実施してもよい。
【0078】
[0085]簡略化のため、従来の電子機器、制御システム、ソフトウェア開発およびシステムの他の機能面(およびシステムの個々の動作コンポーネントの要素)については詳細に説明しない。さらに、示された種々の図に示す連結線またはコネクタは、種々の要素間の例示的な機能的関係および/または物理的または論理的結合を示すことを意図したものである。実際的なデバイスには、多くの代替的または付加的な機能的関係、物理的連結または論理的連結が存在してもよいことに留意されたい。「機構」および「要素」という用語は広く使用され、機械的または物理的実施形態に限定されず、プロセッサ等と併せて、ソフトウェアルーチンを含んでもよい。
【0079】
[0086]本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。数々の変形例や適応例は、以下の特許請求の範囲により定義される発明の精神と範囲から逸脱することなく当業者には容易に明らかであろう。したがって、発明の範囲は本発明の詳細な説明によってではなく、以下の特許請求の範囲によって定義され、この範囲内におけるすべての相違は本発明に含まれるものと解釈される。
【0080】
[0087]要素が特に「必須」または「重要」と記載されない限り、いずれの項目または構成要素も本発明の実施に必須のものではない。また、本明細書において用いられる「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語またはこれらのあらゆる変形は、技術を限定するものではないと解釈されるものと理解される。本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)用語「a」および「an」および「the」および類似の指示語の使用は、本明細書中に明記されない限り、または文脈に明らかに矛盾しない限り単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。さらに、本明細書では、様々な要素を説明する際に、「第1」、「第2」等の用語を利用する場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではなく、ある要素から別の要素を区別するためのみに利用されると解釈すべきである。さらに、本明細書中の数値範囲の詳説は、本明細書中に明記されない限り、単に範囲内に該当する各別個の数値を個々に言及する略記法としての役割を果たすことを意図しており、各別個の数値は、それが本明細書中に個々に詳述されるかのように明細書内に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミシュートと、
前記ゴミシュートの高さより上に配置された圧縮機機構と、
前記圧縮機機構より下および前記ゴミシュートの高さより下に脱着可能に配置された貯蔵室であって、前記貯蔵室は前記圧縮機機構と垂直方向に整列しており、前記ゴミシュートは、カウンタ上部の高さおよび前記貯蔵室の上部の高さより上にある前記ゴミシュートの開口部を通じて廃棄されたゴミを、前記貯蔵室の前記上部にある前記貯蔵室の開口部に送るように構成されており、前記ゴミシュートの前記開口部は前記貯蔵室と圧縮機機構の前記垂直整列から水平にずれている、貯蔵室と、
を含む、ゴミ圧縮システム。
【請求項2】
前記圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部と、
操作者からのコマンドの入力により前記電子システム制御部と接続して圧縮サイクルを開始するユーザインターフェースと、
をさらに含む、請求項1に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項3】
前記貯蔵室が前記電子システム制御部と通信的に結合される重量センサを含み、前記電子システム制御部が、前記重量センサのしきい値を超える重量読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を始動する、請求項2に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項4】
前記貯蔵室が前記電子システム制御部と通信的に結合される圧力センサを含み、前記電子システム制御部が、前記圧力センサのしきい値を超える圧力読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を停止する、請求項2に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項5】
前記電子システム制御部が通信ネットワークインターフェースを含み、前記電子システム制御部が前記通信ネットワークインターフェースで受信したコマンドに応答して圧縮サイクルを開始する、請求項2に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項6】
前記貯蔵室が垂直方向に配向される略円筒形状を有する、請求項1に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項7】
前記圧縮機機構が、油圧ポンプと、油圧リザーバと、油圧的に駆動して前記貯蔵室内のゴミを圧縮する圧縮機アクチュエータと、を含む油圧システムを含む、請求項1に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項8】
前記圧縮機アクチュエータが航空機用合金鋼で構成される、請求項6に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項9】
前記圧縮機アクチュエータが、外側縁部から中心に向かって上方に傾斜する湾曲した下面を含む、請求項6に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項10】
前記油圧ポンプがブラシレスDCモータを含む、請求項6に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項11】
ゴミシュートが、ゴミを、前記ゴミシュートの開口部と貯蔵室の上部にある開口部との間を少なくとも部分的に水平方向に送るように、前記ゴミシュートの高さより下に配置された前記貯蔵室に、前記ゴミシュートを通して前記ゴミを投入するステップと、
圧縮サイクルを開始するために圧縮機機構を制御するステップと、
前記圧縮サイクルを実行するステップであって、前記貯蔵室と垂直方向に整列している圧縮機アクチュエータが前記ゴミシュートの高さより上の位置から前記貯蔵室の前記上部にある前記開口部を通じて前記貯蔵室内に、前記ゴミシュートより下の高さまで延在し、前記ゴミを圧縮する、ステップと、
前記圧縮機アクチュエータが前記貯蔵室から前記ゴミシュートの前記高さより上の位置に後退する前記圧縮サイクルを終了するステップと、
前記貯蔵室を前記圧縮機機構の下から出すことによって前記貯蔵室を空にするステップと、前記圧縮されたゴミを前記貯蔵室から取り出すステップと、前記貯蔵室を前記圧縮機機構下において垂直整列する所定の位置に戻すステップと、
を含む、ゴミを圧縮するための方法。
【請求項12】
前記圧縮サイクルを開始するために前記圧縮機機構を制御するステップは、ユーザインターフェースにおいて前記圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部にコマンドインプットを入力する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮サイクルを開始するために前記圧縮機機構を制御するステップが前記貯蔵室の重量センサから受信した重量読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を始動する電子システム制御部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮サイクルを終了するステップが、前記貯蔵室の圧力センサから受信した圧力読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を停止する電子システム制御部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮サイクルを開始するために前記圧縮機機構を制御するステップが、通信ネットワークインターフェースでコマンドを受信する前記圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記圧縮サイクルを実行するステップが、前記圧縮機アクチュエータを油圧的に駆動するために油圧ポンプを作動する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ゴミシュートと、
前記ゴミシュートの高さより上に配置された圧縮機機構と、
前記圧縮機機構より下および前記ゴミシュートの高さより下に脱着可能に配置される略円筒状の貯蔵室であって、前記貯蔵室は前記圧縮機機構と垂直方向に整列しており、前記ゴミシュートは、カウンタ上部の高さおよび前記貯蔵室の上部の高さより上にある前記ゴミシュートの開口部を通じて廃棄されたゴミを、前記貯蔵室の前記上部にある前記貯蔵室の開口部に送るように構成されている、貯蔵室と、
前記圧縮機機構の動作を制御する電子システム制御部と、
操作者からのコマンドの入力により前記電子システム制御部と接続して圧縮サイクルを開始するユーザインターフェースと、
を含む、ゴミ圧縮システム。
【請求項18】
前記圧縮機機構が、油圧ポンプと、油圧リザーバと、油圧的に駆動して前記貯蔵室内のゴミを圧縮する圧縮機アクチュエータと、を含む油圧システムを含む、請求項17に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項19】
前記貯蔵室が前記電子システム制御部と通信的に結合される重量センサを含み、前記電子システム制御部が、前記重量センサのしきい値を超える重量読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を始動する、請求項17に記載のゴミ圧縮システム。
【請求項20】
前記貯蔵室が前記電子システム制御部と通信的に結合される圧力センサを含み、前記電子システム制御部が、前記圧力センサのしきい値を超える圧力読み取り値に従って前記圧縮機機構の動作を停止する、請求項17に記載のゴミ圧縮システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−518011(P2013−518011A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550100(P2012−550100)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2011/021806
【国際公開番号】WO2011/091105
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
【出願人】(500413696)ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】