説明

一回使用の化粧品サンプラ

基本的要素、チューブ状容器及びアプリケータ棒が一体的本体として一体的に形成される、剛性のある一回使用の化粧品容器が提供される。棒は、容器の上部からプロダクトリザーバ内に内向きに延びて、アプリケータ端部を形成する。棒は、容器の上端部から上向きに延びて、販売用パッケージ上にキャップに近い寸法で設けることができるハンドルを形成する。アプリケータ、例えばブラシは、棒のアプリケータ端部に取り付けられている。容器及び棒は、容器の上端部で壊れやすい接続部によって離されている。壊れやすい接続部が破断した場合、容器の上端部に開口部が生成される。開口部は、棒が容器から引き出された場合に、余分なプロダクトをアプリケータから取り除くためにワイパとして働くような寸法をしている。容器側壁面の底部縁は、プロダクトリザーバをある量のプロダクトで充填した後に、容器を挟み気密に密封することを可能にするように、実質的に縮小した厚さを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一回の使用を意図した使い捨て化粧品プロダクトサンプルパッケージなどの化粧品プロダクトパッケージに関する。より詳細には、本発明は、容器、アプリケータ棒、及び破壊された場合に分配されたサンプルを計量するためのワイパ手段を形成する容器と棒の間の壊れやすい接続部を含む一体型本体内に成型された化粧品プロダクトパッケージを対象としている。
【背景技術】
【0002】
一回使用の容器は、化粧品分野において、少なくとも二つの重要な役割を果たす、すなわち単位用量ディスペンサとして、又はサンプラとして働く。単位用量ディスペンサは、予め計量した量のプロダクト、例えば一回のトリートメント又は塗布のために十分なプロダクトをユーザに便利に与える。サンプラ(プロダクトのサンプル寸法パッケージ)は普通、無料で又はほんの僅かな費用で消費者に提供され、それによって消費者は購入の決定を行う前に限られた量のプロダクトを体験することができる。サンプラに関して、プロダクトのサンプリングの経験は、販売用のパッケージ(購入用のパッケージ)を使用する経験にほぼ近いことが重要である。また、サンプラとして使用する場合、パッケージは容易に多数回使用可能でないことが有利である。無料のサンプラが再使用可能及び/又は多くのプロダクトを入れ過ぎている場合、消費者が販売用のパッケージを購入したいという刺激がかなり少なくなる。
【0003】
現在のサンプラはしばしば、販売用のパッケージのより縮小したバージョンである。例えば、マスカラ・プロダクト・サンプラはしばしば、ねじ付ネック及びキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する販売用タイプの再密封可能な容器を備えた、販売用パッケージの容量を少なくしたバージョンである。このようなサンプラの費用は、部品の数及び品質(ボトル、キャップ、棒、ブラシ、ワイパ)、構造の複雑性、組立及び充填により、比較的高い。加えて、気密に再密封可能であるので、消費者はこのようなサンプラを数日又は数週間使用することができ、したがって相当する販売用パッケージを購入する刺激が少なくなる。
【0004】
より高価ではないボトル、圧搾チューブ又はブリスタパックを、それぞれブロー成型、押出又は真空成形することによって、代替サンプラを作ることができる。しかし、これらの高価度がより下がる代替物は、販売用パッケージを使用する経験にほぼ近い品質サンプリング経験を与えることができない。さらに、これらの代替サンプラパッケージは、一般に非剛性であるので、ユーザは不注意でパッケージに多くの圧力を加えすぎ、望ましくない量のプロダクトを不用意に放出する又は吐き出す可能性がある。
【0005】
ベネット(Bennett)の米国特許第4,732,287号及び第4,711,354号は、それぞれ開口部を備えた細長い中空円筒形容器、及び拡大部を容器の開口部内に密封又は溶接した状態で、容器内に設けられた細長いプラスチック物体(アプリケータ棒)を含む化粧品ディスペンサを開示している。基本的なディスペンサは、別々に製造され、その後に組み立てられる少なくとも二つの主な構成部品、円筒形容器及び物体(アプリケータ棒)を必要とし、それによって製造費用が増加する。
【0006】
エルダー・ジュニア(Elder,Jr.)他の米国特許第2,814,420号は、チューブ状本体、本体の一端部に延びている円錐台形部、及び円錐台形部に破断可能な環状区域によって結合された柄を備えた密封されたパッケージ及び容器を開示している。本体、円錐台形部及び柄は、一体部分として形成されている。チューブ状本体は、プロダクトリザーバからプロダクトを放出するのを容易にするように圧搾することができる。したがって、ユーザが不注意に余分な圧力を加えた場合に、通常の処理中にプロダクトが不注意に放出される可能性がある。この問題を避けるために、円錐台形部は、本体内に延びる位置から本体から外向きに延びる位置にユーザによって反転される。この特徴はプロダクトの不注意な放出の発生を少なくすると考えられるが、問題を完全になくすことはできない。加えて、柄は円錐台形部の下に下向きに延びておらず、それによって柄を容器内のプロダクト内に浸漬させることが、不可能ではないとしても難しいと考えられる。アプリケータとして使用するためには、チューブ状本体からプロダクトを搾り出して柄をプロダクトで充填する必要があると考えられる。
【0007】
クリスチャンセン(Kristiansen)の米国特許第6,039,487号は、容器の上端部から延びるチューブからなっている使い捨てディスペンサを開示している。容器の開口底端部は、容器がプロダクトで充填された後に密封される。充填及び密封前に、アプリケータ棒は、アプリケータ棒の上端部を摩擦嵌めで内部に受けるようになっているチューブに挿入される。チューブ及び容器のネックが結合された領域は弱くなっており、それによってチューブを容器から破断して分離することができる。また、基本的なパッケージは、別個に製造され、その後に組み立てられる、少なくとも二つの構成部品、チューブ/容器及びロッドを必要とする。
【0008】
ロウ(Rowe)他の米国特許第5,826,600号は、使い捨てのドライハンドル・マスカラ・アプリケータ・アセンブリを開示している。コートウェグ(Kortweg)の米国特許第4,952,204号は、ドライハンドル・スワッブ・アセンブリ及びユニットを開示している。ロウ他特許及びコートウェグ(Kortweg)特許で開示されている容器は、クリスチャンセン特許で開示されているものとほぼ同じである、すなわちアプリケータ棒がチューブ内に固定された状態で、チューブが容器の上端部から延びている。それぞれ、少なくとも二つの基本的な構成部品である、チューブ/容器及びロッドを必要とする。
【0009】
モントリ(Montoli)の米国特許第6,709,181号は、販売用のパッケージと構造がほぼ同様の、すなわちねじ付ネックとキャップ、棒、ブラシ・アプリケータ及びエラストマー・ワイパ・インサートを有する再密封可能な容器を備えた、マスカラ・プロダクト・サンプラを開示している。製造及び組立の相対的複雑性は、自明のことである。
【0010】
したがって、プロダクトリザーバ内に延びているアプリケータ端部と備えた棒であって容器の内容物を装填及び分配することができる一体化した棒を備え、実質的に一部品で作られた、あまり複雑でない一回使用の剛性容器が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、単一本体内をほぼ満たしたシンプルな一回使用の化粧品容器を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、サンプラとして、又は単位用量ディスペンサとして使用するのに適した一回使用の化粧品容器を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、その機能を従来のアプリケータヘッド、例えばより線マスカラブラシを加えて向上させることができる基本的に一部品で一回使用の化粧品容器を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、本体の内側に格納されたアプリケータを保護するため、及び使用中のプロダクト放出を防ぐために十分剛性があるプロダクトリザーバ本体を備えた一回使用の化粧品容器を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、サンプラとして使用した場合に、販売用容器の外観及び感触を実質的に模倣している一回使用の化粧品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、基本的要素、チューブ状容器及びアプリケータ棒が一体的本体として一体的に形成される、剛性のある一回使用の化粧品容器が提供される。棒は、容器の上部からプロダクトリザーバ内に内向きに延びて、アプリケータ端部を形成する。棒は、容器の上端部から上向きに延びて、販売用パッケージ上にキャップに近い寸法で設けることができるハンドルを形成する。容器及び棒は、容器の上端部で壊れやすい接続部によって離されている。容器側壁の底部縁は、プロダクトリザーバをある量のプロダクトで充填した後に、容器を挟み気密に封止することを可能にするように、実質的に縮小した厚さを備えている。
【0017】
棒のアプリケータ端部は、例えばプロダクトを取り出すためのディッパとして使用することができる、又はプロダクト装填及び/又はプロダクトの運搬を良くするために構造(例えば、溝、頂上部、孔、窪み)、又はスパチュラ状の平らな部分で向上させることができる。別の方法では、アプリケータをこれに固定することによって、アプリケータ端部を向上させることができる。例えば、スポンジ、繊維状物質、フロック加工又はブラシをアプリケータ端部に固定させて、プロダクトサンプルの装填及び運搬を向上させることができる。
【0018】
壊れやすい接続部は、アプリケータ端部及び/又はアプリケータから余分なプロダクトを拭き取るような寸法をしている容器の上端部に開口部を形成するようになっている。開口部は、同じプロダクト用の相当の販売用パッケージ内でワイパの寸法及び機能に近づくような寸法をしていることが好ましい。
【0019】
本発明の化粧品容器は圧搾チューブタイプ容器であると考えられるが、容器は実際には実質的に剛性である。すなわち、このタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力下では実質的に非可撓性である。したがって、プロダクト及びアプリケータは十分に保護されており、処理中の不注意な流出又はプロダクト放出が実質的に回避される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の単一本体の第一の実施形態の断面斜視図である。
【図2】前記単一本体の第二の実施形態の断面斜視図である。
【図3】図1に示された前記実施形態の断面図であって、アプリケータを略図的に更に示す。
【図4】図1に示された前記実施形態の部分図であって、壊れやすい接続部をより詳細に示す。
【図5】図3に示された前記実施形態の斜視図であって、壊れやすい接続部を破断し、棒を容器から取り外した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図1〜5を参照すると、一回使用の化粧品容器が全体的に参照番号1で示されている。容器は、プロダクト貯蔵リザーバ4を画定する、実質的に剛性のある容器部3を含む一体的本体2を備えている。容器部3は、外周縁7を備えた上端壁面5を有する。周縁7では、側壁面6は、上端壁面5から懸架して、チューブ状ハウジング8を形成する。側壁面6は、一時充填通路27(図1及び2)を画定する底部縁9で終端する。底部縁9は、プロダクトリザーバ4が充填通路27を通して充填された後に、気密に密封されるようになっている。底部縁9は、密封を容易にするように、側壁面6の残りに対して実質的に縮小した厚さを備えている。端部縁9は、例えば、縁の縮小した壁面厚さを軟化させるように加熱し、その後、一時充填通路27を閉じるように縁を一緒に挟むことによって密封される。挟まれた縁は、例えば、音波溶接、熱溶融、接着又は他の知られている方法によって一緒に結合される。容器部3はさらに、上端壁面5、プロダクト貯蔵リザーバ4、及び充填通路27を通して延びる長手軸10を画定する。
【0022】
棒11は、長手軸10に沿って配置されている。棒11は、上端壁面5と一体的に形成された中間部12を有する。棒11の第一の端部13は、プロダクト貯蔵リザーバ4内に上端壁面5の内側部14で中間部12から下に延びており、棒11のアプリケータ端部15で終端する。棒11の第二の端部16は、上端壁面5の外側部17で中間部12から上向きに延びており、ユーザによって把持されるようになっているハンドル端部18で終端する。
【0023】
壊れやすい接続部20は、上端壁面5の周縁7と棒11の中間部12の間に置かれている。壊れやすい接続部20は、ハンドル端部18がユーザによって、例えばハンドル端部18を容器部3に対して捩じることによって操作される場合に、破断し、上端壁面5に所定の寸法を有する開口部21(図5参照)を形成するようになっている。図5では、参照番号20'及び20"は、破断された壊れやすい接続部20の対応する対向表面を示している。破断される前に、壊れやすい接続部20は棒11の中間部12を囲んでいる。壊れやすい接続部20は、上端壁面5の内側部14に少なくとも一つの環状溝32を備えている。溝は同様に、上端壁面5の外側部17に設けることができる。溝32は棒11にすぐ隣接すると図示されているが、アプリケータ端部15及び/又はアプリケータ22から余分なプロダクトを拭き取るのに適当な所定の寸法で開口部21を形成するのに適切な棒から任意の距離に間隔を置いて配置することができる。開口部21の形成を容易にするために、追加の環状溝33を棒11に設けることができる。
【0024】
簡潔にするために、容器部3を含む単一の本体2、棒11及び壊れやすい接続部20は、射出成型によって単一のユニットとして一体的に形成されている。これにより、容器を製造及び処理する費用がかなり少なくなる。
【0025】
棒11のアプリケータ端部15を、例えばディッパとして図2に示す形で利用して、化粧品を装填し、これをユーザのトリートメント領域に運搬することができる。別の方法では、プロダクト装填及び運搬を良くするために、アプリケータ端部は、構造、例えば孔、溝、窪み、パターン又はリセスで良くすることができる、又は例えばスパチュラ(図示せず)で成形することができる。しかし、アプリケータ端部15はさらに、図1、3及び5に示されたように、例えば、アプリケータ22(略図的に示す)をアプリケータ端部15に固定することによって、化粧品プロダクトの装填、輸送及び塗布を容易にするようになっていることが好ましい。アプリケータ22は、繊維又は発泡パッド、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、フロック加工された先端、成形されたエラストマー先端、又は化粧品プロダクトを装填、輸送及び塗布するのに適切な任意の他の手段の形をとることができる。接着又は音波溶接などの従来の手段によって、アプリケータ22を固定することができる。アプリケータ端部15は、例えば、アプリケータ22(図3)の柄24を受けるような寸法をしている孔23を設けることによって、アプリケータ22を支持するようになっていることが好ましい。柄24は、例えば、典型的なマスカラブラシ26(略図的に示す)の線芯などの、より線芯25の形をとることができる。柄又は線芯24、25は、これに限らないが、接着、音波溶接、圧入、又は熱処理を含む任意の適切な手段によって孔23に固定することができる。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明の充填及び密封された化粧品容器は、搾りチューブ型容器(図3、5参照)であるように見えるが、実際には容器にかなりの剛性があり、すなわちこのタイプのパッケージの典型的な操作に関連する圧力では実質的に非可撓性の容器である。容器の剛性は、いくつかの要因によるものである。最初に、単一本体2は射出成型されている。射出成型されたこのタイプでこの寸法の容器は、例えば、押出、ブロー成型、又は真空成形された容器より剛性がある傾向がある。剛性は、単一本体2の材料、及び上端壁面5と底部縁9との間の側壁面6の厚みを選択することにより、変形に実質的に耐えるように更に強化される。また、側壁面6の材料及び厚さは、プロダクトとの適合性を最大化し、破断を防ぐように選択される。
【0027】
容器を実質的に剛性にする一つの利点は、アプリケータ22が損傷又は変形から保護されるということである。これは、より線マスカラブラシアプリケータ26等の精密アプリケータにとって特に重要である。このようなブラシの毛は、可撓性容器壁面との一定の又は繰り返しの望ましくない接触によって損傷又は変形される可能性がある。剛性容器の別の極めて重要な利点は、ユーザがプロダクトを不注意で開口部21を通して搾り出すのを防ぐことである。これは、容器からの予期していないプロダクトの排出が起こす不都合な流出又は染みの可能性を防止する。
【0028】
容器を実質的に剛性にする欠点は、パッケージの底部の気密密封が、側壁面6の不撓性により実質的により難しくなるということである。本発明者らは、側壁の底部縁9に沿って側壁面6の厚さを小さくすることによって、この問題を解消した。したがって、上端壁面5と底部縁9の間の側壁面6は、通常の使用において把持又は圧搾された場合に、変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する。底部縁9の近傍の側壁面6は、第一の厚さより縮小した第二の厚さを有する。第二の厚さは、充填通路27の気密密封を可能にするのに十分なように、側壁面6の変形に対応するように選択される。好ましい実施形態では、底部縁9は、プロダクトがプロダクト貯蔵リザーバ4内に充填された後に、溶接によって充填通路27を気密に密封するために熱及び圧力を受けて挟まれる。
【0029】
充填通路を密封するために底部縁9を挟む代わりに、充填通路27に嵌合するような寸法をしているプラグ(図示せず)を挿入することができる。プラグは、接着、溶接、圧入、又は他の適切な手段によって底部縁9に気密に固定することができる。
【0030】
図1、3及び5に示す好ましい実施形態では、一回使用の化粧品容器のハンドル端部18は、販売用(すなわち、非サンプラ)化粧品パッケージ上の典型的なキャップクロージャの寸法に近づけられた拡張された中空シェル19を備えている。図示するように、サンプラはマスカラプロダクトのためのものである。チューブ状ハウジング8を含む容器部3、及び中空シェル19は、典型的な販売用のマスカラ容器の大きさを比例的に又は実寸法で模倣している。このように、本発明は、販売用アイテムの外観と感触を有するプロダクトサンプラを消費者に提供し、それにより、購入できる販売用プロダクトの経験に極めて近似した品質プロダクトの経験を、サンプルで消費者に与える。中空シェル19は開口端部30を有する。中空シェルハンドルの外観を改良するために、開口端部30は、接着、溶接又は圧入によって固定することができる適当な寸法のプラグ(図示せず)で閉じることができる。
【0031】
壊れやすい接続部20は、上端壁面5に開口部21を形成するようになっており、開口部21は、アプリケータ端部15又はアプリケータ22から余分なプロダクトを拭き取るような寸法とされている。開口部21は、典型的な販売用パッケージ内のワイパの寸法及び機能に近づくような寸法をしていることが好ましい。典型的な従来のワイパは、3.5mmから4.5mmの範囲の直径を備えた開口部を有する。したがって、壊れやすい接続部20は、同じ範囲の開口部21を有するようになっているべきであるが、販売用対サンプラアプリケータの差、又は典型的なワイパの構造と開口部21の差を補償するために、開口部21の寸法のある程度の調節が必要である可能性がある。例えば、好ましい実施形態では、棒11の中間部12及び第一の端部13は、約3.7mmの直径を有する。壊れやすい接続部20を破断することによって形成された開口部21は、棒11の直径より僅かに大きい、すなわち3.7mmより僅かに大きい。
【0032】
本発明の一回使用の化粧品容器の一体的本体2は、射出成型によって一体に作られていることが好ましい。好ましい材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)である。別の方法では、一体的本体の材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、又は他の適切なプラスチック材料であってもよい。二つ以上の部分を備えた金型は、一体的本体2を形成するような寸法をしているキャビティを備えている。適切な溶融プラスチックは、ゲートを通してキャビティ内に射出される。ゲートは、壊れやすい接続部20を形成するようになっているキャビティの部分を含む、キャビティの全ての部分への溶融プラスチックの流れを容易にするように位置決めされている。金型は、溶融プラスチックを硬化させることを可能にするのに十分冷却される。金型の部品はその後、完成された一体的本体を解放するように分離される。一体的本体が形成された後、アプリケータ22は(所望の場合)、プロダクトリザーバ4内で棒11のアプリケータ端部15に固定される。プロダクトリザーバ4はその後充填され、底部縁9は例えば、溶接、熱溶融、接着又は他の知られている手段によって気密に密封される。好ましい実施形態では、底部縁9は、底部縁の下縁部31に沿って約5mm幅の部分を溶接することによって、充填通路27を気密に密封するように、熱及び圧力を受けて挟まれる又は加締められる。
【0033】
別の方法では、溶融プラスチックを金型キャビティに射出する前に、例えばマスカラブラシなどのアプリケータを金型内に取り付けることができ、それによってブラシの柄は、棒のアプリケータ端部を形成するようになっているキャビティの部分内に突出している。溶融プラスチックはその後、中にしっかり埋め込まれたマスカラブラシ柄を備えた棒のアプリケータ端部を含む、一体的本体が形成されるように射出される。したがって、マスカラブラシの柄は、最終位置にオーバーモールドされる。この方法により、一体的本体が形成された後に、アプリケータ端部にマスカラブラシを別個に設置する必要がなくなる。プロダクトリザーバは充填され、底部縁は溶接によって気密に密封される。
【0034】
本発明の一回使用の化粧品容器は、購入のために市販されている販売用プロダクトの経験に近い品質プロダクト経験をユーザに提供するので、優れたサンプラとして働く。しかし、限られた量のプロダクトを入れており、容器は容器部と棒の間に壊れやすい接続部を有しているので、容器及び中のプロダクトはいったん開けられると(容器を再密封することができないので)、短い寿命である。したがって、限られた、基本的に一度の使用にしか適していない。容器を再密封することができないので、サンプルプロダクトの未使用部分は、急速に乾燥して、後での使用を阻止する。したがって、再使用を阻止することによって、本発明の容器は、再使用が販売用の化粧品パッケージの販売に与える可能性があるあらゆるマイナス影響を最小限に抑える。一回使用の容器は、トリートメント、メークアップ、クレンジング又は他のプロダクトに使用することができる。
【0035】
本発明の化粧品容器はまた、一回使用タイプの化粧品応用例のパッケージとして使用することもできる。例えば、しわ取り又はしみ取りなどのいくつかのトリートメントプロダクトは、一回分の用量で販売されている。本発明は、このような用量の販売用プロダクトの理想的なパッケージを提供する。
【0036】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な部分の特定の形態と構成を、様々に変形と変更を行うことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロダクト貯蔵リザーバを画定し、上端壁面、及びチューブ状ハウジングを形成するように前記上端壁面から懸架する側壁面を備えた実質的に剛性のある容器部であって、前記側壁面は前記プロダクトリザーバが充填された後に気密に密封されるようになっている底部縁で終端する容器部であって、前記プロダクト貯蔵リザーバを通して前記上端壁面から長手軸をさらに画定する容器部、及び
前記長手軸に沿って配置され、前記上端壁面と一体的に形成された中間部、前記プロダクトリザーバ内に前記上端壁面の内側部で前記中間部から下に延び、アプリケータ端部で終端する棒の第一の端部、及び前記上端壁面の外側部で前記中間部から上に延び、ユーザによって把持されるようになっているハンドル端部で終端する棒の第二の端部を有する棒を備えた一体的本体と、
前記ハンドル端部が前記ユーザによって操作された場合に、破断し、前記上端壁面の所定の寸法の開口部を形成するようになっている、前記上端壁面と前記棒の前記中間部の間の壊れやすい接続部であって、前記所定の寸法は前記棒の前記アプリケータ端部から余分なプロダクトを拭き取るように選択される接続部とを備えた一回使用の化粧品容器。
【請求項2】
前記アプリケータ端部は、アプリケータを支持するようになっている、請求項1に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項3】
前記アプリケータ端部に固定されたアプリケータをさらに備えた、請求項2に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項4】
前記アプリケータ端部はさらに、アプリケータを受ける孔を備えている、請求項2に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項5】
より線芯を備えたアプリケータをさらに備えた一回使用の化粧品容器であって、前記より線芯の一部は、接着、音波溶接、圧入、又は熱処理の少なくとも一つによって前記孔に固定されている、請求項4に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項6】
前記所定の寸法はさらに、前記アプリケータから余分なプロダクトを拭き取るように選択される、請求項5に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項7】
前記ハンドル端部はさらに、拡張中空シェルを備えている、請求項1に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項8】
前記所定の寸法はさらに、前記アプリケータから余分なプロダクトを拭き取るように選択される、請求項3に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項9】
前記上端壁面と前記底部縁の間の前記側壁面は、圧搾された場合の変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有する、請求項1に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項10】
前記底部縁は、前記第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、前記第二の厚さは、前記パッケージを気密に密封するのに十分な前記側壁面の変形を可能にするように選択される、請求項9に記載の一回使用の化粧品容器。
【請求項11】
プロダクト貯蔵リザーバを画定し、上端壁面、及びチューブ状ハウジングを形成するように前記上端壁面から懸架する側壁面を備えた実質的に剛性のある容器部であって、前記側壁面は前記プロダクトリザーバが充填された後に気密に密封されるようになっている底部縁で終端する容器部であって、前記プロダクト貯蔵リザーバを通して前記上端壁面から長手軸をさらに画定する容器部であって、前記上端壁面と前記底部縁の間の前記側壁面は、圧搾された場合の変形に耐えるのに十分な第一の厚さを有し、前記底部縁は、前記第一の厚さより縮小した第二の厚さを有し、前記第二の厚さは、パッケージを気密に密封するのに十分な前記側壁面の変形を可能にするように選択される容器部、及び
前記長手軸に沿って配置され、前記上端壁面と一体的に形成された中間部、前記プロダクトリザーバ内に前記上端壁面の内側部で前記中間部から下に延び、アプリケータ端部で終端する棒の第一の端部、及び前記上端壁面の外側部で前記中間部から上に延び、ユーザによって把持されるようになっているハンドル端部で終端する棒の第二の端部を有する棒を備えた一体的本体と、
前記ハンドル端部が前記ユーザによって操作された場合に、破断し、前記上端壁面の所定の寸法の開口部を形成するようになっている、前記上端壁面と前記棒の前記中間部の間の壊れやすい接続部であって、前記所定の寸法は前記棒の前記アプリケータ端部から余分なプロダクトを拭き取るように選択される接続部とを備えた一回使用の化粧品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−526182(P2011−526182A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516582(P2011−516582)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048451
【国際公開番号】WO2009/158403
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】