説明

一対の自動車用モール

【課題】 エンドキャップ11と、エンドキャップ11を挿入可能な断面形状のモール本体52との間で生じ得る誤組み付けを、確実に防止する。
【解決手段】 第1のモール本体51と、該第1のモール本体51に装着されるれるエンドキャップ11と、該エンドキャップ11を一端部には挿入不能で他端部には挿入可能な第2のモール本体52とを有し、前記エンドキャップ11は、前記第1のモール本体51の一端部に対しては該一端部から溝に沿って嵌入されて装着されることにより組み付けられ、前記第2のモール本体52の他端部に対しては誤組付防止手段(係止突起112−装着受部521)により奥までの挿入を妨げられる一対の自動車用モール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モール本体の端部にエンドキャップを挿入・装着して成る一対の自動車用モールに関する。詳しくは、モール本体の端部にエンドキャップを挿入・装着する際に、組み付け対象のモール本体とは異なる別のモール本体の端部に挿入・装着してしまうという誤組み付けを防止する機構を備えた一対の自動車用モールに関する。
組み付け対象のモール本体とは異なる別のモール本体としては、例えば、同一車体の右側面と左側面の対応部位に設けられる一対のモール本体や、同一車体の一方の側面の前ドアと後ドアに設けられる一対のモール本体を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体に装着されるモールは、モール本体と、その両端部に挿入・装着されるエンドキャップから成る。
モール本体の端部にエンドキャップを装着して成るモールとしては、例えば、特許第4292932号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4292932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モール本体とその端部に挿入・装着されるエンドキャップから成るモールは、左右対称の車体の対応部位に設けられることが多く、その場合、モール本体としても、左右対称形状となり、断面形状も共通となる。このため、左/右側用モール本体の前端用のエンドキャップを右/左側用モール本体の後端に誤って組み付けたり、左/右側用モール本体の後端用のエンドキャップを右/左側用モール本体の前端に誤って組み付けたりという、いわゆる誤組み付けが生じ易くなる。誤組み付けしてしまったエンドキャップは、モール本体から取り外すことが非常に困難であり、無理に外すと、破壊されてしまう。
このため、誤組み付けを確実に防止できるようにすることが望まれている。
【0005】
上記の誤組み付けは、エンドキャップと、該エンドキャップを挿入可能な断面形状を有するモール本体との間で生ずる。即ち、左右対称の車体の対応部位のモール間ばかりでなく、例えば、前ドアと後ドアのモール間や、さらには、異なる車種用のモール間であっても、上記の条件を満たせば、生ずることがある。
本発明は、エンドキャップと、該エンドキャップを挿入可能な断面形状を有するモール本体との間で生じ得る誤組み付けを、確実に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記[1]〜[7]のように記述される。本項及び次項(「課題を解決するための手段」の項及び「発明の効果」の項)に於いて、符号は、理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
【0007】
[1]構成1
第1のモール本体51/52と、該第1のモール本体51/52に装着されるれるエンドキャップ11/12と、該エンドキャップ11/12を一端部には挿入不能で他端部には挿入可能な第2のモール本体52/51とを有し、
前記エンドキャップ11/12は、前記第1のモール本体51/52の一端部に対しては該一端部から溝に沿って嵌入されて装着されることにより組み付けられ、前記第2のモール本体52/51の他端部に対しては誤組付防止手段により奥までの挿入を妨げられることを特徴とする一対の自動車用モール。
【0008】
[2]構成2
構成1に於いて、
前記第1のモール本体51の一端部は、前記エンドキャップ11を装着状態で係止するための第1の装着受部511を有し、
前記エンドキャップ11は、前記第1のモール本体51の一端部に装着されたときに前記第1の装着受部511に当接しない係止突起112を有し、
前記第2のモール本体52の他端部は、第2のエンドキャップ12を装着状態で係止するための第2の装着受部521を有し、
前記エンドキャップ11を前記第2のモール本体52の他端部に挿入する際に、前記係止突起112が前記第2の装着受部521に当接され、
前記誤組付防止手段は前記係止突起112と前記第2の装着受部521とより成る、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【0009】
[3]構成3(図2参照)
この構成3及び構成3を引用する構成6と7では、「第1」と「第2」の用法が、構成2や構成4等や実施の形態とは異なる。例えば、符号「51」は、構成2、4等では「第1のモール本体」を指しているが、構成3では「第2のモール本体」を指している。詳しくは、符号の説明を参照されたい。
構成1に於いて、
前記第1のモール本体52の一端部は、前記エンドキャップ12を装着状態で係止するための第1の装着受部521を有し、
前記エンドキャップ12は突設部122を有し、前記第1のモール本体52の一端部に前記エンドキャップ12を装着する際に、前記突設部122の挿入軌跡が前記第1の装着受部521と干渉せず、
前記第2のモール本体51の他端部は、前記エンドキャップ12を挿入する際に前記突設部122と干渉する係止部512を有し、
前記誤組付防止手段は前記突設部122と前記係止部512とより成る、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【0010】
[4]構成4
構成2に於いて、第2の誤組付防止手段を更に有し、
前記第2の誤組付防止手段は、
前記第2のモール本体52の前記他端部に設けられた第2の装着受部521に前記第2のエンドキャップ12が装着される際に、その挿入軌跡が前記第2の装着受部521と干渉しないように前記第2のエンドキャップ12に設けられた突設部122と、
前記第1のモール本体51の前記一端部に前記第2のエンドキャップ12が挿入される際に、前記突設部122と干渉するように前記第1のモール本体51の前記一端部に設けられた係止部512と、
より成ることを特徴とする一対の自動車用モール。
[5]構成5
構成2又は構成4に於いて、
前記エンドキャップ11は、前記第1のモール本体51の前記一端部の前記第1の装着受部511に装着される装着突起111を有し、前記装着突起111は前記係止突起112と同じ側へ突設され、突設高さは前記装着突起111より前記第1の係止突起112の方が高い、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【0011】
[6]構成6
構成1〜構成5の何れかに於いて、
前記第1のモール本体51/52と前記第2のモール本体52/51は、それぞれ同一車体の右側面と左側面の対応部位に設けられる一対のモール本体である、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
[7]構成7
構成1〜構成5の何れかに於いて、
前記第1のモール本体51/52と前記第2のモール本体52/51は、それぞれ同一車体の一方の側面の前ドアと後ドアに設けられる一対のモール本体である、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【発明の効果】
【0012】
構成1は、第1のモール本体51/52と、該第1のモール本体51/52に装着されるれるエンドキャップ11/12と、該エンドキャップ11/12を一端部には挿入不能で他端部には挿入可能な第2のモール本体52/51とを有し、前記エンドキャップ11/12は、前記第1のモール本体51/52の一端部に対しては該一端部から溝に沿って嵌入されて装着されることにより組み付けられ、前記第2のモール本体52/51の他端部に対しては誤組付防止手段により奥までの挿入を妨げられることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、エンドキャップ11/12を第2のモール本体52/51の他端部に誤って組み付けようとしても、誤組付防止手段により奥までの挿入を妨げられるため、誤組み付けを確実に防止することができる。
【0013】
構成2は、構成1に於いて、前記第1のモール本体51の一端部は、前記エンドキャップ11を装着状態で係止するための第1の装着受部511を有し、前記エンドキャップ11は、前記第1のモール本体51の一端部に装着されたときに前記第1の装着受部511に当接しない係止突起112を有し、前記第2のモール本体52の他端部は、第2のエンドキャップ12を装着状態で係止するための第2の装着受部521を有し、前記エンドキャップ11を前記第2のモール本体52の他端部に挿入する際に、前記係止突起112が前記第2の装着受部521に当接され、前記誤組付防止手段は前記係止突起112と前記第2の装着受部521とより成ることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、誤組付防止手段の具体的構成を提供できる効果がある。
【0014】
構成3は、構成1に於いて、前記第1のモール本体52の一端部は、前記エンドキャップ12を装着状態で係止するための第1の装着受部521を有し、前記エンドキャップ12は突設部122を有し、前記第1のモール本体52の一端部に前記エンドキャップ12を装着する際に、前記突設部122の挿入軌跡が前記第1の装着受部521と干渉せず、 前記第2のモール本体51の他端部は、前記エンドキャップ12を挿入する際に前記突設部122と干渉する係止部512を有し、前記誤組付防止手段は前記突設部122と前記係止部512とより成ることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、誤組付防止手段の構成2とは異なる具体的構成を提供できる効果がある。
【0015】
構成4は、構成2に於いて、第2の誤組付防止手段を更に有し、前記第2の誤組付防止手段は、前記第2のモール本体52の前記他端部に設けられた第2の装着受部521に前記第2のエンドキャップ12が装着される際に、その挿入軌跡が前記第2の装着受部521と干渉しないように前記第2のエンドキャップ12に設けられた突設部122と、前記第1のモール本体51の前記一端部に前記第2のエンドキャップ12が挿入される際に、前記突設部122と干渉するように前記第1のモール本体51の前記一端部に設けられた係止部512とより成ることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、構成2の誤組付防止手段と構成3の誤組付防止手段(構成4では「第2の誤組付防止手段」を備えた構成を提供できる効果がある。
構成5は、構成2又は構成4に於いて、前記エンドキャップ11は、前記第1のモール本体51の前記一端部の前記第1の装着受部511に装着される装着突起111を有し、前記装着突起111は前記係止突起112と同じ側へ突設され、突設高さは前記装着突起111より前記第1の係止突起112の方が高いことを特徴とする一対の自動車用モールであるため、構成2や4よりも更に具体的な構成を与えることができる効果がある。
【0016】
構成6は、構成1〜構成5の何れかに於いて、前記第1のモール本体51/52と前記第2のモール本体52/51は、それぞれ同一車体の右側面と左側面の対応部位に設けられる一対のモール本体であることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、構成1〜5に於ける第1のモール本体51/52と第2のモール本体52/51の具体的な関係を提供することができる効果がある。
構成7は、構成1〜構成5の何れかに於いて、前記第1のモール本体51/52と前記第2のモール本体52/51は、それぞれ同一車体の一方の側面の前ドアと後ドアに設けられる一対のモール本体であることを特徴とする一対の自動車用モールであるため、構成1〜5に於ける第1のモール本体51/52と第2のモール本体52/51の構成6とは異なる具体的な関係を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】エンドキャップとモール本体を示し、(a)は第1のエンドキャップ11の斜視図、(b)は第1のエンドキャップ11を第1のモール本体51の一端部に正しく装着した状態の背面図、(c)は第1のエンドキャップ11を第2のモール本体52の他端部に誤って挿入開始した状態の背面図。
【図2】エンドキャップとモール本体を示し、(a)は第2のエンドキャップ12の斜視図、(b)は第2のエンドキャップ12を第2のモール本体52の一端部に正しく装着した状態の背面図、(c)は第2のエンドキャップ12を第1のモール本体51の他端部に誤って挿入開始した状態の背面図。なお、構成3に即して説明すると、「(a)はエンドキャップ12の斜視図、(b)はエンドキャップ12を第1のモール本体52の一端部に正しく装着した状態の背面図、(c)はエンドキャップ12を第2のモール本体51の他端部に誤って挿入開始した状態の背面図」となる。
【図3】左右のモール本体を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、左右対称の車体の左右の前ドアに取り付けられる一対のモールに即して、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図3に示すように、左右の前ドアに取り付けられるモール91,92は、相互に対称形状を成すため、断面形状が共通する。このため、
(1)左前ドアのモール92用のモール本体52の前端に、誤って、右前ドアのモール91の後端用のエンドキャップ11を装着したり、
(2)左前ドアのモール92用のモール本体52の後端に、誤って、右前ドアのモール91の前端用のエンドキャップ12を装着したり、
という誤組み付けが発生する場合がある。
また、
(3)右前ドアのモール91用のモール本体51の前端に、誤って、左前ドアのモール92の後端用のエンドキャップを装着したり、
(4)右前ドアのモール91用のモール本体51の後端に、誤って、左前ドアのモール92の前端用のエンドキャップを装着したり、
という誤組み付けが発生する場合もある。
【0020】
上記(1)のケースに対処するため、本実施の形態では、図1に示すように、エンドキャップ11に係止突起112を設けている。この係止突起112は、装着突起111をエンドキャップ11の長手方向でキャップ116の方向(図1(b)で右方向)へ向けて延長して成る仮想の延長線上に位置している。一方、モール本体(第1のモール本体)51の後端寄りの装着受部(第1の装着受部)511は、図1(b)に示すように、モール本体51の後端から溝内(図1(b)で左方向)へ若干入った位置に設けられている。このため、エンドキャップ11を、右前ドアのモール91用のモール本体51の後端に挿入開始した場合には、エンドキャップ11の係止突起112が装着受部511に当接することがなく、挿入が途中で止められることもない。したがって、エンドキャップ11の装着突起111は、弾性を有する装着受部511の下面側を押し退けるようにして潜り抜けて図1(b)の位置に至り、装着突起111が装着受部511に係止される。即ち、正しく装着が行われて、エンドキャップ11がモール本体51の後端(構成1、2等の一端部)に組み付けられる。
【0021】
一方、図1(c)に示すように、誤って、エンドキャップ11を左前ドアのモール92用のモール本体(第2のモール本体)52の前端(構成1、2等の他端部)に挿入開始した場合には、モール本体52の前端部直近に設けられた装着受部(第2の装着受部)521に、エンドキャップ11の係止突起112が当接して、挿入が途中で止められる。つまり、装着が妨げられ、これにより、誤組み付けが防止される。なお、係止突起112の突設高さは、装着突起111の突設高さよりも高く形成されているため、係止突起112が装着受部521の下面側を押し退けるようにして潜り抜けるということはなく、誤組み付けが確実に防止される。
【0022】
このように、本実施の形態では、上記(1)のケースの誤組み付けを、
(a)エンドキャップ11の長手方向で、装着突起111を、キャップ116の方向へ向けて延長して成る仮想の延長線上に、装着突起111よりも突設高さの高い、係止突起112を設ける。
(b)エンドキャップ11の正規の装着対称であるモール本体51の後端寄りの装着受部511を、係止突起112が当接しない位置、つまり、モール本体51の後端から若干溝内方向へ入った位置に設ける。
(c)エンドキャップ11の誤組み付けが生じ得るモール本体52の前端寄りの装着受部521を、前端部直近位置(係止突起112が挿入途中で当接する位置)に設ける。
という構成(誤組付防止手段)により、確実に防止している。
なお、図中、115は、モール91を車体に取り付けるためのクリップである。
【0023】
また、本実施の形態では、前記(2)のケースに対処するため、図2に示すように、エンドキャップ12に突設部122を設けるとともに、誤組み付けが生じ得るモール本体51の後端部寄りの若干入った位置に係止部512を設けている。ここで、突設部122は装着突起121の仮想の延長線上から外れた位置に設けられており、係止部512は装着受部511の仮想の延長線(モール本体51の長手方向の延長線)上から外れた位置に設けられている。換言すれば、突設部122は、その挿入軌跡が、装着受部511とは干渉せず、且つ、係止部512とは干渉するような位置に設けられている。
【0024】
このように構成されているため、エンドキャップ12を、正しく、左前ドアのモール92用のモール本体52の前端に挿入開始した場合には、装着受部521がエンドキャップ12の突設部122を係止することがなく、挿入が途中で止められることもない。したがって、エンドキャップ12の装着突起121は、弾性を有する装着受部521の下面側を押し退けるようにして潜り抜けて、装着突起121が装着受部521に係止され、これにより、組み付けが行われる。即ち、図2(b)に示すように、正しく装着される。
【0025】
一方、図2(c)に示すように、誤って、エンドキャップ12を、右前ドアのモール91用のモール本体51の後端に挿入開始した場合には、モール本体51の後端部寄りの若干入った位置で且つ装着受部511の仮想の延長線上から外れた位置(突設部122の挿入軌跡と干渉する位置)に設けられている係止部512が、突設部122を係止して、エンドキャップ12の挿入を途中で止める。即ち、奥までの挿入を妨げて、装着突起121と装着受部511との係止・装着を妨げる。このため、誤組み付けが防止される。
【0026】
このように、本実施の形態では、上記(2)のケースの誤組み付けを、
(d)突設部122を装着突起121の仮想の延長線上から外れた位置に設ける。
(e)係止部512を装着受部511の仮想の延長線上から外れた位置に設ける。
(f)突設部122と係止部512を、エンドキャップ12の挿入方向に平行な仮想の同一線(突設部122の挿入軌跡)上に設ける。
という構成により、確実に防止している。
なお、図中、125は、モール92を車体に取り付けるためのクリップである。
【0027】
このように、本実施の形態では、上記(a)〜(f)の構成により、エンドキャップ11のモール本体52の前端への誤組み付け、及び、エンドキャップ12のモール本体51の後端への誤組み付けを確実に防止し、且つ、エンドキャップ11のモール本体51の後端への正規の組み付け、及び、エンドキャップ12のモール本体52の前端への正規の組み付けを支障無く行い得るようにしている。即ち、エンドキャップ11の誤組み付け防止のための係止突起112は装着突起111と同じ仮想の延長線上に設けるとともに、エンドキャップ12の誤組み付け防止のための突設部122は装着突起121の仮想の延長線から外れた位置で且つ係止部512と干渉する位置に設けることにより、上記の作用効果を実現している。
【0028】
前記(3)(4)のケースの場合も、同様の機構を採用することにより、正規の組み付けに支障が生じないようにして、誤組み付けを確実に防止することができる。
【0029】
上記では、左右対称の車体の左右の前ドアに取り付けられる一対のモール91,92に即して説明したが、左右対称の車体の左右の後ドアに取り付けられる一対のモールについても、同様に対処可能である。また、車体の同一側面の前ドアと後ドア間や、異側面の前ドア/後ドアと後ドア/前ドア間の誤組み付けや、異なる車種のモール間についても、同様の機構により、正規の組み付けに支障が生じないようにして、誤組み付けを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
11 エンドキャップ(実施の形態では「第1のエンドキャップ」)
111 装着突起
112 係止突起
115 クリップ
116 キャップ
12 第2のエンドキャップ(構成3では「エンドキャップ」)
121 装着突起
122 突設部
125 クリップ
126 キャップ
51 第1のモール本体(構成3では「第2のモール本体」)
511 第1の装着受部
512 係止部
52 第2のモール本体(構成3では「第1のモール本体」)
521 第2の装着受部(構成3では「第1の装着受部」)
91 第1のモール(左前ドア用のモール)
92 第2のモール(右前ドア用のモール)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモール本体と、該第1のモール本体に装着されるエンドキャップと、該エンドキャップを一端部には挿入不能で他端部には挿入可能な第2のモール本体とを有し、
前記エンドキャップは、前記第1のモール本体の一端部に対しては該一端部から溝に沿って嵌入されて装着されることにより組み付けられ、前記第2のモール本体の他端部に対しては誤組付防止手段により奥までの挿入を妨げられる、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記第1のモール本体の一端部は、前記エンドキャップを装着状態で係止するための第1の装着受部を有し、
前記エンドキャップは、前記第1のモール本体の一端部に装着されたときに前記第1の装着受部に当接しない係止突起を有し、
前記第2のモール本体の他端部は、第2のエンドキャップを装着状態で係止するための第2の装着受部を有し、
前記エンドキャップを前記第2のモール本体の他端部に挿入する際に、前記係止突起が前記第2の装着受部に当接され、
前記誤組付防止手段は前記係止突起と前記第2の装着受部とより成る、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項3】
請求項1に於いて、
前記第1のモール本体の一端部は、前記エンドキャップを装着状態で係止するための第1の装着受部を有し、
前記エンドキャップは突設部を有し、前記第1のモール本体の一端部に前記エンドキャップを装着する際に、前記突設部の挿入軌跡が前記第1の装着受部と干渉せず、
前記第2のモール本体の他端部は、前記エンドキャップを挿入する際に前記突設部と干渉する係止部を有し、
前記誤組付防止手段は前記突設部と前記係止部とより成る、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項4】
請求項2に於いて、第2の誤組付防止手段を更に有し、
前記第2の誤組付防止手段は、
前記第2のモール本体の前記他端部に設けられた第2の装着受部に前記第2のエンドキャップが装着される際に、その挿入軌跡が前記第2の装着受部と干渉しないように前記第2のエンドキャップに設けられた突設部と、
前記第1のモール本体の前記一端部に前記第2のエンドキャップが挿入される際に、前記突設部と干渉するように前記第1のモール本体の前記一端部に設けられた係止部と、
より成ることを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項5】
請求項2又は請求項4に於いて、
前記エンドキャップは、前記第1のモール本体の前記一端部の前記第1の装着受部に装着される装着突起を有し、前記装着突起は前記係止突起と同じ側へ突設され、突設高さは前記装着突起より前記第1の係止突起の方が高い、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに於いて、
前記第1のモール本体と前記第2のモール本体は、それぞれ同一車体の右側面と左側面の対応部位に設けられる一対のモール本体である、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れかに於いて、
前記第1のモール本体と前記第2のモール本体は、それぞれ同一車体の一方の側面の前ドアと後ドアに設けられる一対のモール本体である、
ことを特徴とする一対の自動車用モール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79042(P2013−79042A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221301(P2011−221301)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【Fターム(参考)】