説明

一致信号に基づく中性子検出方法および中性子検出装置

本方法は、第1信号と第2信号の時間近接に基づき中性子(102)を検出することを含む。第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示す。第2信号は、ガンマ線(104)の検出を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、中性子検出に関する。
【背景技術】
【0002】
中性子感応マイクロチャネル板(MCP)は、プルトニウムのような特殊な核物質(SNM)を検出するために使用できるか、または中性子画像化において使用できる。マイクロチャネル板は、入力電極と出力電極の間にガラス板を接合し、電極間に高圧の直流(DC)電流場を提供することによって形成できる。ガラス板には、実質的に規則的で並列なアレイの微細なチャネル(たとえば円筒状で空洞のチャネル)が穿孔される。各チャネル(独立した電子増倍管として作用できる)は、半導電性および電子放出層から形成された内壁面を有する。
【0003】
ガラス板は、たとえばアルファ粒子とリチウム−7粒子を生成する反応中の中性子を捕らえることができるボロン−10粒子に浸漬できる。リチウム−7粒子とアルファ粒子が近くのチャネルに入り、二次電子を生成すべく壁面に衝突する際に、二次電子は、チャネルに沿って加速し(直流電流場による)、チャネルに沿って更に壁面に衝突する。その結果、二次電子の数を増加させるときに、電子のカスケードが形成されることがある。電子カスケードは、チャネルに沿って成長し、デジタル画像を構築するために、電子的に登録され処理される検出可能な信号に増幅される。結果として生じる強度マップまたは画像は、マイクロチャネル板表面に衝突する中性子束の変化に対応する。サンプルの画像内のコントラスト差は、物理的および化学的性質を推論するために使用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第11/522,795号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、中性子の誤検出低減には、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、概して本方法は、第1信号と第2信号の時間近接に基づき、中性子を検出することを含む。第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示す。第2信号は、ガンマ線の検出を示す。
【0007】
本方法の実施は、次の特徴のうちの一または複数を含むことが可能である。本方法は、マイクロチャネル板検出器を使用して、第1信号を生成することと;ガンマ線検出器を使用して、第2信号を生成することと;第2信号が、第1信号の発生後の閾値時間内に生じたか否か判定することとを含む。幾つかの例では、閾値時間は、50ナノ秒未満である。幾つかの例では、閾値時間は、10ナノ秒未満である。中性子の検出は、ボロン−10粒子を使用して中性子を捕らえ、アルファ粒子とリチウム−7粒子を生成することを含む。中性子の検出は、マイクロチャネル板検出器が中性子またはガンマ線の検出を示す出力パルス発生後の50ナノ秒未満内に、ガンマ線を検出することを含む。
【0008】
別の態様では、概して本方法は、マイクロチャネル板検出器を使用して、第1信号を生成することを含む。第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示す。更に本方法は、ガンマ線検出器を使用して、第2信号を生成することを含む。第2信号
は、ガンマ線の検出を示す。更に本方法は、第2信号が第1信号発生後の閾値時間内に生じた場合に、中性子がマイクロチャネル板検出器によって検出されたことを示す第3信号を生成することを含む。
【0009】
本方法の実施は、次の特徴の一または複数を含むことが可能である。本方法は、第1信号の発生と第2信号の発生との間の時間差を比較することを含む。第1信号の生成ステップは、マイクロチャネル板検出器を使用して、第1信号を生成することを含む。第2信号の生成ステップは、アルファ粒子とリチウム−7粒子を生成し、二次電子放出を誘発させることを含む。閾値時間は、50ナノ秒未満である。
【0010】
別の態様では、概して本装置は、第1信号と第2信号の時間近接に基づき、中性子を検出する中性子検出器を備える。第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示す。第2信号は、ガンマ線の検出を示す。
【0011】
本装置の実施は、次の特徴の一または複数を含むことが可能である。中性子検出器は、第1信号を生成するマイクロチャネル板検出器を備える。幾つかの例では、マイクロチャネル板検出器は、ボロン−10に浸漬されたガラスを備える。幾つかの例では、マイクロチャネル板検出器は、ガドリニウムに浸漬されたガラスを備える。中性子検出器は、第2信号を生成するガンマ線検出器を備える。中性子検出器は、第1信号の発生後の閾値時間内に、第2信号が発生したか否か判定する信号プロセッサを備える。幾つかの例では、閾値時間は、50ナノ秒未満である。幾つかの例では、閾値時間は、10ナノ秒未満である。
【0012】
別の態様では、概して本装置は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出時に、第1検出信号を生成するマイクロチャネル板検出器と;ガンマ線の検出時に第2検出信号を生成するガンマ線検出器と;第1検出信号と第2検出信号を受信する際に中性子の検出を示す第3信号を生成する信号プロセッサとを備える。信号プロセッサは、第1検出信号の発生後の閾値時間内に、第2検出信号が発生したか否か判定する。
【0013】
本装置の実施は、次の特徴の一または複数を含むことが可能である。マイクロチャネル板検出器は、ボロン−10とガドリニウムのうちの少なくとも1つに浸漬されたガラスを備える。幾つかの例では、マイクロチャネル板検出器は、中性子の捕獲時に、続いてより低いエネルギ状態に崩壊してガンマ線を放出する励起状態で第2粒子を生成する第1粒子(たとえばボロン−10)を含む。ガンマ線検出器は、シンチレータを備える。閾値時間は、50ナノ秒未満である。
【0014】
本装置と方法は、次の利点のうちの一または複数を有することができる。中性子検出は、より正確にできる。なぜならば、環境におけるガンマ線からの干渉を低減できるからであり、その結果、中性子の誤検出を低減できる。中性子とガンマ線の両方を放出する材料は、ガンマ線だけを放出する材料から識別できる。
【0015】
本発明の他の特徴と利点は、次の記述と特許請求の範囲から明白である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】中性子検出器の模式図。
【図2】中性子検出システムのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、中性子検出器100の模式図であり、マイクロチャネル板検出器102とガンマ線検出器104を備える。マイクロチャネル板検出器102は、一または複数のマイク
ロチャネル板106が積み重ねられてなるマイクロチャネル板スタック105を備える。マイクロチャネル板スタック105は、負電圧に接続された上部電極150と、正電圧に接続された下部電極152を有する。陽極108は、マイクロチャネル板スタック105から電子放出を収集するために設けられる。マイクロチャネル板スタック105と陽極108は、真空室154内に収容される。マイクロチャネル板106は、中性子とガンマ線の両方に感応する。陽極108からの読出信号は、中性子またはガンマ線の検出を示すことがあるが、典型的には、中性子またはガンマ線が検出されたか否かについての情報を提供しない。
【0018】
たとえばマイクロチャネル板106は、マサチューセッツ州スターブリッジのノバ・サイエンティフィック社から入手可能なNVN−7型であることができる。マイクロチャネル板106は、たとえば5mol%以上のボロン−10酸化物、または2mol%以上のガドリニウム酸化物を有するボロン−10、またはガドリニウム浸漬アルカリ・ケイ酸鉛ガラスから作られることができる。マイクロチャネル板106は、発明の名称が「中性子検出」である同時係属中の特許文献1に記述されるような、ガンマ線に対して低い感度を有するように構成できる。
【0019】
ガンマ線検出器104は、高速シンチレータ水晶110と光電子増倍管(PMT)112を備える。高速シンチレータ水晶110は、ガンマ線を受ける際にシンチレーション光を放出する。光電子増倍管112は、シンチレーション光を捕える。たとえば高速シンチレータ水晶110は、オハイオ州ニューベリのサンゴバン株式会社からのLaBr3:Ce高速シンチレータ水晶、BrilLianCe(登録商標)380水晶であることができる。光電子増倍管112は、バールインダストリーズ社から入手可能な、83112−502型であることができる。
【0020】
マイクロチャネル板106からの信号と、光電子増倍管112からの信号との間の時間近接を測定することによって、マイクロチャネル板検出器102が中性子を検出したか否か判定できる。マイクロチャネル板106からの信号は、中性子またはガンマ線の検出を示す。光電子増倍管112からの信号は、ガンマ線の検出を示す。より詳細に下に記述されるように、マイクロチャネル板106からの信号を検出した直後に(たとえば100ピコ秒以内)、光電子増倍管112からの信号を検出することは、ガンマ線の放出を伴った中性子吸収事象が生じた高い可能性を示す。
【0021】
マイクロチャネル板106は、各々がたとえば5ミクロン程度の径を有した微細チャネルのアレイを備える。各チャネルは、たとえば円形、正方形、長方形、または六角形の断面を有することができる。各チャネルは、独立した電子増倍管として作用し、半導電および電子放出層から形成された内壁面を有する。
【0022】
マイクロチャネル板106は、チャネルを規定する壁を形成するボロン−10浸漬ガラスを備える。ボロン−10粒子が中性子158を捕らえるときに、下記の反応のように、アルファ粒子(He)とリチウム−7粒子が解放される。
【0023】
n+10B→Li+He+Q
ここで、Qは、反応中に解放されたエネルギである。
リチウム−7とヘリウム−4粒子の一方または両方は、ガラスを通過し、隣接した一または複数のチャネルに入り、その途中で電子を解放する。マイクロチャネル板スタック105の下部電極152は、マイクロチャネル板スタック105の上部電極150よりも正の、DCバイアス電圧を有する。DCバイアス電圧は、下部電極152に自由電子を引き付ける電場(たとえば約1kV/mm)を生成する。電子がチャネル壁で跳ねる際に、より多くの電子が解放される。下部電極152の信号が読出され、光電子増倍管112から
の読出信号と比較するために、一致ユニット136(図2を参照)のような信号プロセッサに送られる。
【0024】
更に、マイクロチャネル板検出器102は、チャネル内に電子カスケードを生じさせるガンマ線を検出できる(鉛含有マイクロチャネル板ガラスの典型である約1%から3%の効率で)。このように、マイクロチャネル板検出器102が検出信号を生成する場合、検出信号は、中性子の検出またはガンマ線の検出のいずれかを示すことができる。
【0025】
マイクロチャネル板検出器102が中性子またはガンマ線を検出したか否か判定するために、高速応答の高速シンチレータ水晶110は、中性子捕獲反応の結果として生成されるガンマ線を検出するために使用される。ボロン−10が中性子を捕らえるときに、ボロン−10の核は、反対方向に移動するアルファ粒子(ヘリウム−4イオン)とリチウム−7イオンに分裂する。リチウム−7イオンが最初に励起状態になる確率は約94%であり、その時、リチウム−7イオンは、より低いエネルギ状態になるように崩壊し、478keVのガンマ線を放出する。ガンマ線が高速シンチレータ水晶110に向かって移動する場合、ガンマ線検出器104は、ガンマ線を検出できる。
【0026】
中性子158がマイクロチャネル板検出器102によって検出される場合、ガンマ線検出器104は、非常に短時間(たとえば100ピコ秒未満)内の反応から、即座のガンマ線を検出する可能性もある。このように、ガンマ線検出器104からの信号が、マイクロチャネル板検出器102からの信号の発生後のたとえば約10ナノ秒のタイミング一致範囲内に生じるような、一致事象を検出することによって、有効な中性子の事象は、確実に高い確さでタグ付けできる。約10ナノ秒のタイミング一致範囲は、殆どの背景環境のガンマ線(MHz領域のガンマ束であっても)を、統計学的に除外するのに十分な短さである。
【0027】
中性子検出器100の利点は、マイクロチャネル板検出器102とガンマ線検出器104からの信号間の一致を検出することによって、中性子の誤検出を著しく低減できることである。
【0028】
図2は、中性子検出システム140のブロック図であり、対象物から放出される中性子束(つまり、秒単位の中性子量)を判定できる。中性子検出システム140は、図1で示されたものと同様の、マイクロチャネル板検出器102、高速シンチレータ水晶110、および光電子増倍管112を備える。マイクロチャネル板検出器102の出力信号は、マイクロチャネル板検出器102の陽極108で受信した信号を増幅するために増幅器130に送られ、増幅器130の出力は、第1タイミングモジュール132に送られる。光電子増倍管112の出力は、第2タイミングモジュール134に送られる。第1タイミングモジュール132と第2タイミングモジュール134は、マイクロチャネル板検出器102と光電子増倍管112それぞれからの信号を調整し、マイクロチャネル板検出器102と光電子増倍管112から一致ユニット136に信号が移動する異なる信号経路を考慮に入れる。第1タイミングモジュール132と第2タイミングモジュール134それぞれの出力は、一致ユニット136に送られる。その結果、第2タイミングモジュール134からの信号は、第1タイミングモジュール132からの信号のタイミング一致範囲(たとえば10ナノ秒)内に発生したか否か判定される。一致ユニット136は、たとえばコネチカット州メリデンのキャンベラ社からの2040型であることができる。
【0029】
一致ユニット136は、第1タイミングモジュール132から受信した信号と、第2タイミングモジュール134から受信した信号との間の時間差を判定し、その時間差を、現在のタイミング一致範囲と比較する。時間差がタイミング一致範囲よりも短い(たとえば10ナノ秒)場合、一致ユニット136は、スケーラ/カウンタ138に送られるパルス
142を生成し、中性子の事象を示す。スケーラ/カウンタ138は、単位時間当たり(たとえば秒単位)の中性子の事象の数を、カウントするように構成できる。スケーラ/カウンタ138は、たとえばキャンベラ社からの512型であることができる。スケーラ/カウンタ138の出力信号は、記録と分析のために、コンピュータまたはデータ取得装置に送られることができる。
【0030】
マイクロチャネル板検出器102と高速シンチレータ水晶110それぞれの出力信号同士の間に、10ナノ秒内の一致がない場合、(i)任意のエネルギのガンマ線が、マイクロチャネル板検出器102によって検出されるが、478keVのガンマ線は、10ナノ秒のタイミング範囲内に高速シンチレータ水晶110によって検出されないか、または、(ii)ガンマ線は、高速シンチレータ水晶110よって検出されるが、対応する中性子信号は、マイクロチャネル板検出器102によって検出されないか、のいずれかである。
【0031】
478keVのガンマ線が、10ナノ秒のタイミング範囲内に検出され、且つ、任意のエネルギの別の背景環境のガンマ線が、マイクロチャネル板検出器102によって検出される確率(ガンマ線に対して1%から3%の検出効率を有する)は、非常に小さい。478keVのガンマ線の放出を伴って崩壊する励起状態のリチウム−7イオンを、ボロン−10と中性子反応が生成する確率は、約94%ある。よって、中性子の事象は、478keVのガンマ線の放出に至らない可能性が約6%ある。等方的に放出される478keVのガンマ線のうち、約16%は、マイクロチャネル板検出器102の下部に配置された高速シンチレータ水晶110によって検出できる。
【0032】
2つのより大きな高速シンチレータ水晶110を、マイクロチャネル板検出器102の上部と下部とに配置すると、より大きな立体角捕獲によって、ガンマ線の検出割合を著しく増大できる。
【0033】
先の記述が例示を意図し、ここに記述される検出器の範囲を限定しないように意図されることは、理解されるべきである。他の実施形態は、次の特許請求の範囲内にある。たとえば図1では、陽極108はオプションであり、除去できる。光電子増倍管112は、アバランシェ・フォトダイオードで置換できる。陽極108は、検出された中性子に基づいた画像を形成できる、画素化イメージセンサであることができる。この場合、中性子検出器100は、中性子の画像化に使用できる。ガンマ線シンチレータとしての高速シンチレータ水晶110は、マイクロチャネル板検出器102を実質的に囲む(たとえばマイクロチャネル板検出器102に対して、4πステラジアン立体角をカバーする)ように構成でき、その場合、中性子捕獲反応に起因するガンマ線を可能な限り多く捕らえる。タイミング一致範囲は、上述したものとは異なる値(たとえば10ナノ秒から50ナノ秒)を有することができる。中性子からガンマ線検出器104を保護するために、中性子シールドを、マイクロチャネル板検出器102とガンマ線検出器104の間に配置できる。
【0034】
中性子を捕らえるためにボロン−10を使用する代わりに、他の材料が使用されることもできる。たとえばマイクロチャネル板106は、次の反応のように中性子を捕らえることができる、ガドリニウム(Gd)に浸漬されたガラスから作られることができる。
【0035】
n+155Gd→156Gd+ガンマ線+ベータ粒子+Q(7.9MeV)
n+157Gd→158Gd+ガンマ線+ベータ粒子+Q(8.5MeV)
ガドリニウム原子が中性子を捕らえるときに、ガンマ線は、同時に放出され、ガンマ線検出器104によって検出できる。
【0036】
上述した異なる実施形態の要素は、特にここでは記述されていない実施形態を形成するために組合わせ可能である。特にここでは記述されていない他の実施もまた、次の特許請
求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号と第2信号の時間近接に基づく中性子検出方法であって、
前記第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示し、
前記第2信号は、前記ガンマ線の検出を示すことを特徴とする、中性子検出方法。
【請求項2】
前記中性子検出方法は更に、マイクロチャネル板検出器を使用して前記第1信号を生成することを含む、請求項1記載の中性子検出方法。
【請求項3】
前記中性子検出方法は更に、ガンマ線検出器を使用して前記第2信号を生成することを含む、請求項1記載の中性子検出方法。
【請求項4】
前記中性子検出方法は更に、前記第2信号が、前記第1信号の発生後の閾値時間内に生じたか否か判定することを含む、請求項1記載の中性子検出方法。
【請求項5】
前記閾値時間は、50ナノ秒未満である、請求項4記載の中性子検出方法。
【請求項6】
前記閾値時間は、10ナノ秒未満である、請求項4記載の中性子検出方法。
【請求項7】
前記中性子の検出は、ボロン−10粒子を使用して中性子を捕らえ、アルファ粒子とリチウム−7粒子を生成すること含む、請求項1記載の中性子検出方法。
【請求項8】
前記中性子の検出は、マイクロチャネル板検出器が中性子またはガンマ線の検出を示す出力パルスを生成後の、50ナノ秒未満内に前記ガンマ線を検出することを含む、請求項1記載の中性子検出方法。
【請求項9】
中性子検出方法であって、前記中性子検出方法は、
マイクロチャネル板検出器を使用して第1信号を生成することであって、前記第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示すことと;
ガンマ線検出器を使用して第2信号を生成することであって、前記第2信号は、前記ガンマ線の検出を示すことと;および
前記第2信号が前記第1信号の発生後の閾値時間内に生じる場合に、前記中性子が前記マイクロチャネル板検出器によって検出されたことを示す第3信号を生成することと
を含むことを特徴とする、中性子検出方法。
【請求項10】
前記中性子検出方法は更に、前記第1信号の発生と前記第2信号の発生との間の時間差を比較することを含む、請求項9記載の中性子検出方法。
【請求項11】
前記第1信号の生成は、前記マイクロチャネル板検出器を使用して、前記第1信号を生成することを含む、請求項9記載の中性子検出方法。
【請求項12】
前記第1信号の生成は、
アルファ粒子とリチウム−7粒子を生成することと;および
二次電子放出を生じさせることと
を含む、請求項9記載の中性子検出方法。
【請求項13】
前記閾値時間は、50ナノ秒未満である、請求項9記載の中性子検出方法。
【請求項14】
中性子検出器を備える中性子検出装置であって、
前記中性子検出器は、第1信号と第2信号の時間近接に基づき中性子を検出し、
前記第1信号は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出を示し、
前記第2信号は、ガンマ線の検出を示すことを特徴とする、中性子検出装置。
【請求項15】
前記中性子検出器は、前記第1信号を生成するマイクロチャネル板検出器を備える、請求項14記載の中性子検出装置。
【請求項16】
前記マイクロチャネル板検出器は、ボロン−10に浸漬されたガラスを備える、請求項15記載の中性子検出装置。
【請求項17】
前記マイクロチャネル板検出器は、ガドリニウムに浸漬されたガラスを備える、請求項15記載の中性子検出装置。
【請求項18】
前記中性子検出器は、前記第2信号を生成するガンマ線検出器を備える、請求項14記載の中性子検出装置。
【請求項19】
前記中性子検出器は、前記第1信号の発生後の閾値時間内に前記第2信号が発生したか否か判定する信号プロセッサを備える、請求項14記載の中性子検出装置。
【請求項20】
前記閾値時間は、50ナノ秒未満である、請求項19記載の中性子検出装置。
【請求項21】
前記閾値時間は、10ナノ秒未満である、請求項19記載の中性子検出装置。
【請求項22】
マイクロチャネル板、ガンマ線検出器、および信号プロセッサを備える中性子検出装置であって、
前記マイクロチャネル板検出器は、中性子とガンマ線のうちの少なくとも1つの検出時に第1検出信号を生成し、
前記ガンマ線検出器は、ガンマ線の検出時に第2検出信号を生成し、
前記信号プロセッサは、前記第1検出信号と前記第2検出信号を受信し、前記第1検出信号の発生後に前記第2検出信号が閾値時間内に生じたと判定する際に、中性子の検出を示す第3信号を生成することを特徴とする、中性子検出装置。
【請求項23】
前記マイクロチャネル板検出器は、ボロン−10とガドリニウムのうちの少なくとも1つに浸漬されたガラスを備える、請求項22記載の中性子検出装置。
【請求項24】
前記マイクロチャネル板検出器は、中性子の捕獲時に、続いてより低いエネルギ状態に崩壊してガンマ線を放出する励起状態で第2粒子を生成する第1粒子を含む、請求項22記載の中性子検出装置。
【請求項25】
前記ガンマ線検出器は、シンチレータを備える、請求項22記載の中性子検出装置。
【請求項26】
前記閾値時間は、50ナノ秒未満である、請求項22記載の中性子検出装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−503873(P2010−503873A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529321(P2009−529321)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/078624
【国際公開番号】WO2008/036592
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509077680)ノバ サイエンティフィック インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NOVA SCIENTIFIC,INC.
【Fターム(参考)】