説明

丈夫で柔軟な先端部を有するベルトロール定着器剥離シューを含む装置およびシステム

【課題】剥離シューと、定着ニップにおいて効果的なニップ圧プロファイルを保持する丈夫で柔軟な先端部とを有する剥離システムを提供する。
【解決手段】ベルトロール定着器剥離システムが、剥離シュー215と、剥離シム220と、を有している。剥離シム220は支持部材230で支持されている。支持部材230は、所望のニップ圧プロファイルを保持するとともに、剥離シム220とベルトロール定着器構成要素との変形と摩耗とを低減するようにシムを支持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、剥離シューを有する剥離システムを含むベルトロール定着器装置およびシステムに関する。詳細には、本開示は、剥離シューと、定着ニップにおいて効果的なニップ圧プロファイルを保持する丈夫で柔軟な先端部とを有する剥離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のベルトロール定着器剥離システムは、効果的な定着ニップ圧を提供するように定着ベルトの内側に負荷をかけるために使用される剥離シューを含んでいてもよい。特に定着時に、水蒸気圧力限界および/または気泡圧力限界よりもニップ圧を高くしてもよい。例えば、ニップを通り抜けるベルトの内側に負荷をかけるために、シムとシューとの組み合わせを使用してもよい。この組み合わせは、外部圧力ロールと、定着ベルトを引っ張る内部圧力ロールとにより形成される定着ニップの出口に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ベルトロール定着器システム内の従来技術の剥離システムは、頻繁に保守を行う必要がある可能性がある。従来技術の剥離システム内のシム、またはシムのようなリーフスプリングは、100000回の印刷のたびに交換する必要がある可能性があることが分かっている。シムは、ベルトと、ベルトロール定着器の内部圧力ロールの間の地点で詰まりやすい。これは、時間の経過にともなうシムの変形および/または弱化の結果である可能性がある。定着ベルトを含むベルトロール定着器の他の構成要素が、変形したおよび/または弱くなったシムの一部分により損傷を受ける可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態による装置およびシステムでは、定着ベルト損傷の事例が減る可能性があり、剥離システムおよび定着システム構成要素の耐用年数が延びる可能性がある。例えば、ベルトロール定着器剥離装置は、剥離シューを含むように構成してもよい。剥離シューにシムを取り付けてもよい。例えば、シューに取り付けてもよい支持部材に、シムを取り付けてもよい。実施形態では、シムの第1の端部においてシムをシューに取り付けてもよく、定着システムの定着ニップの出口において定着ベルトと圧力ロールとの間に入る剥離縁端部を形成する第2の端部までシムが延びていてもよい。
【0005】
実施形態では、シムは柔軟であってもよく、支持部材により支持されてもよい。支持部材は、ゴム、発泡体、または支持するのに適した他の材料で形成してもよい。支持部材は、シムと、そのシムを取り付ける剥離シューとで形成されるすき間への注入により、剥離システムの製造時に形成してもよい。あるいは、支持部材は別々に形成して、シムを支持するように後で取り付けて設置してもよく、シムにより提供される好適なニップ圧プロファイルを保持するようになっていてもよい。
【0006】
他の実施形態では、支持部材を取り囲むようにシムを形成して、シムが支持部材と、定着ニップを形成する圧力部材との間に入るようになっていてもよい。例えば、シムは、第1の端部と、第2の端部とを含むように形成してもよい。剥離シューに第1の端部を取り付けてもよい。他の実施形態では、シムは、支持部材を取り囲むように第1の端部から延びていてもよい。シムの第2の端部においてシムを剥離シューに取り付けてもよい。第1の端部と第2の端部の間に位置するシムの一部分は、定着ベルトと、ベルトロール定着器のニップ形成部材との間に入っていてもよく、第1および第2の端部のうちの少なくとも1つでシムを取り付ける剥離シューを介して定着ベルトの内側へ負荷を伝達するように構成されてもよい。
【0007】
ベルトロール定着器システムの実施形態は、剥離システムを含んでいてもよい。剥離システムは、剥離シューと、剥離シムと、を含んでいてもよい。剥離シムは、第1の端部において剥離シューに取り付けてもよく、支持部材により支持してもよい。剥離シムの第2の端部は、定着ロールが形成する定着ニップの出口において、定着ベルトの内側と、定着ベルトを引っ張る定着ロールとの間に入るように延びていてもよい。あるいは、剥離シムの第1の端部において剥離シムを剥離シューに取り付けてもよい。剥離シムは、支持部材を取り囲むように第1の端部から延びていてもよく、剥離シムの第2の端部において剥離シューに取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来技術の剥離システムを有するベルトロール定着器の図式的側面図である。
【図2】例示的実施形態による剥離システムを有するベルトロール定着器の図式的側面図である。
【図3】他の例示的実施形態による剥離システムを有するベルトロール定着器の図式的側面図である。
【図4】従来技術の剥離システムにより提供されるベルトロール定着ニップ圧プロファイルを示すグラフである。
【0009】
シムを備えた剥離シューを有する剥離システムを含むベルトロール定着器装置およびシステムの理解を提供するための図面を参照する。図面では、類似の参照番号は、全体を通じて類似のまたは同じ要素を示すために使用されている。図面は、剥離システムを有する説明に役立つ装置およびシステムの実施形態に関連するさまざまな実施形態およびデータを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態の装置およびシステムは、ベルトロール定着器を用いて基板にマーキング材料を定着させることにより媒体上に画像を印刷するためのシステムを含んでいてもよい。ベルトロール定着器は、定着ニップを一緒になって形成する2つの回転部材を含んでいてもよい。例えば、ベルトロール定着器は、第1の部材、例えば、内部圧力部材などと、第2の部材、例えば、外部圧力部材などと、を含んでいてもよい。内部圧力部材と外部圧力部材とは、定着ニップを形成するように構成してもよい。内部圧力部材は、ニップを通り抜ける定着ベルトを引っ張ってもよい。
【0011】
その上に蒸着されたマーキング材料を有する基板などの媒体は、定着ニップの中を通って供給してもよい。定着システムは、ニップにおいて、例えば、圧力および熱などを加えて、マーキング材料を基板に定着させるように構成してもよい。内部圧力部材を含む、ベルトロール定着器の1つ以上の回転部材により引っ張られる定着ベルトは、定着時にニップにおいて基板に接触してもよい。
【0012】
ベルトロール定着器システム内に含まれていてもよい剥離システムの実施形態は、例えば、剥離シューに関連するシムなどを含む剥離システム構成要素の性能を向上させるように構成された支持部材を含んでいる。例えば、剥離システムは、定着ニップ出口付近に設置された剥離シューと、シムと、を含んでいてもよい。1つ以上の地点においてシムを剥離シューに取り付けてもよい。
【0013】
シムは、第1の端部と、第2の端部とを有していてもよい。実施形態では、剥離シューにシムの第1の端部を取り付けてもよい。シムは、第1の端部から定着ニップ出口に向かってシムの第2の端部まで延びていてもよい。剥離シューと、支持部材で支持されたシムとは、定着ベルトの内側、すなわち、内部圧力部材に面する定着ベルトの面、に負荷をかけるように構成されてもよい。剥離縁端部は、シムの第2の端部において定着ベルトの内側に接触するように形成されてもよい。
【0014】
シムは、現在知られている、または後から開発される任意の好適な材料で形成してもよい。例えば、シムは、ステンレス鋼またはバネ鋼を含む材料で形成してもよい。シムは変形可能であってもよく、例えば、シムの第2の端部などに位置する剥離縁端部が変形してもよく、またはその剥離縁端部が、例えば、定着ニップを通り抜ける媒体搬送ベルトの内側などに当てられるときに、シムの一部分の変形を引き起こしてもよい。さらに、時間の経過とともにシムが弱くなって、形が崩れる可能性がある。したがって、実施形態では、シムを支持部材で支持してもよい。支持部材は、シムと、剥離シューとの間に入るように構成してもよい。
【0015】
支持部材は、シムを支持するのに適した任意の材料で形成してもよい。例えば、支持部材は、ゴムおよび/または発泡体で形成してもよい。支持部材は、圧搾空気または液体入り浮袋で形成してもよい。支持部材は、例えば、シムと、そのシムを取り付ける剥離シューとで形成されるすき間の中に材料を注入することなどにより形成してもよい。他の方法が、シュー先端部上にゴムを形成した後に、金属製シムを接着剤で接着することを含んでいてもよい。
【0016】
図1が、従来技術の剥離システムを有するベルトロール定着器システムの定着ニップの図式的側面図を示している。詳細には、図1は、定着ニップを形成する第1の部材と第2の部材とを有する定着システム100を示している。第1の部材、すなわち、外部圧力部材102が、それの縦軸のまわりに回転するドラムまたはロールであってもよい。第2の部材、すなわち、内部圧力部材105が、縦軸のまわりに回転可能な内部圧力ロールであってもよい。内部圧力部材105は、ロールもしくはドラム、または他の任意の好適な構造体であってもよい。内部圧力部材105と外部圧力部材102とは、定着ニップ107を形成する。
【0017】
定着するためにその上にマーキング材料画像を運ぶ媒体を、定着ニップ107の中を通って供給してもよい。定着ニップ107は、プロセス方向に対してニップ入口とニップ出口とを有していてもよい。それの表面上に蒸着されたマーキング材料画像を有する基板を、定着ニップ107に向かってプロセス方向に運んで、画像を基板に定着させてもよい。詳細には、基板がニップ107を通り抜けるときに、例えば、マーキング材料と基板とに熱および/または圧力を加えることなどにより画像を定着させてもよい。
【0018】
内部圧力部材105を含むベルトロール定着器の1つ以上の部材により定着ベルト110を引っ張ってもよい。定着ベルト110は、第1の面と第2の面とを有していてもよい。第1の面は、定着ニップ107を通り抜ける基板に接触してもよい。第2の面は、内部圧力部材105に接触し、定着ベルト110を引っ張るベルトロール定着器の他の部材に接触してもよい内側であってもよい。
【0019】
図1に示す定着システム100は、剥離システムを含んでいる。剥離システムは、剥離シュー115と、剥離シム120と、を含んでいる。剥離シム120は、剥離シュー115に取り付けられた第1の端部を有している。シム120は図示のように細長くて曲がっていてもよく、ニップ107の近くに位置する第2の端部まで延びていてもよい。剥離縁端部は、第2の端部に形成されてもよく、定着ベルト110の内側または第2の面に負荷をかけるように構成されてもよい。
【0020】
特に、圧力プロファイルを保持するために、剥離シュー115と、定着ベルトに接触する剥離縁端部とを、ベルトの内側(例えば、内部圧力部材105に面するベルト110の面)に当てる。ニップ圧が水蒸気圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。さらに、ニップ圧が気泡圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。従来技術のシステムでは、シム120と剥離シュー115とを図1に示すように配置してもよく、シム120は細長くて曲がっており、シム120の剥離縁端部と、シム120の第1の端部においてシム120を取り付ける剥離シュー115との間に空間が入るようになっている。従来技術の配置は、シム120の変形、弱化、および/または摩耗を引き起こす。シム120が変形したり、または弱くなったりすると、シム120は定着システム100の構成要素に引っかかるようになる可能性がある。例えば、弱くなったり、または変形したりしたシム120は、ベルト110に損傷を与える可能性があることが分かっている。
【0021】
定着システム100の構成要素の損傷に加えて、シム120が摩耗および/または変形すると、圧力プロファイルは悪化する。したがって、シム120は頻繁に交換する必要がある。例えば、図1に示すような従来技術のシステムは、あらゆる100000回の印刷の後にシム120を交換する必要がある可能性がある。
【0022】
図2は、剥離システムを有する定着システム200の図式的側面図を示している。詳細には、図2は、定着ニップを形成する第1の部材と第2の部材とを有する定着システム200を示している。第1の部材、すなわち、外部圧力部材202が、それの縦軸のまわりに回転するドラムまたはロールであってもよい。第2の部材、すなわち、内部圧力部材205が、縦軸のまわりに回転可能であってもよい。内部圧力部材205は、ロールもしくはドラム、または他の任意の好適な構造体であってもよい。内部圧力部材205と外部圧力部材202とは、定着ニップ207を形成する。
【0023】
定着するためにその上にマーキング材料を運ぶ媒体を、定着ニップ207の中を通って供給してもよい。定着ニップ207は、プロセス方向に対してニップ入口とニップ出口とを有していてもよい。それの表面上に蒸着されたマーキング材料画像を有する基板を、定着ニップ207に向かってプロセス方向に運んで、画像を基板に定着させてもよい。詳細には、基板がニップ207を通り抜けるときに、例えば、マーキング材料と基板とに熱および/または圧力を加えることなどにより画像を定着させてもよい。
【0024】
内部圧力部材205を含むベルトロール定着器の1つ以上の部材により定着ベルト210を引っ張ってもよい。定着ベルト210は、第1の面と第2の面とを有していてもよい。第1の面は、定着ニップ207を通り抜ける基板に接触してもよい。第2の面は、内部圧力部材205に接触し、定着ベルト210を引っ張るベルトロール定着器の他の部材に接触してもよい内側であってもよい。
【0025】
図2に示す定着システム200は、実施形態の装置およびシステムの剥離システムを含んでいる。剥離システムは、シュー215と、剥離シム220と、を含んでいる。剥離シム220は、剥離シュー215に取り付けられた第1の端部を有している。シム220は図示のように細長くて曲がっていてもよく、ニップ207の近くに位置する第2の端部まで延びていてもよい。剥離縁端部は、第2の端部に形成されてもよく、定着ベルト210の内側または第2の面に負荷をかけるように位置付けられてもよい。
【0026】
特に、圧力プロファイルを保持するために、剥離縁端部と、剥離シュー215とを、ベルトの内側(例えば、内部圧力部材205に面するベルト210の面)に当てる。詳細には、ニップ圧が水蒸気圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。さらに、ニップ圧が気泡圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。
【0027】
図2の剥離システムは、支持部材230を含んでいる。支持部材230は、シム220を支持するように構成されている。例えば、図2に示すように、支持部材230は、シム220の剥離縁端部と、シム220の第1の端部を取り付けるシュー215との間に入るように設置してもよい。支持部材230は、シム220に接触して、シム220を支持するように設置してもよい。支持部材230は、ゴムおよび/または発泡体から構成してもよい。支持部材は、圧搾空気または液体入り浮袋から構成してもよい。定着システムと、図2に示すように支持部材230を有する剥離システムのような実施形態の支持されたシムを有する剥離システムとは、変形、弱化、および/または摩耗に対して強い可能性がある。
【0028】
図3は、例示的実施形態の剥離システムを有する定着システム300の図式的側面図を示している。詳細には、図3は、定着ニップを形成する第1の部材と第2の部材とを有する定着システム300を示している。第1の部材、すなわち、外部圧力部材302が、それの縦軸のまわりに回転するドラムまたはロールであってもよい。第2の部材、すなわち、内部圧力部材305が、縦軸のまわりに回転可能な内部圧力ロールであってもよい。内部圧力部材305は、ロールもしくはドラム、または他の任意の好適な構造体であってもよい。内部圧力部材305と外部圧力部材302とは、定着ニップ307を形成する。
【0029】
定着するためにその上にマーキング材料画像を運ぶ媒体を、定着ニップ307の中を通って供給してもよい。定着ニップ307は、プロセス方向に対してニップ入口とニップ出口とを有していてもよい。それの表面上に蒸着されたマーキング材料画像を有する基板を、定着ニップ307に向かってプロセス方向に運んで、画像を基板に定着させてもよい。詳細には、基板がニップ307を通り抜けるときに、例えば、マーキング材料と基板とに熱および/または圧力を加えることなどにより画像を定着させてもよい。
【0030】
内部圧力部材305を含むベルトロール定着器の1つ以上の部材により定着ベルト310を引っ張ってもよい。定着ベルト310は、第1の面と第2の面とを有していてもよい。第1の面は、定着ニップ307を通り抜ける基板に接触してもよい。第2の面は、内部圧力部材305に接触し、定着ベルト310を引っ張るベルトロール定着器の他の部材に接触してもよい内側であってもよい。
【0031】
図3に示す定着システム300は、剥離システムを含んでいる。剥離システムは、剥離シュー315と、剥離シム320と、を含んでいる。剥離シム320は、剥離シュー315に取り付けられた第1の端部を有している。シム320は図示のように細長くて曲がっていてもよく、シム320は剥離シュー315の方に向かって位置付けてもよい第2の端部まで、および/または剥離シュー315に取り付けてもよい第2の端部まで、延びていてもよい。
【0032】
特に、剥離シム320は、支持部材330を取り囲むように、および支持部材330を少なくとも部分的に包むように、シムの第1の端部から延びていてもよい。図3に示すシム320は、シムの第1の端部と第2の端部の間の地点に剥離縁端部を形成するために曲がっている。剥離縁端部は、ニップ出口付近に設置されてもよい。圧力プロファイルを保持するために、剥離縁端部を、ベルトの内側(例えば、内部圧力部材305に面するベルト310の面)に当ててもよい。ニップ圧が水蒸気圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。ニップ圧が気泡圧力限界よりも高くなるように、ニップにおける圧力プロファイルを保持すべきである。
【0033】
図3の剥離システムは、支持部材330を含んでいる。支持部材330は、支持部材330を実質的に取り囲むシム320を支持するように構成されている。支持部材330は、シム320に接触して、シム320を支持するように設置してもよい。支持部材230は、ゴムおよび/または発泡体で形成してもよい。支持部材230は、圧搾空気または液体入り浮袋で形成してもよい。
【0034】
定着システムと、図3に示すように支持部材330を有する剥離システムのような実施形態の支持されたシムを有する剥離システムとは、変形、弱化、および/または摩耗に対して強い可能性がある。さらに、支持部材330を取り囲む図3に示すシム320は、例えば、図1に示すような従来技術のシステムのシムの端部などに起因する可能性があるシステム構成要素への損傷を減らすような構造にされる。実施形態の支持部材とシムとを有する剥離システムは、ニップにおいて加えられる圧力プロファイルの制御を改善できる従来技術のシステムの丈夫な機械的代替手段を提供するとともに、システム構成要素の寿命と、定着するための所望の圧力プロファイルの保持の寿命とを延ばす。
【0035】
図4は、従来技術の剥離システムを有する従来技術のベルトロール定着器により提供される圧力プロファイル性能の観察結果を示すグラフを示している。図4は、従来技術のシステムが提供する圧力プロファイルには約25mmのプロセス方向距離の間で一貫性がないことを示している。例えば、時間の経過とともに、従来技術のベルトロール定着器システムが提供するニップ圧プロファイルは、少なくとも2回45psiを下回り、1回5psiを下回る。上述のように、水蒸気圧力限界と気泡圧力限界とを上回るニップ圧プロファイルを保持すべきである。図4に示す結果を与えるために観察されたシステムは、45psiよりも大きい水蒸気圧力限界と、5psiよりも大きい気泡圧力限界と、を要求した。
【0036】
実施形態によるシステムは、例えば、剥離シューに取り付けられた支持部材を含むことなどにより、従来技術のシステムの限界を克服する。支持部材は、柔軟な金属製シムであってもよいシムを支持して、シムの形状を制御するとともに、振動などを減らしたり、または最小にしたりすることによりシムの寿命を延ばす。他の実施形態では、シムは支持部材を取り囲んでいてもよく、例えば、シムの先端部または端部が露出しておらず、定着システム構成要素の損傷を低減したり、または最小にしたりしてもよい。さらに、実施形態のシステムは、例えば、水蒸気圧力限界および気泡圧力限界などを含む所要の限界を上回るニップ圧を確実に保持するニップ圧プロファイルを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着ニップを形成する内部圧力部材と外部圧力部材とを有するベルトロール定着器と、前記定着ニップにおいて前記内部圧力部材に接触する内側部と、前記外部圧力部材に面する外側部と、を有する定着ベルトと、を含む、ベルトロール定着器システムであって、
前記定着ニップの出口において前記定着ベルトの内側部に接触する接触部を有するシムと、
前記シムを支持する支持部材と、を含む、ベルトロール定着器システム。
【請求項2】
前記定着ニップの出口に設置された剥離シューをさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シムが第1の端部と、第2の端部とを含み、前記シムの前記第1の端部を前記剥離シューに取り付ける、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の端部が剥離縁端部を形成し、前記剥離縁端部は、前記定着ニップの出口において前記定着ベルトの前記内側部に接触する接触部である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記剥離縁端部が、定着時にニップ圧プロファイルを保持するように前記定着ベルトの前記内側部に接触する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記シムが前記定着ニップの出口において前記定着ベルトの前記内側部に接触するときに、前記シムはニップ圧プロファイルを保持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記シムが、前記支持部材を少なくとも実質的に取り囲むように延びている、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記シムが前記支持部材を実質的に取り囲むように延びており、前記第2の端部を前記剥離シューに取り付ける、請求項3に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−215844(P2012−215844A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47138(P2012−47138)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】