説明

三次元形状を表現する布の製造方法、製造装置および布

【課題】比較的単純な構造の製造装置を用いて、様々な三次元形状を表現する布を短時間で製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】ロッド33aを上昇させて、ロッド33aの先端の溝で縦糸2を保持し、その状態のままロッド33aを予め定められた位置まで上昇させる。同様に、ロッド53aを下降させて、ロッド53aの先端の溝で縦糸2を保持し、その状態のままロッド53aを、横糸3が縦糸2に当接するまで下降させ、ロッド33aとロッド53aで縦糸2と横糸3の交点4を挟持する。その後、ロッド33aとロッド53aに超音波振動を加え、縦糸2と横糸3を交点4で熱融着する。駆動するアクチュエータ31を右方向に1つずつずらし、併せてロッド33のZ軸方向への変位量を変えながら上述した動作を繰り返し、最終的に、縦糸2と横糸3を全ての交点4で接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元形状を表現する布の製造方法、その方法を実施する製造装置、およびその方法により製造される布に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元形状を復元する方法として、光造形のような三次元形状に合わせて液状の紫外線硬化樹脂を硬化させる方法や、ニットウェアのように人間の体形に合わせて網点の数を増減させる方法など、各種の方法がある。これらのうち布により三次元形状を復元する方法は、医療用ネット、手術用立体ガーゼ、体形にフィットした衣服、お面、プラスチック金型の下型など、広い分野で使用されている。
【0003】
以降の説明では、このような三次元形状の復元のために用いられる布を、「三次元形状を表現する布」という。なお、本発明の対象となる「三次元形状を表現する布」は、織機により織られる一般的な布に限定されず、ネットやメッシュなども含まれる。
【0004】
上述した三次元形状を表現する布を製造する方法として、一般的に、2つの方法が知られている。第1の方法は、コンピュータ編み機を用いる方法である(例えば、特開2008−161346号参照)。コンピュータ編み機は、三次元形状を表す編成データに基づいて編み糸を立体的な形状に編成するもので、布やネットを用いて縫い目のない立体形状を復元できる。この第1の方法は、体形にフィットしたニットウェアや医療用ネットの製造などに使われている。
【0005】
第2の方法は、ポリエステルなどの熱可塑性の樹脂で形成されたネットを、型に合わせて熱成形する方法である(例えば、特開2005−193024号参照)。この第2の方法は、通気性が求められるリュックサックや手提げカバンの保護ネットの製造などに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−161346号公報
【特許文献2】特開2005−193024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した第1の方法は、製造装置に入力する編成データを変えることにより、様々な三次元形状を表現する布を製造できる。しかし、コンピュータ編み機で編んだ布は柔らかいため三次元形状を維持できず、通常は、重力により形が崩れて二次元状態になる。また製造装置の構造が複雑であるため、保守性の点で課題がある。
【0008】
上述した第2の方法は、リュックサックの保護ネットなどを、短時間にかつ安価に製造できる利点があるが、使用する型によって表現できる三次元形状が限られる。様々な三次元形状を表現するためには、その形状に合った型を用意しなければならないため、製造に時間がかかり、また製造コストも高くなる。
【0009】
本発明はこのような従来の問題点を解消し、比較的単純な構造の製造装置を用いて、様々な三次元形状を表現する布を短時間で製造できる製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造方法は、三次元空間を、互いに直交するX,Y,Zの3軸の座標で表現したときに、
複数本の縦糸を所定の間隔を隔てた状態でY軸方向に配置し、複数本の横糸を所定の間隔を隔てた状態でX軸方向に配置し、かつ前記複数本の縦糸および横糸のそれぞれに所定の張力を付与するステップと、
前記複数本の縦糸および横糸を、張力が付与されたまま送り出し、Z軸方向に移動可能な第1のロッドを用いて、前記複数本の縦糸のうち任意の縦糸を、あらかじめ定められた距離だけZ軸方向に変位させると共に、前記横糸との交点を、前記第1のロッドおよびZ軸方向に移動可能な第2のロッドにより挟持するステップと、
前記縦糸および横糸を、前記交点において接着するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記第1および第2のロッドの先端に形成された柱状の溝に、前記縦糸または横糸を収容するがことが好ましい。
【0012】
また前記第2のロッドは、前記縦糸と横糸の交点を所定の力で押圧することが好ましい。
【0013】
また前記第1および第2のロッドを、それぞれ長手方向と直交する方向に超音波振動させることにより、前記縦糸と横糸を接着することが好ましい。
【0014】
また本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造装置は、三次元空間を、互いに直交するX,Y,Zの3軸の座標で表現したときに、
複数本の縦糸を供給する縦糸供給ユニットと、
前記縦糸供給ユニットから供給され、かつ所定の間隔を隔てた状態でY軸方向に配置された複数本の縦糸に所定の張力を付与する縦糸テンション付与ユニットと、
複数本の横糸を供給する横糸供給ユニットと、
前記横糸供給ユニットから供給され、かつ所定の間隔を隔てた状態でX軸方向に配置された複数本の横糸に所定の張力を付与する横糸テンション付与ユニットと、
Z軸方向に移動可能な第1のロッドを有し、この第1のロッドによって前記複数本の縦糸のうち任意の縦糸をZ軸方向に変位させる第1のアクチュエータと、
Z軸方向に移動可能な第2のロッドを有し、前記第1のロッドと協同して、前記任意の縦糸と前記横糸の交点を挟持する第2のアクチュエータと、
前記交点において前記縦糸と前記横糸を接着する接着手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
ここで、前記第1アクチュエータが複数個、所定の間隔を隔ててX軸方向に配置された第1アクチュエータユニットと、前記第1アクチュエータユニットをY軸方向に移送する第1移送ユニットと、をさらに備えることが好ましい。
【0016】
また前記第2アクチュエータが複数個、所定の間隔を隔ててX軸方向に配置された第2アクチュエータユニットと、前記第2アクチュエータユニットをY軸方向に移送する第2移送ユニットと、をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の製造方法によれば、三次元形状を表現する布を、比較的単純な構造の製造装置を用いて製造できるため、保守性に優れている。さらに、制御ユニットに入力するデータを変えることにより、様々な三次元形状の布を短時間で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかる三次元形状を表現する布の製造装置の基本的な構成を示す斜視図である。
【図2】図1の製造装置の制御ユニットのブロック図である。
【図3】本発明の製造方法により製造される三次元形状を表現する布を、Z軸方向から見た平面図である。
【図4】図3の布をAA線で切断した断面図である。
【図5】図3の布のうち縦糸と横糸の交点を示す図である。
【図6】本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造工程を説明する要部正面図である。
【図7】本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造工程を説明する要部正面図である。
【図8】本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造工程を説明する要部正面図である。
【図9】本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造工程を説明する要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態にかかる三次元形状を表現する布の製造方法および製造装置について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
<製造装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態にかかる三次元形状を表現する布の製造装置(以降、単に「製造装置」と略す)の基本的な構成を示す。製造装置1は、横糸供給ユニット10、横糸テンション付与ユニット20、第1アクチュエータユニット30、第1移送ユニット40、第2アクチュエータユニット50および第2移送ユニット60を備えている。
【0021】
なお、図では見易さを考慮して省略しているが、横糸供給ユニット10および横糸テンション付与ユニット20と直交する方向に、縦糸供給ユニットおよび縦糸テンション付与ユニットが配設されている。また製造装置1は、図1に示すユニット以外に、図2に示す制御ユニット70を備えている。
【0022】
なお、第1アクチュエータユニット30、第1移送ユニット40、第2アクチュエータユニット50および第2移送ユニット60の各ユニットと制御装置70との間は、それぞれ配線によって接続されているが、図では見易さを考慮して配線を省略している。
【0023】
図1において、三次元空間を互いに直交するX、Y、Zの3軸の座標で表現したときに、横糸供給ユニット10および横糸テンション付与ユニット20により、2点鎖線で示すように、複数本の横糸3が、所定の間隔を隔てた状態(すなわち所定のピッチ)で、X軸と並行に張られている。
【0024】
横糸3の一方の端は、横糸供給ユニット10の本体11内に収容されたリール(図示せず)に巻回され、他方の端は、横糸テンション付与ユニット20の本体21内に収容されたリール(図示せず)に巻回されている。横糸供給ユニット10に収容されたリールから横糸3を引き出すためには一定の力が必要である。一方、横糸テンション付与ユニット20に収容されたリールは、巻回された横糸3に常に一定の張力(テンション)を付与するように構成されている。
【0025】
結果として、横糸供給ユニット10と横糸テンション付与ユニット20との間に張られた横糸3は、常に一定の張力(テンション)で引っ張られている。そして複数本の横糸3は、横糸供給ユニット10の側面に設けられた窓13と横糸テンション付与ユニット20の側面に設けられた窓(図示せず)との間に張られた状態で保持される。
【0026】
図示しない縦糸供給ユニットと縦糸テンション付与ユニットは、横糸供給ユニット10および横糸テンション付与ユニット20と同様の機能を備えたものであるため、説明を省略する。縦糸供給ユニットおよび縦糸テンション付与ユニットにより、図1に2点鎖線で示すように、複数本の縦糸2が、所定のピッチでY軸と並行に張られている。
【0027】
Y軸方向に張られた縦糸2およびX軸方向に張られた横糸3を挟むように、Z軸方向の下方には第1アクチュエータユニット30が配設され、上方には第2アクチュエータユニット50が配設されている。
【0028】
第1アクチュエータユニット30は、複数個(本実施の形態では8個)のアクチュエータ31が、X軸方向に縦糸2と同一のピッチで配置されたもので、それぞれの下端部はテーブル34に固定されている。
【0029】
アクチュエータ31は、Z軸方向に移動可能な円柱状もしくは角柱状のロッド(本実施の形態では円柱状を採用)33が、縦長の本体32の上部に突出した状態で収容されたものである。図示しないが、アクチュエータ本体32の内部には、ロッド33をZ軸方向に移動させる移動手段と、ロッド33の位置を検出する位置検出手段が内蔵されている。ロッド33の突出量は、図2に示す制御ユニット70により制御される。本実施の形態では、ロッド33の移動手段としてボールねじとナット、およびボールねじを回転するモータを用い、また位置検出手段として、モータの軸に取り付けられたロータリーエンコーダを用いている。
【0030】
テーブル34の下部には一対のアーム35が設けられており、このアーム35は、第1移送ユニット40の上面に設けられたスリット41に挿入されている。
【0031】
図示しないが、第1移送ユニット40の内部には、ボールねじがY軸方向に設置されており、このボールねじの外周に嵌め込まれたナットにテーブル34のアーム35が取り付けられている。ボールねじは第1移送ユニット40の内部に収容されたモータ(後述する図2の81)により回転可能であり、ボールねじが回転することにより、テーブル34はY軸方向に移動する。テーブル34の位置は、モータの軸に取り付けられたロータリーエンコーダ(後述する図2の82)からの信号により制御される。
【0032】
第2アクチュエータユニット50の構成は、上下が逆転している点を除き、基本的に第1アクチュエータユニット30の構成と同一である。すなわち、第2アクチュエータユニット50は、複数個(本実施の形態では8個)のアクチュエータ51が、X軸方向に、縦糸2と同一のピッチで配置され、かつそれぞれの上端部はテーブル54に固定されている。
【0033】
アクチュエータ51は、Z軸方向に移動可能なロッド53が、縦長の本体52の下部に突出した状態で収容されている。図示しないが、本体52の内部には、ロッド53をZ軸方向に移動させる移動手段が内蔵されている。アクチュエータ51はアクチュエータ31と異なり、移動手段は、駆動時にはロッド53を一定の力で下方に付勢し、非駆動時すなわち待機時には、ロッド53の突出量が最小となる状態で保持する。本実施の形態では、ロッド53の移動手段としてソレノイドを用いている。
【0034】
図1では第2移送ユニット60の陰に隠れているが、テーブル54の上部には一対のアームが設けられており、このアームは、第2移送ユニット60の下面に設けられたスリットに挿入されている。第2移送ユニット60の構成と機能は、第1移送ユニット40のそれと同一であるため、説明を省略する。
【0035】
次に、図2を参照して、製造装置1の制御を行う制御ユニット70について説明する。制御ユニット70は、制御部71、入力部72、メモリ73、第1移送ユニット駆動部74、第2移送ユニット駆動部75、第1AAユニット駆動部76および第2AAユニット駆動部77により構成されている。
【0036】
制御部71は通常、CPUで構成され、制御ユニット70の各部の動作を制御する。入力部72はキーボード、DVDドライブなどで構成され、制御部71での制御に必要なソフトウェアやデータを入力する。メモリ73は、RAMおよびROMで構成され、入力部72から入力されたソフトウェアやデータを格納する。メモリ73に格納されるデータには、縦糸2および横糸3のZ軸方向への変位量を定める、8個のアクチュエータ31のロッド33の突出量が含まれている。
【0037】
第1移送ユニット駆動部74には、図1に示す第1移送ユニット40のボールねじ(図示せず)を回転させるモータ81、およびモータ81の軸に取り付けられ、第1移送ユニット40の位置を検出するロータリーエンコーダ82が含まれる。制御部71は、ロータリーエンコーダ82の出力信号に基づいてモータ81の回転を制御することにより、第1移送ユニット40の移送距離を決定する。
【0038】
第2移送ユニット駆動部75には、図1に示す第2移送ユニット60のボールねじ(図示せず)を回転させるモータ83、およびモータ83の軸に取り付けられ、第2移送ユニット60の位置を検出するロータリーエンコーダ84が含まれる。制御部71は、ロータリーエンコーダ84の出力信号に基づいてモータ83の回転を制御することにより、第2移送ユニット60の移送距離を決定する。
【0039】
第1AAユニット駆動部76には、図1に示す第1アクチュエータユニット30の各アクチュエータ31a〜31h(以降、これらを総称して「アクチュエータ」31ともいう)毎に、ロッド33をZ軸方向に移動させる移動手段85a〜85fh、ロッド33の位置を検出する位置検出手段86a〜86h、およびロッド33に取り付けられた超音波振動子を駆動する振動子駆動手段87a〜87hが含まれる。制御部71は、位置検出手段86a〜86hの出力信号に基づいて移動手段85a〜85hの移動距離、すなわちロッド33a〜33hの突出量を制御する。
【0040】
第2AAユニット駆動部77には、図1に示す第2アクチュエータユニット50の各アクチュエータ51a〜51h(以降、これらを総称して「アクチュエータ」51ともいう)毎に、ロッド53をZ軸方向に移動させる移動手段88a〜88h、およびロッド53に取り付けられた超音波振動子を駆動する振動子駆動手段89a〜89hが含まれる。制御部71は、移動手段88a〜88hに対し2種類の制御信号を送出する。第1の制御信号は、ロッド53a〜53hを待機位置に保持する信号、第2の制御信号は、ロッド53a〜53hに付勢力を付与する信号である。
【0041】
<三次元形状を表現する布を製造する際の基本ステップ>
本発明にかかる製造方法の製造工程について説明する前に、三次元形状を表現する布を製造する際の基本ステップについて、図3および図4を参照して説明する。図3は、本発明により製造される三次元形状を表現する布をZ軸方向から見た平面図、図4(a)、(b)は、図3の布をAA線で切断した断面図である。
【0042】
普通の布は、平織、綾織、朱子織など、縦糸と横糸を上下に組み替えて、いわゆる織物としているが、本発明にかかる布5は、縦糸2と横糸3を、それぞれが交差する点(交点)4で接着することにより製造している。図4(a)に示すように、縦糸2と横糸3がZ軸方向に変位していなければ、平らな布が出来上がるが、図4(b)に示すように、縦糸2と横糸3の交点4をZ軸方向に変位させた状態で接着すると、変位の量に応じて三次元形状を実現できる。
【0043】
従って、縦糸2および横糸3として剛性がある糸(例えば、ポリエステルの糸)を用い、超音波振動などを利用して交点4を融着すれば、布5により三次元形状を実現できる。
【0044】
本発明の製造方法における第1のステップは、複数本の縦糸2を所定の間隔を隔てた状態でY軸方向に配置し、複数本の横糸3を所定の間隔を隔てた状態でX軸方向に配置し、かつ複数本の縦糸2および横糸3のそれぞれに所定の張力を付与するステップである。
【0045】
前述したように、縦糸2は、縦糸供給ユニットおよび縦糸テンション付与ユニットにより、常に一定の張力でY軸方向に引っ張られている。同様に横糸3は、横糸供給ユニット10および横糸テンション付与ユニット20により、常に一定の張力でX軸方向に引っ張られている。
【0046】
本発明の製造方法における第2のステップは、複数本の縦糸2および横糸3を、張力が付与されたまま送り出し、アクチュエータ31のロッド33を用いて、複数本の縦糸2のうち任意の縦糸を、あらかじめ定められた距離だけZ軸方向に変位させると共に、横糸3との交点4を、ロッド33およびアクチュエータ51のロッド53により挟持するステップである。
【0047】
また本発明の製造方法における第3のステップは、縦糸2および横糸3を、交点4において接着するステップである。
【0048】
図4および図5を参照して、縦糸2と横糸3をZ軸方向に変位させる方法と、交点4の接着方法について説明する。図5(a)、(b)および(c)は、縦糸2と横糸3の交点4を、Y軸方向、X軸方向および斜め上方から見た図である。
【0049】
図5に示すように、ロッド33の先端には、半円柱状の溝36がY軸と平行に形成され、同様にロッド53の先端には、半円柱状の溝56がX軸と平行に形成されている。
【0050】
第2のステップについて説明する。図4(b)に2点鎖線で示すように、最初に、アクチュエータ31aのロッド33aを上昇させて、ロッド33aの溝36で縦糸2を保持し、その状態のままロッド33を予め定められた位置まで上昇させる。
【0051】
次に、図4(b)に2点鎖線で示すように、アクチュエータ51aのロッド53aを下降させて、ロッド53aの溝36で横糸3を保持し、その状態のままロッド53aを、横糸3が縦糸2に当接するまで下降させ、ロッド33aとロッド53aで縦糸2と横糸3の交点4を挟持する。
【0052】
図5(a)〜(c)に、ロッド33aとロッド53aによって縦糸2と横糸3の交点4が挟持された状態を示す。この状態では、ロッド33aは、アクチュエータ31aの移動手段85a(図2参照)によりZ軸方向の位置が規制され、一方、ロッド53aは、アクチュエータ51aの移動手段88a(図2参照)によって下方に付勢されているため、縦糸2と横糸3は交点4において、押圧された状態で保持される。
【0053】
第3のステップについて説明する。ロッド33aおよび53aに取り付けられた超音波振動子(図示せず)を用いて、ロッド33aに、図5(c)の矢印Aに示す方向の超音波振動を加え、またロッド53aに、図5(c)の矢印Bに示す方向の超音波振動を加える。すると、縦糸2と横糸3の交点4において摩擦熱が発生し、それぞれの表面部分が溶融する。縦糸2と横糸3の表面部分が溶融した段階で超音波振動を止めると、溶融部分が冷却され、縦糸2と横糸3が交点4において接着される。
【0054】
図4に矢印で示すように駆動するアクチュエータ31を、31aから1つずつ右のアクチュエータへ順にずらしていき、併せてロッド33のZ軸方向への変位量(突出量)を変えながら上述した動作を繰り返す。さらに第1アクチュエータユニット30と第2アクチュエータユニット50を、Y軸方向に1ピッチずつ移動させながら、ロッド33とロッド53による縦糸2と横糸3の交点4の変位と接着を繰り返す。最終的に、縦糸2と横糸3を全ての交点4で接着すれば、三次元形状を表現する布5が出来上がる。
【0055】
ちなみに、三次元形状を表現する布を用いて人の顔を復元する場合、X軸方向およびY軸方向の幅を255mm、Z軸方向の幅を51mmとし、X軸方向およびY軸方向のピッチを1mm、Z軸方向のピッチを0.2mmとすることが好ましい。また縦糸2と横糸3の太さは0.3〜0.5mmとすることが好ましい。
【0056】
縦糸2および横糸3として剛性の強い単繊維を使用すれば、出来上がった布5は、ほぼ固定された立体形状となる。一方、縦糸2および横糸3としてより糸を使用すれば、出来上がった布5は折り畳みが可能な立体形状となる。また、炭素繊維、金属繊維、形状記憶繊維、光ファイバーなどを使用すれば、それぞれの繊維に特有の機能を付加できる。さらに出来上がった布を塗料溶液などに漬け、各交点によって形成される四角の孔に膜を張れば、隙間を埋めることができる。また出来上がった布に着色すれば、立体コピーを実現できる。
【0057】
<製造工程>
次に、図6〜図9を参照し、図1および図2に示した製造装置1を用いて三次元形状を表現する布を製造する際の工程について、具体的に説明する。図6〜図9は、各製造工程における第1アクチュエータユニット30と第2アクチュエータユニット50の状態を、図1のY軸方向から見た図である。
【0058】
図6に示すように、ロッド33a〜33hの先端部近傍の外周には、たわみ振動子などの、ロッドの長手方向と直交する方向の振動を発生させる超音波振動子35a〜35hが取り付けられている。図示しないが、ロッド33a〜33hの中心には中空部が形成されており、超音波振動子35a〜35hは、ロッド33a〜33hの中空部に収容された配線を介して、図2の振動子駆動手段87a〜87hに接続されている。
【0059】
同様に、ロッド53a〜53hの先端部近傍の外周には超音波振動子55a〜55hが取り付けられている。図示しないが、ロッド53a〜53hの中心には中空部が形成されており、超音波振動子55a〜55hはロッド53a〜53hの中空部に収容された配線を介して、図2の振動子駆動手段89a〜89hに接続されている。なお、上述の超音波振動子35a〜35hおよび55a〜55hは、本発明の接着手段を構成している。
【0060】
最初に、図1に示すように、横糸供給ユニット10および横糸テンション付与ユニット20との間に、複数本の横糸3を所定のピッチで張る。同様に、縦糸供給ユニットおよび縦糸テンション付与ユニット(図示せず)との間に、複数本の縦糸2を所定のピッチで張る。
【0061】
横糸3は、横糸供給ユニット10の本体11内に収容されたリール(図示せず)に巻回されており、作業者は、ふた12を開けてリール(図示せず)に巻かれた横糸3を引き出す。続いて作業者は、横糸テンション付与ユニット20のふた22を開けて本体21内に収容されたリール(図示せず)に横糸3を巻き付けると共に、横糸3に所定の張力を付与する。
【0062】
縦糸2についても、横糸3と同様の手順により、縦糸供給ユニットと縦糸テンション付与ユニット(図示せず)との間に取り付けて所定の張力を付与する。
【0063】
図6に、縦糸2がY軸方向(紙面と垂直な方向)に張られ、横糸3がX軸方向(紙面と平行な方向)に張られた状態を示す。縦糸2の上方に、横糸3が、縦糸2と一定の間隔を隔てた状態で張られている。
【0064】
次に、図2の制御部71の制御に基づいて第1移送ユニット駆動部74のモータ81を駆動して、図1の第1アクチュエータユニット30をY軸方向に移動させ、アクチュエータ31a〜31hのロッド33a〜33hが、複数本の横糸3のうち一番手前に張られた横糸3に対向する位置で停止する。同様に、制御部71の制御に基づいて第2移送ユニット駆動部75のモータ83を駆動して、第2アクチュエータユニット60をY軸方向に移動させ、アクチュエータ51a〜51hのロッド53a〜53hが、横糸3のうち一番手前に張られた横糸に対向する位置で停止する。
【0065】
次に、図6に示すように、制御部71の制御に基づいてアクチュエータ31a〜31hの移動手段85a〜85hを駆動して、ロッド33a〜33hを待機位置から上昇させ、それぞれのロッドの先端に形成された溝36の中に縦糸2が収容された状態で停止する。この時点では、第2アクチュエータユニット60のアクチュエータ31a〜31hのロッド33a〜33hは、突出量が最も少ない待機位置で停止している。
【0066】
次に、制御部71は、図7に示すように、メモリ73に格納されたアクチュエータ31aのロッド33aの位置データを読み出し、アクチュエータ31aの移動手段85aを駆動してロッド33aを上昇させ、ロッド33aの先端を、位置データで指定された位置で保持する。
【0067】
また制御部71は、アクチュエータ51aの移動手段88aを駆動してロッド53aを待機位置から下方に移動させて先端の溝56に横糸3を収容し、さらに横糸3が、ロッド33aに保持された縦糸2に当接するまで下降させる。アクチュエータ51aの移動手段88aは、その後、ロッド53aを一定の力で下方に付勢し、ロッド33aとロッド53aによって縦糸2と横糸3の交点4を押圧した状態を保持する。
【0068】
次に、制御部71は、アクチュエータ31aの振動子駆動手段87a、およびアクチュエータ51aの振動子駆動手段89aを駆動させ、前述の図5で説明したように、ロッド33aの先端部をX軸方向に振動させ、ロッド53aの先端部をY軸方向に振動させる。振動により縦糸2と横糸3の接触面で熱が発生し、縦糸2と横糸3の表面部分が溶融して両者が接着される。
【0069】
次に、制御部71は、図8に示すように、メモリ73に格納されたアクチュエータ31bのロッド33bの位置データを読み出し、アクチュエータ31aと同様にして、ロッド33bの先端を、位置データで指定された位置に保持する。また、制御部71は、アクチュエータ51bの移動手段88bを駆動してロッド53bを待機位置から下方に移動させて、溝56に収容された横糸3が、ロッド33bに保持された縦糸2に当接するまで下降させ、さらにロッド33bとロッド53bによって縦糸2と横糸3の交点4を押圧した状態を保持する。
【0070】
次に、制御部71は、アクチュエータ31bの振動子駆動手段87b、およびアクチュエータ51bの振動子駆動手段89bを駆動させ、ロッド33bおよび53bを振動させて、縦糸2と横糸3を接着する。
【0071】
引き続き、ロッド33c〜33hおよび53c〜53hについて上述した処理を繰り返す。全てのロッドについて処理が終了した状態を図9に示す。縦糸2と横糸3は8個の交点4で接着され、三次元形状が保持される。
【0072】
一番手前の横糸3の全ての交点4の接着が終了した後、制御部71は、アクチュエータ31a〜31hの移動手段85a〜85h、およびアクチュエータ51a〜51hの移動手段88a〜88hを駆動して、ロッド33a〜33hおよび53a〜53hを、図6に示す位置に後退させる。
【0073】
その後、制御部71は、第1移送ユニット駆動部74に指示してモータ81を駆動し、図1に示す第1アクチュエータユニット30をY軸方向に移動させ、アクチュエータ31a〜31hのロッド33a〜33hが、複数本の横糸3のうち手前から2番目に張られた横糸に対向する位置で停止させる。同様に、制御部71は、第2移送ユニット駆動部75に支持してモータ83を駆動し、第2アクチュエータユニット60をY軸方向に移動させ、アクチュエータ51a〜51hのロッド53a〜53hが、横糸3のうち手前から2番目に張られた横糸に対向する位置で停止させる。
【0074】
製造装置1は、手前から2番目に張られた横糸3について、前述の図6〜図9を用いて説明した処理を行う。さらに制御ユニット70は、第1アクチュエータユニット30および第2アクチュエータユニット50をY軸方向に1ピッチずつ移動させながら同様の処理を繰り返し、最終的に、縦糸2と横糸3の全ての交点4をあらかじめ定めた距離だけZ軸方向に変位させると共に、縦糸2と横糸3を全ての交点4で接着する。
【0075】
その後、作業者は接着が完了した布5を、縦糸供給装置ならびに縦糸テンション付与装置(図示せず)、および横糸供給装置10ならびに横糸テンション付与装置20から取り外し、不要な糸を切断する。このようにして、三次元形状を表現する布5が完成する。
【0076】
以上説明したように、本発明の製造方法では、あらかじめメモリ73に、布により表現する三次元形状のデータをロッド33a〜33hの突出量として格納しておけば、三次元形状を表現する布を短時間で製造できる。また、メモリ73に格納するデータを変更するだけで、様々な三次元形状を表現する布を製造できる。
【0077】
さらに本発明の製造方法では、アクチュエータ31および51のY軸方向への移送、ロッド33および53のZ軸方向への移動、ロッド33および53の振動という、単純な動作を組み合わせることによって布5を製造している。これに伴って、製造装置1として比較的単純な構造を採用することができるため、保守性に優れた製造装置を提供できる。
【0078】
なお、上述した実施の形態では、第1および第2アクチュエータユニットとして8個のアクチュエータを備えたユニットを用いたが、これに限定されないことは云うまでもない。それぞれのアクチュエータの数を増やすことにより、面積の広い布を製造できる。
【0079】
また、第1および第2アクチュエータユニットとして、アクチュエータ群がY軸方向に複数列配列されたユニットを用い、複数本の横糸の変位と交点の接着を同時に行えば、製造時間を短縮できる。
【0080】
なお、密度の高い布を用いて三次元形状を実現する場合には、よりピッチの狭いアクチュエータユニットを用いる必要があるが、この場合、アクチュエータ本体にロッドの移動手段を格納することが困難になる。このような場合には、アクチュエータ本体からロッドの移動手段を分離し、ロッドの移動方向と直交する方向に配置するなどの工夫が必要となる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、第1および第2アクチュエータユニットを、第1移送ユニットおよび第2移送ユニットを用いてY軸方向に移送するように構成したが、第1および第2アクチュエータユニットを固定し、代わりに、縦糸供給ユニットならびに縦糸テンション付与ユニット、および横糸供給ユニットならびに横糸テンション付与ユニットを、X軸方向およびY軸方向に移動させるように構成してもよい。
【0082】
上述した構成において、横糸に対する縦糸の交点の数が、第1および第2アクチュエータユニットのアクチュエータの数よりも多くなるように設定すれば、面積の広い布を用いて三次元形状を実現できる。ただし、この場合、縦糸供給ユニットならびに縦糸テンション付与ユニットの移送ユニットと、横糸供給ユニットならびに横糸テンション付与ユニットの移送ユニットとを、同期して移動させる必要があるため、移送ユニットの制御が複雑になる。
【0083】
また、上述した実施の形態では、縦糸と横糸を接着する手段として、ロッドに取り付けられた超音波振動子を用いたが、これに限定されない。例えば、赤外線レーザを縦糸と横糸の交点に照射して糸を溶融する方法や、縦糸と横糸の交点を接着剤により接着する方法を採用してもよい。さらに、予め縦糸と横糸のそれぞれに熱用溶融性樹脂を加えておき、上述した縦糸と横糸の変位と挟持を加熱雰囲気中で行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明にかかる三次元形状を表現する布の製造方法は、衣料分野のみならず、医療分野、さらにはネットやメッシュを用いて三次元形状を復元する分野などに広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 三次元形状を表現する布の製造装置
2 縦糸
3 横糸
4 交点
5 三次元形状を表現する布
10 横糸供給ユニット
12、22 フタ
13 窓
20 横糸テンション付与ユニット
30 第1アクチュエータユニット
31a〜31h、51a〜51h アクチュエータ
32a〜32h、52a〜52h アクチュエータ本体
33a〜33h、53a〜53h ロッド
34、54 テーブル
35 アーム
36、56 溝
40 第1移送ユニット
41 スリット
50 第2アクチュエータユニット
60 第2移送ユニット
70 制御ユニット
71 制御部
72 入力部
73 メモリ
74 第1移送ユニット駆動部
75 第2移送ユニット駆動部
76 第1AAユニット駆動部
77 第2AAユニット駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元空間を、互いに直交するX,Y,Zの3軸の座標で表現したときに、
複数本の縦糸を所定の間隔を隔てた状態でY軸方向に配置し、複数本の横糸を所定の間隔を隔てた状態でX軸方向に配置し、かつ前記複数本の縦糸および横糸のそれぞれに所定の張力を付与するステップと、
前記複数本の縦糸および横糸を、張力が付与されたまま送り出し、Z軸方向に移動可能な第1のロッドを用いて、前記複数本の縦糸のうち任意の縦糸を、あらかじめ定められた距離だけZ軸方向に変位させると共に、前記横糸との交点を、前記第1のロッドおよびZ軸方向に移動可能な第2のロッドにより挟持するステップと、
前記縦糸および横糸を、前記交点において接着するステップと、を含むことを特徴とする三次元形状を表現する布の製造方法。
【請求項2】
前記第1および第2のロッドの先端に形成された柱状の溝に、前記縦糸または横糸を収容することを特徴とする、請求項1に記載の三次元形状を表現する布の製造方法。
【請求項3】
前記第2のロッドは、前記縦糸と横糸の交点を所定の力で押圧することを特徴とする、請求項2に記載の三次元形状を表現する布の製造方法。
【請求項4】
前記第1および第2のロッドを、それぞれ長手方向と直交する方向に超音波振動させることにより、前記縦糸と横糸を接着することを特徴とする、請求項3に記載の三次元形状を表現する布の製造方法。
【請求項5】
三次元空間を、互いに直交するX,Y,Zの3軸の座標で表現したときに、
複数本の縦糸を供給する縦糸供給ユニットと、
前記縦糸供給ユニットから供給され、かつ所定の間隔を隔てた状態でY軸方向に配置された複数本の縦糸に所定の張力を付与する縦糸テンション付与ユニットと、
複数本の横糸を供給する横糸供給ユニットと、
前記横糸供給ユニットから供給され、かつ所定の間隔を隔てた状態でX軸方向に配置された複数本の横糸に所定の張力を付与する横糸テンション付与ユニットと、
Z軸方向に移動可能な第1のロッドを有し、この第1のロッドによって前記複数本の縦糸のうち任意の縦糸をZ軸方向に変位させる第1のアクチュエータと、
Z軸方向に移動可能な第2のロッドを有し、前記第1のロッドと協同して、前記任意の縦糸と前記横糸の交点を挟持する第2のアクチュエータと、
前記交点において前記縦糸と前記横糸を接着する接着手段と、を備えることを特徴とする三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項6】
前記第1アクチュエータが複数個、所定の間隔を隔ててX軸方向に配置された第1アクチュエータユニットと、
前記第1アクチュエータユニットをY軸方向に移送する第1移送ユニットと、をさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載の三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項7】
前記第2アクチュエータが複数個、所定の間隔を隔ててX軸方向に配置された第2アクチュエータユニットと、
前記第2アクチュエータユニットをY軸方向に移送する第2移送ユニットと、をさらに備えることを特徴とする、請求項5または6に記載の三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項8】
前記第1および第2のロッドの先端に、前記縦糸または横糸を収容する柱状の溝が形成されていることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれかに記載の三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項9】
前記第2のアクチュエータは、前記第2のロッドにより、前記縦糸と横糸の交点を所定の力で押圧するように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項10】
前記第1および第2のロッドには、それぞれ長手方向と直交する方向に超音波振動させる超音波振動子が取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の三次元形状を表現する布の製造装置。
【請求項11】
三次元空間を、互いに直交するX,Y,Zの3軸の座標で表現したときに、
所定の間隔を隔ててY軸方向に配置された複数本の縦糸と、所定の間隔を隔ててX軸方向に配置された複数本の横糸とで構成され、
前記複数本の縦糸と前記複数本の横糸との複数個の交点が、それぞれZ軸方向にあらかじめ定めた距離だけ変位していると共に、前記交点において前記複数本の縦糸と横糸が接着されている、ことを特徴とする三次元形状を表現する布。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−127245(P2011−127245A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286079(P2009−286079)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(509347239)一般社団法人モアレ研究所 (6)
【Fターム(参考)】