説明

三陰交・血海指圧シート

【課題】本発明は、ツボ療法により婦人科疾患を予防解消するものであって、婦人科疾患には必須である三陰交穴および血海穴の二穴を正確に簡単に見つけ指圧することで、三陰交穴および血海穴の婦人科疾患を主とする効果効能を期待する三陰交・血海指圧シートを提供することを目的とするものである。
【解決手段】三陰交・血海指圧シートは、1枚のシートの両面で構成されている。シートは三陰交指圧シート面と血海指圧シート面からなり、それぞれに三陰交穴と血海穴周囲の体表に関連する形状に形成され、関連部分を示す表示及び三陰交穴と血海穴の位置が表示されることで三陰交穴と血海穴を正確に簡単に見つけることが出来る。また、三陰交穴表示部と血海穴表示部の反対面に突起が設けられ三陰交穴表示部または血海穴表示部を押すことで、突起により三陰交穴または血海穴を指圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツボ療法により婦人科疾患を予防解消する為の物であって、婦人科疾患には必須である三陰交穴および血海穴の二穴を正確に簡単に見つけ指圧することで、三陰交穴および血海穴の婦人科疾患を主とする効果効能を期待する三陰交・血海指圧シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ツボ療法が疾病の治療予防、健康促進に有効であることは十分理解されており、ツボを利用する治療健康用具が多数考えられてきた。
【0003】
三陰交穴や血海穴を使用するものも多く、三陰交穴は別名「女三里」と言い、婦人科疾患には欠くべからざるツボであり、また血海穴は読んで字の如、血(けつ)の海であり血(けつ)が集まる所で生理不順などを整えるツボとされている。
【0004】
登録実用新案公報第3061277号公報には、三陰交を刺激する「足用健康具」があるが、基台と足支え板等の構成から成るもので、どこでも気軽に使用できるものではなかった。また、足の自重により刺激する物であるが三陰交のツボ位置は下肢内側にあり足の自重が有効に働かない可能性があった。
【0005】
登録実用新案公報第3034431号には、三陰交に着目した「ポケット付きツボ保温サポータ」があるが、温熱刺激によるもので夏場の使用には制限があった。また、サポータは装飾的な点でズボンを着用するなど使用時には服装に制限があった。
【0006】
特開2010−121236公報には、血海穴を刺激する「係留部材付き弾性保護具」がるが、上記同様サポータであり、装飾的な点でズボンを着用するなど使用時には服装に制限があった。
【0007】
実用新案登録第3138039号には、血海穴を刺激する「エコノミー症候群を防ぐベルト」があり、血海穴を空気圧で刺激するものであるがエアーコンプレッサーを有効に働かせるにはベルトをきつく閉めることが必要であり圧迫による不快感を生じる可能性があった。
【0008】
特開2008−104702号には、「ツボ表示具及びツボ表示具を備えた衣類」があるが、ツボの知識が無い者が、病気予防、症状解消など目的に応じて使用するのには無理があった。
【0009】
また、特開平10−113376号に「指圧衣類」があり、ツボの知識が無い者でも使用できるように多数の突起で対処する物であるが、ツボの効果には相反する作用のものもあり多数のツボ刺激はツボの効果が相殺され、ツボが個々に有する効果効能を期待出来るものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】登録実用新案公報第3061277号公報
【特許文献2】登録実用新案公報第3034431号公報
【特許文献3】特開2010−121236号公報
【特許文献4】実用新案登録第3138039号公報
【特許文献5】特開2008−104702号公報
【特許文献6】特開平10−113376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、ツボ療法の対象を主に婦人科疾患として、使用穴を婦人科疾患には必須である三陰交穴および血海穴の二穴とし、ツボの知識が無い者でも三陰交穴および血海穴を正確に簡単に見つけ指圧することが出来るようにすることで、三陰交穴および血海穴の婦人科疾患を主とする効果効能を期待する三陰交・血海指圧シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る三陰交・血海指圧シートは、1枚のシートの両面で構成されている。シートは三陰交指圧シート面と血海指圧シート面からなり、それぞれに三陰交穴と血海穴周囲の体表に関連する形状に形成され関連部分を示す表示及び三陰交穴と血海穴の位置が表示され、三陰交穴と血海穴を正確に簡単に見つけることが出来る。
【0012】
また、三陰交穴表示部と血海穴表示部の反対面に突起が設けられ三陰交穴表示部または血海穴表示部を押すことで、突起により三陰交穴または血海穴を指圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)三陰交・血海指圧シートは、1枚のシートの両面で構成され、シートは三陰交指圧シート面と血海指圧シート面からなり、それぞれに三陰交穴と血海穴周囲の体表に関連する形状に形成され、関連部分を示す表示及び三陰交穴と血海穴の位置が表示されているので、三陰交穴と血海穴を正確に簡単に見つけることが出来る。
【0014】
(2)前記(1)によって三陰交穴と血海穴を正確に簡単に見つけることが出来、三陰交穴表示部または血海穴表示部を押すことで、三陰交穴表示部と血海穴表示部の反対面に形成された突起により三陰交穴または血海穴を指圧することが出来る。
【0015】
(3)前記(1)(2)によって、三陰交穴および血海穴の生理不順、生理痛、更年期障害等婦人科疾患に対する効果が期待できる以外に、三陰交穴および血海穴には、冷え性、蕁麻疹、消化不良、腹痛、足のむくみ、エコノミークラス症候群等に効果があるとされ、これらの症状の予防解消をすることも期待できる。
【0016】
(4)前記(1)によって、三陰交穴と血海穴を正確に見つけることで、市販の貼付式治療器、簡易灸を正確なツボ位置で使用することでより一層の効果が期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面図である。
【図2】本発明に係る三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面図である。
【図3】本発明に係る三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面を使用して右足三陰交穴を指圧する概略斜視図である。
【図4】本発明に係る三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面を使用して右足血海穴を指圧している状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。
【0019】
当該三陰交・血海指圧シートは、柔軟性のある合成樹脂で形成されるのが望ましいが、紙、合成紙、不織布などで形成してもよい。
【0020】
図1は本発明に係る三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面図、図2は三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面図であり、図3は三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面を使用して右足三陰交穴を指圧する概略斜視図、図4は三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面を使用して右足血海穴を指圧している状態を示す概略斜視図である。
【0021】
図1は本発明に係る三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面図であり、三陰交穴を見つけ指圧する面に当たる。三陰交穴の体表に関連する脛骨内果、俗に言う内くるぶしを目標とする貫通孔(H1)(H2)が形成され、脛骨部とヒラメ筋部を分ける骨の部分と筋肉の部分の色分け表示と三陰交穴表示部に色分けされ、「左足内くるぶし」「右足内くるぶし」「骨の部分」「筋肉の部分」「三陰交」の文字表示がされ、このような構成を備えることで、三陰交穴を正確に簡単に見つけることができる。
【0022】
三陰交穴は、取穴法の一つである骨度法では、内果尖端の直上3寸で、脛骨後縁にあるとされており、骨度法では脛骨内側顆から内果尖端までを13寸としている。本発明に係る三陰交・血海指圧シートは男性より女性の使用頻度が高くなることが予想されるので、成人女性の平均身長を160cmとして脛骨内側顆から内果尖端までを約30cmとすると、三陰交は内果尖端から3寸の位置にあり300÷13×3≒69という結果から(a)を69mmとしている。
【0023】
図3は三陰交・血海指圧シートの三陰交指圧シート面を使用して右三陰交穴を指圧する概略斜視図である。該シート(H2)「右足内くるぶし」表示の中心に脛骨内果尖端を置き、色分けされた境界線を脛骨部とヒラメ筋部の境界線に合せることで右三陰交穴を見つけ指圧する。尚、脛骨部とヒラメ筋部の境界線は軽指圧で誰でも簡単に分かる。
【0024】
図2は本発明に係る三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面図であり、血海穴を見つけ指圧する面に当たる。血海穴の体表に関連する膝蓋骨俗に言う膝がしらを囲み目標とする半径(c)約50mmの円弧が形成され「膝がしら上縁を囲む」の文字表示と血海穴表示部の色分け及び「左足血海」「右足血海」の文字表示がされる。前記のような構成を備えることで、血海穴を正確に簡単に見つけることができる。
【0025】
血海穴は、膝蓋骨の内上角の上2寸にあるとされ、上記三陰交取穴に当たり1寸を23mmとする計算となるから(e)は46mmとなる。(d)は50mmでおおよそ膝蓋骨の幅としている。
【0026】
図4は三陰交・血海指圧シートの血海指圧シート面を使用して右足血海穴を指圧している状態を示す概略斜視図である。該シート「膝がしら上縁を囲む」の表示部のある円弧部分で膝蓋骨上縁を囲うことで右血海穴を見つけ指圧する。
【0027】
また、三陰交・血海指圧シートには三陰交穴・血海穴表示部の反対面同位置に適度な硬さを有する突起が形成される、大きさは直径10mm高さ5〜7mm程度が望ましい。しかし、これは指圧の際に弱い力で指圧効果を得ようとするための突起であるから、十分な力を有する場合には必要がなく突起を設けることは必須ではない。
【0028】
また、上記に示す数値は絶対的なものではなく、より客観的で有効な数値があれば変更も可能である。さらに、身長及び体型別にサイズを数種類用意しても良い。
【0029】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲の変形例を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、婦人科疾患には必須である三陰交穴および血海穴の効果効能である生理不順、生理痛、更年期障害等婦人科疾患以外に、三陰交穴または血海穴には、冷え性、蕁麻疹、消化不良、腹痛、足のむくみ、エコノミークラス症候群等に効果があるとされ医療健康産業の他、足のむくみを解消することで美容産業、また、下肢の血流を良くしてエコノミークラス症候群を予防する効果も期待できるので旅行産業で利用される。
【符号の説明】
【0031】
S 三陰交穴表示部
KI 左足血海穴表示部
K2 右足血海穴表示部
A 三陰交穴を指圧する突起
B1 左足血海穴を指圧する突起
B2 右足血海穴を指圧する突起
H1 左足脛骨内果尖端を中心に入れる貫通孔
H2 右足脛骨内果尖端を中心に入れる貫通孔
a 脛骨内果尖端から三陰交までの高さ
c 膝蓋骨上縁を囲む円弧の半径
d 膝蓋骨の幅
e 膝蓋骨内上角から血海穴までの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三陰交・血海指圧シートは、1枚のシートの両面で構成され、シートは三陰交指圧シート面と血海指圧シート面からなり、それぞれに三陰交穴と血海穴周囲の体表に関連する形状に形成され、関連部分を示す表示及び三陰交穴と血海穴の位置が表示され、三陰交穴と血海穴を正確に簡単に見つけることが出来ることを特徴とする三陰交・血海指圧シート。
【請求項2】
三陰交・血海指圧シートは、三陰交穴表示部と血海穴表示部の反対面に突起が設けられ三陰交穴表示部または血海穴表示部を押すことで、突起により三陰交穴または血海穴を指圧することを特徴とする請求項1に記載の三陰交・血海指圧シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192150(P2012−192150A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83135(P2011−83135)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(595076330)
【Fターム(参考)】