説明

上包み包装機の物品保持移送装置

【課題】角柱状で柔らかく変形し易い食品の角部の変形を抑制した包装状態とする。
【解決手段】搬送体12に、収容部材20が着脱自在に配設される。搬送体12の下面支持部材22と収容部材20とで、上部に開口して食品を収容保持する物品収容部24が構成される。物品収容部24に収容された食品の角部と対応する位置に、角部から離間するよう外側方に拡開する空所となる角部収容空間部26が設けられる。そして、物品収容部24の上部開口を覆うように搬送体12に載置したフィルムシートの上方から物品収容部24内に食品を押し込んで収容することで、食品の下面と側面とがフィルムシートで覆われる。このとき、食品と共に物品収容部24に引き込まれるフィルムシートは、角部収容空間部26によって角部付近で過度に絞り込まれた状態で寄せ集められることはなく、角部に加わる負荷が軽減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば角柱状の蒸しパン等の如く柔らかく変形し易い角部を有する食品をフィルムシートで包装する上包み包装機の物品保持移送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
餅饅頭等の柔らかく変形し易い食品を、従来の角折り包装形態に代えて、薄手のフィルムシートで食品全体を密着するように覆って自動包装する上包み包装機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の上包み包装機では、食品の外形形状に略沿った形状の物品収容部を形成した搬送体上面にフィルムシートを載置し、該フィルムシートの上方から食品を物品収容部に押し込んで収容することで、食品の下面および側面を該フィルムシートで密着するよう覆った後、物品収容部外に延出するシート縁部を食品の上面側に折り畳み、その折り畳部をシールすることで食品が包装される。
【特許文献1】特許第3612649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
三角柱状の蒸しパン等の柔らかく変形し易い複数の角部を有する食品を、例えばポリエチレン素材からなる12μ前後の薄手のストレッチフィルムで密着するように覆って包装した包装品が市販されている。このような角部を有する食品を、前記特許文献1に開示の上包み包装機の技術を適用して自動的にフィルム包装する場合には、食品をフィルムに密着させる関係上、前述したと同様に物品収容部は食品と相似形に形成されるから、食品は略隙間のない状態でフィルムシートと共に物品収容部に押し込まれて収容される。このとき、物品収容部に引き込まれるフィルムシートの引き込み抵抗が角部に集中し易く、また角部付近に位置したフィルムは角部に寄せ集められるようにしてまとまった状態で絞り込まれるように引き込まれるために、該角部が商品価値を損ねるほど潰れて変形してしまうといった問題を招く恐れがある。更に、物品収容部に収容された食品を覆うフィルムシートの縁部を上部で纏めて折り畳む際にも、該フィルムシートを折り畳む力が角部に集中して該角部が商品価値を損ねるほど潰れて変形する恐れもある。従って、前述した蒸しパン等の柔らかく変形し易い角部を有する食品については、包装する際に角部が変形して商品価値が低下してしまう等の問題から依然として手作業に頼っている。
【0004】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、角部を有する食品における角部の変形を抑制して良好に包装できる上包み包装機の物品保持移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の上包み包装機の物品保持移送装置は、
角部を有する立体形状からなる食品を外周面に沿ってフィルムシートで覆うように包装する上包み包装機の物品保持移送装置であって、
搬送手段に配設された搬送体は、前記食品の立体形状に沿った形状で凹設されて、搬送体に載置されたフィルムシートにより上部開口が覆われる物品収容部を備え、
前記物品収容部には、前記搬送体に載置されたフィルムシートの上方から物品収容部内に収容された食品の各角部と対応する位置に、該角部から離間するよう外側方に拡開する角部収容空間部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、食品を物品収容部に押し込んで収容する際に、角部付近のフィルムシートは角部収容空間部によって該角部から離間した状態で物品収容部に引き込まれると共にフィルムが角部に寄せ集められて絞り込まれるのを防止できるので、フィルムシートの引き込み抵抗の負荷が角部に働く力を軽減でき、例えば蒸しパン等の柔らかく変形し易い食品であってもその角部が変形するのを抑制し、手作業での包装と遜色がない包装形態を得ることができる。すなわち、本発明によれば、蒸しパンに限らず、スポンジケーキ、サンドイッチ、その他の柔らかく変形し易い各種パン・ケーキ類等、柔らかく変形し易い角部を有する食品の全てについて、角部の変形が抑制された良好な包装形態とし得る。また食品の形状についても、三角柱や四角柱等の角柱状に限らず、角部を有する形状であれば、本発明によって良好な包装が達成される。
【0006】
請求項2に係る発明では、前記角部収容空間部は、前記物品収容部内に収容された食品の角部に対する外側方に向けて上部で円弧状に拡開していることを要旨とする。
これによれば、角部収容空間部の開口部が角張っていないから、食品の角部と共に物品収容部に引き込まれるフィルムシートの引き込み抵抗を効果的に軽減でき、食品の角部に加わる負荷をより小さくして変形を抑制し得る。
【0007】
請求項3に係る発明では、前記搬送体におけるフィルムシートとの接触面には、フィルムシートとの粘着を抑制する粘着抑制処理が施されていることを要旨とする。
これによれば、食品を物品収容部に押し込む際に、物品収容部内に引き込まれるフィルムと搬送体のフィルム接触面との粘着を抑制し得るから、ストレッチフィルム等の自己粘着性を有するフィルムであってもフィルムに対する引張抵抗が発生することなく、食品に加わる負荷を軽減して、食品の変形を抑制することができる。
【0008】
請求項4に係る発明では、前記物品収容部が形成された収容部材が、前記搬送体に着脱自在に設けられていることを要旨とする。
これによれば、収容部材を交換することで、包装する食品のサイズや形状等を変更でき、装置の汎用性を向上し得る。また、収容部材を搬送体から取外して外部で簡単に清掃や洗浄を行なうことができるので、メンテナンス性が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る上包み包装機の物品保持移送装置によれば、例えば蒸しパン等の柔らかく変形し易い角部を有する食品を自動包装する際に、角部の変形を抑制して手作業での包装と遜色のない包装をなし得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、蒸しパン、スポンジケーキ、サンドイッチ、その他の柔らかく変形し易い各種パン・ケーキ類からなる食品に好適な上包み包装機の物品保持移送装置につき、実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお実施例では、上面および下面が三角形状を呈する三角柱状の蒸しパンを包装する場合で説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、実施例に係る上包み包装機の物品保持移送装置の概略構成を示すものであって、該装置は、図示しないフィルム供給装置が配置されたフィルム供給ステーションの下方に配設された搬送手段14を備える。搬送手段14は、チェン・スプロケットからなる駆動機構を備え、幅方向に離間する一対の無端チェン16,16間に、走行方向に複数の搬送体12が所定間隔で架設され、図示しない駆動モータによってスプロケットを回転駆動することで、無端チェン16,16と共に搬送体12が所定速度で移動するよう構成される。そして搬送手段14では、フィルム供給装置から受け渡されたフィルムシートfを搬送体12に載置保持すると共に、該フィルムf上から搬送体12へ押し込むようにして供給された食品10をフィルムシートfと共に下流側に搬送するよう構成される。なお、フィルムとしては、伸長性の例えば12μ前後のポリエチレン製の自己粘着性を有するストレッチフィルムが使用されるが、必要に応じて、8〜15μ程度、好ましくは10〜13μの厚みのものが使用される。またフィルム素材としては、塩化ビニルやポリオレフィン系のポリプロピレンあるいはその他各種材質が挙げられ、これら各種材質からなるフィルムを、単層あるいは積層した食品包装用ストレッチフィルムを用いることが可能である。
【0012】
前記フィルム供給ステーションの下流側には、物品搬送方向の上流側から下流側へ、物品供給ステーション、フィルム折り畳みステーション、シールステーションおよび排出ステーションがこの順で設けられ、前記搬送手段14は、搬送体12を各ステーションで間欠停止するよう駆動制御される。また、フィルム折り畳みステーション、シールステーションおよび排出ステーションには、図示しない折り畳み装置、シール装置および排出装置が対応して配置されている。
【0013】
前記各搬送体12は、前記無端チェン16,16に連結固定された本体18と、該本体18に着脱自在に配設された収容部材20とを備え、本体18および収容部材20の上面は同一レベルに位置するよう構成される。すなわち、本体18には、収容部材20が上方から嵌挿可能な凹状の装着部18cが形成され(図2参照)、該装着部18cに嵌挿した収容部材20は、本体18に対して複数(実施例では収容部材20を挟んで対向する位置で2基)の係合手段28によって脱落が防止された状態で係合保持されるよう構成される。この係合手段28は、図3に示す如く、収容部材20の外周面に凹設された係合溝30と、本体18に配設されて係合溝30に嵌合するようバネ等によって進退自在で、位置調節可能な調節ネジを備えた例えばボールプランジャーやボールラッチ等の係合部材32とから構成され、収容部材20を装着部18cに嵌挿したときに、係合溝30に係合部材32が嵌合して収容部材20が位置決め保持されるようになっている。
【0014】
前記収容部材20の略中央位置には、食品10の形状に対応して平面視三角形状で上下方向に向けた貫通穴34が形成されている。また本体18には、図1に示す如く、収容部材20を装着した際に貫通穴34の下部側に臨む下面支持部材22が配設されており、該下面支持部材22と収容部材20の貫通穴34を形成する内側壁20cとにより、食品10の立体形状に沿った形状で上部に開口する凹状の物品収容部24が画成され、該物品収容部24に食品10を収容保持するようになっている。物品収容部24は、実施例では外側に向けた角部を有する三角柱状の食品10を収容するべく略三角柱状の中空部とされ、下面支持部材22の上面で、食品10の下面をフィルムシートfを介して保持すると共に、収容部材20における貫通穴34を画成する内側壁20cで、食品10の各辺に対応する外側面をフィルムシートfを介して保持し得るようになっている(図4参照)。
【0015】
前記物品収容部24には、図4に示す如く、該物品収容部24内に収容された食品10の各角部10aと対応する位置に、該角部10aが収容される角部収容空間部26が形成されている。この角部収容空間部26は、物品収容部24内に収容された食品10の角部10aから外側方に向けて拡開するよう形成された空所とされるよう構成してある。また角部収容空間部26は、各角部10aの外側方に向けて夫々の頂部から同一半径の円弧で拡開するよう設定された略円柱状の中空部とされて、物品収容部24の上部で円弧状に開口している。収容部材20におけるフィルム載置面となる上面と貫通穴34を画成する内側壁20cの交わる部位(物品収容部24の上部開口縁)は曲面で形成され、フィルムシートfの引き込み抵抗を低減すると共にフィルムの破れや裂け等の発生を防止するよう構成してある。また、収容部材20の表面および前記搬送体12の本体上面等、フィルムシートfとの接触面に、梨子地加工あるいはフッ素樹脂コーティング等の粘着抑制処理が施され、ストレッチフィルムからなるフィルムの自己粘着作用によってフィルムシートfが搬送体14に粘着するのを抑制し得るようにしてある。なお、食品10の角部10aとは、該食品10の上面と下面との各頂点を結ぶ稜線に沿う部分を指称するものである。
【0016】
前記下面支持部材22は、食品10の下面形状に沿った形状に形成されて、前記物品収容部24内を上下動し得るよう搬送体12の本体18に配設されている。また下面支持部材22は、前記フィルム供給ステーションからシールステーションまでの間は、食品10の下面を所定高さ位置で支持する物品支持位置に保持され、排出ステーションにおいて排出装置で作動されて包装された食品10を物品収容部24から押し出すよう構成される。なお、下面支持部材22が物品支持位置に保持されている状態で、物品収容部24の深さ寸法は、食品10の高さ寸法より僅かに長く設定され、物品収容部24内に収容した食品10の上面にシート縁部を折り畳む際に、食品10の変形を抑制すると共に食品10を損傷させることなく、食品10の表面にフィルムが密着して折り畳まれるようにしている。
【0017】
前記搬送体12の本体18は、図1に示す如く、前記収容部材20が配設される主体部材36と、該主体部材36の物品搬送方向前後に位置してフィルムシートfの前後の端縁部を支持する補助部材38,38とに3分割された構成となっている。実施例では、物品搬送方向に隣り合う搬送体12,12の主体部材36,36の間に位置する1つの補助部材38が、両側の搬送体12,12の補助部材を兼用しているが、各搬送体12が夫々2つの補助部材38,38を備える構成であってもよい。そして、搬送体12の本体18を3分割して個々の部材36,38,38を無端チェン16,16間に架設することで、搬送体12を上方のキャリア側と下方のリターン側とに回動させるスプロケットの径を小さくすることができ、装置の大型化を抑制し得るようにしてある。
【0018】
前記搬送体12の本体18における各補助部材38は中空箱状に形成され、該補助部材38の上板に、補助部材38の内部空間に連通する複数の通気孔18aが形成されると共に、補助部材38の下板には、幅方向に離間する位置において搬送体12の移動方向に所定間隔で離間して補助部材38の内部空間に連通する吸気孔18bが形成される(図1,図2参照)。通気孔18aは、図1に示す如く、補助部材38における物品搬送方向の前端縁および後端縁に沿って形成されており、一方の側に位置する通気孔群がフィルムシートfの前端縁部に対してエア吸引力を作用するべく機能し、他方の側に位置する通気孔群がフィルムシートfの後端縁部に対してエア吸引力を作用するべく機能する。また前記収容部材20は中空箱状に形成されており、物品収容部24の形成位置を除く位置の上板に、内部空間に連通する複数の通気孔20aが上下に貫通するよう形成されると共に、下板には、前記搬送体12の吸気孔18bに対応する幅方向に離間する位置において、搬送体12の移動方向に所定間隔で離間して内部空間に連通する吸気孔20bが夫々上下に貫通するよう形成されている(図1,図4参照)。
【0019】
前記搬送体12の通路上には、搬送体12の吸気孔18bおよび収容部材20の吸気孔20bに連通する吸引口を有する吸引手段(図示せず)が配設され、フィルム供給ステーションで受け渡されたフィルムシートfを、搬送体12の通気孔18aおよび収容部材20の通気孔20aを介して作用するエア吸引力によって本体18および収容部材20の上面に密着保持した状態で下流側に搬送するよう構成される。なお、フィルム供給装置からフィルムシートfが供給された搬送体12が、フィルム供給ステーションから物品供給ステーションを通過するまでは、通気孔18a,20aを介してフィルムへのエア吸引力が作用するように設定されている。
【0020】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る上包み包装機の物品保持移送装置の作用について説明する。
【0021】
前記フィルム供給装置から供給されたフィルムシートfは、搬送体12の本体18および収容部材20における通気孔18a,20aを介して作用するエア吸引力によって、本体18および収容部材20の上面に密着した状態で載置保持される。
【0022】
前記フィルムシートfが載置保持された搬送体12が、物品供給ステーションに間欠停止したタイミングで、前記物品収容部24に対しフィルムシートfの上方から表裏反転状態(蒸しパンとしての商品の上面となる面を下向きにした姿勢)の食品10を押し込んで収容することにより、該食品10の下面および側面の外周面に沿ってフィルムシートfが密着するように覆われる。このとき、食品10と共に物品収容部24に引き込まれるフィルムシートfは、食品10の角部付近のフィルムが角部10aに寄せ集められるように重なり合った状態となり、また通気孔18a,20aを介して作用するエア吸引力、およびストレッチフィルム自体の自己粘着作用によって引き込み抵抗が発生し、食品10にも負荷が加わる。しかるに、角部10aが収容される物品収容部24には、角部10aから外方に向けて円弧状に拡開する空所である角部収容空間部26が形成されていることによって、図4に示すようにフィルムシートfは、角部付近に寄せ集められて重なり合ったフィルムが角部収容空間部26の空所によって過度に絞り込まれることなく物品収容部24に引き込まれるから、角部10aに加わる負荷が軽減され、角部10aの変形を抑制できる。
【0023】
前記食品10が収容された搬送体12の物品収容部24がフィルム折り畳みステーションに到来するタイミングに合わせて折り畳み装置が作動し、複数の折り畳み片によって物品収容部24外に延出しているフィルムシートfの縁部が食品10の上面側に折り畳まれる。このフィルム折り畳み時において、前記角部収容空間部26に引き込まれているフィルムシートfは、角部10aの外側に過度に絞り込まれた状態で重なり合っていることはないので、フィルムシートfの折り畳みに際して加わる力が角部10aに集中することはない。従って、角部10aの変形を抑制して良好なフィル折り畳みが行なわれる。
【0024】
前記食品10が収容されている搬送体12の物品収容部24がシールステーションに到来するタイミングに合わせてシール装置が作動して、フィルム折り畳み重合部がシールされる。次いで前記食品10を搬送する搬送体12が排出ステーションに到来するタイミングに合わせて排出装置が作動し、前記下面支持部材22が物品収容部24内を上部開口に向けて移動して食品10が強制的に押し出される。物品収容部24から食品10が押し出される際にも、角部10aと対応する位置には角部収容空間部26による空所が形成されているので、押し出し時に物品収容部24の内周部と食品10表面を覆ったストレッチフィルムの自己粘着作用による摩擦抵抗が角部10aに直接発生することはなく、押し出し時に角部10aが変形してしまうのを抑制できる。
【0025】
このように、前記物品収容部24における食品10の角部10aに対応する位置に、該角部10aから離間する角部収容空間部26を設けたから、食品10を物品収容部24に押し込む際、あるいは物品収容部24から外方に延出するシート縁部を折り畳む際、または物品収容部24からの食品10の押し出し時に、角部10aに大きな負荷が加わるのを抑制することができ、角部10aが商品価値を損ねるほど変形するのを防止し得る。従って、蒸しパン等の柔らかく変形し易い食品10であっても、該食品10における角部10aの変形を抑制すると共に外周面に沿ってフィルムシートfが密着するよう覆われた包装状態とすることができる。なお、食品10における角部10aの内角が小さくなる程、該角部10aは変形し易いことから、角部収容空間部26を設ける構成は、実施例のように直方体を対角線でカットした三角柱状商品とされる蒸しパンの如き食品10のように内角が90度以下の食品10に対して特に有効である。
【0026】
前記収容部材20は搬送体12に対して着脱可能に構成してあるから、食品10のサイズや形状等が変更された場合は、収容部材20を交換することで対応し得る。また、食品10のカス等が付着した場合に、収容部材20のみを取外して外部で簡単に清掃や洗浄を行なうことができ、メンテナンス性が向上する。
【0027】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1. 実施例では食品10として外側に向けた角部を有する三角柱状のものの場合で説明したが、四角柱状等の複数の角部を有するものに適用できる。
2. 実施例では角部収容空間部26を、物品収容部24の上部での開口形状が円弧状となる略円柱状の中空部としたが、食品10の角部10aに対してフィルムシートfが引き込まれる際に加わる負荷を軽減し得る形状であれば、例えば開口形状が楕円形や多角形等、その他の形状を採用し得る。また角部収容空間部26は、物品収容部24の高さ方向に内径が変化しないものに限らず、例えば上部開口側から下部側に向けて内径が大きくなったり小さくなるもの、あるいは曲面形状となるもの等、内径が変化するものであってもよい。
3. 実施例では搬送体12の下面支持部材22と収容部材20とで物品収容部24を構成したが、有底に形成した収容部材20に物品収容部24を凹設してもよく、この収容部材20を搬送体12に一体に形成してもよい。
4. 搬送手段の動作伝達手段としては、チェン・スプロケットに代えて、ベルト−プーリ等、その他の動力伝達手段を適宜に採用することが可能である。
5. 実施例では搬送体12を3分割した場合で説明したが、搬送体12をキャリア側とリターン側とに回動させるスプロケットを大径とし得る場合は、搬送体12を1つあるいは2つの部材から構成したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例に係る上包み包装機の搬送手段を示す要部概略平面図である。
【図2】実施例に係る搬送体から収容部材を取外した状態を示す概略平面図である。
【図3】実施例に係る搬送体と収容部材とを分離した状態を、物品搬送方向の上流側から視た概略図である。
【図4】実施例に係る収容部材を、食品およびフィルムシートを物品収容部に収容した状態で示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 食品,12 搬送体,14 搬送手段,20 収容部材,24 物品収容部
26 角部収容空間部,f フィルムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部を有する立体形状からなる食品(10)を外周面に沿ってフィルムシート(f)で覆うように包装する上包み包装機の物品保持移送装置であって、
搬送手段(14)に配設された搬送体(12)は、前記食品(10)の立体形状に沿った形状で凹設されて、搬送体(12)に載置されたフィルムシート(f)により上部開口が覆われる物品収容部(24)を備え、
前記物品収容部(24)には、前記搬送体(12)に載置されたフィルムシート(f)の上方から物品収容部(24)内に収容された食品(10)の各角部(10a)と対応する位置に、該角部(10a)から離間するよう外側方に拡開する角部収容空間部(26)が形成されている
ことを特徴とする上包み包装機の物品保持移送装置。
【請求項2】
前記角部収容空間部(26)は、前記物品収容部(24)内に収容された食品(10)の角部(10a)に対する外側方に向けて上部で円弧状に拡開している請求項1記載の上包み包装機の物品保持移送装置。
【請求項3】
前記搬送体(12)におけるフィルムシート(f)との接触面には、フィルムシート(f)との粘着を抑制する粘着抑制処理が施されている請求項1または2記載の上包み包装機の物品保持移送装置。
【請求項4】
前記物品収容部(24)が形成された収容部材(20)が、前記搬送体(12)に着脱自在に設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載の上包み包装機の物品保持移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−308211(P2008−308211A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159539(P2007−159539)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【出願人】(000178594)山崎製パン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】