説明

上映システム

【課題】上映システムを格納する筐体内部への不正アクセスを検知して映像データの盗出を防止することが可能な上映システムを提供すること。
【解決手段】映像データを再生する映像サーバ650に接続される上映システム1000が提供される。当該上映システム1000は、映像サーバ650が格納された筐体の扉に設置されるスイッチ回路100と、扉の開状態及びスイッチ回路100の改竄を検知するタンパ検知装置620と、扉の開状態及びスイッチ回路100の改竄の一方又は両方が検知された際に、映像サーバ650に対する映像データの入出力を停止する上映制御装置630とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上映システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像コンテンツがデジタル化されるようになり、映画館やその他の上映施設で利用される上映システムにおいても、従来のアナログフィルムに代わって、デジタル映像データが利用されるようになってきている。しかし、デジタル映像データは、複製や改竄が容易である上、不正に取得及び複製されたデータであっても、オリジナルのデータと同等の高品質な再生が可能である。さらに、最近は、ブロードバンド環境が広く普及し、比較的大きなサイズのデータも容易に配信することが可能である上、P2P(Peer to Peer)等の技術を利用して不正にデータ配信できる環境が現実に存在する。そのため、上映システムの内部から直接的にデジタル映像データが盗出された際の損失は、従来とは比較にならないほど大きくなっている。
【0003】
ところが、現在の上映システムは、デジタル映像データの盗出に対して、十分な耐性を備えているとは言い切れない部分がある。例えば、上映システムを格納する筐体の内部には、デジタル映像データを格納するストレージ機器と、そのストレージ機器からデジタル映像データを読み出して再生する映像サーバとが少なくとも設置されている。そして、ストレージ機器、及び映像サーバの各々には、デジタル映像データが容易に読み出されないように暗号化等の工夫が施されていることが多い。しかし、そうした上映システムであっても、ストレージ機器と映像サーバとの間を連結する伝送経路に対するタンパリングを防止するための有効な対策が施されていないという現状がある。
【0004】
上記の問題に対する一つの解決策は、上映システムを格納する筐体の内部に対してアクセスすること自体を制限することである。例えば、筐体に設置されたメンテナンス用の扉を不正に開けることができないようにするか、或いは、不正に扉が開けられた場合に上映システムを停止するように制御する方法が考えられる。これまで、扉に開閉検知用のスイッチを設置して扉の不正開閉を検知するシステムは存在していた。その応用として、扉が不正に開けられた際、扉に連動してスイッチがオンになり、何らかの回路が通電してタンパリングを上映システムの管理者等に通知する手段も考えられる。
【0005】
【特許文献1】特開平5−34818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の構成を適用した場合、扉に設置された不正な開閉を検知するためのスイッチ自体が改竄されると、筐体内部への不正なアクセスを検知することができないという大きな問題がある。また、セキュリティを高めるため、複数のスイッチを冗長に設置して改竄に対する耐性を高める方法も考えられるが、上記の問題を根本的に解決する方法とは言えず、また、複雑なシステム構成を構築する必要があるためコスト高になるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、比較的簡単な構成により上映システムを格納する筐体内部への不正アクセスを検知して映像データの盗出を防止することが可能な、新規かつ改良された上映システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、映像サーバが格納された筐体の扉に設置されるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の出力信号に基づいて前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知するタンパ検知装置と、前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄の一方又は両方が検知された際に、前記映像サーバに対する映像データの入出力を停止する上映制御装置と、を備えることを特徴とする上映システムが提供される。
【0009】
前記スイッチ回路は、映像サーバが格納された筐体の扉に設置される。また、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路の出力信号に基づいて前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知する。さらに、前記上映制御装置は、前記扉の開状態又は前記スイッチ回路の改竄が検知された際に、前記映像サーバに対する映像データの入出力を停止する。上記の構成を適用すると、上映システムを格納する筐体の内部に不正にアクセスして映像サーバに入力される映像データ、又は映像サーバから出力される映像信号を盗出することを防止できる。特に、筐体の扉に設置されたスイッチが改竄された場合にも映像データの盗出を防止することができる。
【0010】
また、前記上映制御装置は、前記扉の開状態又は前記スイッチ回路の改竄が検知された際に、映像データが保存されたデータ保存部から前記映像データを読み出せないように制御する構成にすることも可能である。当該構成を適用すると、映像データの出力元であるデータ保存部の出力を停止することで、上映システムの全体に流れる映像データを停止することが可能になるため、より高いセキュリティを確保することができる。
【0011】
また、前記スイッチ回路は、前記扉の開動作に連動して2つの信号経路を切り替えるSPDTスイッチを備え、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路から得られる2つの信号出力に基づいて、前記扉の開状態と当該スイッチ回路に対する改竄とを検知するように構成することも可能である。当該構成を適用すると、比較的簡単な回路構成によって上記扉の開状態とスイッチ回路の改竄とを同時に検知することが可能になる。そのため、比較的安価に高いセキュリティを備えた上映システムを構築することができる。
【0012】
また、前記スイッチ回路は、前記2つの信号経路が入力に接続された排他的論理和回路と、前記2つの信号経路の一方と前記排他的論理和回路の出力とが入力に接続された論理積回路と、を備えるように構成することも可能である。上記の回路構成を用いると、比較的簡単な構成で上記扉の開状態とスイッチ回路の改竄とを同時に検知することが可能になり、安全性の高い上映システムを安価に構築することができる。
【0013】
また、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号と前記論理積回路の出力信号とに基づいて、前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知するように構成することが可能である。当該構成を適用すると、上記のスイッチ回路から出力される信号に基づいて、上記筐体の扉の状態とスイッチ回路の状態とを個々に検知することが可能になり、その状態の組合せに応じて上映システムをより細かく制御することが可能になる。
【0014】
また、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号、又は前記論理積回路の出力信号が異常値Lである場合に、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄されたものと判断するように構成することも可能である。当該構成を適用すると、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄された状態であるかを検知して適切に上映システムを制御することが可能になる。
【0015】
また、前記スイッチ回路は、前記筐体が有する複数の扉にそれぞれ設置される複数のスイッチ部と、前記複数のスイッチ部に接続され、前記複数の扉の開状態及び前記スイッチ部の改竄を検知する電気回路部と、を備えるように構成することも可能である。
【0016】
上記の構成を適用すると、上記筐体が有する複数の扉のいずれかが不正に開閉された状態、及び、複数のスイッチ部のいずれかが改竄された状態を検知することが可能になる。また、複数の扉の状態を電気回路部の出力により一括して検知することが可能になるため、上映システムを制御する構成を比較的簡略化することができる。その結果、比較的多数の機器によって構成される上映システムにおいても、筐体に設けられた多数の扉の開閉等を一元管理することが可能になるため、タンパ検知に関わる制御システムの構成(上映制御装置等)を簡略化できると同時に、全体のシステム構成も比較的簡単化できるため、高いセキュリティを維持しつつ、上映システム全体の構築/運用コストを下げることが可能になる。なお、上記構成により、電気回路部の改竄を検知することも可能である。
【0017】
また、各前記スイッチ部は、2つの信号経路を切り替えるSPDTスイッチと、前記2つの信号経路をそれぞれ前記電気回路部に接続するための第1及び第2出力端子と、を備えるように構成することも可能である。さらに、前記電気回路部は、前記複数のスイッチ部が備える第1出力端子を接続するための複数の第1入力端子と、前記複数のスイッチ部が備える第2出力端子を接続するための複数の第2入力端子と、前記複数の第1入力端子の出力が入力に接続された第1論理積回路と、前記複数の第2入力端子の出力が入力に接続された第2論理積回路と、前記第1論理積回路の出力と前記第2論理積回路の出力とが入力に接続された排他的論理和回路と、前記第1論理積回路の出力と前記排他的論理和回路の出力とが入力に接続された第3論理積回路と、を備えるように構成することも可能である。
【0018】
上記の構成を適用すると、比較的簡易な回路構成で複数の扉の開閉状態とスイッチ部の改竄とを検知できるため、多数の機器で構成される上映システムにおいても、安価で高い安全性を備えたタンパ検知システムを実現することが可能になる。
【0019】
また、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号と前記第3論理積回路の出力信号とに基づいて、前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知するように構成することも可能である。当該構成を適用すると、上記のスイッチ回路から出力される信号に基づいて、上記筐体の扉の状態とスイッチ回路の状態とを個々に検知することが可能になり、その状態の組合せに応じて上映システムをより細かく制御することが可能になる。
【0020】
また、前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号、又は前記第3論理積回路の出力信号が異常値Lである場合に、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄されたものと判断するように構成することも可能である。当該構成を適用すると、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄された状態を検知して上映システムを制御することが可能になる。
【0021】
上記の構成を適用すると、秘匿したい情報を保持する機器が格納された筐体の内部にアクセスするための開閉扉に対して上記のスイッチ回路を適用することにより、開閉扉及びスイッチ回路に対する不正な改造を検知することが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、上映システムを格納する筐体内部への不正アクセスを検知して映像データの盗出を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る上映システム1000の構成について説明する。本実施形態に係る上映システム1000の特徴は、上映システム1000が有する各種メンテナンス用の扉に設置されたタンパリング検知用のスイッチ回路100と、そのスイッチ回路100から出力されるタンパ検知信号に応じて、上映システム1000の動作を制御する上映システム制御部600の構成にある。
【0025】
[上映システム1000の扉構成]
はじめに、図1を参照しながら、本実施形態に係る上映システム1000の扉構成について説明する。図1は、本実施形態に係る上映システム1000の外観を示す説明図である。但し、図1に示す外観は、説明の便宜上、一例として挙げたものであり、本実施形態に係る上映システム1000の外観はこれに限定されるものではない。また、扉の数、形状、配置、及びその使用目的についても、自由に構成することが可能である。もちろん、扉の構成が変更されれば、各扉に設置されるタンパ検知用のスイッチ回路100の位置や数が変更されることは当然である。
【0026】
図1に示すように、上映システム1000は、主に、光学部調整用扉10と、制御部調整用扉A12と、回路部調整用扉14と、ランプ交換用扉16と、制御部調整用扉B18と、スイッチ回路100とにより構成される。
【0027】
光学部調整用扉10は、後述する光学部24を調整又は修理する際、上映システム1000の筐体内部にアクセスするために開閉される扉である。制御部調整用扉A12、及び制御部調整扉B18は、後述する上映システム制御部600を調整又は修理する際、上映システム1000の筐体内部にアクセスするために開閉される扉である。回路部調整用扉14は、後述する回路部26を調整又は修理する際、上映システム1000の筐体内部にアクセスするために開閉される扉である。ランプ交換用扉16は、後述するランプ22を交換する際、上映システム1000の筐体内部にアクセスするために開閉される扉である。
【0028】
そして、上記の各扉には、タンパリングを検知するためにスイッチ回路100が設けられている。後段において詳述するが、スイッチ回路100は、それが設置された扉の開閉動作に応じてスイッチがオン/オフするように構成され、不正な扉の開閉動作を検知してタンパ検知信号を後述する上映システム制御部600に通知することができる。なお、スイッチ回路100を設置する位置は、図1に示した位置に限定されず、現実的には、各扉の開閉動作に連動してスイッチがオン/オフ可能な所定の位置に設置される。
【0029】
[上映システム1000の構成]
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る上映システム1000の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る上映システム1000の構成例を示す説明図である。但し、図2は、各部の位置関係を理解し易いよう、模式的にその配置を描画したものであり、実際には、利用の態様に応じて様々な変更が可能である。しかし、ここで重要な事は、図1に示した各扉と図2に示した各構成要素との位置関係である。つまり、上映システム1000を構成する各構成要素、及び構成要素間を繋ぐデータの通信経路に対して、筐体外部から各扉を通じてアクセスが可能か否かを示している点がポイントである。
【0030】
図2には、構成要素間を連結するデータ通信経路の一部が明示されていないが、各構成要素が互いに通信するためには、その近傍又はその周囲に配線が施されるのは当然である。つまり、上記の各扉を介して、当該各扉に対応する構成要素の入出力信号を盗出される危険がある。従って、各扉に設置されたスイッチ回路100が扉の開閉動作を検知することで、各構成要素の入出力信号を介して映像データが盗出される危険を防止する事に繋がるのである。
【0031】
図2に示すように、上映システム1000は、主に、ランプ22と、光学部24と、回路部26と、レンズ28と、電源部30と、上映システム制御部600とにより構成されている。また、ランプ22、光学部24、回路部26、及びレンズ28は、映像信号を光学的に映写するためのプロジェクタ20を構成する。
【0032】
(プロジェクタ20)
プロジェクタ20として、例えば、SXRD(Silicon X−tal Reflective Display)等のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)プロジェクタ、GLV(Grating Light Valve)プロジェクタ、液晶プロジェクタ、又はCRTプロジェクタ等を適用することが可能であるが、説明の便宜上、液晶プロジェクタを例に挙げて説明する。
【0033】
ランプ22は、例えば、放電光を利用した光源ランプである。光学部24は、例えば、ランプ22が発光した光を透過させて像を形成する液晶パネルや透過光をレンズ28に集光させるための光学系により構成される。回路部26は、例えば、上映システム制御部600から出力される映像信号に応じて光学部24の液晶パネルを制御したり、レンズ28のズームやピントを調整する機能を有する。
【0034】
(電源部30)
電源部30は、主に、プロジェクタ20と、上映システム制御部600とに対して電力を供給することができる。さらに、電源部30は、上映システム1000の筐体の各扉に設けられたスイッチ回路100にも電力を供給することができる。もちろん、各構成要素に供給される電力は、電源部30から直接供給されるように構成することも可能であるし、他の構成要素を介して間接的に供給されるように構成することもできる。
【0035】
(上映システム制御部600)
上映システム制御部600は、映像データを映像信号にデコードしてプロジェクタ20に送出し、プロジェクタ20を介して映像を上映させる。また、上映システム制御部600は、上映システム1000の筐体が備える各扉に設置されたスイッチ回路100からのタンパ検知信号を取得して、各扉を介して筐体内部に不正なアクセスが発生したか否かを判断する。さらに、上映システム制御部600は、不正アクセスを報知するタンパ検知信号に応じてプロジェクタ20による上映処理を制御することができる。例えば、上映システム制御部600は、筐体に設置された扉の一つが不正に開けられた際、スイッチ回路100から取得したタンパ検知信号に応じて、プロジェクタ20に対して映像信号の送出を停止することが可能である。
【0036】
以上、本実施形態に係る上映システム1000の構成について簡単に説明した。上記の通り、本実施形態に係る上映システム1000は、それが含まれる筐体の扉にタンパ検知用のスイッチ回路100が設けられており、タンパリングを検知した際にスイッチ回路100が出力するタンパ検知信号に応じて、上映システム制御部600が映像信号の出力を停止する等、上映システム1000の内部で映像信号、及び映像データが伝達されるのを抑制することが可能になる。
【0037】
その結果、不具合が発生している箇所の確認/調整/整備/交換等のメンテナンスをするために必要な扉を介して筐体内部にアクセスされ、内部に流れる映像信号や映像データを不正に盗出されるのを防止することができる。特に、上映システム1000には、ネジのガタつきや部品の勘合状態、コネクタの接触状態等の確認を必要とする部材が多く含まれているため、直接的に該当部材にアクセスするための扉に関して、上記のタンパリング耐性機能を適用することが高いセキュリティを実現するために有効である。
【0038】
[上映システム制御部600の機能構成]
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る上映システム制御部600の機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係る上映システム制御部600の機能構成を示す説明図である。
【0039】
図3に示すように、上映システム制御部600は、主に、タンパ検知装置620と、上映制御装置630と、データ保存部640と、映像サーバ650とにより構成される。
【0040】
(タンパ検知装置620)
タンパ検知装置620は、上映システム1000の筐体扉に設置されるスイッチ回路100の出力信号に基づいて、筐体扉が不正に開かれたか否か、及びスイッチ回路100が改竄されたか否かを判断する。そして、タンパ検知装置620は、筐体扉が不正に開かれたと判断するか、又はスイッチ回路100が改竄されたと判断すると、タンパリングが検知されたことを通知するためにタンパ検知信号を上映制御装置630に伝送する。
【0041】
複数の扉にスイッチ回路100が設置されている場合、タンパ検知装置620は、複数のスイッチ回路100の出力信号を取得して、それらの出力信号に基づいて各扉が不正に開かれたか否か、又は各スイッチ回路100が改竄されたか否かを判断することができる。このとき、タンパ検知装置620は、いずれかのスイッチ回路100から出力信号を受信して、複数の扉のいずれかが不正に開かれたと判断するか、又はスイッチ回路100の一つが改竄されたと判断した場合、タンパ検知信号を上映制御装置630に伝送する。
【0042】
(上映制御装置630)
上映制御装置630は、データ保存部640、映像サーバ650、及びプロジェクタ20に対して制御信号を伝送して所望の映像を上映するように制御する。一方、上映制御装置630は、タンパ検知装置620からタンパ検知信号を受信すると、データ保存部640、映像サーバ650、及びプロジェクタ20の各々に対して制御信号を送出し、データ保存部640から映像サーバ650への映像データの出力又は伝送を中止すると共に、映像サーバ650からプロジェクタ20への映像信号の出力又は伝送を中止することができる。
【0043】
(データ保存部640)
データ保存部640は、映像データを保存するための記憶装置である。従って、データ保存部640は、例えば、ハードディスク等の磁気記憶装置、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)等に代表される光記憶装置、光磁気記憶装置、又は半導体記憶装置等により構成することができる。また、データ保存部640は、上映システム制御部600の外部に接続され、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の冗長構成を有するNAS(Network Attached Storage)等の外部記憶装置により構成することも可能である。さらに、データ保存部640は、保存している映像データに対する外部からのアクセス要求を制限する機能や、映像データを暗号化して保存する機能を有していてもよい。そして、データ保存部640は、上映制御装置630からの制御信号を受けて、映像サーバ650に映像データを伝送しないように制御する機能を有していてもよい。
【0044】
(映像サーバ650)
映像サーバ650は、所望の映像を上映するために上映制御装置630が送出した制御信号に応じて、データ保存部640から取得した映像データをデコードして映像信号に変換し、その映像信号をプロジェクタ20に伝送して映像を上映させる。一方、映像サーバ650は、映像データ及び映像信号を伝送中止するために上映制御装置630が送出した制御信号に応じて、データ保存部640から映像データを読み出す処理を中止すると共に、プロジェクタ20へ映像信号を出力する処理を中止する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る上映システム制御部600は、筐体に設置されたスイッチ回路100の出力信号に基づいてタンパ検知装置620がタンパリングの有無を検知し、タンパリングが検知された際、上映制御装置630を介してデータ保存部640、映像サーバ650、及びプロジェクタ20間を流れる映像データ、又は映像信号をストップさせることができる。その結果、筐体内部にアクセスされたとしても、上映システム制御部600内に映像データ又は映像信号が伝送されていないため、伝送経路を通じて映像データ又は映像信号を盗出することが不可能になる。従って、上記の構成を適用すると、上映システム1000のセキュリティが格段に向上するという効果が得られる。
【0046】
[スイッチ回路100の回路構成]
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係るスイッチ回路100の回路構成について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るスイッチ回路100の回路構成を示す説明図である。上記の説明では、スイッチ回路100によって、筐体扉の開動作、及びスイッチ回路100自体の改竄が検知できることが前提となっていた。そこで、この検知機能を実現するための具体的な回路構成について説明する。
【0047】
(課題と目的)
従来のスイッチ回路は、SPST(Single Pole Single Throw)スイッチを用いているため、筐体扉の開動作のみを検知する機能しか有しておらず、スイッチ回路の配線が改竄された場合にタンパリングが検知できないという重大な問題があった。また、そうした改竄に対する対策として、複数のスイッチ回路を設置する等の工夫も考えられるが、全てのスイッチ回路が改竄されるとタンパリングを検知できない上、スイッチ回路を冗長に設置する分だけコストが高くなるという問題も抱えていた。本実施形態に係るスイッチ回路100は、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチを利用し、以下に示す好適な回路を構成することで、それ自体の改竄も検知可能な回路構成を提供するものである。つまり、安価で改竄検知が可能なスイッチ回路を提供することを一つの目的とする。
【0048】
(回路構成)
図4に示すように、スイッチ回路100は、電気回路部110と、スイッチ部150とにより構成されている。また、電気回路部110は、2系統の出力信号をタンパ検知装置620に伝送するように構成されている。
【0049】
電気回路部110は、電源入力端子112と、電源出力端子114と、NO(ノーマルオープン)入力端子116と、NC(ノーマルクローズ)入力端子118と、XOR(排他的論理和)回路120と、AND(論理積)回路122と、第1出力端子(信号出力)124と、第2出力端子(タンパ検知)126とにより構成される。但し、上記各回路が構成される基板は接地されているものとする。
【0050】
スイッチ部150は、電源入力端子152と、SPDTスイッチ154と、NO(ノーマルオープン)出力端子156と、NC(ノーマルクローズ)出力端子158とにより構成されている。SPDTスイッチ154は、電源入力端子152から入力された信号がNO出力端子156、又はNC出力端子158に伝送されるように信号経路を切り替える。従って、電源入力端子152から入力された信号は、SPDTスイッチ154のオン/オフに応じてNO出力端子156、又はNC出力端子158に伝送される。
【0051】
上記の構成を踏まえ、スイッチ回路100により実現されるタンパリングの検知工程について説明する。但し、電気回路部110とスイッチ部150は、それぞれ、電源出力端子114と電源入力端子152、NO入力端子116とNO出力端子156、NC入力端子118とNC出力端子158、を介して信号経路が接続されているものとする。
【0052】
電源入力端子112に電圧が印加されると、その信号は、電源出力端子114、及び電源入力端子152を介してSPDTスイッチ154に到達し、NO出力端子156、又はNC出力端子158のいずれかに伝送される。SPDTスイッチ154は、スイッチ回路100を設置した扉が「開」状態の場合、NC出力端子158に到達する経路を接続する。一方、スイッチ回路100が設置された扉が「閉」状態の場合、SPDTスイッチ154は、NO出力端子156に到達する経路を接続する。この切り替えにより、SPDTスイッチ154が設置された扉の開閉状態を検知することができる。
【0053】
(「開」状態の場合)
まず、扉が「開」状態の場合について説明する。上記の通り、扉が「開」状態の場合、SPDTスイッチ154が経路をNC出力端子158に接続するため、NC出力端子158に信号が出力される。従って、NC出力端子158に接続されるNC入力端子118から信号が入力される。これ以降、信号が入力される状態(電位が高い状態;以下、記号「H」と表記)を正常状態と呼ぶことがある。また、図4に示すように、NO入力端子116、及びNC入力端子118をプルダウンすることで、信号の入力がない状態(電位が低い状態;以下、記号「L」と表記)も検知することができる。なお、「H」「L」の入出力は、論理回路上でそれぞれ「1」「0」の入出力に対応付けられる。
【0054】
NC入力端子118から出力された信号は、XOR回路120に入力される。また、NO入力端子116から出力された信号は、2系統の信号経路に分岐された上で、その一方がXOR回路120に入力され、他方がAND回路122に入力される。XOR回路120は、排他的論理和回路であるから、入力信号の一方が「H」、他方が「L」の場合に信号「H」を出力し、その他の場合に信号「L」を出力する。
【0055】
上記のように、SPDTスイッチ154が「開」状態の場合、NO入力端子116に入力される信号が「L」であり、NC入力端子118に入力される信号が「H」であるから、XOR回路120は、信号「H」を出力する。XOR回路120から出力される信号は、2系統の信号経路に分岐された上で、その一方がAND回路122に入力され、他方が第2出力端子126に入力される。
【0056】
また、AND回路122には、NO入力端子116から出力された信号と、XOR回路120から出力された信号とが入力される。AND回路122は、論理積回路であるから、2つの入力信号が「H」である場合に信号「H」を出力し、その他の場合に信号「L」を出力する。従って、SPDTスイッチ154が「開」状態の場合、NO出力端子156から入力される信号が「L」であり、XOR回路120から入力される信号が「H」であるから、AND回路122の出力は「L」になる。その結果、第1出力端子124には、信号「L」が入力される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係るスイッチ回路100を用いると、SPDTスイッチ154が「開」状態の場合、第1出力端子124から信号「L」が出力され、第2出力端子126から信号「H」が出力されることが分かる。例えば、この状態で、電源入力端子152とNO出力端子156とが不正に短絡されたと仮定すると、NO入力端子116の出力が「H」になり、XOR回路120の出力が「L」になるため、AND回路122の出力が「L」になる。その結果、第1出力端子124の出力が「L」、第2出力端子126の出力が「L」となり、タンパ検知装置620は、タンパリングを検知することができる。
【0058】
(「閉」状態の場合)
次に、扉が「閉」状態の場合について説明する。上記の通り、扉が「閉」状態の場合、SPDTスイッチ154が信号経路をNO出力端子156に接続するため、NO出力端子156に信号「H」が出力される。従って、NO出力端子156に接続されるNO入力端子116から信号「H」が出力される。一方、NC出力端子158に接続されるNC入力端子118の出力は「L」の状態になる。
【0059】
上記のように、SPDTスイッチ154が「閉」状態の場合、NO出力端子156から入力される信号が「H」であり、NC出力端子158から入力される信号が「L」であるから、XOR回路120は、信号「H」を出力する。XOR回路120から出力される信号「H」は、2系統の信号経路に分岐された上で、その一方がAND回路122に入力され、他方が第2出力端子126に入力される。
【0060】
そして、AND回路122には、NO入力端子116から出力された信号「H]と、XOR回路120から出力された信号「H」とが入力される。AND回路122は、論理積回路であるから、SPDTスイッチ154が「閉」状態の場合、AND回路122の出力は「H」になる。その結果、第1出力端子124には信号「H」が入力される。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係るスイッチ回路100を用いると、SPDTスイッチ154が「閉」状態の場合、第1出力端子124から信号「H」が出力され、第2出力端子126から信号「H」が出力されることが分かる。また、電気回路部110とスイッチ部150とが接続されていない場合、NO入力端子116とNC出力端子158のいずれもが信号「L」を出力するため、第1出力端子124が「L」、第2出力端子126が信号「L」を出力する。
【0062】
(タンパ検知方法)
上記の回路構成を踏まえ、図5を参照しながら、タンパ検知装置620によるタンパリングの検知方法について説明する。図5は、本実施形態に係るタンパ検知方法を示す説明図である。
【0063】
上記の回路構成を適用すると、第1出力端子124の出力、及び第2出力端子126の出力を参照することにより、タンパリングの有無を判断することができる。図5には、SPDTスイッチ154の開閉状態、NC出力端子158の出力、NO出力端子156の出力、第1出力端子124(信号出力)の出力、第2出力端子126(タンパ検知)の出力、及びタンパリングの検知結果(結果)が表形式で示されている。但し、AND1はAND回路218に対応し、AND2はAND回路214に対応する。
【0064】
図5に示すように、SPDTスイッチ154が「開」状態の場合、NC出力端子158の出力は「H」となり、一方でNO出力端子156には何も出力されない。このとき、第2出力端子126(タンパ検知)の出力は「H」となり、一方で第1出力端子124(信号出力)の出力は「L」となる。その結果、タンパ検知装置620は、扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。なお、図5には、扉の開状態も含め、正常以外の状態を「タンパ」と表記している。
【0065】
同様に、SPDTスイッチ154が「閉」状態の場合、NC出力端子158には何も出力されず、一方でNO出力端子156の出力が「H」になる。このとき、第2出力端子126(タンパ検知)、及び第1出力端子124(信号出力)の出力は共に「H」となる。その結果、タンパ検知装置620は、扉が開かれておらず、かつ、スイッチ回路100が改竄されていない状態であると判断する。
【0066】
さらに、電気回路部110とスイッチ部150とが未接続の状態にある場合、NC出力端子158、及びNO出力端子156には何も出力されないため、第1出力端子124、及び第2出力端子126のいずれも信号「L」を出力する。その結果、タンパ検知装置620は、扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。なお、電気回路部110とスイッチ部150とが未接続の状態と実質的に同一の状態として、SPDTスイッチ154がNO出力端子156、及びNC出力端子158のいずれにも経路を接続していない状態が考えられる。また、電源入力端子152からの入力が断線された状態も同様である点に注意されたい。
【0067】
そして、スイッチ部150に異常が生じ、NO出力端子156とNC出力端子158とがいずれも信号「H(又はL)」である場合、第2出力端子126(タンパ検知)、及び第1出力端子124(信号出力)の出力は共に「L」となる。従って、タンパ検知装置620は、扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係るスイッチ回路100を適用すると、扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100に断線や短絡等の改竄行為が行われたことを検知することが可能になる。さらに、スイッチ回路100自体の故障に対しても、タンパ検知装置620がタンパ状態であると判断して対処することが可能になる。また、回路構成にSPDTスイッチ154を用い、その2系統の出力が正常状態では排他的であることを利用しているため、簡単なロジック回路(XOR回路120、AND回路122等)を組合せることによって、扉の開閉検知のみならず、スイッチ回路100の改造/故障/接続不良等を検知可能な高度なタンパ検知システムを比較的簡単な回路構成により実現している。
【0069】
<変形例>
次に、図6を参照しながら、本実施形態の一変形例に係るスイッチ回路100の構成について説明する。図6は、本実施形態の一変形例に係るスイッチ回路100の回路構成を示す説明図である。本変形例に係るスイッチ回路100は、複数のスイッチ部150と、電気回路部210とを備え、複数個のスイッチ部150を接続することが可能な電気回路部210の構成に特徴を有する。そこで、上記の電気回路部110と実質的に同一の構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略し、相違する構成要素についてのみ説明する。
【0070】
(電気回路部210)
図6に示すように、電気回路部210は、電源入力端子112と、電源出力端子114と、複数のNO入力端子212と、AND回路122、214、218と、複数のNC入力端子216と、XOR回路120と、第1出力端子124と、第2出力端子126とにより構成される。
【0071】
電気回路部210は、複数のNO入力端子212と、複数のNC入力端子216とを備える構成に特徴を有する。また、複数のNO入力端子212の信号が全て入力されるAND回路214と、複数のNC入力端子216の信号が全て入力されるAND回路218とを備える構成にも特徴を有する。そこで、これらの構成について説明する。以下の説明においては、電気回路部210が備える全てのNO入力端子212、及びNC入力端子216にスイッチ部150が接続されているものと仮定する。もちろん、利用しないNO入力端子212、及びNC入力端子216が存在する場合には、実施の一態様として、それを無効にするための疑似回路を接続することも可能である。
【0072】
(全ての扉が「閉」状態の場合)
全ての扉が「閉」状態の場合、電気回路部210が備える全てのNC入力端子216に信号「L」が入力され、また、全てのNO入力端子212に信号「H」が入力される。従って、全てのNC入力端子216から入力される信号「L」に応じて、AND回路218は信号「L」を出力する。一方、全てのNO入力端子212から入力される信号「H」に応じて、AND回路214は信号「H」を出力する。さらに、AND回路214の出力「H」は、2つの経路に分配された上で、一方がXOR回路120に入力され、他方がAND回路122に入力される。
【0073】
そして、XOR回路120は、AND回路214から入力される信号「H」と、AND回路218から入力される信号「L」とに応じて、XOR回路120は信号「H」を出力する。さらに、AND回路122は、AND回路214から入力される信号「H」と、XOR回路120から入力される信号「H」とに応じて信号「H」を出力する。その結果、第1出力端子124、及び第2出力端子126のいずれにも信号「H」が出力される。これを受けて、タンパ検知装置620は、スイッチ回路100が正常であると判断する。
【0074】
(一部の扉が「開」状態の場合)
一部の扉が「開」状態の場合、電気回路部210が備えるNC入力端子216のうち、一部のNC入力端子216に信号「H」が入力され、その他のNC入力端子216に信号「L」が入力される。同様に、複数のNO入力端子212のうち、一部のNO入力端子212に信号「L」が入力され、その他のNO入力端子212に信号「H」が入力される。従って、AND回路218、及びAND回路214はいずれも信号「L」を出力する。その結果、XOR回路120には2つの信号「L」が入力されるため、第2出力端子126には信号「L」が出力される。同様に、AND回路122には2つの信号「L」が入力されるため、第1出力端子124には信号「L」が出力される。
【0075】
(タンパ検知方法)
上記の場合以外にも、様々なケースが考えられる。そこで、図5と同様に、SPDTスイッチ154が「開」及び「閉」状態、電気回路部210とスイッチ部150とが未接続の状態、及び、スイッチ部150が異常状態についてタンパ検知結果を図7に表形式で纏めた。図7は、本変形例に係るタンパ検知方法を説明するための説明図である。
【0076】
図7に示すように、電気回路部210に接続される全てのスイッチ部150のSPDTスイッチ154が「開」状態の場合、タンパ検知装置620は、全ての扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。また、電気回路部210に接続される全てのスイッチ部150のSPDTスイッチ154が「閉」状態の場合、タンパ検知装置620は正常状態であると判断する。さらに、電気回路部210とスイッチ部150とが未接続の状態である場合、タンパ検知装置620は、いずれかの扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。そして、スイッチ部150が異常である場合、タンパ検知装置620は、いずれかの扉が開状態であるか、或いは、スイッチ回路100が改竄されたものと判断する。
【0077】
以上、本実施形態の一変形例に係るスイッチ回路100の構成について説明した。上記の電気回路部210のように、NO入力端子212とNC入力端子216とを複数設置し、XOR回路120とAND回路122との間に、複数のNO入力端子212を束ねるAND回路214と、複数のNC入力端子216を束ねるAND回路218とを設置することにより、複数のスイッチ部150を介して複数の扉を監視することが可能になる。また、上記の構成を適用すると、スイッチ部150のインターフェース(I/F)を変更する必要がないため、スイッチ部150により接続される外部機器をそのまま利用することができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る上映システムの扉構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る上映システムの内部配置例を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る上映システムの機能構成を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係るスイッチ回路の回路構成を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係るタンパ検知方法を説明するための説明図である。
【図6】同実施形態の一変形例に係るスイッチ回路の回路構成を示す説明図である。
【図7】同実施形態の一変形例に係るタンパ検知方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1000 上映システム
10 光学部調整用扉
12 制御部調整用扉A
14 回路部調整用扉
16 ランプ交換用扉
18 制御部調整用扉B
20 プロジェクタ
22 ランプ
24 光学部
26 回路部
28 レンズ
30 電源部
100 スイッチ回路
110、210 電気回路部
112 電源入力端子
114 電源出力端子
116、212 NO入力端子
118、216 NC入力端子
120 XOR回路
122、214、218 AND回路
124 第1出力端子(信号出力)
126 第2出力端子(タンパ検知)
150 スイッチ部
152 電源入力端子
154 SPDTスイッチ
156 NO出力端子
158 NC出力端子
600 上映システム制御部
620 タンパ検知装置
630 上映制御装置
640 データ保存部
650 映像サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像サーバが格納された筐体の扉に設置されるスイッチ回路と、
前記スイッチ回路の出力信号に基づいて前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知するタンパ検知装置と、
前記扉の開状態又は前記スイッチ回路の改竄が検知された際に、前記映像サーバに対する映像データの入出力を停止する上映制御装置と、
を備えることを特徴とする、上映システム。
【請求項2】
前記上映制御装置は、前記扉の開状態又は前記スイッチ回路の改竄が検知された際に、映像データが保存されたデータ保存部から前記映像データを読み出せないように制御することを特徴とする、請求項1に記載の上映システム。
【請求項3】
前記スイッチ回路は、前記扉の開動作に連動して2つの信号経路を切り替えるSPDTスイッチを備え、
前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路から得られる2つの出力信号に基づいて、前記扉の開状態、又は当該スイッチ回路に対する改竄を検知することを特徴とする、請求項1に記載の上映システム。
【請求項4】
前記スイッチ回路は、
前記2つの信号経路が入力に接続された排他的論理和回路と、
前記2つの信号経路の一方と前記排他的論理和回路の出力とが入力に接続された論理積回路と、
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の上映システム。
【請求項5】
前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号と前記論理積回路の出力信号とに基づいて、前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知することを特徴とする、請求項4に記載の上映システム。
【請求項6】
前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号、又は前記論理積回路の出力信号が異常値Lである場合に、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄されたものと判断することを特徴とする、請求項5に記載の上映システム。
【請求項7】
前記スイッチ回路は、
前記筐体に設けられた複数の扉にそれぞれ設置された複数のスイッチ部と、
前記複数のスイッチ部に接続され、前記複数の扉の開状態及び前記スイッチ部の改竄を検知する電気回路部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の上映システム。
【請求項8】
各前記スイッチ部は、
2つの信号経路を切り替えるSPDTスイッチと、
前記2つの信号経路をそれぞれ前記電気回路部に接続するための第1及び第2出力端子と、
を備え、
前記電気回路部は、
前記複数のスイッチ部が備える第1出力端子を接続するための複数の第1入力端子と、
前記複数のスイッチ部が備える第2出力端子を接続するための複数の第2入力端子と、
前記複数の第1入力端子の出力が入力に接続された第1論理積回路と、
前記複数の第2入力端子の出力が入力に接続された第2論理積回路と、
前記第1論理積回路の出力と前記第2論理積回路の出力とが入力に接続された排他的論理和回路と、
前記第1論理積回路の出力と前記排他的論理和回路の出力とが入力に接続された第3論理積回路と、
を備えることを特徴とする、請求項7に記載の上映システム。
【請求項9】
前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号と前記第3論理積回路の出力信号とに基づいて、前記扉の開状態及び前記スイッチ回路の改竄を検知することを特徴とする、請求項8に記載の上映システム。
【請求項10】
前記タンパ検知装置は、前記スイッチ回路が備える前記排他的論理和回路の出力信号、又は前記第3論理積回路の出力信号が異常値Lである場合に、前記扉の開状態であるか、又は前記スイッチ回路が改竄されたものと判断することを特徴とする、請求項9に記載の上映システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate