下着のオーダーメイドシステム
【課題】実際の着用時にフィット感を得られ、ユーザの嗜好も常に取り入れることが可能な下着のオーダーメイドシステムを提供する。
【解決手段】3次元人体計測装置と、3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備え、前記サーバは、標準の理想体型に関する情報やユーザの個人情報とを有するデータベースと、測定データからユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、理想体型を算出する理想体型算出手段と、理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、型紙データに対応する縫製情報と個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報としてデータベースに記録する記録手段と、ユーザの嗜好情報とカウンセリング情報とを比較し評価を行う評価手段と、最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、を備える。
【解決手段】3次元人体計測装置と、3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備え、前記サーバは、標準の理想体型に関する情報やユーザの個人情報とを有するデータベースと、測定データからユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、理想体型を算出する理想体型算出手段と、理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、型紙データに対応する縫製情報と個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報としてデータベースに記録する記録手段と、ユーザの嗜好情報とカウンセリング情報とを比較し評価を行う評価手段と、最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下着のオーダーメイドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下着は、汗の吸収、体温の調節などの本質的な機能の他に、体型にあった美しいプロポーションを最大限に引き出す機能をもつことが重要である。下着の製造や下着の選択において、そのような下着の機能に多大な関心がよせられている。
【0003】
このようなプロポーションの最適性は、身長、体重、太股、ヒップ、ウエスト、バストなどの要素により決定され、その各要素のバランスにより、最も美しく見える姿が決定される。このような最適体型に必要な最適な下着の製造および選択においては、その人間の体型を正確かつ迅速に測定することが必要となっており、そのための計測手段の改良や開発が行なわれてきている。
【0004】
本出願人は、日々研究を重ね、高精度かつ効率的に非接触で人体の測定を可能とする下着用3次元人体計測装置を開発した(例えば、特許文献1参照)。一方、非接触3次元計測装置によって得られた顧客の3次元身体像をバランスのとれた美しい補正体型に変換する処理を、効率的に行う補正下着の製造装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2868985号公報
【特許文献2】特開平10−130929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
下着用3次元人体計測装置によれば高精度かつ効率的に非接触で人体の測定が可能となる。また、補正下着の製造装置によれば非接触3次元計測装置によって得られた顧客の3次元身体像をバランスのとれた美しい補正体型に変換する処理を、効率的に行うことができる。
【0006】
しかし、上記のような高精度で測定する3次元計測装置で得られた測定値から作成される下着は、人体にフィットする形状で作成される。しかし、下着は、伸縮する素材で作成されるため、ユーザが実際に着用するとフィット感が得られない場合がある。これは、繊維の収縮を完全にシュミレーションして、人体の3次元形状から型紙を算出することは困難なことによるものである。
【0007】
また、下着を着用する人体は柔軟な脂肪で構成されている。従って、着用時は変形し、ヌード時の3次元計測結果とは異なる形状になる。また、人体形状は時間とともに変化する。従って、体型に完全にフィットする下着を設計することは困難である。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち、実際の着用時にフィット感を得られる下着を提供可能なオーダーメイドシステムであって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着のオーダーメイドシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した問題に鑑み、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、それぞれがネットワークを介して接続された、3次元人体計測装置と、サーバと、端末とを備え、前記サーバによって、ユーザの嗜好情報とサーバが管理する情報とを比較評価するカウンセリン
グ機能を備える構成とした。
【0010】
詳細には、本発明は、ユーザの人体の3次元形状を非接触で計測する3次元人体計測装置と、前記3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備える下着のオーダーメイドシステムであって、前記サーバは、標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報とを有するデータベースと、前記3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、前記測定値抽出手段により抽出された測定値と、前記標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報とを基に前記ユーザの理想体型を算出する理想体型算出手段と、前記理想体型算出手段により算出された前記ユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、前記型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と前記標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報として前記データベースに記録する記録手段と、前記端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報と前記カウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて前記縫製情報に対する評価を行う評価手段と、前記評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、を備える。
【0011】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、ユーザの嗜好に対応する嗜好情報とサーバが管理するカウンセリング情報とをサーバが比較評価するカウンセリング機能を備えることで、ユーザの嗜好を反映すると共に実際の着用時にフィット感をより得られる下着を提供することができる。
【0012】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムに用いる3次元人体計測装置は、例えばCCDカメラおよび格子とシャッターを備えるプロジェクタからなる測定ユニット、切換器、フレームメモリとともに、画像撮影制御、切換器制御および画像座標処理を行なう計測制御部、データ作成部およびデータ表示部を備えた演算・制御装置を有し、演算・制御装置における計測制御部の画像撮影制御および切換器制御に従って、測定ユニットのプロジェクタにより格子パターンが人体表面に投影され、CCDカメラにより人体表面形状によって変形した格子線パターンが変形格子像として撮像されてフレームメモリに記録され、計算制御部の画像座標処理により、原点をO(0,0,0)としたX−Y−Z直角座標の物体空間系において、プロジェクタのレンズを、その光軸をY軸に合わせ、且つその主点を点A(0,a,0)に置くように配置するとともに、CCDカメラのレンズを、その主点をY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、且つその光軸が原点Oを通るように配置し、さらに、撮像変形格子画像の面を、中心を点o(0,a+b,b+d)とし、且つX軸に平行なx軸を有するx−y直角座標の観測系とした場合において、物体空間系において、点Aから射出されるn番目の格子線の角度をθNとしたときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atanθN)とし、投影格子パターンの格子線上の点をT(X,Y,Z)とし、さらに、観測系において、T(X,Y,Z)に対応する点をt(x,y)としたとき、変形格子像の格子線の2次元座標(x,y)から人体表面の3次元座標(X,Y,Z)が
【数1】
を用いて算出され、そして、この3次元座標データがデータ作成部およびデータ表示部を介して表示されるものとすることができる。
【0013】
上記3次元人体計測装置によれば、暗室に近い環境を必要とせず、高効率かつ高精度に非接触で人体の測定が可能となる。なお、上記3次元人体計測装置は、本出願人が先に開発した技術である。また、この3次元人体計測装置の測定原理等については、後述する発明を実施するための最良の形態において詳述する。
【0014】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムに用いるサーバは、データベースを備え、前記3次元人体計測装置及び端末とネットワークを介して接続される。端末は、前記3次元人体計測装置が設置される販売店(店舗)、ユーザの自宅、メーカー、縫製工場等必要に応じた箇所に複数設置することができる。なお、端末には、市販のパーソナルコンピュータを用いることができる。従って、改めて設置する必要はなく、既存のパーソナルコンピュータを用いることができる。3次元人体計測装置と端末とサーバがネットワークを介して接続された構成とすることで、下着の発注、製造管理、顧客管理、ユーザの注文、見積もり書の発行、売り上げ管理等を行うことができる。
【0015】
前記データベースには、標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報が格納される。なお、前記データベースに格納される情報は、上記に限定されるわけではない。また、標準の理想体型に関する情報とは、例えば身長に対応する理想体型に関する情報をいう。例えば、所定の身長に対応するトップバスト、アンダーバスト、ウエスト、ヒップ廻り、太股、ヒップ高、ウエスト高、トップバスト高等に関する情報をいう。
【0016】
複数の型紙データとは、下着の種類毎に区分けされ、更に所定のサイズ毎に区分けされた型紙データをいう。下着の種類には、ブラジャー、ショーツ、ガードル、ボディースーツ等が例示される。サイズ毎の区分けでは、例えば、ブラジャーは、カップサイズ、アンダーバストサイズのパラメータより構成され、ボディースーツは、カップサイズ、アンダーバストサイズ、ヒップサイズのパラメータより構成される。
【0017】
個人情報は、少なくとも身長、体重、年齢によって構成することができる。この他にも、個人情報は例えば住所、今まで着用していた下着の履歴、下着の購入履歴等を個人情報によって構成することができる。
【0018】
測定値抽出手段は、3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する。すなわち、3次元人体計測装置によれば人体の3次元形状を正確に測定することが可能であるが、測定値抽出手段は、3次元人体計測装置が測定した測
定値の中から所定の測定値を抽出する。所定箇所の測定値は、下着の種類に応じて任意に選択することができる。所定箇所とは、例えば、身長、体重、チェスト、トップバスト、アンダーバスト、乳頭間の幅、乳頭下がり、下乳丈、ウエスト、アンダーバストからウエスト丈、肩山中央からウエスト背面、ヒップ、腹囲、足付け根廻り(左右)、大腿最大囲(左右)、下股廻り(左右)、アンダーバストからヒップ丈、着き込み丈、ヒップ高、ウエスト高(前後)、トップバスト高等が例示される。なお、3次元人体計測装置で測定する箇所を所定の箇所に限定するようにしてもよい。
【0019】
理想体型算出手段は、測定値抽出手段により抽出した測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、を基にユーザの理想体型を算出する。ユーザの理想体型は、ユーザの体型や嗜好により異なるものである。測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、を基に理想体型を算出することによりユーザに適した理想体型を算出することができる。
【0020】
型紙データ作成手段は、理想体型算出手段により算出したユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する。型紙は、理想体型に関するデータに基づいてその都度作成してもよいが、予め複数の型紙データを作成しておき、抽出するようにしてもよい。その場合、型紙データ抽出手段を設け、型紙データ抽出手段によって、理想体型算出手段により算出したユーザの理想体型に近似する型紙データを複数の型紙データの中から少なくとも1つ抽出する。なお、型紙データは、例えば、きつめ、ぴったり、ゆるめのように複数種類抽出することとしてもよい。データベースに予め入力された型紙データを抽出することで、フルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0021】
また、抽出した型紙データを補正する型紙データ補正手段を設けてもよい。抽出された型紙データを補正することで、抽出した場合であっても理想体型データに一致する型紙データを作成することが可能となる。データベースに予め入力された型紙データを抽出し、これを補正することで測定値に基づいてフルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0022】
記録手段は、型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報としてデータベースに記録する。縫製情報は、型紙データ作成手段により作成された型紙データに加えて、素材に関するデータ等により構成される。縫製情報と個人情報と理想体型に関する情報とを関連づけるとは、個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけることを指す。換言すると、例えばあるユーザの個人情報の氏名を選択することにより、そのユーザの縫製情報や理想体型に関する情報もこれに付随して参照できるようにすることをいう。この関連づけられた情報をカウンセリング情報としてデータベースに記録することで、ユーザ個々のあらゆる情報を一つのデータとして管理することができ、更に後述するユーザの嗜好情報と対応するようにデータベース化することで、カウンセリング情報と嗜好情報との比較が可能となり、サーバによりカウンセリング機能を実行することができる。
【0023】
カウンセリング情報には、ユーザの下着の着用履歴情報とユーザの下着の購入履歴情報を更に含めてもよい。下着の着用履歴情報とは、ユーザがどのような下着を今まで着用しているかを表す情報である。下着の購入履歴情報とは、ユーザがどのような頻度でどのような種類を購入したかを表す情報である。カウンセリング情報としてユーザに関する情報をより多くサーバに記録していくことで、ユーザの細かい嗜好に合わせた下着を提供することが可能となる。
【0024】
評価手段は、端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報とカウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて縫製情報に対する評価を行う。評価の方法として
は、例えば、コメントや点数評価等が例示される。
【0025】
嗜好情報は、下着の素材情報、段階的に表される下着の着用感情報により構成することができる。段階的に表される下着の着用感情報とは、例えばきつめ、ぴったり、ゆるめの3段階で表される情報が例示される。なお、これらの情報に限定されるわけでなく、ユーザの嗜好に対応する情報であればよい。
【0026】
嗜好情報とカウンセリング情報は、情報の内容を対応させておくことが望ましい。例えば、嗜好情報における下着の素材情報とカウンセリング情報における縫製情報の素材情報は対応している。また、例えば嗜好情報の着用感情報を3段階として表す場合には、カウンセリング情報の縫製情報に3段階として表現される着用感に関する情報を備えさせることで、嗜好情報とカウンセリング情報とが対応することになる。このように、嗜好情報とカウンセリング情報とを対応させてデータベースに記録することで、サーバによる情報の比較が容易となる。
【0027】
最終縫製情報決定手段は、評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する。最終縫製情報は、縫製業者端末に送信され、縫製され下着が完成する。評価手段による評価が反映された最終縫製情報を決定することで、ユーザの嗜好がより反映された下着を縫製することが可能となる。また、最終縫製情報決定手段は、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつき前記ユーザに対して確認を求めることとしてもよい。決定前にユーザに確認を求めることで、ユーザの嗜好により反映した下着を縫製することが可能となる。
【0028】
なお、本発明は、サーバで実行される処理を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、実際の着用時にフィット感を得られる下着を提供可能なオーダーメイドシステムであって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着のオーダーメイドシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムについて図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムの構成を示す概略図である。同図に示すように、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、3次元人体計測装置111、3次元人体計測装置111が設置される店舗に設置される店舗端末102a、顧客の自宅等に設置される顧客端末102b、縫製工場等に設置される縫製工場端末102c、3次元人体計測装置111により実際に計測した店舗とは異なる店舗に設置される他店舗端末102d、縫製業者に配置される縫製業者端末102e、本発明に係る下着のオーダーメイドシステム専用サーバ103により構成される。また、3次元人体計測装置111、各端末102aから102eおよび専用サーバ103は、ネットワークを介して接続されている。なお、ネットワークは、電気的に接続されていればよく有線、無線を問わ
ない。
【0032】
ここで、図2は、店舗端末102a等の各端末の概略構成を示す図である。同図に示すように、店舗端末102a、顧客端末102b、縫製工場端末102c、他店舗端末102d、縫製業者端末102e、専用サーバ103は、CPU(中央演算処理装置)211、記憶部212、メモリ213、操作部214、表示部215、外部機器と接続可能なインターフェース部216等を備えるコンピュータによって構成することができる。
【0033】
CPU211は、バス217を介して上述した記憶部212等の各ハードウェアと接続され、記憶部212等のハードウェアを制御すると共に、例えばメモリ213としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0034】
記憶部212は、ハードディスクドライブ(以下、HDDとする。)により構成することができる。メモリ213は、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。ROMには、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な半導体メモリを含む。
【0035】
操作部214は、コンピュータの入力装置、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等が含まれる。ポインティングデバイスの種類には特に限定はなく、マウス、トラックボール、ダイヤル式操作部、スティック形式でディスプレイ上のポインタを移動する装置、静電容量によってユーザの指の操作を検出するデバイス、タッチパネル、ジョイスティック等、ユーザのニーズ等に応じて、適切なものを使用すればよい。
【0036】
表示部215は、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、CRT(Cathode Ray Tube)、エレクトロルミネッセンスパネル等である。なお、図示されていないが、表示部215には、画像データを格納するRAM、およびRAMのデータに基づき表示部215を駆動する駆動回路が含まれる。但し、画像データを格納するRAM、表示部215を駆動する駆動回路等は、画像処理基板として、表示部215とは独立に設けても良い。その場合に、画像処理基板には、CPU211からの画面情報を構成するデータが入力される。
【0037】
インターフェース部216は、USB等のシリアルインターフェース、あるいは、PCI(Peripheral Component Interconnect)、ISA(Industry Standard Architecture )、EISA(Extended ISA)、ATA(AT Attachment)、IDE(Integrated Drive Electronics)、IEEE1394、SCSI(Small Computer System Interface)等のパラレルインターフェースのいずれでもよい。
【0038】
3次元人体計測装置111は、ユーザの人体形状を計測する。計測されたユーザの計測データは、専用サーバ103にネットワークを介して送信される。なお、三次元人体計測装置111にも、上述した各端末と同様なコンピュータを接続することができる。
【0039】
ここで、3次元計測装置111について説明する。図3は、本実施形態における3次元人体計測装置111を示す概略図である。同図に示すように、3次元人体計測装置111は、ユーザ110の前後に配置された計6台の測定ユニット112a〜112fにより構成されている。例えば、測定ユニット112dは、カメラC1と、プロジェクタP1により構成されている。なお、他の測定ユニットも同様の構成とすることができる。カメラC1、プロジェクタP1の動作、換言すると3次元人体計測装置111の制御は、3次元人体計測装置111と電気的に接続されたコンピュータ(図示せず。)によって行うことができる。なお、3次元人体計測装置111の制御は、店舗内に配置された店舗端末102
aにより制御してもよい。また、測定ユニット112の配置は、図3に示す形態に限定されるわけではない。例えば、測定ユニット112a等は、ユーザ110の前後のみならず左右に配置してもよい。なお、図3に示すようにユーザ110の前後にのみ配置した場合には、設置スペースの省スペース化を図ることができる。また、ユーザ110の前後左右にも測定ユニット112を配置することで計測精度をより向上させることができる。
【0040】
図4は、3次元人体計測装置111を構成する測定ユニット112の配置の詳細を示す図である。同図に示すように、3次元人体計測装置111を構成する6台の測定ユニットは、前面上半身計測用計測ユニット112a、アンダーバスト計測用計測ユニット112b、前面下半身計測用計測ユニット112c、後面上半身計測用計測ユニット112d、ヒップ計測用計測ユニット112e、後面下半身計測用計測ユニット112fのように計測箇所が予め決まっている。なお、同図に示す三角形は、各測定ユニットにおける計測可能範囲を示す。従って、同図に示すように、上下2台の測定ユニットによってもユーザ110の全身を計測することは可能である。しかし、図4に示すように上下2台の測定ユニットの間にもう一台測定ユニットを設置することで、死角を極力減らすことができ、より精度の高い計測データを得ることができる。
【0041】
なお、3次元人体計測装置111の測定原理は、以下の通りである。まず初めに直線状の格子模様からなるパターンを対象の人体に投影する。このパターンは物体表面の3次元的起伏によって変形するので、このとき投影方向とは別の方向よりこれを観測すれば、その表面形状に応じて変形したパターンをみることができる。
【0042】
そこで、プロジェクタP1により水平方向の格子パターンを測定物体に投影し、観測される変形格子像を、カメラC1で撮影する。そして、取り込んだ変形格子像をコンピュータにより演算処理する。次に観測される変形格子像(フレームメモリに取り込んだ画像)と、測定物体表面上の3次元座標との関係を処理する。この関係式を導くために必要な条件および座標軸を図5のように設定する。
【0043】
この図5において、原点をO(0,0,0)とし、X−Y−Z直角座標を物体空間系とする。格子パターン投影のためのプロジェクタレンズの光軸をY軸に合わせ、レンズ主点を点A(0,a,0)に置くと考える。また、変形格子像を取り組むためのカメラレンズの主点はY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、カメラレンズの光軸は原点Oを通るように配置する。
【0044】
カメラC1により取り込まれた変形格子画像の面をx−y直角座標系とし、これを観測系と呼ぶことにする。観測系の中心を点o(0,a+b,b+d)として、X軸に平行にx軸をとる。点A(プロジェクタレンズ)から射出されるn番目の格子線の角度(Z−Y平面内でのY軸からの角度)をθN として、そのときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atan θN )とする。 測定物体に投影した格子線上の点をT(X,Y
,Z)とし、それに対応する観測系の点をt(x,y)とすると、点Tが直線ADと直線tBの交点であることから、次式のようにTとtとの関係式が得られる。
【0045】
【数1】
【0046】
この式により変形格子像(取り込まれた画像)の格子線の座標(x,y)から、測定物体表面の座標(X,Y,Z)を求めることができる。次に取り込んだ画像から格子線を抽出するために、コンピュータによる解析処理を行なう。A/D変換後、フレームメモリに記憶した画像をコンピュータに画素情報として送る。このとき格子線を抽出するために各画素の二値化などを行なう。
【0047】
そして、ノイズ処理後、各格子線の位置を求め、数1によって二次から三次元へ座標変換を行い、その結果を出力することで処理を終了する。ノイズとしては主としてごま塩ノイズが問題となるために、二値化とともにフィルタ処理を施す。
【0048】
次に専用サーバ103について説明する。図6は、専用サーバ103の機能ブロック図である。同図に示すように、専用サーバ103には、制御部210が設けられている。そして、制御部210には、計測データを取得する計測データ取得部221、取得した計測データを記憶部212へ記録する記録部222、計測データからユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出部223と、ユーザの理想体型を算出する理想体型算出部224と、型紙データを作成する型紙データ作成部225と、カウンセリング情報を作成して記憶部212に記録するカウンセリング情報記録部226と、評価を行う評価部227と、縫製業者に送信する最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定部228とが設けられている。なお、制御部210は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。
【0049】
次に、専用サーバ103で実行される処理について、上記制御部10の各機能とともに図面に基づいて説明する。図7は、専用サーバ103で実行される処理フローである。
【0050】
ステップS201では、3次元人体計測装置111で測定されたユーザの計測データが取得され、記憶部212に記録される。すなわち、計測データ取得部221は、ネットワークによって接続されている3次元人体計測装置111から、ユーザの計測データを例えばCADデータとして取得する。測定データの取得は、3次元計測装置111が計測完了後に自動的に送信するようにし、計測データ取得部221がこれを受け付けることで取得してもよい。また、また販売員等が送信ボタンを押すことにより計測データが送信されるようにし、計測データ取得部221がこれを取得するようにしてもよい。そして、記録部222は、取得された計測データを記憶部212へ記録する。
【0051】
ここで、図8は、記憶部212に格納されるデータ構成を示す概略図である。同図に示すように、専用サーバ103の記憶部212には、計測データの他、標準の理想体型に関する情報、複数の型紙のデータに関する情報、少なくとも身長、体重、年齢からなるユー
ザの個人情報が予めデータベースとして保存されている。標準の理想体型に関する情報とは、身長に対応する理想体型に関する情報をいう。標準の理想体型においても例えばスレンダータイプやグラマラスタイプに分けることができる。例えばスレンダータイプに関する情報とは、トップバストは身長×0.62、アンダーバストは身長×0.42、ウエストは身長×0.32、ヒップ廻りは身長×0.53、太股は身長×0.29、ヒップ高は身長×0.535、ウエスト高は身長×0.616、トップバスト高は身長×0.42という基準に関する情報をいう。
【0052】
複数の型紙データに関する情報とは、下着の種類毎に区分けされ、更に所定のサイズ毎に区分けされた型紙データをいう。下着の種類には、ブラジャー、ショーツ、ガードル、ボディースーツ等が例示される。サイズ毎の区分けでは、例えば、ブラジャーは、カップサイズ、アンダーバストサイズのパラメータより構成され、ボディースーツは、カップサイズ、アンダーバストサイズ、ヒップサイズのパラメータより構成される。
【0053】
個人情報は、少なくとも身長、体重、年齢から構成される。この他にも、例えば住所、今まで着用していた下着の履歴、下着の購入履歴等を個人情報とすることができる。なお、上述した記憶部212に格納される情報は、表示部14に表示することができる。
【0054】
処理フローの説明に戻る。ステップS202では、取得された計測データからユーザの人体の所定箇所の測定値が抽出される。すなわち、測定値抽出部223によって、取得されたユーザの計測データから全身29箇所の測定値が抽出される。ここで、抽出される全身29箇所を図9、図10に示す。これらの図に示すように、抽出する箇所は、身長1、体重2、チェスト(胸囲)3、トップバスト4、アンダーバスト5、乳頭間の幅6、乳頭下がり7、下乳丈8、ウエスト9、アンダーバストからウエスト丈10、肩山中央からウエスト背面11、ヒップ12、腹囲13、足付け根廻り(左右)14、大腿最大囲(左右)15、下股廻り(左右)16、アンダーバストからヒップ丈17、着き込み丈18、ヒップ高19、ウエスト高(前後)20、トップバスト高21、バスト体積22、バストからアンダーバスト距離23、ウエストからアンダーヒップ24、ヒップ幅25、トップヒップから腹部距離26、太股27、ウエストからアンダーヒップ28、トップヒップからアンダーヒップ長29である。なお、抽出する測定箇所は上記に限定されるわけではない。また、全身29箇所の測定値は、本発明に係る所定箇所の測定値に相当する。
【0055】
なお、抽出箇所に反映されていない箇所であっても、例えばバージスラインに関してはアンダーバスト部の形状から推定することができる。また、バストの領域を規定することにより、体積が計測可能となる。更に、ウエスト等の位置が不明確な場合は、シールを使ってその位置を予め指定することで測定値を正確に抽出することができる。測定値の抽出が完了したら次のステップへ進む。
【0056】
ステップS203では、抽出された計測データに基づいてユーザの理想体型が算出される。すなわち、理想体型算出部224によって、ステップS202で抽出された測定値と、標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報と、に基づいてユーザ110の理想体型が算出される。ユーザ110の理想体型は、個人個人の体型や嗜好により異なるものであり、また、年齢と共に変化するものでもある。測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、に基づいて理想体型を算出することによりユーザ110により適した理想体型を算出することができる。理想体型の算出が完了したら次のステップへ進む。
【0057】
ステップS204では、算出された理想体型に基づいて型紙データが作成される。すなわち、型紙データ作成部225によって、ステップS203で算出されたユーザ110の理想体型に基づいて型紙データが作成される。なお、型紙データの作成は、専用サーバ103がステップS203で抽出した測定値を基準に予め専用サーバ103に格納されたデ
ータベースより測定値に近似する既存の型紙データを抽出することとしてもよい。データベースに予め入力された型紙データを抽出することで、フルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。なお、抽出された型紙データを補正する補正部を設けてもよく、これにより、より正確な型紙データの作成が可能となる。型紙データの作成が完了したら次のステップへ進む。
【0058】
ステップS205では、カウンセリング情報が作成され、作成されたカウンセリング情報が記憶部212に記録される。すなわち、カウンセリング情報記録部226によって、ステップS205で作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけることでカウンセリング情報が作成され、作成されたカウンセリング情報が記憶部212に記録される。ここで、縫製情報は、ステップS204により作成された型紙データに素材に関するデータを付加することで形成することができる。また、縫製情報と個人情報と理想体型に関する情報とを関連づけるとは、個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけることを指す。この関連づけられた情報をカウンセリング情報として記憶部212にデータベース化して記録することで、ユーザ個人ごとのあらゆる情報を一つのデータとして管理することができ、更に後述するユーザの嗜好情報と対応するようにデータベース化することで、カウンセリング情報と嗜好情報との比較が可能となり、専用サーバ103によるカウンセリング機能を実行することが可能となる。なお、カウンセリング情報には、ユーザが今までに着用した下着の着用履歴情報や、購入履歴情報等を含めてもよい。
【0059】
なお、カウンセリング情報は、各端末の表示部215に表示可能である。図11から図13に、表示部215に表示されるカウンセリング情報の例を示す。図11では、3次元人体計測装置111により測定された実際の測定値に基づいて表されるユーザ110の3次元人体像が表示されている。これにより、ユーザは、自らの体型を表示部215を通じて確認することができる。なお、操作部214によって、ユーザ110の嗜好する角度から表示できるようにしてもよい。図12では、ユーザ110のカウンセリング情報の一例が表示されている。同図に示すように、図12には、ユーザ110の氏名、年齢、計測日、スレンダータイプを選択した場合のトップバスト等の数値、グラマラスタイプを選択した場合のトップバスト等の数値が表示されている。個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけられて表示され、また、これらの情報は、表、グラフ、イメージ図といった様々な形式で表示さている。従って、ユーザは、様々な角度から購入する下着の検討を行うことができる。図13では、様々な種類の下着をユーザ110が装着した場合のイメージが示されている。これにより、ユーザは、様々な種類の下着を画面上でシュミレーションすることができる。
【0060】
ステップS206では、ユーザの嗜好が反映された嗜好情報が取得される。具体的には、操作部214を介してユーザ自らの嗜好を受け付ける。嗜好情報は、例えば、下着の素材情報、きつめ、ぴったり、ゆるめの3段階で表される着用感に関する情報(下着の着用感情報)によって構成することができる。なお、カウンセリング情報と嗜好情報とは、情報の内容を対応させておくことが好ましい。例えば、嗜好情報における下着の素材情報とカウンセリング情報における縫製情報の素材情報を対応させるようにする。これにより、後述する比較部227における比較が容易となる。
【0061】
ステップS207では、評価が行われる。すなわち、評価部227によって、ステップS206で受け付けたユーザの嗜好に対応する嗜好情報とステップS205で記録されたカウンセリング情報とが比較され、比較結果に基づいて縫製情報に対する評価が行われる。すなわち、比較部227は、嗜好情報に含まれる情報に対応するカウンセリング情報に含まれる情報とを比較し、嗜好情報とカウンセリング情報とがどの程度一致している、又はどの程度開きがあるか等を判断する。サイズなど数値で表現される情報に関しては、数
値同士を比較し、数値が一致しているか、近似しているか、差が大きいかといった基準を基に判断すればよい。図14に、評価結果を示す画面を示す。図14において、aは計測値に基づくユーザ110の三次元画像、bはユーザの嗜好を受け付けて最終的に決定された下着を一定期間着用した場合の理想体型、cは身体の各部位が理想体型に近づく可能性を点数評価で示し、dはこれをグラフ化したものであり、eは総合評価を文章としてコメントしたものである。このように、本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムによれば、カウンセリング情報と嗜好情報との比較及び評価がサーバで自動的に行われるので、ユーザは、このような評価結果を踏まえた上で購入するか否かについての判断ができ、より自分に合った下着を選択することができる。評価が完了すると、次のステップへ進む。
【0062】
ステップS208では、最終縫製情報が決定される。すなわち、最終縫製情報決定部228によって、ステップS207における評価が反映された縫製情報が、縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報として決定される。なお、縫製情報を決定するに際しては、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつきユーザ110に対して確認を求めることとしてもよい。決定前にユーザに確認を求めることで、ユーザの嗜好により反映した下着を縫製することが可能となる。このように、ユーザ110の嗜好を受け付けた後、サーバ103によりユーザ110の嗜好とカウンセリング情報とを比較評価し、これらを反映した縫製情報を最終的な縫製情報とすることでユーザの嗜好がより反映された下着を縫製することが可能となる。また、ユーザ110は、各端末102aから102eによっていつでも自らのカウンセリング情報を閲覧可能であり、また、自らの嗜好を送信可能である。従って、実際に着用したら若干きつめであったような場合や、以前の購入時より若干ゆるめの下着を購入したい等、様々な場面に応じて、最も自分に適した下着を購入することが可能となる。
【0063】
最終縫製情報が決定されると、決定された最終縫製情報が縫製業者端末に送信される。その後、縫製業者によって、最終縫製情報を基に下着の縫製が行われる。
【0064】
以上説明した本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムによれば、実際の着用時にフィット感を得られる下着であって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着を提供することができる。
【0065】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】下着のオーダーメイドシステムの構成を示す概略図である。
【図2】端末の概略構成を示す図である。
【図3】3次元人体計測装置を示す概略図である。
【図4】3次元人体計測装置を構成する測定ユニットの配置の詳細を示す図である。
【図5】3次元人体計測装置の測定原理を示した空間座標の関係図である。
【図6】専用サーバの機能ブロック図である。
【図7】専用サーバで実行される処理フローである。
【図8】記憶部に格納されるデータ構成を示す概略図である。
【図9】抽出される全身29箇所を示す第一図である。
【図10】抽出される全身29箇所を示す第二図である。
【図11】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図12】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図13】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図14】表示部に表示される評価結果を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
102a・・・店舗端末
102b・・・ユーザ端末
102c・・・縫製工場端末
102d・・・他店舗端末
102e・・・縫製業者端末
103・・・専用サーバ
110・・・ユーザ
111・・・3次元人体計測装置
112a〜112f・・・測定ユニット
211・・・CPU
212・・・記憶部
213・・・メモリ
214・・・操作部
215・・・表示部
216・・・インターフェース部
217・・・バス
221・・・計測データ取得部
222・・・記録部
223・・・測定値抽出部
224・・・理想体型算出部
225・・・型紙データ作成部
226・・・カウンセリング情報記録部
227・・・評価部
228・・・最終縫製情報決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、下着のオーダーメイドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下着は、汗の吸収、体温の調節などの本質的な機能の他に、体型にあった美しいプロポーションを最大限に引き出す機能をもつことが重要である。下着の製造や下着の選択において、そのような下着の機能に多大な関心がよせられている。
【0003】
このようなプロポーションの最適性は、身長、体重、太股、ヒップ、ウエスト、バストなどの要素により決定され、その各要素のバランスにより、最も美しく見える姿が決定される。このような最適体型に必要な最適な下着の製造および選択においては、その人間の体型を正確かつ迅速に測定することが必要となっており、そのための計測手段の改良や開発が行なわれてきている。
【0004】
本出願人は、日々研究を重ね、高精度かつ効率的に非接触で人体の測定を可能とする下着用3次元人体計測装置を開発した(例えば、特許文献1参照)。一方、非接触3次元計測装置によって得られた顧客の3次元身体像をバランスのとれた美しい補正体型に変換する処理を、効率的に行う補正下着の製造装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2868985号公報
【特許文献2】特開平10−130929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
下着用3次元人体計測装置によれば高精度かつ効率的に非接触で人体の測定が可能となる。また、補正下着の製造装置によれば非接触3次元計測装置によって得られた顧客の3次元身体像をバランスのとれた美しい補正体型に変換する処理を、効率的に行うことができる。
【0006】
しかし、上記のような高精度で測定する3次元計測装置で得られた測定値から作成される下着は、人体にフィットする形状で作成される。しかし、下着は、伸縮する素材で作成されるため、ユーザが実際に着用するとフィット感が得られない場合がある。これは、繊維の収縮を完全にシュミレーションして、人体の3次元形状から型紙を算出することは困難なことによるものである。
【0007】
また、下着を着用する人体は柔軟な脂肪で構成されている。従って、着用時は変形し、ヌード時の3次元計測結果とは異なる形状になる。また、人体形状は時間とともに変化する。従って、体型に完全にフィットする下着を設計することは困難である。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち、実際の着用時にフィット感を得られる下着を提供可能なオーダーメイドシステムであって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着のオーダーメイドシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した問題に鑑み、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、それぞれがネットワークを介して接続された、3次元人体計測装置と、サーバと、端末とを備え、前記サーバによって、ユーザの嗜好情報とサーバが管理する情報とを比較評価するカウンセリン
グ機能を備える構成とした。
【0010】
詳細には、本発明は、ユーザの人体の3次元形状を非接触で計測する3次元人体計測装置と、前記3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備える下着のオーダーメイドシステムであって、前記サーバは、標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報とを有するデータベースと、前記3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、前記測定値抽出手段により抽出された測定値と、前記標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報とを基に前記ユーザの理想体型を算出する理想体型算出手段と、前記理想体型算出手段により算出された前記ユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、前記型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と前記標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報として前記データベースに記録する記録手段と、前記端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報と前記カウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて前記縫製情報に対する評価を行う評価手段と、前記評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、を備える。
【0011】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、ユーザの嗜好に対応する嗜好情報とサーバが管理するカウンセリング情報とをサーバが比較評価するカウンセリング機能を備えることで、ユーザの嗜好を反映すると共に実際の着用時にフィット感をより得られる下着を提供することができる。
【0012】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムに用いる3次元人体計測装置は、例えばCCDカメラおよび格子とシャッターを備えるプロジェクタからなる測定ユニット、切換器、フレームメモリとともに、画像撮影制御、切換器制御および画像座標処理を行なう計測制御部、データ作成部およびデータ表示部を備えた演算・制御装置を有し、演算・制御装置における計測制御部の画像撮影制御および切換器制御に従って、測定ユニットのプロジェクタにより格子パターンが人体表面に投影され、CCDカメラにより人体表面形状によって変形した格子線パターンが変形格子像として撮像されてフレームメモリに記録され、計算制御部の画像座標処理により、原点をO(0,0,0)としたX−Y−Z直角座標の物体空間系において、プロジェクタのレンズを、その光軸をY軸に合わせ、且つその主点を点A(0,a,0)に置くように配置するとともに、CCDカメラのレンズを、その主点をY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、且つその光軸が原点Oを通るように配置し、さらに、撮像変形格子画像の面を、中心を点o(0,a+b,b+d)とし、且つX軸に平行なx軸を有するx−y直角座標の観測系とした場合において、物体空間系において、点Aから射出されるn番目の格子線の角度をθNとしたときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atanθN)とし、投影格子パターンの格子線上の点をT(X,Y,Z)とし、さらに、観測系において、T(X,Y,Z)に対応する点をt(x,y)としたとき、変形格子像の格子線の2次元座標(x,y)から人体表面の3次元座標(X,Y,Z)が
【数1】
を用いて算出され、そして、この3次元座標データがデータ作成部およびデータ表示部を介して表示されるものとすることができる。
【0013】
上記3次元人体計測装置によれば、暗室に近い環境を必要とせず、高効率かつ高精度に非接触で人体の測定が可能となる。なお、上記3次元人体計測装置は、本出願人が先に開発した技術である。また、この3次元人体計測装置の測定原理等については、後述する発明を実施するための最良の形態において詳述する。
【0014】
本発明に係る下着のオーダーメイドシステムに用いるサーバは、データベースを備え、前記3次元人体計測装置及び端末とネットワークを介して接続される。端末は、前記3次元人体計測装置が設置される販売店(店舗)、ユーザの自宅、メーカー、縫製工場等必要に応じた箇所に複数設置することができる。なお、端末には、市販のパーソナルコンピュータを用いることができる。従って、改めて設置する必要はなく、既存のパーソナルコンピュータを用いることができる。3次元人体計測装置と端末とサーバがネットワークを介して接続された構成とすることで、下着の発注、製造管理、顧客管理、ユーザの注文、見積もり書の発行、売り上げ管理等を行うことができる。
【0015】
前記データベースには、標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報が格納される。なお、前記データベースに格納される情報は、上記に限定されるわけではない。また、標準の理想体型に関する情報とは、例えば身長に対応する理想体型に関する情報をいう。例えば、所定の身長に対応するトップバスト、アンダーバスト、ウエスト、ヒップ廻り、太股、ヒップ高、ウエスト高、トップバスト高等に関する情報をいう。
【0016】
複数の型紙データとは、下着の種類毎に区分けされ、更に所定のサイズ毎に区分けされた型紙データをいう。下着の種類には、ブラジャー、ショーツ、ガードル、ボディースーツ等が例示される。サイズ毎の区分けでは、例えば、ブラジャーは、カップサイズ、アンダーバストサイズのパラメータより構成され、ボディースーツは、カップサイズ、アンダーバストサイズ、ヒップサイズのパラメータより構成される。
【0017】
個人情報は、少なくとも身長、体重、年齢によって構成することができる。この他にも、個人情報は例えば住所、今まで着用していた下着の履歴、下着の購入履歴等を個人情報によって構成することができる。
【0018】
測定値抽出手段は、3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する。すなわち、3次元人体計測装置によれば人体の3次元形状を正確に測定することが可能であるが、測定値抽出手段は、3次元人体計測装置が測定した測
定値の中から所定の測定値を抽出する。所定箇所の測定値は、下着の種類に応じて任意に選択することができる。所定箇所とは、例えば、身長、体重、チェスト、トップバスト、アンダーバスト、乳頭間の幅、乳頭下がり、下乳丈、ウエスト、アンダーバストからウエスト丈、肩山中央からウエスト背面、ヒップ、腹囲、足付け根廻り(左右)、大腿最大囲(左右)、下股廻り(左右)、アンダーバストからヒップ丈、着き込み丈、ヒップ高、ウエスト高(前後)、トップバスト高等が例示される。なお、3次元人体計測装置で測定する箇所を所定の箇所に限定するようにしてもよい。
【0019】
理想体型算出手段は、測定値抽出手段により抽出した測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、を基にユーザの理想体型を算出する。ユーザの理想体型は、ユーザの体型や嗜好により異なるものである。測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、を基に理想体型を算出することによりユーザに適した理想体型を算出することができる。
【0020】
型紙データ作成手段は、理想体型算出手段により算出したユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する。型紙は、理想体型に関するデータに基づいてその都度作成してもよいが、予め複数の型紙データを作成しておき、抽出するようにしてもよい。その場合、型紙データ抽出手段を設け、型紙データ抽出手段によって、理想体型算出手段により算出したユーザの理想体型に近似する型紙データを複数の型紙データの中から少なくとも1つ抽出する。なお、型紙データは、例えば、きつめ、ぴったり、ゆるめのように複数種類抽出することとしてもよい。データベースに予め入力された型紙データを抽出することで、フルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0021】
また、抽出した型紙データを補正する型紙データ補正手段を設けてもよい。抽出された型紙データを補正することで、抽出した場合であっても理想体型データに一致する型紙データを作成することが可能となる。データベースに予め入力された型紙データを抽出し、これを補正することで測定値に基づいてフルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0022】
記録手段は、型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報としてデータベースに記録する。縫製情報は、型紙データ作成手段により作成された型紙データに加えて、素材に関するデータ等により構成される。縫製情報と個人情報と理想体型に関する情報とを関連づけるとは、個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけることを指す。換言すると、例えばあるユーザの個人情報の氏名を選択することにより、そのユーザの縫製情報や理想体型に関する情報もこれに付随して参照できるようにすることをいう。この関連づけられた情報をカウンセリング情報としてデータベースに記録することで、ユーザ個々のあらゆる情報を一つのデータとして管理することができ、更に後述するユーザの嗜好情報と対応するようにデータベース化することで、カウンセリング情報と嗜好情報との比較が可能となり、サーバによりカウンセリング機能を実行することができる。
【0023】
カウンセリング情報には、ユーザの下着の着用履歴情報とユーザの下着の購入履歴情報を更に含めてもよい。下着の着用履歴情報とは、ユーザがどのような下着を今まで着用しているかを表す情報である。下着の購入履歴情報とは、ユーザがどのような頻度でどのような種類を購入したかを表す情報である。カウンセリング情報としてユーザに関する情報をより多くサーバに記録していくことで、ユーザの細かい嗜好に合わせた下着を提供することが可能となる。
【0024】
評価手段は、端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報とカウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて縫製情報に対する評価を行う。評価の方法として
は、例えば、コメントや点数評価等が例示される。
【0025】
嗜好情報は、下着の素材情報、段階的に表される下着の着用感情報により構成することができる。段階的に表される下着の着用感情報とは、例えばきつめ、ぴったり、ゆるめの3段階で表される情報が例示される。なお、これらの情報に限定されるわけでなく、ユーザの嗜好に対応する情報であればよい。
【0026】
嗜好情報とカウンセリング情報は、情報の内容を対応させておくことが望ましい。例えば、嗜好情報における下着の素材情報とカウンセリング情報における縫製情報の素材情報は対応している。また、例えば嗜好情報の着用感情報を3段階として表す場合には、カウンセリング情報の縫製情報に3段階として表現される着用感に関する情報を備えさせることで、嗜好情報とカウンセリング情報とが対応することになる。このように、嗜好情報とカウンセリング情報とを対応させてデータベースに記録することで、サーバによる情報の比較が容易となる。
【0027】
最終縫製情報決定手段は、評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する。最終縫製情報は、縫製業者端末に送信され、縫製され下着が完成する。評価手段による評価が反映された最終縫製情報を決定することで、ユーザの嗜好がより反映された下着を縫製することが可能となる。また、最終縫製情報決定手段は、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつき前記ユーザに対して確認を求めることとしてもよい。決定前にユーザに確認を求めることで、ユーザの嗜好により反映した下着を縫製することが可能となる。
【0028】
なお、本発明は、サーバで実行される処理を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、実際の着用時にフィット感を得られる下着を提供可能なオーダーメイドシステムであって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着のオーダーメイドシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムについて図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムの構成を示す概略図である。同図に示すように、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムは、3次元人体計測装置111、3次元人体計測装置111が設置される店舗に設置される店舗端末102a、顧客の自宅等に設置される顧客端末102b、縫製工場等に設置される縫製工場端末102c、3次元人体計測装置111により実際に計測した店舗とは異なる店舗に設置される他店舗端末102d、縫製業者に配置される縫製業者端末102e、本発明に係る下着のオーダーメイドシステム専用サーバ103により構成される。また、3次元人体計測装置111、各端末102aから102eおよび専用サーバ103は、ネットワークを介して接続されている。なお、ネットワークは、電気的に接続されていればよく有線、無線を問わ
ない。
【0032】
ここで、図2は、店舗端末102a等の各端末の概略構成を示す図である。同図に示すように、店舗端末102a、顧客端末102b、縫製工場端末102c、他店舗端末102d、縫製業者端末102e、専用サーバ103は、CPU(中央演算処理装置)211、記憶部212、メモリ213、操作部214、表示部215、外部機器と接続可能なインターフェース部216等を備えるコンピュータによって構成することができる。
【0033】
CPU211は、バス217を介して上述した記憶部212等の各ハードウェアと接続され、記憶部212等のハードウェアを制御すると共に、例えばメモリ213としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0034】
記憶部212は、ハードディスクドライブ(以下、HDDとする。)により構成することができる。メモリ213は、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。ROMには、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な半導体メモリを含む。
【0035】
操作部214は、コンピュータの入力装置、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等が含まれる。ポインティングデバイスの種類には特に限定はなく、マウス、トラックボール、ダイヤル式操作部、スティック形式でディスプレイ上のポインタを移動する装置、静電容量によってユーザの指の操作を検出するデバイス、タッチパネル、ジョイスティック等、ユーザのニーズ等に応じて、適切なものを使用すればよい。
【0036】
表示部215は、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、CRT(Cathode Ray Tube)、エレクトロルミネッセンスパネル等である。なお、図示されていないが、表示部215には、画像データを格納するRAM、およびRAMのデータに基づき表示部215を駆動する駆動回路が含まれる。但し、画像データを格納するRAM、表示部215を駆動する駆動回路等は、画像処理基板として、表示部215とは独立に設けても良い。その場合に、画像処理基板には、CPU211からの画面情報を構成するデータが入力される。
【0037】
インターフェース部216は、USB等のシリアルインターフェース、あるいは、PCI(Peripheral Component Interconnect)、ISA(Industry Standard Architecture )、EISA(Extended ISA)、ATA(AT Attachment)、IDE(Integrated Drive Electronics)、IEEE1394、SCSI(Small Computer System Interface)等のパラレルインターフェースのいずれでもよい。
【0038】
3次元人体計測装置111は、ユーザの人体形状を計測する。計測されたユーザの計測データは、専用サーバ103にネットワークを介して送信される。なお、三次元人体計測装置111にも、上述した各端末と同様なコンピュータを接続することができる。
【0039】
ここで、3次元計測装置111について説明する。図3は、本実施形態における3次元人体計測装置111を示す概略図である。同図に示すように、3次元人体計測装置111は、ユーザ110の前後に配置された計6台の測定ユニット112a〜112fにより構成されている。例えば、測定ユニット112dは、カメラC1と、プロジェクタP1により構成されている。なお、他の測定ユニットも同様の構成とすることができる。カメラC1、プロジェクタP1の動作、換言すると3次元人体計測装置111の制御は、3次元人体計測装置111と電気的に接続されたコンピュータ(図示せず。)によって行うことができる。なお、3次元人体計測装置111の制御は、店舗内に配置された店舗端末102
aにより制御してもよい。また、測定ユニット112の配置は、図3に示す形態に限定されるわけではない。例えば、測定ユニット112a等は、ユーザ110の前後のみならず左右に配置してもよい。なお、図3に示すようにユーザ110の前後にのみ配置した場合には、設置スペースの省スペース化を図ることができる。また、ユーザ110の前後左右にも測定ユニット112を配置することで計測精度をより向上させることができる。
【0040】
図4は、3次元人体計測装置111を構成する測定ユニット112の配置の詳細を示す図である。同図に示すように、3次元人体計測装置111を構成する6台の測定ユニットは、前面上半身計測用計測ユニット112a、アンダーバスト計測用計測ユニット112b、前面下半身計測用計測ユニット112c、後面上半身計測用計測ユニット112d、ヒップ計測用計測ユニット112e、後面下半身計測用計測ユニット112fのように計測箇所が予め決まっている。なお、同図に示す三角形は、各測定ユニットにおける計測可能範囲を示す。従って、同図に示すように、上下2台の測定ユニットによってもユーザ110の全身を計測することは可能である。しかし、図4に示すように上下2台の測定ユニットの間にもう一台測定ユニットを設置することで、死角を極力減らすことができ、より精度の高い計測データを得ることができる。
【0041】
なお、3次元人体計測装置111の測定原理は、以下の通りである。まず初めに直線状の格子模様からなるパターンを対象の人体に投影する。このパターンは物体表面の3次元的起伏によって変形するので、このとき投影方向とは別の方向よりこれを観測すれば、その表面形状に応じて変形したパターンをみることができる。
【0042】
そこで、プロジェクタP1により水平方向の格子パターンを測定物体に投影し、観測される変形格子像を、カメラC1で撮影する。そして、取り込んだ変形格子像をコンピュータにより演算処理する。次に観測される変形格子像(フレームメモリに取り込んだ画像)と、測定物体表面上の3次元座標との関係を処理する。この関係式を導くために必要な条件および座標軸を図5のように設定する。
【0043】
この図5において、原点をO(0,0,0)とし、X−Y−Z直角座標を物体空間系とする。格子パターン投影のためのプロジェクタレンズの光軸をY軸に合わせ、レンズ主点を点A(0,a,0)に置くと考える。また、変形格子像を取り組むためのカメラレンズの主点はY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、カメラレンズの光軸は原点Oを通るように配置する。
【0044】
カメラC1により取り込まれた変形格子画像の面をx−y直角座標系とし、これを観測系と呼ぶことにする。観測系の中心を点o(0,a+b,b+d)として、X軸に平行にx軸をとる。点A(プロジェクタレンズ)から射出されるn番目の格子線の角度(Z−Y平面内でのY軸からの角度)をθN として、そのときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atan θN )とする。 測定物体に投影した格子線上の点をT(X,Y
,Z)とし、それに対応する観測系の点をt(x,y)とすると、点Tが直線ADと直線tBの交点であることから、次式のようにTとtとの関係式が得られる。
【0045】
【数1】
【0046】
この式により変形格子像(取り込まれた画像)の格子線の座標(x,y)から、測定物体表面の座標(X,Y,Z)を求めることができる。次に取り込んだ画像から格子線を抽出するために、コンピュータによる解析処理を行なう。A/D変換後、フレームメモリに記憶した画像をコンピュータに画素情報として送る。このとき格子線を抽出するために各画素の二値化などを行なう。
【0047】
そして、ノイズ処理後、各格子線の位置を求め、数1によって二次から三次元へ座標変換を行い、その結果を出力することで処理を終了する。ノイズとしては主としてごま塩ノイズが問題となるために、二値化とともにフィルタ処理を施す。
【0048】
次に専用サーバ103について説明する。図6は、専用サーバ103の機能ブロック図である。同図に示すように、専用サーバ103には、制御部210が設けられている。そして、制御部210には、計測データを取得する計測データ取得部221、取得した計測データを記憶部212へ記録する記録部222、計測データからユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出部223と、ユーザの理想体型を算出する理想体型算出部224と、型紙データを作成する型紙データ作成部225と、カウンセリング情報を作成して記憶部212に記録するカウンセリング情報記録部226と、評価を行う評価部227と、縫製業者に送信する最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定部228とが設けられている。なお、制御部210は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。
【0049】
次に、専用サーバ103で実行される処理について、上記制御部10の各機能とともに図面に基づいて説明する。図7は、専用サーバ103で実行される処理フローである。
【0050】
ステップS201では、3次元人体計測装置111で測定されたユーザの計測データが取得され、記憶部212に記録される。すなわち、計測データ取得部221は、ネットワークによって接続されている3次元人体計測装置111から、ユーザの計測データを例えばCADデータとして取得する。測定データの取得は、3次元計測装置111が計測完了後に自動的に送信するようにし、計測データ取得部221がこれを受け付けることで取得してもよい。また、また販売員等が送信ボタンを押すことにより計測データが送信されるようにし、計測データ取得部221がこれを取得するようにしてもよい。そして、記録部222は、取得された計測データを記憶部212へ記録する。
【0051】
ここで、図8は、記憶部212に格納されるデータ構成を示す概略図である。同図に示すように、専用サーバ103の記憶部212には、計測データの他、標準の理想体型に関する情報、複数の型紙のデータに関する情報、少なくとも身長、体重、年齢からなるユー
ザの個人情報が予めデータベースとして保存されている。標準の理想体型に関する情報とは、身長に対応する理想体型に関する情報をいう。標準の理想体型においても例えばスレンダータイプやグラマラスタイプに分けることができる。例えばスレンダータイプに関する情報とは、トップバストは身長×0.62、アンダーバストは身長×0.42、ウエストは身長×0.32、ヒップ廻りは身長×0.53、太股は身長×0.29、ヒップ高は身長×0.535、ウエスト高は身長×0.616、トップバスト高は身長×0.42という基準に関する情報をいう。
【0052】
複数の型紙データに関する情報とは、下着の種類毎に区分けされ、更に所定のサイズ毎に区分けされた型紙データをいう。下着の種類には、ブラジャー、ショーツ、ガードル、ボディースーツ等が例示される。サイズ毎の区分けでは、例えば、ブラジャーは、カップサイズ、アンダーバストサイズのパラメータより構成され、ボディースーツは、カップサイズ、アンダーバストサイズ、ヒップサイズのパラメータより構成される。
【0053】
個人情報は、少なくとも身長、体重、年齢から構成される。この他にも、例えば住所、今まで着用していた下着の履歴、下着の購入履歴等を個人情報とすることができる。なお、上述した記憶部212に格納される情報は、表示部14に表示することができる。
【0054】
処理フローの説明に戻る。ステップS202では、取得された計測データからユーザの人体の所定箇所の測定値が抽出される。すなわち、測定値抽出部223によって、取得されたユーザの計測データから全身29箇所の測定値が抽出される。ここで、抽出される全身29箇所を図9、図10に示す。これらの図に示すように、抽出する箇所は、身長1、体重2、チェスト(胸囲)3、トップバスト4、アンダーバスト5、乳頭間の幅6、乳頭下がり7、下乳丈8、ウエスト9、アンダーバストからウエスト丈10、肩山中央からウエスト背面11、ヒップ12、腹囲13、足付け根廻り(左右)14、大腿最大囲(左右)15、下股廻り(左右)16、アンダーバストからヒップ丈17、着き込み丈18、ヒップ高19、ウエスト高(前後)20、トップバスト高21、バスト体積22、バストからアンダーバスト距離23、ウエストからアンダーヒップ24、ヒップ幅25、トップヒップから腹部距離26、太股27、ウエストからアンダーヒップ28、トップヒップからアンダーヒップ長29である。なお、抽出する測定箇所は上記に限定されるわけではない。また、全身29箇所の測定値は、本発明に係る所定箇所の測定値に相当する。
【0055】
なお、抽出箇所に反映されていない箇所であっても、例えばバージスラインに関してはアンダーバスト部の形状から推定することができる。また、バストの領域を規定することにより、体積が計測可能となる。更に、ウエスト等の位置が不明確な場合は、シールを使ってその位置を予め指定することで測定値を正確に抽出することができる。測定値の抽出が完了したら次のステップへ進む。
【0056】
ステップS203では、抽出された計測データに基づいてユーザの理想体型が算出される。すなわち、理想体型算出部224によって、ステップS202で抽出された測定値と、標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報と、に基づいてユーザ110の理想体型が算出される。ユーザ110の理想体型は、個人個人の体型や嗜好により異なるものであり、また、年齢と共に変化するものでもある。測定値と、標準の理想体型に関する情報と、個人情報と、に基づいて理想体型を算出することによりユーザ110により適した理想体型を算出することができる。理想体型の算出が完了したら次のステップへ進む。
【0057】
ステップS204では、算出された理想体型に基づいて型紙データが作成される。すなわち、型紙データ作成部225によって、ステップS203で算出されたユーザ110の理想体型に基づいて型紙データが作成される。なお、型紙データの作成は、専用サーバ103がステップS203で抽出した測定値を基準に予め専用サーバ103に格納されたデ
ータベースより測定値に近似する既存の型紙データを抽出することとしてもよい。データベースに予め入力された型紙データを抽出することで、フルオーダーで作成する場合より、作業工程の簡素化を図ることができる。なお、抽出された型紙データを補正する補正部を設けてもよく、これにより、より正確な型紙データの作成が可能となる。型紙データの作成が完了したら次のステップへ進む。
【0058】
ステップS205では、カウンセリング情報が作成され、作成されたカウンセリング情報が記憶部212に記録される。すなわち、カウンセリング情報記録部226によって、ステップS205で作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と標準の理想体型に関する情報とを関連づけることでカウンセリング情報が作成され、作成されたカウンセリング情報が記憶部212に記録される。ここで、縫製情報は、ステップS204により作成された型紙データに素材に関するデータを付加することで形成することができる。また、縫製情報と個人情報と理想体型に関する情報とを関連づけるとは、個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけることを指す。この関連づけられた情報をカウンセリング情報として記憶部212にデータベース化して記録することで、ユーザ個人ごとのあらゆる情報を一つのデータとして管理することができ、更に後述するユーザの嗜好情報と対応するようにデータベース化することで、カウンセリング情報と嗜好情報との比較が可能となり、専用サーバ103によるカウンセリング機能を実行することが可能となる。なお、カウンセリング情報には、ユーザが今までに着用した下着の着用履歴情報や、購入履歴情報等を含めてもよい。
【0059】
なお、カウンセリング情報は、各端末の表示部215に表示可能である。図11から図13に、表示部215に表示されるカウンセリング情報の例を示す。図11では、3次元人体計測装置111により測定された実際の測定値に基づいて表されるユーザ110の3次元人体像が表示されている。これにより、ユーザは、自らの体型を表示部215を通じて確認することができる。なお、操作部214によって、ユーザ110の嗜好する角度から表示できるようにしてもよい。図12では、ユーザ110のカウンセリング情報の一例が表示されている。同図に示すように、図12には、ユーザ110の氏名、年齢、計測日、スレンダータイプを選択した場合のトップバスト等の数値、グラマラスタイプを選択した場合のトップバスト等の数値が表示されている。個人情報に縫製情報や理想体型に関する情報を関連づけられて表示され、また、これらの情報は、表、グラフ、イメージ図といった様々な形式で表示さている。従って、ユーザは、様々な角度から購入する下着の検討を行うことができる。図13では、様々な種類の下着をユーザ110が装着した場合のイメージが示されている。これにより、ユーザは、様々な種類の下着を画面上でシュミレーションすることができる。
【0060】
ステップS206では、ユーザの嗜好が反映された嗜好情報が取得される。具体的には、操作部214を介してユーザ自らの嗜好を受け付ける。嗜好情報は、例えば、下着の素材情報、きつめ、ぴったり、ゆるめの3段階で表される着用感に関する情報(下着の着用感情報)によって構成することができる。なお、カウンセリング情報と嗜好情報とは、情報の内容を対応させておくことが好ましい。例えば、嗜好情報における下着の素材情報とカウンセリング情報における縫製情報の素材情報を対応させるようにする。これにより、後述する比較部227における比較が容易となる。
【0061】
ステップS207では、評価が行われる。すなわち、評価部227によって、ステップS206で受け付けたユーザの嗜好に対応する嗜好情報とステップS205で記録されたカウンセリング情報とが比較され、比較結果に基づいて縫製情報に対する評価が行われる。すなわち、比較部227は、嗜好情報に含まれる情報に対応するカウンセリング情報に含まれる情報とを比較し、嗜好情報とカウンセリング情報とがどの程度一致している、又はどの程度開きがあるか等を判断する。サイズなど数値で表現される情報に関しては、数
値同士を比較し、数値が一致しているか、近似しているか、差が大きいかといった基準を基に判断すればよい。図14に、評価結果を示す画面を示す。図14において、aは計測値に基づくユーザ110の三次元画像、bはユーザの嗜好を受け付けて最終的に決定された下着を一定期間着用した場合の理想体型、cは身体の各部位が理想体型に近づく可能性を点数評価で示し、dはこれをグラフ化したものであり、eは総合評価を文章としてコメントしたものである。このように、本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムによれば、カウンセリング情報と嗜好情報との比較及び評価がサーバで自動的に行われるので、ユーザは、このような評価結果を踏まえた上で購入するか否かについての判断ができ、より自分に合った下着を選択することができる。評価が完了すると、次のステップへ進む。
【0062】
ステップS208では、最終縫製情報が決定される。すなわち、最終縫製情報決定部228によって、ステップS207における評価が反映された縫製情報が、縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報として決定される。なお、縫製情報を決定するに際しては、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつきユーザ110に対して確認を求めることとしてもよい。決定前にユーザに確認を求めることで、ユーザの嗜好により反映した下着を縫製することが可能となる。このように、ユーザ110の嗜好を受け付けた後、サーバ103によりユーザ110の嗜好とカウンセリング情報とを比較評価し、これらを反映した縫製情報を最終的な縫製情報とすることでユーザの嗜好がより反映された下着を縫製することが可能となる。また、ユーザ110は、各端末102aから102eによっていつでも自らのカウンセリング情報を閲覧可能であり、また、自らの嗜好を送信可能である。従って、実際に着用したら若干きつめであったような場合や、以前の購入時より若干ゆるめの下着を購入したい等、様々な場面に応じて、最も自分に適した下着を購入することが可能となる。
【0063】
最終縫製情報が決定されると、決定された最終縫製情報が縫製業者端末に送信される。その後、縫製業者によって、最終縫製情報を基に下着の縫製が行われる。
【0064】
以上説明した本実施形態に係る下着のオーダーメイドシステムによれば、実際の着用時にフィット感を得られる下着であって、ユーザの嗜好も取り入れることが可能な下着を提供することができる。
【0065】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る下着のオーダーメイドシステムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】下着のオーダーメイドシステムの構成を示す概略図である。
【図2】端末の概略構成を示す図である。
【図3】3次元人体計測装置を示す概略図である。
【図4】3次元人体計測装置を構成する測定ユニットの配置の詳細を示す図である。
【図5】3次元人体計測装置の測定原理を示した空間座標の関係図である。
【図6】専用サーバの機能ブロック図である。
【図7】専用サーバで実行される処理フローである。
【図8】記憶部に格納されるデータ構成を示す概略図である。
【図9】抽出される全身29箇所を示す第一図である。
【図10】抽出される全身29箇所を示す第二図である。
【図11】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図12】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図13】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図14】表示部に表示される評価結果を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
102a・・・店舗端末
102b・・・ユーザ端末
102c・・・縫製工場端末
102d・・・他店舗端末
102e・・・縫製業者端末
103・・・専用サーバ
110・・・ユーザ
111・・・3次元人体計測装置
112a〜112f・・・測定ユニット
211・・・CPU
212・・・記憶部
213・・・メモリ
214・・・操作部
215・・・表示部
216・・・インターフェース部
217・・・バス
221・・・計測データ取得部
222・・・記録部
223・・・測定値抽出部
224・・・理想体型算出部
225・・・型紙データ作成部
226・・・カウンセリング情報記録部
227・・・評価部
228・・・最終縫製情報決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの人体の3次元形状を非接触で計測する3次元人体計測装置と、前記3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備える下着のオーダーメイドシステムであって、
前記サーバは、
標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報とを有するデータベースと、
前記3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、
前記測定値抽出手段により抽出された測定値と、前記標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報とを基に前記ユーザの理想体型を算出する理想体型算出手段と、
前記理想体型算出手段により算出された前記ユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、
前記型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と前記標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報として前記データベースに記録する記録手段と、
前記端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報と前記カウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて前記縫製情報に対する評価を行う評価手段と、
前記評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、
を備える下着のオーダーメイドシステム。
【請求項2】
前記最終縫製情報決定手段は、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつき前記ユーザに対して確認を求める確認手段を更に有する、
請求項1に記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項3】
前記型紙データ抽出手段は、前記ユーザの理想体型に近似する型紙データを複数パターン抽出する、
請求項1又は請求項2に記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項4】
前記カウンセリング情報は、前記ユーザの下着の着用履歴情報と前記ユーザの下着の購入履歴情報を更に有する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項5】
前記ユーザ嗜好情報は、少なくとも下着の素材情報と段階的に表される下着の着用感情報からなる、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項6】
前記3次元人体計測装置は、CCDカメラおよび格子とシャッターを備えるプロジェクタからなる測定ユニット、切換器、フレームメモリとともに、画像撮影制御、切換器制御および画像座標処理を行なう計測制御部、データ作成部およびデータ表示部を備えた演算・制御装置を有し、演算・制御装置における計測制御部の画像撮影制御および切換器制御に従って、測定ユニットのプロジェクタにより格子パターンが人体表面に投影され、CCDカメラにより人体表面形状によって変形した格子線パターンが変形格子像として撮像されてフレームメモリに記録され、計算制御部の画像座標処理により、原点をO(0,0,0)としたX−Y−Z直角座標の物体空間系において、プロジェクタのレンズを、その光軸をY軸に合わせ、且つその主点を点A(0,a,0)に置くように配置するとともに、CCDカメラのレンズを、その主点をY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、且つその光軸が原点Oを通るように配置し、さらに、撮像変形格子画像の面を、中心を点o(0
,a+b,b+d)とし、且つX軸に平行なx軸を有するx−y直角座標の観測系とした場合において、物体空間系において、点Aから射出されるn番目の格子線の角度をθNとしたときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atanθN)とし、投影格子パターンの格子線上の点をT(X,Y,Z)とし、さらに、観測系において、T(X,Y,Z)に対応する点をt(x,y)としたとき、変形格子像の格子線の2次元座標(x,y)から人体表面の3次元座標(X,Y,Z)が
【数1】
を用いて算出され、そして、この3次元座標データがデータ作成部およびデータ表示部を介して表示されるものである請求項1から請求項5のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項1】
ユーザの人体の3次元形状を非接触で計測する3次元人体計測装置と、前記3次元人体計測装置とネットワークを介して接続されたサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備える下着のオーダーメイドシステムであって、
前記サーバは、
標準の理想体型に関する情報と、複数の型紙のデータと、少なくとも身長、体重、年齢からなる前記ユーザの個人情報とを有するデータベースと、
前記3次元人体計測装置で測定した測定値から前記ユーザの人体の所定箇所の測定値を抽出する測定値抽出手段と、
前記測定値抽出手段により抽出された測定値と、前記標準の理想体型に関する情報と、前記個人情報とを基に前記ユーザの理想体型を算出する理想体型算出手段と、
前記理想体型算出手段により算出された前記ユーザの理想体型に対応する型紙データを作成する型紙データ作成手段と、
前記型紙データ作成手段により作成された型紙データに対応する縫製情報と前記個人情報と前記標準の理想体型に関する情報とを関連づけてカウンセリング情報として前記データベースに記録する記録手段と、
前記端末を介して入力されたユーザの嗜好に対応する嗜好情報と前記カウンセリング情報とを比較し、比較結果に基づいて前記縫製情報に対する評価を行う評価手段と、
前記評価手段による評価が反映された縫製業者に送信されるための情報である最終縫製情報を決定する最終縫製情報決定手段と、
を備える下着のオーダーメイドシステム。
【請求項2】
前記最終縫製情報決定手段は、評価を反映して前記縫製情報を決定するか否かにつき前記ユーザに対して確認を求める確認手段を更に有する、
請求項1に記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項3】
前記型紙データ抽出手段は、前記ユーザの理想体型に近似する型紙データを複数パターン抽出する、
請求項1又は請求項2に記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項4】
前記カウンセリング情報は、前記ユーザの下着の着用履歴情報と前記ユーザの下着の購入履歴情報を更に有する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項5】
前記ユーザ嗜好情報は、少なくとも下着の素材情報と段階的に表される下着の着用感情報からなる、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【請求項6】
前記3次元人体計測装置は、CCDカメラおよび格子とシャッターを備えるプロジェクタからなる測定ユニット、切換器、フレームメモリとともに、画像撮影制御、切換器制御および画像座標処理を行なう計測制御部、データ作成部およびデータ表示部を備えた演算・制御装置を有し、演算・制御装置における計測制御部の画像撮影制御および切換器制御に従って、測定ユニットのプロジェクタにより格子パターンが人体表面に投影され、CCDカメラにより人体表面形状によって変形した格子線パターンが変形格子像として撮像されてフレームメモリに記録され、計算制御部の画像座標処理により、原点をO(0,0,0)としたX−Y−Z直角座標の物体空間系において、プロジェクタのレンズを、その光軸をY軸に合わせ、且つその主点を点A(0,a,0)に置くように配置するとともに、CCDカメラのレンズを、その主点をY−Z平面内の点B(0,a,b)に置き、且つその光軸が原点Oを通るように配置し、さらに、撮像変形格子画像の面を、中心を点o(0
,a+b,b+d)とし、且つX軸に平行なx軸を有するx−y直角座標の観測系とした場合において、物体空間系において、点Aから射出されるn番目の格子線の角度をθNとしたときのX−Z平面内に得られる格子線上の点を(X,0,atanθN)とし、投影格子パターンの格子線上の点をT(X,Y,Z)とし、さらに、観測系において、T(X,Y,Z)に対応する点をt(x,y)としたとき、変形格子像の格子線の2次元座標(x,y)から人体表面の3次元座標(X,Y,Z)が
【数1】
を用いて算出され、そして、この3次元座標データがデータ作成部およびデータ表示部を介して表示されるものである請求項1から請求項5のいずれかに記載の下着のオーダーメイドシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−30194(P2009−30194A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193967(P2007−193967)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(591154913)マルコ株式会社 (2)
【出願人】(593099333)株式会社テクノアーツ研究所 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(591154913)マルコ株式会社 (2)
【出願人】(593099333)株式会社テクノアーツ研究所 (1)
【Fターム(参考)】
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