説明

下駄台サンダルシューズ

[課題]
課題を持っていた訳ではないが、偶々テレビ番組を視ていて、日本では殆ど愛用されなくなっている「下駄」が後進国では日本の昔のように売れないかと考えた。よく考えて見ると、下駄の履き蒸れしない性質は高温多湿の南方諸国では結構実用的に受け入れられるのではないかと思える。これは、下駄の旧態依然たる商品造りを改新すれば、我国でも通勤にオフイス勤務に蒸れない履き物として愛用されるのではないかと考えた。
[解決手段]
下駄を現代的な履き物に改新するにおいて、出来る限りサンダル靴のように足の形に適応した形にモダンにしたい。鼻緒を用いる物も用いない物も主緒を取り付ける方法にポイントがある。サンダル靴のように靴の底では無く側面か全く底端かに主緒を取り付けたい。そこで主緒の挿げ穴は下駄台の側面の上端部から斜めに底に向かって設け、緒は無吸湿性のゴム類とし、挿げると先端が引っ掛かって係止するようにするを基本型にすれば後は色々工夫してそれぞれに向けて制作できる。以上のような思考によって構成される下駄台サンダルシューズ。
[選択図]
なし。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
昨夜、テレビ番組で、松永の下駄祭用の何トンかある神輿下駄を見た。松永の下駄産業の面影は今やそんな所にしか残っていないらしい。
先般、松永を訪れる機会があり、下駄会館を見学したが、過去を少しは語りえても、将来に夢を語る何物もなかった。
下駄は、日本固有の物らしく、日本の風土にマッチしたその当時は快適な履き物であった。しかし、日本に近代化が押し寄せ、社会の経済回転率が上昇してくると、その運動速度に適応することが出来ない履き物となった。改良を加えて運動性のある物にして行く在り方よりも手っ取り早く布靴を模倣生産することに走って仕舞い、下駄が何故日本に定着していたかを理論的に解明することすら忘却してしまっていた。
北海道と東北の一部を除き日本の夏は高温多湿である。この気候に応えるには吸湿性が少なく開放的で通気性のよい下駄はその点では最適な履き物である。私は、小学校時代は草履と下駄で、そして中学時代はズック靴で通学した。ズックには靴下が要り一日で穴が空いた。毎晩、祖母と母は我々兄弟の靴下の繕いに夜なべをした。それでも足は蒸れて悪臭を発した。ゴムで防水性にしたズックは通気性が乏しく、特に雨天では困まり果てた。
わたしは、こう言うことを咄嗟に思い出し、下駄は日本よりは遙に高温多湿な南方諸国にはぴったりな履き物であることを発見した。
鼻緒が湿気に耐え無い物では困るので、昔あったようなゴム性の物にしたい。
日本で性別、年齢別の色々な用途に応じた物を研究開発して中国の南部(約4億人)、台湾(2241万人)、フィリピン(7475万人)、インドネシア(20744万人)、マレーシア(2271万人)、ベトナム(7871万人)、カンボジア(1095万人)、ラオス(530万人)、シンガポール(389万人)、タイ(6181万人)、ミャンマー(4506万人)、バングラディシュ(12695万人)、インド(98661万人)、パキスタン(13451万人)などの諸国の22億人にも上る人たちに大々的に普及させて行きたい。
以前の中心産地は、新潟県と広島県であった。これらを中心に日本の各地の下駄産業を再興大発展させたい。
昔の長方形の形を可能な限り進歩させて、夏物では、現在の突っ掛けケミカルサンダルやサンダル靴に代わりうる物にして行きたい。ゴム鼻緒を横から裏に通して止めるようにすれば達成できると考えた。
なお、下駄には、靴や草履のような歩行上の可撓性はない。従って、接地面をべったりさせないで歯を設けて歩く場合に爪先が前に沈みうるようになっている。この機能原理を外さ無いようにして色々なアイディアを出したい。
側面から通す鼻緒は、3穴式のみならず指股鼻緒を廃して踵止めを設けたサンダル靴式の物など、色々と工夫を誘う。
成形に単純さを廃して、普及品から塗装仕上げの高級品まで色々と研究開発して、南方には靴よりは下駄の文化がぴったりだと言って貰えるよう全霊渾身の努力を傾けたい。初めて西洋文化を凌いで愛用して貰える日本固有の文化となろう。
勿論、我国においても高温多湿な夏期には、本発明が男性にも女性にもステイプルstaple(履き物の中心)となるようにこの伝統文化をリノベーションして、下駄産業を再興隆させたい。
桐を中心とした用材に物凄い需要が湧くことになるので、関係林産業者の方たちの内外に亘る奮励努力をお願いしたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下駄(木製の履き物で、下面に歯を刳り貫いた台に三つの穴を明けて鼻緒を挿げ足指を掛けて履く、歯は多くは二枚で、差し込む方式の物もある(大辞林))は、日本固有の履き物であり、吸湿性が少なく開放通気的であるので、高温多湿の風土に適している。その特徴は、台が木材である関係から歩行において要求される可撓性が無いので、歯を設けて歩行において爪先が歯を支点として前に下がり、靴における撓んで踵が上がることに対応している。また、普通の下駄は、台が薄く鼻緒(下駄や草履などの緒の、足の指で挟む部分、また、緒全体をも言う(大辞林)とあるので、私は、後者の場合を「下駄緒」と呼ぶことにする)は台に上から穴を明けて挿げる関係上靴のように足に合った形には成形し難く、装飾性の無い単純な長方形である。そこで、下駄緒で以て高級を競っていた。そして、その形なら一つの角材から一度に左右一揃えを挽き出すことが出来ていた。
以上の下駄の特性を踏まえて、
(1)先ず、下駄台は、下駄緒の中の鼻緒の挿げ穴は従来通りとして主緒(下駄緒の鼻緒で無い所の主要部を言うことにする)の二つの挿げ穴を下駄台の側面の上端部から底に向かって斜めに明けて設けるようにして、靴台の形に似た物にしうるようにする。
(2)下駄緒は、無吸湿性のゴム類として、三つの各挿げ先端は挿げた場合引っ掛かって抜けなくなるようにし、その上で、色々と機能的に装飾的に成型しても尚且つ装飾的に塗装しても或いは皮製などの装飾などを貼り着けたり縫い着けたりしても宜しい。なお、この場合の挿げ穴の周りには下駄緒の各挿げ先端の係止(lock)部分の納まる窪み穴を設ける。
(3)また、装着性を良くする為にサンダルシューズに倣って踵に掛止(lock with)しうる副緒を添設しても宜しい。
(4)勿論、下駄台にも装飾的に塗装を施して一層の防湿性を高めると友にファッション性を競うようにもしたい。
(5)これらは、男性用にも女性用にも年齢に応じた物を開発したい。
以上のように構成された、ナガイズサンダル(Nagai’s sandals)と呼ぶことにする、下駄台サンダルシューズ。
【請求項2】
「請求項1」における「下駄台サンダルシューズ」において、鼻緒を廃止して任意の数のだけの主緒のみとし、その全ての挿げ穴は側面上端部から斜めに底に向かって設けて、色々とサンダルシューズに似た機能性と装飾性を出しうるようにした、同じくナガイズサンダルと呼ぶことにする、下駄台サンダルシューズ。
【請求項3】
「請求項1」における「下駄台サンダルシューズ」において、「請求項2」における「下駄台サンダルシューズ」におけると同じように鼻緒を廃して、同じような設け方で以て挿げ穴を設けて、輻広の主緒の両端に二本ずつの挿げ緒を挿げると係止するように設けて拵えた主緒を、挿げうるようにして、希望する本数の主緒の、機能的で装飾的な「突っ掛け」と成しうるようにした、ナガイズスリッポン(Nagai’s slip on)と呼ぶことにする、下駄台突っ掛けサンダル(下駄台スリッポン)。

【公開番号】特開2006−51311(P2006−51311A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263037(P2004−263037)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(594052526)
【出願人】(502234662)
【出願人】(502378678)
【出願人】(502395365)
【Fターム(参考)】