不快気息の可視指示装置
本発明は、可視指示剤を含む気息テスト装置を提供するもので、硫黄及びアンモニア臭のような不快気息に関連する臭いが存在すると色が変化する。可視指示剤の例は、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロル(ミヒラーヒドロル又はBDMB)及び同様の化学構造を持つ関連する染料である。指示剤は基体に付与され、次に、基体がチューブ又はストローの中に挿入されるか、或いはストローの1端部を覆うようにされる。不快気息を持つ使用者が、チューブ又はストロー内に息を吹き込むと、指示剤の色が変化する。気息テスト装置は、使用者が自分の気息をテストするために、迅速でかつ手ごろな値段の手段を提供し、ポケット又は財布の中で運ぶことができる、目立たない、ポケットサイズのディスペンサーに入れることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
文献においては、不快気息は、通常は、臭い息又は口臭を指す。英語の臭い息という単語は、気息を意味するラテン語のHalitusと異常な状態を意味するギリシャ語の‐osisからできている。ほとんどの人が、自分の気息のことを(快いか又は不快か)知らず、一方、ほとんどの人は、他人に対してその人が不快気息を持っていると言うことに心苦しさを感じている。
【0002】
気息清浄剤及び口腔衛生の領域は、発展し続けている大きな市場である。例えば、市場調査によると、米国の消費者は、2000年に歯磨き粉に18億ドル、口腔ケアーガムにおよそ7億1500万ドル、口内洗浄剤及び他の歯科用リンスに7億4000万ドル、更に、歯ブラシ及びデンタルフロスに9億5000万ドルを使用した。これらの製品の多くは、もともと口腔内健康を維持するためのものであるが、消費者は自分の気息を快いものとするためにもこれらの製品を買う。ガム及び、例えばブレスミントのような口内洗浄剤以外の気息清浄剤に使用される6億2500万ドルは、直接的にこの目的のためである。
【0003】
口内及び鼻の通路は、様々な栄養の好みを持つ数百種の細菌の繁殖場所である。これとは別に健康な人々にとっては、歯や歯肉より舌の直ぐ後が、不快気息の主な原因となる。この領域は、唾液ではあまり清浄化されず、細菌が隠れることができる多くの小さい陥入部を含む。これらの細菌は、そこに集積された後鼻部鼻汁及び他の口腔内堆積物を腐敗させる。これらの小さい微生物は蛋白質を食べて育ち、これらの蛋白質の分解の結果発生する化学化合物は、幾つかの悪臭のある化合物を含む。どんな時でも、口腔内細菌は、硫化水素(腐敗した卵の臭い)、メチルメルカプタン及びスカトール(糞便内に存在する)、インドール、カダベリン(腐敗した死体に関連している)、プトレシン(腐った肉に存在する)、及びイソ吉草酸(汗をかいた足の臭い)を生成する。
【0004】
不快気息の付加的な口腔内での原因は、口腔内衛生状態の悪さ(特に蛋白質粒子が歯の間に残されている場合)、歯肉炎、ずさんな歯磨き、清浄にされていない義歯及び腫瘍を含む。唾液の安定的な流れは、細菌及びその結果生じた異臭化合物を洗い流すように働くので、乾燥を促進するあらゆる物(例えば、口呼吸、絶食、長話、ストレス及び多くの投薬)が、この状態を悪化させる。
【0005】
ある種の不快気息は、実際の歯周病に関連していると考えられており、したがって、これは医者及び歯医者にとって有用な手がかりとなる。Treponema Denticola、Porphyromoas Gingivalis及びBacterioides Forsythesisなどの幾つかの鍵となる細菌の存在が、歯垢又は舌において発見されることがある。
【0006】
不快気息に関連する異臭化合物の化学組成物及び濃度が研究され、文献(1977年出版のKrotoszynski他による、1971年出版のTonzetichによる)に報告されている。人間が検知できる閾値を越えるレベルにある最も一般的な異臭化合物は、硫化水素(>250ppb)で、次は、メチルメルカプタン及びジメチル硫化物などの化合物を含む他の硫黄である。人間の鼻は、0.02ppm(v/v)といった低レベルの硫化水素を検知することができ、0.025ppm及びそれより大きい硫化水素のレベルが、人の不快気息の特性とみなされる。
【0007】
不快気息を治療又は処理する多数の製品及び技術があるが、驚いたことに不快気息を認知させ、使用者に警告する、市場で入手可能な装置はほとんどない。
【0008】
患者の気息のppmレベルを計測するために現在使用されている1つの医療器具は、HalimeterTM気息テスター(カリフォルニア州チャッツワース所在のInterscan Corporationより入手可能)があり、費用は1200米国ドルで持ち運びできない。別の装置は、BreathAlertTM気息テスター(イリノイ州アーリントンハイツ所在のTanita Corporationより入手可能)である。これは、小さい手持ち型ユニットで、費用は約25米国ドルである。これは、人の気息中の硫化化合物を検知するために、加熱ワイヤを使用し、読み値を4つのレベルで示す。
【0009】
HalimeterTM気息テスターは、硫化水素に対しては高い精度を持つが、歯周病により引き起こされる口臭に著しく影響するメチルメルカプタンに対しては低い精度しか持たない。BreathAlertTM気息テスターユニットは、硫化物濃度に反応するが、口からの距離及びユニットの取り込み領域への息の吹きかけ方によって異なる数字を与える。
【0010】
不快気息の指数を示す口腔内細菌の測定に使用するために、他にも装置がある(例えば、Soft Lines Internationalより入手可能な装置)が、これらは大変高価で、不快気息の指数を与えるのに時間を要し、したがって自分の気息の「スポット検査」を行いたい使用者には特に有益ではない。
【0011】
使用者が、職場で又は食事の後に、会議又はデートの前に自分の気息を確かめることが可能であるならば大変有益なものであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、手ごろな値段で、持ち運び可能で、不快気息を迅速にテストする指示器に対する明らかな必要性がある。
【0013】
【非特許文献1】F.Cost著Pockt Guide to Digital Printing、p.144及び145
【0014】
ここで用いられる「異臭化合物」及び「臭い」という用語は、嗅覚システムにより検知可能なあらゆる分子又は化合物を意味する。「不快気息」という用語は、他人が感知可能なレベルで、人の気息中に存在する不快な臭いを意味する。「可視指示剤」という用語は、不快気息臭が人の気息内にある程度の濃度で存在する場合に、可視指示を与える基体、組成物又は材料を意味する。
【0015】
臭いに含まれる非常に低いレベルの(10億分の10(ppb)より大きい)硫黄及び/又はアミンに感応する可視指示剤が認識された。低レベルのこれらの臭いに曝すと、色指示剤は色を変化させ、これにより使用者に不快気息の存在を指示する。
【0016】
適当な可視指示剤は、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロル(BDMD又はミヒラーヒドロル(MH))及び一般化学式(I)又は(II)を持つ関連する染料とする。
【化1】
ミヒラーのヒドロルは、不快気息の主な異臭化合物である硫黄及び/又はアミン揮発性化合物に極めて低レベルで(〜20ppb)反応することが認識され、かつ、そのことが示された。この染料は、不快気息内の様々な臭い(特に硫黄及びアミンであり、魚、にんにく、玉ねぎ及び同様のものから引き起こされる不快気息を含む)に対する感応性についてテストされ、不快気息検知のための良好な可視指示剤であると判断された。
【0017】
少なくとも1つの指示剤を含む簡単な気息テスト装置も開発され、これは使用者が不快気息を持っていると指示剤が色を変化させる。可視指示剤は、不快気息に存在する少なくとも1つの臭いに対し色感応性である。
【0018】
この装置は、実質的に透明なチューブ又はストローのような通路を定め、可視指示剤を含む単純なキャリア部分を含み、少なくとも1つの端部が開口している。本発明は、今後、ストロー及びチューブに特に言及して述べられるが、様々な他の形状も同様に有効であることが理解されるであろう。例えば、通路の形状は、円柱形、三角形、四角形、アーモンド型などとすることができる。
【0019】
可視指示剤は、粉末状、溶液状とすることができ、或いは、セルロースティッシュ又は紙、不織ポリプロピレン/ポリエチレン基体、織成基体、ガラス繊維、綿、絹、レーヨンなどのような基体上に被覆することができる。ストローは、貯蔵しやすくするために実質的に平坦にしてもよいが、その場合にも、チューブの中の通路を通して患者が息を吹き込むことができるようにする。装置は、少なくとも1つの参照色を持つ領域を含むことができ、使用者が自分の息を吹きかけた後、指示剤の色を参照色と比較して色変化があるかどうかを容易に判断することができる。
【0020】
一実施形態においては、この装置は、色指示剤を収めた飲料用透明ストローのような便利な大きさでかつ目立たないプラスチックチューブを含む。色指示剤はストリップに付着させ、このストリップをストローの中に挿入するか、又は該ストリップによりストローの端部を覆うようにすることができ、粉末状で使用するか或いはストロー内部の溶液に含ませることができる。
【0021】
気息をテストするためには、使用者は装置の中に息をするか、又は装置の上に息を吹きかけ、指示剤の色の変化(色の消滅、色の発現、又は1つの色から他のへの変化)が、使用者が不快気息を持つことを示す。この気息テスト装置は、使用者に不快気息を持つことを警告し、歯を磨くか、口内洗浄剤を使用するか、又はブレスミントを食べるなどの適切な行動をとるようにさせる。
【0022】
気息テスト装置を収容し更に取り出すためのディスペンサーも開発され、一実施形態においては、気息テスト装置を備えたディスペンサーは、歯磨き粉、ブレスミント又は同様のものなどの少なくとも1つの気息清浄剤とともに販売されるか、又は後でディスペンサーに取り付けられるように設計されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、不快気息を示す使用者の気息内の硫黄及び/又はアンモニア化合物のレベルを検知することができる、簡単な可視気息テスト装置を提供するものである。このように気息テスト装置は、可視指示剤を含み、不快気息が存在すると変色する。気息テスト装置は、持ち運び可能で、目立たず、使い棄て可能であり、かつ、比較的安価に製造できる。
【0024】
一実施形態においては、可視指示剤は、「BDMD」、「ミヒラー・ヒドロル」又は「MH」として知られている、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロルである。この指示剤は、硫黄含有臭及びアンモニア含有臭のどちらにも感応し、これらの臭いが存在するとブルーから無色に変化する。ミヒラ−・ヒドロルは、次のような反応によって、アミン化合物又は硫黄化合物と反応する。
【化2】
代替的実施形態においては、可視指示剤は、次のような一般式(I)又は(II)によって表される指示剤とすることができる。
【化3】
ここで、
【表1】
【0025】
染料は、色を薄く消していくか、色を濃くするか又は1つの色から別の色に実際に変化して色を変化することができる。
【0026】
色変化の程度は、指示剤の濃度又は患者の気息内の硫黄化合物濃度又はアンモニア化合物濃度に応じるものである。したがって、10億分の10(ppb)より大きい、より好ましくは20ppbより大きい、更に最も好ましくは25ppbより大きい硫黄及び/又はアンモニアレベルに応じて色が変化するのを観察するために、使用される指示剤の濃度は、好ましくは0.001から15重量%、より好ましくは0.005から2重量%、更に最も好ましくは0.1から0.5重量%の間の範囲とする。
【0027】
基体、典型的にはセルロースティッシュは、ナノ粒子によって被覆され、基体上に広い表面面積の被覆被覆、すなわち、セルロース繊維そのものの表面より広い表面面積の被覆を形成する被覆被覆ことができる。その結果、セルロースティッシュは、ナノ粒子で被覆されることにより表面面積が増加させられる。処理済み基体は、次に、可視指示染料で被覆することができる。この被覆表面面積の大きい被覆は、シリカ表面に染料を広げ、被覆をより薄くして装置の感応性を改善すると信じられる。
【0028】
ナノ粒子の平均サイズは、一般的に約100ナノメートルより小さく、事実上は約1から約50ナノメートル、更に約4から約20ナノメートルとすることができる。ここで用いられる粒子の平均サイズは、平均長さ、幅、高さ、及び/又は直径を意味する。
【0029】
ナノ粒子は、1グラム当たり約50平方メートル(m2/g)から約1000m2/g、ある場合には約100m2/gから約600m2/g、更にある場合には約180m2/gから約240m2/gの表面積を持つことができる。
【0030】
更に、ナノ粒子は、比較的無孔又は中実とすることができる。すなわち、ナノ粒子は、1グラム当たり約0.5ミリリットル(ml/g)より小さい、1グラム当たり約0.4ミリリットルより小さい、約0.3ml/gより小さい、更に約0.2ml/gから約0.3ml/gの間の孔容積を持つことができる。ナノ粒子が中実であるという性質、すなわち低い孔容積は、ナノ粒子の均一性及び安定性を高めることができる。
【0031】
商業的に入手可能なアルミナナノ粒子の例は、例えば、Aluminasol(登録商標)100、Aluminasol(登録商標)200及びAluminasol(登録商標)520を含み、これらは、米国テキサス州ヒューストンのNissan Chemical America Corporationより入手可能である。代替的には、Snowtex−C(登録商標)、Snowtex−O(登録商標)、Snowtex−PS(登録商標)及びSnowtex−OXS(登録商標)ナノ粒子のような、シリカナノ粒子を利用することができ、これらもNissan Chemicalから入手可能である。
【0032】
例えば、Snowtex−OXS(登録商標)ナノ粒子は、4から6ナノメートルの粒子の大きさを持ち、1グラム当たりおよそ509平方メートルの表面積を持つ粉末状にすりつぶすことができる。Nissan Chemicalから入手可能なSnowtex−AK(登録商標)ナノ粒子のような、アルミナ被覆されたシリカ粒子も使用できる。
【0033】
気息テスト装置は、可視指示剤を含む実質的に透明なチューブ又はストローのような、簡単な支持部材を含む。ストロー又はチューブは、実質的には、容易に貯蔵できるように平坦にしてもよいが、その場合にも、患者がチューブの通路を通して息を吹き込むことができるようにする。
【0034】
可視指示剤は、粉末状、溶液状とすることができるか、或いは、溶液の形態で、セルロースティッシュ又は紙、綿、不織ポリプロピレン/ポリエチレン基体、織成基体、ガラス繊維、絹、レーヨン、布、繊維、スパンボンド、合成ポリマーなどのような基体上に付与し、乾燥させ、乾燥残留物を残すようにすることができる。指示剤は、基体上の溶液内に、例えばインクジェット印刷機を使用して印刷することができる。ここで用いられる「溶液内に」という用語は、水、水性溶液、又はアルコール又はトルエンなどの溶媒内に指示剤を含む液体溶液を意味する。
【0035】
気息テスト装置は、少なくとも1つの参照色又は色の陰を有する領域を含むことができ、使用者が自分の息を吹きかけた後、指示剤の色を参照色と比較して色変化があるかどうかを容易に判断することができる。
【0036】
一実施形態においては、可視指示剤は、セルロース基体上に被覆され、この基体がストロー内に挿入される。別の実施形態においては、可視指示剤は、同様にセルロース基体上に被覆されるが、該基体はストローの1つの端部を覆うように配置される。
【0037】
両方の実施形態において、使用者がチューブ内に息を吹き込むと、気息はチューブを通り、更に基体上に達し又は基体内を通過し、不快気息の指標となる硫黄及び/又はアンモニア化合物のレベル(およそ25ppb以上)が使用者の気息に存在すると、指示剤の色を変化させる。
【0038】
別の実施形態によると、上記した気息テスト装置は、小さいサイズで製造され、幾つかの気息テスト装置が、ポケットサイズのコンテナに容易に一緒に梱包されることができるようにされた。ストローは、4cmの長さに切り取られ、染料処理済み基体は、ストロー内に挿入されるか、ストローの1つの端部を覆うように置かれるかのいずれかであった。ストローは、次に、標準の名刺サイズ加熱ラミネーターにより積層化することにより実質的に平坦にされたが、その状態でも、空気がストローのチューブを通過できた。
【0039】
気息テスト装置を収容し、かつ、取り出すためのディスペンサーが開発され、一実施形態においては、幾つかの気息テスト装置を収容し、取り出すためのポケットサイズのディスペンサーが、歯磨き粉、ブレスミント又は同様のものなどの気息清浄剤のディスペンサーとともに販売されるか、又は、これらを後でディスペンサーに取り付けられるように設計された。
【0040】
特記しない限り、化合物及び生化合物は、ウイスコンシン州ミルウオーキーのSigma−Aldrichより入手したものであった。明光度読み値は、バージニア州シャンテイリーのDynex Technologiesのマイクロプレート読み機(#MRX型)を使用して計測された。
【0041】
最も広く使用されている色テストは、CIELABと呼ばれており、ニューヨーク州オールバニーのDelmar出版社からの、F.Costによる「Pocket Guide to Digital Printing」ISBN 0−8273−7592−1の144ページ及び145ページに記載されている。この方法は、3つの変数L*、a*、及びb*を定めるもので、これは色知覚の異なる理論に基づく3つの知覚された色の特徴に対応する。3つの変数は、次のような意味を持つ。
L*=0から100までの範囲の明度。0は暗く、100は明るい。
a*=およそ−100から100の範囲のレッド/グリーン軸。正の値はレッドに近く、負の値はグリーンに近い。
b*=およそ−100から100の範囲のイエロー/ブルー軸。正の値はイエローに近く、負の値はブルーに近い。
【0042】
CIELAB色間隔は或る程度均一であるので、人間によって知覚される2つの色の差を示す単一の数を計算することができる。この差は、ΔEと呼ばれ、2色の間の3つの差(ΔL*、Δa*、及びΔb*)の二乗の和の平方根をとることにより計算される。CIELAB色間隔においては、各々のΔEユニットは、2色の間の単に認識できる違いだけを大雑把に示す。2つの色が例えば4.4の差を持てば、人間の目は2つの色の違いを知覚することができる。したがって、CIELABは、色管理及び色の変化を表示する目的のために、参照色間隔として使用することができる、客観的で、装置から独立した色認識システムとして、良好な尺度である。
【0043】
ここでは、色濃度(L*a*b*値)が日本の大阪にあるミノルタ株式会社の手持ち型分光測光器(#CM2600d型)を使用して計測された。この器具は、CIENo.15、ISO7724/1、ASTM E1164及びJIS Z8722−1982(8度拡散照射型ビューイングシステム)に順応するD/8ジオメトリーを利用する。被験物表面に垂直な方向に対して8度の角度で、該表面から反射されたD65光は、被験物測定光学系によって受け取られる。
【0044】
pH5.1で40mMの酢酸ナトリウム及び4Mの塩化グアニジンを含むアセテート緩衝剤が、指示剤の準備のために使用された。
【0045】
紙タオル又は米国テキサス州ダラスのKimberly−Clark CorporationのKIMWIPES(登録商標)が、Nissan Chemicalから入手可能なSnowtex−O(登録商標)ナノ粒子(pH4.1)で被覆され、上記した例示においてミヒラー・ヒドロル染料(MH又はBDMB)とともに使用され、この場合の染料は、特記しない限り、アセテート緩衝剤を含まないで付加されたものであった。
【0046】
本発明は、以下の制限されない例によって、詳細が示される。
【実施例1】
【0047】
10μlのフルフリルメルカプタン(それぞれが0、0.228ppm、0.456ppm、0.912ppm、1.824ppm、及び3.648ppm)、pH5.1で40mMの酢酸ナトリウム及び4Mの塩化グアニジンを含む980μlの緩衝剤、及び10μlの0.65mg/mlMH染料(BDMB)を含む6個のガラス容器の各々の中に1mlの反応混合物8度が置かれた。すべてのガラス容器を、室温で5分より少ない時間だけ培養した後、各々のガラス容器から200μlがマイクロ滴定プレートウエルに移動され、マイクロ滴定プレート読み器を使用して590nmでの吸光度が測定された。吸光度も又、580−615nmの範囲において計測することができる。
【0048】
図1に示すように、MH染料によって検知可能なチオール型異臭化合物としてフルフリルメルカプタンを使用して標準曲線が導き出された。図1においては、x軸は0から4ppmのフルフリルメルカプタン濃度で、y軸は590nmにおける吸光度の逆数である。チオール検知の感度は、この方法においてはかなり高度なものであることがわかった。
【実施例2】
【0049】
にんにくは、不快気息の原因となるので、にんにくの臭いに対して指示剤が高感度かどうかを見るために、ミヒラー・ヒドロル(MH)がテストされた。にんにく蒸気は、主な異臭化合物として硫黄化合物(ジアリルチオ硫酸塩(アリシン))を持つ。新しく切り取られたにんにくが、MH染色済みScott(登録商標)紙タオルと共に広口ビンの中に置かれ、広口ビンはシールされた。にんにくを含む広口ビンの中の紙タオルは、3−5分以内に、色の変化(ブルーから無色へ)が観察され、一方で対照広口ビンは、何の色変化も観察されなかった。
【実施例3】
【0050】
MH染料のみを使用するのではなく、MH染料を、代替的指示色を形成するために、不快気息に存在する臭いに色感応しない、食物用染料のような染料と混合して、実験が繰り返された。混合された染料を不快気息臭に曝すと、MH染料は無色になり、この結果混合染料で被覆された領域は、混合色から食物用染料色(表1)に変化した。
【実施例4】
【0051】
上記した実施例1から3に示す、セルロース基体上に指示剤の溶液を被覆することの代りに、指示剤の溶液をインクジェットで印刷可能なインクに配合した。インクジェット印刷は、基体上に染料の薄い被覆を堆積し、基体上により感応する色被覆を可能とする。ミヒラー・ヒドロル染料溶液が、以下の表2に示されるインクジェット添加剤に配合された。
【0052】
ミネソタ州エデンプレイリのMcDermid−Colorspanより得られる空のMargarita(登録商標)カートリッジ(部品番号0900400−300)の中にインク溶液が充填され、ワイドフォーマットMcDermid−Colorspan印刷機(VII型)を使用して印刷された。Scott(登録商標)紙タオル基体への良好なインクジェット印刷が成された。次に、印刷されたScott(登録商標)紙タオルのストリップが、にんにく臭に曝され、ブルー色が10秒で脱色することが観察された(前述した例の1つによる、MHで飽和されたScott(登録商標)紙タオルの色変化を観察すると3−5分を要したことと比較して)。基体上に指示剤をインクジェット印刷することにより、臭いに対する高度な感応性が観察された。
【実施例5】
【0053】
図2に示すように、MHがアンモニアの指示剤として適当であるかどうかを判断するために、アンモニア臭源として水酸化アンモニウム溶液を使用して、標準曲線が導き出された。
【0054】
8個のガラス容器の各々において、50μlの特定濃度のアンモニア溶液(それぞれが0、0.01%、0.02%、0.04%、0.08%、0.32%、及び0.64%)が150μlのMH溶液(pH5.1で5.0mlの40mM酢酸ナトリウム及び4M塩化グアニジンを含むCH3CNの20μlの10.0mg/mlMH)と混合され、ガラス容器はシールされて4分より少ない時間だけ培養された。
【0055】
溶液は、次に、マイクロ滴定プレートウエルに移動され、590nmで吸光度を測定された。吸光度読み値は、アンモニア溶液濃度に対して曲線でプロットされ、濃度は100億分当たり(ppb)で表された。図2においては、x軸は、0から400ppbのアンモニア濃度で、y軸は590nmでの1から0.7までの吸光度である。アンモニアに対するMHの感度は大変高く、感度はMH染料濃度を種々異ならせることにより変化することが示された。
【実施例6】
【0056】
図3に示す気息テスト装置10が、簡単な飲料用ストローを使用して形成され、その中に丸めた染料被覆被覆済み紙タオルが挿入された。紙タオル上の染料濃度は、不快気息テストに必要とされる感度に応じて種々異ならせた。したがって、1mg/ml原料溶液のMH染料16が、Snowtex(登録商標)−Oナノ粒子被覆被覆済みScott(登録商標)紙タオル上に付与され、空気乾燥された。染料被覆被覆済み紙タオルは、次に、2cmx4cmのストリップ12に切り取られ、丸められ、各々のストリップ12は、カリフォルニア州オークランドのGlad Products Companyからの透明プラスチック飲料用ストロー14内に挿入された。
【0057】
気息テスト装置10は、硫黄臭に対する感度を求めるために、ストロー14内に周知濃度のエチルメルカプタンを射出することによってテストされた。色変化18が認められ、硫黄臭の存在が、明らかに視認された。
【0058】
何人かのボランティアに幾つかのこれらのストローを与え、肺一杯の一気息で息を吹き込むように要求した。このチューブは、典型的には朝の気息又は香料入り食事の後で不快気息感度を示した。指示器物品の色変化は、裸眼で容易に観察することができ、色濃度(La*b*)が、日本の大阪所在のミノルタ株式会社からの手持ち型Minolta分光測光器#CM−2600d型を使用して計測された。1つの試料から得られた例示的データが以下の表3に示されている。
【実施例7】
【0059】
図6に記された気息テスト装置、医療用HalimeterTM気息テスター及びBreathAlertTM気息テスターを使用して、ボランティアに自分の気息をテストさせることにより、この簡単な気息テスト装置の実験室テストを行った。
【0060】
ボランティアは、一人ずつ最初にHalimeterTM及びBreathAlertTM気息テスターに息を吹き込み、次に可視気息指示装置にそれぞれ肺一杯の気息を二度吹き込んだ。
【0061】
ミヒラー・ヒドロルを含む可視指示装置は、異なる程度でブルー染色の脱色を示した。これは、分光測光器により読み取ることができ、試料が曝される前及び後を比較して計測された色変化が、ΔEとして表された(人間の目は、3又はこれより大きいΔEの差を持つ試料だけを区別することができる)。
【0062】
HalimeterTM及びBreathAlertTM気息テスターで得られた分析による読み値は、次に、ストローの色変化と比較された。その結果が以下の表4に示されている。
【0063】
1及び2についてのBreathAlertTM気息テスターによる読み値は、低い不快気息レベルであり、したがって、HalimeterTM気息テスターによる硫化水素濃度読み値が低いことが分かる。
【実施例8】
【0064】
実施例7の研究に続いて、広範囲で更に詳細な研究がなされた。
【0065】
実施例7に記した前の研究のときと同様に、ボランティアはBreathAllertTM気息テスターに息を吹込むように要求され、次に、実施例6で説明したのと同様に、2つの気息テスト装置10に息を吹込むように要求された。この研究は、前述した研究より高度なレベルの不快気息を得ることができ、その結果が以下の表5に示されている。研究で使用された気息テスト装置が図4に示されている。
【0066】
ΔEとして表されている上記の色変化読み値は、不快気息臭に対する染料の感度を示している。読み値は、試料を標準ホワイトと比較して計算された。したがって、ΔE値が大きくなるほど、試料の着色が強くなる。試料は不快気息に曝されたとき脱色するので、ブルーは色が白っぽくなり、これはΔE値が小さくなることによって、すなわち色がホワイトの方に動くことによって反映される。人間の目は、ΔEが3又はこれより大きい違いを持つ試料は、区別することができる。このように、目は、2及び3の不快気息レベル(BreathAlertTM装置を使用して計測された)を持つ試料の違い、及び試料とレベル2の不快気息を持つ対照との違いも同様に、容易に区別することができる。
【0067】
この感度の結果、使用者自身の不快気息の濃度を使用者に伝えることができる色スケールを製造することが可能である。例えば、気息テスト装置を収容しているコンテナの側部のパネルは、汎用pH指示器と類似した色等級スケールを含むことができる。このスケールは、使用者に不快気息読み値を、弱、中又は強として知らせる。
【0068】
色ベースの技術は、電子装置とは違って、誤った否定を与えることはなかった。
【実施例9】
【0069】
KIMWIPES(登録商標)ティッシュが、Nissan Chemicalからの5%Snowtex−O(登録商標)ナノ粒子溶液で被覆され、次に空気乾燥された。アセトニトリルの5.0mg/mlのMH染料原液がSnowtex−O(登録商標)ナノ粒子被覆されたKIMWIPES(登録商標)ティッシュに付与され、付与された染料溶液が乾燥したとき、ブルーカラーが発現するのが観察された。
【0070】
図5に図示しているように、カリフォルニア州オークランドのGlad Products Companyからの飲料用ストロー20が、厚紙ストリップ22上に置かれ、染料ナノ粒子で被覆されたティッシュの一片24が、ストロー20の第一端部25を覆うように位置させられた。この結果、人がストローの第二端部26に息を吐くと、その気息はストローの第一端部でティッシュ24の中を通過する。ストローは、2つのポリエチレンシート28の間に置かれ、次いでストローの第二端部だけが露出するように加熱シールされた。また、参照(又は対照)の色ストリップ30が、ストローの第一端部24の近くではあるが、第一端部から離れてポリエチレンシートの間に置かれ、ポリエチレンシートが加熱シールされると同時にシールされた。この参照ストリップは、染料被覆されたティッシュの一片であって、使用者に、ストローの第一端部のストリップの色と参照ストリップの色を、色変化があるかどうかを比較させ、これによって使用者が不快気息を持つ(正)かどうかを定める。参照ストリップは、2つ又はそれより多いブルーの陰影のスケールを含むことができ、使用者は、ストローを覆っているティッシュの色の変化をスケールと比較することができ、使用者の不快気息の程度を求めることができる。例えば、僅かな色の変化は弱不快気息を表し、薄いブルーへの明らかな色あせは中不快気息を表し、更にブルーから無色への完全な変化は強不快気息を表すものである。
【0071】
不快気息を持っているかどうかを不快気息テスト装置が適切に指示しているかどうかをテストする簡単な研究が、15人のボランティアによって実行された。テストは、単純に「はい」又は「いいえ」であって、ボランティアが不快気息を持つ(「はい」)と色が変化し、ボランティアが不快気息を持たない(「いいえ」)と色は変化しない。
【0072】
各人のボランティアは、3つの気息テスト装置を与えられ、第一に、朝起きた時(不快気息を持つ最も一般的時間)ストローの第二端部に、肺一杯の空気を2回吹きかけるように求められた。ボランティアは、次に、自分が不快気息を持っていると思うかどうかをチューブに印を付けるように求められた。
【0073】
手渡した45個の装置のうち、32個が返却され、この第一テストの結果が以下の表6に示されている。
キー:
a)正しい肯定=使用者が不快気息を持っていた時に色変化が起きた。
b)正しい否定=使用者が不快気息を持っていない時に何の色変化も起きなかった。
c)誤った推測=使用者の誤った推測。
d)誤った肯定=使用者が、不快気息を事実持っている時に、そのことを信じなかった。
e)誤った否定=使用者が、自分は不快気息を持っていると信じているが、色の変化が起きなかった。
【0074】
これらの結果は、不快気息可視指示装置が大変感度がよく、不快気息の存在を使用者に正確に伝えることを示している。テストされた32個の装置のうち、22個は、使用者が自分は不快気息を持っていると思う時、明らかな可視色変化を示した。興味深いことには、使用者が、自分が不快気息をもっているとは思っていなかった時、7個の色変化が記録され、事実、使用者は不快気息を持っていた。この発見は、自分自身の不快気息を検知できない人の文献における割合と合致しており、本研究においては、22%の人が自分の不快気息に気づかなかったが、文献では25%であった。1つの気息テスト装置だけが、使用者が自分は不快気息を持っていると信じていたのに、色の変化を示さなかった。
【実施例10】
【0075】
前述した実施例において示された気息テスト装置が、不快気息の存在を指示するのに適当であることが示されているが、容易に持ち運ぶことができ、目立たずに運搬されるには僅かに大きすぎると考えられた。更に、気息テスト装置を更に小型化するという修正がなされ、特にポケット又はハンドバッグの中で運ぶことができるような薄い気息ストリップコンテナに適合するように十分小さいものとなった。
【0076】
2つの小型化された気息テスト装置が開発された。
a)第一の気息テスト装置(図7)は、実施例8の物品(すなわち、染料処理済みティッシュ42が挿入された飲料用ストロー40)を取り出し、更に飲料用ストローのチューブを、例えば4cmの長さに短くして準備された。ストローは、次に、標準の名詞サイズ加熱ラミネーター(テキサス州ダラスのKinko’sからの)内に置かれ、チューブは平坦にされたが、なおチューブの中を通って空気が通過することができた。
b)第二の気息テスト装置(図6)は、実施例9の物品(すなわち、1端部を覆う染料処理済みティッシュストリップ46を持つ飲料用ストロー44)を取り出し、再びおよそ4cmの長さに切り取られて準備された。ストローは、上記のようにして積層化された。
【実施例11】
【0077】
染料被覆された紙タオルが、接着剤被覆されたカード材料の25mmx50mmのストリップに取り付けられた。紙タオル上の染料含有量は、不快気息テストに必要な感度に応じて種々異ならせるようにした。したがって、1mg/mlのMH染料原液が、Snowtex(登録商標)−Oナノ粒子被覆されたScott(登録商標)紙タオル上に付与され、ストリップに取り付けられる前に空気乾燥させた。小さいストローがカード上に置かれ、装置はポリエチレンフィルムカバーの中に梱包されて、更に縁部は加熱シールされた。取り外し可能な引き剥がし用ポリエチレンタブを使用して、乾燥被覆された紙タオルを覆い、かつ、一時的にシールした。タブが引き剥がされ、更に不快気息を持つ使用者が紙タオル上に息を吐き出すと、MH染料が無色に変化した。
【実施例12】
【0078】
適当な気息テスト装置のディスペンサーが設計された。これらのディスペンサーは、比較的小さいので、ポケット、財布又はハンドバッグの中に目立たずに適合することができる。ディスペンサーは、気息テスト装置を使い棄てとするために安価なものにするべきである。
【0079】
実施例10で示された型の気息テスト装置を約6個保持することができる、小型プラスチックの長方形ディスペンサー(およそ35mmx60mmx15mm)が設計され(図8)、気息テスト物品を12個保持する、僅かに大きいディスペンサーも想定されている。しかしながら、ディスペンサーは、幾つかの気息テスト物品を貯蔵する大きさであることが分かる。
【0080】
本実施例のディスペンサー50は、ブレスミント、チューイングガム、タバコ又は同様のもの(図9)のための、別のディスペンサー52に取り付け可能に設計された。これらディスペンサーは、一実施形態においては、接着剤又は両面テープによって互いに永久に取り付けられる。代替的実施形態においては、気息テスト物品のためのディスペンサー52は、磁石54、又はフック・ループ型締結用具(図示されず)などの一時的な取り付け手段を持ち、図9に示すように、もう一つのディスペンサー52に取り付けられた反対極性の磁石56によって、第二ディスペンサー52に取り付けることができる。このように、ディスペンサーは個々に販売されることができるので、一度に1つだけを取り替えることができる。
【0081】
本発明は、特定の実施形態について詳細に示されているが、様々な代替物、修正及び他の変更が、本発明の意図及び範囲から外れることなく本発明になされることが当業者に明らかであろう。したがって、特許請求の範囲は、すべてのこのような修正、代替物及び/又は変更を含むか、又は包括的に含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】ミヒラー・ヒドロル染料によるフルフリルメルカプタン検知を示した標準曲線である。
【図2】MH染料によるアンモニア検知を示した標準曲線である。
【図3】本発明の一実施形態による簡易気息テスト装置を、分解状態で示したもので、不快気息に反応した指示剤の色変化が見られる(右)。
【図4】実施例8に示された簡易気息テスト装置であり、対照チューブ(a)及び(e)は臭いに曝されておらず、チューブ(b)から(d)は、気息臭に曝されたものである。(チューブ(b)は、検知器読み値2のBreathAlertTMの気息臭に曝され、チューブ(c)及び(d)は、検知器読み値3のBreathAlertTMの気息臭に曝されたものである。)
【図5】本発明による気息テスト装置の第二実施形態を示しており、不快気息臭に曝される前(右)及び曝された後(左)の参照色である。
【図6】本発明による気息テスト装置の第三実施形態を示している。
【図7】本発明による気息テスト装置の第四実施形態を示している。
【図8】ブレスミント(左)のディスペンサーに取り付け可能な気息テスト装置(右)のディスペンサーを示している。
【図9】図8のディスペンサーを互いに取り付けられた状態で示す。
【符号の説明】
【0083】
10 気息テスト装置
12 ストリップ
14 ストロー
16 MH染料
20 ストロー
22 ストリップ
24 ティッシュ
25 第一端部
26 第二端部
【技術分野】
【0001】
文献においては、不快気息は、通常は、臭い息又は口臭を指す。英語の臭い息という単語は、気息を意味するラテン語のHalitusと異常な状態を意味するギリシャ語の‐osisからできている。ほとんどの人が、自分の気息のことを(快いか又は不快か)知らず、一方、ほとんどの人は、他人に対してその人が不快気息を持っていると言うことに心苦しさを感じている。
【0002】
気息清浄剤及び口腔衛生の領域は、発展し続けている大きな市場である。例えば、市場調査によると、米国の消費者は、2000年に歯磨き粉に18億ドル、口腔ケアーガムにおよそ7億1500万ドル、口内洗浄剤及び他の歯科用リンスに7億4000万ドル、更に、歯ブラシ及びデンタルフロスに9億5000万ドルを使用した。これらの製品の多くは、もともと口腔内健康を維持するためのものであるが、消費者は自分の気息を快いものとするためにもこれらの製品を買う。ガム及び、例えばブレスミントのような口内洗浄剤以外の気息清浄剤に使用される6億2500万ドルは、直接的にこの目的のためである。
【0003】
口内及び鼻の通路は、様々な栄養の好みを持つ数百種の細菌の繁殖場所である。これとは別に健康な人々にとっては、歯や歯肉より舌の直ぐ後が、不快気息の主な原因となる。この領域は、唾液ではあまり清浄化されず、細菌が隠れることができる多くの小さい陥入部を含む。これらの細菌は、そこに集積された後鼻部鼻汁及び他の口腔内堆積物を腐敗させる。これらの小さい微生物は蛋白質を食べて育ち、これらの蛋白質の分解の結果発生する化学化合物は、幾つかの悪臭のある化合物を含む。どんな時でも、口腔内細菌は、硫化水素(腐敗した卵の臭い)、メチルメルカプタン及びスカトール(糞便内に存在する)、インドール、カダベリン(腐敗した死体に関連している)、プトレシン(腐った肉に存在する)、及びイソ吉草酸(汗をかいた足の臭い)を生成する。
【0004】
不快気息の付加的な口腔内での原因は、口腔内衛生状態の悪さ(特に蛋白質粒子が歯の間に残されている場合)、歯肉炎、ずさんな歯磨き、清浄にされていない義歯及び腫瘍を含む。唾液の安定的な流れは、細菌及びその結果生じた異臭化合物を洗い流すように働くので、乾燥を促進するあらゆる物(例えば、口呼吸、絶食、長話、ストレス及び多くの投薬)が、この状態を悪化させる。
【0005】
ある種の不快気息は、実際の歯周病に関連していると考えられており、したがって、これは医者及び歯医者にとって有用な手がかりとなる。Treponema Denticola、Porphyromoas Gingivalis及びBacterioides Forsythesisなどの幾つかの鍵となる細菌の存在が、歯垢又は舌において発見されることがある。
【0006】
不快気息に関連する異臭化合物の化学組成物及び濃度が研究され、文献(1977年出版のKrotoszynski他による、1971年出版のTonzetichによる)に報告されている。人間が検知できる閾値を越えるレベルにある最も一般的な異臭化合物は、硫化水素(>250ppb)で、次は、メチルメルカプタン及びジメチル硫化物などの化合物を含む他の硫黄である。人間の鼻は、0.02ppm(v/v)といった低レベルの硫化水素を検知することができ、0.025ppm及びそれより大きい硫化水素のレベルが、人の不快気息の特性とみなされる。
【0007】
不快気息を治療又は処理する多数の製品及び技術があるが、驚いたことに不快気息を認知させ、使用者に警告する、市場で入手可能な装置はほとんどない。
【0008】
患者の気息のppmレベルを計測するために現在使用されている1つの医療器具は、HalimeterTM気息テスター(カリフォルニア州チャッツワース所在のInterscan Corporationより入手可能)があり、費用は1200米国ドルで持ち運びできない。別の装置は、BreathAlertTM気息テスター(イリノイ州アーリントンハイツ所在のTanita Corporationより入手可能)である。これは、小さい手持ち型ユニットで、費用は約25米国ドルである。これは、人の気息中の硫化化合物を検知するために、加熱ワイヤを使用し、読み値を4つのレベルで示す。
【0009】
HalimeterTM気息テスターは、硫化水素に対しては高い精度を持つが、歯周病により引き起こされる口臭に著しく影響するメチルメルカプタンに対しては低い精度しか持たない。BreathAlertTM気息テスターユニットは、硫化物濃度に反応するが、口からの距離及びユニットの取り込み領域への息の吹きかけ方によって異なる数字を与える。
【0010】
不快気息の指数を示す口腔内細菌の測定に使用するために、他にも装置がある(例えば、Soft Lines Internationalより入手可能な装置)が、これらは大変高価で、不快気息の指数を与えるのに時間を要し、したがって自分の気息の「スポット検査」を行いたい使用者には特に有益ではない。
【0011】
使用者が、職場で又は食事の後に、会議又はデートの前に自分の気息を確かめることが可能であるならば大変有益なものであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、手ごろな値段で、持ち運び可能で、不快気息を迅速にテストする指示器に対する明らかな必要性がある。
【0013】
【非特許文献1】F.Cost著Pockt Guide to Digital Printing、p.144及び145
【0014】
ここで用いられる「異臭化合物」及び「臭い」という用語は、嗅覚システムにより検知可能なあらゆる分子又は化合物を意味する。「不快気息」という用語は、他人が感知可能なレベルで、人の気息中に存在する不快な臭いを意味する。「可視指示剤」という用語は、不快気息臭が人の気息内にある程度の濃度で存在する場合に、可視指示を与える基体、組成物又は材料を意味する。
【0015】
臭いに含まれる非常に低いレベルの(10億分の10(ppb)より大きい)硫黄及び/又はアミンに感応する可視指示剤が認識された。低レベルのこれらの臭いに曝すと、色指示剤は色を変化させ、これにより使用者に不快気息の存在を指示する。
【0016】
適当な可視指示剤は、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロル(BDMD又はミヒラーヒドロル(MH))及び一般化学式(I)又は(II)を持つ関連する染料とする。
【化1】
ミヒラーのヒドロルは、不快気息の主な異臭化合物である硫黄及び/又はアミン揮発性化合物に極めて低レベルで(〜20ppb)反応することが認識され、かつ、そのことが示された。この染料は、不快気息内の様々な臭い(特に硫黄及びアミンであり、魚、にんにく、玉ねぎ及び同様のものから引き起こされる不快気息を含む)に対する感応性についてテストされ、不快気息検知のための良好な可視指示剤であると判断された。
【0017】
少なくとも1つの指示剤を含む簡単な気息テスト装置も開発され、これは使用者が不快気息を持っていると指示剤が色を変化させる。可視指示剤は、不快気息に存在する少なくとも1つの臭いに対し色感応性である。
【0018】
この装置は、実質的に透明なチューブ又はストローのような通路を定め、可視指示剤を含む単純なキャリア部分を含み、少なくとも1つの端部が開口している。本発明は、今後、ストロー及びチューブに特に言及して述べられるが、様々な他の形状も同様に有効であることが理解されるであろう。例えば、通路の形状は、円柱形、三角形、四角形、アーモンド型などとすることができる。
【0019】
可視指示剤は、粉末状、溶液状とすることができ、或いは、セルロースティッシュ又は紙、不織ポリプロピレン/ポリエチレン基体、織成基体、ガラス繊維、綿、絹、レーヨンなどのような基体上に被覆することができる。ストローは、貯蔵しやすくするために実質的に平坦にしてもよいが、その場合にも、チューブの中の通路を通して患者が息を吹き込むことができるようにする。装置は、少なくとも1つの参照色を持つ領域を含むことができ、使用者が自分の息を吹きかけた後、指示剤の色を参照色と比較して色変化があるかどうかを容易に判断することができる。
【0020】
一実施形態においては、この装置は、色指示剤を収めた飲料用透明ストローのような便利な大きさでかつ目立たないプラスチックチューブを含む。色指示剤はストリップに付着させ、このストリップをストローの中に挿入するか、又は該ストリップによりストローの端部を覆うようにすることができ、粉末状で使用するか或いはストロー内部の溶液に含ませることができる。
【0021】
気息をテストするためには、使用者は装置の中に息をするか、又は装置の上に息を吹きかけ、指示剤の色の変化(色の消滅、色の発現、又は1つの色から他のへの変化)が、使用者が不快気息を持つことを示す。この気息テスト装置は、使用者に不快気息を持つことを警告し、歯を磨くか、口内洗浄剤を使用するか、又はブレスミントを食べるなどの適切な行動をとるようにさせる。
【0022】
気息テスト装置を収容し更に取り出すためのディスペンサーも開発され、一実施形態においては、気息テスト装置を備えたディスペンサーは、歯磨き粉、ブレスミント又は同様のものなどの少なくとも1つの気息清浄剤とともに販売されるか、又は後でディスペンサーに取り付けられるように設計されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、不快気息を示す使用者の気息内の硫黄及び/又はアンモニア化合物のレベルを検知することができる、簡単な可視気息テスト装置を提供するものである。このように気息テスト装置は、可視指示剤を含み、不快気息が存在すると変色する。気息テスト装置は、持ち運び可能で、目立たず、使い棄て可能であり、かつ、比較的安価に製造できる。
【0024】
一実施形態においては、可視指示剤は、「BDMD」、「ミヒラー・ヒドロル」又は「MH」として知られている、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロルである。この指示剤は、硫黄含有臭及びアンモニア含有臭のどちらにも感応し、これらの臭いが存在するとブルーから無色に変化する。ミヒラ−・ヒドロルは、次のような反応によって、アミン化合物又は硫黄化合物と反応する。
【化2】
代替的実施形態においては、可視指示剤は、次のような一般式(I)又は(II)によって表される指示剤とすることができる。
【化3】
ここで、
【表1】
【0025】
染料は、色を薄く消していくか、色を濃くするか又は1つの色から別の色に実際に変化して色を変化することができる。
【0026】
色変化の程度は、指示剤の濃度又は患者の気息内の硫黄化合物濃度又はアンモニア化合物濃度に応じるものである。したがって、10億分の10(ppb)より大きい、より好ましくは20ppbより大きい、更に最も好ましくは25ppbより大きい硫黄及び/又はアンモニアレベルに応じて色が変化するのを観察するために、使用される指示剤の濃度は、好ましくは0.001から15重量%、より好ましくは0.005から2重量%、更に最も好ましくは0.1から0.5重量%の間の範囲とする。
【0027】
基体、典型的にはセルロースティッシュは、ナノ粒子によって被覆され、基体上に広い表面面積の被覆被覆、すなわち、セルロース繊維そのものの表面より広い表面面積の被覆を形成する被覆被覆ことができる。その結果、セルロースティッシュは、ナノ粒子で被覆されることにより表面面積が増加させられる。処理済み基体は、次に、可視指示染料で被覆することができる。この被覆表面面積の大きい被覆は、シリカ表面に染料を広げ、被覆をより薄くして装置の感応性を改善すると信じられる。
【0028】
ナノ粒子の平均サイズは、一般的に約100ナノメートルより小さく、事実上は約1から約50ナノメートル、更に約4から約20ナノメートルとすることができる。ここで用いられる粒子の平均サイズは、平均長さ、幅、高さ、及び/又は直径を意味する。
【0029】
ナノ粒子は、1グラム当たり約50平方メートル(m2/g)から約1000m2/g、ある場合には約100m2/gから約600m2/g、更にある場合には約180m2/gから約240m2/gの表面積を持つことができる。
【0030】
更に、ナノ粒子は、比較的無孔又は中実とすることができる。すなわち、ナノ粒子は、1グラム当たり約0.5ミリリットル(ml/g)より小さい、1グラム当たり約0.4ミリリットルより小さい、約0.3ml/gより小さい、更に約0.2ml/gから約0.3ml/gの間の孔容積を持つことができる。ナノ粒子が中実であるという性質、すなわち低い孔容積は、ナノ粒子の均一性及び安定性を高めることができる。
【0031】
商業的に入手可能なアルミナナノ粒子の例は、例えば、Aluminasol(登録商標)100、Aluminasol(登録商標)200及びAluminasol(登録商標)520を含み、これらは、米国テキサス州ヒューストンのNissan Chemical America Corporationより入手可能である。代替的には、Snowtex−C(登録商標)、Snowtex−O(登録商標)、Snowtex−PS(登録商標)及びSnowtex−OXS(登録商標)ナノ粒子のような、シリカナノ粒子を利用することができ、これらもNissan Chemicalから入手可能である。
【0032】
例えば、Snowtex−OXS(登録商標)ナノ粒子は、4から6ナノメートルの粒子の大きさを持ち、1グラム当たりおよそ509平方メートルの表面積を持つ粉末状にすりつぶすことができる。Nissan Chemicalから入手可能なSnowtex−AK(登録商標)ナノ粒子のような、アルミナ被覆されたシリカ粒子も使用できる。
【0033】
気息テスト装置は、可視指示剤を含む実質的に透明なチューブ又はストローのような、簡単な支持部材を含む。ストロー又はチューブは、実質的には、容易に貯蔵できるように平坦にしてもよいが、その場合にも、患者がチューブの通路を通して息を吹き込むことができるようにする。
【0034】
可視指示剤は、粉末状、溶液状とすることができるか、或いは、溶液の形態で、セルロースティッシュ又は紙、綿、不織ポリプロピレン/ポリエチレン基体、織成基体、ガラス繊維、絹、レーヨン、布、繊維、スパンボンド、合成ポリマーなどのような基体上に付与し、乾燥させ、乾燥残留物を残すようにすることができる。指示剤は、基体上の溶液内に、例えばインクジェット印刷機を使用して印刷することができる。ここで用いられる「溶液内に」という用語は、水、水性溶液、又はアルコール又はトルエンなどの溶媒内に指示剤を含む液体溶液を意味する。
【0035】
気息テスト装置は、少なくとも1つの参照色又は色の陰を有する領域を含むことができ、使用者が自分の息を吹きかけた後、指示剤の色を参照色と比較して色変化があるかどうかを容易に判断することができる。
【0036】
一実施形態においては、可視指示剤は、セルロース基体上に被覆され、この基体がストロー内に挿入される。別の実施形態においては、可視指示剤は、同様にセルロース基体上に被覆されるが、該基体はストローの1つの端部を覆うように配置される。
【0037】
両方の実施形態において、使用者がチューブ内に息を吹き込むと、気息はチューブを通り、更に基体上に達し又は基体内を通過し、不快気息の指標となる硫黄及び/又はアンモニア化合物のレベル(およそ25ppb以上)が使用者の気息に存在すると、指示剤の色を変化させる。
【0038】
別の実施形態によると、上記した気息テスト装置は、小さいサイズで製造され、幾つかの気息テスト装置が、ポケットサイズのコンテナに容易に一緒に梱包されることができるようにされた。ストローは、4cmの長さに切り取られ、染料処理済み基体は、ストロー内に挿入されるか、ストローの1つの端部を覆うように置かれるかのいずれかであった。ストローは、次に、標準の名刺サイズ加熱ラミネーターにより積層化することにより実質的に平坦にされたが、その状態でも、空気がストローのチューブを通過できた。
【0039】
気息テスト装置を収容し、かつ、取り出すためのディスペンサーが開発され、一実施形態においては、幾つかの気息テスト装置を収容し、取り出すためのポケットサイズのディスペンサーが、歯磨き粉、ブレスミント又は同様のものなどの気息清浄剤のディスペンサーとともに販売されるか、又は、これらを後でディスペンサーに取り付けられるように設計された。
【0040】
特記しない限り、化合物及び生化合物は、ウイスコンシン州ミルウオーキーのSigma−Aldrichより入手したものであった。明光度読み値は、バージニア州シャンテイリーのDynex Technologiesのマイクロプレート読み機(#MRX型)を使用して計測された。
【0041】
最も広く使用されている色テストは、CIELABと呼ばれており、ニューヨーク州オールバニーのDelmar出版社からの、F.Costによる「Pocket Guide to Digital Printing」ISBN 0−8273−7592−1の144ページ及び145ページに記載されている。この方法は、3つの変数L*、a*、及びb*を定めるもので、これは色知覚の異なる理論に基づく3つの知覚された色の特徴に対応する。3つの変数は、次のような意味を持つ。
L*=0から100までの範囲の明度。0は暗く、100は明るい。
a*=およそ−100から100の範囲のレッド/グリーン軸。正の値はレッドに近く、負の値はグリーンに近い。
b*=およそ−100から100の範囲のイエロー/ブルー軸。正の値はイエローに近く、負の値はブルーに近い。
【0042】
CIELAB色間隔は或る程度均一であるので、人間によって知覚される2つの色の差を示す単一の数を計算することができる。この差は、ΔEと呼ばれ、2色の間の3つの差(ΔL*、Δa*、及びΔb*)の二乗の和の平方根をとることにより計算される。CIELAB色間隔においては、各々のΔEユニットは、2色の間の単に認識できる違いだけを大雑把に示す。2つの色が例えば4.4の差を持てば、人間の目は2つの色の違いを知覚することができる。したがって、CIELABは、色管理及び色の変化を表示する目的のために、参照色間隔として使用することができる、客観的で、装置から独立した色認識システムとして、良好な尺度である。
【0043】
ここでは、色濃度(L*a*b*値)が日本の大阪にあるミノルタ株式会社の手持ち型分光測光器(#CM2600d型)を使用して計測された。この器具は、CIENo.15、ISO7724/1、ASTM E1164及びJIS Z8722−1982(8度拡散照射型ビューイングシステム)に順応するD/8ジオメトリーを利用する。被験物表面に垂直な方向に対して8度の角度で、該表面から反射されたD65光は、被験物測定光学系によって受け取られる。
【0044】
pH5.1で40mMの酢酸ナトリウム及び4Mの塩化グアニジンを含むアセテート緩衝剤が、指示剤の準備のために使用された。
【0045】
紙タオル又は米国テキサス州ダラスのKimberly−Clark CorporationのKIMWIPES(登録商標)が、Nissan Chemicalから入手可能なSnowtex−O(登録商標)ナノ粒子(pH4.1)で被覆され、上記した例示においてミヒラー・ヒドロル染料(MH又はBDMB)とともに使用され、この場合の染料は、特記しない限り、アセテート緩衝剤を含まないで付加されたものであった。
【0046】
本発明は、以下の制限されない例によって、詳細が示される。
【実施例1】
【0047】
10μlのフルフリルメルカプタン(それぞれが0、0.228ppm、0.456ppm、0.912ppm、1.824ppm、及び3.648ppm)、pH5.1で40mMの酢酸ナトリウム及び4Mの塩化グアニジンを含む980μlの緩衝剤、及び10μlの0.65mg/mlMH染料(BDMB)を含む6個のガラス容器の各々の中に1mlの反応混合物8度が置かれた。すべてのガラス容器を、室温で5分より少ない時間だけ培養した後、各々のガラス容器から200μlがマイクロ滴定プレートウエルに移動され、マイクロ滴定プレート読み器を使用して590nmでの吸光度が測定された。吸光度も又、580−615nmの範囲において計測することができる。
【0048】
図1に示すように、MH染料によって検知可能なチオール型異臭化合物としてフルフリルメルカプタンを使用して標準曲線が導き出された。図1においては、x軸は0から4ppmのフルフリルメルカプタン濃度で、y軸は590nmにおける吸光度の逆数である。チオール検知の感度は、この方法においてはかなり高度なものであることがわかった。
【実施例2】
【0049】
にんにくは、不快気息の原因となるので、にんにくの臭いに対して指示剤が高感度かどうかを見るために、ミヒラー・ヒドロル(MH)がテストされた。にんにく蒸気は、主な異臭化合物として硫黄化合物(ジアリルチオ硫酸塩(アリシン))を持つ。新しく切り取られたにんにくが、MH染色済みScott(登録商標)紙タオルと共に広口ビンの中に置かれ、広口ビンはシールされた。にんにくを含む広口ビンの中の紙タオルは、3−5分以内に、色の変化(ブルーから無色へ)が観察され、一方で対照広口ビンは、何の色変化も観察されなかった。
【実施例3】
【0050】
MH染料のみを使用するのではなく、MH染料を、代替的指示色を形成するために、不快気息に存在する臭いに色感応しない、食物用染料のような染料と混合して、実験が繰り返された。混合された染料を不快気息臭に曝すと、MH染料は無色になり、この結果混合染料で被覆された領域は、混合色から食物用染料色(表1)に変化した。
【実施例4】
【0051】
上記した実施例1から3に示す、セルロース基体上に指示剤の溶液を被覆することの代りに、指示剤の溶液をインクジェットで印刷可能なインクに配合した。インクジェット印刷は、基体上に染料の薄い被覆を堆積し、基体上により感応する色被覆を可能とする。ミヒラー・ヒドロル染料溶液が、以下の表2に示されるインクジェット添加剤に配合された。
【0052】
ミネソタ州エデンプレイリのMcDermid−Colorspanより得られる空のMargarita(登録商標)カートリッジ(部品番号0900400−300)の中にインク溶液が充填され、ワイドフォーマットMcDermid−Colorspan印刷機(VII型)を使用して印刷された。Scott(登録商標)紙タオル基体への良好なインクジェット印刷が成された。次に、印刷されたScott(登録商標)紙タオルのストリップが、にんにく臭に曝され、ブルー色が10秒で脱色することが観察された(前述した例の1つによる、MHで飽和されたScott(登録商標)紙タオルの色変化を観察すると3−5分を要したことと比較して)。基体上に指示剤をインクジェット印刷することにより、臭いに対する高度な感応性が観察された。
【実施例5】
【0053】
図2に示すように、MHがアンモニアの指示剤として適当であるかどうかを判断するために、アンモニア臭源として水酸化アンモニウム溶液を使用して、標準曲線が導き出された。
【0054】
8個のガラス容器の各々において、50μlの特定濃度のアンモニア溶液(それぞれが0、0.01%、0.02%、0.04%、0.08%、0.32%、及び0.64%)が150μlのMH溶液(pH5.1で5.0mlの40mM酢酸ナトリウム及び4M塩化グアニジンを含むCH3CNの20μlの10.0mg/mlMH)と混合され、ガラス容器はシールされて4分より少ない時間だけ培養された。
【0055】
溶液は、次に、マイクロ滴定プレートウエルに移動され、590nmで吸光度を測定された。吸光度読み値は、アンモニア溶液濃度に対して曲線でプロットされ、濃度は100億分当たり(ppb)で表された。図2においては、x軸は、0から400ppbのアンモニア濃度で、y軸は590nmでの1から0.7までの吸光度である。アンモニアに対するMHの感度は大変高く、感度はMH染料濃度を種々異ならせることにより変化することが示された。
【実施例6】
【0056】
図3に示す気息テスト装置10が、簡単な飲料用ストローを使用して形成され、その中に丸めた染料被覆被覆済み紙タオルが挿入された。紙タオル上の染料濃度は、不快気息テストに必要とされる感度に応じて種々異ならせた。したがって、1mg/ml原料溶液のMH染料16が、Snowtex(登録商標)−Oナノ粒子被覆被覆済みScott(登録商標)紙タオル上に付与され、空気乾燥された。染料被覆被覆済み紙タオルは、次に、2cmx4cmのストリップ12に切り取られ、丸められ、各々のストリップ12は、カリフォルニア州オークランドのGlad Products Companyからの透明プラスチック飲料用ストロー14内に挿入された。
【0057】
気息テスト装置10は、硫黄臭に対する感度を求めるために、ストロー14内に周知濃度のエチルメルカプタンを射出することによってテストされた。色変化18が認められ、硫黄臭の存在が、明らかに視認された。
【0058】
何人かのボランティアに幾つかのこれらのストローを与え、肺一杯の一気息で息を吹き込むように要求した。このチューブは、典型的には朝の気息又は香料入り食事の後で不快気息感度を示した。指示器物品の色変化は、裸眼で容易に観察することができ、色濃度(La*b*)が、日本の大阪所在のミノルタ株式会社からの手持ち型Minolta分光測光器#CM−2600d型を使用して計測された。1つの試料から得られた例示的データが以下の表3に示されている。
【実施例7】
【0059】
図6に記された気息テスト装置、医療用HalimeterTM気息テスター及びBreathAlertTM気息テスターを使用して、ボランティアに自分の気息をテストさせることにより、この簡単な気息テスト装置の実験室テストを行った。
【0060】
ボランティアは、一人ずつ最初にHalimeterTM及びBreathAlertTM気息テスターに息を吹き込み、次に可視気息指示装置にそれぞれ肺一杯の気息を二度吹き込んだ。
【0061】
ミヒラー・ヒドロルを含む可視指示装置は、異なる程度でブルー染色の脱色を示した。これは、分光測光器により読み取ることができ、試料が曝される前及び後を比較して計測された色変化が、ΔEとして表された(人間の目は、3又はこれより大きいΔEの差を持つ試料だけを区別することができる)。
【0062】
HalimeterTM及びBreathAlertTM気息テスターで得られた分析による読み値は、次に、ストローの色変化と比較された。その結果が以下の表4に示されている。
【0063】
1及び2についてのBreathAlertTM気息テスターによる読み値は、低い不快気息レベルであり、したがって、HalimeterTM気息テスターによる硫化水素濃度読み値が低いことが分かる。
【実施例8】
【0064】
実施例7の研究に続いて、広範囲で更に詳細な研究がなされた。
【0065】
実施例7に記した前の研究のときと同様に、ボランティアはBreathAllertTM気息テスターに息を吹込むように要求され、次に、実施例6で説明したのと同様に、2つの気息テスト装置10に息を吹込むように要求された。この研究は、前述した研究より高度なレベルの不快気息を得ることができ、その結果が以下の表5に示されている。研究で使用された気息テスト装置が図4に示されている。
【0066】
ΔEとして表されている上記の色変化読み値は、不快気息臭に対する染料の感度を示している。読み値は、試料を標準ホワイトと比較して計算された。したがって、ΔE値が大きくなるほど、試料の着色が強くなる。試料は不快気息に曝されたとき脱色するので、ブルーは色が白っぽくなり、これはΔE値が小さくなることによって、すなわち色がホワイトの方に動くことによって反映される。人間の目は、ΔEが3又はこれより大きい違いを持つ試料は、区別することができる。このように、目は、2及び3の不快気息レベル(BreathAlertTM装置を使用して計測された)を持つ試料の違い、及び試料とレベル2の不快気息を持つ対照との違いも同様に、容易に区別することができる。
【0067】
この感度の結果、使用者自身の不快気息の濃度を使用者に伝えることができる色スケールを製造することが可能である。例えば、気息テスト装置を収容しているコンテナの側部のパネルは、汎用pH指示器と類似した色等級スケールを含むことができる。このスケールは、使用者に不快気息読み値を、弱、中又は強として知らせる。
【0068】
色ベースの技術は、電子装置とは違って、誤った否定を与えることはなかった。
【実施例9】
【0069】
KIMWIPES(登録商標)ティッシュが、Nissan Chemicalからの5%Snowtex−O(登録商標)ナノ粒子溶液で被覆され、次に空気乾燥された。アセトニトリルの5.0mg/mlのMH染料原液がSnowtex−O(登録商標)ナノ粒子被覆されたKIMWIPES(登録商標)ティッシュに付与され、付与された染料溶液が乾燥したとき、ブルーカラーが発現するのが観察された。
【0070】
図5に図示しているように、カリフォルニア州オークランドのGlad Products Companyからの飲料用ストロー20が、厚紙ストリップ22上に置かれ、染料ナノ粒子で被覆されたティッシュの一片24が、ストロー20の第一端部25を覆うように位置させられた。この結果、人がストローの第二端部26に息を吐くと、その気息はストローの第一端部でティッシュ24の中を通過する。ストローは、2つのポリエチレンシート28の間に置かれ、次いでストローの第二端部だけが露出するように加熱シールされた。また、参照(又は対照)の色ストリップ30が、ストローの第一端部24の近くではあるが、第一端部から離れてポリエチレンシートの間に置かれ、ポリエチレンシートが加熱シールされると同時にシールされた。この参照ストリップは、染料被覆されたティッシュの一片であって、使用者に、ストローの第一端部のストリップの色と参照ストリップの色を、色変化があるかどうかを比較させ、これによって使用者が不快気息を持つ(正)かどうかを定める。参照ストリップは、2つ又はそれより多いブルーの陰影のスケールを含むことができ、使用者は、ストローを覆っているティッシュの色の変化をスケールと比較することができ、使用者の不快気息の程度を求めることができる。例えば、僅かな色の変化は弱不快気息を表し、薄いブルーへの明らかな色あせは中不快気息を表し、更にブルーから無色への完全な変化は強不快気息を表すものである。
【0071】
不快気息を持っているかどうかを不快気息テスト装置が適切に指示しているかどうかをテストする簡単な研究が、15人のボランティアによって実行された。テストは、単純に「はい」又は「いいえ」であって、ボランティアが不快気息を持つ(「はい」)と色が変化し、ボランティアが不快気息を持たない(「いいえ」)と色は変化しない。
【0072】
各人のボランティアは、3つの気息テスト装置を与えられ、第一に、朝起きた時(不快気息を持つ最も一般的時間)ストローの第二端部に、肺一杯の空気を2回吹きかけるように求められた。ボランティアは、次に、自分が不快気息を持っていると思うかどうかをチューブに印を付けるように求められた。
【0073】
手渡した45個の装置のうち、32個が返却され、この第一テストの結果が以下の表6に示されている。
キー:
a)正しい肯定=使用者が不快気息を持っていた時に色変化が起きた。
b)正しい否定=使用者が不快気息を持っていない時に何の色変化も起きなかった。
c)誤った推測=使用者の誤った推測。
d)誤った肯定=使用者が、不快気息を事実持っている時に、そのことを信じなかった。
e)誤った否定=使用者が、自分は不快気息を持っていると信じているが、色の変化が起きなかった。
【0074】
これらの結果は、不快気息可視指示装置が大変感度がよく、不快気息の存在を使用者に正確に伝えることを示している。テストされた32個の装置のうち、22個は、使用者が自分は不快気息を持っていると思う時、明らかな可視色変化を示した。興味深いことには、使用者が、自分が不快気息をもっているとは思っていなかった時、7個の色変化が記録され、事実、使用者は不快気息を持っていた。この発見は、自分自身の不快気息を検知できない人の文献における割合と合致しており、本研究においては、22%の人が自分の不快気息に気づかなかったが、文献では25%であった。1つの気息テスト装置だけが、使用者が自分は不快気息を持っていると信じていたのに、色の変化を示さなかった。
【実施例10】
【0075】
前述した実施例において示された気息テスト装置が、不快気息の存在を指示するのに適当であることが示されているが、容易に持ち運ぶことができ、目立たずに運搬されるには僅かに大きすぎると考えられた。更に、気息テスト装置を更に小型化するという修正がなされ、特にポケット又はハンドバッグの中で運ぶことができるような薄い気息ストリップコンテナに適合するように十分小さいものとなった。
【0076】
2つの小型化された気息テスト装置が開発された。
a)第一の気息テスト装置(図7)は、実施例8の物品(すなわち、染料処理済みティッシュ42が挿入された飲料用ストロー40)を取り出し、更に飲料用ストローのチューブを、例えば4cmの長さに短くして準備された。ストローは、次に、標準の名詞サイズ加熱ラミネーター(テキサス州ダラスのKinko’sからの)内に置かれ、チューブは平坦にされたが、なおチューブの中を通って空気が通過することができた。
b)第二の気息テスト装置(図6)は、実施例9の物品(すなわち、1端部を覆う染料処理済みティッシュストリップ46を持つ飲料用ストロー44)を取り出し、再びおよそ4cmの長さに切り取られて準備された。ストローは、上記のようにして積層化された。
【実施例11】
【0077】
染料被覆された紙タオルが、接着剤被覆されたカード材料の25mmx50mmのストリップに取り付けられた。紙タオル上の染料含有量は、不快気息テストに必要な感度に応じて種々異ならせるようにした。したがって、1mg/mlのMH染料原液が、Snowtex(登録商標)−Oナノ粒子被覆されたScott(登録商標)紙タオル上に付与され、ストリップに取り付けられる前に空気乾燥させた。小さいストローがカード上に置かれ、装置はポリエチレンフィルムカバーの中に梱包されて、更に縁部は加熱シールされた。取り外し可能な引き剥がし用ポリエチレンタブを使用して、乾燥被覆された紙タオルを覆い、かつ、一時的にシールした。タブが引き剥がされ、更に不快気息を持つ使用者が紙タオル上に息を吐き出すと、MH染料が無色に変化した。
【実施例12】
【0078】
適当な気息テスト装置のディスペンサーが設計された。これらのディスペンサーは、比較的小さいので、ポケット、財布又はハンドバッグの中に目立たずに適合することができる。ディスペンサーは、気息テスト装置を使い棄てとするために安価なものにするべきである。
【0079】
実施例10で示された型の気息テスト装置を約6個保持することができる、小型プラスチックの長方形ディスペンサー(およそ35mmx60mmx15mm)が設計され(図8)、気息テスト物品を12個保持する、僅かに大きいディスペンサーも想定されている。しかしながら、ディスペンサーは、幾つかの気息テスト物品を貯蔵する大きさであることが分かる。
【0080】
本実施例のディスペンサー50は、ブレスミント、チューイングガム、タバコ又は同様のもの(図9)のための、別のディスペンサー52に取り付け可能に設計された。これらディスペンサーは、一実施形態においては、接着剤又は両面テープによって互いに永久に取り付けられる。代替的実施形態においては、気息テスト物品のためのディスペンサー52は、磁石54、又はフック・ループ型締結用具(図示されず)などの一時的な取り付け手段を持ち、図9に示すように、もう一つのディスペンサー52に取り付けられた反対極性の磁石56によって、第二ディスペンサー52に取り付けることができる。このように、ディスペンサーは個々に販売されることができるので、一度に1つだけを取り替えることができる。
【0081】
本発明は、特定の実施形態について詳細に示されているが、様々な代替物、修正及び他の変更が、本発明の意図及び範囲から外れることなく本発明になされることが当業者に明らかであろう。したがって、特許請求の範囲は、すべてのこのような修正、代替物及び/又は変更を含むか、又は包括的に含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】ミヒラー・ヒドロル染料によるフルフリルメルカプタン検知を示した標準曲線である。
【図2】MH染料によるアンモニア検知を示した標準曲線である。
【図3】本発明の一実施形態による簡易気息テスト装置を、分解状態で示したもので、不快気息に反応した指示剤の色変化が見られる(右)。
【図4】実施例8に示された簡易気息テスト装置であり、対照チューブ(a)及び(e)は臭いに曝されておらず、チューブ(b)から(d)は、気息臭に曝されたものである。(チューブ(b)は、検知器読み値2のBreathAlertTMの気息臭に曝され、チューブ(c)及び(d)は、検知器読み値3のBreathAlertTMの気息臭に曝されたものである。)
【図5】本発明による気息テスト装置の第二実施形態を示しており、不快気息臭に曝される前(右)及び曝された後(左)の参照色である。
【図6】本発明による気息テスト装置の第三実施形態を示している。
【図7】本発明による気息テスト装置の第四実施形態を示している。
【図8】ブレスミント(左)のディスペンサーに取り付け可能な気息テスト装置(右)のディスペンサーを示している。
【図9】図8のディスペンサーを互いに取り付けられた状態で示す。
【符号の説明】
【0083】
10 気息テスト装置
12 ストリップ
14 ストロー
16 MH染料
20 ストロー
22 ストリップ
24 ティッシュ
25 第一端部
26 第二端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不快気息に存在する少なくとも1つの臭いに色反応する可視指示剤を含むことを特徴とする気息テスト装置。
【請求項2】
前記臭いは、硫黄含有化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項3】
前記臭いは、アミン含有化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項4】
前記可視指示剤は、一般式(I)又は(II)を持つことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【化1】
ここで、
Rは、H、(NH2)C6H5−又はC6H5−;
R′は、(CH3)2NC6H5−、(NH2)C6H5−、(CH)3C10H6(OH)−、又は(NaCO2)(CH3)C10H5(OH)−;
R″は、(CH3)2NC6H5−、(NH2)C6H5、(CH2)C10H6O−、又は(NaCO2)(CH2)C10H5O−である。
【請求項5】
前記可視指示剤は、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロルであることを特徴とする請求項4に記載の気息テスト装置。
【請求項6】
ナノ粒子を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の気息テスト装置。
【請求項7】
基体上に付与された前記可視指示剤の溶液の乾燥残留物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項8】
前記溶液は、乾燥される前に前記基体上に印刷されることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項9】
前記基体は、セルロース、布、繊維、スパンボンド及び合成ポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項10】
前記基体は、前記装置のキャリア部分の通路に位置されることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項11】
前記基体は、前記装置のキャリア部分の一端部を覆うことを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項12】
前記可視指示剤は、溶媒中に溶解され、前記装置内において溶液状に維持されることを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項13】
前記可視指示剤は、粉末状であることを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項14】
前記指示剤が不快気息に曝された時に変化する色が参照色として印刷された領域を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の不快テスト装置。
【請求項15】
前記不快気息の強さを指示する2つ又はそれ以上の参照色を含むことを特徴とする請求項14に記載の気息テスト装置。
【請求項16】
少なくとも1つの端部が開口した通路を定めるキャリア部分を含み、不快気息臭に色感応する可視指示剤を有することを特徴とする気息テスト装置。
【請求項17】
前記キャリア部分は、円柱状構造であることを特徴とする請求項16に記載の気息テスト装置。
【請求項18】
前記キャリア部分は、実質的に平坦であることを特徴とする請求項16に記載の気息テスト装置。
【請求項19】
不快気息内に存在する少なくとも1つの臭いに色反応する可視指示剤を有する気息テスト装置を少なくとも1つ含むことを特徴とするディスペンサー。
【請求項20】
少なくとも1つの気息清浄剤を更に含むことを特徴とする、請求項20によるディスペンサー。
【請求項1】
不快気息に存在する少なくとも1つの臭いに色反応する可視指示剤を含むことを特徴とする気息テスト装置。
【請求項2】
前記臭いは、硫黄含有化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項3】
前記臭いは、アミン含有化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項4】
前記可視指示剤は、一般式(I)又は(II)を持つことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【化1】
ここで、
Rは、H、(NH2)C6H5−又はC6H5−;
R′は、(CH3)2NC6H5−、(NH2)C6H5−、(CH)3C10H6(OH)−、又は(NaCO2)(CH3)C10H5(OH)−;
R″は、(CH3)2NC6H5−、(NH2)C6H5、(CH2)C10H6O−、又は(NaCO2)(CH2)C10H5O−である。
【請求項5】
前記可視指示剤は、4、4′−ビス(ジメチルアミノ)−ベンズヒドロルであることを特徴とする請求項4に記載の気息テスト装置。
【請求項6】
ナノ粒子を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の気息テスト装置。
【請求項7】
基体上に付与された前記可視指示剤の溶液の乾燥残留物を含むことを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項8】
前記溶液は、乾燥される前に前記基体上に印刷されることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項9】
前記基体は、セルロース、布、繊維、スパンボンド及び合成ポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項10】
前記基体は、前記装置のキャリア部分の通路に位置されることを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項11】
前記基体は、前記装置のキャリア部分の一端部を覆うことを特徴とする請求項7に記載の気息テスト装置。
【請求項12】
前記可視指示剤は、溶媒中に溶解され、前記装置内において溶液状に維持されることを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項13】
前記可視指示剤は、粉末状であることを特徴とする請求項1に記載の気息テスト装置。
【請求項14】
前記指示剤が不快気息に曝された時に変化する色が参照色として印刷された領域を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の不快テスト装置。
【請求項15】
前記不快気息の強さを指示する2つ又はそれ以上の参照色を含むことを特徴とする請求項14に記載の気息テスト装置。
【請求項16】
少なくとも1つの端部が開口した通路を定めるキャリア部分を含み、不快気息臭に色感応する可視指示剤を有することを特徴とする気息テスト装置。
【請求項17】
前記キャリア部分は、円柱状構造であることを特徴とする請求項16に記載の気息テスト装置。
【請求項18】
前記キャリア部分は、実質的に平坦であることを特徴とする請求項16に記載の気息テスト装置。
【請求項19】
不快気息内に存在する少なくとも1つの臭いに色反応する可視指示剤を有する気息テスト装置を少なくとも1つ含むことを特徴とするディスペンサー。
【請求項20】
少なくとも1つの気息清浄剤を更に含むことを特徴とする、請求項20によるディスペンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2007−508566(P2007−508566A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535486(P2006−535486)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/027626
【国際公開番号】WO2005/040794
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/027626
【国際公開番号】WO2005/040794
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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