説明

不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置および不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の制御方法

【課題】 この発明は、磁気ディスク装置と比較的記憶容量の大きな不揮発性メモリを備
える記憶装置において、磁気ディスク装置へのアクセスを低減させ、消費電力を低減させ
ることを目的としている。
【解決手段】 この発明は、磁気ディスク(9)に対するデータの記録および再生を行な
う磁気ディスク記録再生手段と、データを電気的に記録するための不揮発性メモリ(19
)を備え、不揮発性メモリに対するデータの記録および再生を行なう不揮発性メモリ記録
再生手段と、磁気ディスク記録再生手段または不揮発性メモリ記録再生手段と、ホストシ
ステム17との間で転送されるデータを一時的に保存するバッファメモリ手段(4)と、
磁気ディスク記録再生手段または不揮発性メモリ記録再生手段に保存されたデータをバッ
ファメモリ手段(4)に、予め決められた優先度に応じて選択的にキャッシュするよう制
御するキャッシュ制御手段(1)を備えるように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンピュータ等の情報保存装置として、磁気ディスク装置が用いられている。磁
気ディスク装置は、読出し/書込みヘッドを使用し、磁気ディスクからデータを再生およ
び磁気ディスクにデータを記録する装置である。
【0003】
また、複数の情報保存装置(磁気ディスク装置、半導体メモリ等)が用いられている。
そして、これら複数の情報保存装置を用いる際に、キャッシュメモリを用い、データ制御
が行われている。
【0004】
特許文献1には、コンピュータシステムが主記憶装置と、外部記憶装置と、外部記憶装
置用のキャッシュ領域を主記憶装置に設定する制御手段を備え、この制御手段は、主記憶
装置に設けるキャッシュ領域のサイズを特定条件に基づいて最適に設定する技術、すなわ
ち記憶装置によってキャッシュ領域のサイズを設定する点が開示されている。
【0005】
しかし、この特許文献1では、キャッシュに関する具体的なアルゴリズムが開示されて
おらず、製品への応用という点でまだ充分ではないという問題があった。また、磁気ディ
スク装置と比較的記憶容量の大きな不揮発性メモリの両方を備える記憶装置に関する開示
がされておらず、磁気ディスク装置へのアクセスを低減させ、消費電力を低減させる点が
考慮されていないという問題があった。
【特許文献1】特開2003−150445
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、不揮発性メモリを備える磁
気ディスク装置に関し、実用性の高い製品を提供することを目的としている。またこの発
明は、磁気ディスク装置と比較的記憶容量の大きな不揮発性メモリの両方を備える記憶装
置において、磁気ディスク装置へのアクセスを低減させ、消費電力を低減させることを目
的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置は、データを磁気的に記録す
るための磁気ディスクを備え、前記磁気ディスクに対するデータの記録および再生を行な
う磁気ディスク記録再生手段と、データを電気的に記録するための不揮発性メモリを備え
、前記不揮発性メモリに対するデータの記録および再生を行なう不揮発性メモリ記録再生
手段と、前記磁気ディスク記録再生手段または前記不揮発性メモリ記録再生手段と、ホス
トシステムとの間で転送されるデータを一時的に保存するバッファメモリ手段と、前記磁
気ディスク記録再生手段または前記不揮発性メモリ記録再生手段に保存されたデータを前
記バッファメモリ手段に、予め決められた優先度に応じて選択的にキャッシュするよう制
御するキャッシュ制御手段を備えるように構成している。
【0008】
また、この発明に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の制御方法は、予め決
められた優先度に応じて、磁気ディスクに記録されたデータおよび不揮発性メモリに記録
されたデータをバッファメモリにキャッシュするステップと、前記バッファメモリの空き
容量の有無を判別するステップと、前記バッファメモリの空き容量が無い場合に、前記不
揮発性メモリに記録されたデータの割合が多い場合は、キャッシュされたフラッシュメモ
リデータのうち古いデータを破棄し、バッファメモリの空き容量を増加させるステップを
備えることを特徴とする不揮発性メモリを備えるように構成している。
【発明の効果】
【0009】
上記した構成によれば、実用性の高い不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置を提供
することが可能となる。また、磁気ディスク装置と比較的記憶容量の大きな不揮発性メモ
リの両方を備える記憶装置において、磁気ディスク装置へのアクセスを低減させ、消費電
力を低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の構成を
示すブロック図である。
符号1はCPU、符号2はゲートアレイ、符号3はハードディスクコントローラ(HDC)、符号4
はバッファRAM、符号5はリード・ライトIC、符号6はモータドライバ、符号7はボイスコイ
ルモータ(VCM)、符号8はスピンドルモータ(SPM)、符号9は磁気ディスク、符号10はCPU RA
M、符号11はマスクROM、符号12はCPUバス、符号13は磁気ヘッド、符号15はフラッシュROM
、符号16はヘッドIC、符号17はホストシステム、符号18はホストインターフェースである

【0011】
CPU1は不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の各構成要素と接続されており、装置
全体の制御を行う。また、モータドライバ6の制御を時分割で行う。
CPU1はモータドライバ6を制御する。モータドライバ6は、CPU1の制御に応じて、磁気デ
ィスク9を定常回転させるためのスピンドルモータ(SPM)8を電流駆動する。また同様に、
磁気ヘッド13を目的の位置に移動させるためのボイスコイルモータ(VCM)7を電流駆動する

【0012】
CPU1はフラッシュROM15と接続されている。また、CPUバス12を介して、CPU RAM10、マ
スクROM11、ハードディスクコントローラ(HDC)3、ゲートアレイ2と接続されている。
【0013】
マスクROM11にはイニシャルロードプログラムが記録されている。不揮発性メモリを備
える磁気ディスク装置に電源が投入されると、CPU1の指示によって、マスクROM11に記録
されているイニシャルロードプログラムがロードされ、これによって、装置制御を行うた
めのプログラム、ファームウェアがフラッシュROM15からCPU RAM10へコピーされ、実行さ
れる。
【0014】
ここでは、HDC3およびゲートアレイ2の制御用レジスタはそれぞれCPU1のメモリ空間の一
部の領域に割り当てられている。そして、CPU1がこの領域に対して読み出しおよび書き込
みを行うことでHDC3およびゲートアレイ2の制御を行う。
【0015】
リード・ライトIC5は主として磁気ヘッド13の位置決め処理に必要な信号処理を行うサ
ーボブロックと、データの読み出し・書き込みのための信号処理を行うリード・ライトブ
ロックに大別され、CPU1の制御に応じて、それぞれサーボ制御信号およびリード・ライト
制御信号を出力する。
【0016】
磁気ディスク9には位置決めのためのサーボデータ信号が記録されている領域(サーボ領
域)、およびホストシステムから転送されるデータを記録するための領域(データ領域)が
交互に、かつ等間隔に配置されている。
【0017】
さらに、磁気ディスク9上にはその回転軸を中心とした同心円状にデータトラック(以下
、単にトラックと称する)が配置され、トラック上に磁気ヘッド13を追従させるための位
置決めを上記のサーボ制御信号から得られる情報をもとに行う。
【0018】
すなわち、磁気ヘッド13の位置決め実施時に、磁気ヘッド13から読み出され、ヘッドIC
16で増幅されたアナログ信号がリード・ライトIC5に送られる。このとき、リード・ライ
トIC5のサーボブロック(ゲートアレー2)により、サーボデータとして抽出される。サー
ボデータは更にゲートアレイ2によって処理される。CPU1はこのデータをもとにモータド
ライバ6を制御して、磁気ヘッド13の位置決めのための電流をVCM7に流す。
【0019】
磁気ヘッド13の位置決め実施時に磁気ヘッド13から読み出され、ヘッドIC16で増幅され
たアナログ信号が、リード・ライトIC5に送られ、リード・ライトIC5のサーボブロック21
によりサーボデータとして抽出される。サーボデータは更にゲートアレイ2によって処理
される。CPU1はこのデータをもとにモータドライバ6を制御して、磁気ヘッド13の位置決
めのための電流をVCM7に流す。
【0020】
HDC3はCPUバス12の他に、ゲートアレイ2、バッファRAM4、リード/ライトIC5と接続され
ている。また、HDC3はさらに機能ごとにホストシステム17とのインタフェース制御を行う
ホストブロック、バッファRAMの制御を行うバッファブロック、リード・ライトIC5および
ゲートアレイ2と接続され、読み出し・書き込み処理を行うリード・ライトブロックなど
に分かれる。
【0021】
読み出し時、磁気ディスク9に保存されたデータは磁気ヘッド13によって読み出され、
ヘッドIC16によって増幅されたアナログ信号は、リード/ライトIC5によって復号化され、
HDC3はこれをゲートアレイ2からの制御用の各信号にしたがって処理することにより、ホ
ストシステム17に転送すべきデータを生成する。このデータは一旦バッファ RAM4に格納
されてからホストシステム17に転送される。
【0022】
書き込み時、ホストシステム17からHDC3に転送されたデータは一旦バッファ RAM4に格
納された後、ゲートアレイ2からの制御用の各信号にしたがってHDC3からリード/ライトIC
5へ送られる。そして、リード/ライトIC5によって符号化された書き込みデータは、ヘッ
ドIC16を経由して磁気ヘッド13によって磁気ディスク9に書き込まれる。
【0023】
フラッシュROM(データ)19はHDC3に接続される。書き込み時は、ホストシステム17か
らHDC3に転送されたデータは、一旦バッファ RAM4に格納された後、フラッシュROM(デー
タ)19へ格納される。また、読み込み時は、フラッシュROM(データ)19に格納されたデ
ータは、一旦バッファ RAM4に格納された後、ホストシステム17へ転送される。
【0024】
上記のように、フラッシュROM(データ)19に格納されたデータと、磁気ディスク9に格
納されたデータを、ホストシステム17とやり取りする際は、これらのデータは、一旦バッ
ファ RAM4に格納される。
【0025】
また、キャッシュヒットと呼ばれる技術がある。すなわち、一旦バッファ RAM4に格納
された磁気ディスクデータまたはフラッシュROMデータ等のキャッシュデータは、ホスト
システム17から要求されたデータと同様のデータがあった場合には、フラッシュROM(デ
ータ)19もしくは、磁気ディスク9にはアクセスせず、代わりに、バッファ RAM4に格納さ
れたフラッシュデータを送信する技術である。
【0026】
この発明の実施の形態においては、このバッファ RAM4に格納するフラッシュデータの
制御において、フラッシュROM(データ)19に格納されたデータと磁気ディスク9に格納さ
れたデータに優先度をつけ、選択的にキャッシュする。
【0027】
このフラッシュROM(データ)19に格納されたデータと磁気ディスク9に格納されたデー
タの優先度のつけ方は例えば、以下のように行うことが望ましい。
まず、上記優先度の指標となる、バッファ RAM4に格納されたデータ(フラッシュROM(
データ)19に格納されたデータ(フラッシュメモリデータ)と磁気ディスク9に格納され
たデータ(ディスクデータ))をそれぞれキャッシュする割合を、予め決定する。
【0028】
ここで、消費電力低減の観点から磁気ディスク装置と不揮発性メモリ(半導体メモリ)
装置を比較すると、半導体メモリ装置は磁気ディスク装置のような磁気ディスクを回転さ
せるモータで使用される電力消費を低減可能である。
【0029】
そこで、磁気ディスク装置の使用を控えるように、上記予め決定されるキャッシュする
割合を、例えば、ディスクデータ:フラッシュデータ=100:0とする(ディスクデー
タをキャッシュする割合が高いほど磁気ディスク装置が使用される頻度が小さくなり、不
揮発性メモリ(半導体メモリ)装置が使用される頻度が高くなる)。
【0030】
尚、この予め決定されるキャッシュする割合は、ディスクデータ:フラッシュデータ=
70:30あるいは、ディスクデータ:フラッシュデータ=50:50等のように、適宜
変更可能である。
【0031】
あるいは、上記ディスクデータ:フラッシュデータのキャッシュする割合の組み合わせ
を予め複数用意しておき、例えば、A.100:0、B. 70:30、C. 50:50の組み
合わせの中からユーザに選択させるようにすることも可能である。
【0032】
また、この発明の実施の形態においては、バッファ RAM4から実際にキャッシュするデ
ータの割合は、以下説明するように、データの空き具合で上記決定された割合から実質的
に変動する。
【0033】
続いて、上記決定されたキャッシュ割合をもとに、次の通り優先度を変動させ、キャッ
シュする。
上記優先度の変動要因は以下の3通りである(ケース1、ケース2、ケース3)。
(ケース1)キャッシュ領域の容量に空きがある場合。
フラッシュメモリに格納されたデータ、ディスクに格納されたデータのどちらのデータ
もバッファ RAM4の空き領域にキャッシュする。
(ケース2)キャッシュ領域の容量に空きがなく、キャッシュしたいデータ(ディスクに
格納されたデータ)の割合が上記決められたキャッシュ割合より多い場合。
キャッシュしたいデータ(ディスクに格納されたデータ)のうち、バッファ RAM4の古
いデータから破棄し、空いた領域(破棄された領域)にキャッシュしたいデータをキャッ
シュする。
【0034】
(ケース3)キャッシュに空きがなく、キャッシュしたいデータ(ディスクに格納され
たデータ)の割合が上記決められた割合より少ない場合。
他方のデータ(フラッシュメモリに格納されたデータ)のうち、バッファ RAM4の古い
データから破棄し、空いた領域(破棄された領域)にキャッシュしたいデータをキャッシ
ュする。
【0035】
図2はこの発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の動作を
説明するフローチャートである。
以下の動作はCPU1によって制御される。
符号90はここでの開始ステップである。続いて符合100を付したステップへ進む。
符合100はキャッシュメモリ(バッファRAM 4)からキャッシュするデータの優先度
を決定するステップである。この優先度は予め磁気ディスク装置内に決められていてもよ
い。また、詳述しないが、ユーザが決めることも可能である。ここでは、例えば磁気メデ
ィアデータ:フラッシュメモリデータ=100:0と決められている。続いて符合101を付
したステップへ進む。
【0036】
符合101は上記決められた優先度で、キャッシュメモリに格納されたデータ(磁気メ
ディアデータ or フラッシュメモリデータ)をキャッシュするステップである。続いて
符合102を付したステップへ進む。
【0037】
符合102はキャッシュメモリ(バッファRAM 4)の領域に空き容量があるか否かを判
別するステップである。キャッシュメモリに空き容量があると判別される場合は符号10
6を付したステップへ進む(Yes)。キャッシュメモリに空き容量があると判別されない
場合は符号103を付したステップへ進む(No)。
【0038】
符合103はキャッシュメモリ(バッファRAM 4)に、対象(磁気ディスク)データの
割合が多いか否かを判別するステップである。キャッシュメモリに、対象(磁気ディスク
)データの割合が多いと判別される場合は符号104を付したステップへ進む(Yes)。
キャッシュメモリに、対象(磁気ディスク)データの割合が多いと判別されない場合は符
号105を付したステップへ進む(No)。
【0039】
符合104は対象(磁気ディスク)データの古いデータを破棄し、キャッシュ領域を確
保するステップである。続いて符合106を付したステップへ進む。
符合105は他方(フラッシュメモリ 19)データの古いデータを破棄し、キャッシュ
領域するステップである。続いて符合106を付したステップへ進む。
符合106はキャッシュメモリの空き領域にデータをキャッシュするステップである。
続いて符合107を付したステップへ進む。
符合107は終了ステップであり、ここでの処理は終了する。
図3はこの発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッ
シュメモリに空き容量がある場合の動作を説明する図である。
キャッシュ領域の容量に空きがある場合の説明であり、上記(ケース1)に相当する。
上記のように、フラッシュメモリ19に格納されたデータ、磁気ディスク9に格納され
たデータのどちらのデータもバッファ RAM4の空き領域にキャッシュされる。
【0040】
図4はこの発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッ
シュメモリに空き容量がある場合の動作を説明する図である。
キャッシュ領域の容量に空きがなく、キャッシュしたいデータ(ディスクに格納された
データ)の割合が上記決められたキャッシュ割合より多い場合の説明であり、上記(ケー
ス2)に相当する。
【0041】
キャッシュしたいデータ(ディスクに格納されたデータ)のうち、バッファ RAM4の古
いデータから破棄し、空いた領域(破棄された領域)にキャッシュしたいデータをキャッ
シュする。
【0042】
図5はこの発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッ
シュメモリに空き容量がなく、キャッシュしたいディスクデータの割合が予め決められた
値より多い場合の動作を説明する図である。
【0043】
キャッシュに空きがなく、キャッシュしたいデータ(ディスクに格納されたデータ)の
割合が上記決められた割合より少ない場合の説明であり、上記(ケース3)に相当する。
【0044】
他方のデータ(フラッシュメモリに格納されたデータ)のうち、バッファ RAM4の古い
データから破棄し、空いた領域(破棄された領域)にキャッシュしたいデータをキャッシ
ュする。
【0045】
すなわち、この発明の実施の形態においては、不揮発性メモリを備える磁気ディスク装
置に係り、データを磁気的に記録するための磁気ディスク9を備え、磁気ディスク9に対
するデータの記録および再生を行なう磁気ディスク記録再生手段を備えている。また、デ
ータを電気的に記録するための不揮発性メモリ19を備え、不揮発性メモリ19に対する
データの記録および再生を行なう不揮発性メモリ記録再生手段を備えている。不揮発性メ
モリ19は例えば、数ギガバイト程度の記憶容量を備えている。
【0046】
また、磁気ディスク記録再生手段または不揮発性メモリ記録再生手段と、ホストシステ
ム17との間で転送されるデータを一時的に保存するバッファメモリ手段4を備えている

【0047】
そして、磁気ディスク記録再生手段または前記不揮発性メモリ記録再生手段に保存され
たデータをバッファメモリ手段4に、上記のように、予め決められた優先度に応じて選択
的にキャッシュするよう制御するキャッシュ制御手段3または1を備えている。
【0048】
また上記のように、予め決められた優先度を、バッファメモリ手段の空き容量の有無に
応じて、実質的に変動させるようにしている。
また上記のように、予め決められた優先度は前記バッファメモリ手段の空き容量が無い
場合に、磁気ディスクに記録されたデータの割合が多い場合は、キャッシュされた磁気デ
ィスクデータのうち古いデータを破棄し、バッファメモリ手段の空き容量を増加させるよ
うにしている。
【0049】
上記のように構成することによって、この発明の実施の形態においては、実用性の高い
不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置を提供することが可能となるという効果がある
。また、磁気ディスク装置と比較的記憶容量の大きな不揮発性メモリの両方を備える記憶
装置において、磁気ディスク装置へのアクセスを低減させ、消費電力を低減させることが
可能となるという効果がある。
【0050】
尚、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では
その趣旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】この発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の動作を説明するフローチャート。
【図3】この発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッシュメモリに空き容量がある場合の動作を説明する図。
【図4】この発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッシュメモリに空き容量がなく、キャッシュしたいディスクデータの割合が予め決められた値より少ない場合の動作を説明する図。
【図5】この発明の実施の形態に係る不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置のキャッシュメモリに空き容量がなく、キャッシュしたいディスクデータの割合が予め決められた値より多い場合の動作を説明する図。
【符号の説明】
【0052】
1…CPU、2…ゲートアレイ、3…ハードディスクコントローラ(HDC)、4…バッファRAM、5…
リード・ライトIC、6…モータドライバ、7…ボイスコイルモータ(VCM)、 8…スピンドル
モータ(SPM)、9 …磁気ディスク、10…CPU RAM、11…マスクROM、12…CPUバス、13…磁気
ヘッド、15…フラッシュROM、16…ヘッドIC、17…ホストシステム、18…ホストインター
フェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを磁気的に記録するための磁気ディスクを備え、前記磁気ディスクに対するデー
タの記録および再生を行なう磁気ディスク記録再生手段と、
データを電気的に記録するための不揮発性メモリを備え、前記不揮発性メモリに対する
データの記録および再生を行なう不揮発性メモリ記録再生手段と、
前記磁気ディスク記録再生手段または前記不揮発性メモリ記録再生手段と、ホストシス
テムとの間で転送されるデータを一時的に保存するバッファメモリ手段と、
前記磁気ディスク記録再生手段または前記不揮発性メモリ記録再生手段に保存されたデ
ータを前記バッファメモリ手段に、予め決められた優先度に応じて選択的にキャッシュす
るよう制御するキャッシュ制御手段を備えることを特徴とする不揮発性メモリを備える磁
気ディスク装置。
【請求項2】
前記予め決められた優先度を決定する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に
記載の不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記予め決められた優先度を、前記バッファメモリ手段の空き容量の有無に応じて、実
質的に変動させることを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性メモリを備える磁
気ディスク装置。
【請求項4】
前記予め決められた優先度は前記バッファメモリ手段の空き容量が無い場合に、前記磁
気ディスクに記録されたデータの割合が多い場合は、キャッシュされた磁気ディスクデー
タのうち古いデータを破棄し、バッファメモリ手段の空き容量を増加させることを特徴と
する請求項1乃至3に記載の不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置。
【請求項5】
不揮発性メモリを備える磁気ディスク装置の制御方法において、
予め決められた優先度に応じて、磁気ディスクに記録されたデータおよび不揮発性メモ
リに記録されたデータをバッファメモリにキャッシュするステップと、
前記バッファメモリの空き容量の有無を判別するステップと、
前記バッファメモリの空き容量が無い場合に、前記不揮発性メモリに記録されたデータ
の割合が多い場合は、キャッシュされたフラッシュメモリデータのうち古いデータを破棄
し、バッファメモリの空き容量を増加させるステップを備えることを特徴とする不揮発性
メモリを備える磁気ディスク装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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