説明

不耕起播種機

【課題】トラクターの動力を利用せずに牽引することによって、播種溝形成、播種、施肥及び覆土を行う不耕起播種機を提供することである。
【解決手段】不耕起播種機全体を押し下げる「てこの原理」の構造の採用により播種機全体を土中に入り込めやすくし、1条ごとの播種、施肥、覆土を実施する播種ユニットを押し下げる「てこの原理」の構造の採用により播種ユニットを圃場の凹凸に関わらず土中に入り込めやすくし、先頭に1〜3mm幅の細溝を形成させ、前記細溝を形成したディスクコルタの後側を後続するダブルディスクの前側で挟むようにして配設することによって作溝を容易にし、播種及び施肥後に種子を土に接触させる押し込みを実施し、その後に覆土するように配置した構造を採用することによって課題解決ができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前作物の収穫後、耕起しない状態の圃場において、トラクターのPTO軸などの他機関からの動力を利用せずに、任意に設定した一定深さのすじ状の播種溝を形成し、この播種溝に穀物または野菜類などの種子を播種、または播種及び施肥をする不耕起播種機に関する。
【背景技術】
【0002】
水田や畑を耕さないまま農作物を栽培する不耕起栽培は、表面排水が良好なため麦や大豆等の播種作業を困難にする降雨の影響を受けにくく最も適する時期の播種が可能であること、播種前の耕起作業を必要とせず地耐力が高いことから生育中の管理や収穫時の作業性が向上するなど省力面での効果が大きいこと、及び地力の消耗が低く抑えられるため麦や大豆等の畑作物の長期間の安定生産に寄与できるなど生産者にとってメリットが大きい。
【0003】
不耕起栽培用の播種機としては、例えば、同一回転面上に設けられ、先端が側方に曲がった曲がり部を有する複数本の播種溝爪を回転させて播種溝を形成し、該播種溝の播種・施肥・覆土を行う不耕起播種作業装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、機体の前部に強制駆動回転するように軸支され、外周部に鋭利な円盤を有し、その内周側の左右両側に播種溝形成部を設けて、不耕起農耕地に対して断面Y字状の播種溝を形成する播種溝形成用回転円盤と、該回転円盤の後方に設けられ、回転円盤により形成された播種溝に播種する播種深さ制御機構を具備する播種部と、上記回転円盤の前側に設けられ、不耕起農耕地の表面に散在している前作物の残渣物を農耕地に押圧し、播種部への詰りを回避する機能を有するローラーと、不耕起農耕地の表面に液体によりマーキングするラインマーカー部とからなる汎用型不耕起播種機が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1または特許文献2のいずれの不耕起播種機もトラクターのPTO軸の動力を利用して、直刃爪またはディスクを強制駆動して不耕起圃場に播種溝を形成し、播種・覆土するものであるので、機構が複雑になるという問題があった。
【0006】
また、PTO軸からの駆動によって播種部分の土壌を耕起するため土壌の撹乱が大きく、これにより高水分土壌では麦または大豆の出芽が不安定になりやすく、土中の雑草種子を表面に移動させるので雑草が発生しやすいという問題があった。
【0007】
さらに、播種条数や条間が固定されているので、圃場条件、作目または栽培条件に柔軟に対応できないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、トラクターの動力を利用せず、トラクターなどの牽引車で牽引することによって播種溝を形成し、播種、施肥及び覆土を行うシンプルな構造の不耕起播種機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明において、「円板形状」とは平らな面を有するまるい板の形状を意味し、「円盤形状」とは外周部に比較して中央部にふくらみを有する、まるい皿状の形状を意味する。
【0010】
本発明において、「コルタ」とは英語のcolterの和訳であって、すき(plow)の先につけた草切り刃又は円板を意味する(新英和大辞典 第5版 研究社)。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1にかかる不耕起播種機1の発明は、不耕起栽培圃場において、牽引車両からの駆動力を利用せず牽引によって播種溝を形成し、播種、施肥、覆土する不耕起播種機1であって、不耕起播種機1の前部に配設され、牽引車両後部の牽引リンクに装着される縦横に構成されたフレームからなる取付フレーム部2と、前記牽引車両の後部に支点21を設け、前記支点部を先端部とし前記取付フレーム部2内を挿通させて後方に延出させ後端部にウエイト22を載置して前記取付フレーム部2の横フレーム12に当接させて前記不耕起播種機1全体を押し下げる第一押下げフレーム3と、前記取付フレーム部2の縦フレーム11後側下方に配設されたディスクコルタ部5を軸支する支持アーム31の中途部に支点23を設け、前記支点23を先端部とし後方に延出させ後端部にウエイト24を載置して、前記先端部と後端部との間に一列に垂設したダブルディスク部6、種子押込みディスク部7及び覆土ディスク部8を押し下げる第二押下げフレーム4と、を含む手段からなることを特徴とする。
【0012】
請求項2にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1において、取付フレーム部2の縦フレーム11の後下部に垂設された支持アーム31下部に貫装された軸で回転自在に軸支され、1〜3mm幅の円板形状のディスクコルタ32と、前記ディスクコルタ32の後側に、第二押下げフレーム4に垂直に締着させた支持アーム41の下部に突設された斜め下向きの軸で回転自在に軸支された左右2枚の円盤形状のディスクの前部に前記ディスクコルタ32の後部を挟入させ、挟入させた部位より下方で左右のディスクをほぼ接するように配置させ、平面視で進行方向に向かって略逆V字形を成し、正面視で略V字形を成すように配置したダブルディスク42と、を含む手段からなることを特徴とする。
【0013】
請求項3にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1または2において、前記ダブルディスク42の後側に、第二押下げフレーム4に締着させた支持体51の下部に貫装させた軸で回転自在に軸支され、0.5〜3cm幅の円板形状で播種溝71内の種子72を土に押し込む種子押し込みディスク52と、前記種子押し込みディスク52の後側に、第二押下げフレーム4に後下方に傾斜させて締着させた屈曲支持アーム61の後端部に、略スプロケット形状で三角形状の突起を複数有する薄板を、播種溝71を覆うように平面視で進行方向に向かって斜めに配設して播種溝71に土を覆う覆土ディスク62と、を含む手段からなることを特徴とする。
【0014】
請求項4にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、ディスクコルタ32の左右には前記ディスクコルタ32と同軸で回転自在に軸支され、前記ディスクコルタ32との半径の差によって前記ディスクコルタ32の土中深さを制限する円筒状のゲージホイール33を配設し、かつ前記ディスクコルタ32及びゲージホイール33を軸支した支持アーム31の上面と、取付フレーム部2の縦フレーム11の後側上部に固着させた突起部34との間に圧縮バネ35を介装させた配置にしたことを特徴とする。
【0015】
請求項5にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、ダブルディスク42を軸支する支持アーム41を第二押下げフレーム4に対し上下方向で任意の位置に締結でき、種子押し込みディスク52の左右には前記種子押し込みディスク52との半径の差によって前記種子押し込みディスク52の土中深さを制限する円筒状のゲージホイール53を前記種子押し込みディスク52と同軸で回転自在に配設したことを特徴とする。
【0016】
請求項6にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、覆土ディスク部8の屈曲支持アーム61の、第二押下げフレーム4側と覆土ディスク62側との間に引張バネ63を介装させたことを特徴とする。
【0017】
請求項7にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、ディスクコルタ部5のゲージホイール33及び/または種子押し込みディスク部7のゲージホイール53の後部に当接させるスクレーパ36及び/またはスクレーパ54を配設したことを特徴とする。
【0018】
請求項8にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、種子押し込みディスク部7のゲージホイール53の接地面に対する第二押下げフレーム4の高さを変えることによって、正面視で略V字形を成す配設をしたダブルディスク42の土中深さを変え、播種溝71の断面大きさを可変できることを特徴とする。
【0019】
請求項9にかかる不耕起播種機1の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、ディスクコルタ部5の支持アーム31を垂設させた縦フレーム11と、前記縦フレーム11の上下に配設する横フレーム12、13とを着脱可能な締結構造を有する取付フレーム部2を構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明は、不耕起栽培圃場において、トラクターの動力取出し軸であるPTO軸を利用しない状態で、トラクターなどの牽引車両で牽引することによって、播種溝71を形成し、播種し、施肥し、覆土する効果を奏する。
【0021】
不耕起播種機1の第一押下げフレーム3に載置したウエイト22によって、ディスクコルタ32を土壌表面56から狙いとする地中深さまで貫入させることができ、第二押込みフレーム4に載置したウエイト24の重量を変えることによってダブルディスク42、種子押し込みディスク52及び覆土ディスク62を各作目の最適な深さに土中貫入させる効果を奏する。
【0022】
トラクターのPTO軸を利用しないことから、PTO軸に連結させて駆動力を方向変換させながら伝達する機構が不要になるので、不耕起播種機1の構造をシンプルにでき、不耕起播種機1の前後方向の長さを短縮できるという効果を奏する。
【0023】
トラクラーが圃場に播種するときは播種効率を高めるために一筆書きのようにトラクターの走行軌跡を設定するが、トラクター及び不耕起播種機が方向転換のため旋回するところには最初の走行のときには播種が出来ない「枕地」が発生する。前記「枕地」の大きさは、トラクターに接続させた不耕起播種機の前後方向の長さの影響によって変動するが、本発明の不耕起播種機1は前後方向の長さを従来の不耕起播種機の略半分に短縮できるので、トラクター及び不耕起播種機1が方向転換するときに生ずる「枕地」を縮小でき、トラクターによる播種効率を高める効果を奏する。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1の発明と同じ効果を奏する。さらに、従来の不耕起播種機ではトラクターのPTO軸によって播種部分の土壌を耕起するため土壌の撹乱が大きく、高水分土壌では麦及び大豆の出芽が不安定になりやすい。本発明は、牽引により最初に幅1〜3mmの細い溝を形成し、その後前記細い溝を少し押し広げて播種溝71を形成することにより、土壌の撹乱を抑制することができ、高水分土壌で麦及び大豆の出芽や苗立が向上し、雑草の発生を抑制する効果を奏する。
【0025】
細溝を形成したディスクコルタ32の後部を挟む状態でダブルディスク42を配置させ、左右のディスクの前下部を接触させた状態で配設したので、ダブルディスク42の内側への土塊や前作物の収穫残渣などの侵入や集積を防止でき、種子72や肥料を投下する土中深さを変化させずに一定の深さに安定させる効果を奏する。
【0026】
また、細溝を形成したディスクコルタ32の後部を挟む状態でダブルディスク42を配置させ、左右のディスクの前下部を接触させた状態で配設したので、土中に播種に必要な幅や深さの溝を作溝しやすく、かつトラクターなどの車両による牽引の負荷が軽減される効果を奏する。
【0027】
ディスクコルタ部5のディスクコルタ32及びゲージホイ―ル33、並びにダブルディスク部6のダブルディスク42は軸受を介して軸支されているので、牽引車両の前進によってディスクコルタ32、ゲージホイ―ル33及びダブルディスク42がそれぞれ独立して回転する。回転しない場合には土壌表面56に散在する前作物の収穫残渣などを引き摺って集積するが、回転させることによって残渣を引き摺らないし集積しないという効果を奏する。
【0028】
また、回転させることによって、ディスクコルタ32、ゲージホイ―ル33及びダブルディスク42を土壌表面56または土中を前進させるときに生じる抵抗を減じることができるという効果を奏する。
【0029】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明と同じ効果を奏する。さらに、種子72を投下させて先に覆土を行うと種子72の下方に空洞が形成されて水分の吸収がしにくくなるという問題が生じるが、本発明では覆土前に播種溝71に投下された種子72を播種溝71の底部に押し当て種子72を土壌に密着させるので、種子72が土壌から水分を吸収しやすくなり、天候が乾燥条件下でも高い出芽率を得ることができるという効果を奏する。
【0030】
また、高水分土壌のときに覆土して鎮圧すると種子72の上部にかけられた土が固くなり、しばらくの期間、降雨がなくて日射の影響で土壌表面の乾燥状態が続くとさらに土壌表面の土が固くなって出芽を阻害し、さらに多少の粘土分が含まれていると土壌表面の土がカチカチになって出芽を阻害する。本発明では、種子72の上には土を被せるのみで鎮圧をしないので土壌表面の状態に影響されて出芽が阻害されることはなく、かつ鳥による害も防げるという効果を奏する。
【0031】
種子押込みディスク部7の種子押込みディスク52及びゲージホイ―ル53は軸受を介して軸支されているので、牽引車両の前進によって種子押込みディスク52及びゲージホイ―ル53がそれぞれ独立して回転する。回転しない場合には土壌表面に散在する前作物の収穫残渣などを引き摺って集積するが、回転させることによって残渣を引き摺らないし集積することがないという効果を奏する。
【0032】
また、回転させることによって、種子押込みディスク52及びゲージホイ―ル53を土壌表面56または土中を前進させるときに生じる抵抗を減じることができるという効果を奏する。
【0033】
覆土ディスク62の形状が、円板形状の場合には牽引車両が前進することにより土を移動させ種子72に土を過剰にかけるが、本発明は略スプロケット形状であり、歯たけの高い三角形状の歯形であるので、前進させながら覆土ディスク62を土壌表面56に接すると覆土ディスク62が回転するので、種子72に土を適度にかけることができ、播種溝71に投下された種子72の表面の乾燥を防ぐことができ、播種溝71に投下された種子72に対する鳥類の被害を防ぐ効果を奏する。
【0034】
また、覆土ディスク62の形状が、円板形状の場合には牽引車両が前進することにより覆土ディスク62の前側に土が盛り上がりやすく走行時の負荷が増大するが、本発明は略スプロケット形状であり、歯たけの高い三角形状の歯形であるので、前進させながら覆土ディスク62を土壌表面56に接すると覆土ディスク62が回転するので、覆土ディスク62前における土の盛り上がりを避けることができ走行時の負荷を軽減させる効果を奏する。
【0035】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、細溝の深さを調整できるという効果を奏するとともに、圃場の高低にディスクコルタ32を追従させる効果を奏する。
【0036】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、ダブルディスク42及び種子押し込みディスク52の土中深さの調整ができるという効果を奏する。
【0037】
第二押下げフレーム4と、ダブルディスク42を軸支する支持アーム41との締結位置を変更することによって、正面視で略V字形のダブルディスク42の土中深さの調整が可能であるため、前記土中深さ調整により播種溝71の大きさを変えることができ、大豆のような少し大きめの種子72の場合には土中深さを深くして播種溝71を大きくでき、一方、麦のような小さめの種子72の場合には土中深さを浅くして播種溝71を小さくできるという効果を奏する。
【0038】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、覆土ディスク62をダブルディスク部6及び種子押し込みディスク部7側との圃場の高低差があっても覆土ディスク62を土壌表面56側に引っ張り下げるという効果を奏する。
【0039】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、土が湿っているときには乾いているときに比べて、ディスクコルタ部5のゲージホイール33、及び種子押し込みディスク部7のゲージホイール53の表面に土が付着しやすくなるが、この付着した土を剥離し、ディスクコルタ32などの土中深さを保持するという効果を奏する。
【0040】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、第二押下げフレーム4と、ダブルディスク42を軸支する支持アーム41との締結位置を変更せずに、第二押下げフレーム4の土壌表面56からの高さを変更することによって、略V字形のダブルディスク42の土中深さを変え、播種溝71の大きさを変えることができるため、大豆のような少し大きめの種子72の場合にはスペーサ55の厚みを薄くし土中深さを深くして播種溝71を大きく、一方、麦のような小さめの種子72の場合にはスペーサ55の厚みを厚くし土中深さを浅くして播種溝71を小さくする効果を奏する。
【0041】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかの発明と同じ効果を奏する。さらに、1条ごとの作溝、播種、施肥そして覆土作業には、ディスクコルタ32、ダブルディスク42、種子押し込みディスク52及び覆土ディスク62をワンユニットとして必要とするが、ディスクコルタ32、ダブルディスク42、種子押し込みディスク52及び覆土ディスク62をワンユニットとして第二押下げフレーム4とボルトナットやクランプ等で容易に着脱できるという効果を奏する。
【0042】
したがって、ワンユニットの着脱によって播種条数や条間を自由に設定できるため、大区画圃場から小区画圃場まで幅広く対応でき、特にトラクターの馬力に応じて播種条数を増減させることが可能となるため播種作業の高効率化が可能となり、さらに作目と播種時期に応じたきめ細かい条間設定が可能となるので、高い収量と品質を安定して実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】不耕起播種機の右側面概要図である。
【図2】不耕起播種機を正面からみた(図1においてB方向からみた)取付フレーム部の概要図である。
【図3】不耕起播種機を上からみた第一押下げフレーム及び取付フレーム部の平面概要図である。
【図4】図1におけるA−A断面の平面概要図である。
【図5】ディスクコルタ部の正面概要図である。
【図6】(a)はダブルディスク部の右側面概要図で、(b)はダブルディスク部の背面概要図である。
【図7】取付フレーム部の横フレームと縦フレームとの締結部を部分的にとり出した一例である。
【図8】(a)は播種溝への種子投下直後の状態を示す要部断面図で、(b)は種子押込みディスクで押えた直後の状態を示す要部断面図で、(c)は覆土ディスクで覆土後の状態を示す要部断面図である。
【図9】第二押下げフレーム高さ調整によるダブルディスクの土中深さ変更の説明図である。
【図10】(a)は第二押下げフレーム高さを高位にした場合の播種溝の大きさを示す要部断面図で、(b)は第二押下げフレーム高さを低位にした場合の播種溝の大きさを示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0045】
まず、図1により、本発明による不耕起播種機1の構造及び作用について説明する。
【0046】
本発明の不耕起播種機1は、取付フレーム部2、第一押下げフレーム部3、ディスクコルタ部5、ダブルディスク部6、種子押込みディスク部7、覆土ディスク部8、第二押下げフレーム部4、種子供給部9及び肥料供給部(図示なし)とから構成される。ここで、不耕起播種機1は図1においてF方向が前進方向であり、肥料供給部は作目によっては併設させていてもいなくともよい。
【0047】
種子供給部9は、種子用ホッパ81、種子繰り出し装置82、種子供給管83及び種子繰り出し装置82を駆動させる接地輪(図示なし)から構成され、肥料供給部(図示なし)は、肥料用ホッパ(図示なし)、肥料繰り出し装置(図示なし)及び肥料供給管(図示なし)から構成される。ここで、接地輪は種子繰り出し装置82及び肥料繰り出し装置を駆動させる。
【0048】
取付フレーム部2は、図2及び図3において、不耕起播種機1の前部に配設し縦フレーム11及び横方向のフレーム12、13、14からなり、トラクターなどの牽引車両と連結するためのブラケット26を上部に、ブラケット27を下部にそれぞれ配設している。前記ブラケット26、27と、トラクターの後部に装着された三点リンクヒッチ(図示なし)とを回転自在に連結させることにより、図1におけるF方向へのトラクター前進により不耕起播種機1を前進させることができる。
【0049】
また、取付フレーム部2は、縦フレーム11の上部と下部をそれぞれ横フレーム12、13とクランプ機構などの締結構造で着脱可能としていることから、横フレーム12、13の任意の位置に縦フレーム11を締結させることができる。
【0050】
縦フレーム11と横フレーム13との締結構造の一例を図7で説明すると、縦フレーム11には継手クランプ機構15が溶接によって固設され、前記継手クランプ機構15によって横フレーム13の任意の位置に縦フレーム11を締結することができる。
【0051】
ここで、縦フレーム11は1条分の作溝、播種、施肥及び覆土に対応していることから、播種条数や条間を自由に設定することができる。
【0052】
第一押下げフレーム3は、先端部に支点21となる軸挿入用の孔を設け後端部にウエイト22を載置可能にしたI型鋼材などからなる長尺のフレームであって、前記支点21となる軸挿入用の孔と、牽引車両の後部に設けた支点21となる軸挿入用の孔とに同一軸を嵌入させて、前記取付フレーム部2の枠内を挿通させて後方に延出させる配置をしている。そのため後端部にウエイト22を載置することによって取付フレーム部2の横フレーム12に上方向から当接させて不耕起播種機1の前端部に配設された取付フレーム部2を「てこの原理」で押し下げ、不耕起播種機1全体を押し下げることができる。
【0053】
第一押下げフレーム3は、1本の角型鋼管などの長尺のフレームでもよいし、横フレームで連結させた2〜3本のI型鋼などの長尺のフレームでもよい。
【0054】
図1及び図4において、ディスクコルタ部5、ダブルディスク部6、種子押込みディスク部7、覆土ディスク部8及び第二押下げフレーム4は、1条の溝を形成し播種し施肥し覆土する一連の作業を行うユニットである。なお作目によって施肥するかしないかはいずれでもよい。
【0055】
図1及び図5において、ディスクコルタ部5は、円板状のディスクコルタ32、前記ディスクコルタ32の左右に配置する円筒形状のゲージホイール33、スクレーパ36、及び前記ディスクコルタ32とゲージホイール33を同軸で軸受を嵌入させて軸支する支持アーム31とからなる。
【0056】
ディスクコルタ32は、厚さ1〜3mm直径20〜40cmの円板形状を有しており、ゲージホイール33は、ディスクコルタ32の直径より小径の円筒形状であり、ディスクコルタ32の土中深さをディスクコルタ32とゲージホイール33との半径の差で設定している。したがって、ディスクコルタ32の土中深さを例えば10cmに設定すると、ディスクコルタ32とゲージホイール33との半径差が10cmのゲージホイール33を取付ける。
【0057】
ディスクコルタ32とゲージホイール33を軸支する支持アーム31の頭部には、垂直方向に配置された圧縮バネ35が当接され、前記支持アーム31の左右には上下方向スライド用ガイド長穴に嵌入させるベアリング37が突起状態で締結されている。
【0058】
圧縮バネ35は、取付フレーム部2の縦フレーム11上部に固着された突起部34の孔に挿通させた支持ロッド38に外嵌されており、前記支持ロッド38は下端を前記支持アーム31の頭部に締結されている。
【0059】
また、前記上下方向スライド用ガイド長穴は、取付フレーム部2の縦フレーム11の左右側にボルト締結により固設された平板形状の上下方向スライド用ガイド板28に設けられている。
【0060】
スクレーパ36は、一端を支持アーム31に固着させ、中途部で略L字状に屈曲させて、他端をゲージホイール33の後側上部に押し当てるように配設しているので、これによってゲージホイール33の表面に付着した土などを剥離でき、前進時の抵抗を減じることができ、かつディスクコルタ32の土中深さを安定化することができる。
【0061】
したがって、ディスクコルタ32の板厚が1〜3mmと薄いことと、第一押下げフレーム3による「てこの原理」から生じる押し下げ力と、圧縮バネ35の押し下げ力と、ディスクコルタ32が軸受を介して軸支されていることによって、ディスクコルタ32で作物の根の成長を容易にする土中深さまで、例えば10〜15cmの土中深さの細溝を駆動力を使用しない状態で容易に形成することができる。
【0062】
第二押下げフレーム4は、先端部に支点23用の孔を設け後端部にウエイト24を載置する長尺のL型鋼を2本組み合わせ、前記2本の間に部分的に空間部を設けた構造を有するフレームである。
【0063】
第二押下げフレーム4は、ディスクコルタ32などを軸支する垂設された支持アーム31の中途部に設けた支点23用の孔に、第二押下げフレーム4の先端部に設けた支点23用の孔を合わせて同軸で回転自在に取付け、後方に延出させ後端部にウエイト24を載置することにより、第二押下げフレーム4に取付けたダブルディスク部6、種子押込みディスク部7及び覆土ディスク部8を、ディスクコルタ32の土壌表面56の凹凸による昇降の影響を受けずに押し下げることができ、ダブルディスク部6、種子押込みディスク部7及び覆土ディスク部8をディスクコルタ部5とは独立させて土壌表面56の凹凸に追従させることができる。
【0064】
ダブルディスク部6は、図4、図6(a)及び図6(b)において、ディスクコルタ部5の後側に配設され、ダブルディスク42、支持アーム41、種子投下筒43、肥料投下筒(図示なし)及びスクレーパ45とから構成されている。
【0065】
ダブルディスク部6は、第二押下げフレーム4に締着させた垂直の支持アーム41の下部に固設された、軸受を嵌入した斜め下向きの軸で回転自在に軸支された左右2枚の円盤形状からなるディスクであり、ダブルディスク42の前部にディスクコルタ32の後部を挟入させる配置としている。
【0066】
そして、挟入させた部分の下方における2枚のディスクの外周部分を接触させて、図4に示すように平面視で進行方向に向かって略逆V字形を成し、図6(b)に示すように正面視で略V字形を成すように配置している。
【0067】
したがって、厚さ1〜3mmのディスクコルタ32後側を左右2枚の円盤形状のディスク前側が挟んだ配置にしていることと、ダブルディスク42の外周部の前側下部を接触させ平面視で進行方向に向かって略逆V字形を成し、正面視で略V字形を成していることにより、ディスクコルタ32が形成した細溝をダブルディスク42の前部が進むことになるので、土による抵抗を抑えて溝幅を広げることができ、図8(a)に示すように断面略Y字形の播種溝71を形成することが容易にできる。
【0068】
ダブルディスク42の土中深さは、ディスクコルタ部5のゲージホイール33の接地面と、種子押込みディスク部7のゲージホイール53の接地面と、ダブルディスク部6自体の土中深さ調整とで決定される。
【0069】
ダブルディスク部6自体の土中深さ調整を行う構造は、ダブルディスク部6の第二押下げフレーム4に対する上下位置調整が可能な構造であればよく、例えばダブルディスク42を軸支した支持アーム41を上下方向で位置を調整しクランプ機構で締着させる構造でもよく、前記支持アーム41に縦方向で孔を等間隔で穿孔しておき前記支持アーム41を上下方向で位置を調整して前記孔にボルトなどで締結する構造でもよい。また、土中深さ範囲を制限した垂直方向のガイド機構に沿って上下動可能構造として、ダブルディスク42の支持アーム41頭部を、垂直方向に取付けた圧縮バネで押圧する構造にしてもよい。
【0070】
さらに、種子押込みディスク52の支持体51の上面と第二押下げフレーム4の下面との間に土中深さ調整用のスペーサ55を介挿させる構造でもよい。
【0071】
図9において、ディスクコルタ部5のゲージホイール33と、種子押込みディスク部7のゲージホイール53とは土壌表面56と接しており、中間部にダブルディスク42が配設される構成となっている。この構成において、前記ゲージホイール53を軸支する支持体51の上面と、第二押下げフレーム4の下面との間にスペーサ55を介挿させると、前記スペーサ55の厚みによって種子押し込みディスク部7のゲージホイール53の接地面に対する第二押下げフレーム4の高さを変更することができ、これによって正面視略V字形のダブルディスク42の土中深さを変えることができる。
【0072】
図9において、スペーサ55の厚みが薄い場合は第二押下げフレーム4は下がってイの高さとなりダブルディスク42はハの位置になって土中深さが深くなり播種溝71は図10(b)に示すように大きい播種溝71を形成させることができる。また、スペーサ55の厚みが厚い場合は第二押下げフレーム4は高くなってロの高さとなりダブルディスク42はニの位置になって土中深さが浅くなり播種溝71は図10(a)に示すように小さい播種溝71を形成させることができる。
【0073】
ダブルディスク42の内側で、かつダブルディスク42を軸支した支持アーム41の後側には、種子投下筒43及び肥料投下筒(図示なし)を配設し、前記種子投下筒43及び肥料投下筒はそれぞれ種子供給管83または肥料供給管が挿入されている。これによって、図8(a)に示すように、播種溝71に種子72及び肥料を確実に投下させることができる。
【0074】
スクレーパ45は、中央部を平面とした略半円の扇形状を有した板で、中央部から外周部にかけて屈曲させ略凹面状の形状を有している。ダブルディスク42の内側で後側の空間に配設した種子投下筒43及び肥料投下筒の左右面それぞれにスクレーパ45の中央部を固着させ、ダブルディスク42の円盤形状の内面後部に屈曲によってスクレーパ45の外周部を当接させている。
【0075】
これによってダブルディスク42の左右の内側に付着した土などを剥離させることができ、付着した土が集積すると種子72などを投下する通路が遮断されることを未然に防ぐことができる。
【0076】
種子押込みディスク部7は、ダブルディスク部6の後側で第二押下げフレーム4に締結され、種子押込みディスク52、ゲージホイール53、スクレーパ54及び支持体51とから構成される。
【0077】
支持体51の下部で左右に分岐した部位の軸受用孔、狭幅の円板形状の種子押込みディスク52の軸受用孔、及び種子押込みディスク52の左右に配設した広幅の円筒形状のゲージホイール53の軸受用孔を同軸で軸受を嵌入させて、種子押込みディスク52及びゲージホイール53を支持アーム51で軸支する。
【0078】
種子押込みディスク52の土中深さは、種子押込みディスク52の半径とゲージホイール53の半径との差で設定することができる。
【0079】
種子押込みディスク52は0.5〜3cm幅の円板形状であり、これによって、図8(b)に示すように、播種溝71内の種子72を土に接するように押し込むことができる。また、種子押込みディスク52及びゲージホイール53に軸受を使用しているので、不耕起播種機1が前進時に土から受ける抵抗を減じさせることができる。
【0080】
スクレーパ54は、一端を支持体51に固着させ、中途部で略L字状に屈曲させて、他端をゲージホイール53の後側上部に押し当てるように配設しているので、これによってゲージホイール53の表面に付着した土などを剥離でき、前進時の抵抗を減じることができ、かつ種子押込みディスク52の土中深さを安定化することができる。
【0081】
以上により、覆土実施前に、種子押込みディスク52の土中深さを一定で安定させた状態で播種溝71に投下した種子72を土に密着させることができるので、種子72が土中の水分を吸収しやくなる。
【0082】
覆土ディスク部8は、種子押込みディスク部7の後側で第二押下げフレーム4に締結され、屈曲支持アーム61、引張りバネ63及び薄板状かつスプロケット形状の覆土ディスク62とから構成される。
【0083】
屈曲支持アーム61は、軸を嵌入させて回転自在に連結した上部取付部と下部アーム部とからなり、上部取付部は垂直状態から中途部で斜め後方に曲がっており、下部アーム部の後部の覆土ディスク62取付面が牽引車の進行方向に対して斜面になるように構成されている。これにより、覆土ディスク62を傾斜させて進行させることができ、かつ覆土ディスク62が播種溝71の幅を覆うようにすることができる。
【0084】
引張りバネ63は、一端を前記屈曲支持アーム61の上部取付部に、他端を前記屈曲支持アーム61の下部アーム部に接続され、これによって下部アームを常時土壌表面56側に引き寄せるので、覆土ディスク62が土壌表面56から浮き上がることもなく土壌表面56の凹凸に沿って安定して覆土することができる。
【0085】
覆土ディスク62は、薄板状で、かつ円形状の外周に歯たけの高い三角形状の歯を等間隔で配置したスプロケット形状とし、覆土ディスク62を傾斜させて配設している。このため、不耕起播種機1を前進させながら覆土ディスク62を土壌表面56に接触させると覆土ディスク62が回転する。
【0086】
本発明の覆土する目的は、播種溝71に投下された種子72の表面の乾燥を防ぎ、播種溝71に投下された種子72に対する鳥類の被害を防ぐことにあるので、種子72に土をかける程度でよい。したがって、覆土ディスク62の外周面形状が円弧形状の場合には土を移動させ種子に土を過剰にかけるが、本発明である覆土ディスク62の外周面形状が三角形状であって、覆土ディスク62が土壌表面56に接すると回転する場合には、図8(c)に示すように種子72に土を適度にかけることができ、かつ播種溝71に幅広く覆土することができる。
【0087】
種子供給部9は、種子用ホッパ81、種子繰り出し装置82、種子供給管83及び種子繰り出し装置82を駆動させる接地輪から構成され、種子用ホッパ81及び種子繰り出し装置82は取付フレーム部2の横フレーム14に取付ブラケットを使用したクランプ機構で締結されている。このため、種子用ホッパ81及び種子繰り出し装置82を容易に移動できるので、播種条数や条間を自由に設定することができる。なお、横フレーム14は横フレーム13と継ぎ手を介して締結されている。
【0088】
種子供給管83は、上端側を種子繰り出し装置82に接続し、下端側をダブルディスク部6の種子投下筒43内に挿入させている。また、種子繰り出し装置82と種子繰り出し装置を駆動させる接地輪とはチェーンなどを介して接続されている。
【0089】
したがって、進行するに従い接地輪が回転し、駆動力が種子繰り出し装置82に伝達され、種子用ホッパ81内に保管されている種子72が種子供給管83内を通過しダブルディスク部6の種子投下筒43内を通過して播種溝71内に投下することができる。
【0090】
肥料供給部は作目や目的によって設置してもしなくともよく、肥料供給部の構成は、種子供給部9の構成と略同じなので説明を略す。
【符号の説明】
【0091】
1 不耕起播種機
2 取付フレーム部
3 第一押下げフレーム
4 第二押下げフレーム
5 ディスクコルタ部
6 ダブルディスク部
7 種子押込みディスク部
8 覆土ディスク部
9 種子供給部
11 縦フレーム
12 横フレーム
13 横フレーム
14 横フレーム
15 継手クランプ機構
21 支点
22 ウエイト
23 支点
24 ウエイト
26 ブラケット
27 ブラケット
28 上下方向スライド用ガイド板
31 支持アーム
32 ディスクコルタ
33 ゲージホイール
34 突起部
35 圧縮バネ
36 スクレーパ
37 ベアリング
38 支持ロッド
41 支持アーム
42 ダブルディスク
43 種子投下筒
45 スクレーパ
51 支持体
52 種子押し込みディスク
53 ゲージホイール
54 スクレーパ
55 スペーサ
56 土壌表面
61 屈曲支持アーム
62 覆土ディスク
63 引張バネ
71 播種溝
72 種子
81 種子用ホッパ
82 種子繰り出し装置
83 種子供給管
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開平11−000007号公報
【特許文献2】特開平08−266109号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不耕起栽培圃場において、牽引車両からの駆動力を利用せず牽引によって播種溝を形成し、播種、施肥、覆土する不耕起播種機であって、不耕起播種機の前部に配設され、牽引車両後部の牽引リンクに装着される縦横に構成されたフレームからなる取付フレーム部と、前記牽引車両の後部に支点を設け、前記支点部を先端部とし前記取付フレーム部内を挿通させて後方に延出させ後端部にウエイトを載置して前記取付フレーム部の横フレームに当接させて前記不耕起播種機全体を押し下げる第一押下げフレームと、前記取付フレーム部の縦フレーム後側下方に配設されたディスクコルタ部を軸支する支持アームの中途部に支点を設け、前記支点を先端部とし後方に延出させ後端部にウエイトを載置して、前記先端部と後端部との間に一列に垂設したダブルディスク部、種子押込みディスク部及び覆土ディスク部を押し下げる第二押下げフレームと、を含む手段からなることを特徴とする不耕起播種機。
【請求項2】
取付フレーム部の縦フレームの後下部に垂設された支持アーム下部に貫装された軸で回転自在に軸支され、1〜3mm幅の円板形状のディスクコルタと、前記ディスクコルタの後側に、第二押下げフレームに垂直に締着させた支持アームの下部に突設された斜め下向きの軸で回転自在に軸支された左右2枚の円盤形状のディスクの前部に前記ディスクコルタの後部を挟入させ、挟入させた部位より下方で左右のディスクをほぼ接するように配置させ、平面視で進行方向に向かって略逆V字形を成し、正面視で略V字形を成すように配置したダブルディスクと、を含む手段からなることを特徴とする請求項1に記載の不耕起播種機。
【請求項3】
ダブルディスクの後側に、第二押下げフレームに締着させた支持体の下部に貫装させた軸で回転自在に軸支され、0.5〜3cm幅の円板形状で播種溝内の種子を土に押し込む種子押し込みディスクと、前記種子押し込みディスクの後側に、第二押下げフレームに後下方に傾斜させて締着させた支持アームの後端部に、略スプロケット形状で三角形状の突起を複数有する薄板を、播種溝を覆うように平面視で進行方向に向かって斜めに配設して播種溝に土を覆う覆土ディスクと、を含む手段からなることを特徴とする請求項1または2に記載の不耕起播種機。
【請求項4】
ディスクコルタの左右には前記ディスクコルタと同軸で回転自在に軸支され、前記ディスクコルタとの半径の差によって前記ディスクコルタの土中深さを制限する円筒状のゲージホイールを配設し、かつ前記ディスクコルタ及びゲージホイールを軸支した支持アームの上面と、取付フレーム部の縦フレームの後側上部に固着させた突起部との間に圧縮バネを介装させた配置にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の不耕起播種機。
【請求項5】
ダブルディスクを軸支する支持アームを第二押下げフレームに対し上下方向で任意の位置に締結でき、種子押し込みディスクの左右には前記種子押し込みディスクとの半径の差によって前記種子押し込みディスクの土中深さを制限する円筒状のゲージホイールを前記種子押し込みディスクと同軸で回転自在に配設したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の不耕起播種機。
【請求項6】
覆土ディスク部の屈曲支持アームの、第二押下げフレーム側と覆土ディスク側との間に引張バネを介装させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の不耕起播種機。
【請求項7】
ディスクコルタ部のゲージホイール及び/または種子押し込みディスク部のゲージホイールの後部に当接させるスクレーパを配設したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の不耕起播種機。
【請求項8】
種子押し込みディスク部のゲージホイールの接地面に対する第二押下げフレームの高さを変えることによって、正面視で略V字形を成す配設をしたダブルディスクの土中深さを変え、播種溝の断面大きさを可変できることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の不耕起播種機。
【請求項9】
ディスクコルタ部の支持アームを垂設させた縦フレームと、前記縦フレームの上下に配設する横フレームとを着脱可能な締結構造とする取付フレーム部を構成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の不耕起播種機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−110009(P2011−110009A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271624(P2009−271624)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【出願人】(502301702)株式会社川瀬工具店 (1)
【Fターム(参考)】