説明

両つまみパチン錠

【課題】ラッチ付のパチン錠を薄く小型にして、かばん類の側面に埋め込むことができるようにする。
【解決手段】かばん類の蓋部に受鈎6が固定されている。かばん類の本体部には台座が固定されている。台座には、リンクを介して開閉レバー1が連結されており、固定鈎8も設けられている。開閉レバー1の蓋側の端部には、受鈎6と噛み合う掛金が設けられている。開閉レバー1の中央部の両側には、固定鈎8と噛み合う可動鈎を有する2つのラッチレバー3が支持軸で取り付けられている。開閉レバー1の中央部には、2つのラッチレバー3の間にシリンダー錠10がある。受鈎6に掛金を掛けて開閉レバー1を倒すと、固定鈎8に可動鈎が噛み合って施錠状態になる。開錠するときは、2本の指でラッチレバー3を押してラッチを解除し、開閉レバー1を開く。パチン錠が薄くなり、かばん類の側面に埋め込むことができるので、物が当たって開いてしまうことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かばん類の蓋を閉めて固定する両つまみパチン錠に関し、特に、施錠状態を維持するためのラッチを両側のつまみを押して解除する両つまみパチン錠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーツケースなどのかばん類に取り付ける錠前の一種にパチン錠がある。パチン錠は、かばん類の蓋に固定された受鈎に、かばん類の本体側の掛金を掛けて、掛金に連結された開閉レバーを本体側に倒すことにより掛金を引いて、蓋を本体側に締め付けて固定する錠前である。蓋を開ける場合は、開閉レバーを引き起こして掛金を受鈎から外す。パチン錠では、基本的にバネにより締め付けているだけであるので、偶発的な外力により開閉レバーが持ち上げられて、蓋が開いてしまうことがある。これを避けるために、開閉レバーをラッチで留めるようにしたものがある。このような従来のパチン錠を、図7を参照しながら説明する。
【0003】
図7(a)は、かばんの蓋を閉じて施錠する前の状態を示す図である。かばんの蓋に受鈎が固定されている。かばんの本体側には、台座が固定されている。台座には、リンクを介して開閉レバーが取り付けられている。開閉レバーの蓋側の端部には掛金があり、本体側の端部には可動鈎がある。台座の本体側の端部には固定鈎がある。図7(b)は、開閉レバーの掛金を受鈎に掛けた状態を示す図である。この状態で開閉レバーの本体側の端部を押さえると、可動鈎が固定鈎に当たり、可動鈎が開閉レバーの中央側に後退しながら固定鈎に噛み合って、図7(c)に示す状態になる。この状態では、可動鈎がバネの弾力により開閉レバーの本体側の端部方向に押されているので、可動鈎は固定鈎から外れることはない。
【0004】
蓋を開ける場合は、可動鈎の本体側の端部にある押しボタンを押すと、可動鈎が固定鈎から外れて、図7(b)に示す状態にすることができる。さらに、掛金を受鈎から外すことにより図7(b)に示す状態になり、蓋を開けることができる。開閉レバーに偶発的な外力や振動などが加えられても、ラッチが不用意に外れることはないので、蓋を確実に閉めておくことができる。この例の他にも、開閉レバーの側面の押しボタンを押してラッチを解除するものや、ラッチを2つ設けて両側の押しボタンを押してラッチを解除するものなどがある。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
【0005】
特許文献1に開示された「掛止錠」は、係合および離脱の操作がいずれも簡単で、外観がシンプルなものである。図8(a)に示すように、錠本体にリンクによって係止部材を揺動自在に連結し、係止部材を常時上昇前進した離脱位置に付勢するねじりコイルバネを設ける。さらに錠本体に、係止部材の係止爪と係合する係合部を備えた操作部材を、横方向スライド自在に設けると共に、操作部材を常時外側に付勢するバネを設ける。通常の状態では、係止部材は蓋体の開閉の邪魔にならない。また、係止操作は、係止部材の一連の簡単な操作で行うことができる。解除操作は、操作部材をつまむというワンタッチ操作で行うことができる。係合時には係止部材だけが見えるので、外観がきわめてシンプルである。
【0006】
特許文献2に開示された「トランク類用錠」は、トランク体の蓋側に取り付けた錠本体の係止板と、本体側に設けた鈎片とを円滑確実に係止して、錠本体が不用意に外れないようにしたものである。図8(b)、(c)に示すように、トランク体の蓋側に固定した基板に、水平の枢支軸を渡し、錠本体の下端を枢支軸に枢着する。本体側に設けた鈎片に係合する係止板に形成した左右一対の「く」字形孔に、枢支軸を通す。係止板の上端に渡した横軸を、基板に設けた支持片の屈曲孔に通す。錠本体と横軸とを、連絡片によって連絡させる。解除操作は、操作板を押す操作で行うことができる。
【0007】
特許文献3に開示された「パチン錠」は、トランクやバッグなどの筐体の蓋止め部材として使用されるもので、衝撃により不用意にロック解除されないようにしたものである。図9(a)に示すように、台座を筐体に固定する。開閉レバーを、台座に回動自在に支持する。係止レバーを、開閉レバーに回動自在に支持する。ロック手段を設けて、パチン錠で閉蓋した際に、台座の先端部と開閉レバーの先端部とを係止する。解除操作は、開閉レバーの上に出ているリリーフレバーの係止解除操作部を押す操作で行うことができる。
【0008】
特許文献4に開示された「掛金装置」は、他の器物の衝突等で操作レバーが浮き上がって回転しないようにして、掛止め施錠が偶発的に解除されることをなくし、信頼性高く使用できるようにしたものである。図9(b)に示すように、ベース板の軸受板部に、フックレバーを枢軸によって連結する。フックレバーのフック部が出入りする受孔を、操作レバーの先端部に形成する。掛止め施錠状態において、フック部が受孔の受孔の縁に係合するように、バネによってフックレバーを回転方向に付勢する。解除操作は、フック部を押す操作で行うことができる。
【0009】
特許文献5に開示された「オーバーセンターラッチ」は、容器や装置の蓋やドアを閉めるために用いられるものである。図9(c)に示すように、取り付け面に、ベースプレートを固定する。レバーを、ベースプレートに軸で取り付ける。レバーに、フックを軸で取り付ける。キャッチプレートを、蓋に取り付ける。ベースプレートにトリガー部を取り付ける。レバーに、トリガー部に噛み合うスロットを設ける。キャッチプレートにフックを掛けてオーバーセンターラッチで蓋を閉じる。オーバーセンターラッチで蓋が閉じられると、スロットがトリガー部に噛み合って、オーバーセンターラッチが開くことはない。解除操作は、トリガー部を蓋と反対の方向に引く操作で行うことができる。
【0010】
特許文献6に開示された「掛止装置」は、締付け施錠を容易かつ確実にできるようにしたものである。図9(d)に示すように、掛止装置には、掛止本体と、これを掛止する受け金とがある。掛止本体には、レバー本体と台座と掛け金がある。レバー本体は、操作端部と、その反対端部である旋回端部とが、長手方向に形成されている。台座は、旋回端部を軸で支えている。掛け金は、操作端部と旋回端部との間に支持されている。操作端部には、ロック手段が設けられている。ロック手段には、操作軸部と係合部とバネがある。操作軸部は、レバー本体の幅方向に往復運動可能である。係合部は、操作軸部に取り付けられていて、レバー本体が台座に対して閉じるように接近する方向に旋回すると、留め金に離脱可能に掛止する。バネは、係合部を幅方向の外側に付勢して、留め金に掛止させる。掛け金を受け金に掛止する際に、ロック手段は、台座の操作端部と対向する位置に設けた留め金に、離脱可能に掛止する。解除操作は、ロック手段を横方向に押す操作で行うことができる。
【0011】
【特許文献1】特開平06-042248号公報
【特許文献2】実登第3023192号公報
【特許文献3】特開2001-241250号公報
【特許文献4】特開2003-232157号公報
【特許文献5】特表2004-501301号公報
【特許文献6】特開2007-085014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、従来のパチン錠では、次のような問題がある。開閉レバーを閉状態に保持するラッチを1つの押しボタンで解除する構成では、押しボタンに偶発的な外力が加わった場合に、パチン錠が不用意に開いてしまう。また、ラッチを2つ設けて、台座側の2つの押しボタンで解除する構成では、機構が複雑になりパチン錠が厚く大きくなるので、かばんに取り付けると邪魔になってしまう。
【0013】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、ラッチ付のパチン錠を薄く小型にして、かばん類の側面に埋め込むことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明では、両つまみパチン錠を、かばん類の本体部に固定された台座と、かばん類の蓋部に固定された受鈎と、台座にリンクを介して連結された開閉レバーと、開閉レバーの蓋部方向端部に設けられていて受鈎と係合する掛金と、開閉レバーの中央部の両側に支持軸で保持されていて可動鈎を有する2つのラッチレバーと、台座に設けられていて可動鈎と係合する2つの固定鈎と、2つのラッチレバーの間の開閉レバー中央部に固定されたシリンダー錠と、台座に設けられシリンダー錠の鎖錠爪と係合する爪受部とを具備する構成とした。
【0015】
台座は、かばん類の本体部の凹部の底に固定されており、受鈎は、かばん類の蓋部の凹部の底に固定されており、両つまみパチン錠の全体が各凹部に埋め込まれた状態に設置されている。各ラッチレバーは、ラッチレバー用バネにより外側に付勢されており、内側方向に押されることにより各可動鈎と各固定鈎との係合が解除されるように配置されている。
【発明の効果】
【0016】
上記のように構成したことにより、ラッチ付のパチン錠を薄く小型にして、かばんの側面に埋め込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例は、かばん類の蓋部にある受鈎に、開閉レバーの掛金を掛けて開閉レバーを倒し、開閉レバーの中央部の両側に支持軸で取り付けた2つのラッチレバーの可動鈎を、台座に設けた固定鈎に噛み合わせて、開閉レバーの閉鎖状態を保持し、2つのラッチレバーの間のシリンダー錠で鍵を掛ける両つまみパチン錠である。
【0019】
図1は、本発明の実施例における両つまみパチン錠の斜視図である。図2は、両つまみパチン錠の平面図と断面図である。図3は、両つまみパチン錠の裏面図である。図4は、両つまみパチン錠の動作説明図である。図5は、両つまみパチン錠の埋め込み状態の概念図である。図6は、両つまみパチン錠の変形例の概念図である。
【0020】
図1〜図6において、開閉レバー1は、両つまみパチン錠を閉じる操作を行うレバーである。掛金2は、受鈎に噛み合う開閉レバーの先端部分である。ラッチレバー3は、ラッチを解除するときに指で押すレバーである。可動鈎4は、固定鈎と噛み合うフックである。リンク5は、台座と開閉レバーを連結する部材である。受鈎6は、かばん類の蓋に固定された鈎部材である。台座7は、両つまみパチン錠をかばん類の本体側に取り付けるための部材である。固定鈎8は、可動鈎と噛み合うように台座に取り付けられている鈎部材である。固定鈎と可動鈎で、開閉レバーを台座に留めるラッチを構成している。支持軸9は、ラッチレバーを開閉レバーに取り付けるための回転軸である。シリンダー錠10は、両つまみパチン錠に鍵を掛けるための錠である。バネ11は、開閉レバーが開く方向に弾性力を与える部材である。スライドつまみ12は、ラッチを解除するときにスライドさせるつまみである。
【0021】
上記のように構成された本発明の両つまみパチン錠の機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、両つまみパチン錠の概要を説明する。図1(a)に、開錠状態の模式図を示してある。受鈎6が、かばん類の蓋部に固定されている。開閉レバー1が、リンクを介して台座に連結されている。台座は、かばん類の本体部に固定されている。固定鈎8が、台座に設けられている。台座とリンクは、従来のもの同様であるので図示を省略してある。開閉レバー1の蓋側の端部の裏側には、見えていないが、受鈎6に掛ける掛金がある。開閉レバー1の中央部の両側に、2つのラッチレバー3があり、見えていない支持軸で取り付けられている。ラッチレバー3には、見えていないが、可動鈎がある。開閉レバー1の中央部には、2つのラッチレバー3の間にシリンダー錠10が設けられている。
【0022】
開閉レバー1の掛金を受鈎6に噛み合わせると、図1(b)に示す途中状態になる。この状態で開閉レバー1を倒すと、固定鈎8に可動鈎が押されてラッチレバー3が内側に動き、可動鈎と固定鈎8が噛み合い、開閉レバー1が閉状態で保持される。この状態でシリンダー錠10に鍵を掛けると、開閉レバー1を開けなくなる。シリンダー錠10を鍵で開けて、ラッチレバー3を両側から押さえると、固定鈎8から可動鈎が外れて、開閉レバー1を開けることができる。開閉レバー1の掛金を受鈎6から外して、かばん類の蓋を開ける。
【0023】
図2を参照しながら、両つまみパチン錠の機能を説明する。施錠状態を、図2(a)に示してある。施錠状態で、シリンダー錠10に鍵を掛けると、台座7に設けられた爪受部にシリンダー錠10の鎖錠爪が係合して鎖錠状態になり、開閉レバー1が開かなくなる。かばん類の蓋を開ける場合は、鍵でシリンダー錠10を開ける。シリンダー錠10のマスター鍵をTSA鍵とすることもできる。シリンダー錠10を開錠した状態で、両方のラッチレバー3を同時に内側に押すと、図2(b)に示すように、ラッチレバー3が支持軸を中心にして少し回転して、ラッチレバー3の先端部の内側にある可動鈎4が固定鈎8から離れて、非ラッチ状態になる。この状態になると、バネの弾性力により、開閉レバー1が開方向に動かされて開き、掛金を受鈎から外すことができる。ラッチレバー3を一方だけ押しても、他方のラッチレバー3の可動鈎4は固定鈎8から離れないので、外力により偶発的にラッチレバー3が動かされても、ラッチが外れて開閉レバー1が開くことはない。
【0024】
次に、図3を参照しながら、ラッチレバーの動作を説明する。図3(a)に示す施錠状態では、ラッチレバー3の可動鈎が、台座の固定鈎に噛み合っている。ラッチレバー3は、支持軸9により開閉カバー1に揺動可能に取り付けられていて、一定の角度範囲で回転するように動く。図示していないが、ラッチレバー用バネにより、外側に弾力が掛けられているので、可動鈎は固定鈎に安定に噛み合っている。両方のラッチレバー3の腹部を指で押すことにより、可動鈎が固定鈎から外れて、図3(b)に示す非ラッチ状態になる。
【0025】
次に、図4を参照しながら、開閉レバーの開閉動作を説明する。図4(a)に示す開錠状態では、開閉レバー1はバネ11の弾力により、台座7から離れる方向に押し上げられている。リンク5により台座7と連結されているので、一定範囲で上下前後方向に動かすことができる。施錠する際には、開閉レバー1の蓋側端の掛金2を受鈎6に掛けて、図4(b)に示す途中状態にする。この状態で、開閉レバー1を本体側に向けて倒すと、図示してないが、ラッチレバーの可動鈎が台座7の固定鈎8に当たり、ラッチレバーが内側に動きながら可動鈎が固定鈎8と噛み合って、図4(c)に示す施錠状態になる。
【0026】
このとき、シリンダー錠10の下端が台座7の穴に入る。シリンダー錠10を鍵で閉めると、図示してないが、シリンダー錠10の先端の鎖錠爪が台座7の爪受部に当たる位置に回り込み、鎖錠状態になる。この鎖錠状態では、ラッチレバーを押してラッチを解除しても開閉レバー1を開くことはできない。開錠する場合は、この逆の順で操作する。シリンダー錠10を鍵で開けて、両方のラッチレバーを同時に押すと、ラッチが解除されて、バネ11の弾力で開閉レバー1が押し上げられて、図4(b)に示す途中状態になる。さらに、開閉レバー1の掛金2を受鈎6から外すと、図4(a)に示す開錠状態になるので、蓋を開けることができる。
【0027】
次に、図5を参照しながら、両つまみパチン錠の埋め込み状態を説明する。両つまみパチン錠を、かばん類の錠前を付ける面の凹部に埋め込む。凹部には、ラッチレバー3を押すための指を入れる隙間を設ける。表面に錠の出っ張りがないので、かばん類が物に当たっても、錠に力が加わることはなく、蓋が開くことはない。たとえ、錠に外力が加えられることがあったとしても、両方のラッチレバー3に同時に偶発的な外力が加わることはまずありえないので、かばん類の蓋が不用意に開くことはない。
【0028】
次に、図6を参照しながら、両つまみパチン錠の変形例を説明する。図6(a)〜(d)は、ラッチレバーをスライドつまみにした例である。開閉レバー1の掛金を受鈎に掛けて開閉レバー1を倒すと、図6(c)に示すように、スライドつまみ12の可動鈎4が台座の固定鈎8に当たり、スライドつまみ12が後退しながら可動鈎4が固定鈎4と噛み合って、図6(a)に示す施錠状態になる。施錠状態で、図6(b)に示すように、両方のスライドつまみ12を同時に蓋側方向にスライドさせると、ラッチが外れて開閉レバー1を開けることができる。図6(d)に示すように、固定鈎8を開閉レバー1の外側に設けて、可動鈎4を開閉レバー1の先端の外側に出すようにしてもよい。他の変形例として、図6(e)に示すように、シリンダー錠10を開閉レバー1の外側に設けるようにしてもよい。シリンダー錠10の鎖錠爪で開閉レバー1を留めるようにする。長さが長くなるが幅が狭くなるので、長さに余裕があるが幅に制限がある場合などに利用できる。
【0029】
上記のように、本発明の実施例では、両つまみパチン錠を、かばん類の蓋部にある受鈎に、開閉レバーの掛金を掛けて開閉レバーを倒し、開閉レバーの中央部の両側に支持軸で取り付けた2つのラッチレバーの可動鈎を、台座に設けた固定鈎に噛み合わせて、開閉レバーの閉鎖状態を保持し、2つのラッチレバーの間のシリンダー錠で鍵を掛ける構成としたので、ラッチ付のパチン錠を薄く小型にでき、かばん類の側面に埋め込むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の両つまみパチン錠は、かばん類の蓋を閉めて鍵を掛けるパチン錠として最適である。また、各種の扉などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例における両つまみパチン錠の斜視図である。
【図2】本発明の実施例における両つまみパチン錠の平面図と断面図である。
【図3】本発明の実施例における両つまみパチン錠の裏面図である。
【図4】本発明の実施例における両つまみパチン錠の動作説明図である。
【図5】本発明の実施例における両つまみパチン錠の埋め込み状態の概念図である。
【図6】本発明の実施例における両つまみパチン錠の変形例の概念図である。
【図7】従来のラッチ付のパチン錠の動作説明図である。
【図8】従来のラッチ付のパチン錠の概念図である。
【図9】従来のラッチ付のパチン錠の概念図である。
【符号の説明】
【0032】
1 開閉レバー
2 掛金
3 ラッチレバー
4 可動鈎
5 リンク
6 受鈎
7 台座
8 固定鈎
9 支持軸
10 シリンダー錠
11 バネ
12 スライドつまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かばん類の本体部に固定された台座と、かばん類の蓋部に固定された受鈎と、前記台座にリンクを介して連結された開閉レバーと、前記開閉レバーの前記蓋部方向端部に設けられていて前記受鈎と係合する掛金と、前記開閉レバーの中央部の両側に支持軸で保持されていて可動鈎を有する2つのラッチレバーと、前記台座に設けられていて前記可動鈎と係合する2つの固定鈎と、前記2つのラッチレバーの間の開閉レバー中央部に固定されたシリンダー錠と、前記台座に設けられていて前記シリンダー錠の鎖錠爪と係合する爪受部とを具備することを特徴とする両つまみパチン錠。
【請求項2】
前記台座は、かばん類の本体部の凹部の底に固定されており、前記受鈎は、かばん類の蓋部の凹部の底に固定されており、両つまみパチン錠の全体が前記各凹部に埋め込まれた状態に設置されていることを特徴とする請求項1記載の両つまみパチン錠。
【請求項3】
前記各ラッチレバーは、ラッチレバー用バネにより外側に付勢されており、内側方向に押されることにより前記各可動鈎と前記各固定鈎との係合が解除されるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の両つまみパチン錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−24782(P2010−24782A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190423(P2008−190423)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000152664)株式会社日乃本錠前 (24)
【出願人】(399070044)株式会社ヤマニ (7)