説明

中空糸分離膜モジュール

【課題】各中空糸膜間に良好な隙間を確保して分離性能が向上された中空糸分離膜モジュールを提供する。
【解決手段】流体導入口20、透過成分排出口21、及び未透過成分排出口22を備える中空筒型のモジュールケース10と、該モジュールケース10内の長手方向両端部に設けられ、該モジュールケース10の内部空間を区画する樹脂製の隔壁11・11と、該両隔壁間11・11において互いに平行に配設された複数の中空糸膜12とを有し、該各中空糸膜12の両端部が、隔壁11へ貫通状に固定されている中空糸分離膜モジュール1であって、両隔壁11・11のうち少なくとも一方には、各中空糸膜12の間に介在するように複数の介在物13が埋設されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体導入口、透過成分排出口、及び未透過成分排出口を備える中空筒型のモジュールケースと、該モジュールケース内の長手方向両端部に設けられ、該モジュールケースの内部空間を区画する樹脂製の隔壁と、該両隔壁間において互いに平行に配設された複数の中空糸膜とを有し、該各中空糸膜の両端部が、前記隔壁へ貫通状に固定されている中空糸分離膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の中空糸分離膜モジュールとして、例えば下記特許文献1がある。特許文献1では、各中空糸膜間に、複数のフィラメントをランダムに介在させている。ここでのフィラメントは中空糸膜と同じ長さを有し、その両端が隔壁に固定されて各中空糸膜と平行に配設されている。したがって、各中空糸膜の両端部のみならずその中間部においてもフィラメントが介在している。これにより、各中空糸膜間の間隔を均一にして流体の流量分布の均一性を向上することで、分離性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−151327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の中空糸分離膜モジュールでは、処理対象となる流体を中空糸膜の内部へ導入して特定成分を外部へ分離する内圧分離型と、特定成分を中空糸膜外から中空糸膜内部へ透過させて分離する外圧分離型とがある。内圧分離型では、中空糸膜の一端から中空糸膜内部へ流体を導入し、特定成分は中空糸膜外へ透過分離されるが、その他の未透過成分は中空糸膜内をそのままつき抜けて他端から排出される。外圧分離型では、中空糸膜の外部空間に流体を導入し、特定成分が中空糸膜内へ透過分離して中空糸膜の一端又は両端から排出され、未透過成分はそのまま外部空間外へ排出される。
【0005】
そのうえで、図7に示すように、この種の中空糸分離膜モジュール100では、各中空糸膜101は、モジュールケース102内において束状に配されている。しかも、各中空糸膜101が束の中心部に寄り集まるように配されていることが一般的である。これでは、束の中心部においては各中空糸膜101間の隙間が小さいことで流体(特定成分も含む)が流動(拡散)し難い。すなわち、内圧分離型の場合にあっては、束の中心部にある中空糸膜を透過した特定成分は、束の表層部にある中空糸膜の狭い隙間を通して透過成分排出口まで流動(拡散)しなければならず、流動性が悪い。また、外圧分離型の場合でも、中空糸膜束の外部空間に導入された流体は、束の表層部にある中空糸膜の狭い隙間を通して束の中心部にまで流動しなければ、束の中心部にある中空糸膜によって分離できない。このように、従来の中空糸分離膜モジュールでは、特定成分を効率良く分離できず、分離性能(単位時間当たりの分離量)にも限界があった。
【0006】
なお、図7は内圧分離型のモジュール100を示している。符号103は、各中空糸膜101の両端を固定する隔壁である。符号104は、処理対象となる流体G0を導入室110へ導入する流体導入口である。符号105は、各中空糸膜101の内部から透過室111へ透過分離された透過成分G1を排出する透過成分排出口である。符号106は、各中空糸膜101を透過せずに未透過室112へ導入された未透過成分G2を排出する未透過成分排出口である。
【0007】
これに対し特許文献1では、各中空糸膜間に複数のフィラメントを介在させることで、各中空糸膜間の間隔を均一にして分離性能の向上を図っている。しかし、フィラメントの存在によって、各中空糸膜同士の隙間が塞がれてしまう。これでは、束の中心部における流体の流動性(拡散性)が反って悪化してしまうので、確実な分離性能の向上には課題が残る。
【0008】
一方、内圧分離型の中空糸分離膜モジュールには、図7に示すように、未透過成分G2の一部を透過室111へ還流させる還流通路120を有するものがある。これによれば、未透過成分G2の一部が還流通路120を通して透過室111へ還流されることで、透過室111が掃気されて分離性能がより向上すると共に、透過成分G1の排出も促進される。しかし、これでは還流通路120を設ける分、部品点数が多くなり、モジュールも大型化してしまう。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、その目的は、各中空糸膜間に良好な隙間を確保して分離性能が向上された中空糸分離膜モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、流体導入口、透過成分排出口、及び未透過成分排出口を備える中空筒型のモジュールケースと、該モジュールケース内の長手方向両端部に設けられ、該モジュールケースの内部空間を区画する樹脂製の隔壁と、該両隔壁間において互いに平行に配設された複数の中空糸膜とを有し、該各中空糸膜の両端部が、前記隔壁へ貫通状に固定されている中空糸分離膜モジュールであって、前記両隔壁のうち少なくとも一方には、前記各中空糸膜の間に介在するように複数の介在物が埋設されていることを特徴とする。当該中空糸分離膜モジュールは、内圧分離型にも外圧分離型にも適用できる。
【0011】
これによれば、各中空糸膜の少なくとも一端部が介在物の存在によって互いの間隔が拡げられるので、中間部においても各中空糸膜同士の間に良好な隙間が確保される。これにより、中空糸膜束の中央部における流体の流動性(拡散性)が向上する。例えば、内圧分離型のモジュールであれば、中空糸膜束の中央部において透過した透過成分でも、各中空糸膜間に良好な隙間が確保されていることで、表層部側へ円滑に流動することができる。また、外圧分離型のモジュールであっても、中空糸膜束の外方から中央部へ処理対象である流体は円滑に流動(進入)できる。而して、中空糸分離膜モジュールの分離性能を的確に向上することができる。
【0012】
前記介在物は、前記両隔壁のうち一方のみに埋設してもよいが、両隔壁の双方へ埋設することが好ましい。これによれば、各中空糸膜の両端部が介在物の存在によって互いの間隔が拡げられるので、中間部における各中空糸膜同士の隙間を確実に確保することができる。
【0013】
なお、流体を前記各中空糸膜の一端から該各中空糸膜の内部へ導入して、特定成分を各中空糸膜外へ透過分離する内圧分離型のモジュールとする場合は、前記介在物を少なくとも前記透過成分排出口側の隔壁に埋設したうえで、該透過成分排出口側の隔壁に埋設された複数の介在物のうち少なくとも一部を、両端が開口する中空筒状に形成して、該中空筒状の介在物を、前記隔壁内へ内外貫通状に埋設することが好ましい。
【0014】
これによれば、未透過成分の一部が中空介在物を介して透過室へ還流される。これにより、介在物の存在による上記効果に加えて、透過室が掃気されて分離性能がより向上すると共に、透過成分を迅速にモジュール外へ排出することもできる。しかも、還流通路を別途設けるのではなく、介在物の一部を還流口としても有効利用していることで、部品点数の増加やモジュールの大型化を避けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各中空糸膜を固定する隔壁内に介在物を埋設していることで、各中空糸膜間に良好な隙間が確保されるので、中空糸分離膜モジュールの分離性能を向上することができる。また、介在物の一部を中空筒状に形成して還流口としても有効利用することで、簡素な構成によってより分離性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1の中空糸分離膜モジュールの断面図である。
【図2】図1のII-II線断面図である。
【図3】図1のIII-III線断面図である。
【図4】中空糸分離膜モジュールの製造手順を示す工程図である。
【図5】実施形態2の中空糸分離膜モジュールの断面図とその一部拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】従来技術の中空糸分離膜モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の代表的な実施の形態について説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。特に、以下の説明では内圧分離型のモジュールを例に挙げて説明するが、外圧分離型のモジュールに適用することもできる。本発明の中空糸分離膜モジュールは、空気から窒素の分離精製、水から溶存酸素の分離精製、ガソリンから蒸発した蒸発燃料を含む混合ガスから燃料成分の分離精製など、種々の用途に使用できる。
【0018】
(実施形態1)
本実施形態1の中空糸分離膜モジュール1は、図1に示すように、中空筒型のモジュールケース10と、該モジュールケース10内の長手方向両端部に設けられた樹脂製の隔壁11・11と、互いに平行に配設された複数の中空糸膜12とを有する。モジュールケース10は、長手方向両端が開口する中空円筒形のケース本体10aと、該ケース本体10aの両端を覆うカバー10b・10cとから成る。一方(図1では左側)のカバー10bには、処理対象となる流体G0が導入される流体導入口20が設けられている。ケース本体10aには、各中空糸膜12を透過し分離された透過成分(特定成分)G1がモジュールケース10外へ排出される透過成分排出口21が設けられている。他方(図1の右側)のカバー10cには、各中空糸膜12を透過しなかった未透過成分G2がモジュールケース10外へ排出される未透過成分排出口22が設けられている。以下、便宜上図1を基準とした方向で説明する。
【0019】
左右の両隔壁11・11は、ケース本体10aの左右両端部に、該ケース本体10aの開口を塞ぐように設けられている。これにより、モジュールケース10内の空間は、左右の隔壁11・11を介して、流体導入口20に臨む左側の導入室30と、透過成分排出口21に臨む中間部の透過室31と、未透過成分排出口22に臨む右側の未透過室32とに区画される。隔壁11を形成する樹脂としては特に限定されず、従来の中空糸分離膜モジュールにおいて接着剤として使用されている公知の樹脂を全て使用できる。代表的には、耐圧強度の高いエポキシ樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。
【0020】
各中空糸膜12はケース本体10aとほぼ同じ長さであり、その左右両端部は隔壁11・11に接着固定されている。各中空糸膜12の両端部は隔壁11を貫通しており、その左右開口面はそれぞれ導入室30・未透過室32へ臨んでいる。中空糸膜12も、従来の中空糸分離膜モジュールにおいて使用されている公知の中空糸膜を全て使用できる。例えば、特定成分に対する溶解拡散係数が高いポリオレフィン、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン酸、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂等からなる樹脂製の中空糸膜を使用できる。又は、分子篩作用によって特定成分を分離する多孔質な中空糸膜も使用できる。さらには、多孔質な中空糸状の支持体の外周面又は内周面に、上記樹脂製の機能層を形成した複合型の中空糸膜とすることもできる。中空糸膜12の素材は、分離対象となる特定成分に応じて適宜選択すればよい。
【0021】
そのうえで、左右の隔壁11・11内には、図2に示すように、各中空糸膜12の間に介在するように複数の介在物13がランダムに埋設されている。これにより、各中空糸膜12の両端部が介在物13によって互いの間隔が拡げられていることで、透過室31内にある中間部においても、図3に示すように、各中空糸膜12間に良好な隙間が確実に確保されている。
【0022】
介在物13は、ある程度の強度と耐薬品性を有する中実体であれば特に限定されない。詳しくは、モジュール製造過程や流体処理中の圧力や熱、流体との反応等による変形や変質等しない非多孔質体・非中空体であれば限定されない。例えば、合成樹脂、セラミック、ガラス、金属、木材製などの介在物を使用できる。コストや生産性等の観点からは、合成樹脂製の介在物とすることが好ましい。また、介在物13は、各中空糸膜12間に適度な隙間を的確に形成できる形状・寸法であればよい。形状の具体例としては、円柱状、四角柱状、球状、立方体状、直方体状、又は不定形状とすることができる。中でも、円柱状とすることが好ましい。本実施形態1では、円柱状の介在物13を使用している。中空糸膜12は円筒状なので、介在物13も円柱状であれば、図2に示すように、隔壁11内において中空糸膜12と介在物13とを整然と混在させることができる。介在物13の直径(断面方向の寸法)は、少なくとも中空糸膜12の外径の1/2以上とする。これより小さいと、各中空糸膜12間の隙間が小さくなるからである。好ましくは、介在物13の直径を中空糸膜12の外径と同等以上とする。介在物13の直径は、モジュールケース10内に配設する中空糸膜12の本数等に応じて適宜設計すればよい。例えば、中空糸膜12をモジュールケース10内へ比較的粗(少数)に配設する場合は、これに応じて介在物13の直径を大きくする。一方、中空糸膜12をモジュールケース10内へ密(多数)に配設する場合は、これに応じて介在物13の直径を比較的小さくする。中空糸分離膜モジュール1の分離性能を向上させるには、中空糸膜12の配設本数はできるだけ多い方がよい。本実施形態1では、図2に示すように、介在物13の直径を中空糸膜12の外径とほぼ同等にしている。
【0023】
中空糸分離膜モジュール1の製造方法の一例について説明する。まず、図4(a)に示すように、複数の中空糸膜12を束ねた状態で、平板状のベース13bの一方面に複数の突起13cが突設された剣山状の介在体13aを、中空糸膜12の束の一方端へ差し込む。これより、各中空糸膜12の間に突起13cがランダムに介在した状態となり、各中空糸膜12間の隙間が強制的に拡げられる。次いで、図4(b)に示すように、中空糸膜12の束の他方端からケース本体10aを介在体13aのベース13bに当接するまで挿通する。そして、中空糸膜12の束の他方端から、もう一つの介在体13aを差し込む。次いで、図4(c)に示すように、ケース本体10aを直径方向を軸として軸回転させながら、透過成分排出口21から流動性を有する樹脂11aを流し込む。樹脂11aは、遠心力によってケース本体10aの左右両側端へ移動する。樹脂11aがケース本体10aの左右両側端へ移動したところで、加熱して樹脂11aを硬化させる。次いで、図4(d)に示すように、ケース本体10aの左右両端部を、介在体13aの突起13cの中間部において切断する。これにより、複数の介在物13が埋設された状態で、隔壁11が形成される。最後に、図4(e)に示すように、ケース本体10aの左右両端にカバー10b・10cを被せることで、中空糸分離膜モジュール1が完成する。
【0024】
次に、中空糸分離膜モジュール1の作用について説明する。図1に示すように、先ず、流体導入口20から、モジュールケース10の導入室30内へ流体G0を導入する。流体G0としては、複数の成分が混在している液体、気体、又は両者の混合体であれば、制限無く処理できる。導入室30へ導入された流体G0は、隔壁11を介して各中空糸膜12の一端(図1の左端)から各中空糸膜12の内部へ導入されて他端(図1の右端)へ向けて流動していく。すると、流体G0中の特定成分は各中空糸膜12を透過して、透過室31へ分離される。各中空糸膜12によって透過分離された特定成分(透過成分)G1は、透過室31から透過成分排出口21を介してモジュールケース10外へ排出される。このとき、各中空糸膜12の間に介在物13によって確実に適度な隙間が確保されていることで、透過成分G1は円滑に流動できる。なお、透過室31を減圧しておくと、より分離性能が向上する。一方、各中空糸膜12を透過しなかった未透過成分G2は、未透過成分排出口22側(図1の右側)の隔壁11を介して未透過室32へ突き抜ける。当該未透過成分G2は、未透過室32から未透過成分排出口22を介してモジュールケース10外へ排出される。
【0025】
(実施形態2)
図5,6に、本発明の実施形態2を示す。本実施形態2は実施形態1の変形例なので、共通する構成については同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0026】
図5、6に示すように、本実施形態2の中空糸分離膜モジュール1では、透過成分排出口22側(図5の右側)の隔壁11に埋設された介在物13の一部を、両端が開口する中空筒状の中空体14としている点が注目される。これによれば、各中空糸膜12を透過しなかった未透過成分G2の一部が、未透過室32から中空体14を介して透過室31へ還流される。すなわち、中空体14が還流通路として機能する。これにより、透過室31内が掃気され、分離性能がより向上する。
【0027】
なお、中空体14は、例えば図4に示す製造方法において突起13cの一部を中空状に形成しておけばよい。また、未透過成分G2は基本的に未透過成分排出口22から排出することを前提としており、透過室31へ還流する未透過成分G2はほんの一部とする。したがって、全中空体14の総開口面積は、未透過成分排出口22の開口面積よりも小さくしておくことが好ましい。
【0028】
(変形例)
上記実施形態1,2は内圧分離型のモジュールとして使用した例であるが、本発明の中空糸分離膜モジュールは外圧分離型のモジュールとしても使用できる。例えば図1に示すモジュールの場合、符号21を流体導入口とし、符合20・22が透過成分排出口となる。また、符号31が導入室兼未透過室となり、符号30・32が透過室となる。また、ケース本体10aには、流体導入口21に加えて、別途未透過成分排出口も設けておく。この場合、流体導入口21から各中空糸膜12の外部空間である導入室31へ導入された流体G0中の特定成分は、各中空糸膜12の内部へ透過分離されて、各中空糸膜12の左右両端から隔壁11を介して左右の透過室30・32へ抜け、左右の透過成分排出口20・22からモジュールケース10外へ排出される。一方、各中空糸膜12内へ透過しなかった未透過成分G2は、導入室(未透過室)31から別途ケース本体10aに設けられた未透過成分排出口からモジュールケース10外へ排出される。
【0029】
一方、例えば図5に示すモジュールの場合は、中空体14が埋設された側の各中空糸膜12の端面を塞いでおけば、別途未透過成分排出口を設ける必要は無い。この場合、符号22が未透過成分排出口として利用できる。すなわち、透過成分G1は各中空糸膜12内を中空体14の埋設されていない側(図5の左側)のみへ流動していき、未透過成分G2は中空体14を介して未透過成分排出口22から排出することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 中空糸分離膜モジュール
10 モジュールケース
11 隔壁
12 中空糸膜
13 介在物
14 中空体
20 流体導入口
21 透過成分排出口
22 未透過成分排出口
30 導入室
31 透過室
32 未透過室
G0 流体
G1 透過成分
G2 未透過成分




【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体導入口、透過成分排出口、及び未透過成分排出口を備える中空筒型のモジュールケースと、該モジュールケース内の長手方向両端部に設けられ、該モジュールケースの内部空間を区画する樹脂製の隔壁と、該両隔壁間において互いに平行に配設された複数の中空糸膜とを有し、該各中空糸膜の両端部が、前記隔壁へ貫通状に固定されている中空糸分離膜モジュールであって、
前記両隔壁のうち少なくとも一方には、前記各中空糸膜の間に介在するように複数の介在物が埋設されていることを特徴とする、中空糸分離膜モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の中空糸分離膜モジュールであって、
前記介在物は、前記両隔壁に埋設されていることを特徴とする、中空糸分離膜モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の中空糸分離膜モジュールであって、
前記中空糸分離膜モジュールは、流体を前記各中空糸膜の一端から該各中空糸膜の内部へ導入して、特定成分を各中空糸膜外へ透過分離する内圧分離型のモジュールであり、
前記介在物は、少なくとも前記透過成分排出口側の隔壁に埋設されており、
該透過成分排出口側の隔壁に埋設された複数の介在物のうち少なくとも一部は、両端が開口する中空筒状を呈し、
該中空筒状の介在物は、前記隔壁内へ内外貫通状に埋設されていることを特徴とする、中空糸分離膜モジュール。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−5987(P2012−5987A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145962(P2010−145962)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】