説明

中空糸膜モジュールの製造方法

【課題】使用する中空糸膜の特性を損なわず、特にポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、ポッティング用樹脂によるモジュールケースと中空糸膜相互との接着固定が高度に液密或いは気密とされる中空糸膜モジュールの製造方法を開発する。
【解決手段】ポッティング加工時の加熱溶着が、ポッティング加工部(3) の端部を前記ポッティング樹脂の融点以上で、かつ中空糸膜(1) の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度とし、ポッティング加工部(3) の中空糸膜生え際において該ポッティング樹脂のビカット軟化点以上で、かつ前記高温側一定温度よりも低い温度範囲内の低温側一定温度とする、温度勾配を有する温度分布にてポッティング加工部(3) を加熱するとともに、ポッティング加工部(3) に重力の10〜100倍の遠心力を付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又は気体の濾過や分離処理等に用いられる中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膜モジュールは、近年、工業分野、医療分野、食品分野等での液体や気体の濾過或いは分離等に多用されており、特に工業分野においては、溶剤濾過、液体中の気体分離、パーベーパレーション等の機能を備えた膜モジュールが要求されている。
【0003】
このような分野に用いられる膜モジュールとしては、従来平膜を用いた膜モジュールが一般的であったが、最近では、膜モジュール容積あたりの膜面積が平膜よりも大きくなる中空糸膜を用いた膜モジュール、すなわち、モジュールケース内に中空糸膜を配置し、このモジュールケースと中空糸膜端部の相互を、ポッティング用樹脂によって液密或いは気密に接着固定するポッティング部を形成して構成される中空糸膜モジュールが多用されている。
【0004】
ところで、中空糸膜モジュールを用いる濾過或いは分離は、一次側から二次側への圧力がかかる条件下で実施されるものであるために、モジュールケースと中空糸膜相互との間に高い封止性及び接着性が要求されており、前記ポッティング用樹脂として、従来、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられている。
【0005】
しかるに、この中空糸膜モジュールをパーベーパレーションや溶剤濾過、溶剤処理等に利用すると、溶剤や薬液によって前記ポッティング用樹脂が膨潤、溶出してクラック等が発生し、これに伴って接着性の低下、リークの発生、処理物の純度低下等の問題を発生させる。また、ポリオレフィン系樹脂からなる中空糸膜を使用すると、該中空糸膜はその表面が疎水性であるために、前記エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂からなるポッティング樹脂との間の濡れ性が悪く、中空糸膜相互の間に高い封止性及び接着性を具備するポッティング部を形成することは困難である。
【0006】
これに対して、前記エポキシ樹脂やウレタン樹脂等による欠陥を改善する目的で、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をポッティング用樹脂として使用し、該ポッティング用樹脂の溶融物をポッティング加工部の中空糸膜相互の間に侵入させ、これを冷却固化してポッティング部を形成することによって中空糸膜モジュールを得る方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開平8−318139号公報(特許文献1)には、オレフィン系微粉末樹脂によるポッティング樹脂と、これを流動させるための液体とを混合して高濃度懸濁液を調製し、オレフィン系樹脂からなる中空糸膜束をこの高濃度懸濁液に浸漬させ、ポッティング樹脂の融点以上、中空糸膜の融点以下で加熱し、ポッティング微粉末樹脂が溶融流動状態になった後に冷却する中空糸膜モジュールの製造方法が記載されている。具体的には300〜600本程度の中空糸膜束を懸濁液に浸漬し、これを110〜120℃に加熱したオーブンに放置して溶融ポッティングしたのち、冷却して中空糸膜モジュールを得ている。
【0008】
また、特開平9−290138号公報(特許文献2)には、オレフィン系微粉末樹脂からなるポッティング樹脂と、これを流動させるための液体とを混合して高濃度の懸濁液を調整し、この高濃度懸濁液にオレフィン系樹脂からなる中空糸膜束を浸漬させ、ポッティング樹脂の融点以上、中空糸膜の融点以下にて加熱し、ポッティング用樹脂と中空糸膜とを非相溶性にして、中空糸膜が潰れることなく両者の接合界面が残存する半接合状態になる熱成形を行なうと同時に、溶融したポッティング微粉末樹脂が中空糸膜の外表面の微細な凹凸よりなる支持層へ侵入することによるアンカー効果を生じさせて、物理的な液密シールを可能とした中空糸膜モジュールの製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開平8−318139号公報
【特許文献2】特開平9−290138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1に開示された中空糸膜モジュールの製造方法によれば、ポッティング部における中空糸膜の生え際において、中空糸膜の融点以下で加熱しても中空糸膜が熱劣化又は多孔性を失うことにより柔軟性を失ってしまう。また、ポッティング部に埋没する生え際部分の中空糸膜にポッティング用樹脂の収縮応力が働いてしまう。このため、ポッティング部に埋没する生え際部分の中空糸膜が脆弱になり化学的、物理的な侵襲により亀裂が発生しやすくなる。
【0010】
このように、ポッティング部に埋没した中空糸膜自身の柔軟性が失われることにより、モジュールが化学的、物理的な侵襲を受けると、モジュールケース部材及びポッティング用樹脂の膨張、又は収縮を吸収する部分がなくなるため、ポッティング部に埋没する生え際部分のポッティング用樹脂自身又は中空糸膜自身が破裂方向に亀裂を生じリークする問題があった。
【0011】
また上記特許文献2の方法によっても、ポッティング部及びポッティング部の生え際において、ポッティング用樹脂の融点以上で加熱するとポッティング用樹脂の収縮応力が働いてしまう。このため、ポッティング部に埋没する中空糸膜が潰れ柔軟性が失われてしまう。更に、両者の接合界面が残存する半接合状態であってもポッティング用樹脂の膨張又は収縮を吸収するほどの物理的な液密シールを保持することはできず、化学的、物理的侵襲に対して耐性を有するポッティング部を形成し続けることはできない。
【0012】
従って、本発明の目的は、使用する中空糸膜の特性を損なわず、特にポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、ポッティング用樹脂によるモジュールケースと中空糸膜相互とが高度に液密或いは気密に接着固定される中空糸膜モジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題は、以下に記載する構成による本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によって解決することができる。
すなわち本発明の基本構成は、モジュールケース内に収納してある熱可塑性樹脂製の中空糸膜の片端或いは両端を、他の熱可塑性樹脂からなるポッティング用樹脂により、中空糸膜及びモジュールケース相互を加熱溶着するポッティング加工を行ない中空糸膜モジュールを製造する方法にあって、上記加熱溶着にあたり、前記ポッティング加工部の端部を前記ポッティング樹脂の融点以上で、かつ前記中空糸膜の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度とし、ポッティング加工部の中空糸膜生え際において該ポッティング樹脂のビカット軟化点以上で、かつ前記高温側一定温度よりも低い温度範囲内の低温側一定温度として、前記ポッティング加工部に温度勾配を有する温度分布にてポッティング加工部を加熱してポッティング部を形成することを特徴としている。
【0014】
かかる構成を備えた本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ポッティング加工部に重力の10〜100倍の遠心力を付加してポッティング部を形成することが好ましく、またモジュールケース内に収納される熱可塑性樹脂製の中空糸膜の本数を1000〜100000とし、かつモジュールケース内のポッティング加工部の中空糸膜の充填率を20〜60%とすることが好ましい。
【0015】
更に、本発明ではモジュールケース内に収納される熱可塑性樹脂製の中空糸膜が、1本或いは複数本の中空糸膜を所定の長さで折り返し、その折り返されたループ状をなす隣接する端部の相互を他の糸条で拘束したシート状の中空糸膜編織物を使用することが好ましい。
【作用効果】
【0016】
本発明は、上述のようにポッティング部の加熱時に同ポッティング部の中空糸膜折返し端部と生え際部との間に所定の下傾斜する温度勾配を生じるようにして、中空糸膜の熱劣化又は多孔性を連続的に変化させることでポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、化学的、物理的な侵襲に対して高い耐性を有する中空糸膜モジュールが得られる。
【0017】
前記ポッティング加工を行なうときに付加する遠心力が重力の10倍未満のときは、特にモジュールケース内の中空糸膜の本数が多い場合や中空糸膜の充填率が高いときには、溶融したポッティング用樹脂の流動力が不足し、ポッティング加工部に発生する空隙を埋めることが困難となり、形成されるポッティング部での中空糸膜相互の間に巣が発生する恐れがある。また、この遠心力が重力の100倍を超えると、得られるポッティング部において中空糸膜が押し潰される恐れがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、熱可塑性樹脂をポッティング用樹脂として使用し、モジュールケース内に収納された熱可塑性樹脂製の中空糸膜の片端もしくは両端を、前記ポッティング用樹脂によって、該ポッティング用樹脂と中空糸膜及びモジュールケースとの相互を接着固定するポッティング加工を行なう中空糸膜モジュールの製造方法であって、上記加熱接着に際してはポッティング加工部の端部では該ポッティング樹脂の融点以上であって、しかも前記中空糸膜の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度でありポッティング加工部の中空糸生え際においては該ポッティング樹脂のビカット軟化点以上であって、しかも前記高温側一定温度よりも低い範囲内の低温側一定温度となるようにポッティング加工部に温度勾配を有した温度分布にてポッティング加工部を加熱してポッティング部を形成することによって、中空糸膜の熱劣化又は多孔性を連続的に変化させることでポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、化学的、物理的な侵襲に対して高い耐性を有する中空糸膜モジュールが得られる。
【0019】
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において用いられる中空糸膜としては特に限定されるものではなく様々な中空糸膜が使用でき、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系、PVDFやPTFE等のフッ素系など、各種材料からなる中空糸膜が使用できる。中でも、該中空糸膜を得るときの製膜の安定性、耐薬品性、一般的な分離性能や処理性能等の点から、熱可塑性樹脂製の中空糸膜が好適に使用できる。中空糸膜モジュールを得るための加工時に要求される中空糸膜の柔軟性、強度、素材の耐薬品性、低コスト性等の観点から、特にテトラフロロエチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂による中空糸膜が好ましく、中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等による中空糸膜が好適である。
【0020】
なお、中空糸膜は、通常の濾過に用いるような多孔質膜であっても、或いはガス分離等に用いるような非多孔の均質膜であってもよい。また、膜の構造は、均一な内部構造を有する膜であっても、或いは多孔質層と均質層との両方を具備する複合膜であってもよい。
【0021】
モジュールケース内のポッティング加工部における中空糸膜の充填率は特に制限されるものではないが、モジュール1本あたりの処理性能、モジュール内での中空糸膜の分散の均一性、ポッティング用樹脂の加熱、冷却に基づく体積収縮による内部応力の緩和等を考慮すると、好ましくは充填率は20%以上であり、より好ましくは充填率30%であり、更に好ましくは充填率40%以上である。特にポッティング用樹脂の中空糸膜間相互への均一な侵入を考慮すると、充填率60%以下が好ましい。充填率55%以下がより好ましく、充填率50%以下が更に好ましい。
【0022】
中空糸膜を収納するモジュールケースとしては、金属製や樹脂製のケースが使用されるが、モジュールケース自体の加工性や価格等の点から樹脂製であることが好ましく、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリアセタール系樹脂等からなるによるモジュールケースが好適である。
【0023】
なお、特に溶剤濾過や溶剤からのガス分離、パーベーパレーション等の用途に供される中空糸膜モジュールにするときには、該中空糸膜モジュールに耐溶剤性や低溶出性が要求されるために、ポッティング用樹脂との接着性等をも考慮すると、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂製のモジュールケースが好ましい。
【0024】
また、中空糸膜モジュールには、モジュール内への被処理流体の導入、及びモジュール内からの処理流体の排出のために、キャップや入口、出口等が取り付けられる。このときのキャップの素材は特に制限されるものではないが、モジュールケースへの取り付け易さや、中空糸膜モジュールの用途等を考慮して、モジュールケースの素材に応じた素材によるキャップを選択するのがよく、接着、溶着、螺着等任意の方法で取り付ければよい。
【0025】
モジュールケース内に収納された熱可塑性樹脂製の中空糸膜の片端或いは両端をモジュールケースに接着固定するためのポッティング用樹脂として、熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0026】
熱可塑性樹脂には、シリコーン系充填剤や各種ホットメルト樹脂を用いることが可能であり、各種溶剤や薬品への耐久性や機械的な強度の点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中でも、ポッティング加工時の取り扱い性、薬液への溶出の低さ等の点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0027】
ポッティング用樹脂として使用する熱可塑性樹脂の形状は、特に限定されるものではないが、樹脂の均一な溶解等を考慮すると微粒子とするのが好ましい。この場合微粒子は、球状、矩形状、針状、楕円状等のいかなるものであってもよいが、球状のものがより好ましい。
【0028】
更に、この熱可塑性樹脂の微粒子は、そのサイズがあまり小さいと、利用する中空糸膜によっては該熱可塑性樹脂微粒子が膜に形成されている細孔を通り抜けて中空糸膜の中空内部を閉塞する恐れが出る。また、前記微粒子のサイズが大き過ぎると、中空糸膜間に保持された微粒子同士の間に隙間が生じやすく、この隙間が存在する状態でポッティング加工がなされてしまうと、得られるポッティング部に巣が生じてリークの原因になる。
【0029】
このために、例えば球状の熱可塑性樹脂微粒子であれば、平均粒子径0.1〜5000μm程度のものが好適であり、1〜4000μmの範囲内とするのがより好適であり、10〜3000μmの範囲内とするのがさらに好適である。また、その他の形状をもつ熱可塑性樹脂微粒子の場合には、最も短い辺の平均径が0.01〜5000μmであって、最も長い辺の平均径が0.1〜5000μmの範囲内にあるものが好ましい。
【0030】
ポッティング用樹脂として使用する熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10000より小さいと、得られる中空糸膜モジュールのポッティング部の機械的強度や靭性が不十分になり、長期間の使用に耐え得る耐久性や耐衝撃性等が得られなくなる。このために、重量平均分子量が10000以上の熱可塑性樹脂をポッティング用樹脂として使用することが好ましい。
【0031】
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において、ポッティング用樹脂による中空糸膜の端部の相互間及びモジュールケースとの間の接着固定は、次のようにして行なわれる。例えば複数本の中空糸膜を綛取りして中空糸膜集束体となし、この中空糸膜集束体の少なくとも一方の端部を揃え、適宜接着剤や熱融着によって該集束体端部、及び中空糸膜開口部があるときにはその開口部の閉塞をも含めて、仮固定しても良い。
【0032】
或いは、1本又は複数本の中空糸膜が所定の長さで折り返され、その折り返されたループ状をなす隣接する端部の相互を糸条で拘束したシート状の中空糸膜編織物を、中空糸膜の配列方向と平行に簀巻き状に巻き束ねて、中空糸膜集束体にする。このようにシート状の中空糸膜編織物からなる中空糸膜を利用することにより、モジュールケース内にて均一に中空糸膜を配置することができるだけでなく、端部を揃えるための工程や開口部閉塞を目的とした仮固定工程等が不要となる。
【0033】
ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂をポッティング加工部に充填する操作は、中空糸膜を集束させて中空糸膜束にするのと同時であっても、或いは中空糸膜束を形成した後であってもよいが、ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂を、ポッティング加工部における中空糸膜束の外表面及び中空糸膜間に、均一に充填させればよい。
【0034】
ポッティング加工部に前記ポッティング用樹脂を充填した後には、そのまま加熱及び遠心力の付加を行なってもよいが、この加熱及び遠心力の付加に先立って、ポッティング加工部に熱可塑性樹脂と共に充填されている液体の一部を脱液することにより、効果的なポッティング加工を行なうことができる。つまり、ポッティング加工部に熱可塑性樹脂と共に充填されている液体の一部を予め脱液しておくことにより、加熱及び遠心力の付加工程で蒸発させる液体を最小限に抑えることができるためにエネルギー効率が改善され、液体が蒸発する時間を短縮させることができ、これによって生産性の向上を図ることが可能になる。
【0035】
ポッティング加工部に前記ポッティング用樹脂を充填した脱液は、ポッティング加工部にポッティング用樹脂を充填した中空糸束を、ウェスや紙等の上に垂直に立てて、ポッティング加工部の液体をウェスや紙に吸い取らせるようにすればよい。
【0036】
また、ポッティング加工部にポッティング用樹脂を充填した後に、ポッティング加工部の液体を強制的に蒸発させることによって完全に乾燥した状態にしてから、加熱及び遠心力の付与してポッティング加工を行なうのも好適な方法である。このように液体を完全に除去することにより、加工時間の短縮を図れるだけでなく、ポッティング加工時に液体が蒸発、気化するときの発泡に起因してポッティング部に生じる空洞の発生を防ぐことができ、更には、蒸発する液体を系外に排出する手段を遠心装置から省略することもできる。
【0037】
続いて、ポッティング加工部の中空糸膜間にポッティング用樹脂が均一に充填された中空糸膜束をモジュールケースに収納した後、該モジュールケースを加熱しながらポッティング部に遠心力が働くように回転させて、ポッティング加工部に加熱すると同時に遠心力を付加してポッティング加工を行なう。
【0038】
ポッティング加工時の加熱は、ポッティング加工部だけを局部的に加熱する方式を用いる。使用した中空糸膜の耐熱性による影響に限らないが、特に使用する中空糸膜の耐熱性が低く、加熱によって収縮、溶融、性能低下等を引き起こすようなときには、ポッティング加工部だけを局部的に加熱する必要がある。つまり中空糸膜の端面開口部を形成するために切除する部分を含めたポッティング加工部だけを局部的に加熱すると共に、遠心力の付与を行なうことが好ましい。
【0039】
ポッティング加工の際の加熱は、ポッティング加工部の端部では該ポッティング樹脂の融点以上で、かつ前記中空糸膜の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度とし、ポッティング加工部の中空糸膜生え際においては該ポッティング樹脂のビカット軟化点以上であって、しかも前記高温側一定温度よりも低い範囲内の低温側一定温度となるように、ポッティング加工部に温度勾配を有した温度分布にてポッティング加工部を加熱する。このように加熱することによって、中空糸膜の熱劣化又は多孔性を連続的に変化させることになり、ポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、化学的、物理的な侵襲に対して高い耐性を有し、中空糸膜の損傷等を防止することができる。
【0040】
ポッティング加工部に充填してあるポッティング用樹脂が液体との混合物からなるときには、ポッティング加工によって該混合物中の液体を完全に除去することが必要である。すなわち、ポッティング加工によって得られたポッティング部に液体が残存していると、この残存液体に起因するポッティング加工部の強度低下が生じたり、或いは残存液体が溶出したりして、モジュールの性能が低下することがある。
【0041】
従って、ポッティング加工部にポッティング用樹脂と共に充填された液体は、既述したとのとおり、ポッティング加工の際の加熱によって全て蒸発させる必要がある。なお、加熱及び遠心力の付加によるポッティング加工を行なう前に、ポッティング加工部の液体を完全に乾燥させてあれば、残存液体による上述の問題が発生せず、全く考慮する必要がなくなる。更に、ポッティング加工部だけを局部的に温度勾配を付けて加熱する方式において、加熱と同時にポッティング加工部に付与される遠心力は重力の10〜100倍の遠心力を付加する。
【0042】
図1及び図2は、ポッティング加工部に充填してあるポッティング用樹脂をポッティング加工部に温度勾配を有した温度分布にて加熱すると共に、該ポッティング加工部に遠心力を付加するポッティング加工を実施するときに使用する装置の一例を概要で示している図3は、温度勾配を有した温度分布を形成する加熱兼モジュールケース固定治具4の一例を概要で示している。また、図4は加熱兼モジュールケース固定治具4の温度勾配を有した温度分布の一例を説明するグラフである。
【0043】
図1に示すポッティング加工装置は、垂直に配された回転軸6と、該回転軸6に一端部が支持されて水平面に沿って回転するシャフト5と、このシャフト5の他端に固定された加熱兼モジュールケース固定治具4と、温度制御部12とを備えている。加熱兼モジュールケース固定治具4は、熱伝導性が良好な材質、例えば、金属材から形成された円筒体からなり、そのシャフト側の一面が開口している。このように円筒体の開口面には、特に限定するものではないが、保温材や加熱手段、冷却手段が取り付けられる。加熱兼モジュールケース固定治具4のモジュールケース固定部には、内部に熱可塑性樹脂製の中空糸膜1が収納され、しかも該中空糸膜1の片端部に相当するポッティング加工部3にポッティング用樹脂が充填されたモジュールケース2を固定する。
【0044】
加熱兼モジュールケース固定治具4の底壁部には、ポッティング樹脂を溶融する温度を検出するための底壁温度検出手段10が設けられ、加熱兼モジュールケース固定治具4の側壁部にも、同じくポッティング樹脂を溶融する温度を検出するための側壁温度検出手段11が設けられている。これらの底壁温度検出手段10及び側壁温度検出手段11は温度制御部12に接続されている。温度検出手段としては、熱電対や測温抵抗体を用いることができる。
【0045】
加熱兼モジュールケース固定治具4の外側には、加熱兼モジュールケース固定治具4の壁面の表面を覆うように加熱手段9が配設されている。加熱手段9は、加熱兼モジュールケース固定治具4の底壁部にて密な状態で配されるとともに、加熱兼モジュールケース固定治具4の側壁部の底壁側から開口部にかけて密な状態から順次疎な状態となるように配されている。
【0046】
加熱手段9にシーズヒータを用いることが好ましいが、特にシーズヒータに限定されるものではなく、温度調節された温水を送通させる加熱管なども採用できる。こらの加熱管は、温度勾配にあわせて層ごとに配設し、各層ごとに希望する温度勾配となるような温度調節された温水を送通させるようにする。また、図3に示すように、加熱兼モジュールケース固定治具4の側壁の底壁側から開口側の側壁にかけて同一温度の加熱手段9を配するとともに、開口側の側壁では加熱手段9の間に冷却手段13を配することもできる。冷却手段13には冷却水を送通させる冷却管などを採用できるが、これに限定されることなく、冷却できるものであれば良い。
【0047】
前記シーズヒータや加熱管により構成される加熱手段9は、温度制御部12を介してその温度制御が行われる。この加熱手段9に、回転軸6からシャフト5を経由して給電または温水を送通することにより温度を上昇させる。これにより、加熱兼モジュールケース固定治具4の内壁面と、中空糸膜1の外側部或いはモジュールケース2の外周面とが接触し、ポッティング加工部3のみを加熱溶融される。このとき、加熱手段9は加熱兼モジュールケース固定治具4の側壁のポッティング加工部3の端部から中空糸膜1の生え際にかけて密な状態から疎な状態となるように形成されている。
【0048】
その結果、図4に示すように、加熱兼モジュールケース固定治具4内で溶融されるポッティング樹脂は、ポッティング加工部の端部ではポッティング樹脂の融点以上であり、かつ中空糸膜の融点よりも低い範囲内における高温側の一定温度であり、中空糸膜1の生え際においてはポッティング樹脂のビカット軟化点以上であって、しかも高温側一定温度よりも低い範囲内で低温側一定温度となるような温度勾配を持った温度分布を保持してポッティング加工を行う。
【0049】
ここで、ビカット軟化点とは熱可塑性樹脂の軟化温度をいい、その測定方法としては加熱浴槽中の金属フレームに試験片を置き、中央部に先端を平坦に仕上げた直径1mmの針をのせ、針の上部に1kgの荷重を加えた状態で50±5℃/hrの速度で温度を上昇させ、針が1mm侵入した時の温度を測定する。
【0050】
なお、図1に示す実施形態では、一本のシャフト5を用いて、その一端部を回転軸6に固定するとともに、その他端部に加熱兼モジュールケース固定治具4を固定することにより、加熱兼モジュールケース固定治具4の回転半径を大きく取ることができ、その結果、ポッティング加工部3に大きな遠心力を与えることができる。
【0051】
図2は本発明の他の実施形態であるポッティング加工装置を概略で示している。このポッティング加工装置によれば、垂直に配された回転軸6の上端に水平に固設された回転板8の上面に上記加熱兼モジュールケース固定治具4と同一構造を有する一対の加熱兼モジュールケース固定治具4が、回転中心を挟んでその開口部を対向させて載置固定される。この一対の加熱兼モジュールケース固定治具4の開口部側のモジュールケース固定部に、ポッティング加工部3が両端に配されたモジュールケース2が水平に固定される。このモジュールケース2の内部には熱可塑性樹脂からなる中空糸膜1の束が収納されており、その中空糸膜1の両端部に相当するポッティング加工部3にポッティング用樹脂が充填されている。このポッティング加工装置によれば、中空糸膜1の両端部のポッティング加工部3を同時にポッティング加工でき、生産性の向上を図ることができる。
【0052】
前記ポッティング加工を行なうときに付与する遠心力が重力の10倍未満であると、特にモジュールケース内の中空糸膜1の本数が多い場合や中空糸膜1の充填率が高いときには、溶融したポッティング用樹脂の流動力が不足し、ポッティング加工部に発生している空隙をポッティング用樹脂をもって埋めつくすことが困難となり、形成されるポッティング部において中空糸膜相互の間に巣が発生する恐れがある。また、この遠心力が重力の100倍を超えると、得られるポッティング部において中空糸膜1が押し潰される恐れがある。このために、ポッティング加工を行なうときに付加する遠心力は、重力の10〜100倍にすることが必要であり、重力の20〜80倍にすることが好ましい。
【0053】
かくして、ポッティング加工部3に充填されたポッティング用樹脂を、ポッティング加工部の底壁部ではポッティング用樹脂の融点以上であって、かつ前記中空糸膜1の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度であり、ポッティング加工部3の中空糸膜生え際においては前記ポッティング樹脂のビカット軟化点以上であって、しかも前記高温側一定温度よりも低い範囲内の低温側一定温度となるように、ポッティング加工部3に温度勾配をもたせてポッティング加工部3を加熱すると共に、前記ポッティング加工部3に重力の10〜100倍の遠心力を付与して、ポッティング用樹脂を中空糸膜相互間に均一にかつ十分に行き渡らせた後、冷却することによりポッティング用樹脂を固化させる。冷却の方法は任意であり、急速冷却であっても、或いは除冷であってもよい。
【0054】
ポッティング用樹脂の冷却固化後、ポッティング加工がなされた中空糸膜の端面を常法によってカットして開口端面を形成し、目的とするポッティング部を得る。
【0055】
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、以上のとおりの構成を備えているため、中空糸膜1の熱劣化又は多孔性を連続的に変化させることができ、その結果、ポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、化学的、物理的な侵襲に対して高い耐性を有し、ポッティング加工部の中空糸膜相互の間へのポッティング用樹脂の侵入が極めて円滑になされる。そのため、モジュールケース内に収納してある熱可塑性樹脂製の中空糸膜の本数が多いときでも、或いは該中空糸膜の充填率が高いときであっても、良好なポッティング加工を行なうことができる。
【0056】
なお、上記特許文献1及び2に開示されたポッティング加工では、数百本程度の中空糸膜を充填した中空糸膜モジュールの加工例を示している。この程度の中空糸膜であれば、同特許文献に示されたポッティング条件下でも円滑なポッティング加工が可能になると思われるが、モジュールケース内にそれ以上の本数の中空糸膜を充填すると、中空糸膜間相互間にポッティング用樹脂が均一に浸入しにくくなるために、得られる中空糸膜モジュールのポッティング部に巣が形成される可能性が高くなる。
【0057】
これに対して、本実施形態による中空糸膜モジュールの製造方法では、ポッティング加工部に充填してあるポッティング用樹脂の加熱に上述のような温度勾配をつけるとともに、ポッティング加工部に遠心力を付与しているので、溶融したポッティング用樹脂をポッティング加工部の中空糸膜間に発生する空隙に中空糸膜を圧潰することなく円滑に侵入させることができ、これによって、モジュールケース内に多数本の中空糸膜が充填されていても、或いは中空糸膜の充填率が高くても、良好なポッティング部を形成することができる。
【0058】
しかして、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法においては、モジュールケース内の中空糸膜の本数が1000〜100000本程度とすることができ、またポッティング加工部の中空糸膜の充填率を20〜60%程度とすることができる。なお、中空糸膜の太さについては特にこだわるものではないが、中空糸膜の外径が細いと中空糸膜間の隙間が小さくなって、ポッティング用樹脂が浸入しにくくなる。また中空糸膜の外径が太すぎると、多数本の中空糸膜によるモジュールにしたときのモジュール全体のサイズが大きくなり、ポッティング加工部の容積も大きくなるために、ポッティング加工時の収縮による寸法精度の低下が生じる。このために、中空糸膜の外径は、100〜2000μm程度とする。
【実施例】
【0059】
以下、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の具体的な構成を、実施例及び比較例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
均質な中間層の両側を多孔質支持層によって挟み込んである三層の複合中空糸膜であって、均質な中間層が直鎖状低密度ポリエチレンによって形成されており、多孔質支持層が高密度ポリエチレン樹脂(融点:133℃)によって形成された外径280μm、内径200μmの複合中空糸膜32本を1束として、連続的に所定の長さで規則正しく折り返し、その折り返された隣り合う端部の相互を糸で拘束して、合計260束、8320本の中空糸膜を有するシート状の中空糸膜編織物を形成した後、中空糸膜の両端部のポッティング加工部に、ポリエチレン微粉末からなるポッティング用樹脂とエタノールとのペーストを、均一に塗布した。
【0060】
本実施例では、前記ポッティング用樹脂として使用したポリエチレン微粉末(融点:102℃、ビカット軟化点:76℃)は、重量平均分子量120000のポリエチレン樹脂の球状微粉末(平均粒子径:20μm)であり、このポリエチレン微粉末の濃度45wt%のペーストを調製した。
【0061】
次いで、前記中空糸膜編織物を中空糸膜の配列方向に簾巻き状に巻き、これを高密度ポリエチレン製のモジュールケース内に挿入した。このときのモジュールケース内の中空糸膜の充填率は45%であった。然る後に、前記中空糸膜が収納されているモジュールケースを、図1に示すポッティング加工装置の加熱兼モジュールケース固定治具4のモジュールケース固定部に固定し、ポッティング加工部3のみをそのポッティングケースの外側から加熱しながら回転軸6を回転させて、ポッティング加工部3に遠心力を付与して、ポッティング加工を行なった。
【0062】
なお、このポッティング加工の際の加熱温度は、ポッティング加工部の端部ではポッティング用樹脂の融点以上であって、しかも中空糸膜の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度である110℃、ポッティング加工部3の中空糸膜生え際においてはポッティング樹脂のビカット軟化点以上であって、しかも前記高温側一定温度よりも低い範囲内の低温側一定温度となる80℃の温度勾配を有した温度分布にてポッティング加工部3を加熱するとともに、ポッティング加工部3に加わる遠心力を重力の32倍にして、4時間の加熱及び遠心力の付加を行なった。
【0063】
続いて、もう一方の端部のポッティング加工部の加熱及び遠心力の付与を同様にして行ない、室温まで徐冷した後に、ポッティング加工した部分の中空糸膜の端部を常法によって切断して開口部を形成することにより、中空糸膜モジュールを得た。
【0064】
得られた中空糸膜モジュールは、液体中からの気体の分離や、液体に気体を溶解させたりする用途に用いることができ、中空糸膜の熱劣化又は多孔性を連続的に変化させることにより、ポッティング部に埋没する生え際部分の柔軟性を低下させることなく、ポッティング部3では一次側と二次側ともに密にシールされており、リークはなかった。
【0065】
また、中空糸膜の両端の開口部から、0.5MPaの水圧を10秒間加えた後10秒間開放するというサイクルの繰り返し加圧試験を行なったところ、100,000回の繰り返しによっても、ポッティング部でのポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生、ポッティング部に埋没する生え際部分の損傷は皆無であった。
【0066】
〔比較例1〕
ポッティング加工の際にポッティング加工部の加熱をポッティング加工部の端部からポッティング加工部の中空糸膜生え際までの温度を均一に110℃とする以外は全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施すことにより、比較のための中空糸膜モジュールを得た。
【0067】
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、中空糸膜モジュールのポッティング部の中空糸生え際部分に損傷が発生し、水漏れが確認された。
【0068】
〔比較例2〕
ポッティング加工の際にポッティング加工部に加わる遠心力を重力の5倍にする以外は、全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施して、比較のための中空糸膜モジュールを得た。
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、中空糸膜モジュールの端面部からの水漏れがあり、ポッティング部に一次側と二次側とが連通する巣の存在が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の中空糸膜モジュールの製造方法に適用されるポッティング加工装置の代表的な実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の中空糸膜モジュールの製造方法に適用されるポッティング加工装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の中空糸膜モジュールの製造方法に適用される加熱兼モジュールケース固定治具の一例を概要で示す構成図である。
【図4】本発明の中空糸膜モジュールの製造方法における、ポッティング加工部を温度勾配をもって加熱するときの加熱兼モジュールケース固定治具の温度分布の一例を示す温度分布図である。
【符号の説明】
【0070】
1 中空糸膜
2 モジュールケース
3 ポッティング加工部(ポッティング用樹脂塗布部)
4 加熱兼モジュールケース固定治具
5 シャフト
6 回転軸
8 回転板
9 加熱手段
10 底壁温度検出手段
11 側壁温度検出手段
12 温度制御部
13 冷却手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールケース内に収納してある熱可塑性樹脂製の中空糸膜の片端或いは両端を、他の熱可塑性樹脂からなるポッティング用樹脂により、中空糸膜及びモジュールケース相互を加熱溶着するポッティング加工を行ない中空糸膜モジュールを製造する方法において、
上記加熱溶着にあたり、前記ポッティング加工部の端部を前記ポッティング樹脂の融点以上で、かつ前記中空糸膜の融点よりも低い範囲内の高温側一定温度とし、ポッティング加工部の中空糸膜生え際において該ポッティング樹脂のビカット軟化点以上で、かつ前記高温側一定温度よりも低い温度範囲内の低温側一定温度として、前記ポッティング加工部に温度勾配を有する温度分布にてポッティング加工部を加熱してポッティング部を形成することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記ポッティング加工部に重力の10〜100倍の遠心力を付加してポッティング部を形成することを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項3】
モジュールケース内に収納される熱可塑性樹脂製の中空糸膜の本数を1000〜100000とし、前記ポッティング加工部の中空糸膜の充填率を20〜60%にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項4】
モジュールケース内に収納してある熱可塑性樹脂製の中空糸膜が、1本或いは複数本の中空糸膜が所定の長さで折り返され、その折り返されたループ状をなす隣接する端部の相互を糸条で拘束してなるシート状の中空糸膜編織物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−289156(P2006−289156A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109066(P2005−109066)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】