説明

中継ノードの状態管理方法及びシステム

【解決手段】本発明は中継ノードの状態管理方法及びシステムを開示する。当該方法は、中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は中継ノードが中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を基地局に送信した後、中継ノードがユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信分野に関し、特に、中継ノードの状態管理方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域、高速移動アクセスへの増加する要求を満たすために、第三世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)がロングタームエボリューションアドバンスト(Long-Term Evolution advanced:LTE-Advanced)標準を提案した。
【0003】
LTE-Advancedは、周波数スペクトルの利用効率を向上させて、システム容量を増やすなどの目的を達するために、ロングタームエボリューション(Long-Term Evolution:LTE)に対して、LTEの根本を維持し、この基礎の上に、一連の技術を採用して周波数領域、空間領域に対する拡張を行う。
【0004】
無線中継(Relay)技術は、すなわち、LTE-Advancedで使用される技術の一つであり、セルの範囲を広げること、通信における通信不能領域を低減すること、負荷を均等にすること、混雑領域のサービスを改善すること、ユーザ装置(User Equipment:UE)の通信パワーを省くことを目的としている。
【0005】
図1に示すように、複数の新しい中継ノードが既存の基地局(Donor-eNB)とユーザ装置(UE)との間に追加される。これらの新規な中継ノード(Relay Node:RN)は、基地局(Donor−eNB)との間で無線で接続される。ここで、基地局(Donor−eNB)と中継ノード(RN)との間の無線リンクはバックホールリンク(backhaul link)と称され、中継ノード(RN)とユーザ装置(UE)との間の無線リンクはアクセスリンク(access link)と称される。
【0006】
ダウンリンクデータはまず基地局(Donor−eNB)に伝送され、そして中継ノード(RN)に伝送され、中継ノード(RN)によってユーザ装置(UE)に伝送される。アップリンクはこの逆である。
【0007】
バックホールリンクのリソースを構成するために、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(Relay−node Physical Downlink Control CHannel:R−PDCCH)、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(Relay−node Physical Downlink Shared CHannel:R−PDSCH)及び中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(Relay−node Physical Uplink Shared CHannel:R−PUSCH)が定義された。
【0008】
中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャンネル(R−PDCCH)のチャネルリソースは、バックホールリンクのダウンリンクで伝送されるサブフレームにおける物理リソースブロック(Physical Resource Block:PRB)の一部でもよく、バックホールリンクのダウンリンクで伝送されるサブフレームにおけるOFDM(orthogonal frequency−division multiplexing)信号の一部又は全部でもよい。
【0009】
基地局(Donor−eNB)は中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)に、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)リソース及び中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(R−PUSCH)リソースを動的又は準静的に割り当てる。ここで、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDSCH)リソースはバックホールリンクのダウンリンクデータを伝送することに用いられ、中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(R−PUSCH)リソースはバックホールリンクのアップリンクデータを伝送することに用いられる。
【0010】
中継ノード(RN)は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)における基地局(Donor−eNB)によって通知されたダウンリンク割り当て(即ちPDSCHリソース)及びアップリンクグラント(即ちPUCCH及び/又はPUSCHリソース)等を監視できる。これにより中継ノード(RN)は、対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)において、自己と基地局(Donor−eNB)との間のデータ伝送を実現することができる。
【0011】
中継ノード(RN)は中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)における基地局(Donor−eNB)によって通知されたダウンリンク割り当て(即ちR−PDSCHリソース)及びアップリンクグラント等も監視できる。これにより、中継ノード(RN)は、対応する中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)及び中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(R−PUSCH)において、自己と基地局(Donor−eNB)との間の伝送を実現することができる。
【0012】
さらに中継ノード(RN)は、アクセスリンクの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において、ダウンリンク割り当て及びアップリンクグラント等を指示することができる。これにより、中継ノード(RN)は、対応する物理ダウンリンク制御チャネル(PDSCH)及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)において、自己とユーザ装置(UE)との間の伝送を実現する。このようにして、中継ノード(RN)は、自己と基地局(Donor−eNB)との間の伝送の衝突と、自己とユーザ装置(UE)との間の伝送の衝突とを回避できる。
【0013】
中継ノード(RN)は以下の状態のうちいずれか1つの状態であり得る。
【0014】
アイドル状態:中継ノード(RN)は、パワーオン当初や無線リンク再確立が失敗した後にはアイドル状態にある。中継ノード(RN)は、アイドル状態にある時には、アイドル状態にあるユーザ装置(UE)と完全に又は部分的に同じ機能、例えば、システム情報取得機能、測定機能及びセル選択/再選択機能等を有する。
【0015】
ユーザ装置(UE)としての接続状態:中継ノード(RN)がユーザ装置(UE)としての接続状態にある時には、接続状態にあるユーザ装置(UE)と完全に又は部分的に同じ機能、例えば、システム情報取得機能、測定機能、報告機能、切り替え機能、基地局(Donor−eNB)と中継ノード(RN)との間に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介してデータ伝送を行う機能等を有する。中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態にあるときには中継機能を有さず、即ちユーザ装置(UE)が当該中継ノード(RN)を介してネットワークにアクセスすることができない。
【0016】
中継機能イネーブル(使用可能)接続状態:中継ノード(RN)はこの状態にある場合には中継機能を有し、即ち、中継ノード(RN)は、自己と基地局(Donor−eNB))との間、及び自己とその管理するユーザ装置(UE)との間にデータ伝送を行う中継機能を有する。
【0017】
具体的には、基地局(Donor−eNB)と中継ノード(RN)との間において、中継機能には、システム情報取得機能、測定及び測定レポートの報告機能、切り替え機能、並びに中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)及び中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)又は中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(R−PUSCH)を介してデータ伝送を行う機能等が含まれる。
【0018】
中継ノード(RN)は、中継機能イネーブル接続状態にある場合に、この中継ノード(RN)に属するセルやそのセル中のユーザ装置(UE)を管理できる。中継ノード(RN)とユーザ装置(UE)との間において、中継機能には、中継ノード(RN)のシステム情報の送信機能、ユーザ装置(UE)の測定プロセス及び切り替えプロセスの管理機能、並びに中継ノード(RN)とユーザ装置(UE)との間に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)又は物理アップリング共有チャネル(PUSCH)を介してデータ伝送を行う機能やその他の機能が含まれる。
【0019】
中継ノード(RN)は、無線リソース制御(RRC)接続確立プロセスを介して、アイドル状態からユーザ装置(UE)としての接続状態への遷移を完了することができ、無線リソース制御(RRC)接続解除プロセスを介して、ユーザ装置(UE)としての接続状態からアイドル状態への遷移を完了することができる。
【0020】
中継ノードのアクセスプロセスは以下の内容を含む。
【0021】
(1)中継ノード(RN)はパワーオン当初、セル検索を実行し、基地局(Donor−eNB)におけるセルを選択し、そのシステム情報を読み取る。この時、中継ノード(RN)はアイドル状態にある。中継ノード(RN)の主な役割はそのカバレッジ領域におけるユーザ装置(UE)にサービスを提供することであるため、中継ノード(RN)がアイドル状態にある時間はとても短い。
【0022】
(2)この中継ノード(RN)はシステム情報におけるランダムアクセスリソースに応じてランダムアクセスプレフィックスを選択し、ランダムアクセスを開始させて、無線リソース制御(RRC)接続を確立する。そして、ネットワーク側が無線リソース制御(RRC)接続に対して認証と暗号化を行い、認証と暗号化が成功した後、無線リソース制御(RRC)接続再構成を介してデータ伝送のためのデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)をこの中継ノード(RN)に構成する。
【0023】
このプロセスでは、中継ノード(RN)が開始したランダムアクセスが成功した場合、この中継ノード(RN)はユーザ装置(UE)としての接続状態にあり、この中継ノード(RN)は基地局(Donor−eNB)から送信された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視する必要がある。また、中継ノード(RN)は基地局(Donor−eNB)によってこの中継ノード(RN)に割り当てられた無線ネットワーク一時識別子((Radio Network Temporary Identifier:RNTI)、セルRNTI、SPS RNTI等を含んでよい)に応じて、同一サブフレームにおける自己の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び/又は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を検出する必要がある。
【0024】
中継ノード(RN)は、無線インターフェース信号を介して、一般的なユーザ装置(UE)ではなく中継ノード(RN)がアクセスしているという情報を基地局(Donor−eNB)に通知してもよい。また、中継ノード(RN)は、コアネットワーク又はO&M(Operation & Maintenance)システムを介した中継ノード(RN)の認証によって、中継ノード(RN)のアクセス情報を取得してもよい。
【0025】
(3)中継ノード(RN)がデータ無線ベアラ(DRB)を確立した後、O&Mシステムは、中継ノード(RN)が中継機能を実現し、そのカバレッジ領域におけるユーザ装置(UE)にサービスを提供できるように、中継ノード(RN)に構成データを送信する。
【0026】
ダウンロードされた構成データは、中継ノード(RN)が自己のシステム情報を構成するためのパラメータ情報、例えばトラッキングエリアコード(trackingAreaCode)、セル識別子(Cell Identity)やセル選択/再選択パラメータを含む。
【0027】
ダウンロードされた構成データは、さらに、中継機能イネーブル接続状態にある中継ノード(RN)によって要求された構成パラメータ、例えば中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)構成情報、中継ノード専用物理アップリング共有チャネル(R−PUSCH構成情報)、中継ノード(RN)のための専用スケジュール要求(SchedulingRequest)構成情報、中継ノード(RN)をスケジュールするためのサブフレーム情報(アクセスリンクの疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレームに対応)や中継ノード(RN)固有識別子等を含んでもよい。
【0028】
中継ノード(RN)は、これら構成情報を取得した後、中継機能によるセルサービスの提供の準備のために必要なパラメータを初期化する。更に、中継ノード(RN)は関連するカウンタ、状態変数、合理的構成により提供されたセルのシステム情報等を初期化する必要がある。
【0029】
アクセスリンクとバックホールリンクが同一の周波数バンドを共有する場合には、中継ノード(RN)は基地局(Donor−eNB)との接続(バックホールリンクにおけるアップリンクデータ交換とダウンリンクデータ交換)を維持する必要があり、同時に、中継ノード(RN)はユーザ装置(UE)との接続(アクセスリンクにおけるアップリンクデータ交換とダウンリンクデータ交換)を維持する必要がある。これにより中継ノード(RN)は処理の衝突を引き起こしてしまう。
【0030】
この衝突を解決するために、疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(Fake Multicast Broadcast Single Frequency Network:FMBSFN)サブフレームが提案されている。
【0031】
疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレームでは、中継ノード(RN)は、アクセスリンクにおいてユーザ装置(UE)に信号を送信することなく、基地局(Donor−eNB)とデータ交換を行う。また、中継ノード(RN)は、疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレーム情報を発信する。これにより、ユーザ装置(UE)は、当該サブフレームにおいて中継ノード(RN)から送信される信号を監視できなくなる。
【0032】
中継ノード(RN)が疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)において中継機能イネーブル接続状態にある場合に、基地局(Donor−eNB)は中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して中継ノード(RN)に対してスケジュールを行う。
【0033】
しかしながら、既存技術においては、当初のユーザ装置(UE)としての接続状態から通常の動作状態(又は中継機能イネーブル接続状態)に中継ノード(RN)をどのように遷移させるかということについて効果的な解決策がない。
【0034】
ひとつの簡単な方法は基地局(Donor−eNB)が専用信号を経由して中継ノード(RN)の状態変化を特別に制御することである。しかしながら、この方法では、従来のプロトコルにおけるインターフェースシグナリングを変更する必要があり、同時に、この方法では、中継ノード(RN)のローカルパラメータ構成の処理遅延が考慮されていないため、新たな解決策を提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
本発明が解決しようとする技術問題は、基地局(Donor−eNB)から中継ノード(RN)の状態制御が可能であり、システムパフォーマンスを改善することが可能であり、かつ、既存のプロトコルと互換性を有する中継ノード(RN)の状態管理方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記課題を解決するために、本発明は中継ノードの状態管理方法を提供する。前記方法は、中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は、前記中継ノードが中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を前記基地局に送信した後、前記中継ノードは、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するステップを含む。
中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得し、又は、基地局に中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を送信した後、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態へ状態遷移することを含む。
【0037】
基地局が、前記中継ノードがユーザ装置としての接続状態への遷移を取得する時刻を開始時刻とし、システムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールするを開始するステップを更に含む。
前記中継ノードは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを自動検出し、前記中継ノードに対して前記基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を検出した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する。
【0038】
上記状態管理方法は、
前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップ、又は、前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、その後状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返すステップ、又は、前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して中前記継ノードをスケジュールするステップ、又は、前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、前記状態切り替え要求に含まれる開始時刻情報によって指定された時刻に、中継ノード専用物理ダウンリング制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップをさらに含む。
【0039】
前記中継ノードは、前記基地局から送信された状態切り替え要求応答メッセージを受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する。
【0040】
前記中継ノードは、基地局から送信された、中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する。
【0041】
上記状態管理方法は、
前記基地局が、前記中継ノードに中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップを更に含む。
【0042】
中継機能構成パラメータは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル構成情報、中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル構成情報、中継ノード専用のスケジュール要求の構成情報、中継ノードをスケジュールするためのサブフレーム情報及び中継ノード識別子のうち1つ以上のパラメータを含む。
【0043】
上記方法は、
前記中継ノードが、ユーザ装置としての接続状態にある場合に、基地局から送信された物理ダウンリンク制御チャネル情報を監視するステップを更に含む。
【0044】
上記状態管理方法は、
前記中継ノードが、中継機能イネーブル接続状態にある場合に、基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を監視するステップを更に含む。
【0045】
上記技術問題を解決するために、本発明は、基地局と中継ノードとを含む中継ノードの状態管理システムを更に提供する。前記中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は、中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を前記基地局に送信した後、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0046】
前記基地局は、前記中継ノードがユーザ装置としての接続状態への遷移を取得する時刻を、開始時刻とし、システムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始し、前記中継ノードは、更に、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを自動検出し、前記中継ノードに対して前記基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を検出した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得するように更に設定される。
【0047】
前記基地局は、前記中継ノードから送信された前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、又は、前記中継ノードから送信された前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、その後状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返し、又は、前記状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、又は、前記状態切り替え要求を受信した後、受信された前記状態切り替え要求を解析して開始時刻情報を取得し、開始時刻情報によって示された時刻から、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始し、且つ中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始した後、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返し、前記中継ノードは、更に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールする時刻を指定する時刻情報を、前記基地局に送信する状態切り替え要求に含め、又は、前記状態切り替え要求応答メッセージを受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得するように更に設定される。
【0048】
前記基地局は、前記中継ノードに中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、前記中継ノードは、更に、前記基地局から送信された、中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する。
【0049】
本発明では、既存のプロトコルとの互換性を維持することを前提として、基地局が中継ノードの状態を制御し、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて中継ノードをスケジュールする開始時刻を確定し、そして、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するように中継ノードを制御することができる。本発明では、既存のプロトコルに対する変更が小さく、且つ実現が簡単で、構成が柔軟である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来の技術において無線中継技術を用いるシステムの構造模式図である。
【図2】実施形態における中継ノードの状態管理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
中継ノード(RN)の状態管理システムは基地局(Donor−eNB)と中継ノード(RN)とを含む。中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態にある場合には、基地局(Donor−eNB)が送信した物理ダウンリンク制御チャネル情報(PDCCH)を監視し、中継機能イネーブル接続状態にある場合には、基地局(Donor−eNB)が送信した中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)情報を監視する。中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は、中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を基地局(Donor−eNB)に送信した後、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0052】
第1の実施形態では、基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)がユーザ装置(UE)としての接続状態に遷移したことを取得した時刻を開始時刻とし、そしてシステムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いてこの中継ノード(RN)のスケジュールを開始する。
【0053】
中継ノード(RN)は、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を自動検出する。そして、当該中継ノード(RN)に対して基地局(Donor−eNB)から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)情報を検出した際に、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いてこの中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得する。続いて中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0054】
第2の実施形態では、基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)から送信された状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介してこの中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0055】
又は、基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)から送信された状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介してこの中継ノード(RN)をスケジュールすると共に状態切り替え要求応答メッセージを中継ノード(RN)に返す。
【0056】
又は、基地局(Donor−eNB)は、状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを当該中継ノード(RN)に返した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0057】
中継ノード(RN)は、状態切り替え要求応答メッセージを受信した際に、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得し、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0058】
第2の実施形態の別の実行方式では、中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールする時刻を指定する開始時刻情報を、基地局(Donor−eNB)に送信する状態切り替え要求に含める。
【0059】
基地局(Donor−eNB)は、状態切り替え要求を受信すると、受信した状態切り替え要求を解析して開始時刻情報を取得し、当該開始時刻情報によって指定された時刻から、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールすることを開始する。そして、基地局(Donor−eNB)は、状態切り替え要求応答メッセージを中継ノード(RN)に返す。
【0060】
中継ノード(RN)は、さらに、状態切り替え要求応答メッセージを受信すると、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得する。中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UR)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0061】
第3の実施形態では、基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)に中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して当該中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0062】
中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)から送信された中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信すると、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得する。そして中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0063】
中継機能構成パラメータは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)構成情報、中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル(R−PUSCH)構成情報、中継ノード(RN)専用のスケジュール要求の構成情報、中継ノードをスケジュールするためのサブフレーム情報及び中継ノード識別子のうち1つ以上のパラメータを含む。
【0064】
図2に示すように、中継ノード(RN)の状態管理方法は、中継ノード(RN)が、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得した後、又は中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を当該基地局(Donor−eNB)に送信した後、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するステップを含む。
【0065】
以下、複数の実施形態を介して本方法を詳しく説明する。
【0066】
[第1の実施形態]
中継ノード(RN)の状態管理方法は以下のステップを含む。
【0067】
(ステップ101)
基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)がユーザ装置(UE)としての接続状態に遷移したことを取得した時刻を、開始時刻とする。そして基地局(Donor−eNB)は、システムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)のスケジュールを開始する。
【0068】
中継ノード(RN)が異なると、処理能力、提供するカバレッジ領域、適用状況が異なる可能性があり中継ノード(RN)が初期化を完了する具体的な時間の差異も大きい可能性がある。システムによって設定された時間又はデフォルトの時間は一般的に経験に基づいた値であり、中継ノード(RN)が初期化の動作を完了するのに必要な時間である。
【0069】
(ステップ102)
中継ノード(RN)は、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を自動検出すると、当該中継ノード(RN)に対して基地局(Donor−eNB)から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)情報(基地局(Donor−eNB)は、異なる中継ノードに異なる識別子を割り当てる)を検出したときに、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得する。そして中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態(PDCCHの監視)から中継機能イネーブル接続状態(R−PDCCHの監視)に遷移する。
【0070】
中継ノード(RN)は、初期化を完了した後、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を同時に監視できる。中継ノード(RN)は、O&Mシステムから必要な構成(FMBSFN構成情報及びR−PDCCH構成情報を含む)をダウンロードした後、通常のユーザ装置(UE)とは異なり、VOIP、インターネット等の求められるサービスに参加しない。
【0071】
このため、中継ノード(RN)は、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)のみを監視すればよい。中継ノード(RN)は、自己のための中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)情報を自動検出すると、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移することができる。
【0072】
中継ノード(RN)は、自己に対して送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)情報を検出しない場合、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)情報の検出を続ける。
【0073】
中継ノード(RN)は、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を自動検出する前に、基地局(Donor−eNB)又はO&Mシステムから中継機能構成パラメータを取得している。この中継機能構成パラメータも、基地局(Donor−eNB)によって無線リソース制御(RRC)接続再構成のような無線インターフェースシグナリングを介して、中継ノード(RN)に送信されてもよい。
【0074】
中継機能構成パラメータは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)構成情報、中継ノード専用物理アップリング共有チャネル(R−PUSCH)構成情報、中継ノード(RN)専用のスケジュール要求(Scheduling Request)の構成情報、中継ノード(RN)をスケジュールするためのサブフレーム情報(アクセスリンクにおける疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレームに対応)、中継ノード識別子(中継ノード(RN)の無線ネットワーク一時識別子(RN−RNTI))の中の1つ以上のパラメータを含む。
【0075】
(ステップ103)
中継ノード(RN)は、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)によって指定されたアップリンクグラントにおいて基地局(Donor−eNB)に情報を送信する。又は、中継ノード(RN)は、直接に基地局(Donor−eNB)対して確認情報を(無線リソース制御(RRC)シグナリングやMAC層制御シグナリング等の無線インターフェイスシグナリングを介して)返信し、当該中継ノード(RN)が中継機能イネーブル接続状態に遷移していることを基地局(Donor−eNB)に通知する。
【0076】
その後、基地局(Donor−eNB)は中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して当該中継ノード(RN)をスケジュールし、中継ノード(RN)はそのカバレッジ領域内のユーザ装置(UE)にサービスを提供する。
【0077】
[第2の実施形態]
中継ノード(RN)の状態管理方法は以下のステップを含む。
【0078】
(ステップ201)
中継ノード(RN)は、中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を基地局(Donor−eNB)に送信する。
【0079】
中継ノード(RN)は、自己の初期化が完了した後、中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を基地局(Donor−eNB)に送信してもよい。
【0080】
中継ノード(RN)は状態切り替え要求を送信する前に、基地局(Donor−eNB)又はO&Mシステムを介して中継機能構成パラメータを取得している。この中継機能構成パラメータも、基地局(Donor−eNB)から中継ノード(RN)に、無線リソース(RRC)接続再構成のような無線インターフェースシグナリングを介して送信してもよい。
【0081】
中継機能構成パラメータは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)構成情報、中継ノード専用物理アップリング共有チャネル(R−PUSCH)構成情報、中継ノード専用のスケジュール要求(Scheduling Request)の構成情報、中継ノードをスケジュールするためのサブフレーム情報(アクセスリンクにおける疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレームに対応)、中継ノード識別子(又は中継ノードの無線ネットワーク一時識別子(RN−RNTI))の中の1つ以上のパラメータを含む。
【0082】
(ステップ202)
基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)から送信された状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して中継ノード(RN)をスケジュールし、当該中継ノード(RN)に状態切り替え要求応答メッセージを返す。
【0083】
又は、その他の実行方式では、中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールする時刻を指定するための開始時刻情報を、基地局(Donor−eNB)に送信する状態切り替え要求に含める。
【0084】
基地局(Donor−eNB)は、状態切り替え要求を受信すると、状態切り替え要求を解析して開始時刻情報を取得し、当該開始時刻情報によって指定された時刻から、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)のスケジュールを開始する。
【0085】
この開始時間情報は、絶対的な時刻の情報でもよく、相対的な時刻の情報でもよい。例えば、要求に10ミリ秒の遅延情報(相対時間)が含まれている場合、基地局(Donor−eNB)は当該要求を受信した後、第10ミリ秒に、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールする。又は基地局(Donor−eNB)は、次の10ミリ秒経過後に中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0086】
その後、基地局(Donor−eNB)は継続して中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールし、当該中継ノード(RN)はそのカバレッジ領域内におけるユーザ装置(UE)にサービスを提供する。
【0087】
(ステップ203)
中継ノード(RN)は、状態切り替え要求応答メッセージを受信した際に、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノードをスケジュールするという情報を取得する。中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移し、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)の検出を開始する。
【0088】
本実施形態の他の実行方式では、基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)から送信された状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールする。基地局(Donor−eNB)は、状態切り替え要求応答メッセージが中継ノード(RN)から返信されない場合、又は、中継ノード(RN)から送信された状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを当該中継ノード(RN)に返した場合、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0089】
[第3の実施形態]
中継ノードの状態管理方法は以下のステップを含む。
【0090】
(ステップ301)
基地局(Donor−eNB)は、中継ノード(RN)に中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を介して中継ノード(RN)をスケジュールする。
【0091】
基地局(Donor−eNB)は、中継機能構成パラメータを構成し、無線リソース制御(RRC)シグナリングのような無線インターフェースシグナリングを介して中継ノード(RN)に送信する。
【0092】
中継機能構成パラメータは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル(R−PDSCH)構成情報、中継ノード専用物理アップリング共有チャネル(R−PUSCH)構成情報、中継ノード専用のスケジュール要求(Scheduling Request)の構成情報、中継ノードをスケジュールするためのサブフレーム情報(アクセスリンクにおける疑似マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(FMBSFN)サブフレームに対応)、中継ノード識別子(又は無線ネットワーク一時識別子(RN−RNTI))の中の1つ以上のパラメータを含む。
【0093】
(ステップ302)
中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)から送信された中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信すると、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて当該中継ノード(RN)をスケジュールするという情報を取得する。そして中継ノード(RN)は、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0094】
本実施形態では、デフォルト構成の方式を用いる。即ち中継ノード(RN)は、無線インターフェースシグナリングを介して当該中継ノード(RN)の特定の構成パラメータの一部又は全部を取得した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)の監視を開始する。
【0095】
中継ノード(RN)は、そのカバレッジ領域内のユーザ装置(UE)にサービスを提供する必要があるため、基地局(Donor−eNB)を介してコアネットワークとS1インターフェースを確立する必要がある。
【0096】
中継ノード(RN)が基地局(Donor−eNB)にS1設定要求(S1 Setup Request)を送信すると、基地局(Donor−eNB)はコアネットワークに基地局(Donor−eNB)構成更新を送信して、S1インターフェースの変更をコアネットワークに通知する。コアネットワークは、基地局(Donor−eNB)構成更新確認を基地局(Donor−eNB)に送信すると、基地局(Donor−eNB)はS1設定応答(S1 Setup Response)を中継ノード(RN)に送信する。
【0097】
本実施形態と同じ処理方法を用いて、中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)から送信されたS1設定応答を受信した後(この前に基地局(Donor−eNB)は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールする)、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)の監視を開始し、ユーザ装置)UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する。
【0098】
その後、中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)との接続を維持しながら、そのカバレッジ領域内のユーザ装置(UE)にサービスを提供する。
【0099】
上記方式以外に、中継ノード(RN)は、基地局(Donor−eNB)から送信された特定シグナリングを受信した場合に、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移してもよい。
【0100】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとっては、本発明に基づく種々の変更と変形が可能である。本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく実行されたあらゆる修正、同等の置換及び改良等は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明では、既存のプロトコルとの互換性を維持することを前提として、基地局(Donor−eNB)が中継ノード(RN)の状態を制御し、基地局(Donor−eNB)が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル(R−PDCCH)を用いて中継ノード(RN)をスケジュールする開始時刻を規定し、そして、基地局(Donor−eNB)が、ユーザ装置(UE)としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するように中継ノード(RN)を制御することができる。本発明では、既存のプロトコルに対する変更が小さく、且つ実現が簡単で、構成が柔軟である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継ノードの状態管理方法であって、
中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は、前記中継ノードが中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を前記基地局に送信した後、前記中継ノードは、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移するステップ
を含む中継ノードの状態管理方法。
【請求項2】
前記基地局が、前記中継ノードがユーザ装置としての接続状態への遷移を取得する時刻を開始時刻とし、システムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始するステップ
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中継ノードは、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを自動検出し、前記中継ノードに対して前記基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を検出した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップ、又は、
前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、その後状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返すステップ、又は、
前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップ、又は、
前記基地局が、前記状態切り替え要求を受信した後、前記状態切り替え要求に含まれる開始時刻情報によって指定された時刻に、中継ノード専用物理ダウンリング制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップ
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中継ノードは、前記基地局から送信された状態切り替え要求応答メッセージを受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記中継ノードは、基地局から送信された中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局が、前記中継ノードに中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールするステップ
を更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記中継機能構成パラメータは、
中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル構成情報、中継ノード専用物理ダウンリンク共有チャネル構成情報、中継ノード専用物理アップリンク共有チャネル構成情報、中継ノード専用のスケジュール要求の構成情報、中継ノードをスケジュールするためのサブフレーム情報及び中継ノード識別子のうち1つ以上のパラメータを含む
請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記中継ノードが、ユーザ装置としての接続状態にある場合に、前記基地局から送信された物理ダウンリンク制御チャネル情報を監視するステップ
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記中継ノードが、中継機能イネーブル接続状態にある場合に、前記基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を監視するステップ
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基地局と中継ノードとを含む、中継ノードの状態管理システムであって、
前記中継ノードが、基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得した後、又は、前記中継ノードが中継機能イネーブル接続状態への遷移を要求する状態切り替え要求を前記基地局に送信した後、前記中継ノードは、ユーザ装置としての接続状態から中継機能イネーブル接続状態に遷移する
中継ノードの状態管理システム。
【請求項12】
前記基地局は、前記中継ノードがユーザ装置としての接続状態への遷移を取得する時刻を開始時刻とし、システムによって設定された時間又はデフォルトの時間を経た後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始し、
前記中継ノードは、更に、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを自動検出し、前記中継ノードに対して前記基地局から送信された中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネル情報を検出した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記基地局は、
前記中継ノードから送信された前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、又は、
前記中継ノードから送信された前記状態切り替え要求を受信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、その後状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返し、又は、
前記状態切り替え要求を受信し、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、又は、
前記状態切り替え要求を受信した後、受信された前記状態切り替え要求を解析して開始時刻情報を取得し、開始時刻情報によって指定された時刻から、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始し、且つ中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードのスケジュールを開始した後、状態切り替え要求応答メッセージを前記中継ノードに返し、
前記中継ノードは、更に、
前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールする時刻を指定する時刻情報を、前記基地局に送信する状態切り替え要求に含め、又は
前記状態切り替え要求応答メッセージを受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記基地局は、前記中継ノードに中継機能構成パラメータを送信した後、中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを介して前記中継ノードをスケジュールし、
前記中継ノードは、更に、前記基地局から送信された、中継機能構成パラメータの一部又は全部を受信した場合に、前記基地局が中継ノード専用物理ダウンリンク制御チャネルを用いて前記中継ノードをスケジュールするという情報を取得する
請求項11に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−519274(P2013−519274A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551486(P2012−551486)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/CN2011/070491
【国際公開番号】WO2011/097980
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511207729)ゼットティーイー コーポレイション (78)
【Fターム(参考)】