説明

中継制御装置及び中継制御方法

【課題】呼制御サーバとセッション制御装置との間の制御機能の差分を吸収することができる中継制御装置及び中継制御方法を提供すること。
【解決手段】セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置は、複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得する手段と、複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットに含まれるメソッド情報を取得する手段と、セッション制御装置を選択するための情報及びメソッド情報に基づいて、複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置間及び事業者間に設置されたセッション制御装置と、該セッション制御装置の制御を行う呼制御サーバとの間で、パケット制御などを実施する中継制御装置及び中継制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
呼制御サーバは、セッション制御装置(S/BC: Session Border Controller)を制御する。また、1台の呼制御サーバが複数のセッション制御装置を制御する場合もある。例えば、呼制御サーバは、H.248プロトコルにより、セッション制御装置の制御を行う。この場合、各セッション制御装置は、呼制御サーバに対応するH.248プロトコルによる制御機能を有する。H.248プロトコルは、ゲートウエイ制御プロトコルである。
【0003】
また、呼制御サーバは、複数のセッション制御装置から宛先となるセッション制御装置を選択する場合、例えば、メディアストリーム数及び/又は仮想帯域を利用して選択する。メディアストリームとは、音声データ、映像データやファイルデータなどを転送するための通路である。メディアストリームは、パスと呼ばれてもよい。
【0004】
また、呼制御サーバは、セッション制御装置から、H.248プロトコルにより送信されるパケットを、該パケットの到着順に制御する。
【特許文献1】「そこが知りたい最新技術 NGN入門」、120P-123P、156P-166P、井上友二監修、インプレスR&D、March、2007年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一台の呼制御サーバが複数のセッション制御装置の制御を行う場合、各セッション制御装置は該呼制御サーバに対応するH.248プロトコルによる制御機能を実装する必要がある。このため、呼制御サーバとセッション制御装置との間のH.248プロトコルによる制御機能の差分を吸収するための開発期間及び開発コストが必要となる。例えば、図1に示すように、呼制御サーバaがSBCa、b及びcを制御する場合、SBCa、b及びcは呼制御サーバaに対応するH.248プロトコルによる制御機能を実装する必要がある。また、呼制御サーバbがSBCa、b及びcを制御する場合、SBCa、b及びcは呼制御サーバbに対応するH.248プロトコルによる制御機能を実装する必要がある。
【0006】
また、複数の呼制御サーバが複数のセッション制御装置を制御する場合には、複数のセッション制御装置は複数の呼制御サーバに対応するH.248プロトコルによる制御機能を実装する必要がある。例えば、図1に示すように、呼制御サーバa及びbがSBCa、b及びcを制御する場合、SBCa、b及びcは呼制御サーバa及びbに対応するH.248プロトコルによる制御機能を実装する必要がある。
【0007】
また、呼制御サーバは、パケットの到着順にH.248プロトコルにより送信されるパケットの処理を行う。このため、複数のセッション制御装置のうち、一台のセッション制御装置がH.248プロトコルにより大量のパケットを送信した場合、呼制御サーバには、該大量のパケットの処理を行うために大きな負荷がかかる。例えば、セッション制御装置は、故障などにより、大量のパケットを送信する場合がある。このような場合、呼制御サーバは、他のセッション制御装置からのパケットを正常に処理することができない可能性がある。例えば、図1に示すように、SBCaが故障により大量のパケットを送出した場合、SBCb及びcから送出するパケットを正常に処理することができなくなる可能性がある。
【0008】
また、呼制御サーバは、複数のセッション制御装置から宛先となるセッション制御装置を選択する際に、例えば、メディアストリーム数及び/又は仮想帯域の情報を利用して選択する場合、システム性能の限界に達しているセッション制御装置を選択する場合がある。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、呼制御サーバとセッション制御装置との間の制御機能の差分を吸収することができる中継制御装置及び中継制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本中継制御装置は、
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得する手段と、
前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットに含まれるメソッド情報を取得する手段と、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メソッド情報に基づいて、前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定する手段と
を有する。
【0011】
本中継制御装置は、
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得する手段と、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得する手段と、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択する手段と
を有する。
【0012】
本中継制御方法は、
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置における中継制御方法であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得するステップと、
前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットに含まれるメソッド情報を取得するステップと、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メソッド情報に基づいて、前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定するステップと
を有する。
【0013】
本中継制御方法は、
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得するステップと、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得するステップと、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択するステップと
を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例によれば、呼制御サーバとセッション制御装置との間の制御機能の差分を吸収することができる中継制御装置及び中継制御方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施例)
本実施例に係る通信システムについて、図2を参照して説明する。
【0016】
本実施例に係る通信システムは、呼制御サーバ100を有する。呼制御サーバ100は、端末装置間の接続(セッション)処理を行う。本実施例では、一例として2台の呼制御サーバ100を有する場合について説明する。複数の呼制御サーバを有するようにしてもよい。
【0017】
また、本実施例に係る通信システムは、セッション制御装置200を有する。該セッション装置200は、ネットワーク間に設置されるようにしてもよい。本実施例では、一例として3台のセッション制御装置200を有する場合について説明する。2台のセッション制御装置を有するようにしてもよいし、4台以上のセッション制御装置を有するようにしてもよい。
【0018】
また、本実施例に係る通信システムは、中継制御装置300を有する。中継制御装置300は、呼制御サーバ100とセッション制御装置200との間に設置される。また、中継制御装置300は、呼制御サーバ100とセッション制御装置200との間の制御機能の差分を吸収する。該制御機能には、例えば、H.248プロトコルによる制御の差分が含まれてもよい。H.248プロトコルとは、上述したようにゲートウエイ制御プロトコルである。H.248プロトコルは、メディアゲートウエイ制御プロトコル(MEGACO: Media Gateway Control Protocol)と呼ばれてもよい。
【0019】
また、中継制御装置300は、複数のセッション制御装置のうち、あるセッション制御装置が故障などにより大量のパケットを送信した場合には、故障していない正常なセッション制御装置により送信されたパケットを優先的に制御する。このようにすることにより、あるセッション制御装置が故障などにより大量のパケットを送信した場合においても、故障していない正常なセッション制御装置により送信されたパケットを呼制御サーバに中継できる。その結果、呼制御サーバは、故障していない正常なセッション制御装置により送信されたパケットを処理できる。
【0020】
また、中継制御装置300は、セッション制御装置の選択を行う。例えば、中継制御装置300は、ベアラ使用量に基づいて、セッション制御装置の選択を行うようにしてもよい。また、例えば、中継制御装置300は、帯域使用量に基づいて、セッション制御装置の選択を行うようにしてもよい。また、例えば、中継制御装置300は、パケット流量に基づいて、セッション制御装置の選択を行うようにしてもよい。また、例えば、中継制御装置300は、CPU使用率に基づいて、セッション制御装置の選択を行うようにしてもよい。また、例えば、中継制御装置300は、H.248プロトコルにより送信されるパケットの往復遅延時間、例えばRTT(Round Trip Time)に基づいて、セッション制御装置の選択を行うようにしてもよい。例えば、図3に示すように、中継制御装置300は、H.248プロトコルにより送信されたメッセージに含まれるメソッドに基づいて、パケットを制御するようにしてもよい。該メッセージはリクエストメッセージであってもよい。例えば、中継制御装置300は、H.248プロトコルにより送信されたメッセージに含まれるメソッドに予め対応付けられた順番に、パケットを制御するようにしてもよい。また、図4に示すように、中継制御装置300は、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTに基づいて、パケットを制御するようにしてもよい。例えば、中継制御装置300は、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTが短いパケットから、パケットを制御するようにしてもよい。
【0021】
本実施例に係る通信システムは、インターネットプロトコル(IP: Internet Protocol)により接続されるようにしてもよい。例えば、NGN(Next Generation Network)により接続されるようにしてもよい。この場合、上述した呼制御サーバ100、セッション制御装置200及び中継制御装置300は、インターネットプロトコルにより接続される。セッション制御装置は、当該セッション制御装置が接続されたネットワークと、当該セッション制御装置が接続されたネットワークとは異なるネットワークとの接続点に設置される。また、該通信システムは、非同期転送モード(ATM: Asynchronous Transfer Mode)が適用されたシステムであってもよい。また、該通信システムは、同期転送モード(STM: Synchronous Transfer Mode)が適用されたシステムであってもよい。また、該通信システムは、電話網により接続されたシステムであってもよい。
【0022】
本実施例に係る中継制御装置300について、図5を参照して説明する。
【0023】
本実施例に係る中継制御装置300は、呼制御サーバ100及びセッション制御装置200から送信されたパケットを制御する。該パケットは、H.248プロトコルにより送信されたパケットであってもよい。該中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302と、メソッド取得部304と、コスト値計算部306と、送信制御部308とを有する。
【0024】
セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200により送信されるセッション制御装置選択情報を取得する。セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を常時送信する。また、セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を定期的に送信するようにしてもよい。また、セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を不定期に送信するようにしてもよい。該セッション制御装置選択情報には、当該セッション制御装置におけるベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率のうち、少なくとも1つが含まれる。また、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルに従って当該セッション制御装置により取得されたパケットのRTTが含まれるようにしてもよい。
【0025】
また、セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200との間で、セッション制御装置選択情報を常時取得するようにしてもよい。また、セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200との間で、セッション制御装置選択情報を定期的に取得するようにしてもよい。また、セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200との間で、セッション制御装置選択情報を不定期に取得するようにしてもよい。この場合、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルに従って送信されるパケットのRTTが含まれるようにしてもよい。
【0026】
本実施例では、一例として、セッション制御装置選択情報として、H.248プロトコルに従って送信されるパケットのRTTが適用される場合について説明する。他の情報が適用されるようにしてもよい。例えば、セッション制御装置選択情報取得部302は、図6に示すように、複数のセッション制御装置200との間でH.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTを取得する。図6には、一例として、セッション制御装置200との間のRTTとして12msが取得され、セッション制御装置200との間のRTTとして4msが取得され、セッション制御装置200との間のRTTとして6msが取得される。なお、図6においては、セッション制御装置選択情報取得部302は、「X」により示される。
【0027】
メソッド取得部304は、セッション制御装置200により送信されるパケットのメソッド情報を取得する。該メソッド情報には、「Add」、「Modify」などが含まれる。図6には、一例として、セッション制御装置200により送信されるパケットに含まれるメソッド情報としてAが取得され、セッション制御装置200により送信されるパケットに含まれるメソッド情報としてBが取得され、セッション制御装置200により送信されるパケットに含まれるメソッド情報としてCが取得される。なお、図6においては、メソッド取得部304は、「X」により示される。
【0028】
コスト値計算部306は、セッション制御装置選択情報取得部302により取得されたセッション制御装置選択情報、例えば、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTT及びメソッド取得部304により取得されたパケットのメソッド情報に基づいて、各パケットのコスト値を計算する。例えば、メソッド情報とコスト値とが予め対応付けられる。
【0029】
例えば、メソッド情報Aのコストとして10が対応付けられ、メソッド情報Bのコストとして9が対応付けられ、メソッド情報Cのコストとして8が対応付けられる。以上の対応は、コスト値計算部306に予め格納されてもよい。また、例えば、RTTとコスト値とが予め対応付けられる。例えば、RTTの値が大きくなるに従って、コスト値が小さくなるように対応付けられてもよい。例えば、RTTが12msのコストとして-6が対応付けられ、RTTが4msのコストとして-2が対応付けられ、RTTが6msのコストとして-3が対応付けられる。以上の対応は、コスト値計算部306に予め格納されてもよい。ここで示したのは一例であり、適宜変更可能である。コスト値計算部306は、各セッション制御装置200により送信されたパケットのコスト値を求める。図6に示すように、セッション制御装置200により送信されるパケットは、メソッド情報Aのコスト及びRTTが12msのコストに基づいて計算され、総コストとして4が求められる。また、セッション制御装置200により送信されるパケットは、メソッド情報Bのコスト及びRTTが4msのコストに基づいて計算され、総コストとして7が求められる。また、セッション制御装置200により送信されるパケットは、メソッド情報Cのコスト及びRTTが6msのコストに基づいて計算され、総コストとして5が求められる。
【0030】
また、コスト値計算部306は、セッション制御装置選択情報に基づいて、セッション制御装置が故障しているかを判定するようにしてもよい。例えば、セッション制御装置選択情報の値が異常であるセッション制御装置を故障であると判断してもよい。そして、コスト値計算部306は、故障であると判定されたセッション制御装置により送信されたパケットの優先度を下げるようにしてもよい。例えば、コスト値計算部306は、故障であると判定されたセッション制御装置により送信されたパケットのコストを最小値としてもよい。このようにすることにより、セッション制御装置が故障し、該故障したセッション制御装置からパケットが大量に送出した場合においても、正常なセッション制御装置により送信されたパケットを適切に処理できる。
【0031】
送信制御部308は、コスト値計算部306において計算されたコスト(総コスト)に基づいて、各セッション制御装置200からのパケットを送信する。言い換えれば、送信制御部308は、コスト値計算部306において計算されたコスト(総コスト)に基づいて、各セッション制御装置200からのパケットの送信順序を決定する。例えば、送信制御部308は、総コストが高い値であるパケットから送信するようにしてもよい。該パケットは、該パケットの宛先である呼制御サーバ100に送信される。
【0032】
本実施例に係る通信システムの動作について、図7を参照して説明する。
【0033】
中継制御装置300は、セッション制御装置200との間でセッション制御装置選択情報を取得する(ステップS702)。該セッション制御装置選択情報には、セッション制御装置200により送信されるセッション制御装置選択情報が含まれる。この場合、該セッション制御装置選択情報には、当該セッション制御装置におけるベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率のうち、少なくとも1つが含まれる。また、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルに従って当該セッション制御装置により取得されたパケットのRTTが含まれるようにしてもよい。また、該セッション制御装置選択情報には、中継制御装置300が、セッション制御装置200との間で取得したセッション制御装置選択情報が含まれる。この場合、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTが含まれる。中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302において、該RTTを取得する。
【0034】
同様に、中継制御装置300は、セッション制御装置200及び200との間でセッション制御装置選択情報を取得する(ステップS704、S706)。中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302において、該RTTを取得する。
【0035】
ステップS702−S706において、中継制御装置300が、各セッション制御装置との間でセッション制御装置選択情報を取得する順番はこの例に限られず、各セッション制御装置がセッション制御装置選択情報を送信する場合には、該順番に応じて変更される。また、中継制御装置300が、各セッション制御装置との間でセッション制御装置選択情報を取得する順番は、セッション制御装置との間で、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTを取得する順番に応じて変更される。
【0036】
セッション制御装置200は、中継制御装置300にパケットを送信する(ステップS708)。
【0037】
中継制御装置300は、セッション制御装置200により送信されたパケットに含まれるメソッド情報を取得する(ステップS710)。例えば、メソッド取得部304は、該メソッド情報を取得する。
【0038】
セッション制御装置200は、中継制御装置300にパケットを送信する(ステップS712)。
【0039】
中継制御装置300は、セッション制御装置200により送信されたパケットに含まれるメソッド情報を取得する(ステップS714)。例えば、メソッド取得部304は、該メソッド情報を取得する。
【0040】
セッション制御装置200は、中継制御装置300にパケットを送信する(ステップS716)。
【0041】
中継制御装置300は、セッション制御装置200により送信されたパケットに含まれるメソッド情報を取得する(ステップS718)。例えば、メソッド取得部304は、該メソッド情報を取得する。
【0042】
ステップS708−S718において、中継制御装置が各セッション制御装置により送信されるパケットを受信する順番はこの例に限られず、各セッション制御装置がパケットを送信する順番に応じて変更される。
【0043】
中継制御装置300は、各セッション制御装置200により送信されたパケットのコスト値を計算する(ステップS720)。例えば、コスト値計算部306は、各セッション制御装置200との間のRTT及びメソッド情報に基づいて、コスト値を計算する。
【0044】
中継制御装置300は、コスト値に基づいて、各セッション制御装置200からのパケットを転送する(ステップS722)。例えば、送信制御部308は、各セッション制御装置200からのパケットを、そのコスト値に高いものから転送するようにしてもよい。この場合、送信制御部308は、該パケットに含まれる宛先アドレスに基づいて、指定された呼制御サーバ100に送信する。
【0045】
例えば、送信制御部308は、あるパケットを呼制御サーバ100に転送する(ステップS724、S726)。
【0046】
また、例えば、送信制御部308は、あるパケットを呼制御サーバ100に転送する(ステップS728)。
【0047】
本実施例において、呼制御サーバ100から、H.248により送信されたパケットに対しても適用できる。例えば、中継装置300は、各セッション制御装置との間で取得したコスト値に基づいて、該パケットのセッション制御装置200への送信順序を決定する。この場合、中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報に基づいて、コストの計算をするようにしてもよい。また、中継制御装置300は、呼制御サーバ100から、H.248により送信されたパケットに含まれるメソッド情報を取得するようにしてもよい。また、故障していると判断されたセッション制御装置に対応するコストを最小とするようにしてもよい。このようにすることにより、故障していると判断されたセッション制御装置以外のセッション装置宛のパケットを優先して処理できる。
【0048】
本実施例によれば、中継制御装置により、呼制御サーバとセッション制御装置との間の制御機能の差分を吸収することができる。例えば、複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定できる。
【0049】
このため、呼制御サーバ及びセッション制御装置の開発者は、対抗するセッション制御装置及び呼制御サーバとのH.248における制御機能の差分を意識することなく呼制御サーバ及びセッション制御装置の開発を行うことができる。また、既に設置された呼制御サーバ及びセッション制御装置の置き換え又は改良することなく、該既に設置された呼制御サーバ及びセッション制御装置と新たに設置される呼制御サーバ及びセッション制御装置とを接続できる。
【0050】
また、セッション制御装置が故障し、該故障したセッション制御装置からパケットが大量に送出した場合においても、正常なセッション制御装置により送信されたパケットを適切に処理できる。
【0051】
また、パケットのセッション制御装置への送信順序を決定する際に、ベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率、セッション制御装置との間でH.248により送信されるパケットのRTTを利用できることにより、各セッション制御装置が含まれる通信システムの性能に応じた制御ができる。
(第2の実施例)
本実施例に係る通信システムについて、図8を参照して説明する。
【0052】
本実施例に係る通信システムは、中継制御装置300の機能が異なること以外は上述した実施例と同様である。
【0053】
本実施例に係る中継制御装置300は、呼制御サーバ100からのH.248プロトコルによる制御メッセージに基づいて、該呼制御サーバ100により管理される複数のセッション制御装置から、宛先のセッション制御装置を選択する。
【0054】
本実施例に係る中継制御装置300について、図9を参照して説明する。
【0055】
本実施例に係る中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302と、メッセージ情報取得部310と、セッション制御装置選択部312と、送信制御部308とを有する。
【0056】
セッション制御装置選択情報取得部302は、上述した実施例と同様である。例えば、セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200により送信されるセッション制御装置選択情報を取得する。セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を常時送信する。また、セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を定期的に送信するようにしてもよい。また、セッション制御装置200は、中継制御装置300に、セッション制御装置選択情報を不定期に送信するようにしてもよい。該セッション制御装置選択情報には、ベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率のうち、少なくとも1つが含まれる。また、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルに従って当該セッション制御装置により取得されたH.248プロトコルに従って送信されるパケットのRTTが含まれるようにしてもよい。また、セッション制御装置選択情報取得部302は、セッション制御装置200との間で、セッション制御装置選択情報を取得するようにしてもよい。この場合、該セッション制御装置選択情報には、H.248プロトコルに従って送信されるパケットのRTTが含まれるようにしてもよい。本実施例では、一例として、セッション制御装置選択情報として、パケット流量が適用される場合について説明する。例えば、セッション制御装置選択情報取得部302は、図8に示すように、複数のセッション制御装置200から、H.248プロトコルにより送信されるパケットの流量を取得する。
【0057】
メッセージ情報取得部310は、呼制御サーバ100から、H.248プロトコルにより送信されるパケットに含まれるメッセージ情報を取得する。該パケットは制御メッセージであってもよい。
【0058】
セッション制御装置選択部312は、セッション制御装置選択情報取得部302により取得されたセッション制御装置選択情報及びメッセージ情報取得部310により取得されたメッセージ情報に基づいて、呼制御サーバ100により送信されたパケットの宛先となるセッション制御装置を選択する。例えば、セッション制御装置選択部312は、各セッション制御装置におけるパケット流量に基づいて、宛先となるセッション制御装置を選択する。例えば、セッション制御装置選択部312は、パケット流量が最も低いセッション制御装置を宛先セッション制御装置としてもよい。言い換えれば、セッション制御装置選択部312は、呼制御サーバから、H.248プロトコルにより送信されたパケットの割り振りを決定する。
【0059】
送信制御部308は、セッション制御装置選択部312において選択されたセッション制御装置に、呼制御サーバから、H.248プロトコルにより送信されたパケットを送信する。
【0060】
本実施例に係る通信システムの動作について、図10を参照して説明する。
【0061】
中継制御装置300は、セッション制御装置200との間でセッション制御装置選択情報を取得する(ステップS1002)。該セッション制御装置選択情報には、上述したようにパケット流量が含まれる。中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302において、該パケット流量を取得する。
【0062】
同様に、中継制御装置300は、セッション制御装置200及び200との間でセッション制御装置選択情報を取得する(ステップS1004、S1006)。中継制御装置300は、セッション制御装置選択情報取得部302において、該パケット流量を取得する。
【0063】
ステップS1002−S1006において、中継制御装置300が、各セッション制御装置との間でセッション制御装置選択情報を取得する順番はこの例に限られず、各セッション制御装置がセッション制御装置選択情報を送信する場合には、該順番に応じて変更される。また、中継制御装置300が、各セッション制御装置との間でセッション制御装置選択情報を取得する順番は、セッション制御装置との間で、H.248プロトコルにより送信されるパケットのRTTを取得する順番に応じて変更される。
【0064】
呼制御サーバ100は、中継制御装置300にパケットを送信する(ステップS1008)。例えば、呼制御装置100は、パケットを送信する。該パケットは制御メッセージであってもよい。
【0065】
中継制御装置300は、呼制御サーバ100により送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得する(ステップS1010)。例えば、メッセージ情報取得部310は、該メッセージ情報を取得する。
【0066】
中継制御装置300は、各セッション制御装置200により送信されたセッション制御装置選択情報に基づいて、パケットの宛先となるセッション制御装置を選択する(ステップS1012)。例えば、セッション制御装置選択部312は、各セッション制御装置200により送信されたパケット流量及び呼制御サーバ100により送信されたパケットに含まれるメッセージ情報に基づいて、宛先となるセッション制御装置を選択する。例えば、セッション制御装置選択部312は、各セッション制御装置200により送信されたパケット流量に基づいて、該流量の低いセッション制御装置200を選択するようにしてもよい。
【0067】
中継制御装置300は、選択されたセッション制御装置に、呼制御サーバ100から、H.248プロトコルにより送信されたパケットを転送する(ステップS1014)。
【0068】
例えば、送信制御部308は、呼制御サーバ100からのパケットをセッション制御装置200に転送する(ステップS1016)。
【0069】
本実施例によれば、中継制御装置により、呼制御サーバとセッション制御装置との間の制御機能の差分を吸収することができる。例えば、呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択することができる。
【0070】
このため、呼制御サーバ及びセッション制御装置の開発者は、対抗するセッション制御装置及び呼制御サーバとのH.248における制御機能の差分を意識することなく呼制御サーバ及びセッション制御装置の開発を行うこができる。また、既に設置された呼制御サーバ及びセッション制御装置の置き換え又は改良することなく、該既に設置された呼制御サーバ及びセッション制御装置と新たに設置される呼制御サーバ及びセッション制御装置とを接続できる。
【0071】
また、セッション制御装置を選択する際に、ベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率、H.248によりセッション制御装置により送信されるパケットのRTTを利用できることにより、各セッション制御装置が含まれる通信システムの性能に応じた制御ができる。
【0072】
上述した実施例においては、セッション制御装置により送信されたパケットを呼制御サーバに送信する場合と、呼制御サーバにより送信されたパケットをセッション制御装置に送信する場合とに分けて説明したが、両機能を1つの中継制御装置が有するようにしてもよい。この場合、中継制御装置は、図5を参照して説明した中継制御装置の機能と図9を参照して説明した中継制御装置の機能とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】通信システムを示す説明図である。
【図2】一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図3】一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図4】一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図5】一実施例に係る中継制御装置を示す部分ブロック図である。
【図6】一実施例に係る中継制御装置の動作を示す説明図である。
【図7】一実施例に係る通信システムの動作を示すフロー図である。
【図8】一実施例に係る通信システムを示す説明図である。
【図9】一実施例に係る中継制御装置を示す部分ブロック図である。
【図10】一実施例に係る通信システムの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0074】
100(100、100) 呼制御サーバ
200(200、200、200) セッション制御装置(S/BC: Session Border Controller)
300 中継制御装置
302 セッション制御装置選択情報取得部
304 メソッド取得部
306 コスト値計算部
308 送信制御部
310 メッセージ情報取得部
312 セッション制御装置選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得する手段と、
前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットに含まれるメソッド情報を取得する手段と、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メソッド情報に基づいて、前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定する手段と
を有することを特徴とする中継制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継制御装置において、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得する手段と、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択する手段と
を有することを特徴とする中継制御装置。
【請求項3】
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得する手段と、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得する手段と、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択する手段と
を有することを特徴とする中継制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の中継制御装置において、
前記セッション制御装置を選択するための情報には、ベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率、該セッション制御装置との間で送信されるパケットの往復遅延時間のうち、少なくとも1つが含まれることを特徴とする中継制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の中継制御装置において、
前記セッション制御装置を選択するための情報には、該値に対してコスト値が対応付けられ、
前記メソッド情報に対してコスト値が対応付けられ、
前記セッション制御装置を選択するための情報の値に対応付けられたコスト及びメソッド情報に対応付けられたコストに基づいて、各パケットのコストを求める手段
を有し、
前記送信順序を決定する手段は、各パケットのコストに基づいて、前記パケットの送信順序を決定することを特徴とする中継制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の中継制御装置において、
前記パケットは、ゲートウエイ制御プロトコルにより送信されることを特徴とする中継制御装置。
【請求項7】
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置における中継制御方法であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得するステップと、
前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットに含まれるメソッド情報を取得するステップと、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メソッド情報に基づいて、前記複数のセッション制御装置及び/又は複数の呼制御サーバにより送信されるパケットの送信順序を決定するステップと
を有することを特徴とする中継制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の中継制御装置において、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得するステップと、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択するステップと
を有することを特徴とする中継制御方法。
【請求項9】
セッション制御を行うセッション制御装置と呼制御サーバとの間でパケットを中継する中継制御装置であって、
複数のセッション制御装置との間で該セッション制御装置を選択するための情報を取得するステップと、
前記呼制御サーバにより送信されたパケットに含まれるメッセージ情報を取得するステップと、
前記セッション制御装置を選択するための情報及び前記メッセージ情報に基づいて、前記呼制御サーバにより送信されたパケットを送信するセッション制御装置を選択するステップと
を有することを特徴とする中継制御方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項に記載の中継制御方法において、
前記セッション制御装置を選択するための情報には、ベアラ使用量、帯域使用量、パケット流量、CPU使用率、該セッション制御装置との間で送信されるパケットの往復遅延時間のうち、少なくとも1つが含まれることを特徴とする中継制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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