説明

中間転写記録媒体ならびにそれを用いる情報記録方法および情報記録体の製造方法

【課題】偽造・改ざんを効果的に防止することができるとともに転写性に優れた中間転写記録媒体を提供すること。
【解決手段】情報受容層を含む転写部を基材上に剥離可能に有する中間転写記録媒体。転写部は、基材側から、ポリマーを含むポリマー層、コレステリック型液晶分子を含むコレステリック液晶層、および情報受容層をこの順に有する。ポリマー層とコレステリック液晶層は隣接し、かつコレステリック型液晶分子とポリマーは、コレステリック液晶層とポリマー層の界面を介して化学的に結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字、画像等の情報を受容層に一旦記録し、その後その受容層を被転写体に転写することにより、被転写体に情報を記録するために使用される中間転写記録媒体、ならびに前記中間転写記録媒体を使用する情報記録方法および情報記録体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写記録媒体は、文字、画像等の情報を一旦受容層に記録し、その後その受容層を被転写体に転写して印画物を形成するために使用される。中間転写記録媒体によれば、色材が移行しにくく高画質の画像を直接形成することが困難な基材に対して情報を記録することができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、中間転写記録媒体によれば、あらかじめ受容層に必要とされる文字や顔写真等の画像を形成しておき、その後の転写によって被転写体に画像を形成することができる。更に、あらかじめ被転写体上にサイン等の必要な事項を記入または印刷等し、その後に、中間転写記録媒体から文字や写真等の画像が形成された受容層を転写することによって、基材上に複合情報を記録することもできる。そのため、近年、中間転写記録媒体は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の個別情報を含む印画物の作製のために広く用いられている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2848394号明細書
【特許文献2】特開平11−263079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなパスポートやクレジットカード等の印画物には、セキュリティ、即ち偽造や改ざんがされ難い高い信頼性・安全性が要求される。そのため、例えば特許文献2等では、複写による偽造や改ざんを防ぐために転写部にホログラムを設けることが提案されている。しかし、近年、偽造・改ざん手段はますます高度化しているため、より有効な偽造・改ざん防止手段が求められている。
【0005】
そこで、本発明者は、中間転写記録媒体の転写部に、右または左円偏光を選択的に反射するコレステリック液晶層を転写部に設けることにより、偽造・改ざんが困難となりセキュリティ性を高めることができることを見出した。しかし、本発明者の検討の結果、コレステリック液晶層はポリマーから構成されるポリマー層との接着性に劣る傾向があるため、コレステリック液晶層を有する中間転写記録媒体は、被転写体へ適用した後に基材を剥がそうとすると、基材とコレステリック液晶層との間に保護層や配向層等のポリマー層が存在した場合には、コレステリック液晶層とポリマー層との界面で剥離してしまい、転写部を破損する場合があることが判明した。このように、本発明者の検討の結果、コレステリック液晶層を有する中間転写記録媒体では、転写部を破損することなく基材を剥離できる良好な転写性を得るという新たな課題があることが判明した。
【0006】
かかる状況下、本発明は、偽造・改ざんを効果的に防止することができるとともに転写性に優れた中間転写記録媒体を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、基材とコレステリック液晶層との間に位置するポリマー層(配向層、保護層、剥離層等)中のポリマーを、コレステリック液晶層を構成するコレステリック型液晶分子と化学的に結合させ両層の密着性を高めることにより、中間転写記録媒体を被転写体へ転写する際に基材を剥離するときに、転写部を破損することなく被転写体上へ転写部を転写できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、情報受容層を含む転写部を基材上に剥離可能に有する中間転写記録媒体であって、転写部は、基材側から、ポリマーを含むポリマー層、コレステリック型液晶分子を含むコレステリック液晶層、および情報受容層をこの順に有し、ポリマー層とコレステリック液晶層は隣接し、かつコレステリック型液晶分子とポリマーは、コレステリック液晶層とポリマー層の界面を介して化学的に結合している、前記中間転写記録媒体を提供する。
【0009】
更に、本発明の一態様によれば、ポリマー層は配向層である前記中間転写記録媒体;ポリマー層は基材と隣接して配置される前記中間転写記録媒体;転写部は、基材と隣接する面に剥離層を有する前記中間転写記録媒体;転写部は、基材側とは反対側の最表面に接着層を有する前記中間転写記録媒体;情報受容層が接着層である前記中間転写記録媒体、が提供される。
【0010】
更に、本発明は、前記中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することにより被転写体上に情報を記録する情報記録方法;前記中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することを含む情報記録体の製造方法、を提供する。
【発明の効果】
【0011】
中間転写記録媒体は情報受容層へ情報を印画した後に被転写体に情報を転写するため、情報の改ざんが困難である。更に、コレステリック液晶層を有するため偽造防止効果に優れる。また、コレステリック液晶層と基材との間に位置するポリマー層は、コレステリック液晶層と強固に結合しているため、被転写体へ転写するために基材を剥がそうとしたときにポリマー層とコレステリック液晶層が分離することなく、転写部を破損せずに被転写体上へ転写することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の中間転写記録媒体は、基材上に転写部を剥離可能に有する。前記転写部は、基材側から、ポリマーを含むポリマー層、コレステリック型液晶分子を含むコレステリック液晶層、および情報受容層をこの順に有し、ポリマー層とコレステリック液晶層は隣接し、かつコレステリック型液晶分子とポリマーは、コレステリック液晶層とポリマー層の界面を介して化学的に結合している。
本発明において、「中間転写記録媒体」とは、文字、画像等の情報が記録(受容)された層または使用時に情報が記録(受容)される層を有し、情報が記録された層を被転写体に転写することにより情報記録体を製造するために使用され得る媒体をいい、「転写部」とは、本発明の中間転写記録媒体を被転写体に転写することにより最終的に得られる情報記録体上に存在する部分をいうものとする。また、「剥離可能」とは、本発明の中間転写記録媒体を被転写体へ転写する際に基材と転写部を分離できる程度の接着性で、基材上に転写部が配置されていることをいう。本発明において、「可視光透過性」とは、可視光(波長380nm〜780nm)の透過率が、例えば50%以上であることをいう。
【0013】
本発明の中間転写記録媒体は、コレステリック液晶層を転写部に有する。コレステリック液晶層は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する層であり、被転写体へ転写された状態で情報受容層上に位置する。コレステリック液晶層は、右円偏光板を介して観察した場合と左円偏光板を介して観察した場合で異なる外観を呈する。適用する円偏光板によって異なる外観を呈することは目視では判別できない。しかもコレステリック液晶層の材料は、一般に入手困難であり、また使用する材料や組成により色彩可変効果が異なるため、色彩可変効果を正確に再現することは困難である。このようなコレステリック液晶層を有することは、偽造・改ざん防止にきわめて有効である。更に、コレステリック液晶層は、コピー機で複写すると複写物に現れるため、コレステリック液晶層を有することにより複写による偽造・改ざんを効果的に防止ないしは抑制することができる。
更に、基材とコレステリック液晶層との間に位置するポリマー層は、コレステリック液晶層と強固に結合しているため、被転写体への転写のために基材を剥離する際、ポリマー層とコレステリック液晶層との界面で剥離し、転写部が破損することを防ぐことができる。
こうして、本発明によれば、偽造・改ざん防止にきわめて有効であり、優れた転写性を有する中間転写記録媒体を提供することができる。
次に、本発明の中間転写記録媒体に含まれる各層の詳細を説明する。
【0014】
基材
基材としては、通常、中間転写記録媒体に使用される基材フィルムを用いることができる。材質は使用目的に応じて選定することができ限定されるものではないが、耐久性等を考慮すると、プラスチック基材が望ましい。好ましい材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、ジアセチルセルロース、ポリエチレン-エチルビニルアルコール等の延伸フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)等の未延伸フィルムを例示できる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができ、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。また、中間転写記録媒体を用いて被転写体に転写部を転写する際、基材フィルムとサーマルヘッド等の加熱デバイスとの融着を防止し、摺動性を向上させるために、基材フィルムの転写部側とは反対の面に、必要に応じて公知の背面層を設けることもできる。
【0015】
ポリマーとコレステリック型液晶分子との化学結合
本発明の中間転写記録媒体において、ポリマー層に含まれるポリマーとコレステリック液晶層に含まれるコレステリック型液晶分子は、両層の界面において化学的に結合している。これにより、コレステリック液晶層とポリマー層との密着性を高めることができる。前記化学結合は、後述するポリマー層形成のために使用するポリマーおよび/またはコレステリック液晶層形成のために使用するコレステリック型液晶分子として、重合性基を有するものを使用し、ポリマー層とコレステリック液晶層を積層した後に前記重合性基を反応させることによって形成することができる。
【0016】
ポリマーおよびコレステリック型液晶分子に導入する重合性基としては、ラジカル重合、熱重合、紫外線重合などの重合反応をし得る基であればよく、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、スチリル基、オキシラニル基、アジリジニル等を挙げることができる。重合性基を有するポリマーおよびコレステリック型液晶分子は公知の方法で合成することができ、また市販品として入手可能なものもある。また、重合性基の導入量は、中間転写記録媒体に対して転写時に加わる外力等を考慮して決定すればよい。また、重合条件は、重合性基の種類、導入量、所望の密着性等を考慮して設定することができる。また、重合性基の種類によっては重合開始剤を併用することもある。
【0017】
コレステリック液晶層
本発明の中間転写記録媒体は、基材と情報受容層との間にコレステリック液晶層を有する。コレステリック液晶層は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を発揮することができる。また、情報受容層に記録された情報を目視で識別可能とするためには可視光透過性を有するものが好ましい。ここで、コレステリック液晶層とは、コレステリック型液晶分子を含む層である。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、転写部にコレステリック液晶層を含むことは、偽造防止に有効である。
【0018】
コレステリック液晶層は、コレステリック型液晶分子を含む層であり、通常、主成分としてコレステリック型液晶分子を含む層である。 コレステリック液晶層形成のために使用する液晶材料は、ポリマー層のポリマーと化学的に結合し得るものである限り、特に限定されず、公知のものを用いることができる。コレステリック液晶層は、コレステリック液晶材料を適当な溶媒に溶解し、各種の印刷方法によって適用し、乾燥させることによって形成することができる。このとき、重合性のコレステリック液晶を用いて紫外線重合性組成物を調製し、得られた紫外線重合性組成物を各種の印刷法によって適用し、乾燥後に紫外線を照射して重合させて形成することもできる。この重合処理により、ポリマー層のポリマーとの化学結合を形成してもよく、または上記重合処理とは別にポリマー層のポリマーとの化学結合形成のための処理を行ってもよい。
【0019】
具体的には、コレステリック液晶層を形成するための材料としては、三次元架橋可能な液晶性の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子を用いることができる。所定の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に任意のカイラル剤を添加することにより、コレステリック型液晶分子を含む層を得ることができる。三次元架橋可能な液晶性の重合性モノマーまたはオリゴマー分子は、ポリマー層中のポリマーとも化学結合し得るため好ましい。
【0020】
三次元架橋可能なモノマー分子としては、例えば特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているような、液晶性モノマーおよびキラル化合物の混合物がある。より具体的な例を示すと、例えば下記一般化学式(1)〜(11)に示されるような液晶性モノマーを用いることができる。尚、一般化学式(11)で示される液晶性モノマーの場合、Xは2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

【0023】
【化3】

【0024】
【化4】

【0025】
【化5】

【0026】
【化6】

【0027】
【化7】

【0028】
【化8】

【0029】
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
【化11】

【0032】
また、カイラル剤としては、例えば下記一般化学式(12)〜(14)に示されるようなカイラル剤を用いることができる。尚、一般化学式(12)、(13)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12の範囲の整数であることが望ましく、また、一般化学式(14)で示されるカイラル剤の場合、Xが2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
【0033】
【化12】

【0034】
【化13】

【0035】
【化14】

【0036】
また、オリゴマー分子を用いる場合は、例えば特開昭57−165480号公報で開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物を用いることができる。例えば、重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に、カイラル剤を数%〜10%程度添加することによりコレステリック液晶層を得ることができる。コレステリック液晶層は、ほぼ均一な厚みを有する層として形成することができるが、層の有無や厚みの違いによりパターンが形成されたパターン層とすることもできる。パターン層は、各種印刷方法を用いて形成することができる。
【0037】
前記コレステリック液晶層は、異なる光反射性を有する2層以上の層から形成することもできる。例えば、複数のコレステリック液晶層の厚みを変えるか、または各層を螺旋ピッチが異なる液晶材料を用いて形成することにより、光反射性を変えることができる。上記のように重合性のコレステリック液晶を用いて紫外線重合性組成物からコレステリック液晶層を形成する場合には、重合性のネマチック液晶とカイラル剤を組み合わせて用い、このとき重合性のネマチック液晶とカイラル剤との配合比を異ならせた紫外線重合性組成物を調製して用いることにより、互いに螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶層を形成することができる。このように2種以上のコレステリック液晶層を設ける場合にも、各コレステリック液晶層は、ほぼ均一な厚みを有する層として形成することができるが、層の有無や厚みの違いによりパターンが形成されたパターン層とすることもできる。パターン層は、各種印刷方法を用いて形成することができる。
【0038】
また、二層のコレステリック液晶層を設ける場合、両層の間に位相差層を設けることもできる。位相差層とは、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与する層である。複屈折は、媒質の屈折率が、偏光方向によって均質でないため生じる現象であり、このような媒質を透過した光の位相差σは、σ=2π(ne−no)d/λで、与えられることが知られている。ここで、neは異常光線屈折率、noは常光線屈折率、dは媒質の厚さ、λは光の波長である。すなわち、ある一定の厚さdの媒質に対して、位相差σは、光の波長λに依存する。位相差層に、波長λ=2(ne−no)dなる右円偏光を入射すると、その右円偏光を透過しながら、位相差σ=π(すなわち、1/2波長)を与える。そのため、入射した右円偏光は、左円偏光に変換されて出射し、また、入射した左円偏光は右円偏光に変換されて出射する。
【0039】
二層のコレステリック液晶層が位相差層を介して積層されている場合、二層のコレステリック液晶層は、一方の側から見て同じ方向の円偏光を反射する光反射性を有することが好ましい。以下に、この点について、図6に基づき、入射光のうち右円偏光を反射する光反射性を有する二層のコレステリック液晶層が位相差層を介して積層されている場合を例にとり説明する。なお、図6では簡略化のためコレステリック液晶層および位相差層以外の層は省略している。
【0040】
図6に示すように、コレステリック液晶層A側から自然光を入射すると、自然光は、右円偏光および左円偏光を含んでいるので、コレステリック液晶層Aの作用により、右円偏光のみが選択的に反射される。よって、コレステリック液晶層Aの上に右円偏光板を重ねれば、右円偏光板を介して、この反射光(右円偏光)を観察することができる。
また、コレステリック液晶層A側から入射した自然光のうち左円偏光は、コレステリック液晶層Aにおいて反射されずにコレステリック液晶層Aを透過する。透過した左円偏光は、位相差層を経て右円偏光に変換される(図中の「左→右」は、左円偏光から右円偏光への変換を示す。)。変換された右円偏光はコレステリック液晶層Bで反射される。この反射光(右円偏光)は、再び位相差層2を透過して左円偏光に変換される(図中の「右→左」は、右円偏光から左円偏光への変換を示す。)。変換された左円偏光は、コレステリック液晶層Aを経て出射する。よって、コレステリック液晶層Aの上に左円偏光板を重ねれば、左円偏光板を介して、この出射光(左円偏光)を観察することができる。
このように、図6に示す態様では、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いることにより、上記のような異なる経過を経た光を観測することができる。この性質は目視では視認できないため、このような偽造防止手段が施されていることは円偏光板を用いない限り確認できない。この点は偽造・改ざん防止に有効である。更に、前記2層のコレステリック液晶層は、各々の反射光の中心波長が異なることが好ましい。反射光の中心波長が異なれば、右円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色と、左円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色が異なるため、右円偏光板使用時と左円偏光板使用時に観察される光の色の違いが出るため、偽造・改ざん防止効果を更に高めることができる。
【0041】
また、2つのコレステリック液晶層が異なる方向の円偏光に対する反射性を有する場合には、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いた場合、いずれか一方の円偏光板を重ねた場合に反射光が観察されず、黒色となる。よって、一方の円偏光板を重ねた場合には反射光が観察されるが、他方の円偏光板を重ねた場合には反射光が観察されない。この性質を偽造・改ざん防止に利用することも可能である。
【0042】
位相差層
位相差層は、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与することができれば特に限定されず、例えば、透明フィルム、ネマチック液晶層、またはネマチック液晶層と透明フィルムとの積層体で構成することができる。
【0043】
位相差層は、例えば、ネマチック液晶を用いて構成することができ、ネマチック液晶を含むインキ組成物、好ましくはネマチック液晶の溶剤溶液からなるインキ組成物を用いた各種印刷法により形成することができる。また、位相差層は、ネマチック液晶層のみから構成することもでき、または、それ自体で配向性を有する透明フィルムの表面にネマチック液晶層を積層形成した積層体を位相差層として用いることもできる。または、ネマチック液晶層を、配向膜を介して透明フィルム上に積層形成した積層体を位相差層として用いることもできる。配向膜の詳細は後述する。
【0044】
透明フィルムとしては、高い機械的強度を有するものや中間転写記録媒体を製造する際の加工に耐え得る耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので限定されるものではないが、フィルム状またはシート状のプラスチックが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは単独で位相差層として用いることができるため好ましい。
【0045】
位相差層の片面または両面には、必要に応じて配向層を積層することができる。配向層の詳細は後述する。但し、位相差層の物性によっては配向膜なしでもコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させることができるので、配向層は必須ではない。例えば、位相差層として延伸フィルム(例えばPETフィルム)を用いる場合には、配向層なしでもコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させることができる。
【0046】
中間層
また、コレステリック液晶層を二層以上積層する場合、コレステリック液晶層同士の相互作用による、発色トラブル等の悪影響を防止することを目的として、コレステリック液晶層間に前記位相差層以外の中間層を設けることもできる。中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調製し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置するコレステリック液晶層やホログラムを判別しやすくするために、可視光透過性を有する層とすることが好ましい。中間層としての機能維持、コレステリック液晶層との密着性およびコスト面から、中間層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは1〜10μmであり、乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。
【0047】
ポリマー層
本発明の中間転写記録媒体は、基材とコレステリック液晶層との間に、ポリマーを含むポリマー層を有する。前記ポリマー層は、コレステリック液晶層と隣接し、ポリマー層中のポリマーとコレステリック液晶層中のコレステリック型液晶分子が両層の界面を介して化学的に結合している。これによりポリマー層とコレステリック液晶層との密着性を高め、被転写体への転写時にコレステリック液晶層とポリマー層との界面で剥離して転写部が破損することを防ぐことができる。
【0048】
前記ポリマー層は、コレステリック液晶層と隣接配置される層であり、具体的には、コレステリック液晶層中の液晶分子を配向させるための配向層、基材と転写部を剥離可能とするために設けられる剥離層、基材剥離後のコレステリック液晶層を保護するための保護層であることができる。また、前記ポリマー層は、主成分としてポリマーを含む層であることができ、または、ポリマーからなる層であることもできる。
【0049】
本発明の中間転写記録媒体の層構成の具体例を以下に示す。なお、以下の具体例では、簡略化のため、被転写体への転写時にコレステリック液晶層より下層に位置する層は省略している。
(1)基材/配向層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(2)基材/剥離層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(3)基材/保護層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(4)基材/剥離層/配向層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(5)基材/保護層/配向層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(6)基材/剥離層/保護層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層;
(7)基材/剥離層/保護層/配向層(=前記ポリマー層)/コレステリック液晶層。
本発明の中間転写記録媒体では、少なくともコレステリック液晶層に含まれるコレステリック型液晶分子と、該層と隣接するポリマー層に含まれるポリマーが化学的に結合していればよいが、基材剥離時に意図しない部分で分離し転写部が破損することを防ぐために、転写部に含まれる層同士の界面において、両層に含まれる成分を化学的に結合し密着性を高めることももちろん可能である。例えば、上記(4)において剥離層と配向層との界面で、上記(5)において保護層と配向層との界面で、上記(6)において剥離層と保護層との界面で、上記(7)において剥離層と保護層との界面および/または保護層と配向層との界面で、それぞれ化学結合を形成することももちろん可能である。また後述するホログラム形成層や情報受容層と、それらの層と隣接する層との界面で化学結合を形成してもよい。いずれの場合も隣接する層に含まれる成分に重合性基を導入し、両層を積層した状態で重合処理を施すことにより、化学結合を形成することができる。
【0050】
以下に、前記配向層、剥離層および保護層について説明する。但し、前記ポリマー層は配向層、剥離層および保護層に限定されるものではなく、コレステリック液晶層と隣接配置される任意の機能を有する層であることができる。
【0051】
配向層
コレステリック液晶層中の液晶分子を配向させ所望の光反射性を付与するために、基材とコレステリック液晶層との間に配向層を形成することができる。なお、位相差層の片面または両面等に配向層を形成することもできる。
配向層は、一般に配向膜として使用し得るものであればいずれでもよいが、情報受容層に記録された情報を目視で識別可能とするためには可視光透過性を有することが好ましい。配向層材料としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等を用いることができる。配向層は、これらの樹脂の溶剤溶液を、適宜な塗布法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行って形成することができる。前記ポリマー層が配向層である場合は、ラビング処理後の配向層上にコレステリック液晶層塗布液を塗布した後に、加熱処理や紫外線照射を行うことにより、コレステリック液晶層に含まれる液晶分子と配向層に含まれる樹脂を化学的に結合させることができる。そして配向層中のポリマーとコレステリック液晶層中のコレステリック型液晶分子を両層の界面を介して化学的に結合させることにより、例えば前述の層構成(1)の場合、基材剥離時に基材と配向層との界面で基材を剥離することができるため、被転写体に転写された転写部の最表面に配向層が現れる。この場合、配向層は保護層としての役割を果たすこともできる。但し、液晶層は、下層の物性によっては配向層なしでも層内の液晶分子を配向させることができるので、上記配向層は必須ではない。例えば、延伸フィルム(例えばPETフィルム)からなる基材を用いる場合には、配向層なしでも液晶層中の分子を配向させることができる。
【0052】
剥離層
転写部を剥離可能とするために、基材とコレステリック液晶層との間に剥離層を設けることもできる。剥離層は、転写部を基材から剥離しやすくし、かつ被転写体に転写された転写部の最表面層として保護層の機能を果たすことができる。但し、基材の種類によっては、剥離層を形成せずに基材から転写部を剥離できることもある。
【0053】
前記ポリマー層が剥離層である場合は、例えば後述する剥離層形成用樹脂として、重合性基を有する樹脂を使用すればよい。そのような樹脂は公知の方法で合成することができ、また市販品として入手可能なものもある。
【0054】
剥離層は、例えば、アクリル骨格樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース樹脂、およびポリエチレンワックスとの混合物等から形成することができ、特にアクリル骨格樹脂を主成分とすることが好ましい。また、ポリエステル樹脂等を使用することにより、剥離層と基材との密着力を調整することもできる。剥離層は、例えばアクリル骨格樹脂とポリエステル樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
【0055】
また、剥離層を、離型性材料を用いて形成することもできる。この場合、通常、離型性材料とバインダ樹脂が併用される。バインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、または熱硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等が使用できる。また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑等が使用できる。離型層は、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。剥離層の乾燥後の厚さは、通常0.1〜10μmである。また、液晶分子の配向のためにコレステリック液晶層と基材との間に配向層を設ける場合は配向膜が剥離層として機能することもある。
【0056】
保護層
本発明の中間転写記録媒体は、基材または剥離層とコレステリック液晶層との間に保護層を有することもできる。保護層は、中間転写記録媒体の転写部が被転写体へ転写された後に、その転写部の最表面の剥離層だけでは保護機能が不十分な場合に保護機能を強化すること、剥離層と転写部との密着性を高めること等を目的として設けることができる。また、剥離層を設けない場合は被転写体へ転写された後に、その転写部の最表面保護層として機能することができる。例えば、前述の層構成(3)等では、保護層に含まれるポリマーとコレステリック液晶層に含まれるコレステリック型液晶分子を化学的に結合することにより、基材剥離時に保護層とコレステリック液晶層が分離し、保護層が転写部から除去されてその目的を果たさなくなることを回避することができる。
【0057】
前記ポリマー層が保護層である場合は、例えば後述する保護層形成用樹脂として、重合性基を有する樹脂を使用すればよい。そのような樹脂は公知の方法で合成することができ、また市販品として入手可能なものもある。
【0058】
保護層は、少なくともバインダ樹脂から構成することができ、所望の保護機能を発揮し得る樹脂組成を選定することが好ましい。一般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型樹脂を用いることができる。転写部が転写された画像形成物に対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。
【0059】
また、保護層は、水溶性樹脂のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン等のエマルジョンを用い、さらに架橋アクリル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、架橋ポリスチレンアクリル微粒子、および、これら微粒子表面への官能基誘導体等の実質的に透明な微粒子を加えることにより、耐溶剤性や耐可塑剤性を向上させることができる。保護層は上記の剥離層と同様の方法で形成することができ、乾燥状態で塗工量0.1〜10g/m2、厚さは0.1〜10μm程度が好ましい。
【0060】
本発明の中間転写記録媒体においては、情報受容層とコレステリック液晶層を直接積層し、両層を隣接配置することもできるが、情報受容層とコレステリック液晶層との間に任意の層を設けることもできる。情報受容層とコレステリック液晶層との間に、ホログラム(ホログラム形成層および反射層)を設けることにより、前述のコレステリック液晶層による偽造・改ざん防止効果とともにホログラムによる偽造・改ざん防止効果をも得ることができ、セキュリティ性をより一層高めることができる。具体的には、本発明の中間転写記録媒体は、転写部に、前記ポリマー層、コレステリック液晶層、ホログラム形成層、反射層および情報受容層をこの順に有することができる。
以下に、ホログラムを形成する各層について説明する。
【0061】
ホログラム形成層
ホログラム形成層としては、公知のホログラム形成層を用いることができるが、情報受容層に記録された情報を目視で識別可能とするためには可視光透過性を有するものが好ましい。例えば、ホログラム形成層は、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
【0062】
ホログラム形成層は、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行って現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作製したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料に押し付けることにより、賦型を行うこともできる。熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱または電離放射線照射により硬化を行い、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、本発明では、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層もホログラム形成層に含めるものとする。また、ホログラム形成層および回折格子形成層を合わせたものは光回折構造層と呼ばれることもある。ホログラム形成層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜20μm程度である。
【0063】
反射層
反射層のバリエーションを図7に示す。反射層は、図7(a)に示すようにコレステリック液晶層と情報受容層との間にほぼ均一な膜厚で設けてもよく、図7(b)〜(e)に示すようにパターン状に設けてもよい。また、図7(c)〜(e)に示すようにパターン状の反射層(反射性パターン層)と可視光透過性反射層を組み合わせてもよい。
反射層を、光を反射する金属等の材料から形成すると不透明タイプのホログラムを得ることができ、可視光透過性を有する材料から形成すると透明タイプのホログラムを得ることができる。
図7(a)に示すようにほぼ均一な膜厚の反射層の場合、情報受容層に記録された情報を目視で識別可能とするためには、可視光透過性の反射層を設けることが好ましい。
図7(b)〜(e)に示す態様において、不透明反射性パターン層を形成した場合は反射性パターン層が積層されていない部分から、情報受容層に記録された情報を確認することが可能である。また、本発明の中間転写記録媒体では、可視光透過性の反射性パターン層と可視光透過性反射層を組み合わせることもできる。この場合は反射性パターン層と可視光透過性反射層との屈折率を変えることにより、反射性パターン層のパターンを目視で視認することが可能となる。
【0064】
反射性層を形成するための金属材料としては、Al、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の金属、またはそれら金属の酸化物もしくは窒化物等を用いることができ、これらのうちから1種もしくは2種以上を組み合わせ用いることができる。これらの中でも、Al、Cr、Ni、Ag、またはAu等が特に好ましく、その膜厚としては1nm〜10,000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜200nmである。
【0065】
可視光透過性を有する反射層を形成するための材料としては、ホログラム形成層を構成する素材と光の屈折率の異なる透明材料を用いることができる。この透明材料の光の屈折率はホログラム層を形成する素材の光の屈折率より大きくてもよいし、小さくてもよいが、ホログラム形成層との光の屈折率の差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上であり、特に好ましくは1.0以上である。好適に使用される素材の具体例としては、酸化チタン(TiO2)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化物等を挙げることができる。なお、厚みが20nm以下の金属薄膜も透明性を有するので、ホログラム層とは光の屈折率の異なる透明層を構成する素材として使用できる。
【0066】
反射層をパターン化すると、下層に反射性パターン層が積層された部分ではホログラムの絵柄が見えやすく、下層に反射性パターン層が積層されてない部分では情報受容層に記録された文字や画像等の情報が確認しやすくなる。また、反射層をパターン化する技術はきわめて高度であるため、反射性パターン層を有する中間転写記録媒体およびこの中間転写記録媒体を用いて作製された情報記録体は偽造・改ざんすることは困難である。更に、ホログラム形成層が形成する絵柄と反射性パターン層が形成する絵柄が組み合わされ複雑な外観を有し、意匠性に優れる。
【0067】
反射性パターン層のパターンの一例を図1に示す。図1(a)に示すように、パターンは、左右方向の幅が狭く上下方向に長い四角形が等間隔で配列した反射層が等間隔に、例えば、四角形の左右方向の長さ(即ち幅)と等しい間隔を有して配列したことによる縞状のパターンであってもよいし、または、図1(b)に示すように、反射層5が幾何学形状(図では長方形と星形)であってもよい。また、パターンは、以上のような具体的なパターンをポジパターンとするとき、それらのネガパターンであってもよい。なお、これらのパターンは例示であって、パターンは、主に意匠的な観点から自由に決めることができ、幾何学形状以外の文字や記号であってもよく、任意の形状であってよい。また、パターンをホログラム形成層のホログラムに同調させたものとしてもよい。ここで、同調とは、例えば図4(a)に示すように、ホログラム形成層によって現される絵柄と反射性パターン層により現される絵柄とにより連続絵柄が形成されること、好ましくは両絵柄が一体となって1つの連続絵柄を形成していることをいう。反射性パターン層のパターンをホログラム形成層の絵柄と同調させるには高度な技術を要するため、この技術を用いて形成された真偽判定用媒体の偽造防止効果はきわめて高い。一方、非同調とは、ホログラム形成層によって現される絵柄と反射性パターン層により現される絵柄が一致していないことをいう。非同調の態様としては、例えば図4(b)に示すように、反射性パターン層のパターン絵柄が連続絵柄となっているものや、例えば図4(c)に示すように、ホログラム形成層が形成する絵柄が連続絵柄になっているものがある。なお、図4では下層に位置する情報受容層に記録された文字、画像等の情報は省略している。
【0068】
パターンの大きさは、肉眼で解像し得るものであればよい。例えば形状が四角形であれば、縦横が1mm×1mm以上とすることができ、好ましくは3mm×3mm以上であり、より好ましくは5mm×5mm以上である。幾何学形状の場合には、円形であれば、直径を1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができ、そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができる。
【0069】
反射性パターン層は、図1(c)および(d)に示すように、微細パターン状に積層されていてもよい。この場合のパターン(微細パターン)は、図1(c)に示すように、下方の向かって左側から上方の向かって右側を向いた有限幅の線条からなる反射層を、幅方向に幅の2倍程度のピッチで配列した万線パターン状の微細パターンを構成したものであってもよく、または、図1(d)に示すように、円形状もしくは四角形状の微細な形状の反射層を等ピッチで配列したものであってもよい。
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンを構成するパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字または記号等の形状のものであってもよい。微細パターンを構成するパターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、または観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができる。前記パターンは、形成可能である範囲で小さくすることもできるが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横を、例えば0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下とすることができ、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上とすることが好ましい。
【0070】
パターンが微細パターンであるときは、微細パターンを形成する区域の形状である外形パターン(図1(c)または(d)であれば、外形の四角形)も任意に設定することができ、この外形パターンをホログラム形成層のホログラムの絵柄に同調させたものとしてもよい。
【0071】
反射性パターン層が微細パターンを構成する場合、反射性パターン層の面積率は、例えば20%〜80%であり、好ましくは30%〜60%である。反射性パターン層が微細パターン状に形成されている場合、微細パターンがある区域、即ち、外形パターン内においては、ホログラムの絵柄を確認することもでき、コレステリック液晶層の色彩が見る角度により変化することを確認することもできる。
【0072】
反射性パターン層を形成する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、パターンマスクを介して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより薄膜形成を行う方法、印刷法等を用いることができる。また、反射性層を全面に形成した後、不要部分を除去する方法を用いることもできる。
【0073】
以下に、図2および3に基づき、反射性層を全面に形成した後、不要部分を除去することより反射性パターン層を形成する方法の一例を説明する。
図2は、反射性層のパターン化を水溶性樹脂パターンを利用して行う方法の説明図である。なお、図2および以降に説明する際に引用する図3においては、ホログラム形成層以外の層、例えば、コレステリック液晶層等は省略する。
【0074】
図2(a)に示すように、まず、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を作製する。
次に、図2(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の反射性金属層が不要な部分に水溶性樹脂パターンを形成する。水溶性樹脂パターンの形成は、水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂を溶解または分散した水溶性樹脂組成物、いわゆる水溶性インキを用いて印刷する等により行うことができる。
その後、図2(c)に示すように、水溶性樹脂パターンが形成された面の一面に反射性層を形成する。その後、反射性層が形成された面に、水または酸性もしくはアルカリ性の水溶液等を接触させて、水溶性樹脂パターンを除去すると共に、水溶性樹脂パターンが積層されていた部分の反射性層を除去することにより、図2(d)に示すように、水溶性樹脂パターンが積層されていなかった部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。
【0075】
図3は、反射性層のパターン化をレジストパターンを利用して行う方法の説明図である。
まず、図3(a)に示すように、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成する。
次に、図3(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一面に反射性層を形成する。
その後、図3(c)に示すように、反射性層の下面の、反射性層が必要な部分にレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンが形成された面にエッチング液を作用させ、レジストパターンで被覆された部分以外の部分の反射性層をエッチングして除去する。これにより、図3(d)に示すように、レジストパターンで被覆された部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。なお、パターン状に形成された反射性層上に残ったレジストパターンは、残したままでもよいが、除去したい場合には、残ったレジストパターンを溶解等すればよい。
【0076】
上記の水溶性樹脂パターンまたはレジストパターンを用いる方法は、同じパターンを有する真偽判定用媒体を量産する際に好適である。反射性層のパターン化は、上記の種々の方法以外にも、反射性層を部分的に加熱し、加熱された部分の反射性層を、サーマルヘッドによる加熱またはレーザー光の照射等により、溶融または蒸発させて除去する方法がある。この方法は、各層を積層した後にも行うことができ、また、どちらかと言うと、個別の情報に基づいたパターン化を行う際に好適である。
以上説明した反射性層をパターン化するための種々の方法は、任意に組み合わせて用いることができる。
【0077】
反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせとする場合、図7(d)に示すように、可視光透過性反射層を反射性パターン層が積層されていない部分にパターン状に設けることも可能である。製造の容易性の点からは、図7(c)に示すように、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層の順に積層し、反射性パターン層を含む積層体表面全面に可視光透過性反射層を形成することが好ましい。
【0078】
前記可視光透過性反射層は、透明タイプのホログラムを形成するための反射層材料として先に説明した各種材料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、印刷法等により反射性パターン層を形成した積層体表面に成膜処理を施すことによって製造することができる。この場合、可視光透過性反射層の膜厚は、特に限定されないが、反射性パターン層上における膜厚として、例えば1〜10000nmとすることができる。
【0079】
情報受容層
情報受容層は、最終的に被転写体に印刷したい文字、画像等の情報を一旦受容する層である。なお、本発明において、中間転写記録媒体の「情報受容層」には、既に情報が記録された層に加えて、情報記録前であって中間転写記録媒体使用時に情報が記録される層も含まれるものとする。
【0080】
情報受容層への情報の記録方法は、特に限定されるものではないが、通常はインクジェット方式により、または昇華転写、溶融転写等の熱転写によって色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって、情報受容層に文字、画像等の情報が転写される。そして、情報が転写された中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することにより、最終的に被転写体上に情報を記録し印画物を形成することができる。
【0081】
情報受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーまたはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0082】
情報受容層が接着層を介して被転写体に転写される場合には、受容層自体の接着性は必ずしも要求されないが、情報受容層が基材側とは反対側の最表面に位置し接着層を介さないで被転写体に転写される場合は情報受容層として接着性を有する層を設ける。この場合は情報受容層を、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの感熱接着性を有する樹脂材料を用いて形成することが好ましい。一方、情報受容層とは別に接着層を設ける場合には、接着層を形成する接着剤としては感熱接着剤(ヒートシール材)、粘着剤等を使用することができる。
【0083】
情報受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、基材上にコレステリック液晶層を設けた積層体に塗布、乾燥して形成することができる。また、別途用意した剥離紙上に受容層用塗工液を塗布し、剥離紙上に形成した情報受容層と積層体とを貼り合わせてもよい。情報受容層の厚さは、乾燥状態で、例えば1〜10μmである。また、情報受容層とは別に接着層を設ける場合、接着層の厚さは、例えば0.5〜20μmとすることができる。また、本発明の中間転写記録媒体は、前述の各層のほかに公知の機能層等の任意の層を有することもできる。
【0084】
情報記録方法、情報記録体の製造方法
更に、本発明は、本発明の中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することにより被転写体上に情報を記録する情報記録方法に関する。本発明の情報記録方法では、中間転写記録媒体の転写部に含まれる情報受容層上の情報が、転写部とともに被転写体上に転写されることにより被転写体上に情報が記録される。
更に、本発明は、本発明の中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することを含む情報記録体の製造方法に関する。ここで、「情報記録体」とは、文字、画像等の各種情報を含むものであって、後述の被転写体の形状・用途について例示したものを含む様々な形態を取ることができる。
【0085】
本発明の中間転写記録媒体が適用される被転写体は特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、プラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。通常、転写時には熱が加わるため、転写時の熱で変形しない材質からなる被転写体が好ましい。
【0086】
被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力、スレッド用紙等の漉き込み用紙等、種類を問うものではない。また、被転写体上にあらかじめ所定の情報を印字しておき、その上に中間転写記録媒体から転写部を転写することにより、複合情報を有する情報記録体を得ることもできる。
【0087】
被転写体への情報の記録は、通常の中間転写記録媒体を使用する情報記録方法と同様に行うことができる。具体的には、中間転写記録媒体の接着層を被転写体と張り合わせた後、ヒートロール等を使用して熱圧した後、基材フィルムを剥離することにより、被転写体上に転写部を転写して情報を記録することができる。転写時の熱圧条件は特に限定されるものではないが、例えば、100〜200℃、100〜1000kPa、1〜10秒の条件とすることができる。こうして、所望の情報が記録された情報記録体を得ることができる。
【0088】
また、紙やプラスチックなどのシートに貫通孔とはならない凹部状の開口部を形成し、開口部からシートに転写された転写部が見えるように構成することにより、スレッド用紙を作製することができる。中間転写記録媒体は適用を容易にするため、例えば0.5mm〜5mm程度のごく狭い幅(図5中縦長のスレッド状)に裁断されており、紙の場合であれば、紙を構成する数層を積層する際に、表層を構成する層に開口部を設けておき、シート状物の層間にスレッド状の中間転写記録媒体をはさむ等して適用した後に基材を剥離することにより開口部上に転写部を転写することができる。このようにシート状物に中間転写記録媒体を用いて情報を記録した情報記録体の具体例としては、金券やその他の経済的価値を有する印刷物を挙げることができる。
【実施例】
【0089】
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
【0090】
[実施例1]
厚みが25μmのPETフィルムの表面に、アクリル樹脂溶液からなる剥離性ニスを塗布して剥離層を形成した。剥離層上にポリビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコールのOH基をO-に変換したもの)溶液を塗布し、乾燥させた後にラビング処理を行って配向層を形成した。その後、配向層上に紫外線硬化性コレステリック液晶塗料を塗布して乾燥させ、その後、紫外線照射を行なって硬化させ、コレステリック液晶層を形成した。ここで、紫外線硬化性コレステリック液晶塗料は、重合性のネマチック液晶(BASF(株)製、商品名;「パリオカラーLC242」)、カイラル剤(BASF(株)製、商品名;「パリオカラーLC756」)および紫外線重合開始剤を配合したものの20質量%溶液(溶剤:トルエン)であり、このうち重合性のネマチック液晶/カイラル剤の配合比は、質量基準で95.5/4.5、紫外線重合開始剤を重合性のネマチック液晶に対して5質量%配合したものである。
【0091】
形成したコレステリック液晶層上に以下に示す組成の情報受容層塗工液を塗布した後、色材層を有する熱転写シートを重ねてサーマルヘッドを使用して画像を印画し、厚さ2.0μmの情報受容層を形成した。これにより、基材/剥離層/配向層/コレステリック液晶層/情報受容層(接着層兼用)の層構成を有する中間転写記録媒体が作製された。
(情報受容層塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 40質量部
アクリルシリコーン 1.5質量部
メチルエチルケトン 50質量部
トルエン 50質量部
【0092】
[実施例2]
実施例1で得られた中間転写記録媒体の情報受容層(接着層兼用)を、カード基材に密着させた後、ヒートロールで熱圧した。その後、中間転写記録媒体からPETフィルムを除去した。このとき、配向層とコレステリック液晶層が分離することなく、PETフィルムのみを剥離することができた。これにより中間転写記録媒体の転写部がカード基材上に転写され、カード基材上に情報が記録された。
実施例1の中間転写記録媒体を用いて情報を記録したカード基材を目視で観察すると、コレステリック液晶層の色彩変化を視認することができた。このカード基材に右円偏光板を重ねたところ、コレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となり、左円偏光板を重ねたところ、反射が生じないためカード基材全面が暗く見えた。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】反射性パターン層のパターンの一例を示す。
【図2】反射性層のパターン化の説明図である。
【図3】反射性層のパターン化の説明図である。
【図4】ホログラム絵柄と反射層パターンの組み合わせの一例を示す。
【図5】スレッド用紙の説明図である。
【図6】位相差層を介して二層のコレステリック液晶層を有する態様の説明図である。
【図7(a)】ホログラムを有する中間転写記録媒体のバリエーションを示す。
【図7(b)】ホログラムを有する中間転写記録媒体のバリエーションを示す。
【図7(c)】ホログラムを有する中間転写記録媒体のバリエーションを示す。
【図7(d)】ホログラムを有する中間転写記録媒体のバリエーションを示す。
【図7(e)】ホログラムを有する中間転写記録媒体のバリエーションを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報受容層を含む転写部を基材上に剥離可能に有する中間転写記録媒体であって、
転写部は、基材側から、ポリマーを含むポリマー層、コレステリック型液晶分子を含むコレステリック液晶層、および情報受容層をこの順に有し、かつ
ポリマー層とコレステリック液晶層は隣接し、かつコレステリック型液晶分子とポリマーは、コレステリック液晶層とポリマー層の界面を介して化学的に結合している、前記中間転写記録媒体。
【請求項2】
ポリマー層は配向層である請求項1に記載の中間転写記録媒体。
【請求項3】
ポリマー層は基材と隣接して配置される請求項1または2に記載の中間転写記録媒体。
【請求項4】
転写部は、基材側とは反対側の最表面に接着層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間転写記録媒体。
【請求項5】
情報受容層が接着層である請求項4に記載の中間転写記録媒体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することにより被転写体上に情報を記録する情報記録方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の中間転写記録媒体の転写部を被転写体に転写することを含む情報記録体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図7(d)】
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【図7(e)】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−166319(P2009−166319A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5771(P2008−5771)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】