説明

乗客コンベアのレール支持構造

【課題】溶接の熱による主枠の変形を修正する溶接歪み取り作業を行うことなく、レールの上下方向及び横方向の位置を容易に規定の位置に調整できる位置調整手段を備えた乗客コンベアのレール支持構造を得る。
【解決手段】乗客コンベアのレール支持構造は、軸及び軸に回転可能に設けられたローラを有する踏段と、ローラが接触するように踏段が載せられる面を有するレールと、レールが取付けられるレール支持部材と、レール支持部材が設置されるとともに、複数の部材が溶接組立された主枠と、面に略直角に交差する方向及び軸の軸心方向にレール支持部材の設置位置を調整する位置調整手段とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベアのレール支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗客コンベアの踏段装置はトラス構造体からなる主枠に支えられている。主枠は、互いに離れて配置される上弦材と下弦材との間を縦部材と斜め部材で連結して構成した左右の側枠体と、これら左右の側枠体を連結する横桁部材によりトラス構造が形成されている。
踏段には4個のローラが回転可能に設けられている。各ローラに対応して4本のレールが設けられ、レールはレール支持部材に支持され、レール支持部材は主枠に取付けられている。踏段はローラがレール上を転動しながら移動する。
【0003】
そして、各レールの上下方向の位置が規定の位置から外れていると、踏段の移動にともない一部のローラがレールに着いたり離れたりして、そのたびに踏段が傾き乗り心地が悪くなる。このため、1つのレール支持部材に複数のレールを取付けて各レールの上下方向の位置が規定の位置になるようにしている。また、レールの横方向の位置が規定の位置からずれているとローラがレールの一部に当たるので、レールの横方向の位置決めを高い精度で行っている。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−112602(第10頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、主枠は溶接で組立てられるとともに、レール支持部材も主枠に溶接で取付けられているので、溶接の熱により主枠とレール支持部材が変形し、レールの上下方向及び横方向の位置が規定の位置からずれる。このため、レールが規定の位置となるように、溶接後に変形した各部材をハンマーで叩くなどして溶接歪み取り作業を行うので、手間が掛かっている。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、溶接の熱による主枠の変形を修正する溶接歪み取り作業を行うことなく、レールの上下方向及び横方向の位置を容易に規定の位置に調整できる位置調整手段を備えた乗客コンベアのレール支持構造を得ることを目的とする。
なお、従来技術では、レール支持部材を主枠に溶接固定しているが、本発明では、レール支持部材を主枠へ設置する機能を位置調整手段が兼ねている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、軸及び軸に回転可能に設けられたローラを有する踏段と、ローラが接触するように踏段が載せられる面を有するレールと、レールが取付けられるレール支持部材と、レール支持部材が設置されるとともに、複数の部材が溶接組立された主枠と、面に略直角に交差する方向及び軸の軸心方向にレール支持部材の設置位置を調整する位置調整手段と、を備えている。
【0008】
本発明によれば、レールにローラが接触する面に略直角に交差する方向及び踏段の軸の軸心方向について、レールの位置が規定の位置となるように、位置調整手段によりレール支持部材の位置を調整したうえで、レール支持部材を主枠に取付ける。
なお、レールにローラが接触する面に略直角に交差する方向及び踏段の軸の軸心方向は、例えば踏段が移動するのにともないローラが転動するレールの面を、平行移動する方向である。
このように、溶接歪み取り作業を行うことなく、溶接の熱で変形した主枠に、レールの位置が規定の位置になるようにレール支持部材を取付けることができる。
【0009】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、位置調整手段は、レール支持部材には、第1の締結手段が挿通される第1の締結穴が設けられ、主枠には、第1の締結手段が挿通される第2の締結穴が設けられ、レール支持部材は主枠に第1の締結手段により取付けられ、第1の締結穴と第2の締結穴との何れか一方は交差する方向が長手方向となる第1の長穴であり、他方は軸心方向が長手方向となる第2の長穴であることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、レール支持部材の第1の締結穴及び主枠の第2の締結穴に第1の締結手段を挿通し、第1の締結手段によりレール支持部材を主枠に取付ける。そして、第1の締結穴及び第2の締結穴は、何れか一方は交差する方向が長手方向となる第1の長穴にしてあり、他方は軸心方向が長手方向となる第2の長穴にしてある。そして、例えば、長穴に挿通している第1の締結手段の挿通部断面寸法よりも長穴の長手方向の寸法を長くしてあるため、長くしてある分だけレール支持部材及び第1の締結手段の位置を移動することができる。よって、レールが規定の位置になるように、交差する方向及軸心方向に取付け位置を調整したうえでレール支持部材を主枠に取付けできる。
【0011】
このように、レール支持部材と主枠に交差する方向及び軸心方向が長手方向となる長穴を設けておくことにより、簡易な構成でレール支持部材の取付け位置を調整したうえで、レール支持部材を主枠に取付けることができる。
【0012】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、第1の締結手段は第1のボルトと第1のナットであるとともに、第1のボルトが第1の締結穴と第2の締結穴に挿通されることが好ましい。
本発明によれば、レール支持部材の第1の締結穴と主枠の第2の締結穴を合わせ、それぞれの締結穴に第1のボルトを挿通して第1のナットで締結する。このとき、例えばレール支持部材の位置を交差する方向及び軸心方向に移動できる程度に第1のナットを緩く締結する。そして、レール支持部材を交差する方向及び軸心方向に動かしてレール支持部材の取付け位置を調整した後、第1のナットを締め付けてレール支持部材が動かないように主枠に取付ける。
【0013】
このように、第1のボルトを挿通したうえでレール支持部材を交差する方向及び軸心方向に動かすので、第1の締結穴と第2の締結穴とが離れることが無く、レール支持部材の位置調整が容易に行える。また、レール支持部材を主枠に取付けた後に、再度レール支持部材の位置調整が必要になった場合でも、第1のボルトと第1のナットを緩めることにより位置調整が可能になる。
【0014】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、レール支持部材と主枠とを貫通して設けられた複数の穴を有し、少なくとも2つの穴に棒状部材が嵌合されていることが好ましい。
本発明によれば、レール支持部材と主枠とに貫通した少なくとも2つの穴にそれぞれ棒状部材が嵌合されると、レール支持部材と主枠との相対位置が棒状部材により固定される。
このため、主枠にレール支持部材を取付けている第1の締結手段の締結が緩んでも、レール支持部材の位置がずれることはなく、レールの交差する方向及び軸心方向の位置は規定の位置に保たれる。
【0015】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、第2の締結手段が挿通される第3の締結穴を両端部に有する横部材を備え、主枠の右部と左部とに第2の締結手段が挿通される第4の締結穴が設けられ、主枠の右部と左部とを連結するように横部材が主枠に第2の締結手段により取付けられていることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、横部材の両端部に設けられた第3の締結穴と、主枠に設けられた第4の締結穴に、第2の締結手段を挿通して横部材を主枠に締結すると、横部材と主枠の相対位置が自ずと定まる。
このため、主枠の右部と左部とを連結するように横部材を取付けるときに、横部材を取付ける位置決め作業をしなくても、所定の位置に横部材を取付けることができ、組立作業時間を短縮できる。
【0017】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、第2の締結手段は第2のボルトと第2のナットであるとともに、第2のボルトが第3の締結穴と第4の締結穴に挿通されることが好ましい。
本発明によれば、横部材の両端部に設けられた第3の締結穴と、主枠に設けられた第4の締結穴に、第2のボルトを挿通して第2のナットを締結し、主枠に横部材を取付ける。
このため、据付工事や改修工事等で主枠から横部材を取り外したいときには、第2のボルトから第2のナットを外すと横部材を取外すことができる。
【0018】
本発明に係る乗客コンベアのレール支持構造は、ローラ近傍の軸に連結されて踏段を駆動する踏段鎖に塗布された油と、主枠の下部に設けられるとともに、油を受けるオイルパンとを備え、レール支持部材の横端部は、踏段鎖側へ屈曲した断面形状に形成されており、横端部の下端部は、オイルパンの水平投影図の外形線の内側に設けられていることが好ましい。
【0019】
本発明によれば、レール支持部材を製作するときに、レール支持部材の横端部を踏段鎖側へ屈曲させておく。これにより踏段鎖に塗布された油がレール支持部材の上に落下し、レール支持部材の横端部まで伝わっても、この横端部で堰き止められるとともに、横端部に沿って下端部へ伝わって行く。そして、下端部はオイルパンの水平投影図の外形線の内側に設けられているので、油は下端部からオイルパンに落下する。
このため、レール支持部材の横端部を踏段鎖側へ屈曲させて形成しておくと、踏段鎖からレール支持部材の上に落下する油を簡易な構成でオイルパンに導くことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、溶接の熱による主枠の変形を修正する溶接歪み取り作業を行うことなく、レールの上下方向及び横方向の位置を容易に規定の位置に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態を示す乗客コンベアの側面を示す図である。
【図2】図1のII−II線断面を矢視した断面図である。
【図3】図2の右部分の拡大図である。
【図4】図1のIII−III線断面を矢視した断面図である。
【図5】図4の左部分の拡大図である。
【図6】図3のIV−IV線断面を矢視した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1〜6により説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す乗客コンベア1の側面を示す図である。図2は図1のII−II線断面を矢視した断面図で、主枠10の内側を上階建築梁2側から見た状態を示している。図3は図2の右部分の拡大図である。図4は図1のIII−III線断面を矢視した断面図で、主枠10の内側を下階建築梁3側から見た状態を示している。図5は図4の左部分の拡大図である。図6は図3のIV−IV線断面を矢視した断面図で、レール支持板50の折り曲げ部50cを示した図である。
【0023】
図1において、主枠10を構成する複数の部材のうちの一つとして縦部材20が溶接されており、この主枠10が上階建築梁2と下階建築梁3とに渡って架設されている。主枠10の内側には無端状に連結された複数の踏段30が設けられ、主枠10の上部には移動手摺4が設けられている。
【0024】
図2、図4において、図示上側の踏段30が乗客が乗る往路側であり、図示下側の踏段30が帰路側である。踏段30の進行方向の一端部側には軸としての駆動軸32が設けられ、駆動軸32の両端部にはローラとしての駆動ローラ34が回転可能に取付けられている。また、踏段30の進行方向の他端部側には軸としての追従軸36が設けられ、追従軸36の先端部にはローラとしての追従ローラ38が回転可能に取付けられている。駆動ローラ34と追従ローラ38それぞれに対応してレール52が設けられており、レール52はレール支持部材としてのレール支持板50に取付けられている。主枠10を構成する複数の部材のうちの一つとして溶接取付けされている縦部材20は、主枠10の右部と左部に対向するようにそれぞれ取付けられており、レール支持板50は、これらの縦部材20に取付けられている。
【0025】
踏段30は、駆動ローラ34と追従ローラ38とがレール面52aに接するようにレール52に載せられている。駆動ローラ34近傍の駆動軸32には油40a(図示せず)が塗布された踏段鎖40が取付けられている。踏段30は駆動軸32を介して踏段鎖40により駆動され、駆動ローラ34と追従ローラ38がレール面52aを転動して踏段30が移動する。
【0026】
図3、図5により、縦部材20へのレール支持板50の取付け構造を説明する。レール支持板50には第1のボルトとしてのボルト80を挿通するための第1の長穴としての長穴50aが設けられている。長穴50aはレール面52aに略直角に交差する方向である上下方向が長手方向となるように設けられている。また、縦部材20にはボルト80を挿通するための第2の長穴としての長穴20aが設けられている。長穴20aは、駆動軸32の軸心方向である横方向が長手方向となるように設けられている。このように長穴20aと長穴50aとに挿通されたボルト80に、第1のナットとしてのナット82を締結することにより、縦部材20にレール支持板50が取付けられている。
【0027】
そして、縦部材20にレール支持板50が取付けられた後に、縦部材20とレール支持板50に貫通して設けられた2箇所の穴88aに棒状部材としてのピン88がそれぞれ嵌合されている。
【0028】
次に、横部材60について説明する。横部材60は、主枠10の右部と左部に対向してそれぞれ設けられた、主枠10を構成する複数の部材のうちの一つとしての縦部材20同士を連結している。横部材60の両端部には、それぞれ第3の締結穴としてのボルト穴60aが設けられており、また、縦部材20には、第4の締結穴としてのボルト穴20bが設けられている。そして、このボルト穴60aとボルト穴20bとに第2のボルトとしてのボルト84を挿通し、第2のナットとしてのナット86を締結することにより、横部材60を縦部材20に取付けて連結している。なお、ボルト84の頭がレール支持板50と干渉しないように、レール支持板50には逃がし穴50bが設けられている。
【0029】
図6に示すように、レール支持板50の反踏段30側の横端部には、踏段鎖40側に折り曲げて形成された折り曲げ部50cが設けられている。また、折り曲げ部50cの下端部50dは、主枠10の下部に設けられているオイルパン70の水平投影図の外形線の内側に位置するように設けられている。
【0030】
このように構成された乗客コンベア1について、レール52の位置調整と取付けを説明する。
まず、レール52をレール支持板50に取付ける。次に、縦部材20の長穴20aとレール支持板50の長穴50aを合わせてボルト80を挿通し、レール支持板50の位置を上下方向と横方向に移動できる程度に軽くナット82を締める。
【0031】
そして、レール52の上下方向及び横方向の位置が規定の位置になるようにレール支持板50を移動する。この際に、長穴20aは横方向が長手方向となるように設けてあり、長穴50aは上下方向が長手方向となるように設けてある。よって、これを利用してレール支持板50とボルト80を移動する。レール支持板50の位置を調整したら、ボルト80とナット82を締めてレール支持板50を縦部材20に固定する。
なお、レール52の規定の位置は、例えば、予め決めておいた主枠10の所定の位置からレール52までの寸法とする。
次に、1つのレール支持板50について2箇所づつ、レール支持板50と縦部材20とを貫通する穴88aを開けるとともに、これらの穴88aにピン88を嵌合する。次に、ボルト84とナット86で横部材60を縦部材20に取付ける。
【0032】
次に、図3により踏段鎖40に塗布された油40aがレール支持板50の表面に落下した場合に、油40aが伝わる経路について説明する。レール支持板50の表面に落下した油40aは、レール支持板50の表面で広がりながら下の方へ伝わって行く。一部の油40aは、レール支持板50の反踏段30側の横端部まで広がったところで、折り曲げ部50cで堰き止められ、折り曲げ部50cに沿って下の方へ伝わって行く。折り曲げ部50cの下端部50dまで伝わった油40aは、オイルパン70に落下する。
【0033】
このように構成された乗客コンベア1のレール52支持構造によれば、レール52の上下方向及び横方向の位置が規定の位置になるようにレール支持板50の位置を調整した上で、レール支持板50を縦部材20にボルト80とナット82で取付ける。これにより、溶接の熱による主枠10の変形を修正する溶接歪み取り作業を行うことなく、レール52の上下方向及び横方向の位置を容易に規定の位置に調整できる。また、縦部材20とレール支持板50には、それぞれ穴88aを2箇所づつ開けたうえで、これらの穴88aにピン88を嵌合しているため、ボルト80とナット82の締結が緩んだ場合でもレール支持板50の位置がずれることはなく、レール52の上下方向及び横方向の位置は規定の位置に保たれる。
【0034】
また、対向する縦部材20同士を連結する横部材60は、縦部材20と横部材60にそれぞれ設けたボルト穴20aとボルト穴60aとに挿通したボルト84にナット86を締結して固定するので、横部材60の取付け位置は自ずと決まる。
このように、縦部材20に横部材60をボルト84とナット86で取付ける場合は、位置決め作業をしなくても、所定の位置に横部材60を取付けることができるので組立作業時間を短縮できる。
【0035】
また、レール支持板50の反踏段30側の横端部には折り曲げ部50cを設けているため、踏段鎖40に塗布された油40aがレール支持板50の表面に落下して反踏段30側に広がっても、折り曲げ部50cで堰き止め、下端部50dを経てオイルパン70に落下するように導くことができる。
【0036】
レール支持板50を製作するときに、反踏段30側の横端部を折り曲げて、折り曲げ部50cを設けることは容易である。つまり、レール支持板50に折り曲げ部50cを設けておけば、踏段鎖40からレール支持板50の表面に落下する油40aを簡易な構成でオイルパン70に導くことができる。
【0037】
なお、実施の形態1では、縦部材20の長穴20aは横方向が長手方向となるように設け、レール支持板50の長穴50aは上下方向が長手方向となるように設けたが、縦部材20の長穴20aを上下方向が長手方向となるように設け、レール支持板50の長穴50aを横方向が長手方向となるように設けても同じ効果が得られる。
なお、実施の形態1では、第1の締結手段をボルト80とナット82としたが、リベットを用いても同じ効果が得られる。
なお、実施の形態1では、第2の締結手段をボルト84とナット86としたが、リベットを用いても同じ効果が得られる。
なお、実施の形態1では、レール52の形状が同じ場合で説明したが、レールの形状がそれぞれ異なっていても同じ効果が得られる。
【符号の説明】
【0038】
1 乗客コンベア、 10 主枠、 20 縦部材、 20a 長穴、
20b ボルト穴、 30 踏段、 32 駆動軸、 34 駆動ローラ、
36 追従軸、 38 追従ローラ、 40 踏段鎖、 50 レール支持板、
50a 長穴、 50c 折り曲げ部、 50d 下端部、 52 レール、
52a レール面、 60 横部材、 60a ボルト穴、 70 オイルパン、
80 ボルト、 82 ナット、 84 ボルト、 86 ナット、 88 ピン、
88a 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸及び前記軸に回転可能に設けられたローラを有する踏段と、
前記ローラが接触するように前記踏段が載せられる面を有するレールと、
前記レールが取付けられるレール支持部材と、
前記レール支持部材が設置されるとともに、複数の部材が溶接組立された主枠と、
前記面に略直角に交差する方向及び前記軸の軸心方向に前記レール支持部材の前記設置位置を調整する位置調整手段と、
を備えたことを特徴とする乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項2】
前記位置調整手段は、
前記レール支持部材には、第1の締結手段が挿通される第1の締結穴が設けら、
前記主枠には、前記第1の締結手段が挿通される第2の締結穴が設けられ、
前記レール支持部材は前記主枠に前記第1の締結手段により取付けられ、
前記第1の締結穴と前記第2の締結穴との何れか一方は前記交差する方向が長手方向となる第1の長穴であり、他方は前記軸心方向が長手方向となる第2の長穴であることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項3】
前記第1の締結手段は第1のボルトと第1のナットであるとともに、前記第1のボルトが前記第1の締結穴と前記第2の締結穴に挿通されることを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項4】
前記レール支持部材と前記主枠とを貫通して設けられた複数の穴を有し、
少なくとも2つの前記穴に棒状部材が嵌合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項5】
第2の締結手段が挿通される第3の締結穴を両端部に有する横部材を備え、
前記主枠の右部と左部とに前記第2の締結手段が挿通される第4の締結穴が設けられ、
前記主枠の右部と左部とを連結するように前記横部材が前記主枠に前記第2の締結手段により取付けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項6】
前記第2の締結手段は第2のボルトと第2のナットであるとともに、前記第2のボルトが前記第3の締結穴と前記第4の締結穴に挿通されることを特徴とする請求項5に記載の乗客コンベアのレール支持構造。
【請求項7】
前記ローラ近傍の前記軸に連結されて前記踏段を駆動する踏段鎖に塗布された油と、
前記主枠の下部に設けられるとともに、前記油を受けるオイルパンとを備え、
前記レール支持部材の横端部は、前記踏段鎖側へ屈曲した断面形状に形成されており、前記横端部の下端部は、前記オイルパンの水平投影図の外形線の内側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の乗客コンベアのレール支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153526(P2012−153526A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16566(P2011−16566)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】